JP5572347B2 - Soi基板の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁層を介して半導体層が設けられた基板の作製方法に関し、特にSOI(Silicon on Insulator)基板の作製方法に関する。また、絶縁層を介して半導体層が設けられた基板の作製方法において、半導体基板をリサイクルする方法に関する。
絶縁表面を有するベース基板上に半導体層を有するSOI基板は低消費電力かつ高速動作が可能な半導体装置の作製に適した基板として注目されている。
SOI基板を製造する方法の1つに、水素イオン注入剥離法が知られている(特許文献1参照)。水素イオン注入剥離法とは、二枚のシリコンウエハの内、少なくともボンド基板となる一方のシリコンウエハに酸化膜を形成すると共に、上面から水素イオンまたは希ガスイオンを注入し、該シリコンウエハ内部に微小気泡層を形成させる。そして、シリコンウエハにおいてイオンを注入した方の面を、酸化膜を介してベース基板となる他方のシリコンウエハと密着させ、その後熱処理を加えて微小気泡層を劈開面として一方のシリコンウエハを薄膜状に剥離し、さらに熱処理を加えて強固に結合してSOI基板とする技術である。
また、シリコンウエハの効率的、経済的な活用のために、なるべく少ない枚数のシリコンウエハを用いて、複数のSOI基板を製造する方法が研究されている(特許文献2参照)。
剥離されたシリコンウエハはウエハ形状を維持しているので、その剥離面上に残存する層をエッチングや研磨により除去すれば、別のSOI基板を作製するために再び使用することもできる。
このように、シリコンウエハを繰り返し使用する場合、シリコンウエハの厚さは減少してしまう。そのため、SOI基板の製造プロセスの使用に耐えられなくなったシリコンウエハを別の用途に用いる方法も提案されている。
特開2000−124092号公報 特開2000−349266号公報
しかしながら、薄くなった半導体基板をSOI製造以外のプロセスに転用する方法には問題点がある。薄い半導体基板を適用できる用途やプロセスは限られるため、転用先の用途やプロセスに制限を与えることとなる。この制限により、転用先のプロセスの効率が低下してしまう可能性もある。また、SOI基板の製造プロセスにおいて、転用先の用途やプロセスを考慮して半導体基板の再利用を行う場合、半導体基板の使用効率を十分に高めることが困難となる。SOI基板の製造においては、用いる半導体基板自体が高価であるため、半導体基板の使用効率を高めることによるコスト低減は重要となる。
本発明の一態様は、上記問題に鑑み、SOI基板の製造プロセスにおいて、1枚の半導体基板の使用効率を高めることを課題の一としている。又は、本発明の一態様は、繰り返し利用して厚さが減少した半導体基板をSOI基板の製造プロセスにおいて有効に活用し、低コスト化を図ることを課題の一としている。
本発明の一態様は、SOI基板の製造プロセスにおいて、ボンド基板として用いる半導体基板を繰り返し複数回利用した後、第1の単結晶半導体基板を第2の単結晶半導体基板と貼り合わせ、互いに貼り合わされた第1の単結晶半導体基板と第2の単結晶半導体基板からなる積層基板をSOI基板の製造プロセスにおけるボンド基板として使用するものである。
本発明の一態様は、ボンド基板となる第1の単結晶半導体基板と、ベース基板とを準備する第1の工程と、第1の単結晶半導体基板に加速されたイオンを照射して第1の単結晶半導体基板中に脆化領域を形成し、絶縁層を介して第1の単結晶半導体基板とベース基板とを貼り合わせる第2の工程と、脆化領域において第1の単結晶半導体基板を分離して、ベース基板上に絶縁層を介して単結晶半導体層を形成する第3の工程とを有し、第3の工程において脆化領域で分離された第1の単結晶半導体基板を、再度第1の工程におけるボンド基板として(n−1)回(nは2以上の自然数)使用して、第1の工程乃至第3の工程をn回繰り返し行った後、n回目の第3の工程で分離された第1の単結晶半導体基板を第2の単結晶半導体基板に貼り合わせて積層基板を形成し、積層基板を第1の工程におけるボンド基板として使用することを特徴としている。なお、第1の工程乃至第3の工程のいずれかの工程間に別の工程を設けることも可能である。
本発明の一態様において、第3の工程の後に、脆化領域で分離された第1の単結晶半導体基板の状態を検査する第4の工程を設け、第1の単結晶半導体基板の状態の検査結果に基づいて、脆化領域で分離された第1の単結晶半導体基板を再度第1の工程におけるボンド基板として使用するか、又は脆化領域で分離された第1の単結晶半導体基板を第2の単結晶半導体基板に貼り合わせて積層基板を形成するかを判断することができる。なお、第3の工程と第4の工程の間に別の工程を設けることも可能である。
また、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、表示装置、電気光学装置、半導体回路及び電子機器は全て半導体装置に含まれる。
本発明の一態様によれば、従来は破棄または転用するしかなかった薄くなった半導体基板をSOI基板の製造プロセスで使うことができる。すなわち、他のプロセスに制限を設けることなく、1枚の半導体基板の使用効率を高めることができる。本発明の一態様によれば、繰り返し利用して厚さが減少した半導体基板をSOI基板の製造プロセスにおいて有効に活用し、SOI基板の製造プロセスにおける材料コストを低く抑えることができる。
SOI基板の作製方法の一例を示す図。 SOI基板の作製方法の一例を示す図。 SOI基板の作製方法において、単結晶半導体基板同士の貼り合わせ方法の一例を示す図。 SOI基板の作製方法において、単結晶半導体基板同士の貼り合わせ方法の一例を示す図。 SOI基板の作製方法において、単結晶半導体基板同士の貼り合わせ方法の一例を示す図。 SOI基板の作製方法の一例を示す図。 SOI基板の作製方法において、ボンド基板とベース基板との貼り合わせ方法の一例を示す図。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、SOI基板の作製方法の一例に関して図面を参照して説明する。
まず、ボンド基板として用いられる単結晶半導体基板100と、ベース基板120とを準備する(図1(A)、(B)参照)。
単結晶半導体基板100としては、例えば、単結晶シリコン基板、単結晶ゲルマニウム基板、単結晶シリコンゲルマニウム基板など、第14族元素でなる単結晶半導体基板を用いることができる。また、ガリウムヒ素やインジウムリン等の化合物半導体基板も用いることができる。市販のシリコン基板としては、直径5インチ(125mm)、直径6インチ(150mm)、直径8インチ(200mm)、直径12インチ(300mm)、直径16インチ(400mm)サイズの円形のものが代表的である。なお、単結晶半導体基板100の形状は円形に限られず、例えば、矩形状等に加工して用いることも可能である。
ベース基板120としては、絶縁体でなる基板を用いることができる。具体的には、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスのような電子工業用に使われる各種ガラス基板、石英基板、セラミック基板、サファイア基板が挙げられる。他にも、ベース基板120として単結晶半導体基板(例えば、単結晶シリコン基板等)や多結晶半導体基板(例えば、多結晶シリコン基板)を用いてもよい。多結晶シリコン基板は、単結晶シリコン基板より安価であり、ガラス基板より耐熱性が高いという利点を有している。
次に、単結晶半導体基板100の表面から所定の深さに結晶構造が損傷された脆化領域104を形成し、その後、絶縁層102を介して単結晶半導体基板100とベース基板120とを貼り合わせる(図1(C)参照)。
脆化領域104は、運動エネルギーを有する水素等のイオンを単結晶半導体基板100に照射することにより形成することができる。
絶縁層102は、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の絶縁層を単層、又は積層させて形成することができる。これらの膜は、熱酸化法、CVD法又はスパッタリング法等を用いて形成することができる。
本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。ただし、酸化窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
次に、熱処理を行い脆化領域104において単結晶半導体基板100を分離することにより、ベース基板120上に、絶縁層102を介して単結晶半導体層124を設ける(図1(D)参照)。
熱処理を行うことで、温度上昇によって脆化領域104に形成されている微小な孔に添加された元素が析出して体積変化が起こり、脆化領域104に亀裂が生じるので、脆化領域104に沿って単結晶半導体基板100が分離する。絶縁層102はベース基板120に接合しているので、ベース基板120上には単結晶半導体基板100から分離された単結晶半導体層124が形成される。
この熱処理には、拡散炉、抵抗加熱炉などの加熱炉、RTA(瞬間熱アニール、Rapid Thermal Anneal)装置、マイクロ波加熱装置などを用いることができる。例えば、RTA装置を用いる場合、加熱温度550℃以上730℃以下、処理時間0.5分以上60分以内で加熱することができる。
以上の工程により、図1(D)に示すように、ベース基板120上に絶縁層102を介して単結晶半導体層124を有するSOI基板を作製することができる。
次に、分離後の単結晶半導体基板100に対して平坦化処理を行う(図1(E−1)参照)。これにより、分離後の単結晶半導体基板100の表面を平坦にし、SOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として再利用することが可能となる。
平坦化処理は、分離後の単結晶半導体基板100に対するウエットエッチング処理を行うことができる。これにより、単結晶半導体基板100の分離面の段差を低減することができる。また、単結晶半導体基板100の分離面に形成されている結晶欠陥を有する半導体層も除去することが好ましい。なお、ウエットエッチングの変わりにドライエッチングを行ってもよいし、ウエットエッチングとドライエッチングを組み合わせて行ってもよい。
ウエットエッチング処理に用いるエッチャントには有機アルカリ水溶液を用いることができる。例えば、有機アルカリ水溶液として、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)を0.2〜5.0%含む水溶液(例えば、東京応化工業株式会社製、商品名:NMD3)を用いるのが好ましい。また、有機アルカリ水溶液の液温は、40℃〜70℃とするのが好ましい。より好ましくは、液温を50℃程度にするのがよい。このウエットエッチングは、30秒〜600秒行うのが好ましい。より好ましくは、処理時間を60秒程度とする。
ウエットエッチングにおいて、分離後の単結晶半導体基板100を処理槽内の溶液に浸漬して行うことが好ましい。この場合、複数の単結晶半導体基板100を一括処理できるという効果が得られる。
また、ウエットエッチングを行う場合、単結晶半導体基板100の側面及び裏面をエッチングしてもよい。単結晶半導体基板100の分離面だけでなく、側面や裏面をエッチングすることにより、移送する際などに単結晶半導体基板100に付いた傷も除去することができる。単結晶半導体基板100の傷を除去することにより、再利用時の熱処理によるスリップ転位またはひび割れの発生を防ぐ効果がある。
また、図示しないが、ウエットエッチング後に、単結晶半導体基板100表面に酸化膜を形成して、形成後に除去してもよい。この酸化膜の形成により、単結晶半導体基板100が脱水素化されるという効果が得られる。SOI基板の製造プロセスでは、単結晶半導体基板100の分離面から500nm程度の深さまで、水素イオンが多く含まれている場合があるため、脱水素化処理を行うことは効果的である。特に、酸化膜の形成において、ハロゲンを含むガスを添加して熱酸化するのが好ましい。この場合、原子による金属不純物のゲッタリング効果がえられる。酸化膜にとりこまれた金属不純物等は酸化膜の除去により取り除かれる。
平坦化処理は、単結晶半導体基板100の表面に対する研磨を行ってもよい。研磨はウエットエッチング処理の前でも後でもよい。ウエットエッチング処理前に研磨を行う場合、単結晶半導体基板100の分離面側を研磨するのが好ましい。分離面に残る脆化領域104の残骸は酸化膜よりも薄いため、研磨を簡略化することができる。また、ウエットエッチング処理後に研磨を行う場合も、単結晶半導体基板100の分離面側を研磨するのが好ましい。裏面側と比較して分離面はある程度平坦であるからである。
研磨方法としては、化学的機械的研磨法(Chemical Mechanical Polishing:CMP法)を用いるのが好ましい。ここで、CMP法とは、被加工物の表面を基準にし、それにならって表面を化学・機械的な複合作用により、平坦化する手法である。CMP法では一般的に研磨ステージの上に研磨布を貼り付け、被加工物と研磨布との間にスラリー(研磨剤)を供給しながら研磨ステージと被加工物とを各々回転または揺動させる。スラリーと被研磨物表面との間での化学反応および、研磨布と被研磨物との機械的研磨の作用により、被加工物の表面は研磨される。本実施の形態では、低い研磨レートでCMP法を行うのが好ましい。このために、研磨布はスウェード地の研磨布を用いるのが好ましく、スラリーの粒径は90nm〜30nmとするのが好ましい。このように研磨を行うことによって、研磨代200nm〜1000nm程度で、単結晶半導体基板100表面は平均表面粗さ0.2nm〜0.5nm程度に平坦化される。
本実施の形態では、平坦化処理を行うことにより、単結晶半導体基板100が1μm〜15μm程度薄膜化される。
その後、平坦化処理が行われた単結晶半導体基板100は、SOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として再利用され、再びベース基板120と貼り合わせられる。
また、本実施の形態では、繰り返し利用されて薄くなった単結晶半導体基板100を他の単結晶半導体基板150と貼り合わせて、積層基板200を形成する(図1(E−2)参照)。つまり、再利用により薄くなった単結晶半導体基板100を破棄するのではなく、また他のプロセスに転用するのではなく、他の単結晶半導体基板150と貼り合わせることによりボンド基板として再利用する。この場合、SOI基板の製造プロセスにおいて、単結晶半導体基板100を無駄なく使用でき、1枚の単結晶半導体基板の使用効率を高めることができる。その結果、他のプロセスに制限を設けることなしに、SOI基板の製造プロセスにおいて低コスト化を図ることができる。
例えば、単結晶半導体基板100を分離後、1〜n回目(nは2以上の自然数)までは単結晶半導体基板100をSOI基板の作製工程においてボンド基板として再利用し、図1(A)〜図1(E−1)の工程をn+1回行った後、n+1回目に他の単結晶半導体基板150と貼り合わせて積層基板200を形成する構成とすることができる。その後、積層基板200をSOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として利用することができる。
なお、SOI基板の製造プロセスにおいて単結晶半導体基板100を再利用する回数は、最初の状態の単結晶半導体基板100の厚さや平坦化処理において単結晶半導体基板100を研磨する厚さ等により適宜決めることができる。
また、あらかじめ単結晶半導体基板100をボンド基板として再利用する回数を設定するのではなく、単結晶半導体基板100の状態に応じて再利用するのか、又は他の単結晶半導体基板150と貼り合わせるか否かを決定してもよい。この場合、単結晶半導体基板100の状態に応じてボンド基板として再利用する回数(n)が決まることとなる。
例えば、分離して平坦化処理が行われた単結晶半導体基板100に対して、SOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として使用できるか否か検査を行う検査工程を設けてもよい。図2に検査工程を設けた場合のSOI基板の作製工程を示す。なお、図2は、図1に検査工程を追加した構成となっている。
検査工程では、単結晶半導体基板100の状態を検査する。例えば、単結晶半導体基板100の厚さや反り量を測定する。また、単結晶半導体基板100の表面の状態(キズの有無)等を観察してもよい。なお、単結晶半導体基板100の厚さや反り量の測定は、レーザー変位計を用いて行うことができる。また、単結晶半導体基板100の表面の状態(キズの有無)等の観察は顕微鏡を用いて行うことができる。
図2に示すように、平坦化処理後に検査工程を設け(図2(E−1)’参照)、当該検査工程の結果に応じて単結晶半導体基板100をボンド基板として再利用するのか、又は他の単結晶半導体基板150と貼り合わせを行うのかを決定する構成とすることができる。
例えば、検査を行った結果、単結晶半導体基板100が所定の条件を満たす場合には単結晶半導体基板100をボンド基板として再利用し、所定の条件を満たさない場合には他の単結晶半導体基板150と貼り合わせを行う構成とすることができる。所定の条件を満たすか否かは、例えば、単結晶半導体基板100の厚さにより決定することができる。つまり、単結晶半導体基板100が所定の厚さ以上である場合には単結晶半導体基板100をボンド基板として再利用し、所定の厚さより薄い場合には単結晶半導体基板100を他の単結晶半導体基板150に貼り合わせて積層基板200を形成する。
なお、所定の条件を満たすか否かは、単結晶半導体基板100の厚さだけでなく、反り量や表面状態に応じて決定してもよい。また、検査工程は、単結晶半導体基板100に平坦化処理を行う前に設けてもよい。
検査工程を設けることにより、繰り返し使用されて薄くなった単結晶半導体基板100の破損を抑制し、SOI基板の製造プロセスにおいて単結晶半導体基板100の使用効率を高めることができる。
このように、単結晶半導体基板100を他の単結晶半導体基板150と接合させた後、ボンド基板として用いることによって、単結晶半導体基板100の厚さが薄くなった場合であっても、SOI基板の作製プロセスで用いることができるため、他のプロセスに制限を設けることなく、1枚の単結晶半導体基板の使用効率を高めることができる。これにより、SOI製造プロセスにおける材料コストを低く抑えることができる。
なお、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150の貼り合わせは、単結晶半導体基板同士を直接接合させてもよいし、絶縁層を介して単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150を接合させてもよい。以下に、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150とを貼り合わせて積層基板200を作製する方法に関して図3〜図5を参照して説明する。
図3は、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150同士を直接接合させて積層基板200を作製する場合を示している。
まず、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150を準備する(図3(A−1)、(B−1)参照)。なお、単結晶半導体基板100の表面と単結晶半導体基板150の表面をあらかじめ研磨して平坦にしておくことが好ましい。単結晶半導体基板150は、例えば、単結晶シリコン基板、単結晶ゲルマニウム基板、単結晶シリコンゲルマニウム基板など、第14族元素でなる単結晶半導体基板を用いることができる。また、単結晶半導体基板150として単結晶半導体基板100と同じ材料の基板を用いることにより熱膨張係数等が変わらないため、接合不良を抑制することができる。
次に、単結晶半導体基板100の表面と単結晶半導体基板150の表面の一方又は双方に表面処理を行った後(図3(A−2)、(B−2)参照)、単結晶半導体基板100の表面と単結晶半導体基板150の表面とを接合させ積層基板200を形成する(図3(C)参照)。
表面処理として、ここでは、単結晶半導体基板100の表面及び単結晶半導体基板150の表面に、真空中でアルゴン(Ar)の高速原子ビームを照射して表面を活性化した後、そのまま常温で接合させる場合(真空接合)を示している。なお、表面処理として、他にも、単結晶半導体基板100の表面と単結晶半導体基板150の表面の一方又は双方に湿式の処理を行うことにより水酸基を導入し、水酸基間の水素結合を利用して接合させてもよい。この場合、接合強度を向上させるために熱処理を行ってもよい。
図4は、接合層として機能する絶縁層を介して単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150を接合させて積層基板200を作製する場合を示している。
まず、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150を準備した後(図4(A−1)、(B)参照)、単結晶半導体基板100の表面に接合層となる絶縁層142を形成する(図4(A−2)参照)。
絶縁層142は、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の単層、又はこれらを積層させた膜を用いることができる。これらの膜は、熱酸化法、CVD法又はスパッタリング法等を用いて形成することができる。ここでは、単結晶半導体基板100に熱酸化処理を行うことにより絶縁層142(例えば、SiOx膜)を形成する場合を示している。
なお、熱酸化処理は、酸素を含む雰囲気等の酸化性雰囲気中にハロゲンを添加して行うことが好ましい。例えば、塩素(Cl)が添加された酸化性雰囲気中で単結晶半導体基板100に熱酸化処理を行うことにより、塩素酸化された絶縁層142を形成する。この場合、絶縁層142は、塩素原子を含有した膜となる。絶縁層142に塩素原子を含有させることにより不純物となる金属をゲッタリングする効果が得られる。
次に、単結晶半導体基板100の表面と単結晶半導体基板150の表面とを対向させ、絶縁層142の表面と単結晶半導体基板150の表面とを接合させて積層基板200を形成する(図4(C)参照)。また、絶縁層142の表面と単結晶半導体基板150の表面とを接合させた後、接合強度を増加させるための熱処理を行うことが好ましい。
その後、絶縁層142を選択的にエッチングすることにより、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150の間に絶縁層142を残存させ、積層基板200の表面に形成された絶縁層142を除去してもよい(図4(D)参照)。なお、CVD法やスパッタリング法等を用いて単結晶半導体基板100の片面側に絶縁層142を形成する場合には、絶縁層142の除去工程を省略することができる。
また、熱酸化法を用いて単結晶半導体基板100の全面に絶縁層142を形成した場合であっても、絶縁層142を除去せずに積層基板200の表面に設けられた絶縁層142を介してベース基板120との貼り合わせを行ってもよい。この場合、絶縁層142を除去する工程と絶縁層102を形成する工程を省くことができ、SOI基板の製造プロセスを簡略化することができる。
なお、図4では、単結晶半導体基板100の表面に接合層となる絶縁層142を設けて貼り合わせを行う場合を示しているが、単結晶半導体基板150側に絶縁層142を設けて単結晶半導体基板100の表面と絶縁層142の表面を接合させてもよい。
図5は、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150の表面に、それぞれ接合層として機能する絶縁層を設け、当該絶縁層同士を接合させて積層基板200を作製する場合を示している。
まず、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150を準備した後(図5(A−1)、(B−1)参照)、単結晶半導体基板100の表面に接合層となる絶縁層144を形成し、単結晶半導体基板150の表面に接合層となる絶縁層146を形成する(図5(A−2)、(B−2)参照)。
絶縁層144、絶縁層146は、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の単層、又はこれらを積層させた膜を用いることができる。これらの膜は、熱酸化法、CVD法又はスパッタリング法等を用いて形成することができる。ここでは、単結晶半導体基板100、単結晶半導体基板150にそれぞれ熱酸化処理を行うことにより絶縁層144、絶縁層146(例えば、SiOx膜)を形成する場合を示している。なお、熱酸化処理は、酸化性雰囲気中にハロゲンを添加して行ってもよい。
絶縁層144と絶縁層146は、同一の材料で形成してもよいし、異なる材料で形成してもよい。
次に、単結晶半導体基板100の表面と単結晶半導体基板150の表面とを対向させ、絶縁層144の表面と絶縁層146の表面とを接合させて積層基板200を形成する(図5(C)参照)。また、絶縁層144の表面と絶縁層146の表面とを接合させた後、接合強度を増加させるための熱処理を行うことが好ましい。
その後、絶縁層144及び絶縁層146を選択的にエッチングすることにより、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150の間に絶縁層144と絶縁層146を残存させ、積層基板200の表面に形成された絶縁層144及び絶縁層146を除去してもよい(図5(D)参照)。なお、CVD法やスパッタリング法等を用いて単結晶半導体基板100、単結晶半導体基板150の片面側にそれぞれ絶縁層144、絶縁層146を形成する場合には、絶縁層144、絶縁層146の除去工程を省略することができる。
また、熱酸化法を用いて単結晶半導体基板100の全面に絶縁層144を形成した場合であっても、絶縁層144を除去せずに積層基板200の表面に設けられた絶縁層144を介してベース基板120との貼り合わせを行ってもよい。この場合、絶縁層144を除去する工程と絶縁層102を形成する工程を省くことができ、SOI基板の製造プロセスを簡略化することができる。
上記図3〜図5において、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150が貼り合わされて形成された積層基板200に対して、SOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として使用できるか否か検査を行う検査工程を設けてもよい。これにより、単結晶半導体基板を貼り合わせる工程に不具合があっても、不良品を検出することができる。これは、SOI基板の製造プロセスの生産性を向上させる効果をもたらす。
以上のように、本実施の形態で示した工程を行うことにより、再生された単結晶半導体基板の厚さが薄くなり当該単結晶半導体基板単体ではSOI基板の製造プロセスへの使用ができなくなった場合であっても、他の単結晶半導体基板と貼り合わせることによりSOI基板の製造プロセスで利用することができるため、1枚の単結晶半導体基板の使用効率を高めることができる。これにより、SOI基板の製造プロセスにおける低コスト化を図ることができる。
なお、本実施の形態で示したSOI基板の製造プロセスで得られたSOI基板は、単結晶半導体層124の表面を平坦化処理した後(図1(F−1)参照)、当該単結晶半導体層124を用いてトランジスタ等を具備する半導体装置の作製に用いることができる(図1(F−2)参照)。
本実施の形態で示した構成は、本明細書の他の実施の形態で示す構成と適宜組み合わせて行うことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態において、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150が貼り合わされて形成された積層基板200をSOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として用いる場合に関して図面を参照して説明する。
まず、ボンド基板として用いられる積層基板200と、ベース基板120とを準備する(図6(A)、(B)参照)。ここでは、絶縁層144を介して貼り合わされた単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150を積層基板200として用いる場合を示しているが、上記図3に示したように単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150を直接接合させた積層基板を用いてもよい。
次に、積層基板200の表面から所定の深さに結晶構造が損傷された脆化領域104を形成し、その後、絶縁層102を介して積層基板200とベース基板120とを貼り合わせる(図6(C)参照)。ここでは、単結晶半導体基板100に脆化領域104を設ける。なお、上記図4で説明したように、単結晶半導体基板100の全面に形成された絶縁層144を残存させる場合には、絶縁層144を介して積層基板200とベース基板120との貼り合わせを行うことができる。
次に、熱処理を行い脆化領域104において積層基板200を分離することにより、ベース基板120上に、絶縁層102を介して単結晶半導体層124を設ける(図6(D)参照)。
以上の工程により、図6(D)に示すように、ベース基板120上に絶縁層102を介して単結晶半導体層124を有するSOI基板を作製することができる。なお、得られたSOI基板は、単結晶半導体層124の表面を平坦化処理した後(図6(F−1)参照)、当該単結晶半導体層124を用いてトランジスタ等を具備する半導体装置の作製に用いることができる(図6(F−2)参照)。
次に、分離後の積層基板200に対して平坦化処理を行う(図6(E−1)参照)。ここでは、分離面である単結晶半導体基板100の表面に平坦化処理を行う。これにより、分離後の積層基板200の表面(ここでは、単結晶半導体基板100の表面)を平坦にし、SOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として再利用することが可能となる。
次に、平坦化処理が行われた積層基板200に対して、SOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として使用できるか否か検査を行う(図6(E−2)参照)。
積層基板200には、単結晶半導体基板100と単結晶半導体基板150が貼り合わされた界面付近において欠陥等が存在し、貼り合わせ界面付近の欠陥を有する部分をSOI基板の単結晶半導体層124として用いる場合には、当該単結晶半導体層124を用いて形成された素子に不良が生じるおそれがある。そのため、分離後の積層基板200を検査する検査工程を設けることにより、素子の信頼性を向上すると共に、単結晶半導体基板の使用効率を高めることができる。
検査工程では、積層基板200の状態を検査する。例えば、積層基板200の厚さや反り量を測定する。特に、単結晶半導体基板100の厚さ(接合界面までの厚さ)を測定することが好ましい。また、積層基板200の表面(単結晶半導体基板100の表面)の状態(キズの有無)等を観察することが好ましい。単結晶半導体基板100が薄くなり接合界面付近に近づく程、欠陥等が存在する可能性が高いためである。なお、積層基板200の厚さや反り量の測定は、レーザー変位計を用いて行うことができる。また、積層基板200の表面の状態(キズの有無)等の観察は顕微鏡を用いて行うことができる。
このような検査を行った後、当該検査工程の結果に応じて積層基板200をボンド基板として再利用するか否かを決定する構成とすることができる。例えば、検査工程において、所定の条件を満たす積層基板200は、SOI基板の製造プロセスにおいてボンド基板として再利用する。一方で、所定の条件を満たさなくなった積層基板200に対しては、単結晶半導体基板100及び絶縁層144を研磨等により除去して単結晶半導体基板150の表面を露出させ(図6(E−3)参照)、当該単結晶半導体基板150をSOIの製造プロセス(図1、図2参照)におけるボンド基板として用いることができる。
積層基板200が所定の条件を満たすか否かは、例えば、積層基板200を構成する単結晶半導体基板100の厚さに応じて決定することができる。また、単結晶半導体基板100の厚さの他にも、反り量や表面状態に応じて適宜決定することができる。
なお、検査工程は、平坦化処理工程の前に設けてもよく、この場合平坦化処理を省くことが可能となる。
検査工程を設けることにより、積層基板200内に欠陥が存在する場合であっても、当該欠陥がSOI基板の単結晶半導体層124に形成されることを低減することができる。その結果、当該単結晶半導体層124を用いて形成された素子に不良が生じることを抑制することができる。
なお、本実施の形態で示した構成は、本明細書の他の実施の形態で示す構成と適宜組み合わせて行うことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、SOI基板の製造プロセスにおいて、ボンド基板として用いる単結晶半導体基板とベース基板との貼り合わせ方法に関して図面を参照して詳細に説明する。具体的には、上記実施の形態において、図1(A)〜(D)、図2(A)〜(D)、図6(A)〜(D)に対応している。
まず、単結晶半導体基板100を準備する(図7(A−1)参照)。単結晶半導体基板100の表面は、あらかじめ硫酸過水(SPM)、アンモニア過水(APM)、塩酸過水(HPM)、希フッ酸(DHF)などを用いて適宜洗浄することが汚染除去の点から好ましい。また、希フッ酸とオゾン水を交互に吐出して洗浄してもよい。
次に、単結晶半導体基板100の表面に酸化膜132を形成する(図7(A−2)参照)。
酸化膜132は、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等の単層、又はこれらを積層させた膜を用いることができる。これらの膜は、熱酸化法、CVD法又はスパッタリング法等を用いて形成することができる。また、CVD法を用いて酸化膜132を形成する場合には、テトラエトキシシラン(略称;TEOS:化学式Si(OC)等の有機シランを用いて作製される酸化シリコン膜を酸化膜132に用いることが生産性の点から好ましい。
本実施の形態では、単結晶半導体基板100に熱酸化処理を行うことにより酸化膜132(ここでは、SiOx膜)を形成する(図7(A−2)参照)。熱酸化処理は、酸化性雰囲気中にハロゲンを添加して行うことが好ましい。
例えば、塩素(Cl)が添加された酸化性雰囲気中で単結晶半導体基板100に熱酸化処理を行うことにより、塩素酸化された酸化膜132を形成する。この場合、酸化膜132は、塩素原子を含有した膜となる。
酸化膜132中に含有された塩素原子は、歪みを形成する。その結果、酸化膜132の水分に対する吸収割合が向上し、拡散速度が増大する。つまり、酸化膜132表面に水分が存在する場合に、当該表面に存在する水分を酸化膜132中に素早く吸収し、拡散させることができる。
熱酸化処理の一例としては、酸素に対し塩化水素(HCl)を0.5〜10体積%(好ましくは2体積%)の割合で含む酸化性雰囲気中で、900℃〜1150℃の温度(代表的には1000℃)で行うことができる。処理時間は0.1〜6時間、好ましくは0.5〜1時間とすればよい。形成される酸化膜の膜厚としては、10nm〜1000nm(好ましくは50nm〜300nm)、例えば100nmの厚さとする。
本実施の形態では、酸化膜132に含まれる塩素原子の濃度を1×1017atoms/cm〜1×1021atoms/cmとなるように制御する。酸化膜132に塩素原子を含有させることによって、外因性不純物である重金属(例えば、Fe、Cr、Ni、Mo等)を捕集して単結晶半導体基板100が汚染されることを防止する効果を奏する。
酸化膜132として、膜中に塩素等のハロゲンを含ませることにより、単結晶半導体基板に悪影響を与える不純物(例えば、Na等の可動イオン)をゲッタリングすることができる。つまり、酸化膜132を形成した後に行われる熱処理により、単結晶半導体基板に含まれる不純物が酸化膜132に析出し、ハロゲン(例えば塩素)と反応して捕獲されることとなる。それにより酸化膜132中に捕集した当該不純物を固定して単結晶半導体基板100の汚染を防ぐことができる。また、酸化膜132はガラス基板と貼り合わせた場合に、ガラスに含まれるNa等の不純物を固定する膜として機能しうる。
特に、酸化膜132として、HCl酸化などによって膜中に塩素等のハロゲンを含ませることは、半導体基板の洗浄が不十分である場合や、繰り返し再利用して用いられる半導体基板の汚染除去に有効となる。
また、酸化膜132に含有させるハロゲン原子としては塩素原子に限られない。酸化膜132にフッ素原子を含有させてもよい。単結晶半導体基板100表面をフッ素酸化するには、単結晶半導体基板100表面にフッ酸に浸漬した後に酸化性雰囲気中で熱酸化処理を行うことや、NFを酸化性雰囲気に添加して熱酸化処理を行えばよい。
次に、運動エネルギーを有するイオンを単結晶半導体基板100に照射することで、単結晶半導体基板100の所定の深さに結晶構造が損傷された脆化領域104を形成する(図7(A−3)参照)。図7(A−3)に示すように、酸化膜132を介して、加速されたイオン103を単結晶半導体基板100に照射することで、単結晶半導体基板100の表面から所定の深さの領域にイオン103が添加され、脆化領域104を形成することができる。イオン103は、ソースガスを励起して、ソースガスのプラズマを生成し、このプラズマに含まれるイオンを、電界の作用によりプラズマから引き出して、加速したイオンである。
脆化領域104が形成される領域の深さは、イオン103の運動エネルギー、質量と電荷、イオン103の入射角によって調節することができる。運動エネルギーは加速電圧、ドーズ量などにより調節できる。イオン103の平均侵入深さとほぼ同じ深さの領域に脆化領域104が形成される。そのため、イオン103を添加する深さで、単結晶半導体基板100から分離される単結晶半導体層の厚さが決定される。この単結晶半導体層の厚さが10nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上200nm以下になるように、脆化領域104が形成される深さを調節する。
脆化領域104の形成は、イオンドーピング処理で行うことができる。イオンドーピング処理には、イオンドーピング装置を用いて行うことができる。イオンドーピング装置の代表的な装置は、プロセスガスをプラズマ励起して生成された全てのイオン種をチャンバー内に配置された被処理体に照射する非質量分離型の装置である。非質量分離型の装置であるのは、プラズマ中のイオン種を質量分離しないで、全てのイオン種を被処理体に照射しているからである。これに対して、イオン注入装置は質量分離型の装置である。イオン注入装置は、プラズマ中のイオン種を質量分離し、ある特定の質量のイオン種を被処理体に照射する装置である。
イオンドーピング装置の主要な構成は、被処理物を配置するチャンバー、所望のイオンを発生させるイオン源、およびイオンを加速し、照射するための加速機構である。イオン源は、所望のイオン種を生成するためのソースガスを供給するガス供給装置、ソースガスを励起して、プラズマを生成させるための電極などで構成される。プラズマを形成するための電極として、フィラメント型の電極や容量結合高周波放電用の電極などが用いられる。加速機構は、引出電極、加速電極、減速電極、接地電極等の電極など、およびこれらの電極に電力を供給するための電源などで構成される。加速機構を構成する電極には複数の開口やスリットが設けられており、イオン源で生成されたイオンは電極に設けられた開口やスリットを通過して加速される。なお、イオンドーピング装置の構成は上述したものに限定されず、必要に応じた機構が設けられる。
本実施形態では、イオンドーピング装置で、水素を単結晶半導体基板100に添加する。プラズマソースガスとして水素を含むガスを供給する。例えば、Hを供給する。水素ガスを励起してプラズマを生成し、質量分離せずに、プラズマ中に含まれるイオンを加速し、加速されたイオンを単結晶半導体基板100に照射する。
イオンドーピング装置において、水素ガスから生成されるイオン種(H、H 、H )の総量に対してH の割合が50%以上とする。より好ましくは、そのH の割合を80%以上とする。イオンドーピング装置は質量分離を行わないため、プラズマ中に生成される複数のイオン種のうち、1つ(H )を50%以上とすることが好ましく、80%以上とすることがさらに好ましい。同じ質量のイオンを照射することで、単結晶半導体基板100の同じ深さに集中させてイオンを添加することができるからである。
脆化領域104を浅い領域に形成するためには、イオン103の加速電圧を低くする必要があるが、プラズマ中のH イオンの割合を高くすることで、水素イオンを効率よく、単結晶半導体基板100に添加できる。H イオンはHイオンの3倍の質量を持つことから、同じ深さに水素原子を1つ添加する場合、H イオンの加速電圧は、Hイオンの加速電圧の3倍にすることが可能となる。イオンの加速電圧を大きくできれば、イオンの照射工程のタクトタイムを短縮することが可能となり、生産性やスループットの向上を図ることができる。
イオンドーピング装置は廉価で、大面積処理に優れているため、このようなイオンドーピング装置を用いてH を照射することで、半導体特性の向上、大面積化、低コスト化、生産性向上などの顕著な効果を得ることができる。また、イオンドーピング装置を用いた場合、重金属も同時に導入されるおそれがあるが、塩素原子を含有する酸化膜132を介してイオンの照射を行うことによって、重金属による単結晶半導体基板100の汚染を防ぐことができる。
なお、加速されたイオン103を単結晶半導体基板100に照射する工程は、イオン注入装置で行うこともできる。イオン注入装置は、チャンバー内に配置された被処理体に、ソースガスをプラズマ励起して生成された複数のイオン種を質量分離し、特定のイオン種を照射する質量分離型の装置である。したがって、イオン注入装置を用いる場合は、水素ガスやPHを励起して生成されたHイオンおよびH イオンを質量分離して、HイオンまたはH イオンの一方のイオンを加速して、単結晶半導体基板100に照射する。
次に、ベース基板120を準備する(図7(B−1)参照)。
また、ベース基板120を用いるに際し、ベース基板120の表面をあらかじめ洗浄することが好ましい。具体的には、ベース基板120を、塩酸過水(HPM)、硫酸過水(SPM)、アンモニア過水(APM)、希フッ酸(DHF)等を用いて超音波洗浄を行う。例えば、ベース基板120の表面に塩酸過水を用いて超音波洗浄を行うことが好ましい。このような洗浄処理を行うことによって、ベース基板120表面の平坦化や残存する研磨粒子を除去することができる。
次に、ベース基板120の表面に窒素含有層121(例えば、窒化シリコン膜又は窒化酸化シリコン膜等の窒素を含有する絶縁膜)を形成する(図7(B−2)参照)。
本実施の形態において、窒素含有層121は、単結晶半導体基板100上に設けられた酸化膜132と貼り合わされる層(接合層)となる。また、窒素含有層121は、後にベース基板上に単結晶構造を有する単結晶半導体層を設けた際に、ベース基板に含まれるNa(ナトリウム)等の不純物が単結晶半導体層に拡散することを防ぐためのバリア層として機能する。
また、窒素含有層121を接合層として用いるため、接合不良を抑制するには窒素含有層121の表面を平滑とすることが好ましい。具体的には、窒素含有層121の表面の平均面粗さ(Ra)を0.50nm以下、自乗平均粗さ(Rms)を0.60nm以下、より好ましくは、平均面粗さを0.35nm以下、自乗平均粗さを0.45nm以下となるように窒素含有層121を形成する。膜厚は、10nm以上200nm以下、好ましくは50nm以上100nm以下の範囲で設けることが好ましい。
次に、単結晶半導体基板100の表面とベース基板120の表面とを対向させ、酸化膜132の表面と窒素含有層121の表面とを接合させる(図7(C)参照)。
ここでは、単結晶半導体基板100とベース基板120を酸化膜132と窒素含有層121を介して密着させた後、単結晶半導体基板100の一箇所に0.1〜500N/cm、好ましくは1〜20N/cm程度の圧力を加える。圧力を加えた部分から酸化膜132と窒素含有層121とが接合しはじめ、自発的に接合が形成され全面におよぶ。この接合工程は、ファンデルワールス力や水素結合が作用しており、加熱処理を伴わず、常温で行うことができるため、ベース基板120に、ガラス基板のように耐熱温度が低い基板を用いることができる。
なお、単結晶半導体基板100とベース基板120との貼り合わせを行う前に、単結晶半導体基板100上に形成された酸化膜132と、ベース基板120上に形成された窒素含有層121の表面処理を行うことが好ましい。
表面処理としては、プラズマ処理、オゾン処理、メガソニック洗浄、2流体洗浄(純水や水素添加水等の機能水を窒素等のキャリアガスとともに吹き付ける方法)又はこれらの方法を組み合わせて行うことができる。特に、酸化膜132、窒素含有層121の少なくとも一方の表面にプラズマ処理を行った後に、オゾン処理、メガソニック洗浄、2流体洗浄等を行うことによって、酸化膜132、窒素含有層121表面の有機物等のゴミを除去し、表面を親水化することができる。その結果、酸化膜132と窒素含有層121の接合強度を向上させることができる。
ここで、オゾン処理の一例を説明する。例えば、酸素を含む雰囲気下で紫外線(UV)を照射することにより、被処理体表面にオゾン処理を行うことができる。酸素を含む雰囲気下で紫外線を照射するオゾン処理は、UVオゾン処理または紫外線オゾン処理などとも言われる。酸素を含む雰囲気下において、紫外線のうち200nm未満の波長を含む光と200nm以上の波長を含む光を照射することにより、オゾンを生成させるとともに、オゾンから一重項酸素を生成させることができる。紫外線のうち180nm未満の波長を含む光を照射することにより、オゾンを生成させるとともに、オゾンから一重項酸素を生成させることもできる。
酸素を含む雰囲気下で、200nm未満の波長を含む光および200nm以上の波長を含む光を照射することにより起きる反応例を示す。
+hν(λnm)→O(P)+O(P) ・・・ (1)
O(P)+O→O ・・・ (2)
+hν(λnm)→O(D)+O ・・・ (3)
上記反応式(1)において、酸素(O)を含む雰囲気下で200nm未満の波長(λnm)を含む光(hν)を照射することにより基底状態の酸素原子(O(P))が生成する。次に、反応式(2)において、基底状態の酸素原子(O(P))と酸素(O)とが反応してオゾン(O)が生成する。そして、反応式(3)において、生成されたオゾン(O)を含む雰囲気下で200nm以上の波長(λnm)を含む光が照射されることにより、励起状態の一重項酸素O(D)が生成される。酸素を含む雰囲気下において、紫外線のうち200nm未満の波長を含む光を照射することによりオゾンを生成させるとともに、200nm以上の波長を含む光を照射することによりオゾンを分解して一重項酸素を生成する。上記のようなオゾン処理は、例えば、酸素を含む雰囲気下での低圧水銀ランプの照射(λ=185nm、λ=254nm)により行うことができる。
また、酸素を含む雰囲気下で、180nm未満の波長を含む光を照射することにより起きる反応例を示す。
+hν(λnm)→O(D)+O(P) ・・・ (4)
O(P)+O→O ・・・ (5)
+hν(λnm)→O(D)+O ・・・ (6)
上記反応式(4)において、酸素(O)を含む雰囲気下で180nm未満の波長(λnm)を含む光を照射することにより、励起状態の一重項酸素O(D)と基底状態の酸素原子(O(P))が生成する。次に、反応式(5)において、基底状態の酸素原子(O(P))と酸素(O)とが反応してオゾン(O)が生成する。反応式(6)において、生成されたオゾン(O)を含む雰囲気下で180nm未満の波長(λnm)を含む光が照射されることにより、励起状態の一重項酸素と酸素が生成される。酸素を含む雰囲気下において、紫外線のうち180nm未満の波長を含む光を照射することによりオゾンを生成させるとともにオゾンまたは酸素を分解して一重項酸素を生成する。上記のようなオゾン処理は、例えば、酸素を含む雰囲気下でのXeエキシマUVランプの照射(λ=172nm)により行うことができる。
200nm未満の波長を含む光により被処理体表面に付着する有機物などの化学結合を切断し、オゾンまたはオゾンから生成された一重項酸素により被処理体表面に付着する有機物、または化学結合を切断した有機物などを酸化分解して除去することができる。上記のようなオゾン処理を行うことで、被処理体表面の親水性および清浄性を高めることができ、接合を良好に行うことができる。
酸素を含む雰囲気下で紫外線を照射することによりオゾンが生成される。オゾンは、被処理体表面に付着する有機物の除去に効果を奏する。また、一重項酸素も、オゾンと同等またはそれ以上に、被処理体表面に付着する有機物の除去に効果を奏する。オゾン及び一重項酸素は、活性状態にある酸素の例であり、総称して活性酸素とも言われる。上記反応式等で説明したとおり、一重項酸素を生成する際にオゾンが生じる、またはオゾンから一重項酸素を生成する反応もあるため、ここでは一重項酸素が寄与する反応も含めて、便宜的にオゾン処理と称する。
なお、図7(C)において、酸化膜132と窒素含有層121を接合させた後、接合強度を増加させるための熱処理を行うことが好ましい。この熱処理の温度は、脆化領域104に亀裂を発生させない温度とし、例えば、室温以上400℃未満の温度範囲で処理する。また、この温度範囲で加熱しながら、酸化膜132と窒素含有層121を接合させてもよい。熱処理には、拡散炉、抵抗加熱炉などの加熱炉、RTA装置、マイクロ波加熱装置などを用いることができる。
一般的に、酸化膜132と窒素含有層121を接合と同時又は接合させた後に熱処理を行うと、接合界面において脱水反応が進行し、接合界面同士が近づき、水素結合の強化や共有結合が形成されることにより接合が強化される。脱水反応を促進させるためには、脱水反応により接合界面に生じる水分を高温で熱処理を行うことにより除去する必要がある。つまり、接合後の熱処理温度が低い場合には、脱水反応で接合界面に生じた水分を効果的に除去できないため、脱水反応が進まず接合強度を十分に向上させることが難しい。
一方で、酸化膜132として、塩素原子等を含有させた酸化膜を用いた場合、当該酸化膜132が水分を吸収し拡散させることができるため、接合後の熱処理を低温で行う場合であっても、脱水反応で接合界面に生じた水分を酸化膜132へ吸収、拡散させ脱水反応を効率良く促進させることができる。この場合、ベース基板120としてガラス等の耐熱性が低い基板を用いた場合であっても、酸化膜132と窒素含有層121の接合強度を十分に向上させることが可能となる。また、酸化膜132にプラズマ処理を行うことにより、酸化膜132の表面近傍にマイクロポアを形成し、水分を効果的に吸収し拡散させ、低温であっても酸化膜132と窒素含有層121の接合強度を向上させることができる。
次に、熱処理を行い脆化領域104にて分離することにより、ベース基板120上に、酸化膜132及び窒素含有層121を介して単結晶半導体層124を設ける(図7(D)参照)。
加熱処理を行うことで、温度上昇によって脆化領域104に形成されている微小な孔に添加された元素が析出して体積変化が起こり、脆化領域104に亀裂が生じるので、脆化領域104に沿って単結晶半導体基板100が分離する。酸化膜132はベース基板120に接合しているので、ベース基板120上には単結晶半導体基板100から分離された単結晶半導体層124が形成される。また、ここでの熱処理の温度は、ベース基板120の歪み点を越えない温度とする。
この加熱処理には、拡散炉、抵抗加熱炉などの加熱炉、RTA装置、マイクロ波加熱装置などを用いることができる。例えば、RTA装置を用いる場合、加熱温度550℃以上730℃以下、処理時間0.5分以上60分以内で行うことができる。
なお、上述したベース基板120と酸化膜132との接合強度を増加させるための熱処理を行わず、図7(D)の熱処理を行うことにより、酸化膜132と窒素含有層121との接合強度の増加の熱処理工程と、脆化領域104における分離の熱処理工程を同時に行ってもよい。
以上の工程により、ベース基板120上に酸化膜132及び窒素含有層121を介して単結晶半導体層124が設けられたSOI基板を作製することができる。
本実施の形態で示す方法を用いることによって、窒素含有層121を接合層として用いた場合であっても、ベース基板120と単結晶半導体層124との接合強度を向上させることができる。また、ベース基板120上に形成される単結晶半導体層124への不純物の拡散を抑制すると共に、ベース基板120と単結晶半導体層124とが強固に密着したSOI基板を形成することができる。
また、ベース基板側に窒素含有層を設け、半導体基板側に塩素等のハロゲンを有する酸化膜を形成することにより、作製工程を簡略化すると共にベース基板との貼り合わせ前に当該半導体基板へ不純物元素が浸入することを抑制することができる。また、半導体基板側に設ける接合層として塩素等のハロゲンを有する酸化膜を形成することにより、接合後の熱処理を低温で行う場合であっても、脱水反応を効率良く促進させることにより接合強度を向上させることができる。
その後、分離された単結晶半導体基板100は、上記実施の形態1で示したようにSOI基板の製造プロセスにおいて、再利用することができる。
なお、本実施の形態では、単結晶半導体基板100上に酸化膜132を形成し、ベース基板120上に窒素含有層121を形成する場合を示したが、これに限られない。例えば、単結晶半導体基板100上に酸化膜132と窒素含有層を順に積層させて形成し、酸化膜132上に形成された窒素含有層の表面とベース基板120との表面とを接合させてもよい。この場合、窒素含有層は脆化領域104の形成前に設けてもよいし、形成後に設けてもよい。なお、窒素含有層上に酸化膜(例えば、酸化シリコン)を形成し、当該酸化膜の表面とベース基板120の表面とを接合させても良い。
また、ベース基板120から単結晶半導体層124への不純物の混入が問題とならない場合には、ベース基板120上に窒素含有層121を設けずに、単結晶半導体基板100上に設けられた酸化膜132の表面とベース基板120の表面とを接合させてもよい。この場合、窒素含有層を設ける工程を省略することができる。
なお、本実施の形態で示した構成は、本明細書の他の実施の形態で示す構成と適宜組み合わせて行うことができる。
100 単結晶半導体基板
102 絶縁層
103 イオン
104 脆化領域
120 ベース基板
121 窒素含有層
124 単結晶半導体層
132 酸化膜
142 絶縁層
144 絶縁層
146 絶縁層
150 単結晶半導体基板
200 積層基板

Claims (4)

  1. ボンド基板となる第1の単結晶半導体基板と、第1の基板とを準備する第1の工程と、
    前記第1の単結晶半導体基板に加速されたイオンを照射して前記第1の単結晶半導体基板中に脆化領域を形成し、絶縁層を介して前記第1の単結晶半導体基板と前記第1の基板とを貼り合わせる第2の工程と、
    前記脆化領域において前記第1の単結晶半導体基板を分離して、前記第1の基板上に前記絶縁層を介して単結晶半導体層を形成する第3の工程とを有し、
    前記分離された第1の単結晶半導体基板に第1の接合層を形成する第4の工程と、第2の単結晶半導体基板に第2の接合層を形成する第5の工程とを経て、前記第1の接合層及び前記第2の接合層を介して、前記第1の単結晶半導体基板を、前記第2の単結晶半導体基板に貼り合わせて積層基板を形成し、前記積層基板を前記第1の工程におけるボンド基板として使用することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1の接合層は、前記第2の接合層と異なる材料を有することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記第1の接合層を、前記第2の工程における絶縁層に用いることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    前記第1の基板として、ガラス基板、単結晶半導体基板又は多結晶半導体基板を用いるSOI基板の作製方法。
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