以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態1>
(1)看板用照明装置の構成
図1〜3を用い、本発明の実施の形態1に係る看板用照明装置100について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る看板用照明装置の構成を示す斜視図である。図2は、上記実施の形態1に係る看板用照明装置の構成を示す断面図である。本実施形態における看板用照明装置100は、看板の裏面側から光を照射する看板用照明装置、いわゆる内照式看板用照明装置である。
図1に示すように、本実施形態の看板用照明装置100は、照射対象看板(以下、「看板」)10が設置される看板設置領域11を開口した筺体20と、筺体20の看板設置領域11の鉛直上端側に設けられ、鉛直上端側から下向きに光を発するLED光源110と、看板設置領域11と対向する状態で筺体20内に配置されるとともに、看板設置領域11の鉛直上端側から鉛直下端側まで一様に平面状に形成され、LED光源110が発した光の少なくとも一部を看板設置領域11に向けて反射する反射面132を形成する反射板130と、を備える。反射板130は、反射面132と看板設置領域11との対向距離が看板設置領域11の鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように斜めに傾けて配置されることにより、筺体20の内部で且つ反射板130を挟んでLED光源110と対向する鉛直下側に、LED光源110の交換に用いる物品を載置可能な収納空間30を形成するよう構成される。以下、詳細を説明する。
なお、以下において、「鉛直下側」とは、重力が生じる側、すなわち天地の地方向のことをいい、「鉛直上側」とは、重力が生じる側と反対の側、すなわち天地の天方向のことをいう。
(筺体)
図1に示すように、看板用照明装置100は、例えば駅構内の壁面や建物の壁面などに設置され、少なくとも看板10を保持する筺体20を備える。看板10は例えば四角形である。筺体20は、例えば、看板10が設置される看板設置領域11を開口したフレーム部22と、看板設置領域11の裏面側の鉛直下側に設けられる底部24と、底部24から鉛直方向に立設する側面部26と、側面部26の鉛直上側に接する天井部28と、を有する。なお、側面部26は、看板設置領域11(看板10の設置面)の法線方向から見て、右側面部、左側面部、および背面部を含む総称である。例えば、筺体20の幅は4000mm、筺体20の高さは3000mm、筺体20の奥行きは150mm以上250mm以下である。なお、筺体20の幅とは、看板設置領域11(看板10の設置面)の法線方向から見たときの水平方向の長さであり、筺体20の高さとは、看板設置領域11の法線方向から見たときの鉛直方向の長さのことである。
筺体20の看板設置領域11を除く一部または全部は、壁面に埋め込まれていても良い。また、背面部は、筺体20を設置する壁面であっても良い。
図2に示すように、看板10は、フレーム部22に嵌合される。看板設置領域11に設置される看板10は、例えば、透光性を有する透光板14と、透光板14の裏面側に接し透光板14側に絵柄を表示する絵柄表示板(紙またはフィルムを含む)12と、絵柄表示板12の裏面側に接し透光性を有する透光板16と、を有する。看板10の裏面(透光板16)側から光を照射することにより、透光板16を透過した光によって絵柄表示板12の絵柄が明るく表示される。
(LED光源)
図1および図2に示すように、LED光源110は、鉛直上端側から下向きに光を発するよう構成される。LED光源110は、例えば、光出射面に対して垂直な方向に強い指向性を有するよう構成されている。言い換えれば、LED光源110からの光線の直進性が高い。例えば、LED光源110は、LED光源110の指向性が強い方向が看板設置領域11の鉛直上端側から下向き(鉛直下方向および斜め下方向を含む)、好ましくは看板設置領域11に沿った鉛直下方向に向くように配置される。
LED光源110は、例えば、筺体20の看板設置領域11の鉛直上端側に設けられる。LED光源110は、例えば筺体20の天井部28に固定治具により固定される。
図3は、上記実施の形態1に係る看板用照明装置100のLED光源110付近の構成を示す斜視図である。図3に示すように、LED光源110は、例えば、看板設置領域11に沿って長尺に設けられる。具体的には、例えば、LED光源110は、看板設置領域11に沿って長尺に設けられた装置本体110Aと、装置本体110Aに設けられたLED実装基板120と、LED実装基板120に実装された複数のLED素子111と、を有する。複数のLED素子111は、LED実装基板120の長手方向に互いに等間隔でLED実装基板120に配置されている。
なお、装置本体110Aは、例えばアルミニウムなどの材料で構成されることにより、LED光源110からの熱を外部に放熱する放熱部材としての機能を併せ持つ。また、装置本体110Aは反射板130に隣接または物理的に接触することにより、装置本体110Aからの熱は、反射板130を放熱板として外部に放出されうる。
図4は、LED光源110のパッケージ構造を示す模式図であり、図4(a)は、その平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A矢視断面図である。図4(c)は、他のLED光源のパッケージを示す断面図である。
図4(a)および図4(b)に示すように、LED素子111は、例えば表面実装型LEDパッケージである。LED素子111は、セラミックや樹脂で成形されたキャビティ112と、キャビティ112に実装された複数のLEDチップ(ベアチップ)113と、キャビティ112の内側の面に形成され、LEDチップ113が発光した光を前面に反射するリフレクタ114と、キャビティ112内を充填し蛍光体含有のシリコーン樹脂からなる封止材115と、を備える。
また、図4(b)に示すように、封止材115の上面側には、例えば光出射面の法線方向に集光する集光レンズ116が設けられる。集光レンズ116装着によりLED素子111の指向性を高めることができる。集光レンズ116は、例えば、エポキシやシリコーン樹脂あるいはガラスなどからなる。なお、上記パッケージ上のアノード電極、カソード電極、それらとLEDチップ113とを接続する金属ワイヤなどの図示は省略している。
LEDチップ113は、高輝度青色LEDチップであり、発光した青色光を封止材115に含まれる蛍光体に当てて白色LEDを実現する。また、リフレクタ114は、真空蒸着により形成された高輝度反射板であることが好ましい。
また、図4(c)に示すように、LEDチップ113は、1つであってもよい。また、集光レンズ116が取り付けられた構造であってもよい。封止材115は、白色LED用蛍光体を分散させた耐紫外性、耐熱性を有するシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
(LED実装基板)
図5は、LED実装基板120の構成を示す図である。図5(a)は、その平面図、図5(b)は、その側面図、図5(c)は、その長手方向の端面からみた正面図である。
図5(a)〜(c)に示すように、LED実装基板120は、装置本体110Aと同様に長尺状ではあるが、装置本体110Aの外形寸法よりは短尺な外部基板である。本実施の形態では、LED実装基板120は、例えば、長尺方向の長さが1000mm、長尺方向に直交する幅方向の長さが80mm、厚さが約40mmである。例えば、LED光源110は、看板設置領域11の水平方向の幅に合わせて長尺方向に4つ連ねて設けられたLED実装基板120を有する。
LED実装基板120には、例えば、長手方向に互いに等間隔で並んで配置された複数のLED素子111を有する列が設けられ、この複数の列は幅方向に互いに等間隔で配置される。具体的には、LED実装基板120には、複数のLED素子111が直線状に3列、長手方向に整列配置して取り付けられている。なお、前記図3では、説明の便宜上、LED素子111は1列12個×3列としたが、実装例では、例えば図5の通り1列65個×3列設置される。また、LED実装基板120の形状・外形寸法、LED素子111の配置個数・配列方法はどのようなものでもよい。
本実施形態のLED実装基板120の構成は、既存の表面実装型LEDパッケージをそのまま使用することができる利点がある。既存の表面実装型LEDパッケージが使用できるので、汎用性があり実施が容易であること、低コスト化が可能である。
(反射板)
図1および図2に示すように、反射板130は、看板設置領域11と対向する状態で筺体20内に配置される。また、反射板130は、看板設置領域11の鉛直上端側から鉛直下端側まで一様に平面状に形成され、LED光源110が発した光の少なくとも一部を看板設置領域11に向けて反射する反射面132を形成するよう構成されている。LED光源110が反射板130の方向に発した光は、反射面132で1回だけ反射して看板設置領域11に照射される。
図1に示すように、例えば、反射板130の鉛直上端側(上辺)は、看板設置領域11の鉛直上端側の一辺と、LED光源110の長手方向と、の少なくともいずれか一方に沿って配置される。反射板130の鉛直上端側と、看板設置領域11の鉛直上端側の一辺と、LED光源110の長手方向と、は平行であることが好ましい。これにより、LED光源110の光が看板10に対して水平方向に均一に照射される。
また、例えば、反射板130は、看板設置領域11の法線方向から見たときに、看板設置領域11の幅以下の幅、好ましくは看板設置領域11の幅よりも狭い幅を有する。これにより、反射板130を看板設置領域11の開口側から看板設置領域11の法線方向に回動させることにより、後述する収納空間30に載置された物品110’を容易に出し入れすることができる。また、筺体20内に反射板130を設置する際に、看板設置領域11の開口側から反射板130を筺体20内に挿入することができる。すなわち、筺体20が壁面に埋め込まれており、反射板130を側面部26から挿入できない場合に特に有効である。
また、反射板130の少なくとも反射面132は、例えば一部材により構成される。具体的には、反射板130は、例えば、反射面132が鏡面仕上げ又は銀蒸着された高光沢圧延アルミニウム板を用いることができる。また、反射面132は、例えばセラミックコーティングされていてもよい。これにより反射特性を維持することができる。
ここで、反射板130のLED光源110に対する角度は、例えば、反射板130の鉛直上端側の位置、および反射板130の鉛直下端側の位置によって調整される。本実施形態では、反射板130は、反射面132と看板設置領域11との対向距離が看板設置領域11の鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように斜めに傾けて配置される。これにより、LED光源110から遠くなるほど、光量が減少する分、反射板130を看板設置領域11に近づけることにより、看板10を均一に明るく照らすことができる。
具体的構成としては、図2に示すように、反射板130の鉛直上端側は、例えば、LED光源110の看板設置領域11と反対の側に配置され、後述する角度調整部140によって天井部28またはLED光源110に連結される。また、反射板130は、LED光源110に隣接して配置される。例えば、LED光源110と反射板130の上端との距離は、LED光源110と看板設置領域11の上端との距離よりも短い。これにより、LED光源110から反射板130(背面部方向)に向かって出射された光は、すぐに反射板130で反射されて看板設置領域11に向かって照射される。
一方、反射板130の鉛直下端側は、例えば、看板設置領域11(看板10の設置面)に沿った方向から見たときにLED光源110よりも看板設置領域11側に位置する。例えば、反射板130の鉛直下端側は、フレーム部22の下端、または底部24の看板設置領域11側に解除可能に固定される。これにより、LED光源110から発せられ反射板130によって反射された光の多くが、筺体20の底部24ではなく看板設置領域11に向けて照射される。また、反射板130の看板設置領域11と反対側において、後述する収納空間30が広くなる。
なお、反射板130の鉛直下端側は、底部24まで達していなくても良い。反射板130の鉛直下端側から反射される光が看板設置領域11の鉛直下端側まで到達するように、反射板130の鉛直下端側が配置されればよい。
上記方法により、反射板130のLED光源110に対する角度は、例えば看板10を見る人の目と、看板設置領域11と、の位置関係に基づいて設定される。例えば、LED光源110から発せられ反射板130によって反射される光の少なくとも一部が、看板10を見る人の目の位置と、看板設置領域11と、を結ぶ直線と重なるように、反射板130のLED光源110に対する角度が調整される。これにより、看板10を見る人の目線に向かって光が照射されることにより、看板10を見る人の側に看板10を明るく表示させることができる。本実施形態では、天井部28にLED光源110が設けられているため、例えば、看板用照明装置100が人よりも鉛直上側に設置されている場合に特に有効である。
(収納空間)
図2に示すように、上述のように、反射板130は、反射面132と看板設置領域11との対向距離が看板設置領域11の鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように斜めに傾けて配置される。これにより、反射板130は、筺体20の内部で且つ反射板130を挟んでLED光源110と対向する鉛直下側に、LED光源110の交換に用いる物品110’を載置可能な収納空間30を形成するよう構成されている。
「収納空間30」とは、例えば、反射板130、底部24および側面部26によって構成される。収納空間30が「LED光源110の交換に用いる物品110’を載置可能」であるとは、収納空間30が少なくともLED光源110の交換に用いる物品110’を収容する容積を有し、その物品110’を静置することができることを意味する。「LED光源110の交換に用いる物品110’」とは、交換用のLED光源110全体、LED光源110を構成する交換用のLED素子111、集光レンズ116、配線、コネクタ並びにヒューズ、およびメンテナンスに必要な工具等の少なくともいずれかを含むものである。なお、収納空間30に載置されるものは、必ずしもLED光源110の交換に用いる物品110’でなくてもよい。また、収納空間30が形成されていればよく、必ずしも物品110’が載置されていなくてもよい。
このように、反射板130を挟んでLED光源110と対向する鉛直下側に収納空間30が設けられていることにより、収納空間30内にLED光源110の交換に用いる物品110’を常備しておくことができる。
(角度調整部)
本実施形態では、さらに、反射板130は、筺体20またはLED光源110に連結され、LED光源110に対して回動可能である。反射板130は、反射板130の鉛直下端側(下辺)の位置を看板設置領域11の法線方向に向かって回動できるように構成されている。
具体的には、図1および図2に示すように、看板用照明装置100は、反射板130を回動可能な角度調整部140を備える。角度調整部140は、例えば、LED光源110の装置本体110Aの上端部に固定された円筒部材141と、円筒部材141に回動可能に嵌挿される反射板支持部材(軸部)142と、を備える。円筒部材141と反射板支持部材142とは、ヒンジ構造となっており、装置本体100Aの上端部と反射板130の上端とを回動可能に連結する。あるいは、反射板支持部材142に代えて、反射板130の端部の構造自体が、反射板支持部材142と同様の形状に構成されていてもよい。
また、反射板支持部材142は、例えば、反射板130をLED光源110に干渉させることなく、所定範囲の角度で回動することができるように、LED光源110の発光位置から所定距離に配置される。
また、反射板支持部材142は、LED光源110の長手方向に沿って配置される。これにより、反射板130をフレーム部22または側面部26(左右側面部)に干渉させることなく看板設置領域11の法線方向に向かって回動させることができる。
このように、反射板130がLED光源110に対して回動可能であることにより、看板設置領域11側から反射板130を回動させて、収納空間30から物品110’を出し入れすることができる。さらに、LED光源110の指向性、または筺体20の奥行きに応じて、反射板130のLED光源110に対する角度を変更しつつ、筺体20内に反射板130を設置することができる。
さらに、図3に示すように、角度調整部140は、反射板支持部材142を特定の回動角度で円筒部材141に固定する位置決め部材143を備えていても良い。位置決め部材143は、反射板130の反射角度が特定の回動角度となる位置で反射板支持部材142を円筒部材141に固定するよう構成される。具体的には、位置決め部材143は、円筒部材141に形成された反射板支持部材142に連通するネジ穴と、ネジ穴に反射板支持部材142に当接するまで螺合されて反射板支持部材142を円筒部材141に固定する止めネジと、を備える。位置決め部材143がこのような構造を備えることによって、反射板130のLED光源110に対する反射角度が任意に調整された状態で、反射板130を固定することができる。例えば、反射板130の鉛直下端側が底部24まで達していない場合に特に有効である。なお、角度調整部140は、上記特定の回動角度において位置決めを容易にするため、ノッチ部や目印(いずれも図示略)を備えていてもよい。
(2)本実施の形態の効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、看板用照明装置100は、光線の直進性が高く、長寿命のLED光源110を備える。これにより、LED光源110を看板設置領域11に沿った方向に光を発するように配置することができるとともに、交換費用を低減することができる。
これまでの内照式看板用照明装置では、LED光源に比べ輝度が低く短寿命の蛍光灯が用いられてきた。このため、看板の裏面側に対向する位置に複数の蛍光灯を設置する必要があった。また、看板用照明装置を維持管理するために、交換する蛍光灯の費用、交換作業費用が多くかかる可能性があった。
これに対して、本実施形態に用いられるLED光源110は、光源から遠いところでも光量を維持することができる。これにより、LED光源110を、看板設置領域11に沿った方向、例えば筺体20の看板設置領域11の鉛直上端側で下向きに光を発するように配置することができる。また、LED光源110は、蛍光灯よりも長寿命であることから、看板用照明装置100を点灯した状態に長く維持することができる。したがって、LED光源110の交換の頻度が少なくなることにより、交換にかかる費用を低減することができる。
(b)本実施形態によれば、看板用照明装置100は、看板設置領域11の外縁側に設けられ看板設置領域11の裏面側で光を発するLED光源110と、LED光源110からの光を看板設置領域11側に反射する反射板130と、を備える。これにより、低消費電力で効率良く看板10を照明することができる。
これまでの蛍光灯の看板用照明装置では、蛍光灯の輝度は小さいため、看板全体に対応するように多くの蛍光灯を配置しなければ、看板全体を均一に照明することができず、多くの消費電力を必要としていた。例えば、4m×3mの看板では、40Wの蛍光灯が24本必要とされ、960Wの電力が消費される。
これに対して、本実施形態の看板用照明装置100は、看板設置領域11の外縁側に設けられたLED光源110からの光を、反射板130によって反射させることによって、看板設置領域11の全体に亘って照射することができる。これにより、LED光源110の設置数を減らし、消費電力を小さくすることができる。本実施形態では、例えば、4m×3mの看板を比較例と同じ明るさで照明する場合には、30WのLED光源110が長手方向に4つ必要とされ、120Wの電力が消費される。したがって、この例では、上記した蛍光灯の看板用照明装置の例と比較して、消費電力を87.5%削減することができる。さらに、本実施形態では、光源を看板設置領域11に対向する位置に配置する必要がないため、看板用照明装置100を薄型化することができる。
(c)本実施形態によれば、反射板130は、看板設置領域11の鉛直上端側から鉛直下端側まで一様に平面状に形成され、LED光源110が発した光の少なくとも一部を看板設置領域11に向けて反射する反射面132を形成するよう構成される。また、反射板130は、反射面132と看板設置領域11との対向距離が看板設置領域11の鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように斜めに傾けて配置される。LED光源110から遠い位置(看板設置領域11の鉛直下端側)では、光量が減少する。この光量が減少する分を補うように、反射板130を看板設置領域11に近づける。すなわち、LED光源110から遠い位置ほど、看板設置領域11に近い位置で光を反射させる。看板設置領域11における光量は、鉛直方向の位置に依らず均一になる。すなわち、看板10を均一に明るく照らすことができる。
また、LED光源110が反射板130の方向に発した光は、反射面132で1回だけ反射して看板設置領域11に照射される。反射板130による反射回数は1回であることにより、LED光源110からの光量の低下(減衰)を最小限にすることができる。よって、LED光源110から看板10に対して低消費電力で効率良く光を照射することができる。
(d)本実施形態によれば、LED光源110は筺体20の看板設置領域11の鉛直上端側に設けられるとともに、反射板130は、上述のように斜めに傾けて配置される。これにより、反射板130、底部24および側面部26によって、筺体20の内部で且つ反射板130を挟んでLED光源110と対向する鉛直下側に、LED光源110の交換に用いる物品110’を載置可能な収納空間30が形成される。
ここで、広告の看板用照明装置では、看板用照明装置が故障などにより一時的に非点灯となった場合に、看板用照明装置の非点灯期間に応じて広告主に違約金を支払うことが契約で定められていることがある。蛍光灯の看板用照明装置では、蛍光灯の寿命が短いため、上記した違約金が発生する可能性が高かった。また、非点灯期間を短くするために交換用の蛍光灯を筺体内に常備する場合では、筺体内に十分な空間がないため、看板と点灯中の蛍光灯との間の底部に交換用の蛍光灯を載置せざるをえなかった。このため、交換用の蛍光灯を底部に載置できる数量が限定され、蛍光灯の交換のタイミングに間に合わない場合が生じていた。また、交換用の蛍光灯が看板から透けて見えてしまうことがあり、広告看板の美観を著しく低下させていた。
これに対して、本実施形態によれば、LED光源110の交換に用いる物品110’を載置可能な収納空間30が、反射板130を挟んでLED光源110と対向する鉛直下側に形成される。この収納空間30内にLED光源110の交換に用いる物品110’を常備しておくことができる。上述のように長寿命のLED光源110を用いることによって看板用照明装置100を長く点灯させることができる上に、さらに、万一、電源系統のトラブル等によりLED光源110が非点灯となった場合でも、LED光源110の交換に用いる物品の手配をすることなく、すぐにLED光源110を交換することができる。看板用照明装置100の非点灯期間を最小限に抑えることができる。すなわち、広告主に違約金を支払う可能性が低くなる。また、反射板130の看板10と反対側に、反射板130によって遮蔽されて物品110’が収納されることにより、物品110’が看板10から透けて見えてしまうことを抑制することができる。
さらに、比較例として、LED光源と反射板とを本実施形態とは反対に配置する場合を考える。すなわち、比較例では、LED光源は筺体の看板設置領域の鉛直下端側に設けられるとともに、反射板は、反射板と看板設置領域との対向距離が看板設置領域の鉛直下端側から鉛直上端側に向けて徐々に近くなるように斜めに傾けて配置されると仮定する。この比較例では、LED光源の交換に用いる物品を安定的に収容する空間を設けることができない可能性がある。例えば、LED光源の交換に用いる物品を底部に載置するためには、看板と点灯中のLED光源との間に物品を配置せざるをえない。この場合、蛍光灯の場合と同様に、物品が看板から透けて見えてしまう可能性がある。さらに、点灯中のLED光源と交換用の物品との距離が近いため、点灯中のLED光源からの発熱によって、交換用の物品(交換用LED光源等)が劣化してしまう可能性がある。また、例えば、LED光源の交換に用いる物品を傾斜した反射板の裏面側に配置する場合では、物品を安定的に保持することが困難である可能性がある。さらに、LED光源の交換に用いる物品を傾斜した反射板の裏面側でも、LED光源の近くに物品を配置することになり、点灯中のLED光源からの発熱によって交換用の物品が劣化してしまう可能性がある。したがって、比較例では、反射板の看板設置領域と反対の側における空間は、収納空間として利用できず、デッドスペースとなってしまう可能性がある。
比較例に対して、本実施形態によれば、収納空間30内の底部24に、物品110’を安定的に静置することができ、筺体20の内部を有効利用することができる。また、筺体20内において、点灯中のLED光源110から最も離れた位置に交換用の物品110’を収納することができ、点灯中のLED光源110からの発熱によって交換用の物品110’が劣化することが抑制される。さらに、万一、地震等により天井部28に設置されたLED光源110が落下しても、この落下物を反射板130が受け止めることによって収納空間30内の物品110’が破損することが抑制される。
(e)本実施形態によれば、反射板130は、筺体20またはLED光源110に連結され、LED光源110に対して回動可能である。これにより、看板設置領域11側から反射板130を回動させて、収納空間30から物品110’を出し入れすることができる。さらに、LED光源110の指向性、または筺体20の奥行きに応じて、反射板130のLED光源110に対する角度を変更しつつ、筺体20内に反射板130を設置することができる。
<本実施の形態の変形例>
図6は、上記実施の形態1に係る看板用照明装置のLED実装基板の他の構成を示す図である。図6(a)は、その平面図、図6(b)は、その基板の一部を示す斜視図、図6(c)は、図6(b)の長手方向の端面からみた正面図である。
図6(a)に示すように、看板用照明装置100は、LED実装基板220−1〜220−3を備えていてもよい。LED実装基板220−1〜220−3は、3枚の基板が同一構成を採るため、LED実装基板220−1を代表して説明する。上述の実施形態と同一構成部分には同一符号を付している。
図6(b)に示すように、LED実装基板220−1は、表面実装型LEDパッケージからなり、長尺状の外部基板を構成するキャビティ212と、キャビティ212に複数実装されたLEDチップ113(複数実装されたLED素子111)と、キャビティ212の内側の面に形成され、LEDチップ113が発光した光を前面に反射するリフレクタ214と、キャビティ212内を充填し蛍光体含有のシリコーン樹脂からなる封止材215と、を備える。
また、図6(c)に示すように、封止材115の上面側には、例えば、エポキシやシリコーン樹脂あるいはガラスなどからなるレンズ216が設けられる。レンズ216を装着することにより指向性を高めることができる。
本変形例では、例えば、LEDチップ113は、9個(3×3個)を一組として、長手方向に所定間隔ごとに10組が実装されている。本変形例のLED実装基板120の構成は、上記した実施形態のLED実装基板120の構成に比べ、LEDチップ113をより集積できる利点がある。なお、LED実装基板220−1のLEDチップ113の配置個数・配列方法はどのようなものでもよい。例えば、LEDチップ113を組構成で配置するのではなく、ベアチップを単に整列配置してもよい。
このように本変形例によれば、さらにLEDチップ113の集積度を上げることができ、単位面積当たりの光量を高めることができる。
<実施の形態2>
図7を用い、本発明の実施の形態2について説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係る看板用照明装置102の構成を示す断面図である。
本実施形態は、LED光源110の指向性が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる要素についてのみ説明し、実施の形態1で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態に係るLED光源310は、筺体20の奥行き方向に相対的に看板設置領域11に近い側に配置された第1のLED素子と、第1のLED素子よりも看板設置領域11から遠い側に配置された第2のLED素子と、を少なくとも含む。ここでは、LED光源310は、例えば、看板設置領域11側から反射板130側に、互いに等間隔で3列配置されたLED素子311a〜311cを有する。なお、LED素子311a〜311cとは、それぞれ看板設置領域11に沿って同一列の素子のことである。また、上記した「第1のLED素子」は例えば看板設置領域11側のLED素子311aに相当し、「第2のLED素子」は例えば反射板130側のLED素子311cに相当する。看板設置領域11側のLED素子311aと反射板130との鉛直方向の距離は長く、反射板130側のLED素子311cと反射板130との鉛直方向の距離は短い。
本実施形態では、看板設置領域11側のLED素子311aは、反射板130側のLED素子311cよりも強い(鉛直上端方向から下向きの)指向性を有するよう構成される。反射板130から遠い位置のLED素子311aが鉛直下方向に強い指向性を有することにより、LED素子311aから放出された光を、反射板130の鉛直下端側まで到達させ、反射板130によって看板設置領域11側に反射することができる。
具体的には、例えば、複数のLED素子311a〜311cは、それぞれ、例えば光出射面の法線方向に集光する集光レンズ316a〜316cを有し、それぞれの集光レンズ316a〜316cを通して光を出射するものである。看板設置領域11側のLED素子311aの集光レンズ316aにおける光放射角度は、反射板130側のLED素子311cの集光レンズ316cにおける光放射角度よりも狭い。看板設置領域11側のLED素子311aの集光レンズ316aにおける光放射角度が狭いことにより、LED素子311aから放出された光を、反射板130の鉛直下端側まで到達させることができる。一方、反射板130側のLED素子311cの集光レンズ316cにおける光放射角度が広いことにより、LED素子311cから放出された光が発光面から広い角度で反射板130に入射して反射する。これにより、看板設置領域11の鉛直上端側に光を効率良く照射することができる。
また、例えば、複数のLED素子311a〜311cにおける鉛直下方向の指向性は、反射板130側から看板設置領域11側に向けて徐々に強くなるように構成される。具体的には、複数のLED素子311a〜311cにおけるそれぞれの集光レンズ316a〜316cの光放射角度は、反射板130側から看板設置領域11側に向けて徐々に狭くなるように構成される。この構成により、それぞれのLED素子から看板設置領域11に光が照射される範囲は、LED素子311cから看板設置領域11に光が照射される範囲c、LED素子311bから看板設置領域11に光が照射される範囲b、LED素子311aから看板設置領域11に光が照射される範囲aの順で狭くなるように構成される。なお、図示された範囲a〜cは、それぞれのLED素子311a〜311cから主に光が照射される範囲の少なくとも一部を示しており、実際にはそれぞれのLED素子311a〜311cから看板設置領域11に光が照射される範囲は図示された範囲よりも広い。すなわち、複数のLED素子311a〜311cによって看板設置領域11全体に光が照射されるよう構成されている。このように、反射板130の傾斜に合わせて、LED素子311a〜311cのそれぞれの指向性が徐々に変化するように調整される。
本実施形態によれば、看板設置領域11側のLED素子311aは、反射板130側のLED素子311cよりも強い(鉛直上端方向から下向きの)指向性を有するよう構成される。これにより、反射板130から遠い場所に位置する看板設置領域11側のLED素子311aから放出された光を、反射板130の鉛直下端側まで到達させ、反射板130によって看板設置領域11側に反射することができる。したがって、看板設置領域11の鉛直下端側、すなわち看板10のLED光源310から遠い場所に対しても効率良く光を照射することができる。例えば、看板10が水平方向に比べて鉛直方向に長い場合等に有効である。
<実施の形態3>
図8を用い、本発明の実施の形態3について説明する。図8は、本発明の実施の形態3に係る看板用照明装置104の構成を示す断面図である。
本実施形態は、両面に看板設置領域が設けられる点が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる要素についてのみ説明し、実施の形態1で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態に係る看板用照明装置104は、両面表示型である。筺体20は、第1の看板10aが設置される第1看板設置領域11aと、第1看板設置領域11aと反対側に設けられ第2の看板10bが設置される第2看板設置領域11bと、を開口する。第1の看板10aおよび第2の看板10bは、それぞれフレーム部22a、およびフレーム部22aと反対側に設けられるフレーム部22bに嵌合される。
また、第1看板設置領域11aに対応する位置には、第1LED光源110a、第1反射板130a、および第1角度調整部140aが設けられる。一方、第2看板設置領域11bに対応する位置には、第2LED光源110b、第2反射板130b、および第2角度調整部140bが設けられる。第1看板設置領域11aおよび第2看板設置領域11bのそれぞれに対応する構成物の位置関係は、実施の形態1と同様である。
第1反射板130aは、第1反射板130aと第1看板設置領域11aとの対向距離が第1看板設置領域11aの鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように斜めに傾けて配置される。一方、第2反射板130bは、第2反射板130bと第2看板設置領域11bとの対向距離が第2看板設置領域11bの鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように斜めに傾けて配置される。
これにより、筺体20の内部で、第1反射板130aを挟んで第1LED光源110aと対向する鉛直下側と、第2反射板130bを挟んで第2LED光源110bと対向する鉛直下側とに、LED光源の交換に用いる物品110’を載置可能な収納空間30が形成される。
本実施形態によれば、第1看板設置領域11aと、第1看板設置領域11aと反対側に設けられる第2看板設置領域11bと、のそれぞれに対応する位置に、LED光源および反射板が設けられる。これにより、薄型の両面表示型の看板用照明装置を実現することができる。また、本実施形態では、LED光源が筺体20の天井部28に集約されているため、第1看板設置領域11aと第2看板設置領域11bとの間に配線等が煩雑に配置されることが回避される。これにより、LED光源の交換に用いる物品110’を載置可能な広い収納空間30を確保することができる。
<実施の形態4>
図9を用い、本発明の実施の形態4について説明する。図9は、本発明の実施の形態4に係る看板用照明装置106の構成を示す断面図である。
本実施形態は、看板設置領域11が鉛直方向に対して傾けられる点が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる要素についてのみ説明し、実施の形態1で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、看板10cの表示面が斜め下側を向くように、看板設置領域11cが鉛直方向に対して傾けられる。看板設置領域11は、筺体20の天井部28に対して、鋭角に配置される。一方で、反射板130は、天井部28に対して垂直に配置される。このような配置により、反射板130は、反射面132と看板設置領域11cとの対向距離が看板設置領域11cの鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように配置される。
なお、本実施形態では、反射板130が筺体20の背面部(側面部26)に接しているため、LED光源110cの交換に用いる物品を載置可能な収納空間は設けられていない。
また、本実施形態においても、設置の際に用いる角度調整部140cが設けられていても良い。
本実施形態によれば、看板設置領域11cが鉛直方向に対して傾けられることによって、反射板130は、反射板130と看板設置領域11cとの対向距離が看板設置領域11cの鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように配置される。この場合でも、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
ここで、蛍光灯を用いた看板用照明装置を看板の表示面が斜め下側を向くように配置する場合、上述のように蛍光灯と看板との距離を近づける必要があるため、看板用照明装置全体を傾ける必要があった。このため、看板用照明装置全体としての設置範囲が広くなってしまい、設置場所が限られてしまうという可能性があった。また、LED光源が筺体の側面部または底部に設けられた看板用照明装置を、看板の表示面が斜め下側を向くように配置する場合、上記蛍光灯を用いた看板用照明装置と同様に、看板用照明装置全体を傾ける必要があり、看板用照明装置全体としての設置範囲が広くなってしまう可能性があった。
これに対して、本実施形態によれば、看板10cの表示面が斜め下側を向くように配置する場合でも、LED光源110cから低消費電力で効率良く看板10cに光を照射することができる。またこの場合でも、看板用照明装置106を薄型化することができ、看板用照明装置106全体の設置範囲を狭くすることができる。
また、本実施形態の看板用照明装置106は、人が下から見上げる位置に配置される場合に特に有効である。この場合、天井部28に設けられたLED光源110から看板10を見る人の目線に向かって光が照射される。例えば、看板用照明装置106は、駅等における駅名行き先表示等の看板、高速道路の誘導表示等の看板に、特に有効である。これらの場合、例えば日中であっても、太陽の光を直接的に看板10cに当てることなく、または太陽の光から看板10への入射角度よりも小さい入射角度(看板10の法線方向に近い角度)でLED光源110cからの光を看板10cに照射することによって、看板10cを明確に表示させることができる。
<本発明の他の実施形態>
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
上記の実施形態では、看板用照明装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、この名称に限定されるものではない。名称は、看板に限定されない「照明装置」、「照明器具」等であってもよい。また、「看板」という名称は、便宜上ものであり、例えば標識等を照明してもよい。
また、上述の実施形態では、看板10が四角形である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。看板は、円形、その他の多角形であってもよい。
また、上述の実施形態では、看板10の高さが筺体20の高さと等しい場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。看板の高さは、筺体の高さよりも低くても良い。この場合、フレーム部は、反射板から反射された光が照射される位置で、看板を保持することが好ましい。
また、上述の実施形態では、LED光源110が看板設置領域11に沿った鉛直下方向に向くように配置される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。LED光源110の指向性が強い方向が、看板設置領域11の鉛直上端側から下向きの範囲内であればよく、LED光源110の方向は限定されない。
また、上述の実施形態では、装置本体110Aは、LED光源110からの熱を外部に放熱する放熱部材としての機能を併せ持つ点について説明した。さらに、装置本体は、例えば装置本体の側面に設けられ外部に放熱する外部放熱部を有していても良い。
また、上述の実施形態では、上記看板用照明装置を構成する各部、例えばLED光源及び反射板の種類、その数及び接続方法などについて説明を略したが、本発明はその態様が限定されるものではなく、任意の種類、数及び接続方法であってもよい。
また、上述の実施形態では、反射板130が鉛直上端側から鉛直下端側まで平面状である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。反射板130は、平面状の反射面132を有していれば良く、その一部が屈曲されていたり、湾曲形状となっていたりしてもよい。
また、反射板130の鉛直下端側に、取手部が設けられていても良い。これにより、反射板を看板設置領域側から容易に回動し、収納空間から物品を出し入れしやすくなる。
さらに、反射板130の少なくとも一部が回動可能に設けられていても良い。言い換えれば、反射板130の少なくとも一部に回動可能な小窓部が設けられていても良い。これにより、反射板130の必要な範囲だけを看板設置領域11の法線方向に回動させることにより、収納空間30から容易に物品110’を出し入れすることができる。
上述の実施形態では、反射板130がLED光源110に対して回動可能である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。反射板は、回動可能でなくてもよい。
また、上述の実施形態では、看板用照明装置100が角度調整部140を備える場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。反射板の反射角度が任意の回動角度に調整できるものであれば、その方法は限定されない。例えば、反射板は、反射面を形成する反射シートと、筺体またはLED光源に連結され反射シートをロール状に巻き取り可能な巻取部と、を有する反射スクリーンであってもよい。この場合、反射スクリーンは、柔軟であるため、反射シートをLED光源に対して回動可能である。また、反射スクリーンの鉛直下端をマグネットやフックなどにより看板設置領域の鉛直下端側に容易に固定することができる。
また、角度調整部140は、駆動装置を備え、例えば、有線又は無線通信によって角度調整を遠隔操作で行うシステムであってもよい。
また、角度調整部140による角度調整に合わせて、LED光源110の発光量を制御するようにしてもよい。例えば、角度調整部140が照射対象看板の全照射領域を照射するように角度調整する場合、LED光源の光量を上げるようにしてもよく、より明るく照らすことができる。
上述の実施の形態2では、LED素子311a〜311cの指向性が、封止材115の上面に接する集光レンズ316a〜316cの光放射角度によって調整される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。LED素子内の層構造を調整することにより、LED素子自体の指向性を調整してもよい。または、封止材内のLED素子の光出射面にレンズ構造が形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、看板用照明装置100が筺体20を備える場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上述の実施形態では、既設の筺体内に設置する看板用照明器具も開示されている。すなわち、看板用照明器具は、照射対象看板が設置される看板設置領域を開口した筺体内に設置される看板用照明器具であって、前記筺体の前記看板設置領域の鉛直上端側に設けられ、前記鉛直上端側から下向きに光を発するLED光源と、前記看板設置領域と対向する状態で前記筺体内に配置されるとともに、前記看板設置領域の前記鉛直上端側から鉛直下端側まで一様に平面状に形成され、前記LED光源が発した光の少なくとも一部を前記看板設置領域に向けて反射する反射面を形成する反射板と、を備え、前記反射板は、前記筺体または前記LED光源に連結され、前記LED光源に対して回動可能である。これにより、例えば既設の筺体内に、LED光源の指向性、または筺体の奥行きに応じて、反射板のLED光源に対する角度を変更しつつ、筺体内に反射板を設置することができる。また、看板用照明器具の設置時に、反射面と看板設置領域との対向距離が看板設置領域の鉛直上端側から鉛直下端側に向けて徐々に近くなるように反射板を配置することができる。さらに、例えば光源として蛍光灯が用いられていた看板用照明装置内に、LED光源を蛍光灯に替えて設置するために看板用照明器具を用いることができる。