JP5594630B2 - 表示装置 - Google Patents

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本発明は、アクティブマトリクス型などの表示装置に関する。
≪1≫.まず、一般的なアクティブマトリクス型の駆動回路一体型液晶ディスプレイについて説明する。
絶縁基板上に形成したポリシリコンTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)は、かつて、高温プロセスのため高価な石英基板が必要であり、小型かつ付加価値の高い表示パネルに適用されていた。その後、減圧(LP)CVD(Chemical Vapor Deposition)、プラズマ(P)CVD、スパッタリング法等により前駆膜を形成し、これをレーザでアニールして多結晶化する技術、すなわちガラス基板等が使用可能な低温でポリシリコンTFTを形成できる技術が開発された。また同時に酸化膜形成技術や微細加工技術、回路設計技術等も進歩を重ねており、これらの結果、表示パネルの周辺回路を画素と同一の基板上に集積化した携帯電話、携帯情報機器、ノートPC用のポリシリコンTFT表示パネルが作成されるようになってきている。
具体的な例として特許文献1を挙げることができる。図19は、特許文献1に記載されている従来の一般的な駆動回路一体型の液晶表示装置のディスプレイシステムの構成を示すブロック図である。
図19[1]を参照すると、従来の駆動回路一体型液晶表示装置では、マトリクス状に配線されM行N列の画素が配置されたアクティブマトリクス表示領域110と、行方向の走査回路(走査線(ゲート線)駆動回路)109と、列方向の走査回路(データ線駆動回路)3504と、アナログスイッチ3505と、レベルシフタ3503などが、表示デバイス基板101上に、ポリシリコンTFTによって一体化して形成されている。コントローラ113、メモリ111、デジタル・アナログ変換回路(DAC回路)3502、走査回路/データレジスタ3501などは、単結晶シリコンのウエハー上に形成された集積回路チップ(ICチップ)であり、表示デバイス基板101の外部に実装されている。アナログスイッチ3505は、アクティブマトリクス表示領域110の列方向のデータ線の本数Nと同じ出力数を有している。
また、ポリシリコンTFTで構成された従来の駆動回路一体型の液晶表示装置の中には、DAC回路等のより複雑な回路を一体化して形成した装置も存在する。図19[2]は、従来のDAC回路内蔵型の液晶表示装置のディスプレイシステムの構成を示すブロック図である。従来のDAC回路内蔵型の液晶表示装置では、DAC回路を内蔵しない図19[1]の装置と同様の、マトリクス状に配線されM行N列の画素が配列されたアクティブマトリクス表示領域110と、行方向の走査回路109、列方向の走査回路3506に加えて、データレジスタ3507、ラッチ回路105、DAC回路106、セレクタ回路107、レベルシフタ/タイミングバッファ108等の回路が、表示デバイス基板101上に一体化されて形成されている。
この構成では、表示デバイス基板101の外部に実装されているコントローラICは、高電圧を使用するDAC回路を含まず、メモリ111、出力バッファ112、コントローラ113と全て低電圧の回路・素子で構成可能である。その結果、液晶に書き込むための電圧信号を生成するために必要となる高電圧用のプロセスを併用することなくICを作製できる。このため、その価格は、前述のDACを混載したICよりも、低く抑えられる。
上記した液晶表示装置は、薄型・軽量である。このような特徴を生かして、これらの液晶表示装置は携帯型情報処理装置に搭載されている。
また、上記液晶表示装置は、一般的なCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)構成による駆動回路一体型の表示装置の一例である。CMOS構成をとることにより、例えば上記、行方向の走査回路109又は列方向の走査回路3506などの走査回路を構成するシフトレジスタ回路は、インバータ回路、及びクロックトインバータ回路を用いたスタティック回路により実現できる。
上記CMOS構成のTFT回路のみならず、NMOSのみ又はPMOSのみで構成された、いわゆる単チャネルのTFTで構成された駆動回路一体型の表示装置も提案されている。単チャネルのTFT回路は、CMOS構成のTFT回路と比較して省プロセスで作製できることから、低コストが期待できる。上記単チャネルのTFTで構成されたシフトレジスタの公知例として、特許文献2を挙げる。
図20に特許文献2のシフトレジスタの構成を示す回路図、図21に動作を表すタイミングチャートをそれぞれ示す。
図20[1]を参照すると、シフトレジスタ10は実質的に同一の複数のステージ11を備えている。これらのステージ11は、図示ブロック内に「段」と表示されており、各ステージには入力端子12及び出力端子13が設けられる。これらのステージ11は、カスケード接続され、したがって、各ステージの出力端子13が次のステージの入力端子12に接続されている。各ステージ11は、また、2つのクロック入力端子14、15をも備える。クロック発生器22は、位相が互いにずれている3つのクロック信号C1、C2、C3を発生する。それぞれ異なる組み合わせのクロック信号対が各ステージのクロック端子14、15に入力され、各ステージは、その両隣のステージが受信するクロック信号対とは異なるクロック信号対を受信する。これらのクロックパルスC1、C2、C3及び4つの出力パルスの関係は、図21[1]に示されている。
図20[2]には、図20[1]の各ステージ11に含まれる回路の好ましい実施形態が示されている。図20[2]を参照すると、ステージ11はTFT16〜21で構成されている。
本公知例の動作について、図21[2]を中心に用いて説明する。時間T0では、ノードP2はハイレベルであり、TFT17はオンしており、出力端子13は、低電圧VSSでバイアスされている。入力パルスが、入力端子12に入力され、クロックパルスC3がクロック端子15に供給されると、TFT18、20、21は同時にオン状態となる。したがって、ノードP1は、VDD−Vtに等しい電圧に向かって正になり始める。ここに、Vtは、TFT18のしきい値電圧である。これにより、TFT16はバイアスされる。同時にTFT21がオン状態となっているので、ノードP2はLoレベルになる。
ノードP2がLoレベルになると、TFT17はオフ状態であるが、クロックパルスC1がLoレベルであるので、出力端子13はLoレベルのままである。HiレベルのクロックパルスC1が、クロック端子14に入力されるときには、TFT16は既にHiレベルにプリチャージされており、しかも、ノードP1にはゲート/ドレインの固有容量によって昇圧される。これによって、出力端子13は、クロック信号C1に追従することができる。したがって、この出力パルスによって表示装置の選択線(ゲート線)を所望の電圧に充電し、さらに後続するステージにHiレベルの入力パルスを供給する。
≪2≫.次に、対向電極の反転駆動について説明する。
図19では、表示装置を構成するトランジスタ回路基板について述べた。しかし、表示装置として機能するためには、対向基板を設け、電気光学素子を狭持する必要がある。以下に、図19におけるN行M列アクティブマトリクス表示110を構成する画素について説明する。
図22[1]を参照して、一般的な液晶表示装置における画素について説明する。一般的な液晶表示装置における画素の構成図を図22[1]に示す。図22[1]を参照すると、一般的な液晶表示装置の画素は、スイッチTFT1800、データ線1011、ゲート線1010、保持容量1802、共通線1801、電気光学素子(液晶)1004、対向電極1002で概ね構成されている。ここでは、スイッチTFT1800がNMOSのTFTで構成されている例を挙げている。
図22[1]の駆動方法を表すタイミングチャートを、図22[2]に示す。図22[2]を参照しながら、駆動方法を説明する。ゲート線1010に印加する電圧は、図22[2]の(G1,G2,・・・・,Gn−1,Gn:nは2以上の整数)のように、順次、Hi電圧となっていく。ゲート線1010がHi電圧となると、スイッチTFT1800がオン状態となり、データ線1011と保持容量1802のノードAとが導通状態となり、ノードAにデータ線1011の電圧が書き込まれる。このとき、共通線1801と対向電極1002との電位Vcomは、図22[2]に示すとおり等しい。このとき、ノードAと対向電極1002との電圧差が、液晶1004に印加される電圧である。この電圧によって液晶1004の透過率が異なるため、この電圧を制御することにより表示素子としての機能を満たす。また、図22[2]に示すとおり、Vcomは隣り合うゲート線1010毎に反転する。さらに、フレーム毎に反転する。こうすることにより、Vcomを一定に駆動する場合と比較して、データ線1011の電圧の振幅が小さくて済むというメリットがある。
≪3≫.次に、シール材とドライバ回路との相対位置関係について説明する。
図22[1]の構成においては、トランジスタ回路で構成された駆動回路は図示しなかったが、画素を駆動する駆動回路におけるTFT基板上の位置とシール材に対する位置との関係については、以下に挙げるような様々な公知例がある。
まず、特許文献3を示す。図23[1]は、本公知例の液晶表示装置の断面構造を示す断面図である。図23[1]より、本公知例では、ドライバ回路304が、シール材303に対し、液晶部側に位置する構成をとっている。
また、別の公知例として特許文献4を示す。図23[2]は、本公知例の構成を示す断面図である。この構成では、ゲート線駆動回路(ドライバ回路)21は、一部が液晶28に覆われ、残りの部分がシール部材26の下に設置されている構成である。
また、別の公知例として特許文献5を示す。図23[3]は、本公知例の構成を示す断面図である。この構成では、ドライバ回路203は、シール206の下に位置しており、ちょうどシール206に覆われている構成である。
また、別の公知例として特許文献6を示す。図23[4]は、本公知例の構成を示す断面図である。この構成では、ドライバ103は、接着剤108よりも外側に設置されている構成である。ここでの接着剤108は、前述した別の公知例におけるシール材303、シール部材26、シール206などとほぼ同等の役割を担う。
≪4≫.次に、対向電極の公知例について説明する。また、導電性シール材による対向基板とのコンタクト方法について説明する。
対向電極の公知例として、特許文献7を示す。図24[1]に本公知例の平面図、図24[2]に同じく断面図をそれぞれ示す。
図24において、電気光学装置は、透明な第1基板の一例としてのTFTアレイ基板10と、透明な第2基板の一例としての対向基板20との間に、液晶層50が封入されて成り、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画素表示領域10の周辺に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱などにより硬化したものである。また、シール材52中には、当該電気光学装置がプロジェクタ用途のように小型で拡大表示を行う電気光学装置であれば、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ又はガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が散布されていてもよい。又は、当該電気光学装置が液晶ディスプレイや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う電気光学装置であれば、このようなギャップ材は液晶層50に含まれてよい。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10の額縁領域を規定する第1遮光膜53が対向基板20上に設けられている。シール材52が配置されたシール領域の外側の周辺領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104がこの一辺に隣接する二辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側にそれぞれ設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも一箇所において、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が設けられている。
図24[2]において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線、容量線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、ポリイミド系材料からなる配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、カラーフィルタ、第1遮光膜53等が形成された最上層部分(図24[2]において最下に位置する層)に、ポリイミド系材料からなる配向膜が形成されている。これらの一対の配向膜は各々、製造プロセスにおいてポリイミド系材料を塗布し、焼成した後、液晶層50中の液晶を所定方向に配向させると共に液晶に所定のプレチルト角を付与するように配向処理が施されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。
本公知例では、図24[1]に示すように、平面的に見てシール材52の下辺の大部分を囲む太線で示した矩型領域には、図24[2]に示すようにシール材52とTFT基板アレイ10との間に導電体からなるシールド層80が形成されている。特にシールド層80は、TFTアレイ基板10上に形成された電気信号線及びその引き出し線並びにサンプリング回路駆動信号線と、対向基板20上に形成された対向電極20上に形成された対向電極21との間に介在しており、後者を前者から電気的シールドするように構成されている。
特開2004−46054号公報(第31−32頁、図37、38) 特許2836642号公報(第4頁、図1〜図4) 特許3208909号公報(第4頁、図3(b)) 特許2893433号公報(第3頁、図2) 特許3413230号公報(第4頁、図2(b)) 特許3410754号公報(第3頁、図2) 特開2001−183696号公報(第10頁、図1、2)
前述した図20のような、単チャネルTFTによるダイナミック回路を、電気光学素子を用いた表示装置に適用した際の問題点について以下に説明する。通常、表示装置は、図23に示すとおり、二枚の基板を対向させている。すなわち、上記ダイナミック回路が作製された基板に対面するように、対向基板が存在する。ダイナミック回路が作製された基板と対向基板との間の構成は、そのダイナミック回路の作製された位置によって異なる。
例えば、図23[1]におけるドライバ回路304の上面には、液晶材やギャップ材321等が存在し、さらにその上面に対向電極311が存在する。すなわち、ドライバ回路304のあるノードに着目すると、ちょうど対向電極311と共に液晶材(さらにギャップ材321を加える場合もある)を狭持した容量を形成していることになる。
また、図23[2]におけるゲート線駆動回路21は、一部がシール材26、残りの一部が液晶28に覆われていて、コモン電極24が対向して存在する。ゲート線駆動回路21の着目するノードによって異なるが、やはり容量を形成している。
また、図23[3]におけるドライバ回路203は、シール206に覆われ、かつ共通電極218が対向して存在している構成である。本公知例のシール206が導電性を有し、ドライバ回路203の上方で対向基板とコンタクトをとった場合の断面構成について図25を使って説明する。図25は、特許文献5の公知例の課題についての説明図である。
シール206は、図示されていない対向基板側の電極と導通している。そのシール206と、TFT基板側の電極である対向コンタクト1200とが導通している。このとき、対向コンタクト1200と、その直下にあるドライバ回路203のあるノードとが、それぞれ電極となって、層間膜207を狭持した容量を形成する。
上記のとおり、対向側の電極(図23[1]の対向電極311、図23[2]のコモン電極24、図23[3]のシール206)と、回路基板側の駆動回路(図23[1]のドライバ回路304、図23[2]のゲート線駆動回路21、図23[3]のドライバ回路203)のノードとが容量を形成しており、電気光学素子やシール材等を狭持した構成となっている。この様子は、図26[1]のように模式的に表すことができる。図26[1]は、駆動回路と対向電極との関係を表した模式図である。
図26[1]を参照すると、駆動回路のあるノードNと対向電極1001とが両電極となり、両者の距離や、狭持してなる液晶や、シール材等の比誘電率などが、容量Cのパラメータとなる。ここで、ノードNの電位をVnとした場合、ノードNがフローティングの状態のときは、Vcomの変動によりVnは、図26[2]のVcom及びVnの電位を表すタイミングチャートに示すようなる。つまり、VHからVLの振幅で変動するVcomに対し、フローティングノードであるノードNは、VH’からVL’まで変動する。
フローティング状態のノードの電位が、Vcomの変動により変動する時の問題点について、具体的に特許文献2の公知例を挙げて説明する。図20[2]及び図21[2]を参照すると、入力がLoレベルになった状態において、TFT18がオフ状態となる。このとき、ノードP2はオフ状態であるため、TFT19も同様にオフ状態である。したがって、このときノードP1は、フローティング状態であるため、ノードP1の電位は図26[2]におけるVnと同様に変動する。ノードP1の電位はTFT16のゲートに印加する電圧であるため、ノードP1の電位が想定値よりも下降すると、TFT16の電流駆動能力が低下する。一方、ノードP1の電位が想定値よりも上昇すると、TFT16には必要以上の電圧が印加される。前者の場合、出力1のHiレベルに到達するための時間が増加し、回路動作の遅延を引き起こすため、動作マージンの低下を招く。また、後者の場合、TFT16の電圧・電流ストレスによる信頼性低下を招く。
特に、特許文献5の公知例においては、容量形成部分が、対向基板とTFT回路のノードとではなく、シール材及びTFT基板のコンタクトに利用している配線とTFT回路のノードとで形成されているため、形成している容量値が非常大きい。したがって、上記の変動量は必然的に大きくなるため、問題が顕著になる。
また、CMOSで構成された駆動回路を用いた場合においても、例えば図26[3]に示すようなクロックトインバータ回路においては、NMOSトランジスタN1とN2との間のノードN又はPMOSトランジスタP1とP2との間のノードPが動作上、フローティングになる期間が存在する。したがって、ダイナミック回路の場合と同様、フローティングノードの電位がVcomの変動に伴って変動することにより、上記ダイナミック回路と同様、誤動作や、誤動作を起こさなくとも回路動作マージンの低下や、信頼性低下などを生ずると考えられる。
公知例の図23[4]の構成のようにドライバ103を、接着剤108よりも外側に配置した場合については、上述のような問題は低減されると考えられる。しかし、接着剤108の端からガラス基板101の端までの距離(額縁)を大きくしてしまう、という別の問題が発生する。額縁が大きい場合、基板面積が増大するためにコスト高を引き起こすと共に、近年の表示装置に対する小型化の要請に応えることが困難となる。
また、公知例の図24の構成では、シールド層を用いることにより、一定電圧である対向電極21との容量カップリングの問題について、シールド層80を用いて解決している。しかし、これは配線部に関する公知例であって、駆動回路に対するものではない。また、シールド層80を作製するプロセスを追加することにより、コスト高を引き起こすことが考えられる。
したがって、各公知例について、対向電極の電位Vcomが時間的に変動する動作を行う表示装置に適用すると、(イ)駆動回路の誤動作や、動作マージンの低下や、信頼性低下、(ロ)額縁の長さの増大、(ハ)高コスト、のいずれかを引き起こすといえる。
そこで、本発明の目的は、高動作マージン・高信頼性・狭額縁・小型・低コストの駆動回路一体型アクティブマトリクス型の表示装置を提供することにある。
[発明の特徴]
本発明の表示装置は、一対の基板を枠状のシール材によって接着し、一対の基板間かつシール材の内側に電気光学素子を狭持し、一方の基板側に電気光学素子を制御する複数の画素を有する表示領域を形成し、他方の基板に対向電極を形成しており、画素を制御するドライバ回路の内、フローティング状態となる期間が存在するノードの少なくとも一部が、シール材よりも外側に存在している。また、画素を制御するドライバ回路の内、フローティング状態となる期間が存在するノードの少なくとも一部が、シール材よりも外側に存在していて、かつ、残りの回路要素が、シール材に覆われている(図1、図5、図9)。
画素を制御するドライバ回路の内、少なくともブートストラップ効果を引き起こすための回路要素が、シール材よりも外側に存在している。また、画素を制御するドライバ回路の内、少なくともブートストラップ効果を引き起こすための回路要素が、シール材よりも外側に存在していて、かつ、残りの回路要素が、シール材に覆われている(図1、図5、図9)。言い換えると、画素を制御するドライバ回路の内、少なくとも画素を活性化状態とする信号を発生する回路要素が、シール材よりも外側に存在していて、かつ、残りの回路要素が、シール材に覆われている。
画素を制御するドライバ回路の内、ダイナミック回路の一部が、シール材よりも外側に存在している。また、画素を制御するドライバ回路の内、ダイナミック回路の一部が、シール材よりも外側に存在していて、かつ、残りの回路要素が、シール材に覆われている(図1、図12(c))。
画素を制御するドライバ回路が、転送回路と出力回路とから構成されていて、転送回路が、シール材よりも外側に位置し、出力回路がシール材に覆われている(図12(c))。
画素を制御するドライバ回路と対向する基板上に、対向電極が存在しない(図14)。
シール材が、第1のシール材と、第2のシール材とで構成されており、第1のシール材が非導電性を有し、第2のシール材が導電性を有し、かつ、ゲート線駆動回路の一部が第1のシール材に覆われている(図15)。
シール材の外側に、非導電性を有するとともに基板間のギャップを制御する手段が存在し、ゲート線駆動回路の一部が、前記基板間のギャップを制御する樹脂に覆われている(図16)。
対向電極と、TFT基板とを導通する手段が、ゲート線駆動回路が形成されている領域以外に存在する(図17)。
シール部の外側に非導電性を有する第1のシール材が存在し、かつ、シール部の内側に導電性を有する第2のシール材が存在し、かつ、第1のシール材と第2のシール材との間に、基板間のギャップを制御する樹脂が存在していて、かつ、ゲート線駆動回路の一部が、第1のシール材又は基板間のギャップを制御する樹脂に覆われている(図18)。
[作用]
本発明の表示装置は、画素を駆動する信号を発生するドライバ回路の内、フローティング状態となる期間が存在するノード又はブートストラップ効果を起こす回路要素が、シール材よりも外側に位置し、他の回路要素がシール材に覆われているため、上記ドライバ回路が、シール材よりも外側に位置する構成と比較して狭額縁を実現するだけでなく、対向基板の電位変動が、前記ノード又は前記ブートストラップ効果を起こす回路要素に影響を及ぼすことがなく、高動作マージン・高信頼性の回路が実現できる。
画素を駆動する信号を発生するドライバ回路の内、ダイナミック回路の少なくとも一部が、シール材よりも外側に位置し、他の回路要素がシール材に覆われているため、上記ドライバ回路が、シール材よりも外側に位置する構成と比較して狭額縁を実現するだけでなく、対向基板の電位変動が、前記ダイナミック回路の動作に影響を及ぼすことがなく、高動作マージン・高信頼性の回路が実現できる。
画素を駆動する信号を発生するドライバ回路の内、転送回路がシール材よりも外側に位置し、出力回路がシール材に覆われているため、上記ドライバ回路が、シール材よりも外側に位置する構成と比較して狭額縁を実現するだけでなく、対向基板の電位変動が、前記転送回路に影響を及ぼすことがなく、高動作マージン・高信頼性の回路が実現できる。
画素を駆動する信号を発生するドライバ回路と対向する基板上に、対向電極が存在しないため、対向基板の電位変動が、前記ドライバ回路の動作に影響を及ぼすことがなく、高動作マージン・高信頼性の回路が実現できる。
狭額縁による基板の小型化が可能となり、低コスト化が実現できる。
シール材が、第1のシール材と、第2のシール材とで構成されており、第1のシール材が非導電性を有し、第2のシール材が導電性を有し、かつ、前記ドライバ回路の一部が第1のシール材に覆われているため、前記ゲート線駆動回路に影響を及ぼすことがなく、高動作マージンの回路・高信頼性が実現できる。
シール材の外側に、非導電性を有する基板間のギャップを制御する手段が存在し、前記ドライバ回路の一部が、前記基板間のギャップを制御する手段に覆われているため、前記ドライバ回路に影響を及ぼすことがなく、高動作マージン・高信頼性の回路が実現できる。
対向電極とTFT基板とを導通する手段が、前記ドライバ回路が形成されている領域以外に存在するため、前記ドライバ回路に影響を及ぼすことがなく、高動作マージン・高信頼性の回路が実現できる。
本発明によれば、対向電極の電位変動の影響を受けやすい回路要素をシール部外へ置き、そうでない回路要素をシール部内へ置くなどの工夫により、対向電極の電位変動の影響を排除しつつ狭額縁化を図れるので、高動作マージン・高信頼性・狭額縁・小型・低コストの駆動回路一体型アクティブマトリクス型の表示装置を提供することができる。
第1実施形態の表示装置を示し、図1[1]は平面図、図1[2]は部分断面図である。 第1実施形態におけるゲート線駆動回路の構成を示すブロック図である。 第1実施形態における転送回路の構成例を示す回路図である。 第1実施形態における転送回路の動作を示すタイミングチャートであり、図4(a)は全体図、図4(b)は部分拡大図である。 第1実施形態における転送回路のTFT基板上の位置についての説明図であり、図5(a)はLが大きい場合、図5(b)はLが小さい場合である。 第1実施形態におけるTFT基板の製造方法を示す説明図であり、図6(a)〜図6(g)の順に工程が進行する。 第2実施形態における転送回路の構成例を示す回路図である。 第2実施形態における転送回路の動作を示すタイミングチャートであり、図8(a)は全体図、図8(b)は部分拡大図である。 第2実施形態における転送回路のTFT基板上の位置についての説明図であり、図9(a)はLが大きい場合、図9(b)はLが小さい場合である。 第2実施形態におけるTFT基板の製造方法を示す説明図であり、図10(a)〜図10(g)の順に工程が進行する。 第3実施形態における転送回路の構成例を示す回路図であり、図11[a]はインバータ等で構成した例であり、図11[b]はTFTで構成した第一例であり、図11[c]はTFTで構成した第二例である。 図12(a)(b)は第3実施形態における出力回路の構成例を示す回路図であり、図12(a)はインバータで構成した例であり、図12(b)はTFTで構成した例である。図12(c)は第3実施形態における転送回路及び出力回路のTFT基板上の位置についての説明図である。 第3実施形態におけるTFT基板の製造方法を示す説明図であり、図13(a)〜図13(h)の順に工程が進行する。 第4実施形態の表示装置を示し、図14[1]は部分断面図、図14[2]は部分平面図である。 第5実施形態の表示装置を示し、図15[1]は平面図、図15[2]は部分断面図である。 第6実施形態の表示装置を示し、図16[1]は平面図、図16[2]は部分断面図である。 第7実施形態の表示装置を示し、図17[1]は平面図、図17[2]は部分断面図である。 第8実施形態の表示装置を示し、図18[1]は平面図、図18[2]は部分断面図である。 図19[1]は、従来の一般的な駆動回路一体型の液晶表示装置のディスプレイシステムの構成を示すブロック図である。図19[2]は、従来のDAC回路内蔵型の液晶表示装置のディスプレイシステムの構成を示すブロック図である。 公知例(特許文献2)の構成を示す回路図である。 公知例(特許文献2)の動作を表すタイミングチャートである。 図22[1]は、一般的な液晶表示装置における画素の構成を示す回路図である。図22[2]は、一般的な液晶表示装置における画素の動作を表すタイミングチャートである。 公知例の液晶表示装置の構造を示す断面図であり、図23[1]は特許文献3、図23[2]は特許文献4、図23[3]は特許文献5、図23[4]は特許文献6を示す。 公知例(特許文献7)の表示装置を示し、図24[1]は平面図、図24[2]は断面図である。 特許文献5の公知例の課題についての説明図である。 従来技術を示し、図26[1]は駆動回路と対向電極との関係を表した模式図、図26[2]はVcomとVnの電位を表すタイミングチャート、図26[3]はクロックトインバータ回路の回路図である。
本発明を実施するための最良の形態について述べるにあたり、「基板間ギャップ」とはTFT基板10と対向基板19との間の距離を示す。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を使って詳細に説明する。
[構造]
図1[1]に、第1実施形態の表示装置の平面図を示す。第1実施形態の表示装置は、TFT基板10上に、シール材11、ゲート線駆動回路12、データ線駆動回路13、画素アレイ14、ゲート線15、データ線16、対向コンタクト17、端子パッド18で概ね構成されている。シール材11は、対向基板(図示せず)との接着に用いられる。シール材11の中には、基板間ギャップを規定するギャップ調整手段が介在していてもよい。また、シール材11は、それ自身が導電性を有するものが望ましく、例えばシール材11を構成する樹脂の中に金属材料を含有する構成が望ましいが、トランスファ電極をシール領域外に設ける場合は、それを含有していなくても構わない。ゲート線駆動回路12は、ゲート線15を経由して画素アレイ14を制御するための回路である。データ線駆動回路13は、データ線16を経由して画素アレイ14に映像信号を供給する回路である。対向コンタクト17は、TFT基板10上にあって、シール材11及び対向電極(図示せず)を導通させるための手段である。端子パッド18は、例えばフレキシブルケーブルを使った外部機器との電気接続に用いられ、ゲート線駆動回路12、データ線駆動回路13及び画素アレイ14に必要な制御信号や電源電圧等を供給する電気配線(図示せず)と接続されている。
図1[2]に、第1実施形態の表示装置の断面図を示す。図1[2]は、図1[1]に示した第1実施形態の表示装置のI−I線縦断面を示している。本図は、TFT基板10に対向基板19を設置し、シール材11の内側に電気光学素子20を狭持している状態を示すものである。TFT基板10上には、ゲート線駆動回路12が形成されており、ゲート線駆動回路12の出力部分にゲート線15が接続されている。ゲート線15は、シール材11の下を経由して画素アレイ14まで延伸されている。ゲート線駆動回路12は、一部がシール材11に覆われ、残りがシール材11よりも外側に位置している。
このとき、ゲート線駆動回路12上には、シール材11に覆われている領域とシール材11よりも外側の領域とが存在する。これらの領域と対向電極21とで形成されたそれぞれの単位面積あたりの容量値は、TFT基板10と対向基板19とのギャップが等しいことから、両基板間に介在する物質の比誘電率で比較できる。例えば樹脂で構成されたシール材11で覆われた領域と、シール材11よりも外側の領域(大気として扱うことができる)とでは、シール材11に覆われている領域の比誘電率が高いことは明らかである。したがって、ゲート線駆動回路12上の任意の領域と対向電極21とで形成された単位面積あたりの容量値は、シール材11に覆われている部分の方が大きい。
電気光学素子20は、例えば画素アレイ14と対向電極21との間に印加された電界により自身の透過率が変動する素子(例えば液晶)でも良いし、画素アレイ14と対向電極21との間に印加された電界により発光強度が変動する素子(例えばEL)でも良いし、画素アレイ14に電流を流すことにより発光する素子(例えばLED)でも構わない。
ゲート線駆動回路12は、図2に示すように、クロック信号線22、転送回路23等で概ね構成されている。クロック信号線22は、転送回路23に供給するクロック信号CLK1、CLK2及びINを表している。図2より明らかなように、供給するクロック信号は、隣り合う転送回路23により異なる。例えばCLK1は、図中のA及びCの転送回路23に供給される。一方、CLK2は、図中のBの転送回路23に入力される。また、INは、この信号を順次転送することにより、転送回路23をアクティブ状態とし得る信号である。転送回路23は、前述のクロック信号線22の信号を受けて制御され、順次図中の上の転送回路23へ制御信号を転送する機能と、画素をアクティブにする信号を発生して、ゲート線15へ供給する機能とを有する回路である。図2には、A→B→Cへ転送される様子を模式的に示している。
図3に転送回路23の基本回路例の回路図、図4に動作を示すタイミングチャートを示す。転送回路23は、薄膜トランジスタN1〜N6で構成されている。本回路の出力は、ゲート線15に接続されている。図4(a)におけるINは図3におけるINに対応している。また、N+1は、後段の転送回路23からの出力に対応している。また、VH及びVLは、それぞれHiレベル及びLoレベルの電圧を示す。また、Vcomは対向電極21の電位を示す。
転送回路23を構成する薄膜トランジスタN1,N6とシール材11との相対位置について、図5を用いて説明する。ここに、図5は、TFT基板10上での転送回路23の位置についての説明図である。図5(a)ではノードAがシール材11よりも外側に位置しているのに対して、図5(b)ではノードAの一部がシール材11に覆われている。ここで、TFT基板10の基板端からシール材11の外側のエッジまでの距離をLとしたとき、図5(b)に示す構成の方がLを短くすることができる。
[動作]
まず、図1、図3及び図4を用いて第1実施形態の表示装置の動作について説明する。図示されていない外部機器からの制御信号は、端子パッド18を経由して、データ線駆動回路13、ゲート線駆動回路12及び画素アレイ14へ外部機器のクロック信号に従って順次転送される。
データ線駆動回路13は、外部機器からの制御信号に従って、映像信号をデータ線16を経由して画素アレイ14へ供給する。また、ゲート線駆動回路12は、データ線駆動回路13と同様、外部機器からの制御信号に従って、ゲート線15に画素アレイ14を制御するための制御信号を供給する。画素アレイ14は、データ線駆動回路13より供給された映像信号に応じて表示動作を行う。
転送回路23の動作について、図3及び図4を参照しながら説明する。まず、初段の転送回路23(図2中のA)について説明する。ここでは、図3中のCLKには、図4(a)のCLK1が供給される。まず、T1においてINがHiになった時、ノードAはN2によって(VH−Vt)に充電され、ノードBはN3によってVLに放電される。ここに、VtはN2のしきい値電圧である。続いて、T2においてそれぞれINがLo、CLK1がHiになったときに、N2及びN3が非導通となり、ノードA及びBが共にフローティング状態となる。この状態において、N5は、ゲート電極及びソース電極がそれぞれVLのため(Vgs=0V)、N5は非導通状態である。ここで、CLK1がHiになっているので、N6のゲート容量とノードA及び対向電極21で形成される容量との容量結合により、ノードAの電位はVHからさらにVbだけ上昇する。これにより、最終的に出力信号の振幅はVDDまで到達する。次段以降については、図3のINに前段の出力信号を入力することにより、次段の転送回路23がアクティブ状態となり、初段と同様の動作を行う。このように、順次転送しながら、各ゲート線15に出力信号を供給してゆく。
ここで、ノードA及びノードBがフローティング状態となっている期間(T2〜T3)において、VcomがHi又はLoの場合、ノードAの電位は、図4(b)に示すとおり、それぞれVb1又はVb2に変動する。このとき、対向電極21とノードAとで形成される容量値が大きいほど、その変動値は大きくなる。ノードAの電位がVb1に減少した場合、N6のゲート印加電圧が設計値以下に減少するため、N6の電流駆動能力が下がり、回路の動作マージンが低下する。また、Vb2に増加した場合、N6のゲート印加電圧が設計値以上に増加するため、例えばN6の電圧・電流ストレスが増大し、信頼性が低下する。ノードBの場合は、ノードAとは異なり、電源電圧範囲内の動作であるため、ノードAと比較すると回路動作への影響は小さい。したがって、対向電極21の電位変動により、フローティング状態となったノードの電位も変動するので、回路の動作マージンや信頼性の低下を引き起こす。
しかしながら、本実施形態におけるゲート線駆動回路12は、図5(a)に示すとおり、ノードAを構成する配線等が全てシール材11よりも外側に配置されている。そのため、シール材11に覆われている領域よりも容量値が小さいため、対向電極21の電位変動によるノードAの電位変動が小さい。したがって、動作マージンや信頼性の低下を、抑制することができる。
また、図5(b)に示すようにノードAの一部がシール材11よりも外側に配置されている構成においては、図5(a)の構成と比較してシール材11に覆われている分だけ、対向電極21との容量が大きくなる。しかし、回路の動作マージンや信頼性の低下への影響を問題ない範囲に抑えることができれば、図5(a)と比較してLを短くすることができる。すなわち、図5(a)の構成よりも、さらに表示装置の狭額縁化が可能となる。
[製造方法]
本発明の第1実施形態の製造方法について以下に述べる。図6(a)〜(f)に基づき、第1実施形態のTFT基板10の製造方法について説明する。図6は、ガラス基板上にポリシリコンTFT技術により、NMOS TFTで構成されたTFT基板10を製造するプロセスを示している。
まず始めに、ガラス基板30上に、酸化シリコン膜31を形成した後、アモルファスシリコン32を成長させる。ここに、酸化シリコン膜31は、ガラス基板30と、アモルファスシリコン32との間に介在することにより、ガラス基板30がアモルファスシリコン32に与える影響を軽減するための層である。次に、エキシマレーザを用いてアニールし、アモルファスシリコン32をポリシリコン化させる(図6(a))。
次に、フォトレジスト及びエッチングプロセスにより、ポリシリコン膜32’をパターニングする(図6(b))。さらに、フォトレジスト膜33を塗布し露光した後、パターニングした状態で、リン(P)をドーピングすることにより、nチャネルのソースとドレイン領域を形成する(図6(c))。
次に、膜厚が例えば90nmの酸化シリコン膜34を成長させた後、例えばマイクロクリスタルシリコン(μ−c−Si)及びタングステンシリサイド(WSi)で構成された層を成長させ、パターニングすることによりゲート電極35を形成する(図6(d))。
次に、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜で形成された層間膜37を積層した後(図6(e))、その層間膜37にコンタクトホール38を形成する(図6(f))。
次に、アルミニウム又はクロムなどで形成された電極層39を、例えばスパッタリング法で形成し、パターニングを行う(図15(g))。
このようにして、NMOS TFT及び容量を作成する。本実施形態では、ポリシリコン膜32’の形成にエキシマレーザを用いるが、他のレーザ例えば連続発振するCWレーザ等を用いてもよいし、熱処理による固層成長を用いてもよい。このようにして、図6に示した工程により、ガラス基板30にポリシリコンによるTFT基板10が形成される。また、TFT基板10の作製プロセスのメリットとして、大面積基板上の高密度配線が可能となる。これは、高精細の画素アレイ14を有する表示装置の実現に寄与する。
次に、対向基板19の作製プロセスであるが、図1[2]の断面構造図では、対向基板19に、対向電極21が積層された構成をとっている。しかし、実際は、カラーフィルタや、電気光学素子20に液晶材を用いた場合には配向膜等が積層される。
TFT基板10及び対向基板19が作製された後、重ね合わせのプロセスに移行する。シール材11は、予めシール材料の中に金属材料を含有させたものを、スクリーン印刷又はディスペンサ等により塗布した上で、TFT基板10及び対向基板19を貼り合わせることが望ましい。上記プロセスにより、第1実施形態の表示装置を作製することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態のNMOSをPMOSに置き換えたものである。
[構造]
第2実施形態の構造について以下に説明する。第2実施形態の表示装置の平面構造は、第1実施形態と相違ないため、図1[1]が適用される。また、断面構造においても、第1実施形態と相違ないため、図1[2]が適用される。また、図1に示したゲート線駆動回路12についても、第1実施形態と相違ないため、図3が適用される。
第2実施形態における第1実施形態との相違点は、転送回路23の構成であるため、図7に構成例、図8に動作を表すタイミングチャートを示し以下に説明する。転送回路23は、第1実施形態における薄膜トランジスタN1〜N6が薄膜トランジスタP1〜P6に、VLがVHに、VHがVLに、それぞれ置き換わった構成である。
第2実施形態における転送回路23を構成する薄膜トランジスタP1及びP6と、シール材11との相対位置について、図9を用いて説明する。ここに、図9は、転送回路23のTFT基板10上の位置についての説明図である。図9(a)ではノードAがシール材11よりも外側に位置しているのに対して、図9(b)ではノードAの一部がシール材11に覆われている。ここで、TFT基板10の基板端からシール材11の外側のエッジまでの距離をLとしたとき、図9(b)の構成の方がLの長さを短くすることができる。
[動作]
第1実施形態と構成が同じものについては、その動作も第1実施形態と同じである。以下、第2実施形態独自の構成である図7に示した転送回路23の動作について、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7に示した回路は、図3に示した回路のNMOSトランジスタ(N1〜N6)を、PMOSトランジスタ(P1〜P6)に置き換えたものである。転送回路23の動作について、図7及び図8を参照しながら説明する。まず、初段の転送回路23(図2中のA)について説明する。ここでは、図7中のCLKには、図8(a)のCLK1が供給される。まず、T1においてINがLoになった時、ノードAはP2によってVLに放電され、ノードBはP3によってVHに放電される。続いて、T2においてINがHiになったときにP2及びP3が非導通となり、ノードA及びBが共にフローティング状態となる。この状態において、P5は、ゲート電極及びソース電極がそれぞれVHのため(Vgs=0V)、非導通状態である。ここで、CLK1がLoであるため、P6のゲート容量とノードA及び対向電極21で形成される容量との容量結合により、ノードAの電位はVLからさらにVbだけ下降する。これにより、最終的に出力信号の振幅はVSSまで到達する。次段以降については、図7のINに前段の出力信号を入力することにより、次段の転送回路23がアクティブ状態となり、初段と同様の動作を行う。このように、順次転送しながら、各ゲート線15に出力信号を供給してゆく。
第2実施形態におけるゲート線駆動回路12もまた、第1実施形態と同様、ノードAがフローティングになる期間が存在する。そのため、Vcomの変動により、図8(b)に示すとおり、VbはVb1又はVb2に変動するので、動作マージンの低下や信頼性の低下が起こる。しかしながら、図1に示すように第1実施形態と平面構造及び断面構造に差異がないため、第1実施形態と同様、上記動作マージンの低下や信頼性の低下を抑えることができる。
[製造方法]
まず、図10(a)〜(g)をもとに第2実施形態のTFT基板10の製造方法について説明する。図10は、ガラス基板上にポリシリコンTFT技術により、PMOS TFTで構成されたTFT基板10を製造するプロセスを示している。
まず始めに、ガラス基板30上に、酸化シリコン膜31を形成した後、アモルファスシリコン32を成長させる。ここに、酸化シリコン膜31は、ガラス基板30とアモルファスシリコン32との間に介在することにより、ガラス基板30がアモルファスシリコン32に与える影響を軽減するための層である。次に、エキシマレーザを用いてアニールし、アモルファスシリコン32をポリシリコン化させる(図10(a))。
次に、フォトレジスト及びエッチングプロセスにより、ポリシリコン膜32’をパターニングする(図10(b))。さらに、フォトレジスト膜33を塗布後、露光してパターニングした状態で、ボロン(P)をドーピングすることにより、pチャネルのソースとドレイン領域を形成する(図10(c))。
次に、膜厚が例えば90nmの酸化シリコン膜34を成長させた後、例えばマイクロクリスタルシリコン(μ−c−Si)及びタングステンシリサイド(WSi)で構成された層を成長させ、パターニングすることによりゲート電極35を形成する(図10(d))。
次に、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜で形成された層間膜37を積層した後(図10(e))、その層間膜37にコンタクトホール38を形成する(図10(f))。
次に、アルミニウム又はクロムなどで形成された電極層39を、例えばスパッタリング法で形成し、パターニングを行う(図10(g))。
このようにして、p−ch TFT及び容量を作成する。本実施形態では、ポリシリコン膜の形成に、エキシマレーザを用いるが、他のレーザ例えば連続発振するCWレーザ等を用いてもよいし、熱処理による固層成長を用いてもよい。このようにして、図10に示した工程により、ガラス基板30にポリシリコンによるTFT基板10が形成される。また、TFT基板10の作製プロセスのメリットとして、大面積基板上の高密度配線が可能となる。これは、高精細の画素アレイ14を有する表示装置の実現に寄与する。
次に、対向基板19の作製プロセスについて述べる。図1[2]の断面構造図では、対向基板19に対向電極21が積層されている構成をとっているが、実際はカラーフィルタや、電気光学素子20に液晶材を用いた場合には配向膜等が積層される。
TFT基板10及び対向基板19が作製された後、重ね合わせのプロセスに移行する。シール材11は、予めシール材料の中に金属材料を含有させたものを、スクリーン印刷又はディスペンサ等により塗布する。その上で、TFT基板10及び対向基板19を貼り合わせることが望ましい。上記プロセスにより、第2実施形態の表示装置を作製することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、NMOS又はPMOSの代わりにCMOSを用いたものであり、クロックトインバータのフローティングゲートをシール外へ出している。
[構造]
第3実施形態の表示装置の構造について以下に説明する。第3実施形態の表示装置の平面構造は、第1実施形態及び第2実施形態と相違ないため、図1[1]が適用される。また、断面構造においても、第1実施形態及び第2実施形態と相違ないため、図1[2]が適用される。また、図1に示したゲート線駆動回路12についても、第1実施形態と相違ないため、図2が適用される。
第3実施形態と、第1実施形態又は第2実施形態との相違点は、転送回路23及び出力回路24の構成であるため、図11及び図12に構成例を示し以下に説明する。第3実施形態における転送回路23は、例えば図11(a)に示すとおり、インバータ回路INV1及びクロックインバータ回路CINV1及びCINV2で概ね構成されている。インバータ回路及びクロックトインバータ回路をTFTで構成した例を、図11(b)(c)にそれぞれ示す。CLK1及びCLK2はクロック信号であり、CLK2はCLK1の反転した信号であることが望ましい。また、第3実施形態における出力回路24は、例えば図12(a)に示すとおり、インバータ回路INV1〜INV4で構成されている。これをTFTで構成した例を図12(b)に示す。
第3実施形態における転送回路23及び出力回路24とシール材11との相対位置は、図12(c)のようになる。この構成により、転送回路23は、シール材11よりも外側に位置するため、対向基板19の電位変動の影響は非常に小さく、かつ、出力回路24は、CMOS回路で構成されたインバータ回路であるため、上記影響による誤動作や、動作マージンの低下はほとんど見られない。またさらに、シール材11のエッジは、転送回路23と出力回路24との間に位置するのが望ましい。これにより、出力回路24はシール材11に覆われた状態となるため、第1実施形態や第2実施形態と同様、CMOS構成のゲート線駆動回路12においても、TFT基板10のエッジから、シール材11のエッジまでの距離Lは、ゲート線駆動回路12を全てLの中に収めた場合と比較して、Lを短くすることが可能となる。
[動作]
第1実施形態や第2実施形態と同様の構成の部分については、その動作も第1実施形態や第2実施形態と同様である。以下、第3実施形態独自の構成である転送回路23及び出力回路24の動作について説明する。
図11に示した転送回路23は、CMOS回路で構成したシフトレジスタ回路であるため、INV1とCINV2とで構成されたラッチにより、CINV1を経由して入力されたスタートパルスを、CLK1及びCLK2に同期して、ラッチ及び転送を繰り返す。これにより、順次隣の転送回路23へスタートパルスを転送してゆく。
図12(a)(b)に示した出力回路24は、CMOS回路で構成した多段(4段)のインバータ回路である。インバータ回路の段数を偶数にすることでINとOUTのHi/Loの関係は保たれる。また、最終段のインバータを構成するトランジスタ(N4,P4)のTFTサイズ(チャネル長又はチャネル幅で規定される)を十分大きくすることにより、ゲート線15の抵抗負荷又は容量負荷を充放電できるようにすることが望ましい。
[製造方法]
まず、図13(a)〜(h)に基づき、第3実施形態のTFT基板10の製造方法について説明する。図13は、ガラス基板上にポリシリコンTFT技術により、CMOS構成のTFT基板10を製造するプロセスを示している。
まず始めに、ガラス基板30上に、酸化シリコン膜31を形成した後、アモルファスシリコン32を成長させる。ここに、酸化シリコン膜31は、ガラス基板30とアモルファスシリコン32との間に介在することにより、ガラス基板30がアモルファスシリコン32に与える影響を軽減するための層である。次に、エキシマレーザを用いてアニールし、アモルファスシリコンをポリシリコン化させる(図13(a))。
次に、フォトレジスト及びエッチングプロセスにより、ポリシリコン膜32’をパターニングする(図13(b))。
次に、フォトレジスト膜33を塗布後、露光してパターニングした状態で、リン(P)をドーピングすることにより、nチャネルのソースとドレイン領域を形成する(図13(c))。
次に、膜厚が例えば90nmの酸化シリコン膜34を成長させた後、例えばマイクロクリスタルシリコン(μ−c−Si)及びタングステンシリサイド(WSi)で構成された層を成長させ、パターニングすることによりゲート電極35を形成する(図13(d))。
次に、フォトレジスト36を塗布してパターニングし(nチャネル領域をマスクする)、ボロン(B)をドーピングし、pチャネルのソースとドレイン領域を形成する(図13(e))。
次に、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜で形成された層間膜37を積層した後(図13(f))、その層間膜37にコンタクトホール38を形成する(図13(g))。
次に、アルミニウム又はクロムなどで形成された電極層39を、例えばスパッタリング法で形成し、パターニングを行う(図13(h))。
このようにして、n−ch TFT、p−ch TFT及び容量を作成する。本実施形態では、ポリシリコン膜の形成に、エキシマレーザを用いるが、他のレーザ例えば連続発振するCWレーザ等を用いてもよいし、熱処理による固層成長を用いてもよい。このようにして、図13に示した工程により、ガラス基板30にポリシリコンによるTFT基板10が形成される。また、TFT基板10の作製プロセスのメリットとして、大面積基板上の高密度配線が可能となる。これは高精細の画素アレイ14を有する表示装置の実現に寄与する。
次に、対向基板19の作製プロセスについて述べる。図11の断面構造図では、対向基板19に対向電極21が積層されている構成をとっているが、実際はカラーフィルタや、電気光学素子20に液晶材を用いた場合には配向膜等が積層される。TFT基板10及び対向基板19が作製された後、重ね合わせのプロセスに移行する。シール材11は、予めシール材料の中に金属材料を含有させたものを、スクリーン印刷又はディスペンサ等により塗布する。その上で、TFT基板10及び対向基板19を貼り合わせることが望ましい。
対向基板19及びシール材11の作製方法については、第1実施形態と相違ない。したがって、上記プロセスで作製されたTFT基板10と対向基板19とを、シール材11を用いて貼り合わせることにより、第3実施形態の表示装置が作製できる。
(第4実施形態)
第4実施形態は、対向基板の対向電極が無いものである。
[構造]
第4実施形態の表示装置の構造について以下に説明する。第4実施形態の表示装置の平面構造については、第1実施形態と相違ないため、図1が適用される。第4実施形態と第1実施形態との相違点は、図1におけるI−I線縦断面における構造にある。図14[1]に第4実施形態の断面構造図を示す。
図14[1]を参照すると、第4実施形態の表示装置は、第1実施形態と比較して、対向電極21の構成が異なる。図1[2]に示すとおり、第1実施形態における断面構造は、対向電極21が対向基板19のほぼ全面に積層されている。一方、第4実施形態における断面構造は、対向電極21のエッジが、シール材11に覆われている部分に存在している。
図14[2]に、シール材11、ゲート線駆動回路12、対向電極21の相対位置についての平面図を示す。ここに、ゲート線駆動回路12の構成は、第1実施形態又は第2実施形態の構成で構わない。図14[2]を参照すると、ゲート線駆動回路12と対向電極21とが対面していないことがわかる。このことから、対向電極21とシール材11とが重なっている領域における電気的な影響は、少なくともゲート線駆動回路12には及ばない。これが第4実施形態の特徴である。なお、TFT基板10上の回路は、第1実施形態又は第2実施形態の回路が適用される。
[動作]
第4実施形態の動作に関しては、TFT基板10上の回路が第1実施形態に相当する場合と第2実施形態に相当する場合とで動作が異なるので、それぞれの回路の動作方法が適用される。
[製造方法]
第4実施形態の製造方法において、TFT基板10の作製方法については、第1実施形態又は第2実施形態が適用される。ただし、第4実施形態は、対向電極21の構成が第1実施形態と異なる。第1実施形態では、図1[2]に示すとおり対向基板19の全面に対向電極21が積層された構成であるが、第4実施形態は、図14[1]に示すとおり、対向電極21が対向基板19の周辺において取り除かれる必要がある。そこで、第4実施形態の製造方法として、対向基板19上に、例えばフォトレジストによりマスクを行い、対向電極21をパターニングする方法が望ましい。上記プロセスにより得られた対向基板19とTFT基板10とをシール材11を用いて貼り合わせることにより、第4実施形態の表示装置を作製できる。
(第5実施形態)
第5実施形態は、二重シールを採用している。
[構造]
第5実施形態の表示装置の構造について以下に説明する。第5実施形態の表示装置の平面構造図を図15[1]に示す。図15[1]を参照すると、第5実施形態の表示装置は、TFT基板10上に、第1のシール材11a、第2のシール材11b、ゲート線駆動回路12、データ線駆動回路13、画素アレイ14、ゲート線15、データ線16、端子パッド18等で概ね構成されている。
図15[1]におけるI−I線縦断面の断面構造図を図15[2]に示す。第1実施形態と第5実施形態との違いは、シール材の構成にある。第5実施形態では、第1のシール材11aと第2のシール材11bとで構成されている。ここで、第1のシール材11aは非導電性を有することが望ましく、第2のシール材11bは導電性を有することが望ましい。TFT基板10上の第2のシール材11bの下に、対向コンタクト17が存在しているので、対向電極21に与える電気信号は、対向コンタクト17から第2のシール材11bを経由して転送される。
[動作]
第5実施形態の動作に関しては、TFT基板10上の回路が第1実施形態に相当する場合と第2実施形態に相当する場合とで動作が異なるので、それぞれの回路の動作方法が適用される。
[製造方法]
第5実施形態の製造方法において、TFT基板10及び対向基板19の作製方法については、それぞれ第1実施形態又は第2実施形態と差異はない。第5実施形態は、シール材の構成が他の実施形態と異なるため、シール材の作製方法について以下に説明する。第1のシール材11a及び第2のシール材11は、それぞれ例えばディスペンサにより、所定の場所に設置するのが望ましいが、印刷版を用いたスクリーン印刷でも構わない。第1のシール材11a及び第2のシール材11bの作製プロセスを利用して、TFT基板10と対向基板19とを貼り合わせることにより、第5実施形態の表示装置が作製される。
(第6実施形態)
第6実施形態は、外側にポスト材を有する。
[構造]
第6実施形態の表示装置の構造について以下に説明する。第6実施形態の表示装置の平面構造図を、図16[1]に示す。図16[1]を参照すると、第6実施形態の表示装置は、TFT基板10上に、基板間ギャップ制御手段40、シール材11、ゲート線駆動回路12、データ線駆動回路13、画素アレイ14、ゲート線15、データ線16、端子パッド18等で概ね構成されている。図16[1]におけるI−I線縦断面の構造図を、図16[2]に示す。
第6実施形態の第1実施形態には無い違いは、基板間ギャップ制御手段40を備えていることである。基板間ギャップ制御手段40は、図16[2]の上下方向の荷重に対して、それ自身の変形量がシール材11よりも小さいことが望ましい。これにより、TFT基板10と対向基板19との間のパネルギャップを制御することが可能となる。また、基板間ギャップ制御手段40は、非導電性を有することが望ましい。一般的に基板間ギャップ制御手段40の比誘電率は、3.4〜3.7とシール材11の比誘電率(3.5〜4.1)に対して小さいため、対向電極21とゲート線駆動回路12のノードとで形成された容量を介した、対向電極21の電位変動の影響は低減される。さらに、基板間ギャップ制御手段40をシール材11よりも外側に設置することにより、シール材11のプロセス上の“ずれ”や、TFT基板10と対向基板19との貼り合わせ工程における、シール材11の“つぶれ”等によるシール材11の設置位置の変動を抑止するという新たな効果がある。なお、シール材11自体は、第1実施形態と相違ない。
[動作]
第6実施形態の動作に関しては、TFT基板10上の回路が第1実施形態に相当する場合と第2実施形態に相当する場合とで動作が異なるので、それぞれの回路の動作方法が適用される。
[製造方法]
第6実施形態の製造方法において、TFT基板10及び対向基板19の作製方法については、それぞれ第1実施形態又は第2実施形態と差異はない。また、シール材11の作製プロセスにおいても、第1実施形態等と同様である。
基板間ギャップ制御手段40は、TFT基板10の作製プロセスに追加する形で行われるのが望ましい。TFT基板10を作製した後、再びレジストを塗布し、それをパターニングすることにより、所定の位置に基板間ギャップ制御手段40を形成する。このプロセスの空間分解能はゲート線駆動回路12と同等のため、ゲート線駆動回路12と基板間ギャップ制御手段40との相対位置精度は、ゲート線駆動回路12とシール材11との相対位置精度と比較して非常に高いという特徴を有する。なお、基板間ギャップ制御手段40の材料は、例えば光を受けて硬化する感光性樹脂である。
基板間ギャップ制御手段40が形成されたTFT基板10に、シール材11を用いて対向基板19と貼り合わせを行うことにより、第6実施形態の表示装置が作製される。
(第7実施形態)
第7実施形態は、対向コンタクトをゲートドライバ横から外したものである。
[構造]
第7実施形態の表示装置の構造について以下に説明する。第7実施形態の表示装置の平面構造図を図17[1]に示す。図17[1]を参照すると、第7実施形態の表示装置は、TFT基板10上に、シール材11、ゲート線駆動回路12、データ線駆動回路13、対向コンタクト17、画素アレイ14、ゲート線15、データ線16、端子パッド18等で概ね構成されている。
第1実施形態と第7実施形態との違いは、対向コンタクト17の平面上の位置である。第1実施形態では、シール材11と同様、対向コンタクト17が画素アレイ14の周囲に設置されている。これに対し、第7実施形態では、図17[1]において対向コンタクト17が画素アレイ14の上下の部分に設置されている。
図17[1]におけるI−I線縦断面の構造図を図17[2]に示す。第7実施形態のI−I線縦断面においては、シール材11の下には、対向コンタクト17が存在しない。これにより、対向電極21の電位変動によるゲート線駆動回路12への影響が低減できる。
[動作]
第7実施形態の動作に関しては、TFT基板10上の回路が第1実施形態に相当する場合と第2実施形態に相当する場合とで動作が異なるので、それぞれの回路の動作方法が適用される。
[製造方法]
基本的には、TFT基板10、対向基板19、シール材11のそれぞれの作製方法は、第1実施形態又は第2実施形態と相違ない。本実施形態は、対向コンタクト17の作製位置が異なるが、これはパターニングの際のパターンの違いのみであるので、特にプロセスの変更は必要ない。したがって、第1実施形態と同様のプロセスにより、第7実施形態の表示装置が作製できる。
(第8実施形態)
第8実施形態は、二重シール間にポスト剤を設けたものである。
[構造]
第8実施形態の表示装置の構造について以下に説明する。第8実施形態の表示装置の平面構造図を図18[1]に示す。図18[1]を参照すると、第8実施形態の表示装置は、TFT基板10上に、第1のシール材11a、第2のシール材11b、基板間ギャップ制御手段40、ゲート線駆動回路12、データ線駆動回路13、画素アレイ14、ゲート線15、データ線16、端子パッド18等で概ね構成されている。
図18[1]におけるI−I線縦断面の構造図を、図18[2]に示す。第1実施形態と第8実施形態との違いは、シール材の構成にある。第8実施形態では、第1のシール材11aと、第2のシール材11bと、基板間ギャップ制御手段40とで構成されている。ここで、第1のシール材11a及び第2のシール材11bは、第5実施形態と相違ない。また、基板間ギャップ制御手段40は、第6実施形態と相違ない。TFT基板10上の第2のシール材11bの下に対向コンタクト17が存在しているので、対向電極21に与える電気信号は、対向コンタクト17から第2のシール材11bを経由して転送される。
[動作]
第8実施形態の動作に関しては、TFT基板10上の回路が第1実施形態に相当する場合と第2実施形態に相当する場合とで動作が異なるので、それぞれの回路の動作方法が適用される。
[製造方法]
第8実施形態の製造方法において、TFT基板10及び対向基板19の作製方法については、それぞれ第1実施形態又は第2実施形態と差異はない。第8実施形態は、シール材等の構成が他の実施形態と異なるため、シール材の作製方法について以下に説明する。基板間ギャップ制御手段40は、TFT基板10の作製プロセスに追加する形で行われるのが望ましい。TFT基板10を作製した後、再びレジストを塗布し、それをパターニングすることにより、所定の位置に基板間ギャップ制御手段40を形成する。続いて、第2のシール材11bと第1のシール材11aとは、それぞれ例えばディスペンサにより所定の場所に設置するのが望ましいが、印刷版を用いたスクリーン印刷でも構わない。上記第1のシール材11a及び第2のシール材11bの作製プロセスを利用して、TFT基板10と対向基板19とを貼り合わせることにより、第8実施形態の表示装置が作製される。
10 TFT基板
11 シール材
11a 第1のシール材
11b 第2のシール材
12 ゲート線駆動回路
13 データ線駆動回路
14 画素アレイ
15 ゲート線
16 データ線
17 対向コンタクト
18 端子パッド
19 対向基板
20 電気光学素子
21 対向電極
22 クロック信号線
23 転送回路
24 出力回路
30 ガラス基板
31 酸化シリコン膜
32 アモルファスシリコン
32’ ポリシリコン膜
33 フォトレジスト膜
35 ゲート電極
37 層間膜
38 コンタクトホール
39 電極層
40 基板間ギャップ制御手段

Claims (4)

  1. 一方及び他方の基板が枠状の導電性を有するシール部によって接着され、前記一方及び他方の基板間の前記シール部の内側に電気光学素子が狭持され、前記一方の基板に前記電気光学素子を制御する複数の画素を有する表示領域が形成され、前記他方の基板に電位変動する対向電極が形成された表示装置において、
    前記表示領域と共に前記一方の基板上に形成され、前記画素を制御するドライバ回路を備え、
    前記対向電極と前記シールとが電気的に接続されていて、
    かつ、前記ドライバ回路と前記表示領域との間に、前記シール部と前記一方の基板上に形成された対向コンタクトとが電気的に接続され
    かつ、前記対向電極の端部が前記シール部の外側の端部よりも内側に位置していて、
    かつ、前記ドライバ回路は、少なくともフローティング状態となる期間を有する転送回路又はブートストラップ効果を引き起こすための転送回路を有し、この転送回路が、前記シール部の外側に位置するように前記一方の基板上に配設されている、
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 前記シール部に金属材料が含有されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記電気光学素子の材質が液晶材である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
  4. 前記ドライバ回路が多結晶シリコン薄膜トランジスタで形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
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