JP5545754B2 - 塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法 - Google Patents

塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法に関し、特に、セメント製造設備内において、焼却灰等の塩素含有物を水洗して固液分離した後に得られたろ液、及び塩素含有物に水を添加した後、塩素含有物中の重金属を分離して得られた排水をセメント製造設備内で使用するための方法に関する。
都市ごみ等を焼却した際に発生する焼却灰は、従来、そのほとんどを最終処分場で埋め立て処理していたが、最終処分場の枯渇の虞に鑑み、近年、セメント原料としてリサイクルしている。都市ごみ焼却灰のうち、気体とともに運ばれ、集塵装置で回収される飛灰は、10〜20%の塩素分を含むため、セメント原料としてリサイクルするにあたって事前に塩素分を除去する必要がある。
また、近年、焼却灰等の塩素含有廃棄物のセメント原料化又は燃料化によるリサイクルが推進され、廃棄物の処理量が増加するに従い、セメントキルンに持ち込まれる鉛等の重金属類の量も増加し、セメント中の重金属類の増加が問題になることが予測されるため、その対策が求められている。
一方、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素、硫黄、アルカリ等の中で、塩素が特に問題となることに着目し、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を抽気して塩素を除去する塩素バイパスシステムが用いられている。
この塩素バイパスシステムでは、抽気した燃焼ガスを冷却して生成したダストの微粉側に塩素が偏在しているため、ダストを分級機によって粗粉と微粉とに分離し、粗粉をセメントキルン系に戻すとともに、分離された塩化カリウム等を含む微粉(塩素バイパスダスト)を回収していた。
ところが、近年、廃棄物のセメント原料化又は燃料化によるリサイクルが推進され、廃棄物の処理量が増加するに従い、セメントキルンに持ち込まれる塩素、硫黄、アルカリ等の揮発成分の量も増加し、塩素バイパスダストの発生量も増加している。そのため、塩素バイパスダストをすべてセメント粉砕工程で利用することができず、塩素バイパスダストを水洗処理する必要が生じていた。
そこで、焼却灰、塩素バイパスダスト等の塩素含有廃棄物を処理するにあたって、例えば、特許文献1に記載のセメント原料化処理方法では、塩素含有廃棄物を水洗し、この塩素含有廃棄物中の塩素を除去して得られた脱塩ケークをセメント原料として再利用し、水洗工程で排出されるろ液から重金属を取り除いた後、排水中に含まれる塩化物を除去して塩素含有廃棄物の塩素溶出用の水として再利用するとともに、除去した塩化物から水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムを生成させて再利用する。
日本国特許第3304300号公報
特許文献1に記載のセメント原料化処理方法は、焼却灰、塩素バイパスダスト等の塩素含有廃棄物を水洗した後固液分離して得られたろ液から、さらに重金属及び塩素を除去し、塩素溶出用のスラリー化用水又は洗浄用水として使用できるという利点があるが、塩素を除去したろ液は、塩素溶出用として使用されるだけであるため、余剰ろ液は、放流するために排水処理を施さなくてはならず、処理コストが高騰するという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、セメント製造設備内において、塩素含有物を水洗して固液分離した後に得られたろ液、及び塩素含有物に水を添加した後、塩素含有物中の重金属を分離して得られた排水等、塩素含有物の処理時に発生した溶液を、排水処理を施すことなく処理することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法であって、塩素含有物に水を添加して該塩素含有物の塩素分を溶出させた後、固液分離して得られたろ液、もしくは、塩素含有物に水を添加した後、該塩素含有物中の重金属を分離して得られた排水、又は、前記ろ液及び前記排水であって、セメント製造設備内で発生したすべての前記ろ液、もしくは、すべての前記排水、又は、すべての前記ろ液及び前記排水を、該ろ液又は/及び該排水の塩素濃度、並びに該セメント製造設備で製造したセメントの塩素濃度を測定しながら、前記セメント製造設備のセメント製造工程又は/及び排ガス処理工程で使用することを特徴とする。
そして、本発明によれば、セメント製造設備内で塩素含有物の処理時に発生した溶液のすべてを該セメント製造設備内で使用するため、セメント製造設備内で使用した前記溶液については、排水処理が完全に不要となり、排水処理コストを低減することができる。また、セメントの塩素濃度を所定の値以下に維持しながら溶液を処理することができる。
前記溶液の処理方法において、前記ろ液又は/及び前記排水をセメント製造工程のセメント粉砕ミル用水又は/及びクリンカクーラー用水として使用したり、排ガス処理工程のセメントキルン排ガス処理用水又は/及びクーラー排ガス処理用水として使用することができる。
さらに、前記溶液の処理方法において、前記排ガス処理工程における排ガスの処理方法を排ガス洗浄式とすることができ、セメントキルン燃焼排ガスのSOx等を除去しながら溶液を処理することができる。
また、前記溶液の処理方法において、前記セメント製造設備内において、前記ろ液又は/及び前記排水から塩素分を除去して得られた溶液を該セメント製造設備内で使用することができ、塩素分を除去することによりセメント製造設備内での溶液の用途が広がり、より使用し易くなる。
前記溶液の処理方法において、前記ろ液又は/及び前記排水から塩素分を除去して得られた溶液のすべてを該セメント製造設備内で使用することができる。
前記溶液を前記セメント製造設備のセメント製造工程又は/及び排ガス処理工程で使用することができ、セメント製造工程のセメント原料粉砕ミル用水、セメントキルンのシェル冷却用水、クリンカクーラー用水及びセメント粉砕ミル用水からなる群から選択される一以上の用途、排ガス処理工程のセメントキルン排ガス処理用水又は/及びクーラー排ガス処理用水として、排ガス冷却用水、排ガス調湿用水、脱硝用尿素溶解用水、セメントキルン排ガス洗浄用水及びクーラー排ガス洗浄用水からなる群から選択される一以上の用途で使用することができる。
前記溶液の処理方法において、前記塩素含有物からの前記重金属の分離を、浮遊選鉱により行うことができ、前記排水は、前記塩素含有物から前記重金属を浮遊選鉱により分離して得られたフロス中の固形分を固液分離した後の溶液、又は/及び前記塩素含有物から前記重金属を浮遊選鉱により分離して得られたシンク中の固形分を固液分離した後の溶液であってもよい。
また、前記塩素含有物は、焼却灰、エコセメント製造設備から発生するダスト、及びセメントキルン燃焼ガスの一部を抽気し、抽気した燃焼ガスに含まれるダストのうちの少なくとも一以上であってもよい。
さらに、前記塩素含有物は、前記セメント製造設備内において、焼却灰又は/及びエコセメント製造設備から発生するダストに、塩素バイパスダストを混合して得られた混合物であってもよい。
以上のように、本発明によれば、セメント製造設備内において塩素含有物の処理時に発生した溶液を排水処理を施すことなく該セメント製造設備内で処理することができる。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかる塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法を適用した処理システムの一実施の形態を示す。この処理システム1が配置されるセメント製造設備内には、塩素含有物に水を添加して塩素を溶解させた後、固液分離によって脱塩ケークとろ液とに分離する水洗装置2と、塩素含有物に水を添加した後、浮遊選鉱によって重金属と排水とに分離する重金属回収装置3と、水洗装置2からのろ液又は重金属回収装置3からの排水を脱塩処理し、塩素分と溶液とに分離する脱塩処理装置4が備えられる。処理システム1は、各々の装置2〜4で生成されるろ液、排水及び溶液をセメント製造設備内で処理するために設けられ、各々の液体をセメント製造工程又はセメントキルン等の燃焼排ガスを処理するための排ガス処理工程で使用するための添加装置5(5A〜5D)を備える。
本処理システム1で取り扱う塩素含有物は、都市ごみ等を焼却した際に発生する焼却灰等、セメント工場で塩素含有廃棄物として受け入れる物の他、エコセメント製造設備から発生するダスト、このセメント製造設備の一部を構成するセメントキルンから得られたセメントキルン抽気ダストのように、セメント工場内で発生する塩素含有物等であり、各々を単独で処理したり、これらを混合して処理することもできる。
上記セメントキルン抽気ダストとは、セメントキルンから排出された燃焼ガスの一部を抽気し、抽気した燃焼ガスを集塵して得られたダストであって、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスを集塵して得られる塩素バイパスダストの他、セメントキルンの窯尻からプレヒータ出口に至るまでのキルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスに含まれるダストの総称である。
水洗装置2は、図2に示すように、塩素含有物に水を添加して塩素を溶解させる溶解槽11と、溶解槽11からポンプPによって供給されたスラリーを水洗しながら固液分離するベルトフィルター12と、ベルトフィルター12のろ液を貯留するろ液ピット13等を備え、ベルトフィルター12によってスラリーがケーキと、塩素分を含むろ液とに分離される。
重金属回収装置3は、塩素含有物に水を添加した後、浮遊選鉱によって鉛等の重金属と排水とに分離するために設けられ、例えば、図3に示すように、塩素含有物を水に溶解させてスラリー化する溶解槽21と、溶解槽21でスラリー化されたスラリーに硫化剤等の薬液を添加して反応させる薬液反応槽22と、薬液反応槽22から供給されたスラリーから浮遊選鉱法により鉛等を回収する浮選機26等で構成され、溶解槽21のスラリーは、薬液反応槽22において、スラリーに含まれる塩化鉛等を硫化して硫化鉛(PbS)を生じさせて沈殿させた後、浮選機26において、鉛を含むフロスと、石膏を含むシンク側スラリーとに分離される。鉛を含むフロスは、フィルタプレス28に供給され、硫化鉛を含むケークが生成されるとともに、排水(塩水)が発生する。一方、浮選機26からのシンク側スラリーは、竪型固液分離器29において固液分離され、石膏と排水(塩水)とに分離される。この排水が、図1に示した重金属回収装置3からの排水に相当する。
脱塩処理装置4は、上記水洗装置2からのろ液、又は重金属回収装置3からの排水に含まれる塩素分を除去するために設けられ、ろ液を蒸発させて塩分を晶出させ、蒸発させた蒸気を冷却して液化したり、膜処理によって塩化物濃度を濃縮し、濃縮水を蒸発乾固して塩素を除去し、蒸発させた蒸気を冷却して液化したり、ろ液等に含まれる塩化物として塩化カルシウムを取り扱い易い塩化ナトリウムに変えた後、上記と同様の要領で脱塩することにより、塩素分を除去した溶液を得ることができる。
次に、本発明にかかる塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法を適用した上記処理システム1の動作について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、処理システム1による各溶液の処理工程については、水洗装置2からのろ液F1を添加装置5A又は5Bで処理するルートAと、水洗装置2からのろ液F2を脱塩処理装置4で脱塩後、添加装置5C又は5Dで処理するルートBと、重金属回収装置3からの排水D1を添加装置5A又は5Bで処理するルートCと、重金属回収装置3からの排水D2を脱塩処理装置4で脱塩後、添加装置5C又は5Dで処理するルートDによって処理する工程に分けられる。以下、各ルートA〜Dによって処理する工程について、図4〜図7を参照しながら説明する。
ルートAの処理工程は、図4に示すように、水洗装置2からのろ液F1を添加装置5Aを用いてセメント製造工程のセメント粉砕ミル、クリンカクーラーに添加するか、添加装置5Bを用いて排ガス処理工程のセメントキルン排ガス洗浄用水、クリンカクーラー排ガス洗浄用水として排ガスに添加する。
ろ液F1を添加装置5Aを用いてセメント製造工程で使用するか、添加装置5Bを用いて排ガス処理工程で使用するかは、ろ液F1の塩素濃度を測定しながら決定する。すなわち、ろ液F1は、塩素分を含むため、添加装置5Aを用いてセメント粉砕ミル、クリンカクーラーに添加する場合には、セメントの塩素濃度が350ppmを超えないようにする必要がある。そこで、セメント及びろ液F1の塩素濃度を測定しながら、上記許容限度を超えない量だけセメント製造工程で使用する。ろ液F1は、セメント粉砕ミル、クリンカクーラー内に散水して添加してもよく、クリンカクーラーから排出された後、搬送装置で搬送されるクリンカに添加したり、セメント粉砕ミルのミル前で、ミルに供給される供給物に添加してもよい。
一方、セメント製造工程で使用できなかったろ液F1、又はセメント製造工程で使用しなかったろ液F1については、添加装置5Bを用いて排ガス処理工程において排ガス洗浄用に使用することができる。この場合には、セメントキルンから排出される燃焼排ガス、クリンカクーラーから排出されるガスが通過するガスダクト等に噴霧する。セメントキルン排ガスには僅かなSOxが含まれる場合もあるが、ろ液F1の噴霧によりこのSOxをろ液F1中のアルカリ及びカルシウム分と反応させて冷却することで脱硫して完全に除去することができる。また、この際、ろ液F1を高温の燃焼排ガスに直接噴霧することで、ろ液F1に含まれる有機物を分解することもできる。さらに、今後、セメント製造工程での廃棄物処理量が増加するに伴い、セメントキルン排ガス中の微量の水銀を除去する必要が生じる可能性があるが、スクラバーやスプレー塔等の湿式洗浄装置により水銀含有ガスを洗浄する際に、ろ液F1のような塩素含有排水を導入すると、排ガス中の水銀が水への溶解度の大きい塩化水銀となることから、水銀の除去効率を高めることができる。
ルートBの処理工程は、図5に示すように、水洗装置2からのろ液F2を脱塩処理装置4に導入し、塩素分を除いた後の溶液Sを添加装置5Cを用いてセメント製造工程のセメント原料ミル、セメントキルンのシェル冷却用、クリンカクーラー、セメント粉砕ミルに添加するか、添加装置5Dを用いて排ガス洗浄工程の排ガス冷却用水、調湿用水、脱硝用尿素の溶解水、セメントキルン排ガス洗浄用水、クリンカクーラー排ガス洗浄用水として添加する。
溶液Sは、脱塩処理装置4を経ているため塩素分を含まない。そのため、セメント原料ミル等に添加しても焼成工程で塩素分が揮発することもなく、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因とはならない。また、セメントキルンのシェル冷却用に用いてもシェルに悪影響を及ぼすこともない。
溶液Sは、セメント原料ミル内に散水して添加してもよく、セメント原料ミルのミル前で、ミルに供給される原料に添加してもよい。また、セメントキルンのシェル冷却用に用いる場合には、散水ノズルを用いてキルンシェルに直接噴霧する。クリンカクーラー、セメント粉砕ミルに添加する場合は、上述のろ液F1を添加する場合と同様である。
一方、溶液Sを添加装置5Dを用いて排ガス処理工程に使用することもできる。この場合には、セメントキルンから排出される燃焼排ガスを後段の装置の保護等のために排ガス冷却装置で急冷したり、後段の電気集塵機での集塵効率を高めるためにセメントキルン燃焼排ガスを調湿したり、セメントキルン燃焼排ガスのNOx含有率が高い場合に脱硝用に添加する尿素の溶解水としたり、上記ろ液F1の場合と同様に、セメントキルン燃焼排ガス、クリンカクーラーから排出されるガスが通過するガスダクト等に噴霧することもできる。
ルートCの処理工程は、図6に示すように、重金属回収装置3からの排水D1を添加装置5Aを用いてセメント製造工程のセメント粉砕ミル、クリンカクーラーに添加するか、添加装置5Bを用いて排ガス処理工程のセメントキルン排ガス洗浄用水、クリンカクーラー排ガス洗浄用水として排ガスに添加する。このルートCの処理工程は、図4に示したルートAの処理工程と同様であるため、説明を省略する。
ルートDの処理工程は、図7に示すように、重金属回収装置3からの排水D2を脱塩処理装置4に導入し、塩素分を除いた後の溶液Sを添加装置5Cを用いてセメント製造工程のセメント原料ミル、セメントキルンのシェル冷却用、クリンカクーラー、セメント粉砕ミルに添加するか、添加装置5Dを用いて排ガス洗浄工程の排ガス冷却用水、調湿用水、セメントキルン排ガス洗浄用水、クリンカクーラー排ガス洗浄用水、脱硝用尿素の溶解水として添加する。このルートDの処理工程は、図5に示したルートBの処理工程と同様であるため、説明を省略する。
以上により、本発明では、セメント製造設備内で塩素含有物の処理時に発生した溶液のすべてを、セメント製造設備内で使用することができるため、排水処理を施す必要がなく、排水処理コストが不要となる。尚、セメント製造設備内で塩素含有物の処理時に発生した溶液のすべてを、セメント製造設備内で使用せず、その一部をセメント製造設備以外で使用してもよいことは勿論である。
また、上記実施の形態における塩素含有物の処理時に発生した溶液の各処理方法は、例示に過ぎず、従来と同様、塩素含有物を水洗した後固液分離して得られたろ液を塩素溶出用のスラリー化用水又は洗浄用水等として使用してもよい。
さらに、上記処理システム1で処理するろ液を発生させる水洗装置2、重金属回収装置3の構成についても、上記構成に限定されるものではなく、ベルトフィルター12以外の装置を用いた水洗装置であってもよく、重金属回収装置3についても、薬液を用いて重金属を沈降分離させる方法等、浮選以外の方法で重金属を回収する装置であってもよい。
本発明にかかる塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法を適用した処理システムの一実施の形態を示すフローチャートである。 図1の処理システムで処理するろ液を発生させる水洗装置の一例を示すフローチャートである。 図1の処理システムで処理する排水を発生させる重金属回収装置の一例を示すフローチャートである。 図1の処理システムを用いた第1の処理方法を説明するためのフローチャーである。 図1の処理システムを用いた第2の処理方法を説明するためのフローチャートである。 図1の処理システムを用いた第3の処理方法を説明するためのフローチャーである。 図1の処理システムを用いた第4の処理方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 処理システム
2 水洗装置
3 重金属回収装置
4 脱塩処理装置
5(5A〜5D) 添加装置
11 溶解槽
12 ベルトフィルター
13 ろ液ピット
21 溶解槽
22 薬液反応槽
26 浮選機
28 フィルタプレス
29 竪型固液分離器

Claims (13)

  1. 塩素含有物に水を添加して該塩素含有物の塩素分を溶出させた後、固液分離して得られたろ液、もしくは、塩素含有物に水を添加した後、該塩素含有物中の重金属を分離して得られた排水、又は、前記ろ液及び前記排水であって、セメント製造設備内で発生したすべての前記ろ液、もしくは、すべての前記排水、又は、すべての前記ろ液及び前記排水を、該ろ液又は/及び該排水の塩素濃度、並びに該セメント製造設備で製造したセメントの塩素濃度を測定しながら、前記セメント製造設備のセメント製造工程又は/及び排ガス処理工程で使用することを特徴とする塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  2. 前記ろ液又は/及び前記排水を前記セメント製造工程のセメント粉砕ミル用水又は/及びクリンカクーラー用水として使用することを特徴とする請求項に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  3. 前記ろ液又は/及び前記排水を前記排ガス処理工程のセメントキルン排ガス処理用水又は/及びクーラー排ガス処理用水として使用することを特徴とする請求項に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  4. 前記排ガス処理工程における排ガスの処理方法が、排ガス洗浄式であることを特徴とす
    る請求項1又は3に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  5. 前記ろ液又は/及び前記排水から塩素分を除去して得られた溶液のすべてを該セメント製造設備内で使用することを特徴とする請求項1乃4のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  6. 前記溶液を前記セメント製造設備のセメント製造工程又は/及び排ガス処理工程で使用することを特徴とする請求項に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  7. 前記溶液を前記セメント製造工程のセメント原料粉砕ミル用水、セメントキルンのシェル冷却用水、クリンカクーラー用水及びセメント粉砕ミル用水からなる群から選択される一以上の用途で使用することを特徴とする請求項に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  8. 前記溶液を前記排ガス処理工程のセメントキルン排ガス処理用水又は/及びクーラー排ガス処理用水として使用することを特徴とする請求項に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  9. 前記溶液を、前記セメントキルン又は/及びクーラー排ガス処理工程における、排ガス冷却用水、排ガス調湿用水、脱硝用尿素溶解用水、セメントキルン排ガス洗浄用水及びクーラー排ガス洗浄用水からなる群から選択される一以上の用途で使用することを特徴とする請求項に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  10. 前記塩素含有物からの前記重金属の分離を、浮遊選鉱により行うことを特徴とする請求項1乃のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  11. 前記排水は、前記塩素含有物から前記重金属を浮遊選鉱により分離して得られたフロス中の固形分を固液分離した後の溶液、又は/及び前記塩素含有物から前記重金属を浮遊選鉱により分離して得られたシンク中の固形分を固液分離した後の溶液であることを特徴とする請求項1乃至1のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  12. 前記塩素含有物は、焼却灰、エコセメント製造設備から発生するダスト、及びセメントキルン燃焼ガスの一部を抽気し、抽気した燃焼ガスに含まれるダストのうちの少なくとも一以上であることを特徴とする請求項1乃至1のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
  13. 前記塩素含有物は、前記セメント製造設備内において、焼却灰又は/及びエコセメント製造設備から発生するダストに、塩素バイパスダストを混合して得られた混合物であることを特徴とする請求項1乃至1のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
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