JP5561948B2 - イオン源 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波によってプラズマを発生させ、そのプラズマからイオンを引き出して利用するイオン源に関する。
従来、導波管から誘電体窓を通して放電室内にマイクロ波を導入し、プラズマを発生する方式の導波管型イオン源が知られている(特許文献1参照)。図5は、従来の導波管型イオン源の構成を示す概略断面図である。図5に示すイオン源は、金属製の放電室401と、その放電室401に導波管402を介してマイクロ波を供給するためのマイクロ波発振器403と、を備えており、その途中には放電室401を真空封止するための誘電体窓404が設けられている。そして、不図示の配管を介して放電室401内に導入されたガスが、マイクロ波により電離され、プラズマ405が発生する。また、そのプラズマ405からイオンビーム406を引き出すための引出電極407a,407bが配置されている。さらに、放電室401の外部には、放電室401の内部に磁界を発生するための一対の電磁コイル408,409が配置されており、放電室401の内部にECR領域を形成することが可能となっている。
また、従来、同軸管からアンテナを介して放電室内にマイクロ波を導入し、プラズマを発生する方式の同軸管型イオン源が知られている(特許文献2参照)。図6は、従来の同軸管型イオン源の構成を示す概略断面図である。図6に示す同軸管501は不図示のマイクロ波発振器と接続されており、マイクロ波を金属製の放電室502に、アンテナ503を介して導入することができる。アンテナ503は誘電体部材504により、外部導体505と絶縁されている。そして、不図示の配管を介して放電室502の内部に導入されたガスが、マイクロ波により電離され、プラズマ506が発生する。また、プラズマ506からイオンビーム507を引き出すための引出電極508a,508bが設けられている。さらに放電室502の外部には、放電室502の内部に磁界を発生するための電磁コイル509が配置されており、放電室502の内部にECR領域を形成ことができる。
特開2003−308795号公報 特開平09−245658号公報
従来の導波管型イオン源においては、使用するマイクロ波の周波数に応じて、導波管及び放電室の寸法が決定される。例えば、2.45GHzのマイクロ波を使用すると、導波管及び放電室が円筒である場合は、その内径は約100mm程度の寸法に決定される。この放電室内で発生するプラズマの直径は、放電室の内径と同程度となる。
しかし、引き出したいイオンビームが直径数mm以下と細い場合、引き出し電極の孔径も数mm以下とする必要がある。その場合、直径約100mm程度の大きなプラズマに対して、孔径数mmの引き出し電極から引き出されるイオンの量は、プラズマ全体の数%以下であり、その他の大部分のイオンは放電室の壁に衝突して消滅する。このように、プラズマの直径が引き出すイオンビームの直径に対して必要以上に大きいと、マイクロ波でイオンビームを発生させるためのエネルギー効率が極端に低くなる。例えば、ビーム電流が数百μA以上で、直径が2mmのイオンビームを得るためには、放電室に導入するマイクロ波は数百〜数千W程度必要となる。その結果、放電室の温度が上がってしまい、真空封止のための誘電体窓やOリングが破損する恐れがある。さらに、このような大きな径の放電管内部に磁界を作り、電子サイクロトロン共鳴によりプラズマを発生させる場合、必要な磁石の寸法は直径数10cm以上と大きくなってしまい、スペースや重量の面で不利となる。
一方、従来の同軸管型イオン源においては、同軸管及び放電室の寸法は、入射するマイクロ波の電力により決定される。例えば、200W程度のマイクロ波を導入する場合には、同軸管及び放電室の内径は約2〜4cm必要であり、発生するプラズマの直径も放電室の内径と同程度となる。このように、同軸管型イオン源は導波管型イオン源と比べると、比較的小型なものが設計可能である。それでも、直径数mm以下のイオンビームを必要とする場合には、直径約2〜4cm程度のプラズマは大き過ぎるので、エネルギー効率は不十分である。例えば、ビーム電流が数百μA以上で、直径が2mmのイオンビームを得るためには、放電室に導入するマイクロ波は100〜300W程度必要となり、やはり放電室の温度が上がってしまう。さらに、放電室の内部に磁界を発生し、電子サイクロトロン共鳴によりプラズマを発生させる場合は、磁石の寸法は直径10〜30cmと大きくなってしまい、やはりスペースや重量の面で不利である。
また、導波管型イオン源及び同軸管型イオン源のどちらにおいても、放電室が金属であるため、その金属がプラズマによりスパッタリングされ、放電室内の誘電体部材を汚染し得る。放電室内の誘電体部材が汚染されれば、マイクロ波の透過率が変わってしまい、イオン源の不安定動作を誘発する恐れがある。この問題を解決するために、放電室内壁を誘電体皮膜により覆い隠す方法が知られている。しかし、その誘電体皮膜はプラズマに直接晒されるので、温度が上がり、破損してしまう可能性がある。この現象を回避するためには、誘電体皮膜を冷却することが必要となる。しかしながら、導波管型イオン源や同軸型イオン源のように、金属製の放電室内部に誘電体皮膜が設けられている場合、誘電体皮膜を液体や気体により直接冷却することは非常に困難である。そのため、通常は金属製の放電室を冷却することで、間接的に誘電体皮膜を冷却することが多い。しかし、このような間接的な冷却方法では誘電体皮膜の冷却が不十分である場合が多い。また、金属製の放電室と誘電体皮膜との熱伝導率又は熱膨張率の差異により、各部材に応力や歪みが生じ、イオン源の破損や不安定な動作を誘発する可能性もある。
そこで本発明は、マイクロ波のエネルギー効率が向上し、高安定で長寿命なイオン源を提供することを目的とするものである。
本発明のイオン源は、プラズマを生成するための、誘電体からなる放電と、前記放電にマイクロ波を供給するためのマイクロ波発振器と、プラズマからイオンビームを引き出すための引き出し電極と前記マイクロ波発振器に接続され、前記放電管が貫通する2つの貫通口が形成された、矩形導波管又は円形導波管である導波管前記2つの貫通口のうち一方の貫通口の近傍に配置され、前記放電管が挿通されたリング状の第1の磁石と、前記第1の磁石の一対の面のうちの一方の面に、前記導波管を挟んで一対の面のうちの一方の面が対向するよう、前記2つの貫通口のうち他方の貫通口の近傍に配置され、前記放電管が挿通されたリング状の第2の磁石と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明のイオン源は、プラズマを生成するための、誘電体からなる放電管と、前記放電管にマイクロ波を供給するためのマイクロ波発振器と、プラズマからイオンビームを引き出すための引き出し電極と、前記マイクロ波発振器に接続され、前記放電管が貫通する2つの貫通口が形成された、矩形導波管又は円形導波管である導波管と、前記2つの貫通口のうち一方の貫通口の近傍に配置され、前記放電管が挿通されたリング状の磁石と、前記磁石の一対の面のうちの一方の面に、前記導波管を挟んで対向するよう、前記2つの貫通口のうち他方の貫通口の近傍に配置され、前記放電管が挿通されたリング状の強磁性片と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、放電管の内径の下限を決める制約が無いので、プラズマの直径も任意に小さくでき、イオン源が小型で軽量となる。また、プラズマの大部分がイオンビームとして引き出されるので、マイクロ波でプラズマを発生させるためのエネルギー効率が向上し、放電管の温度上昇を抑制することができる。さらに、プラズマは誘電体である放電管内部に生成されるので、放電管がスパッタリングされることは無く、イオン源が高安定で長寿命となる。
本発明の第1実施形態に係るイオン源の構成を示す概略断面図である。 磁場発生部により発生する磁場の説明図であり、(a)は図1の要部拡大図、(b)は(a)に示すA−A’断面の磁界分布を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るイオン源の構成を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るイオン源の構成を示す概略断面図である。 従来の導波管型イオン源の構成を示す概略断面図である。 従来の同軸管型イオン源の構成を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明する。イオン源は、例えばイオンビーム加工装置やイオン注入装置などに搭載され、所望のイオンビームを発生するものである。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るイオン源100の構成を示す概略断面図である。図1に示すイオン源100は、マイクロ波を出力するクライストロン等のマイクロ波発振器103と、プラズマ101を生成するための誘電体(例えば石英又は酸化アルミニウム)からなる放電室である放電管102と、を備えている。また、イオン源100は、マイクロ波発振器103に接続された金属製の導波管104を備えている。このマイクロ波発振器103には、導波管104を接続するための不図示のフランジが形成されている。そして、マイクロ波発振器103の不図示のフランジと、導波管104の不図示のフランジとを連結することで、マイクロ波発振器103と導波管104との接続がなされる。このようにマイクロ波発振器103に導波管104を接続することで、導波管104にマイクロ波を供給することができる。
導波管104は、例えば矩形導波管である。導波管104には、スリースタブチューナー105が設けられており、マイクロ波の波形を適正に調整することができる。導波管104には、放電管102が貫通して配置されている。具体的には、放電管102が、導波管104のマイクロ波進行方向と直交する方向に導波管104を貫通して配置されている。この放電管102は、例えば円筒形である。なお、図1では、放電管102は矩形導波管の長辺側の両面を貫通して配置されているが、放電管を矩形導波管の短辺側の両面を貫通して配置してもよい。この放電管102は、導波管104よりも細く形成されており、放電管102の内断面積も、導波管104の内断面積よりも小さく形成されている。放電管102の内部には、不図示の配管により放電管102の基端102aから図1中矢印方向にガスが導入される。
また、イオン源100は、放電管102の内部に生成されたプラズマ101からイオンビーム106を引き出すための引き出し電極107a,107bを備えている。引き出し電極107a,107bは、放電管102の先端102bに設けられている。そして、電極107a,107bには、放電管102の内径(直径)よりも小さい引き出し孔112a,112bが形成されている。例えば、放電管102の内径は5mmであり、イオンビーム106を引き出すための引き出し電極107aの引き出し孔112aの径は1mmである。引き出し電極107a,107bにより引き出されたイオンビーム106は、集束レンズ108により収束され、不図示の試料に照射される。
以上の構成により、マイクロ波発振器103から出力されたマイクロ波が導波管104を介して放電管102の内部に供給され、マイクロ波の高周波電界により放電管102の内部のガスが電離し、プラズマ101が発生する。そして、このプラズマ101から引き出し電極107a,107bによりイオンビーム106が引き出される。
この構成によれば、放電管102の内径の下限を決める制約が無いので、プラズマ101の直径も任意に小さくできる。そのため、細いイオンビーム106を必要とする場合、すなわち引き出し電極107a,107bの孔112a,112bの直径が小さい場合は、それと同程度にプラズマ101の直径を小さくすることが可能となる。その結果、プラズマ101の大部分がイオンビーム106として引き出されるので、マイクロ波のエネルギー効率が向上する。このようにエネルギー効率を向上させて無駄なプラズマの生成を抑制しているので、プラズマによる放電管102の温度上昇を抑制することができる。また、放電室となる放電管102が小型化できるので、イオン源100が小型で軽量となる。
ところで、導波管104の終端には、気体である空気を導波管104の内部に導くための吸気部113が形成されており、吸気部113には、冷却手段であるファン114が設けられている。また、導波管104には、放電管102に吹き付けた空気を導波管104の外部に排出する排気部115が設けられている。ファン114を運転することにより、導波管104の内部に外気が送り込まれ、放電管102の導波管104内部に位置する貫通部分の外側に空気が吹き付けられ、放電管102が直接冷却される。これにより、放電管102が冷却され、過大な電力のマイクロ波が導入されても、安定した動作が長時間可能となり、高い信頼性が得られる。吸気部113及び排気部115は、例えば、導波管104と同一の金属で形成されたメッシュであり、吸気部113及び排気部115からのマイクロ波の漏洩を抑制している。
さらに、イオン源100は、放電管102の内部及び外部に磁場を発生するための磁場発生手段としての磁場発生部116を備えている。磁場発生部116は、放電管102が貫通する導波管104の2つの貫通口104a,104bのうち、一方の貫通口104aの近傍に配置される第1の磁石としての永久磁石109を備えている。また、磁場発生部116は、他方の貫通口104bの近傍に配置され、導波管104を挟んで永久磁石109と異なる極を永久磁石109に対向させた第2の磁石としての永久磁石110を備えている。また、磁場発生部116は、永久磁石109及び永久磁石110を磁気的に接続する強磁性部材111を備えている。
永久磁石109,110及び強磁性部材111は、図2(a)中、一点鎖線で示す放電管102の軸に対して略回転対称に形成されている。つまり、永久磁石109,110は、リング形状に形成されており、永久磁石109,110のリングの内側には、放電管102が貫通して配置されている。この放電管102は、導波管104よりも細く形成されているので、永久磁石109,110及び強磁性部材111もこの放電管102のサイズに合わせて小さくでき、イオン源100が小型で軽量なものとなる。
永久磁石109,110は、導波管104を挟んで互いに対向する対向面109a,110aと、その反対側の面109b,110bとを有する。そして、面109b,110bには、永久磁石109,110を覆う強磁性部材111が接触して設けられている。例えば、面109aはN極であり、面110aはS極である。また、面109bはS極であり、面110bはN極である。これにより、図2に示す矢印方向に磁力線が発生する。具体的には、永久磁石109,110の対向面109a,110a同士を結ぶ磁力線が放電管102の内部及び外部に発生し、対向面と反対側の面109b,110b同士を結ぶ磁力線が強磁性部材111の内部に発生する。これにより、放電管102の内部及び外部に磁場が生じる磁気回路が構成されている。このように、放電管102の内部に磁界を発生させることにより、電子が磁力線により捕捉され、螺旋軌道の運動をするようになる。その結果、電子とガス分子との衝突確率が高くなり、低圧力下での安定動作が可能となる。
上述したように磁場発生部116を配置すると、図2(a)中矢印で示す磁力線が発生し、図2(b)に示す磁界分布が形成される。つまり、永久磁石109,110同士を対向させることで、放電管102の外側表面近傍P,P’の磁界強度が、放電管102の内部の磁界強度よりも高く設定されている。このように、放電管102の外側表面近傍P,P’の磁界が放電管102の内部の磁界より高くすることにより、プラズマ自身によるマイクロ波の遮蔽効果が打ち消されるので、エネルギー効率はさらに向上する。
また、永久磁石109,110は、放電管102の内部に電子サイクロトロン共鳴が生じる磁界を発生させるように磁化されたものである。このように適正な永久磁石109,110を用いることで、放電管102の内部には電子サイクロトロン共鳴が生じる領域であるECR領域X,X’が形成される。例えば2.45GHzのマイクロ波を使用する場合、875Gの磁界を放電管102の内部に形成するような磁石を選べばよい。このようにECR領域X,X’が放電管102の内部に存在することで、エネルギー効率がさらに向上する。以上、放電管102の内部及び外部の磁界を適正化することで、マイクロ波のエネルギー効率は飛躍的に向上する。
本第1実施形態のイオン源100を用いて酸素イオンビームを引き出したところ、マイクロ波の入力が50Wのとき、500μAのビーム電流が1000時間以上の長時間に亘って安定して得られた。つまり、放電室を導波管104に一体に形成したものではなく、導波管104と別体の誘電体からなる放電管102としたので、プラズマ101は誘電体である放電管102の内部に生成されることとなる。したがって、導波管104の金属にプラズマ101が接触することはないので、導波管104はスパッタリングされることはなく、また、放電管102も誘電体であるので、スパッタリングされることはない。さらに、放電管102の温度上昇も抑制されているので、これらの理由から放電室となる放電管102が長寿命となり、結果、イオン源100が高安定で長寿命となる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態のイオン源について説明する。なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。図3は、本発明の第2実施形態に係るイオン源200の構成を示す概略断面図である。本第2実施形態のイオン源200は、上記第1実施形態の磁場発生部116(図1)とは異なる磁場発生手段としての磁場発生部216を備えている。磁場発生部216は、放電管102が貫通する導波管104の2つの貫通口104a,104bのうち、一方の貫通口104aの近傍に配置される磁石としての永久磁石209を備えている。つまり、本第2実施形態では、磁場発生部216は、1つの永久磁石209を備えている。
また、磁場発生部216は、他方の貫通口104bの近傍から導波管104を跨いで永久磁石209まで延びる強磁性部材211を備えている。具体的に説明すると、強磁性部材211は、他方の貫通口104bの近傍に配置され、導波管104を挟んで永久磁石209の一方の面209aに対向させた第1の強磁性片211aを有している。また強磁性部材211は、第1の強磁性片211aから導波管104を跨いで永久磁石209の他方の面209bに延びて接触する第2の強磁性片211bを有している。そして、第2の強磁性片211bにより、第1の強磁性片211aと永久磁石209とが磁気的に接続される。
永久磁石209及び強磁性部材211は、図3中、一点鎖線で示す放電管102の軸に対して略回転対称に形成されている。つまり、永久磁石209及び第1の強磁性片211aは、リング形状に形成されており、永久磁石209及び第1の強磁性片211aのリングの内側には、放電管102が貫通して配置されている。この放電管102は、導波管104よりも細く形成されているので、永久磁石209及び強磁性部材211もこの放電管102のサイズに合わせて小さくでき、イオン源200が小型で軽量なものとなる。しかも、上記第1実施形態よりも磁石の数が減るので、その分、イオン源200が小型で軽量なものとなる。
このように構成することで、永久磁石209の面209aと、これに対向する強磁性部材211の第1の強磁性片211aとを結ぶ磁力線が放電管102の内部及び外部に発生し、放電管102の内部及び外部に磁場が生じる。また、第2の強磁性片211bの内部にも磁力線が発生する。このように永久磁石209及び強磁性部材211を配置することで、放電管102の外側表面近傍の磁界強度が、放電管102の内部の磁界強度よりも高くなる。したがって、放電管102の外側表面近傍の磁界が放電管102の内部の磁界より高いので、プラズマ自身によるマイクロ波の遮蔽効果が打ち消され、エネルギー効率はさらに向上する。
また、永久磁石209は、放電管102の内部に電子サイクロトロン共鳴が生じる磁界を発生させるように磁化されたものである。このように適正な永久磁石209を用いることで、放電管102の内部には電子サイクロトロン共鳴が生じる領域であるECR領域が形成される。例えば2.45GHzのマイクロ波を使用する場合、875Gの磁界を放電管102の内部に形成するような磁石を選べばよい。このようにECR領域を放電管102の内部に形成することで、エネルギー効率がさらに向上する。以上、放電管102の内部及び外部の磁界を適正化することで、マイクロ波のエネルギー効率は飛躍的に向上する。
なお、放電管102の内径は例えば10mmであり、イオンビーム106を引き出すための引き出し電極107aの孔112aの径は例えば2mmである。そして、本第2実施形態によるイオン源200を用いてアルゴンイオンビームを引き出したところ、マイクロ波の入力が200Wのとき、1mAのビーム電流が1000時間以上の長時間に亘って安定して得られた。つまり、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、イオン源200が高安定で長寿命となるという同様の効果を奏するものである。
[第3実施形態]
次に第3実施形態のイオン源について説明する。なお、本第3実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。図4は、本発明の第3実施形態に係るイオン源300の構成を示す概略断面図である。本第3実施形態のイオン源300は、上記第1実施形態の導波管104とは、形状を異ならせている。すなわち、本第3実施形態のイオン源300の導波管304は、放電管102が貫通している部分309の面間隔が他の部分よりも狭く形成されている。具体的には、引き出し電極107aが配置される側とは反対側の貫通口304a近傍が貫通口304b側に凹むように形成することで他の部分よりも面間隔を狭くしている。このように、導波管304の一部を狭くすることで、局所的にマイクロ波の電界強度を高めることができ、この電界強度が高められた所に放電管102が貫通して配置されているので、ガスの電離が起こりやすくなり、動作が安定する。
また、本第3実施形態のイオン源300は、磁場発生手段としての磁場発生部316を備えている。磁場発生部316は、放電管102が貫通する導波管304の2つの貫通口304a,304bのうち、一方の貫通口304aの近傍に配置される磁石としての電磁コイル(電磁石)310を備えている。つまり、本第3実施形態では、磁場発生部316は、1つの電磁コイル310を備えている。
また、磁場発生部316は、他方の貫通口304bの近傍から導波管304を跨いで電磁コイル310まで延びる強磁性部材311を備えている。電磁コイル310及び強磁性部材311は、図4中一点鎖線で示す放電管102の軸に対して略回転対称に形成されている。つまり、電磁コイル310はリング形状に形成されており、その内側及び外側に磁界が発生する。電磁コイル310のリング状の内側には、放電管102が貫通して配置される。
そして、強磁性部材311は、他方の貫通口304bの近傍に配置され、導波管304を挟んで電磁コイル310の一方の面310aに対向させた第1の強磁性片311aを有している。また、強磁性部材311は、電磁コイル310の内周面310cと放電管102の外周面102cとの間から電磁コイル310の面310aとは反対側の面310bに延びる第2の強磁性片311bを有している。更に、強磁性部材311は、第1の強磁性片311aと第2の強磁性片311bとを導波管304を跨いで磁気的に接続する第3の強磁性片311cを有している。
以上の磁気回路の構成により、放電管102の内部及び外部には、磁場が発生し、放電管102の外表面近傍の磁界強度は、放電管102の内部の磁界強度よりも高くなる。したがって、上記第1実施形態と同様に、プラズマ自身によるマイクロ波の遮蔽効果が打ち消され、エネルギー効率はさらに向上するという効果を奏する。そして、電磁コイル310の磁界強度(電流量)を適正に調整することで、放電管102の内部の引き出し電極107aの近傍に、ECR領域を形成するのに必要な磁場を発生させることができる。
なお、放電管102の内径は例えば5mmであり、イオンビーム106を引き出すための引き出し電極107aの孔112aの径は例えば2mmである。そして、本第3実施形態によるイオン源300を用いてSFイオンビームを引き出したところ、マイクロ波の入力が300Wのとき、1mAのビーム電流が1000時間以上の長時間に亘って安定して得られた。つまり、本第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、イオン源200が高安定で長寿命となるという同様の効果を奏するものである。
なお、上記第1〜第3実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記第1、第2実施形態では、磁石が永久磁石である場合について説明したが、これに限定するものではなく、磁石が電磁石であってもよい。また、上記第3実施形態では、磁石が電磁石である場合について説明したが、これに限定するものではなく、磁石が永久磁石であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、導波管が矩形導波管の場合について説明したが、これに限定するものではなく、円形導波管の場合についても適用可能である。また、上記第1〜第3実施形態では、磁場発生手段としての磁場発生部が、放電管の内部及び外部に磁場を発生させる場合について説明したが、これに限定するものではなく、磁場発生手段が、放電管の内部のみに磁場を発生させる場合についても適用可能である。また、上記第1〜第3実施形態では、磁場発生手段としての磁場発生部により発生させた磁場によって放電管の内部にECR領域が形成される場合について説明したが、これに限定するものではなく、必ずしもECR領域が形成されなくてもよい。また、上記第1〜第3実施形態では、放電管の外表面近傍の磁界強度が、放電管の内部の磁界強度よりも高くなる場合について説明したが、放電管の外表面近傍の磁界強度が、放電管の内部の磁界強度よりも低い場合でもよい。また、磁場発生手段を備えないイオン源についても適用可能である。
100,200,300 イオン源
102 放電管
103 マイクロ波発振器
104,304 導波管
116,216,316 磁場発生部(磁場発生手段)

Claims (8)

  1. プラズマを生成するための、誘電体からなる放電と、
    前記放電にマイクロ波を供給するためのマイクロ波発振器と、
    プラズマからイオンビームを引き出すための引き出し電極と
    前記マイクロ波発振器に接続され、前記放電管が貫通する2つの貫通口が形成された、矩形導波管又は円形導波管である導波管
    前記2つの貫通口のうち一方の貫通口の近傍に配置され、前記放電管が挿通されたリング状の第1の磁石と、
    前記第1の磁石の一対の面のうちの一方の面に、前記導波管を挟んで一対の面のうちの一方の面が対向するよう、前記2つの貫通口のうち他方の貫通口の近傍に配置され、前記放電管が挿通されたリング状の第2の磁石と、を備えたことを特徴とするイオン源。
  2. 前記第1の磁石及び前記第2の磁石が永久磁石であり、
    前記第1の磁石の一方の面がN極、前記第2の磁石の一方の面がS極であることを特徴とする請求項1に記載のイオン源。
  3. 前記第1の磁石の他方の面と前記第2の磁石の他方の面とに跨って配置された強磁性部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン源。
  4. プラズマを生成するための、誘電体からなる放電管と、
    前記放電管にマイクロ波を供給するためのマイクロ波発振器と、
    プラズマからイオンビームを引き出すための引き出し電極と、
    前記マイクロ波発振器に接続され、前記放電管が貫通する2つの貫通口が形成された、矩形導波管又は円形導波管である導波管と、
    前記2つの貫通口のうち一方の貫通口の近傍に配置され、前記放電管が挿通されたリング状の磁石と、
    前記磁石の一対の面のうちの一方の面に、前記導波管を挟んで対向するよう、前記2つの貫通口のうち他方の貫通口の近傍に配置され、前記放電管が挿通されたリング状の強磁性片と、を備えたことを特徴とするイオン源。
  5. 前記磁石が永久磁石であり、
    前記磁石の一方の面がN極又はS極であることを特徴とする請求項に記載のイオン源。
  6. 前記磁石が電磁コイルであり、
    前記磁石の内側に、前記放電管が貫通する筒状の強磁性片が設けられており、
    前記筒状の強磁性片の一方の端面が、前記導波管を挟んで前記リング状の強磁性片に対向していることを特徴とする請求項に記載のイオン源。
  7. 前記磁石の他方の面と前記リング状の強磁性片とに跨って配置された強磁性部材を備えたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のイオン源。
  8. 前記放電管を気体により直接冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のイオン源。
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