JP5568675B1 - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダンパー内蔵型の免震装置において、内蔵コアの回転によってエネルギー吸収性能が発揮できなくなることを防止できる信頼性の高い免震装置を提供する。
【解決手段】薄い平板形状の弾性材料と剛性材料を交互に上下方向に積層した積層ゴム体1の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うダンパー機構としての塑性材料コア3を内蔵したダンパー内蔵型の免震装置において、塑性材料コア3の平面形状を概四角形等の円形以外の形状とし、内部鋼板、端部鋼板およびフランジ等と噛み合わせて鉛直軸周りのコアの回転を不可能にする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、地震から構造物を安全に守ることのできる免震装置の中で、特にエネルギー吸収用ダンパーを内蔵する積層ゴム体を備えた免震装置に関するものである。
免震構造は、大地震時の強い地震動に対して構造物の揺れそのものを低減できるので、建物の構造骨組みだけでなく、家具や設備備品などの内部収容物を含めた建物全体の耐震安全性を高めることができる。
免震構造物を実現するための免震装置には、構造物の重量を支えながら大きな水平変形ができるアイソレータ機能と、地震により構造物に投入された振動エネルギーを吸収するダンパー機能の両機能を有していることが必要である。これまでに実用化されている免震システムとしては、1)天然ゴム系積層ゴム+別置きダンパ−、2)高減衰積層ゴム、3)鉛コア入り積層ゴムなどの積層ゴム系免震システムがあり、その他に4)すべり支承系の免震装置、5)転がり系支承などの免震装置も実用化されている。
これらの免震装置の中で、世界的に高い評価を受け、且つ多くの実績を有するものにニュージーランドで発明・開発された「鉛コア入り積層ゴム免震装置」がある(特許文献1および特許文献2参照)。この装置は、アイソレータとしての積層ゴム支承の平面中央部1カ所もしくは平面内複数箇所に、ダンパー(エネルギー吸収機構)として機能する鉛コアを封入したもので、日本および海外(ニュージーランド・米国・イタリア・台湾・トルコ・中国等)も含めて世界的に評価の高い代表的な免震装置である。
この免震装置は、免震構造に必要とされるアイソレータ機能とダンパー機能の両者を一装置で兼備していること、ダンパー機能を担う鉛コアとアイソレータ機能を担う積層ゴムの組み合わせにより免震構造としての性能、即ち免震装置の復元力特性をかなり自由に調整できるという特長を有している。
一方、近年では環境問題に対する社会的認識が高まってきたことから、材料としての鉛の有する毒性を嫌う社会的風潮の高まりを受けて、鉛と同様に塑性変形性能に優れた超塑性金属を内蔵コア材料として利用する提案が行われている。具体的な材料としては、鉛と同じ結晶構造(面心立方格子)を有する錫および錫−ビスマス合金等を用いる「錫プラグ入り積層ゴム」(特許文献3)、亜鉛−アルミニウム系合金を利用するもの(特許文献4)等も開発あるいは提案されている。
更に、エネルギー吸収用のコア材料として、減衰性能の高い高減衰ゴム等の高分子材料を利用するもの、硬度の異なる2種類以上のプラスチック材料を混合成形するもの(特許文献5)、ゴム等の高分子材料と鉄粉等の粒体を混合・成型した人造的な塑性材料を用いるもの等も提案されている。
特開昭59−62742号公報 特許第3024562号公報 特開2008−082386号公報 特開2007−139108号公報 特開2005−009558号公報
通称「LRB」と呼ばれる鉛プラグ入り積層ゴムや「SnRB」と呼ばれる錫プラグ入り積層ゴム等の金属コア内蔵型免震装置あるいはゴムと鉄粉の混合による人造材料コア等を内蔵する免震装置は、図1に示すように、薄い平板形状の弾性材料11と剛性材料2を交互に上下方向に積層した積層ゴム体1の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うコア材料3を内蔵した構造とされている。エネルギー吸収用のコア材料3(内蔵コア)は、積層ゴム1の平面中央部に一個、もしくはそれ以外の場所にも複数個が配置されることがあるが、いずれもその平面形状は円形であり、全体としては円柱型の形状が採用されている。
その理由は、主として装置の成型上の理由によるものである。即ち、内蔵コアが円形平面をしていることにより、積層ゴムの内部鋼板にあけるコア挿入用の孔形状が円形となるため、積層ゴムの内部鋼板の孔空け加工が容易であり、加硫成型前のゴムシートの成形も容易である。
また、内蔵コアの成型も、鋳込みあるいは切削いずれにおいても円柱型形状の加工が容易であり、加硫成型後の積層ゴムの孔の内部にコアを挿入する作業も容易であるためである。
しかし、コア形状が円柱型、即ちコアの平面形状が円形であることには、これまで見逃されてきた重大な問題が内在している。即ち、積層ゴム体に内蔵しているコアの目的は、積層ゴム体の水平せん断変形に伴ってコア自体にも同様のせん断変形を強制し、その材料の塑性変形によってエネルギー吸収を行うことにあるが、コア形状が円形平面であるが故に、エネルギー吸収性能が失われる、換言すれば、エネルギ−吸収性能を発揮できない場合がある、という深刻な問題である。
今、図2(1)に示すように、コア内蔵の積層ゴム体1がある一方向に水平せん断変形を受け、コア3にも同様の水平せん断変形が生じて、エネルギー吸収性能を発揮した状態(変形1)を考えよう。その状態において、積層ゴム体1の変形が変形1の方向5とは90°異なる直交方向へ進む状態(変形2の方向6)を生じたとする。内蔵コアの変形をコアの底面(積層ゴム体の下フランジ側)を基準として表現すると、コア3は変形1の方向5へ伸びた状態において、次の変形2の方向6ではその頂部が直角方向に加力されるので、図2(2)に示すように、変形2の方向6に作用する力はコア底部に対しては回転モーメントを与えることになり、コア3自体が鉛直軸周りに回転を起こそうとする。
もしコア3自体が鉛直軸周りに回転を起こすことによって、積層ゴムの変形に追従していくことになると、コア3自体にはせん断変形(塑性変形)が生じないことになり、塑性変形によるエネルギー吸収性能が発揮されないことになってしまう。
この変形1の後に直交方向の変形2を与える変形モードの極端な例としては、積層ゴム体底部を固定基準点として積層ゴム体の変形を表現すると、積層ゴム体頂部が円運動を描くような変形モードが考えられる。この円運動の変形を強制された場合には、内蔵円形コアは連続的に回転する可能性があり、内蔵コア3によるエネルギー吸収が全く発揮されないという由々しき問題が発生することになる。
すなわち、本発明が解決をめざす課題は、ダンパー機能としてのコアを内蔵している積層ゴム体が2方向に同時変形を受けた場合に、内蔵コアが鉛直軸周りの回転を起こすことを防止することである。
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
薄い平板形状の弾性材料と剛性材料を交互に上下方向に積層した弾性体(以下、「積層ゴム体」と呼ぶ)の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うダンパー機構としてのコア材料(以下、「塑性材料コア」と呼ぶ)を内蔵したダンパー内蔵型の免震装置において、前記塑性材料コアの平面形状を円形以外の形状としていることを特徴とする免震装置。
〈構成2〉
構成1に記載した免震装置において、前記塑性材料コアが、概4角形、概6角形、概8角形、+文字型のいずれかの平面形状を有していることを特徴とする免震装置。
〈構成3〉
薄い平板形状の弾性材料と剛性材料を交互に上下方向に積層した積層ゴム体の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うダンパー機構としての塑性材料コアを内蔵したダンパー内蔵型の免震装置において、前記塑性材料コアの形状が、前記積層ゴム体の高さ位置では平面形状が円形であり、その上下端部にある拘束鋼板(端部鋼板もしくはフランジ鋼板)位置では、概4角形、概6角形、概8角形、+文字型等の円形以外の平面形状を有していることを特徴とする免震装置。
〈構成4〉
薄い平板形状の弾性材料と剛性材料を交互に上下方向に積層した積層ゴム体の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うダンパー機構としての塑性材料コアを内蔵したダンパー内蔵型の免震装置において、前記塑性材料コアの平面形状が概略円形であり、その円柱型形状の側面の少なくとも2カ所以上に凸部形状の縦リブもしくは凹部形状の縦溝を有していることを特徴とする免震装置。
〈構成5〉
薄い平板形状の弾性材料と剛性材料を交互に上下方向に積層した積層ゴム体の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うダンパー機構としての塑性材料コアを内蔵したダンパー内蔵型の免震装置において、前記塑性材料コアの上端面および下端面に、−字型もしくは+字型等の溝形状の凹部が設けられており、それらの凹部部分に嵌合する突出部を有するコアの蓋部材もしくは前記フランジ鋼板によって内蔵コアが回転不能に拘束されていることを特徴とする免震装置。
〈構成6〉
薄い平板形状の弾性材料と剛性材料を交互に上下方向に積層した積層ゴム体の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うダンパー機構としての塑性材料コアを内蔵したダンパー内蔵型の免震装置において、前記塑性材料コアの上端面および下端面に、2個以上の平面的に分離した凹部が設けられており、前記フランジ鋼板に対して鉛直軸周りの回転が拘束された内蔵コア上下端に配置された蓋部材もしくは前記フランジ鋼板から、前記内蔵コアの上端面および下端面に対して、2本以上のボルト材もしくはスクリュ−ネジ等の突出部材が前記凹部内に挿入され、嵌合していることを特徴とする免震装置。
〈構成7〉
薄い平板形状の弾性材料と剛性材料を交互に上下方向に積層した積層ゴム体の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うダンパー機構としての塑性材料コアを内蔵したダンパー内蔵型の免震装置において、前記内蔵コアの上下面にそれぞれ配置された前記フランジ鋼板から前記内蔵コアの上端面および下端面に対して2本以上のボルト材もしくはスクリュ−ネジ等の突出部材がねじ込まれて前記フランジ鋼板と前記内蔵コアとを固定していることを特徴とする免震装置。
〈構成8〉
構成1乃至構成7のいずれかに記載した免震装置において、前記塑性材料コアの材料として、鉛、錫、アルミニウムもしくはそれらの合金材料、もしくは減衰性能の高いゴム等の高分子材料や粉粒体物質の混合物材料が採用されていることを特徴とする免震装置。
本発明の要点は、いずれの構成においても内蔵コアが鉛直軸周りに回転することを不可能としていることにある。即ち、本発明のダンパー内蔵型の免震装置は、いかなる形の2方向同時変形を受けた場合にも、極端な例としては、積層ゴム上端部が下端部に対して完全な円運動に相当する強制変形を受けた場合にも、コア自体が回転することができないため、必ずコアの塑性せん断変形が生じる。
従って、本発明のダンパー内蔵型の免震装置は、如何なる変形パターンで水平変形を受けた場合にも、積層ゴム体に水平せん断変形が生じる限り、内蔵コアにもせん断変形が発生し、必ずエネルギー吸収性能が発揮され、ダンパー内蔵型の免震装置としての機能が確実に発揮できるという効果を有している。
また、内蔵コアの平面形状に正方形(辺長D)を採用した場合、従来の円形断面(直径dφ)に較べて同じ平面寸法(D=d)を採用した場合には、コアの断面積が1.27倍(=4/π)となるので、それだけ減衰性能(エネルギー吸収性能)が高い装置となることも本発明の効果の一つである。
従来のダンパー内蔵型の免震装置の基本構成を示す図であり、 (1)積層ゴム体の中心にコアを有することを示す縦断面図、 (2)積層ゴム体の平面中央に円形コアを内蔵していることを示す平面図 である。 本発明の解決すべき課題、即ち従来装置の問題点を示す説明図であり、 (1)積層ゴム体が水平せん断変形を受けた状態を示す縦断面図、 (2)上記(1)の状態で、積層ゴム体の変形が直角方向(図中央の下向き矢印方向)の加力を受けると、その力がコアを回転させるモーメント(ねじり力)となって、コアが回転しようとすることを示す平面図(見下図) である。 本発明の実施例1(構成1および構成2)を示す平面図であり、 (1)角形平面を有する積層ゴム体の中央部に概正方形平面のコアを有する免震装置、 (2)円形平面を有する積層ゴム体の中央部に概6角形平面のコアを有する免震装置、 (3)円形平面を有する積層ゴム体の中央部に概8角形平面のコアを有する免震装置、 (4)角形平面を有する積層ゴム体の中央部に+字形平面のコアを有し、更にその外側に複数個の概正方形平面のコアを有する免震装置、 である。 本発明の実施例2(構成3)を示す説明図であり、 (1)内蔵コアとその上下部材の関係を示す縦断面図、 (2)積層ゴム体の高さ位置(高さ中央)における内蔵コアの平面形状が円形であることを示す平面図、 (3)内蔵コアの上端部付近の平面構成を示す平面図であり、 コアの平面形状は概正方形、その上部に概正方形の蓋部材があり、この蓋部材がフランジ鋼板で拘束されている。 (4)内蔵コアの下端部付近の平面構成を示す平面図であり、 コアの平面形状は概正方形で、その周囲がフランジ鋼板により回転が拘束されている場合。 本発明の実施例3(構成4)を示す説明図であり、 (1A)内蔵コアの側面に縦リブ2個を有するコアであることを示すコアの平面図、 (2A)上記内蔵コアに対応する積層ゴムの内部鋼板の形状を示す平面図、 (3A)上記1Aのコアが2Aの内部鋼板内に挿入された状態を示す平面図、 (1B)内蔵コアの側面に縦リブ4個を有するコアであることを示すコアの平面図、 (2B)上記内蔵コアに対応する積層ゴムの内部鋼板の形状を示す平面図、 (3B)上記1Bのコアが2Bの内部鋼板内に挿入された状態を示す平面図 である。 本発明の実施例4(構成4)を示す説明図であり、 (1)内蔵コアの側面に凹形状の縦溝を有するコアであることを示す平面図、 (2)内蔵コアの側面に凹形状の縦溝を有するコアであることを示す立面図、 (3)上記(1)の内蔵コアに対応する積層ゴムの内部鋼板の形状を示す平面図、 (4)上記(1)の内蔵コアが(3)の内部鋼板内に挿入された状態を示す平面図 である。 本発明の実施例5(構成5および構成6)を示す平面図であり、 (1)内蔵コアの上端部および下端部平面に、−字型の凹部みぞ形状を有する免震装置、 (2)内蔵コアの上端部および下端部平面に、+字型の凹部みぞ形状を有する免震装置、 (3)内蔵コアの上端部および下端部平面に、4個の円形凹部を有する免震装置、 (4)内蔵コアの上端部および下端部平面に、4個の角形凹部を有する免震装置 である。 本発明の実施例6(構成7)を示す説明図であり、 (1)本説明図(2)のA矢視平面図であり、内蔵コアの上端部に蓋部材を有し、蓋部材からコア上(下)端面にボルトもしくはスクリューネジがねじ込まれていることを示す平面図、 (2)本実施例を示す縦断面図、 (3)本説明図(2)のB矢視平面図であり、下(上)フランジ鋼板からコア下(上)端面にボルトもしくはスクリューネジがねじ込まれていることを示す平面図 である。
以下、本発明を、図面に基づいて説明する。なお、共通する部分には同一符号を付している。
先ず、図1は、本発明が対象とする従来のダンパー内蔵型の免震装置の基本構成を示しており、図1(1)は縦断面図である。積層ゴム体1の中心部にコア3を内蔵しており、その上下端部付近に厚さの厚い端部鋼板25を有し、その外側にフランジ鋼板4を有している。
図1(2)は、平面図であり、円形平面の積層ゴム体1の平面中央に内蔵コア3を有しているが、そのコア3の平面形状は円形である。
図2は、本発明が解決すべき課題、即ち従来型のダンパー内蔵型の免震装置の問題点を示す説明図である。
図2(1)は積層ゴム体1が矢印5方向水平せん断変形を受けた状態(変形1)を示す縦断面図である。積層ゴム体1の水平変形に応じて内蔵コア3は図のように変形し、コアの下端部31に対して、コアの上端部32は平面位置が積層ゴムの水平変形量と同じだけずれた位置になる。
この状態の後、積層ゴム上端32の変形が矢印方向5(変形1)とは90°異なる直交方向に進むことになると、図2(2)の矢印方向6に作用する力(図中央の矢印方向)はコアの下端部31に対して、コア3を回転させるモーメント(ねじり力)となり、コア3は回転変形をしようとする。積層ゴム体の水平変形に対してコア3が回転変形で追従すると、コア自体には塑性せん断変形が発生しないことになり、その結果コアのエネルギー吸収性能が発揮されない事態が生じることになる。
従って、内蔵コア3に本来のエネルギー吸収性能を発揮させるためには、このコア3の回転運動を阻止する(止める)ことが必須条件となる。これは、これまで見過ごされて来た重要問題であり、如何なる種類のコア材料を用いようとも、全てのダンパー内蔵型の免震装置が満足しなければならない必要条件である。
図3は、本発明の構成1および構成2の実施例を示している。本課題、即ち内蔵コアの回転を阻止する最も根本的な解決策としては、コアの平面形状である円形を排除し、回転不可能な平面形のコアを採用することである。
図3(1)〜図3(4)にはそれぞれ別異の態様の免震装置を示している。
図3(1)に示した免震装置は、角形平面を有する積層ゴム体の中央部に概正方形平面のコア3を有するものである。
図3(2)に示した免震装置は、円形平面を有する積層ゴム体の中央部に概6角形平面のコアを有するものである。
図3(3)に示した免震装置は、円形平面を有する積層ゴム体の中央部に概8角形平面のコアを有するものである。
図3(4)に示した免震装置は、角形平面を有する積層ゴム体の中央部に+字形平面のコアを有し、更にその外側に複数個の概正方形平面のコアを有するものである。
これらの免震装置は、コアの平面形状が円形以外の形になっているために、コア3と周囲の内部鋼板2およびその上下端付近の端部鋼板25が互いに噛み合うため、コア3が積層ゴム体内部で回転することが不可能となる。
図4は、本発明の構成3の実施例を示している。本実施例は、内蔵コアの平面形状を従来どおりの円形形状を採用しながら、その上下端部の平面形状のみを円形以外の形状とすることで、内蔵コアの回転を防止する方法である。
図4(1)は、内蔵コアとその上下部材の関係を示す縦断面図であり、上端部と下端部で別々の方法を示しているが、実際の装置は、はどちらかの方法で統一した方法を採用する。
図4(2)は、積層ゴム体の高さ位置(コアの高さ中央付近)における内蔵コアの平面形状が円形であることを示している。この形状により、コアおよび内部鋼板の加工や製造方法はほぼ従来と同じ慣れた方法となり、製造上の困難さがない。
これに対して、内蔵コアの上下端部付近は、図4(3)に示すように、内蔵コアの端部外側に蓋材35を配置する。この蓋材の外形は概正方形等の円形以外とし、端部鋼板25およびフランジ鋼板4に対して回転が起こらない形状としている。その上でコア3の端部の平面形状を概正方形等の円形以外の形状として蓋材35に挿入し、コア3の鉛直軸周りの回転を防止している。
図4(4)は、内蔵コアの端部外側に蓋材35を配置せず、フランジ鋼板4に蓋材35と同じ機能を代用させる方法である。即ち、フランジ鋼板4にコア3の端部を部分的に挿入させ、コア3端部の挿入部分の平面形状を概正方形等の円形以外の形状とすることにより、コア3の鉛直軸周りの回転を防止することができる。
図5は、本発明の構成4の実施例を示している。これは、円形平面を有するコア3の側面2カ所以上に突出する縦リブ33を設け、これを積層ゴムの内部鋼板2と噛み合わせることで回転を防止する方法である。
図5(1A)に示すコア3は、側面に2個の縦リブ33を設けた場合である。このようなコア3を保持する内部鋼板2は、図5(2A)に示すように、コア3の2個の縦リブ33に対応する位置に設けられた切り欠き部23を有している。
図5(3A)は、コア3が内部鋼板2内に挿入された状態を示す平面図である。
図5(1B)に示すコア3は、側面に突出する縦リブ33を4個設けた場合である。このようなコア3を保持する内部鋼板2は、図5(2B)に示すように、コア3の4個の縦リブ33に対応する位置に設けられた切り欠き部23を有している。図5(3B)は、コア3が内部鋼板2内に挿入された状態を示す平面図である。
図6も、本発明の構成4の実施例を示している。図5においてはコア側面に突出する縦リブ33を設けたのに対して、本例は、コア側面に凹型状の縦溝34を設けるものである。本例は、考え方は図5と同じであるが、コア材料の強度が低い場合、図5の凸型リブ33よりも回転に対するせん断抵抗力を高めやすい利点がある。内部鋼板2側の突出部のせん断強度は一般にコア材料よりも高いのが通常である。
この実施例のコア3は、図6(1)、(2)に示すように側面に4個の凹形状の縦溝34を設けたものである。このようなコア3を保持する内部鋼板2は、図6(3)に示すように、コア3の4個の縦溝34に対応する位置に設けられた突出部を有している。
図6(4)は、コア3が内部鋼板2内に挿入された状態の平面図を示している。
図7は、本発明の構成5および構成6の実施例を示している。これは、内蔵コアの平面形状が従来どおり全長に渡って円形、即ちコア外形が円柱形状である場合の回転防止対策を示したものである。
図7(1)および(2)は構成5の実施例を示しており、図7(1)は、内蔵コア3の下端面31および上端面32に、−字型の凹部溝形状を形成し、コア外側の蓋板35もしくはフランジ鋼板4からの突出部をこの凹部溝形状に嵌合させることによってコア3の回転を防止する構成である。
図7(2)は、内蔵コアの下端面31および上端面32に設ける凹部溝形状を+字型とした場合を示している。(1)と同じ様に、コア外側の蓋板35もしくはフランジ鋼板4からの突出部を、この+字型の凹部溝形状に嵌合させることによってコア3の回転を防止する構成である。
図7(3)、(4)は構成6の実施例を示しており、コア端部と蓋材もしくはフランジとの嵌合部を複数個の独立した嵌合部とする方法である。図7(3)は、内蔵コアの上端部32および下端部31の平面に、4個の円形凹部38を設けた場合の免震装置を示している。
図7(4)は、内蔵コアの上端部32および下端部31の平面に、4個の角形凹部39を設けた免震装置を示している。
図8は、本発明の構成7の実施例を示しているが、これは、構成6をより単純化した方法である。
先ず、図8(2)は本実施例の縦断面図を示しており、コア3の端部処理を上端部と下端部で異なる方法を図示しているが、実際にはどちらかの方法で統一する。
図8(1)は、図8(2)のA矢視平面図を示しており、内蔵コア3の上端部に蓋部材35を配置し、この蓋部材35からコア3の上端面32(および下端面31)にボルトもしくはスクリューネジ36をねじ込むことによってコア3の鉛直軸周りの回転を阻止する方法である。
図8(3)は、これを更に単純化した方法であり、図8(2)のB矢視平面図を示している。コア3の外側には蓋材35を配置せず、積層ゴム体上下のフランジ鋼板4からコア3の下端面31(および上端面32)にボルトもしくはスクリューネジ36を直接ねじ込んでコア3の鉛直軸周りの回転を阻止する方法である。
以上のとおり、本発明によって、免震装置の代表例であるダンパー内蔵型の免震装置においてこれまで見落とされてきた重要な問題を回避することが可能となり、より信頼性の高い高性能の免震装置が実現可能となった。
本発明が対象とした課題、即ち内蔵コアの回転によるエネルギー吸収性能の喪失という致命的な問題は、主として地震動の特性によって生じる免震層の応答変形履歴に支配され、入力地震動によっては本問題が発生しない場合もあるが、水平2方向共に過酷な入力地震動を受ける場合、また近年問題視されている長周期・長時間継続する地震動の作用下等では深刻な問題になる可能性があることを認識する必要がある。
1 :積層ゴム体
11:ゴム層
2 :内部鋼板
21:内部鋼板の中央部孔
23:内部鋼板の中央部孔の端部凹型切り欠き部
25:積層ゴム体上下の端部鋼板
3 :内蔵コア(塑性材料コア)
31:内蔵コア下端部および下端面
32:内蔵コア上端部および上端面
33:内蔵コア外周部の凸形状縦リブ
34:内蔵コア外周部の凹形状縦溝
35:内蔵コア上下のコア蓋板
36:内蔵コア上下面へ貫入するボルト、スクリュウネジ
37:内蔵コア下端面および上端面の凹部溝
38:内蔵コア下端面および上端面の円形の凹部
39:内蔵コア下端面および上端面の正方形の凹部
4 :積層ゴム体上下のフランジ鋼板
5 :変形1の方向
6 :変形2の方向

Claims (2)

  1. 薄い平板形状の弾性材料と剛性材料を交互に上下方向に積層した積層ゴム体の内部に、少なくとも一つ以上の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能を担うダンパー機構としての金属コアを内蔵したダンパー内蔵型の免震装置において、
    前記金属コアの形状が、前記積層ゴム体の高さ位置では平面形状が円形であり、前記金属コアの上下端部にある端部鋼板もしくはフランジ鋼板の位置では平面形状を、概4角形、概6角形、概8角形、+文字型のいずれかの形状としていることを特徴とする免震装置。
  2. 請求項1に記載した免震装置において、
    前記金属コアの材料として、鉛、錫、アルミニウムもしくはそれらの合金材料が採用されていることを特徴とする免震装置。
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