JP5532951B2 - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents
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(1)有機極性溶媒中で、有機カルボン酸金属塩、アルカリ金属塩化物(但し、塩化ナトリウムを除く)、有機スルホン酸金属塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩、およびアルカリ土類金属リン酸塩から選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下において、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物およびモノハロゲン化化合物とを200℃以上280℃未満の温度範囲内で反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する際に、スルフィド化剤100モルに対しジハロゲン化芳香族化合物を102モル以上110モル未満、モノハロゲン化化合物を0.01モル以上5モル未満仕込み、かつ、少なくとも下記の工程1及び2を行うことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
工程1:有機極性溶媒中で、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物およびモノハロゲン化化合物を反応させる際、245℃以上280℃未満の温度範囲内で、昇降温時間を含めて5分以上80分未満反応させる工程、及び
工程2:工程1に続き、ポリアリーレンスルフィドをクエンチ法で回収する工程。
(2)有機カルボン酸金属塩、アルカリ金属塩化物(但し、塩化ナトリウムを除く)、有機スルホン酸金属塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩、およびアルカリ土類金属リン酸塩から選ばれる少なくとも一種の化合物の添加量がスルフィド化剤100モルに対し20モル以上100モル未満であることを特徴とする(1)記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
(3)前記工程1において、スルフィド化剤100モルに対し150モル以上1000モル未満の水が存在する状態になるように反応系内に水を添加することを特徴とする(1)または(2)いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
(4)前記工程1の前工程として200℃以上245℃未満の温度範囲内において、昇降温時間を含めた重合時間が1.5時間以上4時間未満であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
(5)モノハロゲン化化合物がクロロベンゼンであることを特徴とする(1)〜(4)いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
本発明で用いられるスルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
本発明では重合溶媒として有機極性溶媒を用いる。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が好ましく用いられる。
本発明で用いるジハロゲン化芳香族化合物としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼンなどのジハロゲン化ベンゼン、および1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、3,5−ジクロロ安息香酸などのハロゲン以外の置換基をも含むジハロゲン化芳香族化合物などを挙げることができる。なかでも、p−ジクロロベンゼンに代表されるp−ジハロゲン化ベンゼンを主成分にするジハロゲン化芳香族化合物が好ましい。また、PAS共重合体を製造するために異なる2種以上のジハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて用いることも可能である。
本発明で用いるモノハロゲン化化合物としては、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなどのモノハロゲン化ベンゼン、1−クロロトルエン、3−クロロトルエン、1−クロロアニリン、3−クロロアニリン、1−クロロ安息香酸、3−クロロ安息香酸、1−クロロフェノール、3−クロロフェノールなどのハロゲン以外の置換基をも含むモノハロゲン化ベンゼン、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレンなどのナフタレン環を含むモノハロゲン化ナフタレン、1−クロロアントラセン、2−クロロアントラセン、9−クロロアントラセン、1−ブロモアントラセン、2−ブロモアントラセン、9−ブロモアントラセンなどのアントラセン環を含むモノハロゲン化アントラセン、3−クロロビフェニル、4−クロロビフェニル、3−ブロモビフェニル、4−ブロモビフェニル、2−クロロジフェニルエーテル、4−クロロジフェニルエーテル、2−ブロモジフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、2−クロロジフェニルスルフィド、3−クロロジフェニルスルフィド、4−クロロジフェニルスルフィド、2−ブロモジフェニルスルフィド、3−ブロモジフェニルスルフィド、4−ブロモジフェニルスルフィド、3−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、3−ブロモベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−クロロジフェニルスルホキシド、4−クロロジフェニルスルホキシド、2−ブロモジフェニルスルホキシド、4−ブロモジフェニルスルホキシド、2−クロロジフェニルスルホン、3−クロロジフェニルスルホン、4−クロロジフェニルスルホン、2−ブロモジフェニルスルホン、3−ブロモジフェニルスルホン、4−ブロモジフェニルスルホン、(4−クロロフェニル)フェニルメタン、2−(4−クロロフェニル)−2−フェニルプロパン、2−(4−クロロ−3,5−ジメチルフェニル)−2−フェニルプロパン、(4−ブロモフェニル)フェニルメタン、2−(4−ブロモフェニル)−2−フェニルプロパン、2−(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェニル)−2−フェニルプロパンなどのベンゼン環を2個以上含むモノハロゲン化化合物、2−クロロフラン、2−クロロピロール、2−クロロチオフェン、2−クロロイミダゾール、2−クロロオキサゾール、2−クロロチアゾール、2−ブロモフラン、2−ブロモピロール、2−ブロモチオフェン、2−ブロモイミダゾール、2−ブロモオキサゾール、2−ブロモチアゾールなどのモノハロゲン化複素環式化合物、などを挙げることができる。なかでも、経済性の観点からするとモノハロゲン化ベンゼンやモノハロゲン化ナフタレンが好ましく、特にクロロベンゼンが好ましい。また、異なる2種以上のモノハロゲン化化合物を組み合わせて用いることも可能である。
本発明では、反応系内の相分離形成剤として重合助剤を用いる。相分離を形成する目的はPASを所望の溶融粘度に調整するためと晶析時にPAS粒子径を増大するためである。このような重合助剤としては、有機カルボン酸金属塩、アルカリ金属塩化物(但し、塩化ナトリウムを除く)、有機スルホン酸金属塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上同時に用いても差し障りない。なかでも、有機カルボン酸金属塩が好ましく用いられる。
本発明では、高い溶融流動性を有する実質的に直鎖状PASの塩素含有量が低減され、かつ取り扱い性に優れたPASを得ることができるが、分岐または架橋重合体を形成させ所望の溶融粘度に調整するために、トリハロゲン化以上のポリハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)、活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物及びハロゲン化芳香族ニトロ化合物などの分岐・架橋剤を併用することも可能である。ポリハロゲン化合物としては通常に用いられる化合物を用いることができるが、中でもポリハロゲン化芳香族化合物が好ましく、具体例としては、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、1,4,6−トリクロロナフタレン等を挙げることができ、中でも1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンが好ましい。前記、活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物としては、例えばアミノ基、メルカプト基及びヒドロキシル基などの官能基を有するハロゲン化芳香族化合物を挙げることができる。具体例としては2,5−ジクロロアニリン、2,4−ジクロロアニリン、2,3−ジクロロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,2’−ジアミノ−4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノ−2’,4−ジクロロジフェニルエーテルなどを挙げることができる。前記、ハロゲン化芳香族ニトロ化合物としては、例えば2,4−ジニトロクロロベンゼン、2,5−ジクロロニトロベンゼン、2−ニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,5−ジクロロ−2−ニトロピリジン、2−クロロ−3,5−ジニトロピリジンなどを挙げることができる。
本発明のPASの製造においては、重合反応系を安定化し、副反応を抑制するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。前述した有機カルボン酸金属塩も重合安定剤として作用するので、本発明で使用する重合安定剤の一つに入る。また、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいことを前述したが、ここでスルフィド化剤に対して過剰となるアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
本発明のPASの製造方法において、スルフィド化剤は通常水和物の形で使用されるが、ジハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒とスルフィド化剤を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。なお、この操作により水を除去し過ぎた場合には、不足分の水を添加して補充することが好ましい。
本発明である、高い溶融流動性を有しながら、重量平均粒子径が大きく取り扱い性に優れ、なおかつ塩素含有量が少ないPASを得るためには、特定の重合工程を経る必要がある。かかる重合工程とは、有機極性溶媒中で重合助剤の存在下において、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物およびモノハロゲン化化合物とを200℃以上280℃未満の温度範囲内で反応させてPASを製造する際、245℃以上280℃未満の温度範囲内で、昇降温時間を含めて5分以上80分未満反応させる工程である(工程1)。
平均昇降温速度(℃/分)=|t2(℃)−t1(℃)|/(m2(分)−m1(分))
で計算される平均速度である。従って、前述した平均昇降温速度の範囲内であれば、必ずしも一定速度である必要はなく、定温区間があってもよいし、多段で昇温を行っても差し障り無く、本発明の本質を損なわない限りは負の昇温速度となる区間があっても良い。なお、平均昇降温速度が高すぎると反応の制御が困難になる場合があるため、前記平均昇降温速度は2.0℃/分以下が好ましい。
クエンチ法とは、重合反応物を高温高圧の状態から徐々に冷却して反応系内のPAS成分を析出させ、かつ70℃以上、好ましくは100℃以上の状態でふるい濾別することで低分子量成分を除去し、低分子量成分の少ないPAS成分を含む固体を回収する方法である。なおここで、ポリマー成分が析出した状態とは、生成したポリマー成分の少なくとも60%以上が重合溶媒に溶融解しない状態になっている状態である。
平均冷却速度(℃/分)=[T1(℃)−T2(℃)]/m(分)
で計算される平均速度である。従って、前述した冷却速度の範囲内であれば、必ずしも一定速度である必要はなく、定温区間があってもよいし、多段で冷却を行っても差し障り無い。なお、前記したTs(℃)としては、例えば前述した有機極性溶媒の好ましい使用量範囲においては約180℃から約250℃が例示できる。
本発明によれば、高い溶融流動性を有しながら、重量平均粒子径が大きく取り扱いに優れ、なおかつ塩素含有量が少ない顆粒状のPASが得られる。本発明のPASが得られることにより、高い溶融流動性が求められる複雑形状品への適応や成型品の薄肉化が可能であり、なおかつ、粒子径増大によるPAS取り扱い性の向上や、成形操作におけるPASの噛み混み性の向上が可能となり、従来のPASでは成し得なかった高い生産性を達成することができる。さらに、塩素含有量が低減することで環境負荷低減につながる。なお、本発明における顆粒状のPASとは、重合及び回収工程の後、必要に応じて洗浄工程や乾燥工程を経て得られた時点でのPASを意味するものであって、重合、回収工程を経て得られた顆粒状または粉末状PASを原料にして、ペレタイズや打錠などの造粒操作を行って得られたPASではない。
本発明により得られたPASは、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気的性質並びに機械的性質に優れ、射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形用途のみならず、押出成形により、シート、フィルム、繊維及びパイプなどの押出成形品に成形することができるが、特に射出成形用途に好適に適用される。
東洋精機社製キャピログラフ1Cを用い、孔長10.00mm、孔直径0.50mmのダイスを用いた。300℃に設定したシリンダーにサンプル約20gを投入し、5分保持した後、剪断速度1216sec−1で溶融粘度の測定を行った。
JISZ8801−1:2006(試験用ふるい−金属製網ふるい)記載の目開き2.36mm、2mm、1.4mm、0.85mm、0.6mm、0.355mm、0.25mm、0.18mm、0.106mm、0.063mm(いずれも75mm径円筒型)のふるい及びふるい振とう機(アズワン製、商品名ミニふるい振とう機MVS−1)を用いて、乾式の機械ふるい分け法にてふるい分けを実施した。具体的には、目開きの大きいふるいが上段になるようにふるいを重ね、最上段のふるいに測定粒子を50g入れ、ふるい振とう機で10分間振とうさせた。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量% として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を方対数紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、累積重量が50%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とした。
ダイアインスツルメンツ社製自動試料燃焼装置AQF−100を用い、ポリマー1〜2mgを最終温度1000℃で燃焼させ、発生したガス成分を希薄な酸化剤を含んだ10mLの水に吸収させ、吸収液を炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム混合水溶液を移動相とするDIONEX社製イオンクロマトグラフィーシステムICS1500に供し、ポリマー中の塩素含有量の測定を行った。
脱水工程後のオートクレーブ中のスルフィド化剤が全てPASに転化したと仮定した重量(理論量)を基準値として、この基準値に対する実際の回収PAS重量の割合(重量%)を算出した。なお、顆粒状PASの回収には、80メッシュのふるいを用いた。
(脱水工程)撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.262kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.943kg(70.63モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム2.251kg(27.44モル)、及びイオン交換水5.50kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら225℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水9.84kgおよびNMP0.30kgを留出した時点で加熱を終え冷却を開始した。また、硫化水素の飛散量は1.4モルであったため、本脱水工程後の系内のスルフィド化剤は68.6モルであった。なお、硫化水素の飛散に伴い、系内には水酸化ナトリウムが新たに1.4モル生成している。
重合工程にて添加するp−DCB量を10.336kg(70.32モル)、クロロベンゼンを0.347kg(3.087モル)とした以外は、実施例1と同様に重合、回収操作を行った。
重合工程にて添加するp−DCB量を10.891kg(74.09モル)、クロロベンゼンを0kg(0モル)とした以外は、実施例1と同様に重合、回収操作を行った。
重合工程にて添加するp−DCB量を10.336kg(70.32モル)、クロロベンゼンを0.772kg(6.86モル)とした以外は、実施例1と同様に重合、回収操作を行った。なお、比較例2では、得られた粒子径が小さいため、80メッシュ金網の代わりに、ガラスフィルター(ポアサイズ16μm)を用いて回収操作を行った。溶融粘度、重量平均粒子径はガラスフィルターを用いて回収したPPSの測定結果である。また、収率は上記方法で回収したPPSを80メッシュ金網でふるい分級して得られたPPSの重量から算出した。
実施例1に示す原料を用いて、下記に示す昇降温条件にて重合反応を行った。
実施例1に示す原料を用いて、下記に示す昇降温条件にて重合反応を行った。
実施例1に示す原料を用いて、下記に示す昇降温条件にて重合反応と回収操作を行った。
Claims (5)
- 有機極性溶媒中で、有機カルボン酸金属塩、アルカリ金属塩化物(但し、塩化ナトリウムを除く)、有機スルホン酸金属塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩、およびアルカリ土類金属リン酸塩から選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下において、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物およびモノハロゲン化化合物とを200℃以上280℃未満の温度範囲内で反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する際に、スルフィド化剤100モルに対しジハロゲン化芳香族化合物を102モル以上110モル未満、モノハロゲン化化合物を0.01モル以上5モル未満仕込み、かつ、少なくとも下記の工程1及び2を行うことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
工程1:有機極性溶媒中で、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物およびモノハロゲン化化合物を反応させる際、245℃以上280℃未満の温度範囲内で、昇降温時間を含めて5分以上80分未満反応させる工程、及び
工程2:工程1に続き、ポリアリーレンスルフィドをクエンチ法で回収する工程。 - 有機カルボン酸金属塩、アルカリ金属塩化物(但し、塩化ナトリウムを除く)、有機スルホン酸金属塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩、およびアルカリ土類金属リン酸塩から選ばれる少なくとも一種の化合物の添加量がスルフィド化剤100モルに対し20モル以上100モル未満であることを特徴とする請求項1記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 前記工程1において、スルフィド化剤100モルに対し150モル以上1000モル未満の水が存在する状態になるように反応系内に水を添加することを特徴とする請求項1または2いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 前記工程1の前工程として200℃以上245℃未満の温度範囲内において、昇降温時間を含めた重合時間が1.5時間以上4時間未満であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- モノハロゲン化化合物がクロロベンゼンであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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