JP5577794B2 - ビベンゾイミダゾール化合物の製造方法 - Google Patents
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で示されるフェニレンジアミン化合物と一般式(2)
で示されるシュウ酸ジアリールとを、芳香族溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式(3)
で示されるビベンゾイミダゾール化合物の製造方法によって解決される。
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた容器に、1,2−フェニレンジアミン1.08g(9.99ミリモル)をキシレン5mLに0℃にて懸濁させた後、シュウ酸ジフェニル1.21g(5.00ミリモル)及びキシレン5mLを加え、同温度で3時間反応させた。次いで、酢酸0.18g(3.00ミリモル)のキシレン5mL溶液を滴下して同温度で3時間、反応液を昇温させて還流させながら4時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却して一晩放置した後、N,N−ジメチルイミダゾリジノン55mLを加え反応液を均一にした。得られた反応混合液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、ビベンゾイミダゾール0.97gが生成していた(反応収率;82.9%)。なお、副生成物であるキノリンジオンの生成率は僅か6.5%であった。
実施例1において、酢酸を濃塩酸0.11gに代えたこと以外は、実施例と同様に反応を行った。その結果、目的とするビベンゾイミダゾールは生成しておらず、副生成物であるキノリンジオンの生成率が54.4%であった。
実施例1において、酢酸を加えなかったこと以外は、実施例と同様に反応を行った。その結果、目的とするビベンゾイミダゾールは生成していなかった。
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた容器に、1,2−フェニレンジアミン1.08g(9.99ミリモル)をキシレン5mLに0℃にて懸濁させた後、酢酸0.18g(3.00ミリモル)及びキシレン5mLを加え、同温度で3時間反応させた。次いで、シュウ酸ジフェニル1.21g(5.00ミリモル)のキシレン5mL溶液を滴下して同温度で3時間、反応液を昇温させて還流させながら4時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却して一晩放置した後、N,N−ジメチルイミダゾリジノン55mLを加え反応液を均一にした。得られた反応混合液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、ビベンゾイミダゾール1.02gが生成していた(反応収率;87.0%)。なお、副生成物であるキノリンジオンの生成率は僅か7.3%であった。
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた容器に、4,5−ジヘキシル−1,2−フェニレンジアミン5.00g(18.09ミリモル)をキシレン50mLに−10℃にて懸濁させた後、シュウ酸ジフェニル2.19g(9.04ミリモル)を加え、同温度で1時間反応させた。次いで、酢酸0.543g(9.04ミリモル)のキシレン25mL溶液を滴下して同温度で2.5時間、反応液を昇温させて還流させながら2.5時間反応させた。
反応終了後、反応液にキシレン50mLを加えた後、反応液を0℃まで冷却して析出した固体を濾過した。得られた濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150mLで2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、得られた濾液を減圧下で濃縮させた後、濃縮物をアセトン150mLに加えて室温にて1晩攪拌させた。得られた固体を濾過して乾燥させ、淡黄色固体として5,5‘,6,6’−テトラ(n−ヘキシル)−1H,1’H−2,2’−ビベンゾ[d]イミダゾール2.26gを得た。又、濾液(アセトン溶液)から更に5,5’,6,6’−テトラ(n−ヘキシル)−1H,1’H−2,2’−ビベンゾ[d]イミダゾール0.30gを得た。得られた5,5’,6,6’−テトラ(n−ヘキシル)−1H,1’H−2,2’−ビベンゾ[d]イミダゾールの総量は2.92gであった(単離収率;56.6%)。
なお、5,5’,6,6’−テトラ(n−ヘキシル)−1H,1’H−2,2’−ビベンゾ[d]イミダゾールは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
CI−MS(m/z):571[M+H]
攪拌装置及び温度計を備えた容器に、1,2−ジブロモ−4,5−ジニトロベンゼン11.00g(33.75ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.95g(1.69ミリモル)、トリエチルアミン17.08g(168.79ミリモル)及びテトラヒドロフラン400mLを混合した。次いで、1−オクタデシン17.75g(70.87ミリモル)のテトラヒドロフラン40mL溶液を加えた後、窒素雰囲気にて、攪拌しながら室温で70時間反応させた。
反応終了後、反応液を濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。濃縮物をジエチルエーテル550mLに溶解させ、水330mLで1回、飽和塩化ナトリウム水溶液330mLで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、得られた濾液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=97/3(容量比))で精製し、1,2−ジニトロ−4,5−ジ(n−オクタデシ−1−イニル)ベンゼン15.21gを得た(単離収率;68%)。
なお、1,2−ジニトロ−4,5−ジ(n−オクタデシ−1−イニル)ベンゼンの物性値は以下の通りであった。
CI−MS(m/z):613[M+H]
攪拌装置及び温度計を備えた容器に、1,2−ジニトロ−4,5−ジ(n−オクタデシ−1−イニル)ベンゼン15.00g(22.6ミリモル)のトルエン(450mL)/エタノール(600mL)混合溶媒溶液及び10質量%パラジウム/炭素(50.9%含水品)1.96g(0.9ミリモル)を加えた後、水素雰囲気(水素バルーン)にて、攪拌しながら室温で22時間反応させた。
反応終了後、反応液を濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製し、4,5−(n−オクタデシル)−1,2−フェニレンジアミン6.33g及び2−ニトロ−4,5−ジ(n−オクタデシ−1−イニル)アニリン2.38gを得た。
得られた2−ニトロ−4,5−ジ(n−オクタデシ−1−イニル)アニリンは、先述と同様の操作により4,5−(n−オクタデシル)−1,2−フェニレンジアミン2.02gへ誘導した。4,5−ジ(n−オクタデシル)−1,2−フェニレンジアミンの総量は8.35gであった(単離収率;60%)。
なお、4,5−(n−オクタデシル)−1,2−フェニレンジアミンの物性値は以下の通りであった。
APCI−MS(m/z):1244[M+]
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた容器に、4,5−(n−オクタデシル)−1,2−フェニレンジアミン200mg(0.33ミリモル)をキシレン2mLに25℃にて懸濁させた後、酢酸10mg(0.16ミリモル)のキシレン2mL溶液を加え、同温度で1時間反応させた。次いで、シュウ酸ジフェニル40mg(0.16ミリモル)を滴下して同温度で64.5時間、反応液を昇温させて還流させながら4時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却して濾過した。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで2回、飽和塩化ナトリウム水溶液20mLで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、得られた濾液を減圧下で濃縮させた後、濃縮物をアセトン10mLに加えて室温にて1晩攪拌させた。得られた固体を濾過して乾燥させ、淡黄色固体として5,5’,6,6’−テトラ(n−オクタデシル)−1H,1’H−2,2’−ビベンゾ[d]イミダゾール68mgを得た(単離収率;33%)。
なお、5,5’,6,6’−テトラ(n−オクタデシル)−1H,1’H−2,2’−ビベンゾ[d]イミダゾールは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
CI−MS(m/z):1244[M+H]
実施例1において、酢酸の使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果を表1に示す。
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