以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするためにそれぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置の概略構成を示す構成図である。図2は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の概略構成を示す平面図である。図3は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の駆動機構の第1要部を示す構成図である。図4は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の駆動機構の第2要部を示す構成図である。なお、図3および図4では、鉛直方向に沿った方向をZ軸とし、これに垂直な方向をX軸及びY軸として表示している。
図1及び図2に示すように、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置100は、人(ユーザ)の頭部10を支持する頭部支持部11を有する基台部として、人の頭部10の後頭部側の略半面を包み込む様に構成されたボウル101を有する。ボウル101を構成するハウジング101aの内部には、支柱102L,102Rが設置されている。この支柱102L,102Rは、ボウル101内の頭部支持部11の左右に位置するように配置されている。すなわち、支柱102L,102Rは、頭部支持部11を挟んで配置されている。
自動洗髪装置100は、人の頭部10を洗浄するための一対の洗浄ユニット12を、ボウル101内に有している。この一対の洗浄ユニット12は、ボウル101内の頭部支持部11を挟んで配置される左洗浄ユニット12Lおよび右洗浄ユニット12Rから構成される。ここで、左洗浄ユニット12Lは第1洗浄ユニットの一例であり、右洗浄ユニット12Rは第2洗浄ユニットの一例である。
左洗浄ユニット12Lの支持軸104Lは、支柱102Lに連結されている。左洗浄ユニット12Lは、支持軸104L周りに回動可能に構成されている。同様に、右洗浄ユニット12Rの支持軸104Rは、支柱102Rに連結されている。右洗浄ユニット12Rは、支持軸104R周りに回動可能に構成されている。
図3に示すように、左洗浄ユニット12Lは、アーム105L,106L,107L,108Lと、パイプ111Lとを備える。ここで、パイプ111Lは配管の一例である。アーム105L,106L,107L,108Lとパイプ111Lとは、頭部支持部11に対向するように配置されている。アーム105L,106L,107L,108Lは、略円弧状や略直線状など所定形状にそれぞれ形成されている。パイプ111Lは、略円弧状など所定形状に形成されている。
左洗浄ユニット12Lのパイプ111Lは、水、湯、洗浄液およびコンディショナーのうちの少なくともいずれかを噴出するための複数のノズル110を有する。ノズル110は、パイプ111Lの頭部支持部11に対向する対向面に設けられている。また、パイプ111Lは、支持軸104Lに固定されたアーム基台103Lに取り付けられ、アーム基台103Lと共に支持軸104Lを中心に回動可能に設置されている。
アーム105L,106L,107L,108Lは、支持軸104Lに固定されたアーム基台103Lに取り付けられている。第一アーム105Lは、アーム基台103Lに取り付けられ、アーム基台103Lとともに支持軸104Lを中心に回動可能に設置されている。
第一アーム105Lには、第二アーム106Lが回動自在に支持されている。第二アーム106Lには、2つの第三アーム107L,108Lが回動自在に支持されている。第三アーム107L,108Lには、支持軸104Lに支持された面と反対側の面(支持体112に支持された人の頭部10と対向する面)に、人の頭部10に接触する複数の接触子109が取り付けられている。この接触子109は、柔軟なゴム質素材で構成されている。
第一アーム105L、第二アーム106L及び第三アーム107L,108Lは、アームハウジング115Lに収容されている。接触子109は、アームハウジング115Lの外部に配置されている。なお、第二アーム106L、第三アーム107L,108Lは、それぞれ、第一アーム105L、第二アーム106Lに自動調芯可能に支持されていてもよい。
図3に示すように、支柱102L内には、モータ201Lが配置されている。モータ201Lの回転出力は、モータ回転出力軸202Lに取り付けられた歯車203Lと、支持軸104Lに取り付けられた歯車204Lとを介して支持軸104Lに伝達される。支持軸104Lに取り付けられたアーム基台103Lは、伝達されたモータ201Lの回転出力によって、矢印205Lの方向に回動自在に駆動できるように構成されている。
また、アーム基台103L内には、モータ206Lが配置されている。モータ206Lの回転出力は、モータ回転出力軸207Laに取り付けられた歯車207Lと、第一アーム105Lのアーム回動軸209Lに取り付けられた歯車208Lとを介して第一アーム105Lに伝達される。第一アーム105Lは、伝達されたモータ206Lの回転出力によって、アーム回動軸209L周りに矢印210Lの方向に回動自在に駆動できるように構成されている。
第一アーム105Lは、人の頭部10を押さえつける力を検出するための圧力センサ211Lを備えるとともに支持軸212Lによって第二アーム106Lを回動自在に支持している。第二アーム106Lは、第三アーム107L,108Lを、支持軸213L,214Lによって回動自在に支持している。
図4には、第三アーム107L,108Lを、頭部10の表皮面から法線方向である支持軸215Lに向けて見た図が示されている。図4では、駆動伝達系を説明するために、アーム基台103L、第一アーム105L、第二アーム106Lなどの配置については、模式的に表現している。
図4に示すように、第二アーム106L内には、モータ301Lが配置されている。モータ301Lの回転出力は、モータ回転出力軸に取り付けられた歯車302Lと、ドライブシャフト304Lに取り付けられた歯車303Lとを介して、ドライブシャフト304Lに伝達される。ドライブシャフト304Lは、伝達されたモータ301Lの回転出力によって回動自在に駆動される。
ドライブシャフト304Lの一端に取り付けられた歯車305Lの回転出力は、円筒ラック306Lを介して、第三アーム107Lに取り付けられた歯車307L及び歯車311Lに伝達される。円筒ラック306Lが支持軸213Lに平行な方向に移動することにより、歯車307Lが回動軸308L周りに回動可能に構成されるとともに歯車311Lが回動軸312L周りに回動可能に構成されている。ここで、円筒ラック306Lは、第二アーム106Lに支持軸213Lによって回動自在に支持されるとともに支持軸213Lに平行な方向に移動可能に保持されている。
円筒ラック306Lは、全体形状が略円筒状に形成されるとともにその側面に軸対称のラック機構306Laを備える。円筒ラック306Lは、ラック機構306Laがドライブシャフト304Lに取り付けられた歯車305Lに係合するとともに、歯車307L及び歯車311Lに係合するように設けられている。
歯車307Lには、2個の接触子109を連結する第四アーム309Lが結合され、2個の接触子109は、歯車307Lと一体的に回動駆動される。同様に、歯車311Lには、2個の接触子109を連結する第四アーム310Lが結合され、2個の接触子109は、歯車311Lと一体的に回動駆動される。
一方、ドライブシャフト304Lの他端に取り付けられた歯車313Lの回転出力は、円筒ラック314Lを介して第三アーム108Lに取り付けられた歯車315L及び歯車318Lに伝達される。そして、円筒ラック314Lが支持軸214Lに平行な方向に移動することにより、歯車315Lが回動軸316L周りに回動可能に構成されるとともに、歯車318Lが回動軸319L周りに回動可能に構成されている。ここで、円筒ラック314Lは、全体形状が略円筒状に形成されるとともにその側面に軸対称のラック機構314Laを備えている。また、円筒ラック314Lは、第二アーム106Lに支持軸214Lによって回動自在に支持されるとともに支持軸214Lに平行な方向に移動可能に保持されている。
歯車315Lには、2個の接触子109を連結する第四アーム317Lが結合されている。そして、この2個の接触子109は、歯車315Lと一体的に回動軸316Lを中心に移動する。同様に、歯車318Lには、2個の接触子109を連結する第四アーム320Lが結合されている。そして、この2個の接触子109は、歯車318Lと一体的に回動軸319Lを中心に移動する。
図5は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の駆動構成の第3要部の動作を説明するための説明図である。図5には、第二アーム106Lに支持された円筒ラック306L,314L、第三アーム107L,108Lに取り付けられた歯車307L,311L,315L,318L、第四アーム309L,310L,317L,320L、接触子109を示している。また、図5では、第二アーム106L及び第三アーム107L,108Lについては、一体として模式的にバー27として表示している。
図5(a)に示すように、左洗浄ユニット12Lでは、円筒ラック306Lが矢印27aの方向に移動すると、円筒ラック306Lの両側に隣接する歯車307L,311Lが、それぞれ矢印27b,27cの方向に回転する。これに伴って、歯車307L,311Lに第四アーム309L,310Lを介して取り付けられた接触子109が、矢印27d,27eの方向に互いに逆方向に移動する。
円筒ラック306Lが矢印27aの方向に移動するとき、円筒ラック314Lについても同様に、円筒ラック314Lの両側に隣接する歯車315L,318Lが、それぞれ矢印27b,27cの方向に回転する。これに伴って、歯車315L,318Lに第四アーム317L,320Lを介して取り付けられた接触子109が、矢印27d,27eの方向に互いに逆方向に移動する。
また、円筒ラック306L,314Lが矢印27aの方向に移動するとき、隣接する異なる第三アーム107L,108Lに取り付けられた隣接する歯車307L,318Lが、互いに逆の方向に回転する。そして、歯車307L,318Lに第四アーム309L、320Lを介して取り付けられた接触子109が、矢印27d,27eの方向に互いに逆方向に移動する。このように、円筒ラック306L,314Lが矢印27aの方向に移動するとき、円筒ラック306L,314Lの軸方向と直交する方向に隣接する2個の接触子109は、矢印27d,27eの方向に近接又は離反するように移動する。
接触子109が人の頭部10の頭皮に接触した後に、円筒ラック306L,314Lを矢印27aの方向に移動させると、接触子109に接触した頭皮の領域を互いに接近又は引き離すことができる。これにより、人の頭部10の頭皮が縮められ又は伸ばされ、人の頭部10の頭皮が揉まれる。
また、接触子109が人の頭部10の頭髪に接触した状態で、円筒ラック306L,314Lを矢印27aの方向に移動させると、接触子109の間に位置する頭髪を挟む又は引っ張ることができる。このようにして、頭髪を構成する髪の束を様々な方向に変位させて移動させることで、髪の束を揉むことができる。
一方、図5(b)に示すように、円筒ラック306L,314Lを矢印27aと反対の方向に移動させると、歯車307L,311L,315L,318L及び接触子109が、それぞれ、図5(a)に示す動作方向と反対方向に移動する。左洗浄ユニット12Lでは、円筒ラック306L,314Lを矢印27aの方向と矢印27aと反対の方向に往復運動させることで、図5(a)に示す状態Aと図5(b)に示す状態Bとを交互に繰り返している。このように交互に繰り返すことで、接触子109を揺動させ、接触子109による揉み動作を実現している。
右洗浄ユニット12Rは、左洗浄ユニット12Lと同様に構成されている。右洗浄ユニット12Rは、アーム105R,106R,107R,108Rと、パイプ111Rとを備えている。アーム105R,106R,107R,108Rとパイプ111Rとは、頭部支持部11に対向するように配置されている。パイプ111Rは、パイプ111Lと同様に構成され、支持軸104Rに固定されたアーム基台103Rに取り付けられている。
アーム105R,106R,107R,108Rは、支持軸104Rに固定されたアーム基台103Rに取り付けられている。第一アーム105Rは、アーム基台103Rに取り付けられ、アーム基台103Rと共に支持軸104Rを中心に回動可能に構成されている。
第一アーム105Rには、第二アーム106Rが、回動自在に支持されている。第二アーム106Rには、2つの第三アーム107R,108Rが、回動自在に支持されている。第三アーム107R,108Rには、人の頭部10に接触する複数の接触子109が、取り付けられている。第一アーム105R、第二アーム106R及び第三アーム107R,108Rは、アームハウジング115Rに収容され、接触子109は、アームハウジング115Rの外部に配置されている。
図3に示すように、支柱102R内にはモータ201Rが配置されている。モータ201Rの回転出力は、モータ回転出力軸202Rに取り付けられた歯車203Rと、支持軸104Rに取り付けられた歯車204Rとを介して、支持軸104Rに伝達される。支持軸104Rに取り付けられたアーム基台103Rは、伝達されたモータ201Rの回転出力によって、矢印205Rの方向に回動自在に駆動できるように構成されている。
アーム基台103R内には、モータ206Rが配置されている。モータ206Rの回転出力は、モータ回転出力軸207Raに取り付けられた歯車207Rと、第一アーム105Rのアーム回動軸209Rに取り付けられた歯車208Rとを介して、第一アーム105Rに伝達される。第一アーム105Rは、伝達されたモータ206Rの回転出力によって、アーム回動軸209R周りに矢印210Rの方向に回動自在に駆動できるように構成されている。
第一アーム105Rは、人の頭部10を押さえつける力を検出するための圧力センサ211Rを備えるとともに、支持軸212Rによって第二アーム106Rを回動自在に支持している。第二アーム106Rは、支持軸213R,214Rによって各々第三アーム107R,108Rを回動自在に支持している。
また、第三アーム107R,108Rには、それぞれ、円筒ラックと係合する歯車が取り付けられている。そして、該歯車には、2個の接触子109を連結する第四アームが結合されている。2個の接触子109は、第二アーム106R内に配置されたモータ301R(図14参照)によって該歯車と一体的に回動駆動される。ここで、右洗浄ユニット12Rの円筒ラックは、第二アーム106Rに支持軸213R,214Rによって回動自在に支持されるとともに、支持軸213R,214Rに平行な方向に移動可能に保持されている。
ここで、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置100の駆動構成の第2要部の具体例について説明する。
図6は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の駆動構成の第2要部の具体例を示す側面図である。図7は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の駆動構成の第2要部の具体例を示す斜視図である。なお、図6及び図7では、第二アーム及び第三アームによって構成されるヘッドケアユニットの具体例を示している。図6及び図7では、第二アーム及び第三アームは略直線状に形成したものを示し、第三アームに取り付けられる歯車は扇状に形成したものを示している。
図6及び図7に示すように、自動洗髪装置100のヘッドケアユニット40は、第二アーム106Lと、第三アーム107L,108Lとによって構成される。ヘッドケアユニット40は、ドライブシャフト304Lと、2つの円筒ラック306L,314Lと、第三アーム107L,108Lを備えている。ここで、ドライブシャフト304Lは、第二アーム106Lに配置されたモータ301Lからの出力を伝達する。2つの円筒ラック306L,314Lは、ドライブシャフト304Lの両端に配置された歯車305L,313Lとそれぞれ係合する。第三アーム107L,108Lは、2つの円筒ラック306L,314Lの中心軸306Lb,314Lbとそれぞれ一致する支持軸213L,214Lに回動自在に保持される。
ヘッドケアユニット40では、モータ301Lの回転出力が、ドライブシャフト304Lの両端に配置された歯車305L,313L及び円筒ラック306L,314Lを介して、第三アーム107L,108Lに取り付けられた歯車307L,311L,315L,318Lに伝達される。伝達されたモータ301Lの回転出力によって、歯車307L,311L,315L,318Lが回動し、歯車307L,311L,315L,318Lにそれぞれ取り付けられた2個の接触子109が回動する。
2個の円筒ラック306L,314Lはそれぞれ、支持軸213L,214Lによって第二アーム106Lに回動自在に支持されている。また、円筒ラック306Lに係合する歯車307Lは、第三アーム107Lに回動自在に保持された回動軸308Lに結合されている。回動軸308Lは、2個の接触子109を連結する第四アーム309Lに結合されている。この構成により、歯車307Lと接触子109とは、回動軸308L周りに一体的に回動できる。なお、回動軸308Lは、例えば第三アーム107Lを挟む上下方向にフランジ部を備えるなど、円筒ラック306Lと歯車307Lとの係合状態を維持するように構成されている。
歯車311L,315L,318Lは、歯車307Lと同様に構成されている。歯車311L,315L,318Lは、それぞれの回動軸312L,316L,319L回りに接触子109と一体的に回動可能に構成されている。ヘッドケアシステムの一例であるヘッドケアユニット40では、第三アーム107Lに取り付けられる歯車307L、回動軸308L、第四アーム309L及び接触子109によって人の頭部10に接触する接触ユニット13が構成されている。接触ユニット13は、第四アーム309Lの先端に配置された2個の接触子109を回動させるための中心軸を有する歯車307Lを備えている。
図8(a),(b)は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の接触ユニットの概略構成を示す斜視図である。なお、図8(a),(b)では、第三アーム107Lに取り付けられる歯車307Lは、円形状として示している。図8(a)に示すように、接触ユニット13では、人の頭部10に接触する2個の接触子109が、略V字状に形成された第四アーム309Lの先端に配置されている。また、図8(a)に示すように、接触ユニット13では、歯車307Lが結合される回動軸308Lと第四アーム309Lの対称軸309Laとが一致するように配置されている。
前述したように、接触ユニット13では、歯車307Lと接触子109とは、回動軸308L周りに一体的に回動する。なお、接触ユニット13では、2個の接触子109は、回動軸308L周りに回動されるが、2個の接触子109を、これら2個の接触子109を結ぶ直線に沿った方向に移動させることも可能である。同様に、2個の接触子109を、これら2個の接触子109を結ぶ直線と直交する方向に移動させることも可能である。
第四アーム309Lは、一対の分岐部309Lbと、連結部309Lcとを有し、連結部309Lcが回動軸308Lに結合されている。ここで、一対の分岐部309Lbは、先端に接触子109が配置されるとともに対称軸309Laに対して対称に配置されている。連結部309Lcは、V字状に配置される2つの分岐部309Lbの頂点において2つの分岐部309Lbを連結する。
接触ユニット13では、第四アーム309Lは、V字状に配置される分岐部309Lbの頂点から接触子109に至る領域の少なくとも一部に、弾性体を含むように構成されている。図8(a)に示す接触ユニット13の第四アーム309Lでは、分岐部309Lbが板バネとして構成されている。
接触ユニット13では、2個の接触子109が人の頭部10に接触している状態で、接触ユニット13の人の頭部10への押し付け力が大きくなると、接触ユニット13のV字状に配置される2つの分岐部309Lbの頂点と人の頭部10との離間距離が小さくなって、2個の接触子109の相互の間隔が大きくなる。逆に、2個の接触子109が人の頭部10に接触している状態で、接触ユニット13の人の頭部10への押し付け力が小さくなると、接触ユニット13のV字状に配置される2つの分岐部309Lbの頂点と人の頭部10との離間距離が大きくなって、2個の接触子109の相互の間隔が小さくなる。
このように、接触ユニット13の2個の接触子109が人の頭部10に接触している状態で、接触ユニット13の人の頭部10への押し付け力が可変されると、接触ユニット13のV字状に配置される2つの分岐部309Lbの頂点と人の頭部10との離間距離が変更され、2個の接触子109の相互の間隔が変更される。すなわち、接触ユニット13の人の頭部10への押し付け力を可変させることによって接触ユニット13の2個の接触子109の相互の間隔を調整することができる。そのため、本実施の形態1の自動洗髪装置100では、人の頭部10の形状に応じて効率良く確実に洗浄することができる。
また、接触ユニット13が人の頭部10に沿って移動すると、接触ユニット13の接触子109は、人の頭部10の頭皮10aの表面形状に倣って滑らかに効率良く移動する。接触子109は、頭皮10aに沿って移動することにより頭皮10aに対して剪断応力を発生させるとともに、頭皮10aに押し付けられることにより頭皮10aに対して垂直応力を発生させる。自動洗髪装置100では、人の頭部10の形状に倣って接触子109の位置を微妙に変えながら洗浄を行うことができるので、人の頭部10を全体にムラなく効率よく洗浄できる。
接触ユニット13では、接触子109が人の頭部10に押し付けられているとき、接触子109が取り付けられた第四アーム309Lの対称軸309Laは、人の頭部10の中心に向くように位置付けられるとともに、接触子109が人の頭部10に接触する接線に垂直な法線と略同一の方向に位置付けられる。
このようにして、接触子109は、板バネとして構成される分岐部309Lbの弾性力によって人の頭部10の中心に向かって押し当てられるので、人の頭部10の表面形状に倣って精度良く移動する。これにより、人の頭部10を、滑らかに効率良く洗浄することができる。
なお、接触ユニット13は、V字状に配置される一対の分岐部309Lbの間の開き角度を可変にして調整する開き角度調整機構を備えることも可能である。この開き角度調整機構を備えることで、開き角度調整機構によって一対の分岐部309Lbの間の開き角度が所定の角度範囲に弾性的に維持される。この開き角度調整機構は、好ましくは一対の分岐部309Lbの間の開き角度が60度から150度の範囲となるように構成される。
図8(a)に示す接触ユニット13では、第四アーム309Lの一対の分岐部309Lbが板バネとして構成されている。だが、図8(b)に示すように、一対の分岐部309Lbの頂点に配置される連結部309Lcに対して2つの分岐部309Lbを回動可能に構成するとともに、2つの分岐部309Lbをコイルバネ30によって連結するようにしてもよい。
このようにして構成された接触ユニット13を備えたヘッドケアユニット40では、2つの接触ユニット13がそれぞれ第三アーム107L,108Lに回動自在に保持され、第三アーム107L,108Lがそれぞれ第二アーム106Lに支持軸213L,214Lによって回動自在に保持されている。
第二アーム106Lは、第一アーム105Lに支持軸212Lによって回動自在に保持されている。第一アーム105Lが人の頭部10に向かう方向に回動することにより、第二アーム106Lは人の頭部10に向かう方向に移動し、第三アーム107L,108Lに取り付けられた接触子109を人の頭部10に接触させる。
図9(a),(b)は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の駆動構成の第4要部の動作を説明するための説明図である。図9(a),(b)では、2つの接触ユニット13の接触子109が人の頭部10の頭皮10aに接触する状態を示している。なお、図9(a),(b)では、2つの接触ユニット13と、2つの接触ユニット13が取り付けられる第三アーム107Lと、第三アーム107Lに支持されるとともに第二アーム106Lに支持される円筒ラック306Lとによって構成される1つの分割ユニット部14を示している。また、図9(a),(b)では、円筒ラック306Lと係合する歯車305も示している。
図9(a)に示すように、第二アーム106Lが人の頭部10に向かう方向に移動すると、第三アーム107Lが人の頭部10に向かう方向に移動し、第三アーム107Lに取り付けられた一方の接触ユニット13が人の頭部10の頭皮10aに押し付けられる。第二アーム106Lの人の頭部10に向かう方向への移動は、第一アーム105Lの人の頭部10に向かう方向への移動に伴って行われ、第一アーム105Lの移動は、モータ206Lの駆動を制御することで行われる。
第三アーム107Lに取り付けられた一方の接触ユニット13が人の頭部10の頭皮10aに押し付けられると、2個の接触子109は、押し付けられる方向と直交する方向において互いに離れる方向に移動する。なお、図9(a),(b)では、2個の接触子109が重なった状態で示されている。
さらに、第二アーム106Lが人の頭部10に向かう方向に移動し、接触ユニット13の人の頭部10への押し付け力が増大すると、一方の接触ユニット13が人の頭部10に接触した後に、図9(b)に示すように、第三アーム107Lが傾き、第三アーム107Lに取り付けられた他方の接触ユニット13が人の頭部10に押し付けられる。なお、第三アーム107Lが傾いても、円筒ラック306Lと歯車307L,311Lとの係合状態は維持されるように構成されている。
図3に戻り、自動洗髪装置100では、接触ユニット13を人の頭部10に押し付ける押し付け力は、モータ206Lの駆動を制御することで可変にすることができ、モータ206Lは押し付け力を可変させる押し付けアクチュエータとして機能する。モータ206Lの駆動は、圧力センサ211L,211Rによって検出される人の頭部10を押さえつける力に基づいて調整することができ、人の頭部10に所定の圧力を印加するように制御される。これにより、人の頭部10の各部形状に対して、複数の接触子109が頭部10を押し付ける最適な位置を保ち、最適な接触圧力を印加して洗髪を行うことができる。
なお、人の頭部10との接触を検出するための圧力センサを複数の接触子109に設け、接触子109に設けられた圧力センサの検出信号に基づいてモータ206Lの駆動を制御することも可能である。また、例えば、分割ユニット部14の第三アーム107L,108Lに、人の頭部10との距離を検出するための距離センサを設け、この距離センサの検出信号に基づいてモータ206Lの駆動を制御することも可能である。
ヘッドケアユニット40では、第三アーム107L,108Lがそれぞれ第二アーム106Lに支持軸213L,214Lによって回動自在に支持され、左洗浄ユニット12Lの長手方向に設けられる2つの分割ユニット部14が第二アーム106Lに回動自在に支持されている。前述したように、第二アーム106Lは、第一アーム105Lに支持軸212Lによって回動自在に支持されている。
ヘッドケアユニット40では、第二アーム106Lが人の頭部10に向かう方向に移動すると、第三アーム107Lが人の頭部10に向かう方向に移動し、第二アーム106Lに取り付けられた一方の分割ユニット部14が人の頭部10の頭皮10aに押し付けられる。第二アーム106Lが人の頭部10に向かう方向にさらに移動すると、第二アーム106Lに取り付けられた他方の分割ユニット部14が人の頭部10の頭皮10aに押し付けられ、人の頭部10に対向する側に設けられた2つの分割ユニット部14の接触子109が人の頭部10の頭皮10aに接触する。
このように、本実施の形態1にかかるヘッドケアユニット40は、複数の接触子109を先端に備えるとともに、歯車307L,311L,315L,318Lを備えた接触ユニット13と、第三アーム107L,108Lと、支持軸213L,214Lと、円筒ラック306L,314Lと、モータ301Lとを備えている。ここで、歯車307L,311L,315L,318Lの一例は、複数の接触子109を回動させる中心軸を有する回動歯車である。第三アーム107L,108Lの一例は、接触ユニット13を回動自在に保持するチルトステージである。支持軸213L,214Lの一例は、第三アーム107L,108Lを回動自在に保持するチルトステージ回動軸である。円筒ラック306L,314Lは、支持軸213L,214Lに平行な方向に移動可能に保持されるとともに、該平行な方向に移動することにより接触ユニット13の歯車307L,311L,315L,318Lを回動させるものである。モータ301Lの一例は、円筒ラック306L,314Lを支持軸213L,214Lに平行な方向に移動させ、歯車307L,311L,315L,318Lを回動させて複数の接触子109を揺動させる揺動アクチュエータである。
また、ヘッドケアユニット40は、支持軸213L,214Lを人の頭部10へ移動させる押し付け機構を備え、この押し付け機構によって支持軸213L,214Lを人の頭部10へ移動させるとともに、モータ301Lによって複数の接触子109を揺動させる。このようにすることにより、複数の接触子109によって人の頭部10に応力を作用させる。なお、この押し付け機構は、モータ206L、歯車207L,208L、第一アーム105L及び第二アーム106Lによって構成されている。
このようにして、人の頭部10の形状が異なる場合においても、人の頭部10の形状に応じて人の頭部10の頭皮及び頭髪を効率良く確実に洗浄することができる。これにより、水やシャンプーなどの使用量を低減できるとともに、汚れた水などの量を低減することができる。
また、以上の説明でのヘッドケアユニット40は、接触ユニット13を回動自在に保持する第三アームを2つ有しているが、これに限定されるものでなく、3つ以上の第三アームを有してもよい。このように、ヘッドケアユニット40において、複数の第三アームを有することにより、人の頭部10の広い範囲に亘って洗浄することができ、効率良く洗浄することができる。
なお、ヘッドケアユニット40では、円筒ラック306L,314Lの両側に配置される接触ユニット13がそれぞれ水平方向に配置されているので、ヘッドケアユニット40の厚み方向を薄くすることができ、形状を小型にすることができる。
また、自動洗髪装置100は、図3に示すように、水系バルブ216と、洗浄液系バルブ217と、コンディショナー系バルブ218とを有している。水系バルブ216と洗浄液系バルブ217とコンディショナー系バルブ218との出力口は並列接続され、配管219を介してパイプ111L,111Rに接続されている。
水系バルブ216は、その入力口が水系供給部(図示せず)に接続され、外部から水又は湯が供給される。洗浄液系バルブ217は、その入力口に洗浄液と圧縮空気とを混合する混合部220が接続され、混合部220からムース状の洗浄液が供給される。ここで、混合部220では、シャンプーなどの洗浄液を供給する洗浄液供給部222からの洗浄液と圧縮空気とを混合して、ムース状の洗浄液を作成する。コンディショナー系バルブ218は、その入力口にコンディショナー供給部221が接続され、コンディショナー供給部221からのコンディショナーが供給される。
自動洗髪装置100では、パイプ111L,111Rに設けられた複数のノズル110から、水、湯、ムース状の洗浄液またはコンディショナーを噴出することができる。具体的には、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217、コンディショナー系バルブ218を適宜制御することで、パイプ111L,111Rに設けられた複数のノズル110から、水、湯、ムース状の洗浄液またはコンディショナーを噴出することができる。
また、自動洗髪装置100では、人の頭部10の形状に応じて洗浄ユニット12を動作させて、人の頭部10を効率よく洗髪することができる。これにより、自動洗髪装置100では、水やシャンプーなどの使用量を低減できるとともに汚れた水などの量を低減することができる。
なお、自動洗髪装置100では、水系供給部及び水系バルブ216によって、一対の洗浄ユニット12に水又は湯を供給する給水部が構成されている。また、自動洗髪装置100では、洗浄液供給部222、混合部220及び洗浄液系バルブ217によって、一対の洗浄ユニット12に洗浄液を供給する洗浄液供給部が構成されている。また、自動洗髪装置100では、コンディショナー供給部221及びコンディショナー系バルブ218によって、一対の洗浄ユニット12にコンディショナーを供給するコンディショナー供給部が構成されている。
また、自動洗髪装置100では、ボウル101の底部101aに、2つの排水口101bが設けられている。そして、この排水口101bによって、洗浄に使用した水などが排水口101bから排出される。なお、排水口101bには図示しない排水管が接続され、この排水管を通して外部に排水処理を行う。
ボウル101には、首を支えるための切欠部101cが設けられるとともに、人の頭部10の後頭部を支えるための支持体112が備えられている。支持体112は、上下左右に位置調整可能に構成されている。そして、この支持体112は、例えば人の頭部10の位置を検出するカメラなどの位置検出手段によって検出された人の頭部10の位置に基づいて位置調整することができる。
支持体112は、好ましくは左洗浄ユニット12L、右洗浄ユニット12Rの支持軸104L,104Rが人の耳近傍の位置になるように位置調整される。具体的には、支持軸104L,104Rが人の耳近傍の位置になるように、支持軸104L,104Rを、その軸に平行な方向における支持体112の中心線上に配置している。人の耳近傍の位置を基点に一対の洗浄ユニット12を駆動させることで、人の首にかかる負担を抑制することができる。なお、ここで、支持体112で支持された人の頭部10の形状を測定して、その人の頭部10の耳近傍に位置するように、支持軸104L,104Rを移動させる機構を別途設けることも可能である。支持軸104L,104Rを移動させる機構を別途設けることで、人によって位置が異なる耳近傍に、さらに支持軸104L,104Rを近づけることができる。なお、支持体112に支持された人の頭部10の後頭部を洗浄するように支持体112を構成することも可能である。
また、ボウル101に設置された支柱102L,102Rは、支柱102L,102Rに取り付けられる支持軸104L,104Rの軸方向に移動可能に構成されている。これにより、支持体112に支持された人の頭部10の大きさに応じて、人の頭部10とアーム基台103L,103Rとの距離を調整することができる。
ボウル101には、洗浄時に水やシャンプーなどが外部に飛散することを防止するために、開閉可能に構成されるフード113が着脱可能に取り付けられている。なお、フード113は、洗浄時に圧迫感や不安感をできるだけ与えないように、透明な材料によって形成されることが好ましい。
また、自動洗髪装置100において、図1に示すように、一対の洗浄ユニット12の接触子109を覆うカバー115を備えるようにすることも可能である。カバー115は、1つの接触子109を覆うように形成してもよく、複数の接触子109を覆うように形成してもよい。
このように、接触子109にカバー115を装着することにより、水またはシャンプーまたは汚れが、接触子109に直接付着することを防止できる。カバー115に汚れなどが付着した場合には、カバー115を交換することで、人の頭部に接触する部分を綺麗にすることが可能である。また、洗浄する人が変わる度にカバー115を交換することで、常に清潔な状態で人の頭部10を洗浄することができる。
自動洗髪装置100では、人の頭部10にウォーターシールド510が装着された状態で、人の頭部10が洗髪される。
図10(a),(b)は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置において使用するウォーターシールドを、人の頭部に装着した状態を示す側面図である。
図10(a)に示すように、ウォーターシールド510は、顔面10bに水などがかかることを防止するためのガード部510aと、耳に水などが浸入することを防止するための耳カバー部510bと、後頭部付近から襟元に水などが浸入することを防止するための後頭部カバー部510cとから構成されている。
ウォーターシールド510のガード部510aは、洗髪される頭皮及び頭髪10cの領域から顔面10bの領域に水などが浸入することを防止するように形成されている。具体的には、ガード部510aは、頭部10と接する曲線510dを境界線として洗髪に使用した水などが顔面10bの領域に浸入することを防止している。このガード部510aは、耳カバー部510bに固定された固定部510eに対して回動可能に取り付けられている。
ウォーターシールド510を人の頭部10に装着する場合、まず、図10(b)に示すように、ウォーターシールド510を人の頭部10に取り付けた後に、矢印510fの方向にガード部510aを移動させて、図10(a)に示すように、人の頭部10にウォーターシールド510を装着する。
ウォーターシールド510を人の頭部10に装着したときには、ガード部510aによって、人の頭部10の前髪は、後頭部側に移動する。そして、人の頭部10の前髪は、頭髪10c全体の洗髪を容易に行うことができるように、ガード部510aの曲線510dの上側に移動して、まとめられる。また、ウォーターシールド510の後頭部カバー部510cは、頭髪10cの存在する領域に隣接するとともに頭髪10cのある領域と重ならず、人の後頭部を覆うように配置される。
なお、ウォーターシールド510は、人の頭部10に装着した際に頭髪10cの存在する領域の洗浄を妨げないように、頭髪10cの存在する領域が開放するように形成されている。頭髪10cの存在する領域を開放することで、一対の洗浄ユニット12が移動して人の頭部10を洗浄する際に、頭髪10cを洗浄しやすい空間を形成している。
このようにして構成されたウォーターシールド510を人の頭部10に装着することにより、頭部10を洗髪する際に、人の顔面10bに水などが浸入することを防止でき、快適に洗髪を行うことができる。
ウォーターシールド510を人の頭部10から取り外す際には、図10(a)に示す状態から図10(b)に示す状態になるようにガード部510aを移動させ、ガード部510aが顔面10bの下側に位置するようにガード部510aを操作する。その後、ウォーターシールド510全体を人の頭部10から頭頂部10dの方向へ移動させ、ウォーターシールド510全体を人の頭部10から取り外す。
自動洗髪装置100は、後述するように、自動洗髪装置100の全体の動作を総合的に制御する制御装置700を備えている。制御装置700は、左洗浄ユニット12L,右洗浄ユニット12Rをそれぞれ独立に駆動させることができる。また、制御装置700は、左洗浄ユニット12L,右洗浄ユニット12Rをそれぞれ支持軸104L,104R中心として回動自在に駆動させるモータ201L,201R、または、左洗浄ユニット12L,右洗浄ユニット12Rをそれぞれアーム回動軸209L,209R中心として回動自在に駆動させるモータ206L,206R、または、接触子109を回動駆動させるモータ301Lなどの各種駆動を制御する。
なお、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置100は、人の頭部10を自動で洗髪する装置であることに加えて、パイプ111L,111Rから水やシャンプーなどを噴出しない状態では、接触子109によって人の頭部10を自動でマッサージする装置として使用することも可能である。
このように、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置100は、頭部支持部11を有する基台部の一例としてのボウル101と、左洗浄ユニット12Lおよび右洗浄ユニット12Rと、駆動部の一例としてのモータ201L,203L,204L,201R,203R,204Rと、駆動部の一例としてのモータ201L,203L,204L,201R,203R,204Rの駆動を制御する制御部の一例としての制御装置700と、を備えている。そして、左洗浄ユニット12L,右洗浄ユニット12Rは、それぞれ、左洗浄ユニット12L,右洗浄ユニット12Rの長手方向に複数の分割ユニット部14を備え、分割ユニット部14は、頭部支持部11に対向する側に複数の接触子109を有している。ここで、頭部支持部11は、人の頭部10を支持する。左洗浄ユニット12Lおよび右洗浄ユニット12Rは、頭部支持部11を挟んで配置されると共にボウル101にそれぞれの支持軸104L,104Rが取り付けられている。モータ201L,203L,204L,201R,203R,204Rは、左洗浄ユニット12L,右洗浄ユニット12Rをそれぞれ支持軸104L及び104R中心として自在に回動する。
これにより、頭部支持部11を挟んで左洗浄ユニット12Lおよび右洗浄ユニット12Rが配置されるので、左洗浄ユニット12Lおよび右洗浄ユニット12Rによって、人の首に負担をかけずに、安全で効率よく洗髪することができる。
ここで、以下の説明をより分かりやすくするために、図11から図13を用いて、自動洗髪装置100における座標極性などの定義についての説明を行う。
図11は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の第1の動作方向を説明するための説明図である。図11に示すように、自動洗髪装置100の左洗浄ユニット12Lにおいて、アーム基台103L、第一アーム105L、第二アーム106L、第三アーム107L,108L、複数の接触子109などを総称して「左アーム114L」と称する。また、第三アーム107L,108Lに取り付けられる複数の接触子109を「接触子群L」と称する。
図11に示すように、アーム回動軸209L周りに左アーム114Lが人の頭部10の表面に対して接近したり離反したりするように回動することを「押圧回動する」と称する。また、左アーム114Lが頭部10に接近する方向を「押圧方向」(矢印401の方向)と称する。また、左アーム114Lが頭部10から離反する方向を「リリース方向」(矢印402の方向)と称する。また、左アーム114Lが頭部10から一番離れた角度位置を0度とし、押圧方向を正方向とする。
図12は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の第2の動作方向を説明するための説明図である。図12に示すように、自動洗髪装置100では、支持軸104L周りに左アーム114Lが頭部10の前後に回動することを「スイング回動する」と称する。また、頭部10の後側の角度位置を0度とし、頭部10の前側に向かった方向(矢印403の方向)を正方向とする。本実施の形態1では、左アーム114Lが130度までスイング回動することができるように構成されている。
図13は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の第3の動作方向を説明するための説明図である。図13に示すように、自動洗髪装置100では、左アーム114Lの一部を構成する第三アーム107L,108Lには、複数の接触子109が取り付けられている。第三アーム107L,108Lから見て、矢印404の向きは、左アーム114Lが頭部10の前側にスイング回動する方向である。
図13において、破線で示した接触子群Lの位置角度を0度とし、矢印405の方向を正極性方向とする。接触子群Lは、実線で示した状態まで回動可能であり、本実施の形態1では、60度まで回動することができるように構成されている。接触子109が2個一対で取り付けられた第四アーム309L,310L,317L,320Lが、回動軸308L,312L,316L,319L周りにそれぞれ回動することを、「揉み回動する」と称する。
自動洗髪装置100の右洗浄ユニット12Rについても同様に、支持軸104Rから見て、アーム基台103R、第一アーム105R、第二アーム106R、第三アーム107R,108R、複数の接触子109などを総称して「右アーム114R」と称する。また、第三アーム107R,108Rに取り付けられる複数の接触子109を「接触子群R」と称し、回動方向を同様に定義する。
図14は、本実施の形態1にかかる自動洗髪装置の制御装置の構成を示す構成図である。
自動洗髪装置の制御装置700は、アームスイング角度制御部701L,701Rと、アーム押圧角度制御部702L,702Rと、接触子群角度制御部703L,703Rとを有する。アームスイング角度制御部701L,701Rと、アーム押圧角度制御部702L,702Rと、接触子群角度制御部703L,703Rとは、いずれも左右のアーム114L,114R毎に設けられている。左アームスイング角度制御部701Lは左アーム114Lのスイング回動の角度を制御し、右アームスイング角度制御部701Rは右アーム114Rのスイング回動の角度を制御する。左アーム押圧角度制御部702Lは左アーム114Lの押圧回動の角度を制御し、右アーム押圧角度制御部702Rは右アーム114Rの押圧回動の角度を制御する。左接触子群角度制御部703Lは左アーム114Lの接触子群Lの揉み回動の角度を制御し、右接触子群角度制御部703Rは右アーム114Rの接触子群Rの揉み回動の角度を制御する。
また、自動洗髪装置の制御装置700は、水系バルブ216の開閉を制御する水系バルブ制御部704と、洗浄液系バルブ217の開閉を制御する洗浄液系バルブ制御部705と、コンディショナー系バルブ218の開閉を制御するコンディショナー系バルブ制御部706とを有する。さらに、自動洗髪装置の制御装置700は、ユーザの操作入力を受け付ける操作部707を有する。操作部707は所謂タッチパネル式の操作部であり、自動洗髪装置100の各種の動作状態を表示する機能を有する。ただし、自動洗髪装置の制御装置700は、操作部707とは別に、自動洗髪装置100の各種の動作状態を表示する表示部を有してもよい。
さらに、自動洗髪装置の制御装置700はシステム制御部708を備える。システム制御部708は、上記各部(アームスイング角度制御部701L,701R、アーム押圧角度制御部702L,702R、接触子群角度制御部703L,703R、水系バルブ制御部704、洗浄液系バルブ制御部705、コンディショナー系バルブ制御部706、及び操作部707)を総合的に管理制御する。
システム制御部708は、操作部707から入力されたユーザ操作の情報を処理する操作受付部708Eと、操作部707における各種動作状態の表示を制御する表示制御部708Fと、システム制御部708に入力された各種情報を記憶する記憶部708Iとを有する。また、システム制御部708は、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217、及びコンディショナー系バルブ218の開閉を指令するバルブ開閉指令発生部708Gと、様々な安全等を確認および管理する安全等管理部708Hとを備える。
上述のアームスイング角度制御部701L,701R、アーム押圧角度制御部702L,702R、及び接触子群角度制御部703L,703Rは、システム制御部708内の角度指令発生部708Aが発生する角度指令値に従って、それぞれ、対応するモータ201L,201R、モータ206L,206R、モータ301L,301Rの駆動を制御する。
具体的に、アームスイング角度制御部701L,701R、アーム押圧角度制御部702L,702R、及び接触子群角度制御部703L,703Rは、角度指令発生部708Aに指令された角度指令と、対応するモータ201L,201R、モータ206L,206R、モータ301L,301Rの回転角度とを比較し、比較された両者の誤差に応じた電流をモータに供給するように構成されている。
なお、左右のアームスイング角度制御部701L,701Rの構成は互いに同様であり、左右のアーム押圧角度制御部702L,702Rの構成は互いに同様であり、左右の接触子群角度制御部703L,703Rの構成は互いに同様である。
図15は、左アームスイング角度制御部701Lの構成を示すブロック図である。なお、右アームスイング角度制御部701Rについては、左アームスイング角度制御部701Lと同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
図15において、モータ201Lには、モータ201Lの回転角度に同期してパルス発生するエンコーダ801Lが内蔵されている。エンコーダ801Lは、90°の位相差のパルスが発生される様に構成され、モータ201Lの回転方向検出が可能になっている。角度検出器802Lは、エンコーダ801Lから発生されるパルスENCLを計測して、モータ201Lの回転角度θSLを検出する。左アームスイング角度制御部701Lは、角度指令発生部708Aに指令された左アーム114Lのスイング回動角度指令値θSLrefとモータ201Lのモータ回転角度θSLとを比較器803Lで比較して誤差を算出し、制御演算部804Lで算出した誤差に応じたPID演算を行う。該PID演算の結果に応じた電流は、リミッタ805Lを介してモータ201Lに供給される。この様にして、左アーム114Lのスイング回動角度θSLがスイング回動角度指令値θSLrefに一致するように、フィードバック制御系が構成されている。また、角度検出器802Lで計測した左アーム114Lのスイング回動角度θSLは、システム制御部708内の状態変数管理部708Bに提供される。
続いて、左アーム114Lの押圧回動角度の制御について説明する。なお、右アーム114Rの押圧回動角度の制御については、左アーム114Lと同様に行われるため、詳細な説明を省略する。
左アーム114Lの押圧回動角度の制御に関しては、2系統の制御系が構成されている。第1の制御系は、圧力センサ211Lの値によらない一般的な角度指令系統である。この系統は、角度指令発生部708Aで生成された指令値θ1PLrefを指令値θPLrefとして、左アーム押圧角度制御部702Lに出力する系統である。第2の系統は、圧力センサ211Lに基づく演算により生成された指令値θ2PLrefを指令値θPLrefとして左アーム押圧角度制御部702Lに出力する系統である。
図14において、第一アーム105Lの先端側に設置された圧力センサ211Lは、接触子群Lが頭部10に加える応力を検出する。圧力センサ211Lの検出値が適切な所定値になるようにモータ206Lの押圧回動角度を制御することで、頭部10に対して適切な応力で接触子群Lを押し当てることができる。この押圧制御のための指令値θ2PLrefは、システム制御部708内の圧力制御演算部708Cにより演算される。
図16は圧力制御演算部708Cの構成を示すブロック図である。
まず、圧力制御演算部708Cは、左アーム114Lのスイング回動角度θSLに対して、左アーム114Lの接触子群Lが頭部10に所定の押圧力で押し当てられる時の左アーム114Lの押圧回動角度θPLの値を保持するテーブル901Lを有している。図17にその一例を示す。このテーブル901Lは、左アーム114Lを頭部10に略一定の圧力で押さえ付けた状態で、左アーム114Lのスイング回動角度θSLを0°からゆっくり増大させながら押圧回動角度θPLをスキャニングし、スイング回動角度θSLの各値に対する押圧回動角度θPLの値を取得することで得られる。
また、圧力制御演算部708Cは、左アーム114Lのスイング回動角度θSLと押圧回動角度θPLとの所定の複数の組合せについて、接触子群Lが頭部10から離れた状態での圧力センサ211Lの示す値を保持するテーブル902Lを有している。このテーブル902Lを用いて、圧力センサ211Lの出力値に対する重力の影響が左アーム114Lの姿勢によって変化することに対応させる。具体的に説明すると、圧力センサ211Lは、第二アーム106L、第三アーム107L,108L及び他の部材を介して、頭部10に加わる応力を検出する構成であるため、圧力センサ211Lから頭部10までの部材の重量の影響を受ける。また、この影響の度合いは、左アーム114Lの姿勢(スイング回動角度θSLと押圧回動角度θPL)によって変化する。よって、スイング回動角度θSLと押圧回動角度θPLとの組み合わせに応じて、圧力センサ211Lと頭部10との間に介在する部材にかかる重力が圧力センサ211Lの出力値に及ぼす影響が排除されるように補正するために、テーブル902Lが用いられる。図18にその一例を示す。このテーブル902Lにおける圧力センサ211Lの値の測定は、ボウル101に頭部10を挿入しない状態で、スイング回動角度θSLと押圧回動角度θPLとを変化させながら行う。具体的には、押圧回動角度θPLを所定の固定値に保持した状態で、スイング回動角度θSLを変化させながら、スイング回動角度θSLが所定値となる度に圧力センサ211Lの値を取得する。この検出動作を、押圧回動角度θPLの固定値を順次変更しながら繰り返すことでテーブル902Lが得られる。このテーブル902Lは、左アーム114Lの様々な姿勢に対応するオフセット値を提供するために用いられる。
図16において、制御系統切替部903Lは、システム制御部708内のシステムフロー制御部708Dによって切り換え制御される。制御系統切替部903Lが図16の符号A側に切り換え制御された場合、システムフロー制御部708Dは、角度指令発生部708Aで生成された指令値θ1PLrefを指令値θPLrefとして、左アーム押圧角度制御部702Lに出力する。
次に、制御系統切替部903Lが、システムフロー制御部708Dによって図16の符号B側に切り換え制御された場合の制御系統について説明する。
まず、比較器905Lは、押圧力指令PLrefと、圧力センサ211Lで検出され重力補正部904Lによって補正された「左アーム114Lの頭部10への応力PL」とを比較して押圧力誤差を得る。第1の制御演算部906Lは、比較器905Lで得られた誤差信号を所定の利得で増幅する。制御系の安定化のために設けられた安定化補償器907Lは、第1の制御演算部906Lの出力に基づいて、角度指令値θ2PLrefのベースとなる指令値θPFBLrefを生成する。ここでは、安定化補償器907Lは積分器によって構成され、一連の押圧制御系の安定化を図っている。
なお、重力補正部904Lは、圧力センサ211Lの値をテーブル902Lに基づいて校正して出力する。すなわち、重力補正部904Lは、状態変数管理部708Bからレポートされる左アーム114Lのスイング回動角度θSLと左アーム114Lの押圧回動角度θPLとの組合せと、該組み合わせに対応するテーブル901Lの値とに基づいて、アームLの現在姿勢に対応する圧力センサ211Lのオフセット値を算出し、圧力センサ211Lの現在値からこのオフセット値を除算して出力する。
また、第2の制御演算部908Lは、状態変数管理部708Bからレポートされる左アーム114Lのスイング回動角度θSLと、該スイング回動角度θSLに対応するテーブル902Lの押圧回動角度θPLの値とに基づいて、左アーム114Lが頭部10に接触する時の左アーム114Lの押圧回動角度θPLの目標値である指令値θPFFLrefを算出する。システムフロー制御部708Dは、加算器909Lで、指令値θPFBLrefと指令値θPFFLrefとを加算して、該加算により得られた値を左アーム114Lの押圧回動角度の指令値θ2PLrefとして、左アームスイング回動角度制御部702Lに出力する。
これによって、接触子群Lの頭部10への押圧力は、指令された押圧力指令PLrefに一致するように制御される。指令値θPFBLrefはフィードバック系による回動角度制御操作量であり、制御系全体のロバスト性を向上させている。指令値θPFFLrefはオープンなフィードフォワード系による回動角度制御操作量であり、フィードバック系による応答性を改善している。
なお、右アーム114Rの押圧回動角度の制御に関しても、上記した左アーム114Lの押圧回動角度の制御と同様に2系統の制御系が構成されており、各制御系は、上記した左アーム114Lの各制御系と同様に構成されている。よって、右アーム114Rの押圧回動角度の制御については、詳細な説明を省略する。
以上の様に構成された自動洗髪装置の制御装置700は、操作受付部708Eにて受け付けられたユーザの操作入力に基づき、システムフロー制御部708Dにより、左アーム114Lと右アーム114Rのスイング回動角度及び押圧回動角度、接触子群Lと接触子群Rの揉み回動角度、並びに、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217及びコンディショナー系バルブ218の開閉を統合的に連携制御し、これにより、自動洗髪動作を実現する。
以下、自動洗髪装置の制御装置700による左アーム114Lと右アーム114Rのスイング回動及び押圧回動、並びに、接触子群Lと接触子群Rの揉み回動の制御動作について説明する。
図19〜図21は、システムフロー制御部708Dで生成される左アーム114Lと右アーム114Rのスイング回動角度の指令値の変化の態様の具体例を示すタイミングチャートである。
先ず、図19に示す例について説明する。図19において、波形1900Lは、左アーム114Lのスイング回動角度の指令値θSLrefの変化の態様を示し、波形1900Rは、右アーム114Rのスイング回動角度の指令値θSRrefの変化の態様を示す。
先に説明した通り、左アーム114Lのスイング回動角度θSLと右アーム114Rのスイング回動角度θSRとはそれぞれ各指令値θSLref、θSRrefに略一致するように動作する。この動作について、図19のタイミングチャートを用いて説明する。
図19において、時刻0からt19(1)までは、左アーム114Lと右アーム114Rは、共に0°の角度位置(頭部10の後側の位置)に待機し、時刻t19(1)から時刻t19(2)にかけて、頭部10の前側に向かって130°の角度位置までスイング回動する。続いて、時刻t19(2)から時刻t19(3)までの短い待機を経て、時刻t19(3)から時刻t19(4)にかけて、頭部10の後側に向かって0°の角度位置までスイング回動する。以降、左右のアーム114L,114Rは、時刻t19(4)から時刻t19(5)までの短い待機を経て、以上の一連の同相の動作を繰り返す。
図19に示す動作例において、左アーム114Lと右アーム114Rは終始同相で動作する。そのため、左アーム114Lと右アーム114Rの各押圧回動角度を頭部10に押圧させる方向に制御して、接触子群Lと接触子群Rを頭部10に同時に押圧させれば、左右から頭部10に応力が加わることになる。よって、従来のような一方向から応力を加える技術に比べて、首への負担が軽減される。また、この場合、頭部10において応力が加えられる部分は、左右のバランスを保ちながら人の首の前後方向に順次移動する。そのため、局所的な応力によってユーザの不快感を招くことを回避できる。
また、パイプ111L,111Rは、アーム114L,114Rと共にスイング回動する。そのため、図19に示す動作が行われる場合、アーム114L,114Rと同様に、パイプ111L,111Rも左右同相でスイング回動する。よって、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217及びコンディショナー系バルブ218の開閉を適宜制御することで、水または湯または洗浄液またはコンディショナーを、頭部10に対して左右からバランスよく噴射することができる。
次に、図20に示す例について説明する。図20において、波形2000Lは左アーム114Lのスイング回動角度の指令値θSLrefの変化の態様を示し、波形2000Rは右アーム114Rのスイング回動角度の指令値θSRrefの変化の態様を示す。上述の通り、左アーム114Lのスイング回動角度θSLと右アーム114Rのスイング回動角度θSRとは、それぞれ各指令値θSLref、θSRrefに略一致するように動作する。この動作について、図20のタイミングチャートを用いて説明する。
図20において、時刻0からt20(1)までは、左アーム114Lと左アーム114Rは共に0°の角度位置(頭部10の後側の位置)に待機している。時刻t20(1)から時刻t20(2)にかけて、左アーム114Lのみが頭部10の前側に向かって130°の角度位置までスイング回動する。次に、時刻t20(2)から時刻t20(3)までの短い待機を経て、時刻t20(3)から時刻t20(4)にかけて、左アーム114Lは頭部10の後側に向かって0°の角度位置までスイング回動し、右アーム114Rは頭部10の前側に向かって130°の角度位置までスイング回動する。続いて、時刻t20(4)から時刻t20(5)までの短い待機を経て、時刻t20(5)から時刻t20(6)にかけて、左アーム114Lは頭部10の前側に向かって130°の角度位置までスイング回動し、右アーム114Rは頭部10の後側に向かって0°の角度位置までスイング回動する。以降、左右のアーム114L,114Rは、時刻t20(6)から時刻t20(7)までの短い待機を経て、以上の一連の逆相の動作を繰り返す。
図20に示す動作例において、左アーム114Lと右アーム114Rとは、時刻t20(3)以降は終始逆相で動作する。そのため、左アーム114Lと右アーム114Rの各押圧回動角度を頭部10に押圧させる方向に制御して、接触子群Lと接触子群Rを頭部10に同時に押圧させれば、左右から頭部10に応力が加わることになる。よって、従来のような一方向から応力を加える技術に比べて、首への負担が軽減される。また、この場合、頭部10の左右両側において応力が加えられる部分は、人の首のねじれ方向に順次移動する。そのため、局所的な応力によってユーザの不快感を招くことを回避できる。
また、パイプ111L,111Rは、アーム114L,114Rと共にスイング回動する。そのため、図20に示す動作が行われる場合、アーム114L,114Rと同様に、パイプ111L,111Rも左右逆相でスイング回動することになる。よって、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217及びコンディショナー系バルブ218の開閉を適宜制御することで、水または湯または洗浄液またはコンディショナーを、頭部10の前後からバランスよく噴射することができる。
続いて、図21に示す例について説明する。図21において、波形2100Lは左アーム114Lのスイング回動角度の指令値θSLrefの変化の態様を示し、波形2100Rは右アーム114Rのスイング回動角度の指令値θSRrefの変化の態様を示す。上述の通り、左アーム114Lのスイング回動角度θSLと右アーム114Rのスイング回動角度θSRは、それぞれ各指令値θSLref、θSRrefに略一致するように動作する。
図21において、時刻0からt21(1)までは、左アーム114Lと右アーム114Rはともに0°の角度位置(頭部10の後側の位置)に待機している。時刻t21(1)から時刻t21(2)にかけて、左アーム114Lのみが頭部10の前側に向かって130°の角度位置までスイング回動する。続いて、時刻t21(2)から時刻t21(3)までの短い待機を経て、時刻t21(3)から時刻t21(4)にかけて、左アーム114Lは頭部10の後側に向かって0°の角度位置までスイング回動する。この間、右アーム114Rは頭部10の後側に向かって0°に待機したままである。続いて、右アーム114Rが、時刻t21(4)から時刻t21(5)にかけて頭部10の前側に向かって130°の角度位置までスイング回動し、時刻t21(5)から時刻t21(6)までの短い待機を経て、時刻t21(6)から時刻t21(7)にかけて頭部10の後側に向かって0°の角度位置までスイング回動する。右アーム114Rがスイング回動している時刻t21(4)から時刻t21(7)の間、左アーム114Lは頭部10の後側の0°の角度位置で待機している。時刻t21(7)以降、この一連の左アーム114Lと右アーム114Rとの交互の動作が繰り返される。
このように、図21に示す動作例では、左アーム114Lと右アーム114Rとが交互に動作し、左アーム114Lがスイング回動している時は右アーム114Rが頭部10の後側の位置(0°の角度位置)に待機し、右アーム114Rがスイング回動している時は左アーム114Lが頭部10の後側の位置(0°の角度位置)に待機する。したがって、待機中の左アーム114Lまたは右アーム114Rは、頭部10を下から支えることができ、これにより首への負担が軽減される。
図19〜図21では、左アーム114L及び右アーム114Rのスイング回動の角度をリニアに増大または減少させる場合を例示したが、スイング回動を増大または減少させるための構成はこれに限定されるものではない。本発明では、例えば、図22及び図23に示すように、左アーム114Lまたは右アーム114Rのスイング回動を制御しても良い。図22の波形2200Lと図23の波形2300Lは、左アーム114Lのスイング回動の指令値θSLrefの変化の態様を示すものである。ただし、右アーム114Rにも同様に指令することができる。
図22に示す例において、左アーム114Lは、頭部10の前側に向かって130°の角度位置までリニアに角度を増大させながらスイング回動して、短い待機時間を経た後、頭部10の前側(130°の角度位置)から頭部10の後側(0°の角度位置)に向かって移動する。この後側に向かう移動の際、左アーム114Lは、符号T1で示されるリニアに角度を減少させる短時間のスイング回動と、符号T2で示される短時間の待機とを繰り返す。符号T1で示される短時間のスイング回動時には、左アーム114Lの圧力制御において押圧力を比較的低く設定するか、または、左アーム114Lが頭部10から離間するように押圧回動角度を例えば0°に設定する。一方、符号T2で示される短時間の待機時には、左アーム114Lの圧力制御において押圧力を比較的高く設定する。これにより、頭部10の前側から後側に向かって順次指圧するような動作を実現できる。
また、図23に示す例では、左アーム114Lは、頭部10の前側に向かって130°の角度位置までリニアに角度を増大させながらスイング回動して、短い待機時間を経た後、頭部10の前側(130°の角度位置)から頭部10の後側(0°の角度位置)に向かって移動する。この後側に向かう移動の際、左アーム114Lは、符号T3で示されるリニアに角度を減少させる後方へのスイング回動と、符号T4で示される短時間の待機と、符号T5で示される逆方向の(前方への)比較的小さなスイング回動と、符号T6で示される短時間の待機とを繰り返す。符号T5の逆方向のスイング回動の角度は、符号T3のスイング回動の角度よりも小さく設定される。符号T3〜T6のいずれの動作時においても、頭部10に対する左アーム114Lの押圧状態は維持される。これによって、人の手でよく行われる様な頭部10をゴシゴシとかき洗いするような動作を実現できる。人の手によるかき洗いを行う場合、人それぞれの慣れにもよるが、一般的に、左右の手を同相で又は交互に動かすことは容易であるとしても、左右の手を同時に逆相で動かすことは難しい。本発明によれば、図20で示したように左アーム114Lに対して右アーム114Rの動作位相を逆相にすることで、逆相で動作する左右のアーム114L,114Rによる同時かき洗いを容易に実現でき、これにより、新しい感覚の洗髪動作を提供することができる。
次に、左アーム114Lについて、スイング回動と押圧回動と揉み回動との連動制御の一例について説明する。
図24〜図26は、自動洗髪装置の制御装置700によってシステムフロー制御部708Dで生成される左アーム114Lに関するスイング回動角度の指令値と、押圧回動角度の指令値と、揉み回動角度の指令値と、の変化の態様を示すタイミングチャートの一例である。
先ず、図24に示す例について説明する。図24において、波形2400Lは左アーム114Lのスイング回動角度の指令値θSLrefの変化の態様を示し、波形2401Lは左アーム114Lの押圧回動角度の指令値θPLrefの変化の態様を示し、波形2402Lは左アーム114Lに搭載される接触子群Lの揉み回動角度の指令値θELrefの変化の態様を示す。
先に説明した通り、左アーム114Lのスイング回動角度θSLと押圧回動角度θPLと接触子群Lの揉み回動角度θELとは、それぞれ各指令値θSLref、θPLref、θELrefに略一致するように動作する。
それぞれ、時刻0から時刻t24(1)までの間、左アーム114Lはスイング回動角度0°、押圧回動角度0°の位置に待機する。すなわち、左アーム114Lは頭部10の後側に位置し、かつ、頭部10からリリースされた状態で待機する。これによって、ユーザが安心して頭部10を装置に委ねられる。また、この間、接触子群Lは初期位置0°に位置する。
時刻t24(1)から時刻t24(2)までの間、左アーム114Lは、アーム押圧回動角度を0°、接触子群Lの揉み角度を0°に維持しながら、頭部10の前側に向かって130°の角度位置までスイング回動する。このとき、押圧回動角度は0°に維持されているため、接触子群Lが頭部10から離れた状態を維持できる。そのため、接触子群Lが頭部10の髪を逆なですることなく、安全に左アーム114Lを頭部10の前側にスイング回動させることができる。
時刻t24(2)から時刻t24(3)まではスイング回動の待機時間となっている。この待機期間中に、制御モード切替部903Lは、制御ループを図16の符号B側に切り換え、押圧制御系をONにする。この時刻t24(2)から時刻t24(3)までの待機時間は、左アーム114Lの押圧方向への押圧回動が開始されてから、指示された押圧力で接触子群Lが頭部10に接触し整定するまでにかかる時間と同程度の時間に設定される。
時刻t24(3)までの待機時間が終了すると、左アーム114Lは、制御ループの働きによって押圧回動角度が調整されることで、指示された押圧力で接触子群Lを頭部10に押し付けながら、頭部10の後側に向かってスイング回動する。この間、接触子群Lは揉み回動角度0°から60°までの間を略一定の周期で往復する。
以降、左アーム114Lは、略一定周期で揉み回動する接触子群Lを指示された押圧力で頭部10に押圧しながら、スイング回動により頭部10の後側(0°の角度位置)から前側(130°の角度位置)までの間を往復する。
これによって、接触子群Lによる揉み動作を頭部10に作用させながら、頭部10全体を揉み洗いすることが出来る。このとき、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217、コンディショナー系バルブ218の開閉を適宜指示することで、水洗い、シャンプー洗い、すすぎ洗いを実現することが出来る。
次に、図25に示す例について説明する。図25において、波形2500Lは、左アーム114Lのスイング回動角度の指令値θSLrefの変化の態様を示し、波形2501Lは、左アーム114Lの押圧回動角度の指令値θPLrefの変化の態様を示し、波形2502Lは、左アーム114Lに搭載される接触子群Lの揉み回動角度の指令値θELrefの変化の態様を示す。
先に説明した通り、左アーム114Lのスイング回動角度θSLと押圧回動角度θPLと接触子群Lの揉み回動角度θELは、それぞれ各指令値θSLref,θPLref,θELrefに略一致する。
時刻0から時刻t25(3)までの動作は、図24における時刻0から時刻t24(3)までの動作と同様であるため、説明を省略する。
時刻t25(3)から時刻t25(4)にわたって、左アーム114Lは、制御ループの働きによって押圧回動角度が調整されることで、指示された押圧力で接触子群Lを頭部10に押し付けながら、頭部10の後側に向かってスイング回動する。この間、接触子群Lは揉み回動角度0°から60°までの間を略一定の周期で往復する様に動作される。
時刻t25(4)において、左アーム114Lが頭部10の後側(0°の角度位置)までスイング回動すると、左アーム114Lのスイング回動は時刻t25(5)まで一旦待機する。この間に、制御モード切替部903Lは、制御ループを図16の符号A側に切り換えて、押圧制御系をOFFにし、これにより、左アーム114Lはリリース方向へ押圧回動する。また、時刻t25(4)において、接触子群Lの往復動作も停止し、接触子群Lは、揉み角度が0°の状態で待機する。
時刻t25(5)から時刻t25(6)までの間は、時刻t25(1)から時刻t25(2)までの動作と同様、アーム押圧回動角度が0°、接触子群Lの揉み角度が0°に維持された状態で、左アーム114Lが頭部10の前側(130°の角度位置)までスイング回動する。このとき、押圧回動角度は0°に維持されているため、接触子群Lが頭部10から離れた状態を維持できる。そのため、接触子群Lが頭部10の髪を逆なですることなく、安全に左アーム114Lを頭部10の前側にスイング回動させることができる。
図25に示す動作例では、左アーム114Lが頭部10の前側(130°の角度位置)から後側(0°の角度位置)までスイング回動するとき、押圧制御系がONになり、左アーム114Lは、接触子群Lを頭部10に押さえつけながらスイング回動動作する。逆に、左アーム114Lが頭部10の後側(0°の角度位置)から前側(130°の角度位置)までスイング回動するとき、押圧制御系がOFFになり、左アーム114Lは、接触子群Lを頭部10からリリースさせてスイング回動する。一般に、人の髪の生え方に関して、頭部10の前から後へ向かう方向が順目であり、後から前へ向かう方向は逆目となる。そのため、頭部10を後から前に向かって撫でると、逆撫でをすることになるため、撫でられた人は、髪が絡まったり不快感を覚えたりする。この不具合を回避するために、図25に示す動作例では、左アーム114Lが前方へスイング回動する際、接触子群Lが頭部10から離れた状態に維持される。このように逆撫でを禁止する動作は、特に、洗髪動作の初期など髪が乾いている状態などにおいて非常に有用である。
続いて、図26に示す例について説明する。図26に示す動作例は、スイング回動(波形2500L)と押圧回動(波形2501L)とが図25で示した動作と同様に行われるが、接触子群Lの揉み角度は波形2602Lで示されるように所定値に固定される。この揉み角度の固定値は、例えば、可動範囲の中心である30°に設定される。このように揉み角度が固定された接触子群Lを頭部10に押し付けながら左アーム114Lをスイング回動することで、頭部10の前から後ろに向かってブラッシングをしている様な動作を実現することができる。この動作によれば、洗髪で乱れた髪を整えることができる。
次に、図27に示す例について説明する。図27において、波形2700Lは、左アーム114Lのスイング回動角度の指令値θSLrefの変化の態様を示し、波形2701Lは、左アーム114Lの押圧回動角度の指令値θPLrefの変化の態様を示し、波形2702Lは、左アーム114Lに搭載される接触子群Lの揉み回動角度の指令値θELrefの変化の態様を示す。
先に説明した通り、左アーム114Lのスイング回動角度θSLと押圧回動角度θPLと接触子群Lの揉み回動角度θELは、それぞれ各指令値θSLref,θPLref,θELrefに略一致する様に動作する。
図27に示す動作例において、時刻0から時刻t27(1)までの間は、スイング回動、押圧回動、及び揉み回動のいずれについても0°の角度位置に固定される。時刻t27(1)から時刻t27(4)までの間は、上記の図24〜図26に示す動作例と同様、左アーム114Lは、押圧方向に関して頭部10から最大限離れた状態を維持しながら、頭部10の前側(130°の角度位置)までスイング回動する。この前方へのスイング回動の途中、時刻t27(2)から時刻t27(3)までの間、接触子群Lの揉み角度は0°から30°に変化し、時刻t27(3)以降、揉み角度は30°に固定される。
続いて、時刻t27(4)から時刻t27(5)までの短い待機時間を経た後、時刻t27(5)から時刻t27(6)までの間、左アーム114Lは、スイング角度を所定角度(例えば約20°)だけリニアに減少させながらスイング回動する。この比較的小さなスイング回動の後、左アーム114Lは、時刻t27(6)から時刻t27(7)までの間、スイング回動を一旦停止して待機する。時刻t27(7)以降、左アーム114Lは、スイング回動の角度位置が0°の位置に到達するまで、前述の所定角度のスイング回動と、スイング回動の一旦停止(待機状態)とを繰り返す。
また、時刻t27(5)において、左アーム114Lの押圧制御系はONになる。時刻t27(5)以降、左アーム114Lが所定角度だけスイング回動する時刻t27(5)から時刻t27(6)までの間、左アーム114Lの押圧制御系において所定の押圧力Pa(例えば5Nの圧力)が指示され、左アーム114Lのスイング回動が待機状態となる時刻t27(6)から時刻t27(7)までの間、左アーム114Lの押圧制御系において押圧力Paよりも大きい押圧力Pb(例えば10Nの圧力)が指示される。
この図27に示す動作例によれば、頭部10を前側から後側に向かってゆっくりと撫で下ろしながら、指圧している様な動作を実現することができる。したがって、洗髪中の動作に、図27に示す動作を織り交ぜることで、さらに快適な洗髪を提供することができる。
続いて、図28に示す例について説明する。図28において、波形2800Lは、左アーム114Lのスイング回動角度の指令値θSLrefの変化の態様を示し、波形2801Lは、左アーム114Lの押圧回動角度の指令値θPLrefの変化の態様を示し、波形2802Lは、左アーム114Lに搭載される接触子群Lの揉み回動角度の指令値θELrefの変化の態様を示す。
先に説明した通り、左アーム114Lのスイング回動角度θSLと押圧回動角度θPLと接触子群Lの揉み回動角度θELは、それぞれ各指令値θSLref,θPLref,θELrefに略一致する様に動作する。
図28に示す動作例において、時刻0から時刻t28(1)までの間、スイング回動、押圧回動、及び揉み回動はいずれも0°の角度位置に固定される。時刻t28(1)から時刻t28(2)までの間は、上記の図24〜図27に示す動作例と同様、左アーム114Lは、押圧方向に関して頭部10から最大限離れた状態を維持しながら、頭部10の前側(130°の角度位置)までスイング回動する。
続いて、時刻t28(2)から時刻t28(3)までの短い待機時間を経た後、時刻t28(3)から時刻t28(4)にかけて、左アーム114Lは、スイング角度を所定の角度(例えば約20°)だけリニアに減少させながら後側に向かってスイング回動して、時刻t28(4)から時刻t28(5)までの間は、スイング回動が一旦停止される短い待機期間となる。続いて、時刻t28(5)から時刻t28(6)にかけて、左アーム114Lは、スイング角度を所定角度(例えば約10°)だけリニアに増大させながら逆方向(前側に戻る方向)にスイング回動して、時刻t28(6)から時刻t28(7)の間は、スイング回動が一旦停止される短い待機期間となる。時刻t28(7)以降、左アーム114Lは、スイング回動の角度位置が0°の位置に到達するまで、後側に向かうスイング回動と、該スイング回動の一旦停止(待機状態)と、前側に戻る方向のスイング回動と、該スイング回動の一旦停止(待機状態)とを順次行う一連の動作を繰り返す。
また、時刻t28(3)において、左アーム114Lの押圧制御系はONにされる。時刻t28(3)以降、左アーム114Lが後側に向かってスイング回動する時刻t28(3)から時刻t28(4)にかけては、左アーム114Lの押圧制御系は所定の押圧力Pc(例えば5Nの圧力)が指示される。次に、左アーム114Lのスイング回動が一旦停止される時刻t28(4)から時刻t28(5)にかけて左アーム114Lの押圧制御系における押圧力の指示値が、押圧力Pcよりも大きな押圧力Pd(例えば10Nの圧力)に切り替えられる。続いて、左アーム114Lが前側に戻るようにスイング回動する時刻t28(5)から時刻t28(6)にかけて、左アーム114Lの押圧制御系における押圧力の指示値は押圧力Pd(例えば10Nの圧力)に維持される。さらに、左アーム114Lのスイング回動が一旦停止される時刻t28(6)から時刻t28(7)にかけて、左アーム114Lの押圧制御系における押圧力の指示値は、再び押圧力Pc(例えば5Nの圧力)に切り替えられる。この押圧力の指示値の切り換えは、時刻t28(7)以降も、上述したスイング回動に関する動作の切り換えのタイミングに合わせて同様に行われる。
さらに、押圧制御系において比較的小さな押圧力Pc(例えば5N)が指示されている時刻t28(3)から時刻t28(4)までの間、接触子群Lの揉み角度は0°から60°に変化するように制御される。一方、押圧制御系において比較的大きな押圧力Pc(例えば10N)が指示されている時刻t28(5)から時刻t28(6)までの間、接触子群Lの揉み角度は60°から0°に変化するように制御される。
この図28に示す動作例によれば、頭部10の前側から後側に向かって、全体としてはゆっくりと撫で下ろしながら、所定時間おきに、左アーム114Lのスイング回動を反転させるとともに、スイング回動の反転中に左アーム114Lの押圧力を強めるように制御する。また、押圧力の切り換えと同期して、接触子群Lの揉み回動の方向を切り換えるように制御する。これによって、指圧しながら揉み動作をさせる様な動作を実現することができる。したがって、洗髪中の動作に、図27に示す動作を織り交ぜることで、さらに快適な洗髪を提供することができる。
以上、左アーム114Lについて、スイング回動、押圧回動及び揉み回動の連動制御の一例について説明したが、右アーム114Rについても同様の連動制御が可能である。また、上述した左アーム114Lの動作に、同様の右アーム114Rの動作を任意に組み合わせることで、様々な洗髪動作を提供することができる。さらに、この場合、左右のアーム114L,114Rの動作位相を同期させたり、ずらしたりすることで、多様な組み合わせを実現することができる。
次に、システム制御部708によって管理されるシステム動作フローについて説明する。
図29は本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置の制御装置700のシステム動作フローである。図29に示すシステム動作は、自動洗髪装置の制御装置700が起動されることにより開始される。
制御装置700が起動されると、まず、キャリブレーションステップS201が実行される。キャリブレーションステップS201では、左右のアーム114L,114Rのスイング回動角度と押圧回動角度との所定の複数の組合せについて、接触子群L、Rが頭部10から離れた状態での圧力センサ211L,211Rの示す値を保持するテーブル902L(図18参照),902Rが取得され、記憶部708Iに記憶される。
このキャリブレーションステップS201では、ボウル101に頭部10が挿入されていない状態で、スイング回動角度と押圧回動角度との組合せ毎に、圧力センサ211L,211Rの値が測定され、この測定値に基づいてテーブル902L,902Rが作成される。なお、具体的な測定動作は上述した通りである。これにより得られたテーブル902L、902Rは、以降のステップにおいて、圧力センサ211L,211Rと頭部10との間に介在する部材にかかる重力が圧力センサ211L,211Rの出力値に及ぼす影響が排除されるように補正するために用いられる。すなわち、テーブル902L,902Rの値に基づいて、アーム114L,114Rの種々の姿勢に対応するオフセット値を算出できる。
次に、モード選択操作確認ステップS202において、洗髪モード、マッサージモード又は終了モードのいずかを選択する操作がユーザによりなされているか否かが判定される。ここで、洗髪モードとは、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217、コンディショナー系バルブ218の開閉を制御して洗髪を行うモードであり、マッサージモードとは、左右のアーム114L,114Rおよび接触子群L,Rによって頭部10をマッサージするモードであり、終了モードとは、制御装置700のシステム動作を終了するモードである。
モード選択操作確認ステップS202において、いずれかのモードの選択操作がなされたことが確認されると、次のステップに進む。
次の洗髪モード選択確認ステップS202では、ユーザにより選択されたモードが洗髪モードであるか否かが判定される。この判定により、洗髪モードの選択が確認されると、後述の洗髪モードが実行される。一方、洗髪モード選択確認ステップS202において、ユーザにより選択されたモードが洗髪モード以外のモードであることが確認されると、マッサージモード選択確認ステップS204に進む。
マッサージモード選択確認ステップS204では、ユーザにより選択されたモードがマッサージモード又は終了モードのいずれであるかが判定される。この判定により、マッサージモードの選択が確認されると、後述のマッサージモードが実行され、終了モードの選択が確認されると、システム動作が終了する。
次に、洗髪モードについて説明する。
洗髪モードでは、先ず、第1の安全等確認ステップS205において、ユーザの頭部10がボウル101に挿入される前に必要な確認動作が実行される。具体的には、例えば、ユーザの頭部10の髪におけるヘアーピン又はヘアーバンドなどの装着物の有無が確認され、何らかの装着物が有れば該装着物を外すようにユーザに注意が促される。また、ユーザの頭部10に図10に示すウォーターシールド510が装着されているか否かが確認され、装着されていなければ、ユーザにウォーターシールド510の装着が促される。
第1の安全等確認ステップS205において、頭部アクセサリ等の装着物の有無の確認およびウォーターシールド510の装着確認は、例えば、カメラによる装着物またはウォーターシールド510の検知により行われる。また、ウォーターシールド510にICタグ等の発信機を搭載しておけば、該発信機との無線通信によってウォーターシールド510の装着を確認することもできる。さらに、ユーザに装着物を外すように注意を促したり、ウォーターシールド510を装着するように促すための情報は、例えば、視覚情報としてタッチパネル式の操作部707又は別途設けた表示部に表示したり、音声情報として音声機器により出力したりすることによって、ユーザに報知される。
次に、頭部迎え入れステップS206において、ユーザの頭部10をボウル101に挿入するための準備動作が実行される。具体的には、左アーム114Lを支持する支柱102Lと、右アーム114Rを支持する支柱102Rとの間隔が最大まで広げられるように、左右の支柱102L,102Rがスライド移動する。また、頭部迎え入れステップS206において、左右のアーム114L,114Rは、押圧回動角度が0°となるように動作する。これにより、接触子群L、Rは、頭部10から最大限離れて配置される。さらに、ステップS206において、左右のアーム114L,114Rは、スイング回動位置が頭部10の後側の位置(0°の角度位置)となるように動作する。
このように動作した左アーム114Lと右アーム114Rとは、両者の間隔が最大限開いた状態となるとともに、ボウル101の底側に位置することになる。そのため、ユーザの頭部10が、左右のアーム114L,114Rに邪魔されることなく安心してボウル101に委ねられる。
また、頭部迎え入れステップS206において、ボウル101に頭部10が挿入されたことが確認されると、頭部10の形状および大きさに応じた左右の支柱102L,102R間の幅調整および支持体112の位置調整が実行される。なお、頭部10の挿入確認は、種々のセンサによる検知に基づいて行われる。頭部10の形状等に応じた調整動作が完了すると、次のスキャニングステップS206に進む。
スキャニングステップS207において、図17を参照しながら上述したテーブル901L,901Rが取得され、記憶部708Iに記憶される。上述した通り、テーブル901L,901Rは、各アーム114L,114Rのスイング回動角度に対して、アーム114L,114Rの接触子群L,Rが頭部10に所定の押圧力で押し当てられる時の押圧回動角度の値を保持するものである。
このスキャニングステップS207では、左右のアーム114L,114Rを頭部10に略一定の圧力で押さえ付けた状態で、各アーム114L,114Rのスイング回動角度θSL,θSRを0°からゆっくり増大させながら押圧回動角度θPLをスキャニングし、スイング回動角度θSLの各値に対する押圧回動角度θPLの値を取得し、このようにして取得された値に基づいて、テーブル901L,901Rが作成される。
次に、洗髪動作ステップS208が実行される。この洗髪動作ステップS208では、図30に示すように、ウォームアップステップS301、水洗いステップS302、シャンプーステップS303、揉み洗いステップS304、すすぎステップS305、水切りステップS306、コンディショナーステップS307、すすぎステップS308、及び水切りステップS309が順次実行される。
ウォームアップステップS301では、適温の湯を供給可能な状態にするための準備動作が実行される。具体的には、水系バルブ216を若干量だけ開くことで、自動洗髪装置100に接続された給湯器(図示を省略)から供給される湯を少量流し続けた状態で、該湯が適温になるまで待機する。これにより、ユーザの頭部10に冷たい水が突然噴出され、ユーザが不快感を覚えることを回避することが出来る。
なお、ウォームアップステップS301では、給湯器から供給される湯の温度を適所に設けられた温度センサにより検知することで、適温の湯を供給可能な状態になったことを検出できるようにすることが好ましい。また、洗髪動作ステップS208では、ウォームアップステップS301の前、又は洗髪動作ステップS208の最後に、パイプ111L,111Rに残った水や洗浄液などを排出するステップを設けても良い。これにより、パイプ111L,111Rに残った水や洗浄液が最初にユーザの頭部10にかけられ、ユーザの不快感を招くことを回避することが出来る。なお、この場合、自動洗髪装置100の適所にドレンバルブを設けておけばよい。
ウォームアップステップS301が終了すると、水洗いステップS302が実行される。
水洗いステップS302では、最初に、左右のアーム114L,114Rが、押圧回動角度を0°の角度位置(リリース状態)に維持しながら、頭部10の前側(130°の角度位置)までスイング回動させる。続いて、アーム114L,114Rのスイング回動角度を頭部10の前側(130°の角度位置)に維持した状態で水系バルブ216を開き、パイプ111L,111Rの複数のノズル110から頭部10の髪に湯を噴出する。この時、突然多くの湯が頭部10に噴出しないように、水系バルブ216の開度は徐々に広げられるように設定されている。次に、左右のアーム114L,114Rは、0°から130°までの角度範囲で数回にわたって往復してスイング回動し、これにより、頭部10全体に湯がかけられ、髪に湯がなじむ。
さらに、水洗いステップS302では、先に述べた様に、左右のアーム114L,114Rのスイング回動角度及び押圧回動角度と、接触子群L,Rの揉み回動角度とを複合的に動作させながら、頭部10に向けて湯を噴出することで、髪を揉み洗いする。最初は、図26に示したように、接触子群L,Rを30°の位置に固定し、また、頭部10の前側(130°の角度位置)から後側(0°の角度位置)に向かうスイング回動時のみ押圧力制御をONにする動作を多用することが望ましく、これにより、頭部10の前から後ろに向かってブラッシングするような動作を実現できる。
水洗いステップS302が終了すると、シャンプーステップS303が実行される。
シャンプーステップS303では、最初に、左右のアーム114L,114Rが、押圧回動角度を0°に維持した状態で、頭部10の前側(130°の角度位置)までスイング回動する。続いて、アーム114L,114Rのスイング回動角度が頭部10の前側(130°の角度位置)に維持された状態で洗浄液系バルブ217が開き、パイプ111L,111Rの複数のノズル110から頭部10の髪にシャンプーなどの洗浄液が噴出される。なお、先に述べたように、洗浄液は、洗浄液供給部220によって、市販シャンプーなどを水で希釈した希釈洗浄液と圧縮空気とが混合されてムース状とされ、該ムース状の洗浄液がノズル110から噴出される。
この時、突然多くの洗浄液が頭部10に噴出しないように、洗浄液系バルブ217の開度は徐々に広げられるように設定されている。次に、左右のアーム114L,114Rが0°から130°の角度範囲で数回にわたって往復してスイング回動しながら、頭部10全体に洗浄液がかけられる。このシャンプーステップ303において、左右のアーム114L,114Rは、図19で示したように同相で動作させることが望ましい。これにより、頭部10全体に均一に洗浄液をかけることができる。
次に、揉み洗いステップS304が実行される。揉み洗いステップS304では、図19〜図28で示したように左右のアーム114L,114Rのスイング回動角度及び押圧回動角度と、接触子群L,Rの揉み回動とを複合的に動作させ、接触子群L,Rによって頭部10全体にわたって揉み洗いする。揉み洗いステップS304において、左右のアーム114L,114Rの押圧力制御の押圧力指令値は、最初は低めに設定し、徐々にあるいは段階的に強めていくことが望ましい。これにより、ユーザにとってやさしい揉み動作を導入し、ユーザにとって不快感のない洗髪動作を実行することができる。
揉み洗いステップS304が終了すると、すすぎステップS305が実行される。
すすぎステップS305では、水洗いステップS302と同様、水系バルブ216が開かれ、ノズル110から湯を噴出させながら、左右のアーム114L,114Rのスイング回動角度及び押圧回動角度と、接触子群L,Rの揉み回動とを複合的に動作させる。すすぎステップS305においては、最初に左右のアーム114L,114Rの押圧制御系をOFFにして、リリース状態で湯をかけて、ラフに洗浄液を洗い流した後、押圧制御系をONにして、接触子群L,Rを往復して揉み回動させることで、効率よくすすぎを行うことができる。
また、すすぎステップS305の終盤においては、図26に示したように、接触子群L,Rを30°の位置に固定し、頭部10の前側(130°の角度位置)から後側(0°の角度位置)に向かうスイング回動時のみ押圧力制御をONにする動作を多用することが望ましい。これにより、揉み洗いステップS304などによって乱れた髪をブラッシングする様な効果を得ることが出来る。
すすぎステップS305が終了すると、水切りステップS306が実行される。
水切りステップS306では、水系バルブ216が閉じられ、ノズル110からの湯の噴出が禁止される。また、接触子群L,Rの揉み回動角度が固定された状態で、左右のアーム114L,114Rが往復してスイング回動する。具体的には、例えば、図25及び図26に示したように頭部10の前側(130°の角度位置)から後側(0°の角度位置)に向かうスイング回動時のみ押圧力制御をONにし、後側(0°の角度位置)から前側(130°の角度位置)に向かうスイング回動時には押圧力制御をOFFにしてリリース状態にすることが好ましい。この動作により、髪の逆なでを回避しながら、髪に含んだ湯水を搾り出すような効果を得ることが出来る。
水切りステップS306が終了すると、コンディショナーステップS307が実行される。
コンディショナーステップS307では、最初に、左右のアーム114L,114Rが、押圧回動角度をリリース状態に維持しながら、頭部10の前側(130°の位置)までスイング回動させる。続いて、アーム114L,114Rが頭部10の前側(130°の角度位置)に停止した状態でコンディショナー系バルブ218を開き、パイプ111L,111Rの複数のノズル110から頭部10の髪にリンスなどのコンディショナーが噴出される。
この時、突然多くのコンディショナーが頭部10に噴出しないように、コンディショナー系バルブ218の開度は徐々に広げられるように設定されている。次に、左右のアーム114L,114Rは、0°から130°の角度範囲で数回にわたって往復してスイング回動し、頭部10全体にコンディショナーがかけられる。このコンディショナーステップS307において、左右のアーム114L,114Rは図19で示したように同相で動作させるようにすることが望ましい。これにより、頭部10全体に均一にコンディショナーをかけることができる。
さらに、コンディショナーステップS307の最後にはコンディショナー系バルブ218が閉じられ、ノズル110からのコンディショナーの噴出が禁止される。また、図25及び図26に示したように頭部10の前側(130°の角度位置)から後側(0°の角度位置)に向かうスイング回動時のみ押圧力制御をONにし、後側(0°の角度位置)から前側(130°の角度位置)に向かうスイング回動時には押圧力制御をOFFにしてリリース状態にすることが好ましい。これにより、コンディショナーを髪に馴染ませ、ブラッシングする様な効果を得ることが出来る。
コンディショナーステップS307が終了すると、すすぎステップS305と同様のすすぎステップS308と、水切りステップS306と同様の水切りステップS308とが、順に実行される。なお、過剰なすすぎによりコンディショナー効果が低減することを回避するため、コンディショナーステップS307に続くすすぎステップS308におけるすすぎ時間は、シャンプーステップS303に続くすすぎステップS305に比べて短く設定することが好ましい。また、すすぎを必要としないコンディショナーを用いる場合、コンディショナーステップS307後のすすぎステップS308及び水切りステップS309を省略することができる。
洗髪動作ステップS208における、以上のウォームアップステップS301、水洗いステップS302、シャンプーステップS303、揉み洗いステップS304、すすぎステップS305、水切りステップS306、コンディショナーステップS306、すすぎステップS308、水切りステップS309の実行中には、図29に示す第2の安全等確認ステップS209が逐次実行される。
図29に戻って説明すると、第2の安全等確認ステップS209では、洗髪動作ステップS208の実行中における自動洗髪装置100の状態が監視される。具体的には、例えば、自動洗髪装置100の各モータの電流値または動作角度などが監視され、異常があればユーザに報知されると共に、洗髪動作を強制的に中断させるように指示される。
また、中断確認ステップS210では、洗髪動作ステップS208の実行中にユーザの操作による洗髪動作の中断指示、または第2の安全等確認ステップS209による強制的な中断指示がされているか否かが確認される。これによりいずれかの中断指示が確認された場合、後述の中断処理ステップS211が実行されて、後述の頭部リリースステップS215と、後述のパイプ洗浄ステップS216とを経て、全体動作が終了する。一方、中断指示が確認されなければ、洗髪動作ステップ完了確認ステップS212に進む。
洗髪動作ステップ完了確認ステップS212は、図30に示される洗髪動作におけるウォームアップステップS301、水洗いステップS302、シャンプーステップS303、揉み洗いステップS304、すすぎステップS305、水切りステップS306、コンディショナーステップS307、すすぎステップS308、水切りステップS309の各ステップが完了したか否かが確認される。この確認の結果、各ステップが完了していなければ、当該ステップの実行が継続される。一方、各ステップの完了が確認された場合、次の最終洗髪動作ステップ確認ステップS213の判定により、洗髪動作における最終ステップ(図30に示す水切りステップS309)が完了していなければ、洗髪動作ステップ切替ステップS214において、図30に示される洗髪動作における次のステップに切り替えられる。
また、最終洗髪動作ステップ確認ステップS213において、洗髪動作ステップS208の最終ステップ(図30に示される水切りステップS309)の完了が確認されると、頭部リリースステップステップS215に進む。
中断処理ステップS211について説明する。このステップS211では、まず、左右のアーム114L,114Rのスイング回動動作及び押圧回動動作と、接触子群L,Rの揉み回動動作とが停止され、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217、及びコンディショナー系バルブ218が全て閉じられる。押圧回動動作の停止にあたっては、制御モード切替部903L,903Rが強制的に図16の符号A側に切替えられ、押圧力制御がOFFとなり、このときの角度位置を保持する位置制御モードに切り替えられる。その後、接触子群L,Rが頭部10から最大限離れるように左右のアーム114L,114Rがリリース方向に限界まで押圧回動する。
頭部リリースステップS215について説明する。このステップS215では、まず、中断処理ステップS211と同様、左右のアーム114L,114Rのスイング回動動作及び押圧回動動作と、接触子群L、Rの揉み回動動作とが停止され、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217、及びコンディショナー系バルブ218が全て閉じられる。押圧回動動作の停止にあたっては、制御モード切替部903L,903Rが強制的に図16の符号A側に切替えられ、押圧力制御がOFFとなり、このときの角度位置を保持する位置制御モードに切り替えられる。その後、接触子群L,Rが頭部10から最大限離れるように左右のアーム114L,114Rがリリース方向に限界まで押圧回動する。さらに、頭部リリースステップS215では、リリース方向への押圧回動が完了した左右のアーム114L,114Rが、頭部10の後側(0°の角度位置)までスイング回動する。
これによって、頭部迎え入れステップS206と同様、左アーム114Lと右アーム114Rとが、互いに間隔を開けた状態でボウル101の底側に位置することとなるため、ユーザが頭部10をボウル101の外へ出す動作を安心して行うことができる。
頭部リリースステップS215において、頭部10がボウル101の外へ出されたことが確認されると、次のパイプ洗浄ステップS216が実行される。なお、頭部10がボウル101の外へ出されたことの確認は種々のセンサの検知により可能である。
パイプ洗浄ステップS216では、水系バルブ216が開かれ、パイプ111L,111R内に残ったコンディショナー等が洗い出される。
このことによって、次回、洗髪動作を実施するときに、パイプ111L,111R内に残ったコンディショナーなどが最初にユーザの頭部10に噴出されることを防げる。また、配管内に残ったコンディショナーなどが硬化して配管を詰まらせることを防止できる。
パイプ洗浄ステップS216が終了すると、洗髪モードの全動作が終了する。
続いて、マッサージモードについて説明する。
マッサージモードでは、先ず、第3の安全等確認ステップS217において、ユーザの頭部10の髪におけるヘアーピン又はヘアーバンドなどの装着物の有無が確認され、何らかの装着物が有れば該装着物を外すようにユーザに注意が促される。具体的な動作は、ウォーターシールド510の装着確認が不要である点を除けば、洗髪モードにおける第1の安全等確認ステップS205と同様である。
次の頭部迎え入れステップS218では、洗髪モードにおける頭部迎え入れステップS206と同様の動作が実行される。
続くスキャニングステップS219では、洗髪モードにおけるスキャニングステップS207と同様の動作が実行される。
スキャニングステップS219が完了すると、マッサージ動作ステップS220が実行される。
このマッサージ動作ステップS220では、図31に示すように、スローインステップS401、マッサージステップS402、及びスローアウトステップS403が順次実行される。スローインステップS401、マッサージステップS402、及びスローアウトステップS403では、図19〜図28で示したように左右のアーム114L,114Rのスイング回動角度及び押圧回動角度と、接触子群L、Rの揉み回動角度とが複合的に動作され、接触子群L,Rによって頭部10を全体にわたってマッサージする。左右のアーム114L,114Rの押圧力制御の押圧力指令値の設定については、スローインステップS401では押圧力が比較的弱く設定され、マッサージステップS402では押圧力が比較的強く設定し、スローアウトステップS403では押圧力が再び比較的弱く設定される。こうすることで、導入時および終了時のマッサージ動作をユーザにとってやさしいマッサージ動作とすることができ、ユーザにとって快適なマッサージ動作を実行することができる。
なお、マッサージモードにおいては、水系バルブ216、洗浄液系バルブ217、及びコンディショナー系バルブ218は、全て閉じられている。
図29に戻って説明すると、第4の安全等確認ステップS221によって、マッサージ動作ステップS220(図31に示される各ステップS401、S402、S403)の実行中における自動洗髪装置100の状態が監視される。具体的には、例えば、自動洗髪装置100の各モータの電流値または動作角度などが監視され、異常があればユーザに報知されると共に、洗髪動作を強制的に中断させるように指示される。
また、中断確認ステップS222では、マッサージ動作ステップS220の実行中にユーザの操作によるマッサージ動作の中断指示、または第4の安全等確認ステップS221による強制的な中断指示がされているか否かが確認される。これによりいずれかの中断指示が確認された場合、後述の中断処理ステップS223が実行されて、後述の頭部リリースステップS227を経て、全体動作が終了する。一方、中断指示が確認されなければ、マッサージ動作ステップ完了確認ステップS224に進む。
マッサージ動作ステップ完了確認ステップS224は、図31に示されるマッサージ動作におけるスローインステップS401、マッサージステップS402、スローアウトステップS403の各ステップが完了したか否かが確認される。この確認の結果、各ステップが完了していなければ、当該ステップの実行が継続される。一方、各ステップの完了が確認された場合、次の最終マッサージ動作ステップ確認ステップS225の判定により、マッサージ動作における最終ステップ(図31に示すスローアウトステップS403)が完了していなければ、マッサージ動作ステップ切替ステップS226において、図31に示されるマッサージ動作における次のステップに切り替えられる。
また、最終マッサージ動作ステップ確認ステップS226において、マッサージ動作ステップS220の最終ステップ(図31に示されるスローアウトステップS403)の完了が確認されると、頭部リリースステップステップS227に進む。
中断処理ステップS223について説明する。このステップS223では、まず、左右のアーム114L,114Rのスイング回動動作及び押圧回動動作と、接触子群L,Rの揉み回動動作とが停止される。押圧回動動作の停止にあたっては、制御モード切替部903L、903Rが強制的に図16の符号A側に切替えられ、押圧力制御がOFFとなり、このときの角度位置を保持する位置制御モードに切り替えられる。その後、接触子群L、Rが頭部10から最大限離れるように左右のアーム114L,114Rがリリース方向に限界まで押圧回動する。
頭部リリースステップS227について説明する。このステップS227では、まず、中断処理ステップS223と同様、左右のアーム114L,114Rのスイング回動動作及び押圧回動動作と、接触子群L,Rの揉み回動動作とが停止される。押圧回動動作の停止にあたっては、制御モード切替部903L,903Rが強制的に図16の符号A側に切替えられ、押圧力制御がOFFとなり、このときの角度位置を保持する位置制御モードに切り替えられる。その後、接触子群L、Rが頭部10から最大限離れるように左右のアーム114L,114Rがリリース方向に限界まで押圧回動する。さらに、頭部リリースステップS215では、リリース方向への押圧回動が完了した左右のアーム114L,114Rが、頭部10の後側(0°の角度位置)までスイング回動する。
これによって、頭部迎え入れステップS218と同様、左アーム114Lと右アーム114Rとが、互いに間隔を開けた状態でボウル101の底側に位置することとなるため、ユーザが頭部10をボウル101の外へ出す動作を安心して行うことができる。
頭部リリースステップS227が完了すると、マッサージモードの全動作が終了する。
以上説明したように、本発明の自動洗髪装置によれば、頭部の左右に位置する接触子群を備えた左アーム114Lと右アーム114Rとを備え、左右のアーム114L,114Rのスイング回動角度及び押圧回動角度と、接触子群L,Rの揉み回動角度と、水系バルブ、洗浄液系バルブ及びコンディショナー系バルブとを複合的に動作させることができ、ユーザの首に負担をかけることなく安全に洗髪動作を実行することができる。また、洗髪のみならず、頭部マッサージも実行できる。
図32〜図35を参照しながら、左右の接触子群L,Rの揉み回動角度θEL、θERの制御動作について更に説明する。
上述の通り、揉み回動動作中において、接触子群L,Rは、基本的には、揉み回動角度θEL,θERの全角度範囲(0°から60°までの角度範囲)に亘って往復回動するように制御される。しかしながら、アーム114L,114Rの押圧回動角度θPL,θPRが大きい場合、左右のアーム114L,114Rの先端同士が極めて接近することがある。そのため、揉み回動角度θEL,θERに関して常に基本制御を行うと、頭部10の中央部において左右の接触子群L、Rの接触子109同士が干渉し合う可能性がある。そこで、このような接触子109同士の干渉を避けるため、揉み回動角度θEL,θERは、必要に応じて次のように制御される。
図32は、左右のアーム114L,114Rのスイング回動角度θSL,θSRがいずれも130°であるときの接触子109の配置状態を示す図である。なお、図32及び図33〜図35において、左アーム114Lの第一アーム105Lと第二アーム106Lと第三アーム107L,108Lとを合わせた部分は、1つにまとめられて左アーム部601Lとして模式的に示されている。同様に、右アーム114Rの第一アーム105Rと第二アーム106Rと第三アーム107R,108Rとを合わせた部分は、1つにまとめられて右アーム部601Rとして模式的に示されている。
図32に示す状態は、左右のアーム部601L,601Rは頭部10の前側にスイング回動した状態であり、接触子109はユーザの額付近に接触するように配置される。一般的に、アーム部601L,601Rの支持軸104L,104Rからユーザの額までの距離は、支持軸104L,104Rから頭部10の頂部までの距離に比べて大きくなるため、このときの押圧回動角度θPL,θPRは比較的小さくなる。そのため、図32に示す状態において、左右のアーム部601L,601Rの先端部間の隙間602の幅(以下、「中央隙間幅602w」という。)は比較的大きくなる。したがって、左右のアーム部601L,601Rの先端に位置する接触子109同士が干渉する可能性は低く、揉み回動角度θEL,θERを基本制御により制御することができる。
一方、図33は、左右のアーム部601L,601Rのスイング回動角度θSL,θSRがいずれも90°であるときの接触子109の配置状態を示す図である。このとき、接触子109は頭部10の頂部付近に接触するように配置される。アーム部601L,601Rの支持軸104L,104Rから頭部10の頂部までの距離は比較的小さいため、このときの押圧回動角度θPL,θPRは比較的大きくなる。そのため、中央隙間幅602wは比較的狭くなり、基本制御により揉み回動角度θEL,θERを制御すると、左右のアーム部601L,601Rの先端に位置する接触子109同士が干渉する可能性がある。
このような問題を解消するために、揉み回動角度θEL,θERの可動範囲は、押圧回動角度θPL,θPRが所定角度以上であるとき、該押圧回動角度θPL,θPRの大きさに応じて、アーム先端の接触子109同士の干渉を回避し得る範囲に制限される。
図34は、左右のアーム部601L,601Rが位相をずらしてスイング回動する場合において、左アーム部601Lのスイング回動角度θSLが50°であり、右アーム部601Rのスイング回動角度θSRが130°であるときの状態を示す図である。このように、左右のアーム部601L,601Rのスイング回動の位相が異なるとき、揉み回動角度θEL,θERが最大角度(60°)であっても、頭部10の中央部において接触子109同士が干渉することはない。
しかしながら、左右のアーム部601L,601Rが位相をずらしてスイング回動する場合であっても、両アーム部601L,601Rがすれ違うタイミングではスイング回動が同相となる。そのため、このタイミングにおいて、押圧回動角度θPL,θPRの大きさによっては、頭部10の中央部において接触子109同士が干渉する可能性がある。
したがって、左右のアーム部601L,601Rが位相をずらしてスイング回動する場合であっても、左右のアーム部601L,601Rのスイング回動角度θSL,θSRの差が所定角度以下であるとき、上記と同様、押圧回動角度θPL,θPRの大きさに応じて、揉み回動角度θEL,θERの可動範囲が制限される。
また、揉み回動角度θEL,θERの可動範囲を制限する制御に代えて、図35に示すように、左アーム部601Lの先端に位置する第四アーム310Lと、右アーム部601Rの先端に位置する第四アーム310Rとを同相で揉み回動動作させる制御を行ってもよい。かかる制御によっても、頭部10の中央部において、隣接する接触子109同士の干渉を回避することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2にかかる自動洗髪装置について説明する。なお、本発明の実施の形態2にかかる自動洗髪装置では、本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置100と異なる部分についてのみ説明し、自動洗髪装置100と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図36は、本実施の形態2にかかる自動洗髪装置のヘッドケアユニットの要部を示す側面図である。図36に示すように、本実施の形態2にかかる自動洗髪装置では、自動洗髪装置100のヘッドケアユニット40の一部を構成する円筒ラック306L,314Lに代えて、円筒ラック326Lが用いられる。この円筒ラック326Lは、円筒ラック326Lの外周に形成されたラック機構326Laが、ドライブシャフト304Lに取り付けられた歯車305L及び接触ユニット13の歯車307L,311Lと係合する部分についてのみ形成されたものである。これにより、円筒ラック326Lを軽量化することができ、低コスト化を図ることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3にかかる自動洗髪装置について説明する。なお、本発明の実施の形態3にかかる自動洗髪装置では、本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置100と異なる部分についてのみ説明し、自動洗髪装置100と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図37は、本実施の形態3にかかる自動洗髪装置のヘッドケアユニットの要部を示す平面図である。図37に示すように、本実施の形態3にかかる自動洗髪装置では、ラック機構336Laが短く形成された円筒ラック336Lが用いられるとともに円筒ラック336Lと係合する歯車305Lがモータ301Lによって直接的に駆動され、且つモータ301Lが接触ユニット13の歯車307Lの上部に配置されている。これにより、ヘッドケアユニット40の幅を小さくすることができ、ヘッドケアユニット40を小型化することができる。なお、円筒ラック336Lと係合する歯車305Lが、ドライブシャフト304Lを介してモータ301Lによって駆動される場合においても、モータ301Lは接触ユニット13の歯車307L,318Lの上部に配置される。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4にかかる自動洗髪装置について説明する。なお、本発明の実施の形態4にかかる自動洗髪装置では、本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置100と異なる部分についてのみ説明し、自動洗髪装置100と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図38は、本実施の形態4にかかる自動洗髪装置のヘッドケアユニットの要部を示す図であり、図38(a)は、ヘッドケアユニットの要部を示す側面図、図38(b)は、ヘッドケアユニットの要部を示す平面図である。図38(a)及び図38(b)に示すように、本実施の形態4にかかる自動洗髪装置では、自動洗髪装置100のヘッドケアユニット40の一部を構成する2つの円筒ラック306L,314Lに代えて、1つの円筒ラック346Lが用いられる。
円筒ラック346Lは、その側面に軸対称のラック機構346Laが形成されるととともに円筒ラック346Lの中心軸346Lbと一致する支持軸215Lによって第二アーム106Lに回動可能に支持され、第二アーム106Lは、第一アーム105Lに支持軸212Lによって回動可能に支持されている。第二アーム106Lには、2つの接触ユニット13が回動可能に取り付けられた第三アーム107L,108Lが支持軸213L,214Lによって回動可能に支持されている。
モータ301Lの回転出力は、モータ回転出力軸に取り付けられた歯車302L及び円筒ラック346Lを介して第三アーム107L,108Lに回動可能に取り付けられた接触ユニット13の歯車307L,318Lに伝達され、歯車307Lが回動軸308L周りに回動可能に構成されるとともに、歯車318Lが回動軸319L周りに回動可能に構成されている。
円筒ラック346Lに係合する歯車307L,318Lはそれぞれ、第三アーム107L,108Lに回動可能に取り付けられた接触ユニット13の歯車311L,315Lに伝達され、歯車311Lが回動軸312L周りに回動可能に構成されるとともに、歯車315Lが回動軸316L周りに回動可能に構成されている。このようにして構成されるヘッドケアユニットにおいても、モータ301Lを回転させることで、隣接する歯車307L,311L,315L,318L及び接触子109がそれぞれ互いに逆方向に回転する。
また、図38に示すヘッドケアユニット40においても、第三アーム107L,108Lがそれぞれ第二アーム106Lに支持軸213L,214Lによって回動可能に支持され、2つの分割ユニット部14が第二アーム106Lに回動可能に支持され、第二アーム106Lは、第一アーム105Lによって人の頭部10へ向かう方向に移動する。
第二アーム106Lが人の頭部10に向かう方向に移動すると、第三アーム107L,108Lが人の頭部10に向かう方向に移動し、第二アーム106Lに取り付けられた2つの分割ユニット部14が人の頭部10の頭皮10aに押し付けられ、2つの分割ユニット部14の接触子109がそれぞれ人の頭部10の頭皮10aに接触する。
このように、図38に示すヘッドケアユニット40においても、接触ユニット13を人の頭部10の頭皮10aに沿った方向に4個配置することで、接触ユニット13を2個配置した場合に比べて、一度に広い領域を洗浄することができ、効率良く洗髪作業を行うことができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5にかかる自動洗髪装置について説明する。なお、本発明の実施の形態5にかかる自動洗髪装置では、本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置100と異なる部分についてのみ説明し、自動洗髪装置100と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図39は、本実施の形態5にかかる自動洗髪装置のヘッドケアユニットの要部を示す図である。図39に示すように、本実施の形態5にかかる自動洗髪装置では、本実施の形態4にかかる自動洗髪装置において、第三アーム107L,108Lの一端がともに円筒ラック346Lの中心軸346Lbと一致する支持軸215Lに結合されるとともに、円筒ラック346Lが第二アーム106Lに支持軸215Lによって回動可能に支持されるように構成されている。
図39に示すヘッドケアユニットでは、2つの分割ユニット部14が第三アーム107L,108Lに回動可能に支持され、第三アーム107L,108Lがそれぞれ第二アーム106Lに結合され、第二アーム106Lは、第一アーム105Lによって人の頭部10へ向かう方向に移動する。
第二アーム106Lが人の頭部10に向かう方向に移動すると、矢印17に示すように、第三アーム107L、108Lが人の頭部10に向かう方向に移動し、接触ユニット13が人の頭部10に押し付けられ、接触ユニット13の接触子109がそれぞれ人の頭部10の頭皮10aに接触する。
このようにして構成されるヘッドケアユニットにおいても、モータ301Lを回転させることで、隣接する歯車307L,311L,315L,318L及び接触子109がそれぞれ互いに逆方向に回転し、人の頭部10を効率よく洗浄することができる。本実施の形態5にかかる自動洗髪装置では、本実施の形態4にかかる自動洗髪装置に比べて、第二アーム106L及び第三アーム107L,108Lに関連する構成を簡略化することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6にかかる自動洗髪装置について説明する。なお、本発明の実施の形態6にかかる自動洗髪装置では、本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置100と異なる部分についてのみ説明し、自動洗髪装置100と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図40は、本実施の形態6にかかる自動洗髪装置のヘッドケアユニットの要部を示す図である。図40に示すように、本実施の形態6にかかる自動洗髪装置では、本実施の形態4にかかる自動洗髪装置において、第一アーム105Lと第三アーム107L,108Lとがコイルバネ18によって結合されている。
図40に示すヘッドケアユニットにおいても、第三アーム107L,108Lの一端がともに円筒ラック346Lの中心軸346Lbと一致する支持軸215Lに結合されるとともに、円筒ラック346Lが第二アーム106Lに支持軸215Lによって回動可能に支持されているが、第三アーム107L,108Lがそれぞれ第一アーム105Lとコイルバネ18によって結合されている。
このようにして構成されるヘッドケアユニットにおいても、第一アーム105Lが人の頭部10へ向かう方向に移動すると、矢印17に示すように、第三アーム107L,108Lが人の頭部10に向かう方向に移動し、接触ユニット13が人の頭部10に押し付けられ、接触ユニット13の接触子109がそれぞれ人の頭部10の頭皮10aに接触する。
本実施の形態6にかかる自動洗髪装置では、接触ユニット13の接触子109がそれぞれ人の頭部10の頭皮10aに接触する際に、コイルバネ18の弾性を利用して接触子109が人の頭部10に接触するので、人の頭部10に与える衝撃を抑制することができ、人の頭部10にかかる負担を少なくことができる。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7にかかる自動洗髪装置について説明する。なお、本発明の実施の形態7にかかる自動洗髪装置では、本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置100と異なる部分についてのみ説明し、自動洗髪装置100と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図41は、本実施の形態7にかかる自動洗髪装置の洗浄ユニットを説明するための説明図である。図41に示すように、本実施の形態7にかかる自動洗髪装置は、自動洗髪装置100において、左洗浄ユニット12Lの支持軸104Lが、矢印19に示すように支持軸104Lと直交する方向において移動可能に構成され、支柱102Lに対して支持軸104Lが支持軸104Lと直交する方向に移動可能に取り付けられている。
これにより、人の頭部10の額10eに近い部分や後部10fを洗髪する際に、人の頭部10の形状に応じて支持軸104Lを移動させて、人の頭部10の形状に応じて左洗浄ユニット12Lを移動させることができるので、人の頭部10の形状に応じてさらに効率よく洗髪することができる。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8にかかる自動洗髪装置について説明する。なお、本発明の実施の形態8にかかる自動洗髪装置では、本発明の実施の形態1にかかる自動洗髪装置100と異なる部分についてのみ説明し、自動洗髪装置100と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図42は、本実施の形態8にかかる自動洗髪装置の洗浄ユニットを説明するための説明図である。図42に示すように、本実施の形態8にかかる自動洗髪装置は、自動洗髪装置100において、一対の洗浄ユニット12では洗髪しにくい頭部10の領域10gを効率よく洗髪するために、左洗浄ユニット12L,右洗浄ユニット12Rの先端にそれぞれ補助洗浄ユニット22L,22Rが取り付けられている。なお、補助洗浄ユニット22L,22Rはそれぞれ、人の頭部10を洗浄できるように構成されている。
補助洗浄ユニット22L,22Rはそれぞれ、洗浄ユニット12L,12Rとの接続軸25L,25Rに対して回動自在に駆動される。例えば、洗浄ユニット12L,12Rに図示しないモータを配置するとともに該モータのモータ回転出力軸に補助洗浄ユニット22L,22Rを取り付けることにより、補助洗浄ユニット22L,22Rを洗浄ユニット12L,12Rに対して回動自在に駆動させることができる。
図43は、本実施の形態8にかかる自動洗髪装置の洗浄ユニットの動作を説明するための説明図であり、図43(a)は、2つの補助洗浄ユニットを用いて人の頭部を洗浄する場合を示し、図43(b)は、1つの補助洗浄ユニットを用いて人の頭部を洗浄する場合を示している。
本実施の形態8にかかる自動洗髪装置では、図43(a)に示すように、2つの補助洗浄ユニット22L,22Rを用いて人の頭部10を洗浄する場合、補助洗浄ユニット22L,22Rが略対称になるように補助洗浄ユニット22L,22Rを回動させた状態で、洗浄ユニット12L,12R及び補助洗浄ユニット22L,22Rをスイング回動し、人の頭部10を洗髪する。
自動洗髪装置では、1つの補助洗浄ユニットを用いて人の頭部10を洗浄する場合、図43(b)に示すように、一方の補助洗浄ユニット22Lを左洗浄ユニット12Lに対して略重なるように回動させるとともに、他方の補助洗浄ユニット22Rを右洗浄ユニット12Rに対して人の頭部10の中央側に突出するように回動させた状態で、右洗浄ユニット12R及び補助洗浄ユニット22Rのみをスイング回動し、人の頭部10の所定の領域10hを洗髪する。
また、右洗浄ユニット12R及び補助洗浄ユニット22Rのみをスイング回動する際に、左洗浄ユニット12L及び補助洗浄ユニット22Lが人の頭部10を所定の荷重で押さえるようにすることも可能である。また、左洗浄ユニット12L及び補助洗浄ユニット22Lのみがスイング回動する際に、右洗浄ユニット12R及び補助洗浄ユニット22Rが人の頭部10を所定の荷重で押さえるようにすることも可能である。
なお、補助洗浄ユニット22L,22Rを備えていない自動洗髪装置100においても、このように、一方の洗浄ユニットによって人の頭部10を所定の荷重により押さえつつ、他方の洗浄ユニットを回動方向に変位させるようにしてもよい。これにより、人の頭部10の所定の部分を集中して洗髪することができ、丁寧に洗髪することができる。