JP5556941B2 - 導波路構造、プリント配線板、および電子装置 - Google Patents

導波路構造、プリント配線板、および電子装置 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロ波、ミリ波の導波路構造、及びそれを備えるプリント配線板に関し、特に電磁波伝播を抑制するエレクトロマグネティックバンドギャップ(EBG)構造、及びそれを備えるプリント配線板、並びに電子装置に関する。
近年、導体パッチ等を周期的に配列させることで、電磁波の周波数分散を人工的に制御する方法が提案されている。このような構造のうち、周波数分散にバンドギャップを有するように構成された構造は、EBG構造と呼ばれ、プリント基板やデバイスパッケージ基板における不要ノイズの伝播を抑制するフィルタとしての応用が期待されている。
従来、平行平板間を伝播するノイズの抑制を目的としたEBG構造として、例えば特許文献1に記載されている構造が知られている。このEBG構造は、平行平板間の第3層に設けられ、平行平板の一方の導体プレーンとの間でキャパシタンスを持つように構成された導体パッチと、前記導体パッチと平行平板の他方の導体プレーンとを接続する導体ビアと、からなるアドミタンス部を有し、このアドミタンス部が平行平板に沿って1次元又は2次元に周期的に配置されている。このEBG構造によれば、アドミタンス部がインダクタンス性となる周波数帯にバンドギャップが出現するため、アドミタンス部のLC直列共振周波数を制御することによってバンドギャップ帯域を設計することができる。
しかしながら、上記したEBG構造では十分なキャパシタンスやインダクタンスを確保するため、導体パッチの面積を大きくしたり、導体ビアを長くしたりする必要があり、小型化が困難という課題があった。
そこで、従来、例えば特許文献2に記載されているように、チップキャパシタを表面実装して、導体プレーンと導体パッチの間に並列に接続する構造が提案されている。この構造によれば、導体パッチの面積を大きくすることなくキャパシタンスを増加させている。
米国特許出願公開第2005/0195051A1号明細書 米国特許出願公開第2005/0205292A1号明細書
しかしながら、上記した特許文献2のようにチップキャパシタを使用する場合、部品点数が増えるため、製造コストが増加する問題点がある。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、小型化可能なEBG構造(導波路構造)を、チップ部品を用いることなく低コストに実現し提供すること、およびそれを用いたプリント基板やパッケージ基板(プリント配線板)、および電子装置を提供することを目的とする。
本発明に係る導波路構造は、少なくとも、平行に配設された第1、第2の導体プレーンと単位構造とを備えている。単位構造は、前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に配設され、該第2の導体プレーンをリターンパスとし、一端がオープン端となっている伝送線路と、該伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを電気的に接続する導体ビアと、を有する。この単位構造は複数配列されている。
このように、本発明に係る導波路構造は、従来キャパシタンス成分とインダクタンス成分で構成されていたアドミタンス部に、オープンスタブ(オープン端)を有する点が特徴的である。オープンスタブはスタブ長に依存するインピーダンス変換効果によって、特定周波数帯でインダクタンス性となるため、スタブ長を調整することで所望の周波数帯にバンドギャップを生じさせることができる。バンドギャップの低周波化にはスタブ長を長くする必要があるが、必ずしも面積を必要としないため、従来技術に比べて実装面積を大幅に削減することができる。また本発明のEBG構造では、チップ部品を使用しないため、製造工程・コストを低減することが可能となる。
また、本発明に係る導波路構造は、前記伝送線路が、前記第2の導体プレーンに対して、前記第1の導体プレーンの反対側に設けられ、前記第2の導体プレーンの前記導体ビアに対応した位置にクリアランスが設けられていることで、前記第2の導体プレーンと前記導体ビアとが電気的に切り離されていることが好ましい。
また、本発明に係る導波路構造は、前記伝送線路が誘電体層によって覆われていることが好ましい。
また、本発明に係る導波路構造は、前記伝送線路が、前記第1の導体プレーンと前記第2の導体プレーンとで挟まれた領域の内側に設けられていることが好ましい。
また、本発明に係る導波路構造は、単位構造が、前記第1の導体プレーンと前記2の導体プレーンとの間に配設され、該第2の導体プレーンをリターンパスとする第1の伝送線路と、前記第2の導体プレーンに対して前記第1の導体プレーンの反対側に設けられ、前記第2の導体プレーンをリターンパスとし、一端がオープン端となっている第2の伝送線路と、前記第1の伝送線路の一端と前記第1の導体プレーンとを電気的に接続する第1の導体ビアと、前記第1の伝送線路の他端と前記第2の伝送線路の他端とを電気的に接続する第2の導体ビアと、を有しており、この単位構造が1次元又は2次元に周期的に配列されており、前記第2の導体プレーンの前記第2の導体ビアに対応した位置にクリアランスが設けられていることで、前記第2の導体プレーンと前記第2の導体ビアとが電気的に切り離されている構成であってもよい。
また、本発明に係る導波路構造は、単位構造が、前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に配設され、前記第1の導体プレーンをリターンパスとし、一端がオープン端となっている第1の伝送線路と、前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に配設され、該第2の導体プレーンをリターンパスとし、一端がオープン端となっている第2の伝送線路と、前記第1の伝送線路の他端と前記第2の伝送線路の他端とを電気的に接続する導体ビアと、を有しており、この単位構造が1次元又は2次元に周期的に配列されている構成であってもよい。
また、本発明に係る導波路構造は、前記第1の伝送線路及び前記第2の伝送線路のうちの少なくとも一方が、前記第1の導体プレーンと前記第2の導体プレーンとで挟まれた領域の外側に配設され、前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンのうちの少なくとも一方の前記導体ビアに対応した位置にクリアランスが設けられていることで、前記第1の導体プレーンと前記導体ビア、及び前記第2の導体プレーンと前記導体ビアとが電気的に切り離されていることが好ましい。
また、本発明に係る導波路構造は、単位構造が、前記第1の導体プレーンと前記2の導体プレーンとの間に配設され、該第2の導体プレーンをリターンパスとする第1の伝送線路と、前記第2の導体プレーンに対して前記第1の導体プレーンの反対側に設けられ、前記第2の導体プレーンをリターンパスとし、一端がオープン端となっている第2の伝送線路と、前記第1の導体プレーンと前記第1の伝送線路との間に配設され、前記第1の導体プレーンをリターンパスとする第3の伝送線路と、前記第1の導体プレーンに対して前記第2の導体プレーンの反対側に設けられ、前記第1の導体プレーンをリターンパスとし、一端がオープン端となっている第4の伝送線路と、前記第1の伝送線路の一端と前記第3の伝送線路の一端とを電気的に接続する第1の導体ビアと、前記第1の伝送線路の他端と前記第2の伝送線路の他端とを電気的に接続する第2の導体ビアと、前記第3の伝送線路の他端と前記第4の伝送線路の他端とを電気的に接続する第3の導体ビアと、を有しており、この単位構造が1次元又は2次元に周期的に配列されており、前記第1の導体プレーンの前記第3の導体ビアに対応する位置にクリアランスが設けられるとともに、前記第2の導体プレーンの前記第2の導体ビアに対応する位置にクリアランスが設けられることで、前記第1の導体プレーンと前記第3の導体ビアとが電気的に切り離されているとともに、前記第2の導体プレーンと前記第2の導体ビアとが電気的に切り離されている構成であってもよい。
また、本発明に係る導波路構造は、前記伝送線路のうち少なくとも1つが直線形状であり、隣接する前記導体ビアを結ぶ線分と前記伝送線路とが一定の角度を持って配設されることが好ましい。
また、本発明に係る導波路構造は、前記伝送線路のうち少なくとも1つがスパイラル形状であってもよい。
また、本発明に係る導波路構造は、前記伝送線路のうち少なくとも1つがミアンダ形状であってもよい。
また、本発明に係るプリント配線板は、上記した何れかの構成の導波路構造を備えることを特徴としている。
なお、本発明におけるプリント配線板は、電子部品が実装されていない状態のプリント基板、及び電子部品が実装された状態のパッケージ基板の双方を含む概念とする。
また、本発明に係るプリント配線板は、前記オープン端の伝送線路長が異なる複数の導波路構造が備えられ、該複数の導波路構造のバンドギャップ帯にずれが生じていることが好ましい。
本発明によれば、小型化が可能であり、さらに製造コストを低減することが可能である導波路構造、およびそれを用いたプリント配線板を提供することができる。
本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態を説明するためのEBG構造の平面図である。 本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態を説明するための等価回路図である。 本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態を説明するためのプロット図である。 本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態を説明するための計算結果の図である。 本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の平面図である。 本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態を説明するためのEBG構造の平面図である。 本発明に係る導波路構造の第2の実施の形態を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第2の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第3の実施の形態を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第3の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第4の実施の形態を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第4の実施の形態を説明するための等価回路図である。 本発明に係る導波路構造の第4の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第4の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第5の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第5の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の平面図である。 本発明に係る導波路構造の第5の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の断面図である。 本発明に係る導波路構造の第5の実施の形態の変形例を説明するためのEBG構造の平面図である。 本発明に係るプリント配線板の第1の実施の形態を説明するためのプリント基板の平面図である。 本発明に係るプリント配線板の第1の実施の形態を説明するためのプリント基板の断面図である。 本発明に係るプリント配線板の第1の実施の形態の変形例を説明するためのプリント基板の平面図である。 本発明に係るプリント配線板の第1の実施の形態を説明するためのプリント基板の平面図である。 本発明に係るプリント配線板の第2の実施の形態の変形例を説明するためのプリント基板の平面図である。 本発明に係るプリント配線板の第2の実施の形態の変形例を説明するためのプリント基板の平面図である。
以下、本発明に係る導波路構造およびプリント配線板の実施の形態について、図面に基いて説明する。
なお、下記の実施の形態では、基板厚さ方向(図1における縦方向)を「厚さ方向」とする。
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る導波路構造の第1の実施の形態の構成について、図1、図2に基いて説明する。
図1は本実施の形態のEBG構造の断面図を示す。図2は本実施の形態の平面図である。図1は図2に示すA−A´間の断面図である。
本実施の形態のEBG構造(導波路構造)は、平行平板型導波路構造であり、図1に示すように、厚さ方向に間隔をあけて平行に配設された第1、第2の導体プレーン1,2と、後述する単位構造3と、を備えている。単位構造3は、第1の導体プレーン1及び第2の導体プレーン2と異なる層に配設された伝送線路4と、その伝送線路4の他端と第1の導体プレーン1とを電気的に接続する導体ビア5と、を有している。
詳しく説明すると、EBG構造には、第1の誘電体層6と、第1の誘電体層6の厚さ方向の一方側(上側)に積層された第2の誘電体層7と、が備えられており、第1の誘電体層6の厚さ方向の他方側(下面)に第1の導体プレーン1が配設されており、第1の誘電体層6と第2の誘電体層7との間に第2の導体プレーン2が配設されている。また、導体ビア5は、厚さ方向に延設されており、第2の導体プレーン2の一方側(上面)から第1の導体プレーン1の他方側(下面)にかけて延設されている。また、第2の誘電体層7の厚さ方向の一方側(上面)に伝送線路4が配設されている。つまり、伝送線路4は、第2の導体プレーン2に対して第1の導体プレーン1の厚さ方向の反対側に配設されている。
伝送線路4は、第2の導体プレーン2をリターンパスとする伝送線路であり、一端(図1における右側の端部)がオープン端となっており、伝送線路4がオープンスタブとして機能するように構成されている。伝送線路4の他端(図1における左側の端部)には、同一平面上に形成されたパッド8が電気的に接続されており、このパッド8と第1の導体プレーン1とは、厚さ方向に延設された導体ビア5を介して電気的に接続されている。第2の導体プレーン2には、導体ビア5に対応する位置にクリアランス9が設けられており、このクリアランス9によって導体ビア5と第2の導体プレーン2とが電気的に切り離されて電気的に接触していない状態となっている。
上記したEBG構造では、前記した伝送線路4、パッド8及び導体ビア5がアドミタンス部として機能し、このアドミタンス部と前記したクリアランス9を有する単位構造を、独立なベクトルA=(A1, A2)、およびB=(B1,B2)、で定義される、xy平面上の格子点に少なくともひとつ以上を周期的に配置させた構造をとる。本実施の形態では、最も基本的な格子点として、図2に示すA=(a,0)、B=(0,a)の正方格子の場合を例に説明する。本実施の形態では、伝送線路4がA=(a,0)、B=(0,a)と一定の角度をなしており、周囲のクリアランス9等と干渉することなく、伝送線路の長さdを長くとることが可能である。なお厳密には、図2の点線Y−Y´で定義される断面内には伝送線路4が含まれないが、Y−Y´間における断面図、図1では説明の便宜から伝送線路4を点線で図示した。また、図2は説明の便宜から第2の誘電体層7を透視して、第2の導体プレーン2を図示した。
次に上記したEBG構造の基本的な動作原理を説明する。
図3は、図2におけるx軸またはy軸に沿った方向の等価回路である。図4は、並列アドミタンス部のアドミタンスの虚部をプロットしたものである。図5は、本実施の形態におけるEBG構造中を伝播する電磁波の挿入損失の計算結果である。
図3に示すように、本実施の形態の等価回路繰り返し単位10は、直列インピーダンス部11と並列アドミタンス部12とで構成される。直列インピーダンス部11は、前記第1、第2の導体プレーン1,2がつくるインダクタンス13からなる。並列アドミタンス部12は、前記第1、第2の導体プレーン1,2がつくるキャパシタンス14と、前記導体ビア5のつくるインダクタンス15と、伝送線路4とからなる。この等価回路繰り返し単位10が周期的に少なくとも1つ以上接続されることにより、本実施の形態のEBG構造の等価回路が形成される。
本実施の形態のEBG構造では、前記並列アドミタンス部12がインダクタンス性を示す周波数帯にバンドギャップが生じる。並列アドミタンス部12のアドミタンスは次式(1)で表される。
Figure 0005556941
パッド側から見た伝送線路4の入力インピーダンスは、次式(2)で表される。
Figure 0005556941
図4には、前記式(1)および式(2)から計算されるアドミタンスの虚部の周波数依存性16が示されている。計算にあたり使用したパラメータは、キャパシタンス14が0.73pF、インダクタンス15が0.22nH、伝送線路4の特性インピーダンスが20.25Ω、伝送線路4の線路長dが7.5mm、伝送線路4の実効比誘電率が 3.47である。伝送線路4はオープン端のため、伝送線路4の終端抵抗は無限大とした。アドミタンスは伝送線路4におけるインピーダンス変換効果により、キャパシタンス性( Im(Y) > 0 )とインダクタンス性( Im(Y) < 0 )が周期的に入れ替わる。図4の周波数帯域17がIm(Y) が負になり、インダクタンス性を示す周波数帯である。したがって、この周波数帯域17でバンドギャップが生じることが予想される。
本実施の形態のEBG構造では前記の等価回路繰り返し単位10に対応した物理構造を、一定の格子間隔aで定義されるxy平面の格子点上に周期的に配置させる。このため厳密には、図3の等価回路繰り返し単位10に対して周期境界条件を課すことで、構造の周期性を考慮したバンドギャップ帯域を計算する必要がある。図5は、格子間隔をa=3mmとしたとき、本実施の形態のEBG構造中を距離7×aだけ伝播する電磁波の挿入損失(S21)を計算した結果である。図5に示す点線18は、等価回路繰り返し単位10に周期境界条件を課して計算した結果を表す。回路パラメータは図4の計算と同一である。図5に示す実線19は、3次元電磁界解析による数値計算の結果を表す。電磁界解析モデルの構造寸法は、第1の誘電体層6の厚さt=400μm、第2の誘電体層7の厚さh=60μm、導体ビア5の幅b=300μm、伝送線路4の線路長d =7.5mmとした。図5をみれば等価回路計算のバンドギャップ帯域は、電磁界解析結果とほぼ一致している。
図5の厳密な計算によるバンドギャップ周波数帯は、図4で示した周波数帯域17ともほぼ一致する。このことから、本実施の形態のEBG構造のバンドギャップ周波数帯はアドミタンスの周波数特性でおおよそ説明出来ることがわかる。並列アドミタンス部12のアドミタンスは上記した式(1)、式(2)で決定されることから、これらの式中のパラメータを適切に設計することによってバンドギャップ帯域を所望の周波数帯にもってくることができる。特に伝送線路長dは設計自由度が高いため、伝送線路長dを変化させることにより、容易にバンドギャップ帯域を制御することが可能である。バンドギャップ帯域を低周波化するには伝送線路長dを長くする必要があるが、必ずしも面積は必要としないため、本実施の形態のEBG構造を採用することによって実装面積を削減することが可能である。また、本実施の形態のEBG構造はチップ部品を必要としないため、従来技術と比べて製造コストを低減することができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、図1に示すように、伝送線路4の上部に構造がない場合を示したが、本発明は、伝送線路4の上部に構造があってもよい。例えば、図6に示すように、伝送線路4の上部に、更なる誘電体層(第3の誘電体層20)を設けている。この第3の誘電体層20を設けることにより、伝送線路4の実効比誘電率を増加させることができる。式(2)によれば、伝送線路4の実効比誘電率が大きいほど伝送線路4におけるインピーダンス変換効果も顕著になることから、伝送線路長dを長くすることなくバンドギャップ帯域を低周波化することが可能である。したがって、バンドギャップ帯域の低周波化を目的にする場合、更なる誘電体層20として比誘電率の大きな誘電体材料を用いることが好ましい。ただし、バンドギャップ帯域の低周波化を目的とせず、更に上部に層を積層していく場合は、どのような誘電体材料を用いてもよい。
また、伝送線路4は一端がオープン端になっており、他端がパッド8に接続されていれば、どのような配置・形状でも本発明の本質的な効果に何ら影響を与えるものではない。
したがって、上述した第1の実施の形態では、図2に示すように、伝送線路4が周囲のクリアランス9等と干渉しないようにx軸、y軸と一定の角度をなすように配置した場合を示したが、クリアランス9等との干渉がなければ、当然軸と平行に配置してもよい。具体的に説明すると、上述した第1の実施の形態では、図2に示すように伝送線路4が直線形状の場合を示したが、本発明は、例えば、図7(a)に示すようなスパイラル形状や、図7(b)に示すようなミアンダ形状としてもよい。この場合、小さい実装面積で伝送線路長dを確保することが可能となる。
また、伝送線路4は、必ずしも、図2のようにすべての単位構造3で、配置・形状をそろえる必要はない。例えば、図8に示すように、表面に実装された部品Xを避けるように配線することで、高密度な実装が可能となる。
また、図2では単位構造3を周期的に配置する格子として、正方格子の例を示したが、格子形状は必ずしも正方格子に限らない。たとえば、三角格子や1次元周期配列でも、同様の効果を得ることができる。
なお、ここでは、導体ビア5と伝送線路4の接続部にパッド8を設けた構造を示しているが、これは製造上の都合によるものであり、パッド8のない構造であっても本発明の本質的な効果に何ら影響を与えるものではない。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る導波路構造の第2の実施の形態の構成について、図9に基いて説明する。
図9は本実施の形態のEBG構造の断面図である。
なお、本実施の形態のEBG構造は、上述した第1の実施の形態のEBG構造の変形例であり、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のEBG構造は、図9に示すように、伝送線路104が、第1の導体プレーン1と第2の導体プレーン2とで挟まれた領域の内側に設けられている。詳しく説明すると、本実施の形態のEBG構造は、第1の誘電体層6の厚さ方向の他方側(下面)に第1の導体プレーン1が配設され、第2の誘電体層7の厚さ方向の一方側(上面)に第2の導体プレーン2が配設されている。第1の誘電体層6と第2の誘電体層7に挟まれた中間層には、第2の導体プレーン2をリターンパスとする伝送線路104が配置されている。
この伝送線路104は、第1の実施の形態における伝送線路4と同様に、その一端がオープン端となっており、オープンスタブとして機能する。伝送線路104の他端は、同一平面にあるパッド8に接続されており、パッド8と前記第1の導体プレーン1は導体ビア105を介して電気的に接続されている。また、上述した第1の実施の形態と同様に、前記伝送線路104、パッド8、および導体ビア105がアドミタンス部として機能し、前記アドミタンス部と第2の導体プレーン2に設けられたクリアランス9とが単位構造3となる。本実施の形態における単位構造3の配置および伝送線路104の配置・形状は、上述した第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態のEBG構造では、伝送線路104が2つの導体プレーン1,2によって遮蔽されるため、伝送線路104から外部への不要な電磁波放射を低減することができる。
なお、上述した第2の実施の形態では、図9に示すように、導体ビア105が貫通ビアの場合を示したが、パッド8と第1の導体プレーン1とが電気的に接続されていれば、必ずしも貫通ビアである必要はない。例えば、図10に示すように、非貫通ビアの導体ビア105´が設けられていても本発明の効果に何ら影響を与えない。図10に示すEBG構造の場合は、第2の導体プレーン2にクリアランス9を設ける必要がないため、クリアランス9の部分から外部への電磁波放射を無くすことができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る導波路構造の第3の実施の形態の構成について、図11に基いて説明する。
図11は本実施の形態のEBG構造の断面図である。
なお、本実施の形態のEBG構造は、上述した第2の実施の形態のEBG構造の変形例であり、上述した第2の実施の形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のEBG構造は、図11に示すように、第1の導体プレーン1と第2の導体プレーン2との間に配設された第1の伝送線路204Aと、第2の導体プレーン2に対して第1の導体プレーン1の反対側に配設された第2の伝送線路204Bと、第1の伝送線路204Aの一端(図11における左側の端部)と第1の導体プレーン1とを電気的に接続する第1の導体ビア205Aと、第1の伝送線路204Aの他端(図11における右側の端部)と第2の伝送線路204Bの他端とを電気的に接続する第2の導体ビア205Bと、を有する単位構造203を備えている。
詳しく説明すると、本実施の形態は、上述した第2の実施の形態と同様に、第1の誘電体層6の厚さ方向の他方側(下面)に第1の導体プレーン1が配設され、第2の誘電体層7の厚さ方向の一方側(上面)に第2の導体プレーン2が配設されている。また、第2の誘電体層7の厚さ方向の一方側(上面)には、第2の導体プレーン2を覆う第3の誘電体層(表層誘電体層220)が積層されている。また、上述した第2の実施の形態における伝送線路104の位置(第1の誘電体層6と第2の誘電体層7との間)に第1の伝送線路204Aが配設されており、前記した表層誘電体層220の厚さ方向の一方側(上面)に、一端がオープン端の第2の伝送線路204Bが配設されている。第1の伝送線路204Aは、第2の導体プレーン2をリターンパスとする伝送線路であり、第1の伝送線路204Aの両端には、同一平面状に形成されたパッド8A,8Bがそれぞれ電気的に接続されている。また、第2の伝送線路204Bは、第2の導体プレーン2をリターンパスとする伝送線路であり、第2の伝送線路204Bの一端は、オープン端となっており、第2の伝送線路204Bがオープンスタブとして機能するように構成されている。また、第2の伝送線路204Bの他端は、同一平面状に形成されたパッド8が電気的に接続されている。
第1の伝送線路204Aの一端に設けられたパッド8Aと第1の導体プレーン1とは、厚さ方向に延設された第1の導体ビア205Aを介して電気的に接続されている。また、第1の伝送線路204Aの他端に設けられたパッド8Bと第2の伝送線路204Bの他端に設けられたパッド8とは、厚さ方向に延設された第2の導体ビア205Bを介して電気的に接続されている。第2の導体プレーン2には、第2の導体ビア205Bに対応する位置にクリアランス9が設けられており、このクリアランス9によって第2の導体ビア205Bと第2の導体プレーン2とが電気的に切り離されて電気的に接触していない状態となっている。
本実施の形態のEBG構造では、中間層の第1の伝送線路204Aと、表層の第2の伝送線路204Bとがひとつのオープンスタブとして機能するため、小さい実装面積で十分な伝送線路長dを確保することが可能となる。
なお、第1の伝送線路204A及び第2の伝送線路204Bの配置および形状は、第1、第2の実施の形態と同様に、さまざまなパターンが考えられる。たとえばスパイラル形状やミアンダ形状としてもよい。これにより、より小さい面積で実装可能なEBG構造を提供することができる。
また、上述した第3の実施の形態では、図11に示すように、第1、第2の導体ビア205A,205Bとして非貫通ビアを用いた場合を示したが、貫通ビアを用いることも当然可能である。例えば、図12に示すように、第2の導体ビア205Bとして貫通ビアの第2の導体ビア205B´を設けることも可能である。図12に示すEBG構造では、第1の導体プレーン1の、第2の導体ビア205B´に対応した位置に、クリアランス9を設けて、前記第1の導体プレーン1と第2の導体ビア2との電気的な接続を避けている。
また、同様に第1の導体ビア205Aに貫通ビアを用いることも可能である。
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る導波路構造の第4の実施の形態の構成について、図13に基いて説明する。
図13は本実施の形態のEBG構造の断面図である。
なお、本実施の形態のEBG構造は、上述した第1の実施の形態のEBG構造の変形例であり、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
上述した第1乃至第3の実施の形態のEBG構造では、平行平板型導波路を構成する第1、第2の導体プレーン1,2のうち、第2の導体プレーン2側にのみ伝送線路4,104,204A,204Bが設けられており、これらの伝送線路4,104,204A,204Bは第2の導体プレーン2をリターンパスとする構成となっているが、本実施の形態では、第1、第2の導体プレーン1,2にそれぞれ伝送線路304A,304Bが設けられている。すなわち、本実施の形態のEBG構造は、第1の実施の形態のEBG構造を上下方向に鏡面対称にした構成となっており、図13に示すように、第1、第2の導体プレーン1,2と異なる層に配設され、第1の導体プレーン1をリターンパスとする第1の伝送線路304Aと、第1、第2の導体プレーン1,2と異なる層に配設され、第2の導体プレーン2をリターンパスとする第2の伝送線路304Bと、第1、第2の伝送線路304A,304Bの端部同士を電気的に接続する導体ビア305と、を有する単位構造303を備えている。
詳しく説明すると、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態と同様に、第1の誘電体層6の厚さ方向の他方側(下面)に第1の導体プレーン1が配設され、第1の誘電体層6と第2の誘電体層7との間に第2の導体プレーン2が配設されている。また、第1の誘電体層6の厚さ方向の他方側(下面)には、第1の導体プレーン1を覆う第3の誘電体層(裏層誘電体層320)が積層されている。裏層誘電体層320の厚さ方向の他方側(下面)には、第1の伝送線路304Aが配設されており、表層の第2の誘電体層7の厚さ方向の一方側(上面)には、第2の伝送線路304Bが配設されている。つまり、第1の伝送線路304A及び第2の伝送線路304Bが、第1の導体プレーン1と第2の導体プレーン2とで挟まれた領域の外側にそれぞれ配設されている。
前記した第1の伝送線路304Aの一端(図13における右側の端部)及び第2の伝送線路304Bの一端は、それぞれオープン端となっており、第1、第2の伝送線路304A,304Bがそれぞれオープンスタブとして機能するように構成されている。一方、1の伝送線路304Aの他端(図13における左側の端部)及び第2の伝送線路304Bの他端には、同一平面状に形成されたパッド8がそれぞれ電気的に接続されている。伝送線路304A側のパッド8と第2の伝送線路304B側のパッド8とは、厚さ方向に延設された導体ビア305を介して電気的に接続されている。第1、第2の導体プレーン1,2には、導体ビア305に対応する位置にクリアランス9がそれぞれ設けられており、これらのクリアランス9によって導体ビア305と第1、第2の導体プレーン1,2とが電気的に切り離されて電気的に接触していない状態となっている。
図14は本実施の形態のEBG構造の等価回路である。
図14に示すように、本実施の形態の等価回路繰り返し単位310は、直列インピーダンス部311と並列アドミタンス部312とで構成される。直列インピーダンス部311は、第1の実施の形態と同様に前記第1、第2の導体プレーン1,2がつくるインダクタンス313からなる。並列アドミタンス部312は、前記第1、第2の導体プレーン1,2がつくるキャパシタンス314と、前記導体ビア305のつくるインダクタンス315と、第1、第2の伝送線路304A,304Bと、からなる。本実施の形態の並列アドミタンス部312は、第1の実施の形態の並列アドミタンス部12にさらに、第2の伝送線路304Bによるオープンスタブが直列に接続された回路となる。本実施の形態の場合も、第1の実施の形態の場合と全く同様に、並列アドミタンス部312のアドミタンスが負となる周波数帯域にバンドギャップが生じる。
なお、上述した第4の実施の形態のEBG構造は、第1の実施の形態のEBG構造を上下方向に鏡面対称にした構成となっているが、上述した第2、第3の実施の形態のEBG構造を上下方向に鏡面対称にした構成とすることも可能である。
具体的に説明すると、図15に示すように、第2の実施の形態のEBG構造を元として、第1の導体プレーン1と第1の誘電体層6との間に第3の誘電体層120を介在させ、この第3の誘電体層120と第1の誘電体層6との間に、第1の導体プレーン1をリターンパスとする第1の伝送線路104Aが配設されており、第1の誘電体層6と第2の誘電体層7との間に、第2の導体プレーン2をリターンパスとする第2の伝送線路104Bが配設されている。これら第1、第2の伝送線路104A,104Bは、一端はそれぞれオープン端となっており、他端にはパッド8がそれぞれ電気的に接続されており、第1、第2の伝送線路104A,104Bのパッド8同士は非貫通ビアの導体ビア105´を介して電気的に接続されている。
また、図16に示すように、第3の実施の形態のEBG構造を元として、第1の導体プレーン1と第1の誘電体層6との間に第3の誘電体層320Aを介在させ、第3の誘電体層320Aの厚さ方向の他方側(下面)には、第1の導体プレーン1を覆う裏層誘電体層320Bが積層されている。そして、第1の導体プレーン1と第1の伝送線路204Aとの間、具体的には、第1の誘電体層6と第3の誘電体層320Aとの間に、第1の導体プレーン1をリターンパスとする第3の伝送線路204Cが配設されている。また、第1の導体プレーン1に対して第2の導体プレーン2の反対側、具体的には、裏層誘電体層320B”の厚さ方向の他方側(下面)に、第1の導体プレーン1をリターンパスとする第4の伝送線路204Dが配設されている。第3の伝送線路204Cの両端には、同一平面状に形成されたパッド8A,8Bがそれぞれ電気的に接続されている。第4の伝送線路204Dの一端は、オープン端となっており、第2の伝送線路204Bの他端は、同一平面状に形成されたパッド8が電気的に接続されている。
第1の伝送線路204Aの一端に設けられたパッド8Aと第3の伝送線路204Cの一端に設けられたパッド8Aとは、厚さ方向に延設された第1の導体ビア205Aを介して電気的に接続されている。また、第3の伝送線路204Cの他端に設けられたパッド8Bと第4の伝送線路204Dの他端に設けられたパッド8とは、厚さ方向に延設された第3の導体ビア205Cを介して電気的に接続されている。第1の導体プレーン1には、第3の導体ビア205Cに対応する位置にクリアランス9が設けられており、このクリアランス9によって第3の導体ビア205Cと第1の導体プレーン1とが電気的に切り離されて電気的に接触していない状態となっている。
なお、図13、図15、図16に示すように、上下方向に鏡面対称なEBG構造について説明したが、必ずしも対称構造である必要はない。例えば、第1の伝送線路304Aが直線形状であり、第2の伝送線路304Bがスパイラル形状というように、両者が全く異なる形状となる構造も考えられる。またさらに、前記第2の誘電体層7と裏層誘電体層320の厚さが異なる構造も考えられる。この場合は、第1の伝送線路304Aの実効比誘電率と、第2の伝送線路304Bの実効比誘電率とが異なる値となる点に注意が必要である。
[第5の実施の形態]
次に、本発明に係る導波路構造の第5の実施の形態の構成について、図17に基いて説明する。
図17は本実施の形態のEBG構造の断面図であり、図18は本実施の形態のEBG構造の平面図である。図17は図18に示すB−B´間の断面図である。
なお、本実施の形態のEBG構造は、上述した第4の実施の形態のEBG構造の変形例であり、上述した第4の実施の形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のEBG構造は、図13に示す上述した第4の実施の形態のEBG構造では、第1の導体プレーン1をリターンパスとする第1の伝送線路304Aの端部と、第2の導体プレーン2をリターンパスとする第2の伝送線路304Bの端部と、が導体ビア305を介して電気的に接続されているが、第5の実施の形態では、図17に示すように、第2の導体プレーン2をリターンパスとする第2の伝送線路304Bの端部が第1の導体ビア405Aを介して第1の導体プレーン1に電気的に接続されているとともに、第1の導体プレーン1をリターンパスとする第1の伝送線路304Aの端部が第2の導体ビア405Bを介して第2の導体プレーン2に電気的に接続されている。つまり、本実施の形態における単位構造403は、第1の導体プレーン1と第2の伝送線路304Bの端部とを電気的に接続する第1の導体ビア405Aと、第2の導体プレーン2と第1の伝送線路304Aの端部とを電気的に接続する第2の導体ビア405Bと、を有している。
詳しく説明すると、本実施の形態は、上述した第4の実施の形態と同様に、第1の誘電体層6の厚さ方向の他方側(下面)に裏層誘電体層320が積層され、第1の誘電体層6と裏層誘電体層320との間に第1の導体プレーン1が配設され、第1の誘電体層6と第2の誘電体層7との間に第2の導体プレーン2が配設されている。また、また、ている。
裏層誘電体層320の厚さ方向の他方側(下面)には、第1の伝送線路304Aが配設されており、表層の第2の誘電体層7の厚さ方向の一方側(上面)には、第2の伝送線路304Bが配設されている。
第1、第2の伝送線路304A,304Bの他端(図17における左側の端部)にはパッド8がそれぞれ電気的に接続されているが、第1の伝送線路304Aのパッド8と第2の伝送線路304Bのパッド8とは、平面視において互いにずれた位置(重ならない位置)に配設されている。そして、第1の導体プレーン1と第2の伝送線路304Bのパッド8とは第1の導体ビア405Aを介して電気的に接続されているとともに、第2の導体プレーン2と第1の伝送線路304Aのパッド8とは第2の導体ビア405Bを介して電気的に接続されている。つまり、第1の伝送線路304Aとパッド8と第2の導体ビア405Bとからなる第1のアドミタンス部と、第2の伝送線路304Bとパッド8と第1の導体ビア405Aとからなる第2のアドミタンス部と、が備えられており、この第2のアドミタンス部は、図18に示すように平面視において、第1のアドミタンス部をxy平面上でA/2+B/2=(a/2,a/2)だけ平行移動させ、さらに、上下方向に反転させた位置に配設されている。
本実施の形態のEBG構造によれば、図18の平面図に示すとおり、より高密度にアドミタンス部を配置することが可能となり、EBG構造の実装面積を低減することが可能となる。
なお、上述した第5の実施の形態のEBG構造は、図13に示すEBG構造を変形させた構成となっているが、図15に示すEBG構造を同様に変形させることも可能である。
具体的に説明すると、図19に示すように、図15に示すEBG構造を元として、第2の導体プレーン2をリターンパスとする第2の伝送線路104Bの端部が、第1の導体ビア105Aを介して第1の導体プレーン1に電気的に接続されているとともに、第1の導体プレーン1をリターンパスとする第1の伝送線路104Aの端部が、第2の導体ビア105Bを介して第2の導体プレーン2に電気的に接続されている。
さらに、第1、第2の伝送線路のうちの何れか一方を第1、第2の導体プレーン1,2の間の領域の内側に配設するとともに他方を前記領域の外側に配設した非対称構造において、第2の伝送線路の端部を第1の導体ビアを介して第1の導体プレーン1に電気的に接続するとともに、第1の伝送線路の端部を第2の導体ビアを介して第2の導体プレーン2に電気的に接続した構成であってもよい。
また、図18に示すように、本実施の形態では、第1、第2の伝送線路304A,304Bが直線形状の場合を示したが、他の実施の形態同様、どのような形状でもよい。例えば、図20に示すようにスパイラル形状としてもよい。
また、必ずしも第1、第2の伝送線路304A,304Bの形状をそろえる必要はなく、例えば、一方は直線形状、他方はスパイラル形状といった組み合わせも考えられる。
また、ここでは正方格子の場合を例に説明したが、当然一般の格子に対しても同様の構造を実現できる。
次に、本発明に係るプリント配線板の第1の実施の形態について、図21、図22に基いて説明する。
図21は本実施の形態におけるプリント配線板の平面図であり、図22は図21に示すC−C´間の断面図である。
本実施の形態におけるプリント配線板は、上記したEBG構造を内蔵したプリント基板50である。詳しく説明すると、図21、図22に示すように、プリント基板50は、少なくとも、グランドプレーン51と、電源プレーン52と、ノイズ源となるデバイス53と、ノイズの影響を受けやすいデバイス54と、それらデバイス53,54の間に配置されるEBG領域55とを備える。図22に示すように、ノイズ源となるデバイス53およびノイズの影響を受けやすいデバイス54は、いずれも前記グランドプレーン51と前記電源プレーン52に接続されている。また、グランドプレーン51と電源プレーン52は平行平板型導波路を形成している。通常のプリント基板ではノイズ源となるデバイス53から生じたノイズが、前記平行平板型導波路を伝播して、ノイズの影響を受けやすいデバイス54に入ることで、誤動作等を引き起こす。本実施の形態のプリント基板50では、図21に示すように、ノイズ伝播経路を遮断するように、EBG領域55に本発明のEBG構造を配置することで、デバイス53,54間のノイズ伝播を抑制できる。これにより、ノイズの影響を受けやすいデバイス54の誤動作を抑制することが可能となる。
なお、図22では第1の実施の形態のEBG構造を用いた例を示したが、当然、本発明の他の実施の形態のEBG構造を用いることもできる。
また、図21では、EBG領域55を帯状に設けた場合を示したが、EBG領域55はノイズ伝播経路を遮断できればどのような配置でもよい。たとえば図23に示すように、ノイズの影響を受けやすいデバイス54を囲むようにEBG領域55を設けることも可能である。
また、ここでは本発明のEBG構造をプリント基板50に搭載した場合を示したが、本発明の対象は必ずしもプリント基板50に限らない。たとえば、デバイスのパッケージ基板などに本発明のEBG構造を設けることも考えられる。
次に、本発明に係るプリント配線板の第2の実施の形態について、図24に基いて説明する。
図24は本実施の形態におけるプリント配線板の平面図である。
なお、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態におけるプリント基板50は、オープン端の伝送線路長dが異なる複数の導波路構造が備えられ、これら複数の導波路構造のバンドギャップ帯にずれが生じている。
詳しく説明すると、図24に示すように、プリント基板50は、上述した第1の実施の形態と同様、少なくともグランドプレーン51と、電源プレーン52と、ノイズ源となるデバイス53と、ノイズの影響を受けやすいデバイス54とを備える。本実施の形態は、ノイズ伝播経路を遮断するように設けられたEBG領域55に、第1のEBG構造56および第2のEBG構造57を配置してデイバス53,54間のノイズ伝播を抑制する。第1のEBG構造56と第2のEBG構造B57とが、ノイズ伝播方向に並べて配置されている。第1のEBG構造56と第2のEBG構造57とはそれぞれオープンスタブの伝送線路長dが異なっており、バンドギャップ周波数帯も異なる。このため、第1のEBG構造56と第2のEBG構造57とのバンドギャップ帯がずれるように伝送線路長dを設計することにより、単一のEBG構造では実現できない非常に広帯域なバンドギャップを、EBG領域55全体で実現することが可能となる。
なお、図25に示すように、第1のEBG構造156と第2のEBG構造157とがノイズ伝播方向に対して交互に配置された縞状に配置されていてもよい。
また、図26に示すように、第1のEBG構造156と第2のEBG構造157とが格子状(市松模様状)に配置されていてもよい。
いずれの配置でもEBG領域55全体として、広いバンドギャップ帯域を実現することが可能である。
その他に、第1のEBG構造と第2のEBG構造とが混合して配置されていれば、他の配置を採用してもよい。また、さらに広いバンドギャップ帯域が必要な場合は、バンドギャップ帯域をずらしたEBG構造をさらに混合して配置すればよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 第1の導体プレーン
2 第2の導体プレーン
3 単位構造
4 伝送線路
5 導体ビア

Claims (6)

  1. 少なくとも、
    複数の層を有する誘電体基板と、
    前記誘電体基板の異なる層に、少なくとも互いの一部が対向するように配設された第1、第2の導体プレーンと、
    前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に、該第2の導体プレーンと対向するように配設され、一端がオープン端となっている伝送線路、
    前記誘電体基板を面垂直方向に貫通するように形成され、前記伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを電気的に接続する導体ビア、および、
    前記第2の導体プレーンの前記導体ビアに対応した位置に設けられ、前記第2の導体プレーンと前記導体ビアとを電気的に切り離しているクリアランス、
    を有する単位構造と、
    を備え、
    該単位構造が、複数配列されており、前記伝送線路と前記第1の導体プレーンとの間隔より、前記伝送線路と前記第2の導体プレーンとの間隔の方が小さいことを特徴とする導波路構造。
  2. 請求項1に記載の導波路構造において、
    前記伝送線路が、前記第2の導体プレーンに対して、前記第1の導体プレーンの反対側に設けられていることを特徴とする導波路構造。
  3. 請求項1に記載の導波路構造において、
    前記伝送線路が、前記第1の導体プレーンと前記第2の導体プレーンとで挟まれた領域の内側に設けられていることを特徴とする導波路構造。
  4. 少なくとも、
    複数の層を有する誘電体基板と、
    前記誘電体基板の異なる層に、少なくとも互いの一部が対向するように配設された第1、第2の導体プレーンと、
    前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンの間の層に、該第2の導体プレーンと対向するように配設された第1の伝送線路、
    前記第2の導体プレーンに対して、前記第1の導体プレーンの反対側に該第2の導体プレーンと対向するように配設され、一端がオープン端となっている第2の伝送線路、
    前記誘電体基板を面垂直方向に貫通するように形成され、前記第1の伝送線路の一端と前記第1の導体プレーンとを電気的に接続する第1の導体ビア、
    前記誘電体基板を面垂直方向に貫通するように形成され、前記第1の伝送線路の他端と前記第2の伝送線路の他端とを電気的に接続する第2の導体ビア、
    前記第2の導体プレーンの前記第1の導体ビアに対応した位置に設けられ、前記第2の導体プレーンと前記第1の導体ビアとを電気的に切り離している第1のクリアランス、
    前記第2の導体プレーンの前記第2の導体ビアに対応した位置に設けられ、前記第2の導体プレーンと前記第2の導体ビアとを電気的に切り離している第2のクリアランス、および、
    前記第1の導体プレーンの前記第2の導体ビアに対応した位置に設けられ、前記第1の導体プレーンと前記第2の導体ビアとを電気的に切り離している第3のクリアランス
    を有する単位構造と、
    を備え、
    該単位構造が、複数配列されており、前記第1の伝送線路と前記第1の導体プレーンとの間隔より、前記第1の伝送線路と前記第2の導体プレーンとの間隔の方が小さいことを特徴とする導波路構造。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の導波路構造を備えることを特徴とするプリント配線板。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の導波路構造を備えることを特徴とする電子装置。
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