JP5549984B2 - 高比表面積のカーボンナノチューブ集合体の製造方法 - Google Patents
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Description
この方法では、CNTの合成雰囲気中に添加した触媒賦活物質が、触媒微粒子を覆った炭素系不純物を取り除いて、触媒膜の地肌を清浄化する結果、著しく触媒の活性が向上するとともに寿命が延びる。この触媒賦活物質の添加により、触媒の活性が高められ、且つ寿命が延長した結果、従来は高々2分間程度で終了した単層CNTの成長が数十分間継続する上、触媒活性は従来の高々数パーセントから、84%にも改善することになった。この結果、従来の高々4μmの高さから、その高さが数百倍著しく増大した(非特許文献1においては、高さ2.5ミリで、4μmから625倍の改善)単層CNT集合体が得られることとなった。これは、触媒賦活物質存在下においては、触媒活性が著しく向上するため、高炭素濃度環境下においても、触媒は活性を失わず、長時間のCNTの成長が可能となるとともに、成長速度が著しく向上するためである。ここで、高炭素濃度環境とは、原料ガス及び雰囲気ガス、触媒賦活物質を含むガスに対する原料ガスの割合が2〜20%程度の成長雰囲気のことを言う。
〔合成炉〕
合成炉3とは、触媒を担持した基材1を受容し、CNTの合成を行う炉のことを指す。合成炉3の材質は、CNTの成長を阻害せず、成長温度で触媒を担持した基材1を受容することができ、炉内の均熱性を保ち得るものとすると良い。さらには、大量のCNTを合成するために、合成炉3は、基材を複数、もしくは連続的に供給・取り出しを行うシステムを装備していてもよい。
〔CNT製造装置の材質〕
CNT製造装置の一部、特に合成炉3、ガス流形成手段9、ガス噴出手段10の材質は、その機能を発現できるものであればよく、公知の物を適宜用いることができる。このような、CNT製造装置の一部、特に合成炉3、ガス流形成手段9、ガス噴出手段10の材質は耐熱合金とすると良い。耐熱合金は、加工性、機械的強度に優れるために、構造が複雑な形状をCNT製造装置の一部の作るために好ましい。
〔浸炭防止層〕
CNT製造装置の一部、特に合成炉3、ガス流形成手段9、ガス噴出手段10の表面又は裏面の少なくともいずれか一方には、浸炭防止層が形成してもよい。もちろん、表面及び裏面の両面に浸炭防止層が形成されていることが望ましい。この浸炭防止層は、CNT製造装置の一部と原料ガスの化学反応を抑制するために好ましい。また、原料ガスの分解により、CNT製造装置の一部が浸炭されて変形してしまうのを防止するために好ましい。
〔ガス供給管〕
ガス供給管4は、炭素重量フラックス調整手段15から供給された原料ガス、触媒賦活物質、雰囲気ガス、還元ガスなどを、合成炉3内、及びまたはガス流形成手段9に供給する配管を指す。なお、ガス供給管4は、ガスのみならず、液体を供給してもよい。ガス供給管4は、合成炉3の上壁、およびまたは、側壁に設けられた、開口から合成炉3内へ挿設するのが、原料ガスおよび触媒賦活物質を縦(鉛直)方向から供給するために好ましい。配管の一部は合成炉3の中に挿入されていてもよく、加熱領域7内にその末端が設けられていてもよい。合成炉3の中に挿入されている配管は各種ガスと反応せず、高熱下においてもその品質、形状を保ち得るものであればよく、石英、各種金属材料などが挙げられる。
ガス排気管5は、合成炉3から、雰囲気ガス、触媒賦活物質、還元ガス、原料ガス等を排気する配管、ダクト等の手段を指す。なお、ガス排気管5は、ガスのみならず、液体を排気してもよい。ガス排気管5の材料は各種ガスと反応せず、その品質、形状を保ち得るものであればよく、石英、各種金属材料などが挙げられる。ガス排気管5は、合成炉3の下壁、およびまたは、ガス供給管4より下側の側壁に設けられた、開口から合成炉3内へ挿設するのが好ましい。このように、ガス供給管4とガス排気管5を配設すれば、合成炉3内で原料ガスおよび触媒賦活物質が縦(鉛直)方向から触媒に供給され、後述するように、乱流を抑制し、基材1上に設けられた触媒層2表面に、原料ガスを略均一の量で接触させるのに好ましい。
加熱手段6は、合成炉3を外囲するように設けられた合成炉3を加熱するための装置を指す。電熱線を用いるもの、赤外線を用いるものなど既存の加熱手段を用いることができる。なお、本明細書で言う加熱領域7とは、加熱手段6により、加熱された合成炉3の内部の空間を言う。
〔ガス流形成手段〕
ガス流形成手段9とは、ガス供給管4から供給される原料ガス、触媒賦活物質、雰囲気ガス、還元ガス等を、複数の方向に分配する手段のことである。ガス流形成手段9は、原料ガスや触媒賦活物質等を複数の方向に分配・分散することができれば、材質、形状等は特に制限されず、公知のものを適宜用いることができる。ガス流形成手段9の形状・形態としては、図2に示すように、円盤状、円筒状、平面上で中空構造を有するものや、パイプ状の配管を用いるもの、複数の枝分かれするパイプ状の配管や、これらの組み合わせを例示できる。ガス流形成手段9を用いれば、ガス供給管4から点状に供給される原料ガスおよび触媒賦活物質を、平面状に分配・分散させ、平面基材1上の触媒を配置した領域に単位面積あたりの供給量を略均一で接触させるために格段の効果を奏する。ガス流形成手段9を用いて、複数の方向に分配される原料ガスおよび触媒賦活物質は、異なる複数の方向に流れる原料ガス流および触媒賦活物質流を形成する。原料ガス流および触媒賦活物質流の流れる複数の方向の軸線の間の最大角度が、90度以上(より好ましくは180度以上)になることが、ガス供給管4から点状に供給される原料ガスおよび触媒賦活物質を、平面状に分配・分散させるためには好ましい。また、ガス流形成手段9が対称軸を有し、対称軸上にガス供給管4が連通されていることは、ガス供給管4から点状に供給される原料ガスおよび触媒賦活物質を、平面状に分配・分散させるためには好ましい。また、基材1平面に対して略平行方向な複数の方向に原料ガス流および触媒賦活物質流を形成するガス流形成手段9は、上記効果を得るために好ましい。略平行方向とは、ガス流形成手段9により、複数の方向に分配・分散された原料ガスおよび触媒賦活物質が流れる方向の軸線が基材1の法線と成す角が45以上135°未満となるような方向を示す。ここで、略均一の供給量とは、本発明の効果が得られる程度に、原料ガスおよび触媒賦活物質の供給が均一であることを意味する。すなわち、基材1上の触媒を配置した領域のおおよそ全面からCNTが合成できる程度であればよい。
ガス噴出手段10とは、ガス供給管4から合成炉3内に供給された、原料ガス、触媒賦活物質、雰囲気ガス、還元ガス等を合成炉3内で噴出する手段である。ガス噴出手段10を複数、適宜ガス流形成手段10に分散・配設することで、基材1の触媒に接触する原料ガスの量を均一化することに効果がある。ガス噴出手段10としては、配管、中空部材などから構成されるガス流形成手段9に配設された噴出孔や、ノズル、実質的な噴出孔が無数にあるようなポーラス材料を例示できるが、上記の効果があれば、適宜の形態の物を用いることができる。
〔炭素重量フラックス〕
炭素重量フラックスとは、広義には、単位時間当たりに単位面積当たりの触媒層2に接触する炭素の重量を表したものである。炭素重量フラックスは、触媒に接触する炭素の量を表すため、CNTの重要な製造条件である。
〔炭素重量フラックス調整手段〕
炭素重量フラックス調整手段15は、ガスフロー装置等により、CNTの原料となる炭素化合物となる原料ガスの供給量及び原料ガスや触媒賦活物質のキャリアガスである雰囲気ガスの供給量をそれぞれ調整し、任意の炭素重量フラックスを炉内に供給する手段である。このような手段を用いることにより、炭素重量フラックスを調整でき、最適な量の炭素を触媒に供給することが可能になり、本発明の効果を得ることができる。
〔炭素重量フラックスの規定法〕
炭素重量フラックスとは、広義には、単位時間当たりに単位面積当たりの触媒層2に接触する炭素の重量を表したものである。図3に示すように、炭素重量フラックス16は、単位時間当たりに原料ガスの流路17を通過する原料ガスに含まれる炭素原子の重量を、触媒層2(基材1上での触媒を包含する面もしくは空間)と原料ガスの流路17とが交わる面の面積18で割って、触媒層2の単位断面積、単位時間当たりに接触する炭素の重量を表したものである。炭素重量フラックス18は、マスフロー等で構成される炭素重量フラックス調整手段15の調節により設定可能である。
炭素重量フラックス(g/cm2/min)=12×原料ガスの1分子内に含まれる炭素の数×原料ガスの流量×炉内圧力/(気体定数×加熱された炉内の絶対温度)/交わる面の面積
によって求められる。
〔フォーメーション工程〕
フォーメーション工程とは、基材1に担持された触媒の周囲環境を還元ガス環境とすると共に、触媒および還元ガスの少なくとも一つを加熱する工程である。この工程により、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態の微粒子化促進、および触媒の活性向上の少なくとも一つの効果が現れる。例えば、触媒がアルミナ−鉄薄膜である場合、鉄触媒層は還元、及びまたは微粒子化されて、アルミナ層上にナノメートルサイズの触媒微粒子が多数形成される。
〔成長工程〕
成長工程とは、触媒の周囲環境を原料ガス環境とすると共に、触媒、原料ガスおよび触媒賦活物質の少なくともいずれか一つを加熱することにより、触媒表面にCNTを成長させる工程のことである。フォーメーション工程の後に成長工程を行うことはCNT集合体の生産に好適である。
〔炭素不純物付着抑制工程〕
炭素不純物付着抑制工程とは、CNTの生産終了後、合成炉3内に残余する、原料ガス、触媒賦活物質、それらの分解物、または合成炉3内に存在する炭素不純物等がCNT集合体へ付着することを抑制する工程のことであり、かかる効果があれば、どのような形態、工程でもよい。炭素不純物付着抑制工程として、CNTの生産終了後に、雰囲気ガスを一定時間流したり、合成炉3内に残余する、原料ガス、触媒賦活物質、それらの分解物、または炭素不純物等がない領域に基材1を移送することが例示できる。基材1を移送する際には、炭素不純物が多い合成炉3の下流ではなく、上流に向けて基材1を移送すると好ましい。
〔冷却工程〕
冷却工程とは、CNT集合体、触媒、および基材を、成長工程後に冷却する工程のことである。成長工程後のCNT集合体、触媒、および基材1は高温状態にあるため、酸素存在環境下に置かれると酸化してしまうおそれがある。それを防ぐために冷却ガス環境下でCNT集合体、触媒、および基材1を、好ましくは400℃以下、より好ましくは200℃以下に冷却する。冷却ガスとしては、不活性ガスが好ましく、特に安全性、経済性、およびパージ性などの点から窒素が好ましい。
〔基材(基板)〕
基材1(基板)とは、その表面にCNTを成長させる触媒を担持することのできる部材であり、最低限400℃以上の高温でも形状を維持できるものであれば適宜のものを用いることができる。基材1の形態としては、ガス流形成手段9を用いる場合には、平板状が好ましい。また、薄膜状、ブロック状、粉末状、または線状などでもよく、特に体積の割に表面積を大きくとれる形態が大量にCNT集合体を生産する上で好ましい。
〔触媒〕
本発明の実施において基材に担持され、例えば触媒膜などの触媒層2を形成する触媒としては、これまでのCNTの製造に実績のあるものであれば適宜のものを用いることができるが、具体的には、鉄・ニッケル・コバルト・モリブデン、およびこれらの塩化物並びに合金や、これらがさらにアムミニウム・アルミナ・チタニア・窒化チタン・酸化シリコンと複合化、または重層化したものでもよい。特に好ましいものとしては、鉄−モリブデン薄膜、アルミナ−鉄薄膜、アルミナ−コバルト薄膜、アルミナ−鉄−モリブデン薄膜、アルミニウム−鉄薄膜、およびアルミニウム−鉄−モリブデン薄膜などを例示することができる。
〔触媒形成法〕
基材1表面への触媒層2の形成は、ウェットプロセスまたはドライプロセスのいずれをも適用することができる。具体的には、スパッタリング蒸着法や、金属微粒子を適宜な溶媒に分散させた液体の塗布・焼成法などを適用することができる。
〔還元ガス〕
フォーメーション工程で用いる還元ガスは、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態の微粒子化促進、および触媒の活性向上の少なくとも一つの効果を持つガスである。本発明の実施に用いる還元ガスとしては、これまでのCNTの製造に実績のある還元性を有するガスであれば適宜のものを用いることができるが、例えば水素・アンモニア・水、およびそれらの混合ガスを適用することができる。
〔不活性ガス(雰囲気ガス)〕
化学気相成長の雰囲気ガス(キャリアガス)としては、CNTの成長温度で不活性であり、成長するCNTと反応しないガスであればよく、本発明の実施に用いる雰囲気ガスとしては、これまでのCNTの製造に実績のあるものであれば適宜のものを用いることができる。一般的には、不活性ガスが好ましく、ヘリウム・アルゴン・水素・窒素・ネオン・クリプトン・二酸化炭素・塩素などや、これらの混合ガスが挙げられ、特に窒素・ヘリウム・アルゴン・水素、およびこれらの混合ガスが好適である。
〔原料(原料ガス)〕
本発明の実施においてCNTの製造に用いる原料としては、これまでのCNTの製造に実績のあるものであれば、成長温度において原料炭素元素を含み、酸素元素を含まない適宜な物質を用いることができる。酸素を含有する、エタノールや、一酸化炭素等を原料ガスとして用いてCNTが製造できることが知られている。一般的に、エタノールや、一酸化炭素等を原料ガスとして用いてCNTを製造する場合には、成長速度、合成効率等が、本発明の製造法と比較して大きく劣る。本発明においては、このような酸素を含有する原料ガスを用いた場合、触媒賦活物質の効果が著しく低減するため、本発明の効果を得ることができない。本発明においては、エタノールや、一酸化炭素は、原料ガスではなく、触媒賦活物質として用いる。
〔雰囲気圧力〕
CNTを成長させる雰囲気の圧力は、104Pa以上、106Pa(100気圧)以下が好ましく、5×104Pa以上、2×105Pa(2大気圧)以下がさらに好ましく、9×104Pa以上、1.1×105Pa以下が特に好ましい。9×104Pa以上、1.1×105Paの間で、真空や高圧を用いない、大気圧や大気圧に近い圧力下では、CNTの製造効率は非常に良好である。また、シャッターやバルブを用いない開放系の製造装置が使用可能となるので量産の観点からも好ましい。
〔触媒賦活物質の添加〕
CNTの成長工程において、触媒賦活物質を添加するとよい。触媒賦活物質の添加により、触媒の寿命を延長し、且つ活性を高め、結果としてCNTの生産効率向上や高純度化を推進することができる。
〔触媒賦活物質の供給量〕
触媒賦活物質の添加量には最適値が存在する。つまり、触媒賦活物質の添加量が多すぎると、過剰な触媒賦活物質が成長効率を低下させ、逆に少なすぎると、触媒賦活物質の効果が十分に発揮されない。CNTの製造効率を高めるためには、原料に含まれる炭素原子の個数濃度と触媒賦活物質に含まれる酸素の個数濃度との比がもっとも大事な要因の一つである。炭素原子の個数濃度と酸素原子の個数濃度との最適な比は、成長工程の温度、用いる触媒賦活物質と原料、および用いる触媒によって異なるが、合成炉に導入される原料ガスに含有される炭素原子の個数濃度と触媒賦活物質に含有される酸素原子の個数濃度の比で言うと、一般的に0.5以上2000以下であることが好ましい。
〔本発明のメカニズム〕
このような、極めて少量の触媒賦活物質を用いて、CNT集合体を成長させると、最適な量の水分を安定して触媒に供給することが困難となる。例えば、原料ガスが分解して発生する、炭素不純物発生が合成炉内に付着すると、炭素不純物が水分と反応してしまうため、ごく微量の水分が消費され、最適な量の水分を安定して触媒に供給することが困難となる。炭素不純物の存在量は、合成回数とともに変動するため、触媒に供給される水分も、合成ごとに異なり、結果として、連続的に安定にCNT集合体を製造することが困難となる。
〔反応温度〕
CNTを成長させる反応温度は、金属触媒、原料炭素源、および反応圧力などを考慮して適宜に定められるが、触媒失活の原因となる副次生成物を排除するために触媒賦活剤を添加する工程を含む場合は、その効果が十分に発現する温度範囲に設定することが望ましい。
〔高炭素濃度環境〕
CNTの成長速度は、触媒に接触する原料ガスに含まれる炭素原子の数に比例する。つまり、全流量に対する原料ガスの割合(原料濃度)が高ければ高いほど成長速度が高くなるので、CNTの生産効率が向上すると言える。
〔CNT集合体〕
上記したCNT製造装置、および製造法により、高炭素環境化・触媒賦活物質含有雰囲気で、基材上の触媒から原料ガスを用いて、高効率でCNTを成長させることができ、触媒から成長した多数のCNTは特定の方向に配向し、CNT集合体を形成する。
[配向性]
単層CNT集合体の配向性の評価は、例えばヘルマンの配向係数に基づいて行う。
例えば、θ−2θ法またはラウエ法で得られたX線回折強度または、SEM画像または原子間力顕微鏡(以下、AFMとも称す)画像を高速フーリエ変換(FFT変換)して得られたFFT画像から得た強度プロフィールを用いて計算したヘルマンの配向係数が、CNT集合体において0.1より大きく1より小さいCNT集合体は、良好な電気特性、良好な機械的特性、良好な熱特性を示し、且つ熱力学的、電気的、機械的な異方性もあり、様々な用途に好適である。
1. CNTの長手方向に平行な第1方向と、第1方向に直交する第2方向とからX線を入射してX線回折強度を測定(θ−2θ法)した場合に、第2方向からの反射強度が、第1方向からの反射強度より大きくなるθ角と反射方位とが存在し、且つ第1方向からの反射強度が、第2方向からの反射強度より大きくなるθ角と反射方位とが存在すること。
2. CNTの長手方向に直交する方向からX線を入射して得られた2次元回折パターン像でX線回折強度を測定(ラウエ法)した場合に、異方性の存在を示す回折ピークパターンが出現すること。
3. ヘルマンの配向係数が、θ−2θ法またはラウエ法で得られたX線回折強度を用いると0.1より大きく1より小さいこと。より好ましくは0.25以上1未満であること。
<実施例1>
図1に示した、CNT製造装置を用いて、最良の形態に記載のCNT製造方法と同様の方法を採用して、CNT集合体を製造した。図1を参照しながら説明する。
基材1を合成炉3の加熱領域7の中心の水平位置から50mm下流に設置された基板ホルダ8上に搬入した(搬入工程)。基材1は水平方向になるように設置した。これにより、基材1上の触媒と原料ガスおよび触媒賦活物質の流路が概して垂直に交わり、原料ガスおよび触媒賦活物質が効率良く触媒に供給される。
〔原料と触媒賦活物質との組み合わせによるCNT集合体の製造〕
本発明に係るCNT集合体を、原料と触媒賦活物質との組み合わせを変えて製造した場合の結果について以下に詳細に説明する。製造工程は、実施例1のプロセス条件と同様であるが、成長工程で用いる原料としては、酸素を含まない2種類の物質(アセチレン・エチレン)との計2種類の物質を用い、また触媒賦活物質としては水に限定せず、酸素を含む5種類の物質(水・イソプロパノール・アセトン・テトラヒドロフラン・エタノール、)を用いて、(エチレンとアセトン)、(エチレンとテトラヒドラフラン)、(エチレンとエタノール)、(エチレンとイソプロパノール)、(アセチレンと水)、(アセチレンとテトラヒドロフラン)の6通りの組み合わせで、上記した実施例1と同様の基材1を用いて、上記した実施例1と同等の条件でCNT集合体の成長を行った。いずれの場合にも、CNT集合体を製造することができた。
<比較例1>
〔水分、エチレンによるCNT集合体の連続製造〕
実施例1の方法で、原料ガスとしてエチレン、触媒賦活物質として水分を用いて、CNT集合体の製造を行った。製造方法は、実施例1と同様であるが、成長工程において、総流量2000sccm、雰囲気ガスHe:総流量比84%(1680sccm)、原料ガスであるエチレン:総流量比7.5%(150sccm)、触媒賦活物質として水分含有He(相対湿度23%):総流量比6%(120sccm)を用いた。水分の導入量から計算すると水分濃度は400ppmであった。この場合の、原料ガスであるエチレンに含有される炭素原子個数濃度と触媒賦活物質である水分に含有される酸素原子個数濃度の比は375となる。水分の濃度は、排気管に接続された、水分濃度計より計測した時には、100ppmであった。計測値を用いた場合、エチレンの炭素原子個数濃度と水分に含有される酸素原子個数濃度の比は1500となる。合成炉に導入した水分の個数濃度と、排気管で計測された水分の個数濃度が異なるのは、極微量の水分が、触媒、基材、合成炉等と接触した際に反応し、消費されたことを示す。
<実施例2>
(炭素不純物付着抑制工程なし)
実施例1と、同じ製造装置、及び基材、触媒を用いて、実施例1と同じ製造方法を用いて、炭素不純物付着抑制工程を行わずに、CNT集合体を合成後、すぐに加熱領域7から取り出した。CNT集合体は成長でき、その比表面積は900m2/g程度であった。
<実施例3>
(ガス流形成手段なし)
実施例1の製造装置において、ガス流形成手段9を用いずに、基材1の20mm上方に配置したガス供給管4から、原料ガスを基材1上の触媒層2に吹きかけた。基材1上の触媒層2の中心部と周辺部でCNT集合体の成長にむらがあり、触媒層全面に合成したCNT集合体はやや不均一であった。収量は、0.4mg/cm2であり、比表面積は1100m2/g程度であった。連続製造時には、収量、比表面積共に、変動はなかった。
<比較例2>
〔原料ガスのみによるCNT集合体の製造〕
原料ガスとして、エチレンとアセチレンを用いて、触媒賦活物質を添加しないで、CNT集合体の製造を行った。製造工程は、実施例1のプロセス条件と同様であるが、触媒賦活物質を添加しなかった。アセチレンは15sccm、エチレンは150sccm用いた。触媒賦活物質を用いずに原料のみで製造した場合は、CNT集合体を製造できなかった。このことは、CNTを製造するために触媒賦活物質が非常に重要であることを示している。
<比較例3>
〔酸素を含む原料ガス(一酸化炭素)によるCNT集合体の製造〕
CNTを製造する原料ガスとして公知の原料である一酸化炭素を用いて、CNT集合体の製造を行った。一酸化炭素は、エチレン、アセチレンと異なり、酸素を含有する。製造工程は、実施例1のプロセス条件と同様であるが、原料ガスとして、一酸化炭素、触媒賦活物質として(水・二酸化炭素・アセトン・テトラヒドロフラン・エタノール・イソプロパノール)の6通りの組み合わせでCNT集合体の製造を行った。いずれの場合においては、CNT集合体を製造できなかった。このことは、CNTを製造するために原料ガスが酸素を含まないことが非常に重要であることを示している。
<比較例4>
〔酸素を含まない触媒賦活物質(アンモニア)によるCNT集合体の製造〕
CNTを製造する添加剤として、公知の材料であるアンモニアを、触媒賦活物質として用いて、CNT集合体の製造を行った。アンモニアは他の触媒賦活物質と異なり、酸素を含有しない。製造工程は、実施例1のプロセス条件と同様であるが、原料ガスとしてエチレン、アセチレンを用いて、触媒賦活物質としてアンモニアを用いた2通りの組み合わせで、CNT集合体の製造を行った。いずれの場合においては、CNT集合体を製造できなかった。このことは、CNTを製造するために触媒賦活物質が酸素を含むことが非常に重要であることを示している。
<比較例5>
(フォーメーション工程なし)
実施例1と、同じ製造装置、及び基材1、触媒を用いて、実施例1と同じ製造方法を用いて、フォーメーション工程を行わずに、CNT集合体を製造した。CNT集合体は成長できたものの、収量は0.1mg/cm2と非常に少なく、また、単層CNTの含有率が低いため、比表面積は400m2/g程度であった。フォーメーション工程が、高効率で、高比表面積のCNT集合体を製造するために大事であることが分かる。
〔粒状体基材の積層体による製造〕
本発明に係る単層CNT集合体を、基材として粒状体の積層体を用いた場合の製造方法について以下に説明する。
〔原料と触媒賦活物質との組み合わせによるCNT集合体の製造〕
本発明に係るCNT集合体を、上記した積層体を用いて、実施例1で検討された、原料と触媒賦活物質との組み合わせを変えて製造した場合の結果について以下に詳細に説明する。製造工程は、実施例1のプロセス条件と同様であるが、成長工程で用いる原料としては、酸素を含まない2種類の物質(アセチレン・エチレン)との計2種類の物質を用い、また触媒賦活物質としては水に限定せず、酸素を含む5種類の物質(水・イソプロパノール・アセトン・テトラヒドロフラン・エタノール)を用いて、(エチレンとアセトン)、(エチレンとテトラヒドラフラン)、(エチレンとエタノール)、(エチレンとイソプロパノール)、(アセチレンと水)、(アセチレンとテトラヒドラフラン)の6通りの組み合わせで、実施例1と同等の条件で、実施例2の積層体を用いて、CNT集合体の成長を行った。
<比較例6>
実施例4の粒状体の積層体を用いて、比較例1の〔水分、エチレンによるCNT集合体の連続製造〕で記載の例と同様に、触媒賦活物質として水分、及び原料ガスとしてエチレンを用いてCNT集合体を製造させた。原料ガスであるエチレンに含有される炭素原子個数濃度と触媒賦活物質である水分に含有される酸素原子個数濃度の比は375となる、最適量の水分を供給すると、図10に示すように、すべての粒状体から、CNT集合体を好適に製造することができなかった。積層体の下流側の粒状体から、CNT集合体が合成できなかったためである。供給された、極微量の水分が、粒状体の積層体に接触するたびに消費され、下流側の粒状体まで、拡散した時には、好適にCNT集合体を製造できる十分な量の水分が残余していなかったと考えられる。
(炭素不純物付着抑制工程なし)
実施例4と、同じ製造装置、及び基材、触媒を用いて、実施例4と同じ製造方法を用いて、炭素不純物付着抑制工程を行わずに、CNT集合体を合成後、すぐに加熱領域7から取り出した。CNT集合体は成長でき、その比表面積は900m2/g程度であった。
<実施例6>
(ガス流形成手段なし)
実施例4の製造装置において、ガス流形成手段9を用いずに、基材1の20mm上方に配置したガス供給管4から、原料ガスを基材1上の触媒層2に吹きかけた。基材1上の触媒層2の中心部と周辺部でCNT集合体の成長にむらがあり、触媒層全面に合成したCNT集合体はやや不均一であった。比表面積は1100m2/g程度であった。
<比較例7>
〔原料ガスのみによるCNT集合体の製造〕
原料ガスとして、エチレンとアセチレンを用いて、触媒賦活物質を添加しないで、CNT集合体の製造を行った。製造工程は、実施例4のプロセス条件と同様であるが、触媒賦活物質を添加しなかった。アセチレンは15sccm、エチレンは150sccm用いた。触媒賦活物質を用いずに原料のみで製造した場合は、CNT集合体を積層体上に製造できなかった。このことは、CNT集合体を製造するために触媒賦活物質が非常に重要であることを示している。
<比較例8>
〔酸素を含む原料ガス(一酸化炭素)によるCNT集合体の製造〕
CNTを製造する原料ガスとして公知の原料である一酸化炭素を用いて、CNT集合体の製造を行った。一酸化炭素は、エチレン、アセチレンと異なり、酸素を含有する。製造工程は、実施例4のプロセス条件と同様であるが、原料ガスとして、一酸化炭素、触媒賦活物質として(水・二酸化炭素・アセトン・テトラヒドロフラン・エタノール・イソプロパノール)の6通りの組み合わせでCNT集合体の製造を行った。いずれの場合においては、CNT集合体を積層体上に製造できなかった。このことは、CNT集合体を製造するために原料ガスが酸素を含まないことが非常に重要であることを示している。
<比較例9>
〔酸素を含まない触媒賦活物質(アンモニア)によるCNT集合体の製造〕
CNTを製造する添加剤として、公知の材料であるアンモニアを、触媒賦活物質として用いて、CNT集合体の製造を行った。アンモニアは他の触媒賦活物質と異なり、酸素を含有しない。製造工程は、実施例4のプロセス条件と同様であるが、原料ガスとしてエチレン、アセチレンを用いて、触媒賦活物質としてアンモニアを用いた2通りの組み合わせで、CNT集合体の製造を行った。いずれの場合においては、CNT集合体を積層体上に製造できなかった。このことは、CNT集合体を製造するために触媒賦活物質が酸素を含むことが非常に重要であることを示している。
<比較例10>
(フォーメーション工程なし)
実施例2と、同じ製造装置、及び基材1、触媒を用いて、実施例2と同じ製造方法を用いて、フォーメーション工程を行わずに、CNT集合体を製造した。CNT集合体は成長できたものの、収量が非常に少なく、また、単層CNTの含有率が低いため、比表面積は400m2/g程度であった。フォーメーション工程が、高効率で、高比表面積のCNT集合体を製造するために大事であることが分かる。
〔粒状体または線状体の基材による製造〕
基材として粒状体または線状体の積層体を用いた場合の製造方法について以下に説明する。
〔実施例で製造されるCNTの特性〕
単層CNT集合体の特性は、製造条件の詳細に依存するが、実施例1−7の製造条件では、典型値として、単層CNT含有率99%(2層CNT、多層CNTに対する単層CNTの本数割合であり、合成した、単層CNT集合体を透過型電子顕微鏡で観察し画像から求める)、重量密度:0.03g/cm3、BET−比表面積:1150m2/g、炭素純度99.9%、ヘルマンの配向係数0.7である。
〔CNT集合体のラマンスペクトル評価〕
実施例1により得られたCNT集合体のラマンスペクトルを計測した。鋭いGバンドピークが1590カイザー近傍で観察され、これより本発明のCNT集合体を構成するCNTにグラファイト結晶構造が存在することが分かる。
〔CNT集合体の比表面積〕
基材から剥離したCNT集合体から50mgの塊を取り出し、これをBELSORP−MINI(株式会社日本ベル製)を用いて77Kで液体窒素の吸脱着等温線を計測した(吸着平衡時間は600秒とした)。この吸脱着等温線からBrunauer, Emmett, Tellerの方法で比表面積を計測したところ、1150m2/gであった。
〔CNT集合体の純度〕
CNT集合体の炭素純度は、蛍光X線を用いた元素分析結果より求めた。基板から剥離したCNT集合体を蛍光X線によって元素分析したところ、炭素の重量パーセントは99.98%、鉄の重量パーセントは0.013%であり、その他の元素は計測されなかった。この結果から、炭素純度は99.98%と計測された。
〔θ−2θ法による配向性評価〕
得られたCNT集合体の配向性評価をCu−Ka X線源として15kWのパワーでX線回折装置(Rigaku Gorp Diffractometer :RINT-2500/HRPBO)を用いて、θ−2θ法によるX線回折測定法で行った。X線のスポット径は0.6mmであった。試料として用いた単層CNT集合体の主要諸元は、形状寸法:1m×1m×10mmの四角柱である。
〔ラウエ法による配向性評価〕
得られたCNT集合体の配向度をラウエ法によるX線回折測定法で評価した。使用した装置はBruker社製(Bruker SMART APEX CCD area-detector diffractometer)。4.5kWのパワーでX線源(BRUKERAXS MO CE-SRA)としてMo−Kaを用いた。試料とX線検出器の距離は5.968cmでCCD検出器のサイズは6.1x6.1cmであり、X線のスポット径は0.5mmであった。
2 触媒層
3 合成炉
4 ガス供給管
5 ガス排気管
6 加熱手段
7 加熱領域
8 基材ホルダ
9 ガス流形成手段
10 ガス噴出手段
11 原料ガスボンベ
12 触媒賦活物質ボンベ
13 雰囲気ガスボンベ
14 還元ガスボンベ
15 炭素重量フラックス調整手段
16 炭素重量フラックス
17 原料ガスの流路
18 触媒層と原料ガスの流路とが交わる面の面積
Claims (17)
- 基材上の触媒に原料ガスと、触媒賦活物質とを接触させてカーボンナノチューブを成長させる製造方法において、還元ガスを供給して前記基材上の触媒に接触させるとともに前記触媒および前記還元ガスの少なくともいずれか一つを加熱して、前記触媒を還元、及びまたは微粒子化するフォーメーション工程と、炭素を含有しかつ酸素を含有しない原料ガスと、酸素を含有する触媒賦活物質とを、前記フォーメーション工程で還元した前記触媒および触媒微粒子の少なくともいずれか一つに接触させると共に、前記触媒、前記触媒微粒子、前記原料ガスおよび前記触媒賦活物質の少なくともいずれか一つを加熱してカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程とを備え、前記触媒賦活物質として水分よりも酸化力が弱い触媒賦活物質、およびまたは、前記原料ガスとしてエチレンよりカーボンナノチューブ合成の効率の良い原料ガスを使用し、前記カーボンナノチューブ成長工程で使用される前記原料ガスに含有される炭素原子個数濃度と前記カーボンナノチューブ成長工程で使用される前記触媒賦活物質に含有される酸素原子個数濃度の比が0.5以上200以下であることを特徴とするカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記触媒賦活物質が、二酸化炭素、アセトン、テトラヒドロフラン、またはエタノールであることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記原料ガスが、アセチレンであることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記原料ガスは前記基材平面に対して平行方向の複数の方向に原料ガス流を形成した後に、前記原料ガスは前記基材平面に対して垂直方向から前記基材上の前記触媒および前記触媒微粒子の少なくともいずれか一つに接触することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 原料ガスと雰囲気ガスとの供給量から炭素重量フラックスを調整して得られた前記原料ガスと前記雰囲気ガスとを合成炉に供給し、前記原料ガスを均一の量をもって前記基材上の前記触媒および前記触媒微粒子の少なくともいずれか一つに接触させてカーボンナノチューブを成長させていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブ成長工程の後に、さらに炭素不純物付着抑制工程を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記原料ガスは、原料ガスと雰囲気ガスの供給量から炭素重量フラックスを調整して供給されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記原料ガスの流れる流路の断面積が、前記原料ガスの流れる流路が前記触媒と交わる面の面積と一致することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 触媒を担持した粒状体およびまたは線状体の基材に、原料ガスと、触媒賦活物質とを接触させてカーボンナノチューブを成長させる製造方法において、還元ガスを供給して前記触媒に接触させるとともに前記触媒および前記還元ガスの少なくともいずれか一つを加熱して、前記触媒を還元、及びまたは微粒子化するフォーメーション工程と、炭素を含有しかつ酸素を含有しない原料ガスと、酸素を含有する触媒賦活物質とを、前記フォーメーション工程で還元した前記触媒および触媒微粒子の少なくともいずれか一つに接触させると共に、前記触媒、前記触媒微粒子、前記原料ガスおよび前記触媒賦活物質の少なくともいずれか一つを加熱してカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程とを備え、前記触媒賦活物質として水分よりも酸化力が弱い触媒賦活物質、およびまたは、前記原料ガスとしてエチレンよりカーボンナノチューブ合成の効率の良い原料ガスを使用し、前記カーボンナノチューブ成長工程で使用される前記原料ガスに含有される炭素原子個数濃度と前記カーボンナノチューブ成長工程で使用される前記触媒賦活物質に含有される酸素原子個数濃度の比が0.5以上200以下であることを特徴とするカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記触媒賦活物質が、二酸化炭素、アセトン、テトラヒドロフラン、またはエタノールであることを特徴とする請求項9に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記原料ガスが、アセチレンであることを特徴とする請求項9または10に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記粒状体または前記線状体の基材の平均径が10μm以上1cm以下であることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記原料ガスは前記基材平面に対して平行方向の複数の方向に原料ガス流を形成した後に、前記原料ガスは前記基材平面に対して垂直方向から前記基材上の前記触媒および触媒微粒子の少なくともいずれか一つに接触することを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 原料ガスと雰囲気ガスとの供給量から炭素重量フラックスを調整して得られた前記原料ガスと前記雰囲気ガスとを合成炉に供給し、前記原料ガスを均一の量をもって前記基材上の前記触媒および前記触媒微粒子の少なくともいずれか一つに接触させてカーボンナノチューブを成長させていることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブ成長工程の後に、さらに炭素不純物付着抑制工程を備えることを特徴とする請求項9から14のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記原料ガスは、原料ガスと雰囲気ガスの供給量から炭素重量フラックスを調整して供給されることを特徴とする請求項9から15のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記原料ガスの流れる流路の断面積が、前記原料ガスの流れる流路が前記触媒と交わる面の面積と一致することを特徴とする請求項9から16のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
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