JP5610331B2 - 原料植物種判定方法 - Google Patents
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Description
配列番号1:第1位〜第57位
配列番号2:第1位〜第57位
本発明者らは、上記配列番号1及び2に示される塩基配列のレトロトランスポゾン(PHARE-1)に隣接するゲノム領域の塩基配列に基づいて、各隣接プライマーを設計し、PHARE-1の塩基配列に基づいて、RTPプライマーを設計している。なお、発明者らが実際に使用したRTPプライマーは、配列番号3に示される塩基配列からなるプライマーであり、隣接プライマーは、配列番号4及び5に示される塩基配列からなるプライマーである。
本発明者が、調べた北海道立中央農業試験場遺伝資源部が保有しているアズキ品種や系統26種類を表1に示す。
アズキ植物体のゲノムDNAは、CTAB(cetyltrimethylammonium bromide)法(早川孝彦(1997)タバコのDNA・RNA単離法.“新版植物のPCR実験プロトコール”島本功、佐々木卓治監修.秀潤社、東京,49-56.)を基本に抽出した。
北海道立中央農業試験場遺伝資源部が保有しているアズキ品種や系統26種類について、PHARE-1のLTR配列を利用してS-SAP法による分析を行った。PHARE-1のLTR配列は、アズキ品種「しゅまり」のゲノムから、前述のHirochikaらの方法に従い、Ty1-Copia型レトロトランスポゾンの逆転写酵素領域に存在するアミノ酸保存配列をターゲットとするPCRにより同酵素領域の配列を単離し、このようにして単離した逆転写酵素領域の配列の延長配列をSuppression PCR法により単離することで、PHARE-1の末端部に存在する配列として同定したものである。このS-SAP法による電気泳動の結果から、これら26種類に全てに共通して存在すると見られるPHARE-1レトロトランスポゾン挿入部位を特定した。
特定した挿入部位の内の3カ所をクローニングしてその塩基配列(配列番号1及び2)を決定し、その配列における、PHARE-1レトロトランスポゾンの塩基配列とそれに隣接するそれぞれのゲノム領域の塩基配列に基づいてプライマーを設計した。設計したPHARE-1レトロトランスポゾンの塩基配列に基づくRTPプライマー(Az-Copia1-LYT-D)、及び配列番号1及び2のゲノム領域の塩基配列に基づく隣接プライマーの塩基配列は、以下の通りである。
Az-Copia1-LYT-Dプライマー(RTPプライマー):5'-GCTAAACACATAAGGGAGATTTCTCC-3'(配列番号3)
P1-DE-T1-5A1プライマー(配列番号1の塩基配列に基づく隣接プライマー):5'-CATCTAACACACCCTAAGAGATAGTC-3'(配列番号4)
P1-DE-T2-4A1プライマー(配列番号2の塩基配列に基づく隣接プライマー):5'-CCAGTAAGGATCCTTGGGTTTTCTTC-3'(配列番号5)
Az-Copia1-LYT-DプライマーとP1-DE-T1-5A1プライマー及びAz-Copia1-LYT-DプライマーとP1-DE-T2-4A1プライマーの2つのプライマー組合せについて、表1に示されたアズキ植物体から抽出したゲノムDNA溶液(20ng/μl)1μlを鋳型としてPCRを行った。PCRは、容量10μlの反応液として、E x Taq(TaKaRa)を用いて、94℃4分間の変性、94℃30秒間・59℃30秒間・72℃20秒間を40サイクル、72℃5分間の最終伸長反応のサイクリング条件で行った。増幅産物をアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイドで染色して観察した。その結果、これら2つのプライマー組合せのPCRにおいては、プライマーの設計位置から期待された長さのDNA断片(Az-Copia1-LYT-DプライマーとP1-DE-T1-5A1プライマーでは、219bp、Az-Copia1-LYT-DプライマーとP1-DE-T2-4A1プライマーでは、312bp)がアズキの26種類の全てで増幅した。
配列番号1と2のようなアズキの品種には共通して存在するPHARE-1レトロトランスポゾンの挿入部位が、アズキと同じ属に属する最も近縁なマメ科作物などには存在しないことを確認するため、以下の植物について、葉または乾燥子実から上記(2)の方法によりゲノムDNAを抽出し、(4)の方法によるPCR増幅により、ゲノム中におけるその挿入部位の存在を判定した。
植物とDNAを抽出した組織:アズキ品種「きたのおとめ」の葉、アズキ系統「天津小豆」の葉、アズキ品種「きたのおとめ」の乾燥子実、リョクトウ(市販品)の乾燥子実
その結果、図1及び図2に示されるように、アズキ品種のゲノムDNAを鋳型としたPCRでは、それぞれの挿入部位の塩基配列に基づき設計したプライマーの位置から期待された長さとなるDNA断片(Az-Copia1-LYT-DプライマーとP1-DE-T1-5A1プライマーでは、219bp、Az-Copia1-LYT-DプライマーとP1-DE-T2-4A1プライマーでは、312bp)が増幅した。一方、リョクトウのゲノムDNAを鋳型としたPCRでは、いずれのPCRにおいても増幅断片が見られなかった。なお、リョクトウから抽出した同じDNAを鋳型として別のプライマーを用いてPCRを行ったところ、プライマーの設計から予想されたDNA断片の増幅がみられた。それゆえ、図1及び図2のPCRにおいてDNA断片が増幅しなかったのは、リョクトウから抽出したDNAの品質がPCR増幅に適していなかったためではなく、Az-Copia1-LYT-DプライマーとP1-DE-T1-5A1プライマーのセット、及びAz-Copia1-LYT-DプライマーとP1-DE-T2-4A1プライマーのセットにより増幅するPHARE-1の挿入部位がリョクトウには存在しないためである。この結果、これら2つのPHARE-1の挿入部位(配列番号1及び2)は、アズキに固有のものであることが分かった。
Claims (8)
- 加工食品に含まれる原料植物の植物種を判定する原料植物種判定方法であって、
植物ゲノムに原料植物の植物種固有のレトロトランスポゾン挿入部位が存在するか否かを検出し、この検出結果に基づいて、原料植物の植物種を判定し、
上記植物ゲノムに原料植物の植物種固有のレトロトランスポゾン挿入部位が存在するか否かの検出には、
判定対象とする植物種の品種のゲノムに共通して存在しているレトロトランスポゾン挿入部位における、当該レトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列に基づいて設計されるプライマーと、レトロトランスポゾンの塩基配列に基づいて設計されるプライマーとを組み合わせたプライマーセットを用いて、加工食品から調製したDNAを鋳型として核酸増幅反応を行い、増幅産物の有無を確認する方法を用い、
上記原料植物の植物種固有のレトロトランスポゾン挿入部位は、原料植物種のゲノムに存在するが原料植物種以外の植物種のゲノムには存在しないレトロトランスポゾンの挿入部位であり、
当該原料植物の植物種固有のレトロトランスポゾン挿入部位は、判定対象とする植物種の品種について、ゲノム中のレトロトランスポゾン挿入部位を比較して、当該植物種の品種のゲノムに共通して存在しているレトロトランスポゾン挿入部位を選択し、選択されたレトロトランスポゾン挿入部位について、原料植物種以外の植物種のゲノムに存在するか否かの確認を行い、
上記確認の結果、原料植物種以外の植物種のゲノムに存在しないレトロトランスポゾン挿入部位を、上記原料植物の植物種固有のレトロトランスポゾン挿入部位として決定し、
上記原料植物の植物種はアズキであり、
上記レトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号1または2に示される塩基配列に基づいて設計されるプライマーであり、
上記レトロトランスポゾンの塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号3に示される塩基配列からなるプライマーであることを特徴とする原料植物種判定方法。 - 上記増幅産物の断片長は40bp〜600bpであることを特徴とする請求項1に記載の原料植物種判定方法。
- 上記加工食品はアズキを原料に含むことを特徴とする請求項1または2に記載の原料植物種判定方法。
- 上記レトロトランスポゾンの塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号3に示される塩基配列からなるプライマーであり、
上記レトロトランスポゾン挿入部位のレトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号4または5に示される塩基配列からなるプライマーから選択されることを特徴とする請求項1に記載の原料植物種判定方法。 - 上記原料植物種以外の植物種は、原料植物の近縁種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の原料植物種判定方法。
- 請求項4に記載の原料植物種判定方法に用いるプライマーであって、配列番号3〜5に示される塩基配列からなることを特徴とするアズキ種判定用プライマー。
- 請求項1〜3、5のいずれか1項に記載の原料植物種判定方法を実施するためのキットであって、レトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列に基づいて設計されるプライマーと、レトロトランスポゾンの塩基配列に基づいて設計されるプライマーとを含み、
上記レトロトランスポゾンに隣接するゲノム領域の塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号1または2に示される塩基配列に基づいて設計されるプライマーであり、
上記レトロトランスポゾンの塩基配列に基づいて設計されるプライマーは、配列番号3に示される塩基配列からなるプライマーであることを特徴とするアズキ種判定キット。 - 請求項4または5に記載の原料植物種判定方法を実施するためのキットであって、配列番号3に示される塩基配列からなるプライマーを含み、かつ、配列番号4または5に示される塩基配列からなるプライマーのうち少なくとも1つ以上を含むことを特徴とするアズキ種判定キット。
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