JP5553729B2 - 能動制御サスペンションシステム用駆動装置 - Google Patents
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Description
懸垂装置は次の基本条件を満さなければならない。即ち、
第一に、車両の走行中に発生する路面の不規則な入力を効果的に吸収し、搭乗者に安楽な乗り心地を提供すること。
第二に、運転者の運転行為及び路面の屈曲によって発生した車体の揺動を適切に制御し、運転の便宜性を提供すること。
第三に、不規則な路面上で走行する時、タイヤ接地面での垂直荷重を適切な水準に維持して、旋回及び制動時に車両の安定性を確保すること。である。
即ち、車両の急旋回時にはオーバーステア傾向が現れて操縦性が落ちるが、前記能動制御サスペンションシステムはこれを解決するために、急旋回時に後輪側の旋回外輪をトーイン(Toe In)に誘導して車両の操縦安定性を向上させるものである。
従来の能動制御サスペンションシステムは、サブフレーム101の左右両側内部に各々アクチュエーター103が備えられ、このアクチュエーター103は直線往復運動をする作動ロッド105を備える。アクチュエーター103の作動ロッド105は、サブフレーム101にレバー回転軸107を通して回転可能になるように設置される制御レバー109の一端に連結される。
制御レバー109の他端は、ナックル111の後方一側にボールジョイント(BJ)を通してその一端が設けられるアシストリンク113の他端にブッシュ(B)によって連結される。したがって、制御レバー109とアシストリンク113の連結点はアシストリンク113の車体側節点(P)を形成する。
即ち、アクチュエーター103の駆動によって制御レバー109が回転運動すると、アシストリンク113の車体側節点(P)の位置が下へ移動し、旋回軸を基準に外側後輪115のトーイン値が増大する。したがって、車両の高速旋回時、横風時、または急に車線を変更する時に車両の旋回安定性を向上させ、安定した車両走行性能が実現される。
また、アシストリンク113と制御レバー109を通して外力がアクチュエーター103に直接伝達される恐れがあり、耐久性が劣るという問題点があった。
また、制御レバー109の回転はアクチュエーター103の作動力にのみ依存しなければならず、このようなアクチュエーター103は車両の動きに応じてアシストリンク113を通して伝達される横力に相当する作動力を備えなければならない。したがって、大容量のアクチュエーター103が使用されなければならず、これに伴う設計上の制約を受けるという短所もある。
また、従来の能動制御サスペンションシステムは、初期トー値を設定及び調整するためにアシストリンク113上にトー調節スクリュー117を適用することにより、製作及び組み立て工程が追加されるという短所もある。
また、前記アシストリンクを通して伝達される外力がアクチュエーターに直接伝達されないようにすることにより、アクチュエーターの耐久性を維持すると同時にその容量を最小化することができる能動制御サスペンションシステム用駆動装置を提供することにある。
本発明が解決しようとする他の課題は、前記スライド溝部を円弧形状に形成して、スライドプレートの軌跡がアシストリンクの後輪側の連結点を回転中心とする円弧方向に沿うようにすることによってホイールのトレッド変化を最小にし、最適の車体制御状態を実現することができるようにする能動制御サスペンションシステム用駆動装置を提供することにある。
本発明が解決しようとするまた他の課題は、アシストリンクのブッシュと両側スライドプレートを組み立てる時に、中心が偏心したカムボルトユニットを適用することにより、アシストリンク上に別途のトー調節スクリューを適用しなくても初期トー値を設定及び調整できるようにする能動制御サスペンションシステム用駆動装置を提供することにある。
また、前記アシストリンクを通して伝達される外力がアクチュエーターに直接伝達されないようにすることにより、アクチュエーターの耐久性を保持すると同時にその容量を最小にすることができる。
また、本発明は、前記スライド溝部を円弧形状に形成して、スライドプレートの軌跡がアシストリンクの後輪側連結点を回転中心とする円弧方向に沿うようにすることにより、ホイールのトレッド変化を最小にし、最適の車体制御状態を実現できる効果がある。
また、本発明は、アシストリンクのブッシュと両側スライドプレートを組み立てる時、中心が偏心したカムボルトユニットを適用することにより、アシストリンク上に別途のトー調節スクリューを適用しなくても初期トー値を設定及び調整できる利点がある。
図2は、本発明の駆動装置が適用された能動制御サスペンションシステムの一部を示した斜視図である。
本発明の駆動装置10が適用される能動制御サスペンションシステムは、車体の進行方向に向かって左右のサブフレーム1に各々備えられており、各ナックル3に一端がボールジョイント(BJ)によって取り付けられたアシストリンク5の他端に連結される。駆動装置10は、アシストリンク5の車体側節点(P)の位置を変えるように作動する。
メンバーブラケット11は車体左右のサブフレーム1の各々に固定設置され、アクチュエーター21の垂直駆動力をアシストリンク5に伝達する。
メンバーブラケット11の両側面及び上面には各々開口部(OP1、OP2)が形成されている。メンバーブラケット11の両側面は段差を有しており、前記段差を有する内側には、各側面開口部(OP1)がその中央部に形成された円弧形状のスライド溝部13が形成される。
スライド溝部13にはスライドプレート31がスライド可能に設置される。スライドプレート31は、図6に示す通り楕円形状であり、その側面(R1、R2)が円弧方向軌跡(G)に沿って形成される。
このような構成のスライドプレート31では、メンバーブラケット11のスライド溝部13及び各側面開口部(OP1)と接触する外周面、リブ部39の突出部側面、及びピンホール33の内周面にメタルベアリング(MB)が一体に形成されて、メンバーブラケット11との摩擦係数を減らすようになっている。
ピンボルトユニットは、図4で示したように、ピンボルト41とピンナット43及び固定ピン45から構成される。
ピンボルトユニットを通したアクチュエーター21と両側スライドプレート31の組み立て構造は、次の通りである。
即ち、メンバーブラケット11の内部でアクチュエーター21の作動ロッド23先端にピンボルト41を嵌合した状態で、ピンボルト41の両端部はメンバーブラケット11の両側面開口部(OP1)を貫いて各スライドプレート31のピンホール33に嵌合される。
そして、前記ピンボルト41は、その両端が各スライドプレート31を貫いて突出され、この突出した両端にピンナット43が締結される。このような状態で、各固定ピンホール47に固定ピン45を嵌合することによってピンナット43の緩みが防止される。
アクチュエーター21の作動ロッド23の先端には、図9に示す通り、連結ホール25が形成されてピンボルト41が嵌合される。この時、連結ホール25はスロット形状に形成されて、ピンボルト41との間に幅方向に一定の間隔(I)を有するように構成される。
即ち、カムボルトユニットは、図4で示す通り、カムボルト51の軸線上に偏心してそのヘッド部及び先端部に各々配置される前方カムプレート53及び後方カムプレート55が、両側スライドプレート31の前面下部に形成されるカム溝35に各々嵌合される。この時、カムボルト51は、各スライドプレート31のカム溝35の中心に形成されるスロットホール37に挿入された状態でカムナット57によって締結される。
ここで、前方、後方とは車体進行方向の前方及び後方を言う。
まず、メンバーブラケット11の前方を通してアシストリンク5のブッシュ(B)を挿入して両側スライドプレート31の間に位置させた状態で、両側スライドプレート31のスロットホール37とメンバブラケット11の両側面開口部(OP1)を通してカムボルト51を挿入する。
この時、前方カムプレート53は一側スライドプレート31に形成されるカム溝35に嵌合され、カムボルト51の先端部に後方カムプレート55を挿入し、後方カムプレート55が他側スライドプレート31のカム溝35に嵌合されるようにする。その後、カムナット57をカムボルト51の先端部にねじ結合する。
ここで、アシストリンクの車体点節点(P)の位置が決定されると、アシストリンク5の車体側節点(P)の初期位置によって後輪(W)の初期トー値を設定することができる。この状態で、カムボルト51にカムナット57を完全に締結して、アシストリンク5のブッシュ(B)と両側スライドプレート31の組み立てを完了する。
本発明の実施形態によれば、従来のアクチュエーターによって駆動する制御レバーを削除することができる。また、アクチュエーター21の垂直駆動力により、アシストリンク5の車体側節点(P)がアシストリンク5の後輪(W)側連結点(BJP)を回転中心とする円弧方向の軌跡(G)に沿って移動してホイールのトレッド変化なく滑らかに下降させて、車両の旋回時に外側後輪(W)をトーインで誘導する。
これにより、両側スライドプレート31は、メンバーブラケット11上のスライド溝部13上で円弧方向の軌跡(G)を描きながら下降して、アシストリンク5の車体側節点(P)の位置を下へ移動させる。
したがって、旋回外側後輪(W)トーインが増大し、車両はアンダーステアに誘導されて、車両の旋回挙動安定性を確保する。
S1段階では、初期ホイールアラインメントの設定状態でのアシストリンク5の設置角(θ1)を示しており、S2段階では、実際車両挙動条件でのアシストリンク5の挙動角(θ2)を示しており、S3段階では、本実施形態による能動制御サスペンションシステムが作動して、アシストリンク5の車体側節点(P)がアシストリンク5の後輪(W)側連結点(BJP)を回転中心とする円弧方向の軌跡(G)に沿って移動した状態を示している。
このように、アシストリンク5の車体側節点(P)が円弧方向の軌跡(G)に沿って移動すれば、ホイールのトレッド変化がほとんどなくなり、能動制御サスペンションシステムの滑らかな作動が誘導される。
3 ナックル
5 アシストリンク
P 節点
BJ ボールジョイント
10 駆動装置
11 メンバーブラケット
13 スライド溝部
21 アクチュエーター
31 スライドプレート
33 ピンホール
35 カム溝
37 スロットホール
39 リブ部
41 ピンボルト
43 ピンナット
45 固定ピン
47 固定ピンホール
51 カムボルト
53 前方カムプレート
55 後方カムプレート
57 カムナット
Claims (18)
- 車体左右のサブフレームに各々備えられ、ナックルにその一端が設けられたアシストリンクの他端に連結され、アシストリンクの車体側節点の位置を可変にする能動制御サスペンションシステム用駆動装置において、
前記左右のサブフレームに各々固定設置され、両側面及び上面に各々開口部が形成され、前記両側面には円弧形状のスライド溝部が形成されて、スライドプレートがスライド可能になるように収容されるメンバーブラケット、
前記メンバーブラケット上の上面に対応して前記サブフレーム上に垂直方向に設置され、前記両側スライドプレートにピンボルトユニットを通して連結されて垂直駆動力が伝達されるアクチュエーター、及び、
前記アシストリンクのブッシュと前記両側スライドプレートが組み立てられて、前記アシストリンクの車体側節点の初期位置が決定されるカムボルトユニット、
を含むことを特徴とする能動制御サスペンションシステム用駆動装置。 - 前記メンバーブラケットには、その前面及び両側面に保護キャップが各々設置されることを特徴とする請求項1に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記各スライド溝部の中央部には前記各側面開口部が形成されており、前記スライド溝部は、前記アシストリンクの後輪側連結点を回転中心とする円弧方向の軌跡に沿って円弧形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記各側面開口部は、前記円弧方向の軌跡に沿って前記スライド溝部の中央部に形成されることを特徴とする請求項3に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記スライドプレートは、前記円弧方向軌跡に沿って曲がった楕円形状であって、その上部に前記ピンボルトユニットを設置するためのピンホールが形成され、1面下部には、前記カムボルトユニットを設置するように内側に段差を有する楕円形状のカム溝が形成され、前記カム溝の中心に横方向にスロットホールが形成され、他面には、前記スロットホールの外周辺に沿って突出し、前記メンバーブラケットに形成される各側面開口部に挿入されるリブ部が一体形成されることを特徴とする請求項3に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記スライドプレートは、前記メンバーブラケットのスライド溝部及び各側面開口部に接触するその外周辺面、前記リブ部の突出部側面、及び前記ピンホールの内周面にメタルベアリングが一体に形成されることを特徴とする請求項5に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記ピンボルトユニットは、
前記メンバーブラケットの内部で前記アクチュエーターの作動ロッド先端に嵌合された状態で、両端部は前記メンバーブラケットの両側面開口部を通して前記各スライドプレートのピンホールに嵌合され、両端部には固定ピンホールが形成されるピンボルト、
前記各スライドプレートの外側で、前記ピンボルトの両端に締結されるピンナット、及び
前記各固定ピンホールに嵌合される固定ピン、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。 - 前記アクチュエーターの作動ロッド先端にはスロット形状の連結ホールが形成され、前記ピンボルトは、前記連結ホールに嵌合された状態で前記連結ホールとの間に、幅方向に一定の間隔を有することを特徴とする請求項7に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記カムボルトユニットは、
カムボルト、
前記カムボルトの先端に結合されるカムナット、及び、
前記カムボルトの軸線上に偏心し、そのヘッド部及び先端部に配置され、前記両側スライドプレートのカム溝に各々嵌合される前方及び後方カムプレート、
を含み、
前記カムボルトは、前記カム溝の中心に形成されるスロットホールに挿入された状態でカムナットと締結されて、前記両側スライドプレートの間で前記アシストリンクのブッシュが組み立てられることを特徴とする請求項5に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。 - 車体サブフレームの左右両側に各々備えられ、ナックルにその一端が設けられたアシストリンクの他端に連結され、アシストリンクの車体側節点の位置を可変とする能動制御サスペンションシステム用駆動装置において、
両側面及び上面に各々開口部が形成され、前記両側面開口部が収容され、前記アシストリンクの後輪側連結点を回転中心とする円弧方向の軌跡に沿ってスライド溝部が形成されて、前記サブフレームの左右両側に各々固定設置されるメンバーブラケット、
上部側にピンホールが形成され、各正面下部には内側に段差を有する楕円形状のカム溝が形成され、前記カム溝の中心には横方向にスロットホールが形成されて、前記各スライド溝部に沿ってスライド可能になるように設置されるスライドプレート、
前記メンバーブラケット上の上面開口部に対応して前記サブフレーム上に垂直方向に設けられるアクチュエーター、
前記メンバーブラケットの内部で前記アクチュエーターの作動ロッド先端に嵌合された状態で、両端部は前記メンバーブラケットの両側面開口部を通して前記スライドプレートのピンホールに嵌合されるピンボルトユニット、
前記両側スライドプレートのスロットホールとメンバブラケットの両側面開口部を通して挿入されて、前記アシストリンクのブッシュと前記両側スライドプレートが組み立てされて前記アシストリンクの車体側節点の初期位置が決定されるカムボルトユニット、
を含むことを特徴とする能動制御サスペンションシステム用駆動装置。 - 前記メンバーブラケットにはその前面及び両側面に保護キャップが各々設置されることを特徴とする請求項10に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記各側面開口部は前記円弧方向の軌跡に沿って前記スライド溝部に形成されることを特徴とする請求項10に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記スライドプレートは、前記円弧方向軌跡に沿って前記スライド溝部の曲率に対応するように曲がった楕円形状のプレートからなることを特徴とする請求項10に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記スライドプレートは、各内側面に前記スロットホールの外周辺に沿って突出し、前記メンバーブラケットに形成される各側面開口部に挿入されるリブ部を一体に形成することを特徴とする請求項10に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記スライドプレートは、前記メンバーブラケットのスライド溝部及び各側面開口部に接触するその外周辺面、前記リブ部の突出部側面、及び前記ピンホールの内周面にメタルベアリングが一体に形成されることを特徴とする請求項14に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記ピンボルトユニットは、
前記メンバーブラケットの内部で前記アクチュエーターの作動ロッド先端に嵌合された状態で、両端部は前記メンバーブラケットの両側面開口部を通して前記各スライドプレートのピンホールに嵌合され、両端部には固定ピンホールが形成されるピンボルト、
前記各スライドプレートの外側で前記ピンボルトの両端に締結されるピンナット、そして
前記各固定ピンホールに嵌合される固定ピン、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。 - 前記アクチュエーターの作動ロッド先端にはスロット形状の連結ホールが形成され、前記ピンボルトは、前記連結ホールに嵌合された状態で前記連結ホールとの間に、幅方向に一定の間隔を有することを特徴とする請求項16に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
- 前記カムボルトユニットは、
カムボルト、
前記カムボルトの先端に結合されるカムナット、及び、
前記カムボルトの軸線上に偏心されてそのヘッド部及び先端部に配置され、前記両側スライドプレートのカム溝に各々嵌合される前方及び後方カムプレート、
を含み、
前記カムボルトは、前記カム溝の中心に形成されるスロットホールに挿入された状態でカムナットと締結されて、前記両側スライドプレートの間に前記アシストリンクのブッシュが組み立てられることを特徴とする請求項10に記載の能動制御サスペンションシステム用駆動装置。
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