JP5592806B2 - 高じん性・高強度モルタル組成物 - Google Patents

高じん性・高強度モルタル組成物 Download PDF

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Description

本発明は、高じん性・高強度モルタル組成物に関する。
近年、構造部材の軽量化、鉄筋使用量の削減などの要求に伴い、150N/mm以上の圧縮強度を発現し、しかも曲げ強度の高い超高強度コンクリートが提案されている。これらのコンクリートでは、セメント、ポゾラン質微粉末、骨材、高性能減水剤、金属繊維が使用され、熱養生によって超高強度化が図られている(特許文献1及び2参照)。また、引張応力下で擬似ひずみ硬化(初期ひびわれ発生後に引張応力が上昇する挙動)を示し、変形が増大してもひび割れ幅の抑制機能を有する高じん性の繊維補強セメント複合材料が提案されている(特許文献3参照)。このセメント複合材料では、ポリビニルアルコール等の有機短繊維によって、高じん性化が図られている。
特開2001−181004号公報 特開2006−298679号公報 特開2000−7395号公報
しかしながら、超高強度コンクリートを熱養生する場合は、工場で型枠を使用して製造するため、建設現場までの製品の運搬が必要である。また、コンクリート製品の形状や大きさは、使用する型枠や養生装置の形状により制約を受けるため、超高強度コンクリートの設計の自由度が制限される。一方、擬似ひずみ硬化特性を示す高じん性セメント系材料は、現場施工が可能であるが、圧縮及び引張強度は通常のコンクリートと同程度である。このため、熱養生が不要であり、現場施工が可能な高じん性かつ高強度の材料が求められている。また、構造物の耐久性、長寿命化、高品質化などの観点から、コンクリートの収縮は小さいほうが望ましい。そのため、上記材料には、自己収縮によるひずみを低減することが求められている。
そこで本発明は、常温養生のみで早期に高い圧縮強度を発現でき、かつ、自己収縮ひずみを低減できる高じん性・高強度モルタル組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の鉱物組成及び粒度分布を有するセメントと特定の粒度を有する細骨材を、シリカフューム、減水剤、消泡剤、膨張材及び高張力繊維と組み合わせることにより、熱養生しなくともモルタル組成物の強度を向上でき、かつ、自己収縮ひずみを低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、セメントと、シリカフュームと、水と、減水剤と、消泡剤と、膨張材と、細骨材と、高張力繊維とを含み、セメントは、CSを40.0〜75.0質量%及びCAを2.7質量%未満含有し、かつ、45μmふるい残分が8.0質量%未満であり、細骨材は、粒径0.15mm以下の粒群を15〜85質量%、かつ、粒径0.075mm以下の粒群を3〜20質量%含有する高じん性・高強度モルタル組成物を提供する。このようなモルタル組成物は、常温養生のみで早期に高い圧縮強度を発現でき、かつ、自己収縮ひずみを低減できる。
ここで、シリカフュームの平均粒子径は、0.05〜2.0μmであることが好ましい。また、シリカフュームの含有量は、セメントを基準として3〜30質量%であることが好ましい。
本発明の高じん性・高強度モルタル組成物は、セメント及びシリカフュームの合計量100質量部に対して、水を10〜25質量部及び減水剤を0.5〜6.0質量部含むことが好ましい。これにより、モルタル組成物の強度がより一層向上する。
また、本発明の高じん性・高強度モルタル組成物に含まれる高張力繊維は、引張強度が100〜10000N/mm、アスペクト比が40〜250であり、モルタル組成物に対する含有量が外割りで0.3〜5.0体積%であることが好ましい。高張力繊維がこのような性状であると、高いじん性及び高い圧縮強度を得ることができる。また、高張力繊維は、金属繊維、炭素繊維及びアラミド繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維であると、モルタル組成物の強度をより一層向上することができる。
また、本発明の高じん性・高強度モルタル組成物は、耐火性能を向上する観点から、有機繊維を更に含むことが好ましい。有機繊維は、繊度が1.0〜20dtex、アスペクト比が200〜900であり、モルタル組成物に対する含有量が外割りで0.05〜3体積%であることがより好ましい。
本発明によれば、常温養生のみで早期に高い圧縮強度を発現でき、かつ、自己収縮ひずみを低減できる高じん性・高強度モルタル組成物を提供することができる。
実施例で用いた消泡剤のH−NMRスペクトルである。 モルタル組成物の始発後における自己収縮ひずみの経時変化を表すグラフである。
本発明の高じん性・高強度モルタル組成物は、セメントと、シリカフュームと、水と、減水剤と、消泡剤と、膨張材と、細骨材と、高張力繊維とを含むものである。以下、本発明に係るモルタル組成物の好適な実施形態について説明する。
セメントの鉱物組成は、CS量が40.0〜75.0質量%であり、CA量が2.7質量%未満である。セメントのCS量は、好ましくは45.0〜73.0質量%、より好ましくは48.0〜70.0質量%であり、更に好ましくは50.0〜68.0質量%である。CA量は好ましくは2.3質量%未満であり、より好ましくは2.1質量%未満であり、更に好ましくは1.9質量%未満である。CS量が40.0質量%未満では圧縮強度が低くなる傾向があり、75.0質量%を超えるとセメントの焼成自体が困難となる傾向がある。また、CA量が2.7質量%以上では流動性が悪くなる。なお、CA量の下限値は特に限定されないが、0.1質量%程度である。
また、セメントのCS量は好ましくは9.5〜40.0質量%であり、より好ましくは10.0〜35.0質量%であり、更に好ましくは12.0〜30.0質量%である。CAF量は好ましくは9.0〜18.0質量%、より好ましくは10.0〜15.0質量%であり、更に好ましくは11.0〜15.0質量%である。このようなセメントの鉱物組成の範囲であれば、モルタル組成物の高い圧縮強度及び高い流動性を確保できる。
また、セメントの粒度は、45μmふるい残分が、上限で8.0質量%であり、好ましくは7.0質量%であり、より好ましくは6.0質量%である。45μmふるい残分の下限は0.0質量%であり、好ましくは1.0質量%であり、より好ましくは2.0質量%である。セメントの粒度がこの範囲であれば、高い圧縮強度を確保でき、また、このセメントを使用して調製したモルタルスラリーは適度な粘性があるため、繊維を添加した場合には、十分な分散性が確保できる。
セメントのブレーン比表面積は、好ましくは2500〜4800cm/g、より好ましくは2800〜4000cm/g、更に好ましくは3000〜3600cm/gであり、特に好ましくは3200〜3500cm/gである。セメントのブレーン比表面積が2500cm/g未満ではモルタル組成物の強度が低くなる傾向があり、4800cm/gを超えると低水セメント比での流動性が低下する傾向がある。
本実施形態に係るセメントの製造にあたっては、通常のセメントと特に異なる操作を行う必要はない。上記セメントは、石灰石、珪石、スラグ、石炭灰、建設発生土、高炉ダスト等の原料の調合を目標とする鉱物組成に応じて変え、実機キルンで焼成した後、得られたクリンカーに石膏を加えて所定の粒度に粉砕することによって製造することができる。焼成するキルンには、一般的なNSPキルンやSPキルン等を使用することができ、粉砕には一般的なボールミル等の粉砕機が使用可能である。また、必要に応じて、2種以上のセメントを混合することもできる。
シリカフュームは、金属シリコン、フェロシリコン、電融ジルコニア等を製造する際に発生する排ガス中のダストを集塵して得られる副産物であり、主成分は、アルカリ溶液中で溶解する非晶質のSiOである。シリカフュームの平均粒子径は、好ましくは0.05〜2.0μm、より好ましくは0.10〜1.5μm、更に好ましくは0.18〜0.28μmである。このようなシリカフュームを用いることで、モルタル組成物の高い圧縮強度及び高い流動性を確保できる。
本発明の高じん性・高強度モルタル組成物において、セメントを基準としたシリカフュームの含有量は、好ましくは3〜30質量%であり、より好ましくは5〜20質量%であり、更に好ましくは10〜18質量%である。また、モルタル1m当たりのシリカフュームの単位量は、好ましくは46〜460kg/m、より好ましくは76〜307kg/m、更に好ましくは153〜276kg/mである。
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系の減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等を使用することができる。低水セメント比での流動性確保の観点から、減水剤として、ポリカルボン酸系の減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いることが好ましく、ポリカルボン酸系の高性能減水剤を用いることがより好ましい。本実施形態に係るモルタル組成物は、セメントとシリカフュームの合計量100質量部に対して、減水剤を好ましくは0.5〜6.0質量部、より好ましくは1.0〜4.0質量部、更に好ましくは2.5〜3.5質量部である。また、モルタル1m当たりの減水剤の単位量は、好ましくは7〜92kg/m、より好ましくは15〜60kg/m、更に好ましくは37〜53kg/mである。
また、消泡剤としては、特殊非イオン配合型界面活性剤、ポリアルキレン誘導体、疎水性シリカ、ポリエーテル系等が挙げられる。この場合、セメントとシリカフュームの合計量100質量部に対して、消泡剤を好ましくは0.01〜2.0質量部、より好ましくは0.02〜1.5質量部、更に好ましくは0.03〜1.0質量部、特に好ましくは0.04〜0.8質量部である。また、モルタル1m当たりの消泡剤の単位量は、好ましくは0.15〜31kg/m、より好ましくは0.3〜23kg/m、更に好ましくは0.45〜16kg/m、特に好ましくは0.6〜13kg/mである。
膨張材としては、金属粉、カルシウムサルフォアルミネート(CSA系)及びCaOを主成分とする石灰系などの膨張材を使用することができる。カルシウムサルフォアルミネート系膨張材としては、アウインを挙げることができ、特にエリントガイトを生成する膨張材が好ましい。石灰系膨張材としては、生石灰、生石灰―石膏混合系及び仮焼ドロマイト等を挙げることができ、中でも生石灰及び/又は生石灰―石膏混合系が好ましい。これらの膨張材は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
膨張材の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、モルタル1mに対して、好ましくは5〜40kg、より好ましくは10〜30kg、特に好ましくは20〜30kgである。添加量が少ないと膨張性に寄与せず、添加量が多いと過剰膨張するため、好ましくない。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、石灰石骨材、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、銅スラグ細骨材、電気炉酸化スラグ細骨材等を使用することができる。また、無機質微粉末としては、石灰石粉、珪石粉、砕石粉等を使用することができる。
細骨材は、粒径0.15mm以下の粒群を15〜85質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜80質量%、更に好ましくは40〜75質量%含む。また、粒径0.075mm以下の粒群を3〜20質量%、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは8〜20質量%、更に好ましくは10〜18質量%含む。細骨材の含有量が15質量%未満では、モルタルスラリーの粘性が低すぎるため高張力繊維が十分に分散しない恐れがある。細骨材の含有量が85質量%を超えると、粘性が高くなり、所定のフローを出すためには水セメント比を増やす必要があるため強度低下に繋がるおそれがある。なお、細骨材が例えば砕砂と珪砂との混合物のように2種以上の砂からなる場合は、上記通過百分率は、それぞれの砂の通過百分率の加重平均として算出する。
モルタル組成物中の細骨材量は、好ましくは400〜1000kg/m、より好ましくは430〜850kg/m、更に好ましは500〜750kg/mである。
高張力繊維としては、金属繊維、炭素繊維、アラミド繊維及び高強度ポリエチレン繊維(例えば、東洋紡株式会社製、商品名「ダイニーマ」)等が挙げられる。金属繊維として、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス合金繊維等を使用することができる。高張力繊維の繊維径は0.05〜1.20mmが好ましく、0.08〜0.70mmがより好ましく、0.10〜0.35mmが更に好ましく、0.12〜0.20mmが特に好ましい。高張力繊維の繊維長は3〜60mmが好ましく、5〜35mmがより好ましく、7〜20mmが更に好ましく、9〜15mmが特に好ましい。高張力繊維のアスペクト比(繊維長/繊維径)は40〜250が好ましく、50〜200がより好ましく、60〜170が更に好ましく、70〜140が特に好ましい。高張力繊維の引張強度は100〜10000N/mmが好ましく、500〜5000N/mmがより好ましく、1000〜3000N/mmが更に好ましく、1500〜2500N/mmが特に好ましい。高張力繊維の密度は、1〜20g/cmが好ましく、3〜15g/cmがより好ましく、5〜13g/cmが更に好ましく、7〜10g/cmが特に好ましい。このような高張力繊維を用いることで、モルタル組成物に高いじん性、高い圧縮強度、高い引張強度及び高い流動性を付与することができる。
本実施形態に係るモルタル組成物は、モルタル組成物に対して外割りで(すなわち、モルタル組成物における、高張力繊維を除いた組成物100体積%に対して)高張力繊維を好ましくは0.3〜5.0体積%、より好ましくは0.5〜4.0体積%、更に好ましくは1.0〜2.5体積%含むことによって、高いじん性が得られる。なお、5.0体積%を超えるとモルタルの練混ぜが困難になる場合がある。また、モルタル1mに対する高張力繊維の配合量は、好ましくは23〜393kg、より好ましくは39〜314kg、更に好ましくは79〜196kgである。
本実施形態に係るモルタル組成物は、有機繊維を更に含むことで高い耐火性能を得ることが可能である。有機繊維としては、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ビニロン繊維等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
有機繊維は、モルタル組成物に対して外割りで(すなわち、モルタル組成物における、有機繊維を除いた組成物100体積%に対して)好ましくは0.05〜3.0体積%、より好ましくは0.08〜2.5体積%、更に好ましくは0.10〜2.0体積%、特に好ましくは0.15〜1.0体積%である。有機繊維が0.05体積%未満では十分な耐火爆裂性が得られない場合があり、3体積%を超えるとモルタル組成物中への練混ぜが困難になる場合がある。また、モルタル1mに対する有機繊維の配合量は、好ましくは0.18〜11kg、より好ましくは0.29〜9.1kg、更に好ましくは0.36〜7.3kg、特に好ましくは0.55〜3.6kgである。
有機繊維の繊度は1.0〜20dtexが好ましく、1.5〜15dtexがより好ましく、2.0〜4.0dtexが更に好ましい。有機繊維の引張強度は1〜6cN/dtexが好ましく、1.5〜5cN/dtexがより好ましく、2〜4cN/dtexが更に好ましい。有機繊維の伸度は400%以下が好ましく、300%以下がより好ましく、50〜200%が更に好ましい。有機繊維の繊維長は3〜30mmが好ましく、4〜20mmがより好ましく、5〜15mmが更に好ましい。有機繊維の密度は0.8〜1.5g/cmが好ましく、0.8〜1.3g/cmがより好ましく、0.85〜0.95g/cmが更に好ましい。有機繊維のアスペクト比(繊維長/繊維径)は、200〜900が好ましく、300〜800がより好ましく、400〜700が更に好ましい。
このような範囲の有機繊維を添加することで、モルタル組成物の高いじん性、高い圧縮強度、高い引張強度及び高い流動性に加えて、高い耐火性能を確保できる。
また、本実施形態に係るモルタル組成物は、セメントとシリカフュームの合計量100質量部に対して、水を好ましくは10〜25質量部、より好ましくは12〜20質量部、更に好ましくは13〜18質量部含む。モルタル1m当たりの単位水量は、好ましくは153〜383kg/m、より好ましくは184〜306kg/m、更に好ましくは199〜276kg/mである。
本実施形態に係るモルタル組成物には、必要に応じて、収縮低減剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、増粘剤、ガラス繊維、合成樹脂粉末、ポリマーエマルジョン、ポリマーディスパージョン等を1種以上添加してもよい。
さらに、上記本実施形態に係るモルタル組成物に、粗骨材を適量組み合わせることにより、コンクリートを調製してもよい。粗骨材の量や、水の量は、目標圧縮強度、じん性、目標スランプに応じて適時変えればよい。粗骨材としては、砂利、砕石、石灰石骨材、高炉スラグ粗骨材、電気炉酸化スラグ粗骨材等を使用することができる。また、5mmの篩いに85質量%以上とどまる粗骨材がより好ましい。
本実施形態に係るモルタル組成物の製造方法は、特に限定されないが、水、減水剤及び高張力繊維(有機繊維を配合する場合は有機繊維も)以外の材料の一部又は全部を予め混合しておき、次に、水、減水剤を添加してミキサに入れて練り混ぜる。また、繊維材料は、モルタルを製造した後にミキサに添加し、更に練り混ぜる。モルタルの練混ぜに使用するミキサは特に限定されず、モルタル用ミキサ、二軸強制練りミキサ、パン型ミキサ、グラウトミキサ等を使用することができる。
本発明の高じん性・高強度モルタル組成物は、高強度が求められるPC梁、高耐久性パネル、ブロック耐震壁などに有効である。高張力繊維を添加することによって、橋梁等の鉄筋量を減らすことが可能となる。また、橋梁の補修・補強等にも有効である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[使用材料の準備]
実施例及び比較例のモルタル組成物を作製するために、以下に示す材料を準備した。
(1)セメント(C):
石灰石、珪石、スラグ、石炭灰、建設発生土、銅ガラミ等の原料を調合し、キルンで焼成した後、石膏を加えて粉砕することにより、ポルトランドセメントを調製した。得られたセメントの化学成分を、JIS R 5202‐2010「セメントの化学分析方法」にしたがい測定し、鉱物組成を下記のボーグ式により算出した。得られたセメントの鉱物組成を表1に示す。
S量=(4.07×CaO)−(7.60×SiO)−(6.72×Al)−(1.43×Fe)−(2.85×SO
S量=(2.87×SiO)−(0.754×CS)
A量=(2.65×Al)−(1.69×Fe
AF量=3.04×Fe
また、得られたセメントの45μmふるい残分を、セメント協会標準試験方法 JCAS K−02「45μm網ふるいによるセメントの粉末度試験方法」に準じて測定した。また、ブレーン比表面積をJIS R 5201−1997「セメントの物理試験方法」に準じて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005592806
(2)シリカフューム(SF):平均粒子径0.24μm
シリカフュームの平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、商品名「LA−950V2」)を用いて測定した粒子径分布より、粒子径−通過分積算%曲線を算出し、粒子径−通過分積算%曲線より通過分積算が50体積%となる粒子径を求めた。試料分散媒は0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、測定前に出力600Wのホモジナイザーにて10分間分散処理した。粒度分布の演算はMie散乱理論に従った。粒子屈折率は1.45−0.00i、溶媒屈折率は1.333とした。各粒度の通過分積算(体積%)を表2に示す。
Figure 0005592806
(3)細骨材
(i)砕砂:安山岩砕砂、表乾密度2.62g/cm、粗粒率2.80、吸水率2.5質量%
(ii)珪砂:絶乾密度2.63g/cm
上記砕砂及び珪砂の粒度を、JIS A 1102−2006「骨材のふるい分け試験方法」に準じて測定した。次いで、砕砂及び珪砂を混合して所定の粒度になるように細骨材を調整した。結果を表3に示す。
Figure 0005592806
(4)減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤(固形分濃度25質量%)
(5)消泡剤:特殊非イオン配合型界面活性剤
図1は、上記消泡剤を重メタノールに溶解し、NMR測定装置(BRUKER製、商品名「AVANCE」)を用いて測定したH−NMRスペクトルである。上記消泡剤の構造単位である、ポリオキシプロピレン(以下、「POP」と略記する)の構造単位、ポリオキシエチレン(以下、「POE」と略記する)の構造単位及びアルキル鎖の構造単位のモル比を、POP中のメチル基に由来するシグナルの積分値を基準に算出した。この内、POPに対するPOEのモル比を、3.5ppm付近に現れるPOPのメチル基以外の炭化水素基に由来するシグナル及びPOEの炭化水素基に由来するシグナルの積分値からPOPのメチル基以外の炭化水素基に由来するシグナルの積分値を差し引くことにより算出した。消泡剤中のPOP、POE及びアルキル鎖の構造単位のモル比を表4に示す。
Figure 0005592806

(6)膨張材:市販3銘柄(A、B、C)を使用した。なお、銘柄AはN−EX(商品名;太平洋マテリアル社製)、銘柄Bはハイパーエクスパン(商品名;太平洋マテリアル社製)、銘柄CはパワーCSA(商品名;電気化学工業社製)である。
(7)高張力繊維:鋼繊維(東京製綱社製、商品名「CW9416」)、密度:7.87g/cm、繊維径0.16mm、繊維長13mm、アスペクト比81.25、引張強度2200N/mm
(8)有機繊維:ポリプロピレン繊維(ダイワボウポリテック社製、商品名「PZ」)繊度2.34dtex、引張強度3.11cN/dtex、伸度126.4%、繊維長10.0mm、水分率35.2%、密度:0.91g/cm、アスペクト比588
(9)練混ぜ水(W):上水道水
[モルタル組成物の作製]
モルタル組成物の作製を、表5の配合組成に基づき、以下の通りに行った。
セメント、膨張材、シリカフューム、消泡剤及び細骨材をコンクリート用二軸ミキサに加え、30秒間撹拌した。次に、減水剤を含む練混ぜ水をミキサ内に投入して10分間撹拌し、さらに、鋼繊維及びポリプロピレン繊維(PP繊維)を投入して3分間撹拌し、モルタル組成物を作製した。
Figure 0005592806

*1:セメント及びシリカフュームの合計量100質量%に対する水の量
*2:セメント100質量%に対するシリカフュームの量
*3:セメント及びシリカフュームに対して外割りで添加した値。なお、減水剤中の水分は単位水量に含める。
*4:モルタル組成物に対して外割りで添加した値。
[モルタル組成物の評価]
(1)フレッシュ性状
(試験方法)
比較例1及び実施例1〜3で作製したモルタル組成物を用いて、スランプフローを測定した。スランプフローは、JIS A 1150−2007「コンクリートのスランプフロー試験方法」に準じ、測定した。
(2)強度試験
JIS A 1132−2006「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」に準じて5cm×10cmの円柱供試体を作製し、JIS A 1108−2006「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準じて圧縮強度試験を行った。供試体は試験材齢まで20℃で水中養生した。
(3)自己収縮
比較例1及び実施例1〜3で得られたモルタル組成物を、埋込型ゲージ(東京測器研究所製)を中心に配した10×10×40cm型枠(鋼製)に打設し、自己収縮ひずみと温度を計測した。なお、型枠面内側にはスチレンボードとテフロンシートを配し、モルタルが拘束を受けない状態で測定を行い、測定終了までは封緘状態を保った。
(評価結果)
表6に、スランプフロー試験、圧縮強度試験及び自己収縮測定の結果を示す。また、モルタル組成物の始発後における自己収縮ひずみの経時変化を図2に示す。
Figure 0005592806
膨張材を配合した実施例1〜3では、スランプフロー及び圧縮強度について良好な値を示すだけでなく、自己収縮ひずみが小さくなる効果が認められた。特に、実施例3では、始発後120日での自己収縮ひずみが580(×10―6)となり、200(×10―6)を超える低減効果が得られた。
これに対し、比較例1では、スランプフロー及び圧縮強度については良好であったものの、始発後120日での自己収縮いずみが大きいことが確認された。
以上のことから、圧縮強度を維持しながらモルタル組成物の自己収縮ひずみを低減するためには、膨張材の使用が有効であることを確認した。

Claims (8)

  1. セメントと、シリカフュームと、水と、減水剤と、消泡剤と、膨張材と、細骨材と、高張力繊維とを含み、
    前記セメントは、CSを40.0〜75.0質量%及びCAを2.7質量%未満含有し、かつ、45μmふるい残分が8.0質量%未満であり、
    前記細骨材は、粒径0.15mm以下の粒群を15〜85質量%、かつ、粒径0.075mm以下の粒群を3〜20質量%含有する、高じん性・高強度モルタル組成物。
  2. 前記シリカフュームの平均粒子径が0.05〜2.0μmである、請求項1に記載の高じん性・高強度モルタル組成物。
  3. 前記セメントを基準として、前記シリカフュームを3〜30質量%含む、請求項1又は2に記載の高じん性・高強度モルタル組成物。
  4. 前記セメント及び前記シリカフュームの合計量100質量部に対して、水を10〜25質量部及び減水剤を0.5〜6.0質量部含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高じん性・高強度モルタル組成物。
  5. 前記高張力繊維は、引張強度が100〜10000N/mm、アスペクト比が40〜250であり、前記モルタル組成物に対する含有量が外割りで0.3〜5.0体積%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高じん性・高強度モルタル組成物。
  6. 前記高張力繊維は、金属繊維、炭素繊維及びアラミド繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高じん性・高強度モルタル組成物。
  7. 有機繊維を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の高じん性・高強度モルタル組成物。
  8. 前記有機繊維は、繊度が1.0〜20dtex、アスペクト比が200〜900であり、前記モルタル組成物に対する含有量が外割りで0.05〜3体積%である、請求項7に記載の高じん性・高強度モルタル組成物。
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