JP5601147B2 - マイクロスピーカーボイスコイル用巻線及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献6では、連続鋳造圧延法にて、銅溶湯から直接銅材を製造する際に、酸素量0.005質量%の銅以下の銅溶湯に、Ti、Zr、Vなどの金属を微量(0.0007〜0.005質量%)添加することで軟化温度を低下させることが提案されている。しかし、特許文献6では、導電率に関する検討はなされておらず導電率と軟化温度を両立する製造条件範囲は不明である。
そこで、SCR連続鋳造圧延システム(South Wire Continuous Rod System)にて検討しようとした。
130℃〜148℃であることを特徴とするものである。
ることを特徴とするものである。
添加元素は、Mg、Zr、Nb、Ca、V、Ni、Mn、Ti、及びCrからなる群から選択する。添加元素として、Mg、Zr、Nb、Ca、V、Ni、Mn、Ti、及びCrからなる群から選択されるものを選んだ理由は、これらの元素は他の元素と結合しやすい活性元素であり、Sと結合しやすいためSをトラップすることができ、銅母材(マトリクス)を高純度化することができるためである。添加元素は、1種類以上含まれていてもよい。また、合金の性質に悪影響を及ぼすことのないその他の元素及び不純物を合金に含有させることもできる。
分散粒子のサイズは小さく沢山分布することが望ましい。その理由は、硫黄の析出サイトとして働くためサイズが小さく数が多いことが要求される。
SCR連続鋳造圧延により、鋳塊ロッドの加工度が90%(30mm)〜99.8%(5mm)でワイヤロッドを造る、一例として、加工度99.3%でφ8mmワイヤロッドを造る方法を用いる。
表3は、無酸素銅線を用いた比較材12と低酸素銅に13mass ppmのTiを含有した軟質希薄銅合金線を用いた実施材5とを試料とし、異なる焼鈍温度で1時間の焼鈍を施したもののビッカース硬さ(Hv)を検証した表である。
表4は、無酸素銅線を用いた比較材12と低酸素銅に13mass ppmのTiを含有した軟質希薄銅合金線を用いた実施材6を試料とし、異なる焼鈍温度で1時間の焼鈍を施したものの0.2%耐力値の推移を検証した表である。実施材6は、表1の実施材1に記載した合金組成と同じものを使用した。なお、試料としては、2.6mm径の試料を用いた。
ここで、R:素線曲げ半径(30mm)、r:素線半径 である。
また、図10は、実施材8の試料の幅方向の断面組織の写真を表したものであり、図11は、比較材14の幅方向の断面組織の写真を表したものである。図10は、比較材14の結晶構造を示し、図11は実施材8の結晶構造を示している。
本発明のマイクロスピーカー用ボイスコイルは、芯材と、この芯材を被覆するポリウレタン樹脂を主成分とするエナメル線用絶縁塗料を塗付焼き付けし絶縁層とし、この上層に融点120℃〜140℃程度の12ナイロンを主体とした共重合ナイロン樹脂を主成分とした自己融着塗料を塗布焼付けして融着層とした自己融着絶縁電線によって構成される。
Claims (4)
- 不可避的不純物を含む純銅と、前記不可避的不純物としての3〜12mass ppmの硫黄と、2mass ppmを超え30mass ppm以下の酸素と、添加元素としての4〜25mass ppmのTiとからなり、1200℃以上1320℃以下の鋳造温度で溶湯にした銅溶湯に前記Tiを添加し、前記Tiが添加された銅溶湯から鋳塊ロッドを作製した後、最初の圧延ロールでの温度を880℃以下、最終圧延ロールでの温度を550℃以上に制御して前記鋳塊ロッドに熱間圧延加工を施す工程を経て製造された軟質希薄銅合金材料を用いたマイクロスピーカーボイスコイル用巻線において、
前記軟質希薄銅合金材料は、表面から50μm深さまでの表層における平均結晶粒サイズが20μm以下であることを特徴とするマイクロスピーカーボイスコイル用巻線。 - 前記軟質希薄銅合金材料の軟化温度は、φ2.6mmサイズで130℃〜148℃であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロスピーカーボイスコイル用巻線。
- 前記銅合金線は、その導電率が101.5%IACS以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロスピーカー用ボイスコイル。
- SCR連続鋳造圧延装置により、不可避的不純物を含む純銅と、前記不可避的不純物としての3〜12mass ppmの硫黄と、2mass ppmを超え30mass ppm以下の酸素と、添加元素としての4〜25mass ppmのTiとからなり、1200℃以上1320℃以下の鋳造温度で溶湯にした銅溶湯に前記Tiを添加し、前記Tiが添加された銅溶湯から鋳塊ロッドを作製し、その鋳塊ロッドを最初の圧延ロールでの温度が880℃以下、最終圧延ロールでの温度が550℃以上の条件で熱間圧延して軟質希薄銅合金材料を作製し、この軟質希薄銅合金材料を伸線加工して得られる伸線材に塗料を塗布・焼付けることによりマイクロスピーカーボイスコイル用巻線を製造することを特徴とするマイクロスピーカーボイスコイル用巻線の製造方法。
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