JP5600198B1 - 連結構造を有する冊子類 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各冊子類1の表紙3に、縦に、切込み5を入れてスリット7を形成する。また、各冊子類1の裏表紙9に切込み5を入れて挿入拡張片11を形成する。この挿入拡張片11を、スリット7に挿入して拡張することで、冊子類1の連結をおこなう。挿入拡張片11は、挿入部位13と拡張部位15で構成される。拡張部位15は、挿入部位13の基部の両側に、折畳み可能に形成される。スリット7の位置と、挿入部位13の基部の幅17の位置とは、連結のために冊子類1を重ねた状態で、同じ位置に重なる。
【選択図】図1
Description
物理的にまとめるために従来、行われていた簡易な方法として、例えば手帳を、開いた状態で複数重ね、輪ゴムに通し、この輪ゴムを表紙または裏表紙の間に位置させておく方法がある。
また、下記特許文献1には、ファスナーを用いて、手帳を連結する技術が開示されている。
これらの問題は、手帳に限らず、他の冊子、ノート、本等でも同様に存在する。このため、この出願が対象とする冊子類とは、手帳、冊子、ノート、本など表紙と裏表紙を有し、紙などからなる各葉を、紐、接着剤、綴じ具などで綴じた構成を有するものを全て含むものとする。
縦方向に伸びる背部を介して連続する表表紙及び裏表紙を有する冊子類であって、
少なくとも2つの同一構造の冊子類を重ねて連結するための連結構造を有し、
この連結構造は、表表紙及び裏表紙のうちの一方表紙に縦方向の単一のスリットを設けるとともに、表表紙及び裏表紙のうちの他方表紙に、横方向の両側に基端部及び先端部を有するように配向され、先端部側からスリットへ挿入可能な単一の挿入拡張片を設けてなり、
前記挿入拡張片は、前記スリットの長さと略同じ寸法の幅を有する挿入部位と、挿入部位の両側に形成した横方向の折畳辺を介して連続し、挿入時には折り畳まれ、挿入後には折り畳みを解いて拡張することが可能な一対の拡張部位とを有し、
かつ前記スリットと挿入部位の基部とは、その幅が略同じ寸法であり、かつ閉じた状態の冊子類の表紙面と直角な方向から見てほぼ同じ位置に配置することにより、2つの同一構造の冊子類のうちの一方の冊子類のスリット内に、他方の冊子類の挿入拡張片を挿入したときに、それら2つの冊子類が一つの冊子類の如く重なるように形成し、
前記他方表紙の上縁および下縁から、中央に向かって切込みを入れ、これら切込みの切込み先端を通って前記上縁および下縁に平行に背部と反対側の縁部である側縁に至るように前記折畳辺を形成することにより、他方表紙のうち前記両切込みよりも側縁寄りの表紙部分の全体を挿入拡張片とした。
また、連結した状態で左右方向へ引っ張る力には、拡張部位がスリットに係止して抵抗するので、連結状態の冊子類を左右に引っ張っても十分な強度を有することになり、連結して全体としてあたかも1つの冊子類として、開いて使用する際に、強度が安定する。
この発明の第一実施形態を、図1および図2に示す。
「第一実施形態の構成」
本実施形態において、冊子類1とは、手帳をいう。また、この冊子類1を、図では、2冊、閉じた状態で重ねて連結する。
なお、挿入部位13の「基部」とは、図面から明らかなように、切込み5bの延長線上の直線の部位であり、2つの切込み5bの間に位置する部位である。
図1および図2に、第一実施形態の連結手順を示す。
図1(1A)(1B)に示すように、スリット7や挿入拡張片11を形成した2つの冊子類1を用意する。そして、図1(1C)に示すように、一方の冊子類1に形成された挿入拡張片11を、折畳辺23に沿って、折り畳む。すなわち両側の拡張部位15を折り畳む。そして、図1(1D)図2(1E)に示すように、折り畳んで挿入部位13だけの大きさになった状態の挿入拡張片11を、先端部側から他方の冊子類1のスリット7に挿入する。
(1)本実施形態によれば、冊子類1の表表紙3または裏表紙9に切込み5a,5bを入れて、スリット7や挿入拡張片11を形成するだけでよく、連結のための他の用具を必要としない。よって、製造コストを抑止できる。また、冊子類1を閉じた状態で重ねて、例えば、手帳として使用した新旧の順に連結でき、全体としてあたかも1つの冊子類1として使用できる。
(3)また、連結した状態で左右方向へ引っ張る力には、短い切込み5bの挿入拡張片11側が、スリット7に係止して抵抗する。また、左右方向へ押込む力には、短い切込み5bの裏表紙本体側が、スリット7に係止して抵抗する。このため、連結状態の冊子類1を左右に引っ張っても、押込んでも、十分な強度を有することになる。よって、連結して全体としてあたかも1つの冊子類1として、開いたり閉じたりして使用する際に、連結の強度が安定する。
<第二実施形態>
この発明の第二実施形態を、図3に示す。
「第二実施形態の構成」
第一実施形態と異なる第二実施形態の構成は、以下のようになる。すなわち、第一実施形態では、スリット7は冊子の背部25からLだけ離れた位置に形成され(図1(1C)参照)、これに対応して、挿入拡張片11を形成するための短い切込み5bは、背部25からLだけ離れた位置に形成されていたが、第二実施形態では、各々、Lはほとんど0に近く、背部25ギリギリの部分に形成される。
「第二実施形態の効果」
第一実施形態と異なる第二実施形態の効果は、以下のようになる。すなわち、スリット7と挿入拡張片11を背部25ギリギリに形成することで、挿入拡張片11を最大限、大型に形成することができ、よって連結の強度を最大にできる。また、連結後の背部25と背部25の隙間をほとんどなくすことができる(図3(2I))。
この発明の第三実施形態を、図4に示す。
「第三実施形態の構成」
第一実施形態と異なる第三実施形態の構成は、以下のようになる。すなわち、第一実施形態では、スリット7は冊子の背部25からLだけ離れた位置に形成され(図1(1C)、これに対応して、挿入拡張片11を形成するための短い切込み5bは、背部25からLだけ離れた位置に形成されていたが、第三実施形態では、各々、Lは大きく、表表紙3の幅方向略中央に形成され、これに対応して、短い切込み5bは、裏表紙9の上縁19および下縁21のほぼ中央に形成される。
第一実施形態と異なる第三実施形態の効果は、以下のようになる。すなわち、スリット7と挿入拡張片11を、表表紙3や裏表紙9の左右方向のほぼ中央に形成することで、連結を緩やかなものにすることができる(図4(3I)参照)。
この発明の第1参考例を、図5および図6に示す。
「第1参考例の構成」
第一実施形態と異なる第1参考例の構成は、以下のようになる。すなわち、スリット7は、縦ではなく、横に形成される。これに対応して、挿入拡張片11は、縦に形成される。
すなわち、裏表紙9の前縁20から、中央に向かって短い切込み5dを入れる。また、裏表紙9の上縁19の背部側から、中央に向かって長い切込み5eを、前記短い切込み5dのある位置まで入れる。さらに連続して、中央に向かって直角に短い切込み5fを入れ、L字状の切り込み(5e、5f)をする。そして、これら短い切込み5d、5fの切込み先端5cを通って、前縁20に平行に折畳辺23を形成する。これにより、挿入方向が上方向の挿入拡張片11が形成される。
第一実施形態と異なる第1参考例の効果は、以下のようになる。すなわち、スリット7は横に形成され、挿入拡張片11の挿入作業は、挿入方向が縦方向、すなわち上方向なので、挿入する側とされる側の冊子類1を、上下に動かすことで行われ、作業が容易である。
この発明の第2参考例を、図7および図8に示す。
「第2参考例の構成」
第一実施形態と異なる第2参考例の構成は、以下のようになる。すなわち、スリット7は、斜めに形成される。これに対応して、挿入拡張片11は、斜めに形成される。
すなわち、裏表紙9の前縁20から、中央に向かって斜め上方に2本の互いに平行な切込み5hを入れる。さらに、これら各切込み5hの先端に連続して、互いに向かって、短い切込み5iを入れる。これら短い切込み5iの切込先端5cを通って、前記2本の切込み5hに、平行に、折畳辺23を形成する。これにより、挿入方向が斜め下方向の挿入拡張片11が形成される。
第一実施形態と異なる第2参考例の効果は、以下のようになる。すなわち、スリット7および挿入拡張片11は斜めに形成されるので、連結した状態で、左右方向のみならず上下方向へ、引っ張る力に、挿入拡張片11がスリット7に係止して、ある程度、抵抗する。また、引っ張る力のみならず、押込む力には、挿入拡張片11を形成した短い切込み5iの裏表紙本体側がスリット7に、係止して、ある程度、抵抗する。
この発明の第3参考例を、図9および図10に示す。
「第3参考例の構成」
第一実施形態と異なる第3参考例の構成は、以下のようになる。すなわち、小さめの縦のスリット7が形成され、この小さめの縦のスリット7に対応して、挿入拡張片11は、裏表紙9の中央に、小さめに形成される。
第一実施形態と異なる第3参考例の効果は、以下のようになる。すなわち、小さめのスリット7と小さめの挿入拡張片11とで、表表紙3および裏表紙9の中央で、連結が行われ、連結を緩やかなものにすることができる(図10(6I)参照)。
この発明の第4参考例を、図11および図12に示す。
「第4参考例の構成」
第1参考例と異なる第4参考例の構成は、以下のようになる。すなわち、挿入拡張片11は、挿入方向が上向きではなく下向きで、小さめに、裏表紙9の中央に形成される。
第1参考例と異なる第4参考例の効果は、以下のようになる。すなわち、挿入拡張片11は、小さめであり、表表紙3および裏表紙9の中央で、連結が行われ、連結を緩やかなものにすることができる(図12(7I)参照)。
この発明の第5参考例を、図13および図14に示す。
「第5参考例の構成」
第2参考例と異なる第5参考例の構成は、以下のようになる。すなわち、斜めに形成されるスリット7は同じであるが、挿入拡張片11は、小さめで、裏表紙9の中央に形成される。すなわち、裏表紙9の中央に、斜めにコの字状の切込み5pを入れる。このコの字状の切込み5pの両先端からさらに直角に短い切込み5qを入れる。これら短い切込5qの切込先端5cを通って、コの字の両辺に平行に、折畳辺23を形成する。
第2参考例と異なる第5参考例の効果は、以下のようになる。すなわち、小さめの挿入拡張片11によって、表表紙3および裏表紙9の中央で、連結が行われ、連結を緩やかなものにすることができる(図14(8I)参照)。
この発明の第6参考例を、図15および図16に示す。
「第6参考例の構成」
第3参考例と異なる第6参考例の構成は、以下のようになる。すなわち、挿入拡張片11の挿入方向が異なる。すなわち、第3参考例の挿入方向は、表表紙3の前縁20へ向かう方向であるが、第6参考例の挿入方向は、冊子類1の背部25に向かう方向である。このため、コの字状の切込み5kの、コの字の向きが逆である。
この発明の第7参考例を、図17および図18に示す。
「第7参考例の構成」
第5参考例と異なる第7参考例の構成は、以下のようになる。すなわち、挿入拡張片11の挿入方向が異なる。すなわち、第5参考例の挿入方向は、表表紙3の斜め下に向かう方向であるが、第7参考例の挿入方向は、表表紙3の斜め上に向かう方向である。このため、コの字状の切込み5pの、コの字の向きが逆である。
以上の実施形態では、冊子類1の表表紙3にスリット7が形成され、裏表紙9に挿入拡張片11が形成されるものであったが、他の実施形態では、逆であっても構わない。すなわち、裏表紙9にスリット7が形成され、表表紙3に挿入拡張片11が形成されるものであっても構わない。
以上の実施形態では、それぞれ、スリット7のある向きや大きさが特定され、そのスリット7に対応する挿入拡張片11の向きや大きさ、および挿入方向が特定されるものであった。しかし、他の実施形態では、スリット7や挿入拡張片11について、これらの特定されたもの以外の向き、大きさ、および挿入方向を採用することができる。特に、ある向きのスリットに対して、挿入拡張片11の挿入方向は、ある方向と、その逆方向の2つの方向が、採用できる。
「実施形態の他の効果」
以上の実施形態の効果は、ノートなどの冊子類に関して保存を中心に論じたが、他の効果も大きい。たとえば、使用時に自由に差し替えができること等である。すなわち、
(1)数冊のノートを連結して一冊のノートのように持ち歩け、書く内容を混同させずに分けて書き留めることができ、
(2)ある一冊が最後まで書き終わったら、その一冊だけを新しいノートに差し替えることができ、
(3)書きためたノートは、今度はそれぞれ同じカテゴリーでまとめて保存できる。例えば、歴史ノートの場合に、
(4)学校へ持っていくものは、通史・文化史の二冊を連結する。
(5)通史のノートが先にうまったら、通史ノートのみ新しいノートに差し替える。
(6)歴史の授業が全て終了したら、通史ノートのみ、文化史ノートのみでそれぞれ連結して保存する、等のことができる。
また、手帳の場合に、
(7)スケジュール帳(カレンダー)・住所録・メモ帳の三冊を連結して持ち歩く。
(8)メモ帳がいっぱいになったらメモ帳のみ新しいものに差し替え、もしくは、新しい年になったら住所録・メモ帳はそのままでスケジュール帳(カレンダー)のみ差し替える。
(9)書き終わったものは、スケジュール帳は年度順に連結して保存する。メモ帳も古い順にまとめて保存する、という使用法が可能となる等の効果が得られる。
Claims (1)
- 縦方向に伸びる背部を介して連続する表表紙及び裏表紙を有する冊子類であって、
少なくとも2つの同一構造の冊子類を重ねて連結するための連結構造を有し、
この連結構造は、表表紙及び裏表紙のうちの一方表紙に縦方向の単一のスリットを設けるとともに、表表紙及び裏表紙のうちの他方表紙に、横方向の両側に基端部及び先端部を有するように配向され、先端部側からスリットへ挿入可能な単一の挿入拡張片を設けてなり、
前記挿入拡張片は、前記スリットの長さと略同じ寸法の幅を有する挿入部位と、挿入部位の両側に形成した横方向の折畳辺を介して連続し、挿入時には折り畳まれ、挿入後には折り畳みを解いて拡張することが可能な一対の拡張部位とを有し、
かつ前記スリットと挿入部位の基部とは、その幅が略同じ寸法であり、かつ閉じた状態の冊子類の表紙面と直角な方向から見てほぼ同じ位置に配置することにより、2つの同一構造の冊子類のうちの一方の冊子類のスリット内に、他方の冊子類の挿入拡張片を挿入したときに、それら2つの冊子類が一つの冊子類の如く重なるように形成し、
前記他方表紙の上縁および下縁から、中央に向かって切込みを入れ、これら切込みの切込み先端を通って前記上縁および下縁に平行に背部と反対側の縁部である側縁に至るように前記折畳辺を形成することにより、他方表紙のうち前記両切込みよりも側縁寄りの表紙部分の全体を挿入拡張片としたことを特徴とする、連結構造を有する冊子類。
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