JP5526282B2 - 使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末の製造方法 - Google Patents

使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ターゲット製造やその他ルテニウム(Ru)化合物製造のためのルテニウム(Ru)原料粉末製造に関するものであり、使用済みルテニウム(Ru)ターゲットの表面に残存した汚染物を物理的または化学的な方法で取り除き、プラズマを用いて高純度のルテニウム(Ru)粉末を製造し、微粉砕を通じて最終的に高純度及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末を製造して、最終的には、近年、磁気記録媒体や次世代メモリーに関連する大容量高集積磁性層形成のためのシード層などに多く使われるルテニウム(Ru)粉末材料の製造に関する。
本発明は、使用済みルテニウム(Ru)ターゲットに、乾式法の一種であるプラズマを用いて、気化された高純度のルテニウム(Ru)粉末を製造し、微粉砕を通じて最終的に微細化されたルテニウム(Ru)粉末を製造することに関するものであり、より詳細には、近年多用されている湿式法を用いたルテニウム(Ru)粉末及びターゲットの製造工程と比べて、環境負荷が低く、工程が短縮されて、製造時間の短縮が可能な、プラズマを用いてルテニウム(Ru)粉末を製造して粉砕処理を通じて20μm以下の微細な粉末を製造する方法に関する。
一般的に、次世代半導体メモリー(RAM、MRAM、FeRAM)、ヘッド(MR、TMR)及びキャパシター(Capacitor)に使われる、ウエハー(Wafer)やガラス(Glass)上に、電極層又はシード層を形成するために、ルテニウム(Ru)薄膜が多く使われるが、薄膜形成用ルテニウム(Ru)のスパッタリングターゲットを製造するためのルテニウム(Ru)粉末は、高価であるため、使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを再利用(Recycling)してルテニウム(Ru)粉末が製造されている。
また、ルテニウム(Ru)が高価であるため、ターゲットの效率を高めて成膜後の薄膜の厚さの制御を容易にするために、ターゲットの結晶粒の微細化及び高純度化が要求される趨勢である。このような微細な結晶粒及び高純度の高機能性を有するルテニウム(Ru)ターゲットは、溶解法ではなく焼結法を用いて製造されており、結晶粒の制御のために微細なルテニウム(Ru)粉末の使用が要求され、また化合物製造時の溶解時間の短縮のためにも微細なルテニウム(Ru)粉末の製造は必須である。
一般的にルテニウム(Ru)粉末の製造には湿式法を用いるが、当該方法で製造する場合には、使用済みターゲットに、強酸溶液を用いて湿式溶解を行い、その後、蒸留、濃縮、乾燥、酸化及び熱処理を通じて最終ルテニウム(Ru)粉末を製造する。
しかし、上述の湿式法を適用する場合、強酸溶液の使用による取り扱い上の危険があり、酸溶液に溶解するのに多くの時間が必要となるだけでなく、複雑な工程の適用により製造時間及び費用が増加し、相当量の使用済み廃液の処理により多額の追加費用が発生する。
最近は、このような湿式法に代えて、粉砕や乾式法などを用いたルテニウム(Ru)粉末の製造が試みられている。例えば、日本特許出願公開番号2009−108400には使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いて粗粉砕、ハンマーミーリング、浸出、ミーリング、磁気選別、乾燥、還元、熱処理を通じたルテニウム(Ru)粉末の製造方法が開示されている。
しかし、上述の特許出願の方法を利用すると、従来の湿式法適用による多量の酸溶液使用がなくなり、粉末製造時間が短縮される長所はあるが、工程初期から巨大なターゲット粉砕及び粉末の微細化のために適用される粉砕(粗粉砕及び微粉砕)に際して、粉砕工具によって粉砕をする場合には、粉末に、これら工具の成分が混入して汚染する、という問題が発生しており、これを解決するために、酸溶液を用いて当該汚染を取り除く工程を追加することが提案されているのが、実情である。
本発明は使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末を製造することに関し、特に、従来の湿式法ではなく、環境負荷の低い乾式法を用いた、粉末製造に関するものであり、粉末粉砕ではなくプラズマを用いて高純度粉末を製造し、微粉砕を通じて最終的に高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末を製造することを目的とする。上述の粉末製造では、既存の湿式法に比べて製造時間が短縮され、酸溶液使用による廃液の発生がなくなり、環境負荷を低く抑制して、微粉砕を通じて微細化されたルテニウム(Ru)粉末の製造が可能である。
より詳細には、本発明は、使用済みターゲットに対して、表面上の研磨や加工等の物理的な方法又は化学的な方法を用いて表面に残存する汚染物を取り除き、プラズマ装置を用いて高純度ルテニウム(Ru)粉末を製造して、製造された粉末への微粉砕及び分級を通じて最終的に高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末を製造することを目的とする。
本発明は、使用済みルテニウム(Ru)ターゲットに物理的または化学的方法を用いて表面の汚染源を取り除き、プラズマ装置に汚染物を取り除いた使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを装着した後に、不活性雰囲気で使用済みルテニウム(Ru)ターゲットにプラズマを当ててルテニウム(Ru)粉末を製造し、最終的に粉砕及び分級を通じて最終ルテニウム(Ru)粉末を得ることを特徴とする。
詳細に述べると、本発明は、使用済みルテニウム(Ru)ターゲットの表面から化学的または物理的な方法を用いて表面の汚染物を取り除く段階と、汚染物が除去された前記使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを、プラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に配置されたプラズマ形成のための電極とを備えるプラズマ装置の該プラズマチャンバ内に装着する段階と、前記プラズマ装置内部を減圧して、反応ガスを投入し、電力を印加してプラズマを形成させる段階と、印加されるプラズマ電力を増加させて使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを溶融及び気化させ、次いで冷却することによりルテニウム(Ru)粉末を製造する段階と、製造されたルテニウム(Ru)粉末に対して熱処理をして残存するカーボンを除去することにより高純度化されたルテニウム(Ru)粉末を製造する段階と、高純度化されたルテニウム(Ru)粉末に対して微粉砕及び分級をして微細化された最終ルテニウム(Ru)粉末を製造する段階と、を含むことを特徴とする使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法を提供するものである
上述のように、従来の湿式法を適用する場合、粉末の製造に複雑な工程(湿式溶解、濃縮、乾燥及び熱処理)が適用されて数日以上という長い時間が必要となり、強酸溶液の使用による取り扱い上の制約及び廃液処理費用の発生など多くの短所がある。
また、最近知られている乾式法は、湿式法に比べて製造時間の短縮、高純度化などの長所を有するものの、ターゲット粗粉砕による汚染が発生し、湿式工程を追加してこれを解決することが提案されている、というのが実情である。
しかし、本発明は高純度及び微細なルテニウム(Ru)粉末の製造にあたり、湿式法ではなく、乾式法を採用し、粗粉砕ではなくプラズマを用いて粉末を製造することにより、湿式工程の省略が可能であるという長所がある。これを通じて最終粉末及びターゲットの製造時間を短縮させて高純度及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末の製造ができることにより、焼結法によって製造されるルテニウム(Ru)スパッタリングターゲット材の機能向上が期待される。
図1は、本発明の使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いたルテニウム(Ru)粉末及びルテニウム(Ru)ターゲットを製造する作業手順図である。
本発明は使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いてルテニウム(Ru)粉末を製造するにあたって、従来の湿式法及び粗粉砕法ではなく、プラズマを用いて高純度粉末を製造し、微粉砕を通じて高純度化及び微細化された最終ルテニウム(Ru)粉末を製造することを特徴とする。これを通じて、既存の湿式法に比べて製造時間が画期的に短縮され、溶解及び汚染物除去のために使われる酸の使用を抑制することにより、環境負荷の低い工法を適用してルテニウム(Ru)粉末製造が可能であり、微粉砕及び分級を通じて収率95%以上、20μm以下の粉末製造が可能である。
最終ルテニウム(Ru)粉末製造方法は、図1に記載したように、
化学的または物理的な方法を用いて使用済みルテニウム(Ru)ターゲットの表面に残存した汚染物を取り除く段階(S1)と、
この清浄化された使用済みルテニウム(Ru)ターゲットをプラズマ装置に装着する段階(S2)と、
プラズマ装置内部を減圧して、反応ガスを投入し、電力を印加してプラズマを形成させる段階(S3)と、
プラズマ装置に印加される電力を増加させて、粉末製造及び熱処理を通じて高純度化されたルテニウム(Ru)粉末を得る段階(S4)と、
得られたルテニウム(Ru)粉末に対する微粉砕及び分級を通じて微細化されたルテニウム(Ru)粉末を製造する段階(S5)と
で構成されることを特徴とする。
以下、上述の工程段階について詳細に説明する。
先ず、使用済みルテニウム(Ru)ターゲットの表面に残存した汚染物を取り除く(S1)。
使用済みルテニウム(Ru)ターゲットの表面は、取り扱いによる表面汚染や、スパッタリング工程中における飛沫付着による汚染、及び長期間の大気露出による表面酸化の可能性が高く、これをそのまま用いて粉末を製造した場合、プラズマ処理によって一部の汚染物の除去は可能であるが、多くは、製造されるルテニウム(Ru)粉末内に残留する可能性が高く、最終ターゲットの品質低下の要因となるため、粉末製造工程以前に汚染物を取り除くのが望ましい。汚染物の除去は使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを溶解材に短時間沈積させて表面を数十μm削る化学的な方法を利用するほか、棚や研磨機またはMCTなどの機械的な加工法などの物理的方法を用いて一定量の厚みの層を取り除くことも可能である。機械的な加工法を用いて取り除く場合には10μm位の厚さを取り除くのが望ましいが、その理由は、取り除く厚みが薄過ぎる場合には、酸化膜などの除去が完璧ではなく、厚過ぎる場合には最終粉末収率を低下させる可能性があるからである。
汚染物が除去された使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを、プラズマチャンバ内部に装着する(S2)。
プラズマ処理の前にチャンバ内部を洗浄して不純物や、異物の混入を防止することが望ましい。洗浄されたチャンバ内部の極モールド上に使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを装着し、プラズマ形成のためにプラズマトーチとターゲット間の距離を調整する。
プラズマ形成のために使われる電極の材質は重要であり、汚染を最小化することが重要である。使用可能な極モールドの材質はモリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、黒鉛(Graphite)及びルテニウム(Ru)などが使用可能であり、最終粉末の純度を低下させないようにするために、モールドによる汚染を最小化することが重要で、モールドによって汚染が発生しても、汚染の除去が容易なモールドを選択することが重要である。このために、望ましくは除去が容易なカーボン(Carbon)が有利であり、より望ましくは汚染が発生しても純度に影響を及ぼさないルテニウム(Ru)モールドを使うことが望ましい。
プラズマ処理に利用される陰極モールドの材質としては、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、及びルテニウム(Ru)などが使用可能であり、高純度粉末の製造のためには、同一材質のルテニウム(Ru)を使うことが望ましい。
プラズマ装置の内部を減圧して、反応ガスを投入し、電力を印加してプラズマを形成させる(S3)。
プラズマを形成させるために真空ポンプを用いて10−1torr水準に減圧し、反応ガス投入及び作業真空度を調節した後に、電力を印加する。使用される反応ガスとしては、Ar、H2、N2、CH4、Ar+H2、Ar+N2等の混合ガス使用が可能であり、H2、N2、O2は、最終ルテニウム(Ru)粉末内に残留する可能性が高く、ターゲットに製造されて半導体ラインで使われる場合には、これらは、成膜過程中に粒子(Particle)形成などの影響を与えるため、その問題を回避するため、Arを使うのが一番有利である。粉末の製造速度を増加させるために反応ガスとしてN2やH2を使用するほか、チャンバ内部の残存O2によって製造される粉末にガス成分が残存した場合でも、粉末を微細化処理の後、脱ガス処理を通じて除去が可能なので、作業環境に合わせて選択して使うことが望ましい。
作業真空度は、およそ50〜600torrで作業するのが望ましいが、それは50torr以下の場合、プラズマがモールドまで転移して材料への直接的な熱伝逹が難しくなり、600torr以上の場合にはプラズマの厚さが薄くなり、使用済みルテニウム(Ru)ターゲット内部のガス成分や低気圧で除去可能な不純物などの除去が難しいことがあるためである。
真空度調節は、装置に備え付けの冷却ガスを利用するほか、真空度制御バルブを用いて調節するのが望ましい。
プラズマを形成した後、電力を増加させてルテニウム(Ru)粉末を製造して熱処理を通じて高純度化されたルテニウム(Ru)粉末を製造する(S4)。
プラズマ電力を増加させると鎔湯が形成されて、鎔湯の温度が上昇して沸点以上になると鎔湯が気化し、冷却によって粉末が製造されるほか、周囲の雰囲気及び反応ガス圧力によっても粉末が製造される。この時、与えられる電力は、10〜100kw以下が望ましいが、10kw以下の場合には電力が低いため鎔湯形成及び気化が起きず、また、装備の安全性を考慮して100kw以下で実施するものとする。
ルテニウム(Ru)は、沸点が高く冷却する時間が短いため、チャンバ内部に冷却ガス量を増加させてチャンバ内部で粉末を得ることが粉末収去及び収率を高めるのに有利である。
粉末製造速度を増加させるために、反応ガスにCH4を、モールドにグラファイト(C)を用いる場合には、製造される粉末内にカーボン(Carbon)が混入するので、大気熱処理を通じてカーボン(Carbon)を取り除き、続けて水素熱処理を通じて高純度化された最終粉末を製造することが望ましい。
熱処理条件は、大気熱処理の場合、温度は800〜1200℃で1〜5時間の間、熱処理をすることが望ましい。温度が800℃以下であり1時間以内で短い場合、残存したカーボン(Carbon)が充分に除去されない可能性が高く、温度が1200℃以上と高温で5時間以上の長時間の場合、製造された粉末が凝集する可能性が高い。
カーボン(Carbon)除去のために大気熱処理を行ったルテニウム(Ru)粉末の場合、ルテニウム(Ru)の特性上、ルテニウム(Ru)が酸化して青色の酸化物が得られるが、この時は続けて水素熱処理を行うことで、還元されたルテニウム(Ru)粉末を得ることができる。
大気熱処理されたルテニウム(Ru)粉末や粉砕されたルテニウム(Ru)粉末を、水素熱処理を通じた還元により高純度化されたルテニウム(Ru)粉末にするのに、温度800〜1200℃で1〜5時間の間、熱処理をすることが望ましい。温度が800℃以下であり、1時間以内と短い場合、ルテニウム(Ru)酸化物の還元が充分になされず、温度が1200℃以上と高く、5時間以上の長時間の場合、製造された粉末が凝集される可能性が高いためである。
プラズマ処理によって製造されたルテニウム(Ru)粉末に、微粉砕及び分級処理を行うことにより、最終的に微細化されたルテニウム(Ru)粉末を得る(S5)。
プラズマ処理によって製造された100μm以下のルテニウム(Ru)粉末に際しては、一般的に微粉砕に利用されることの多いボールミル、遊星型ミル、ジェットミルなど多くの粉砕装置の使用が可能であり、望ましくはジェットミルが有利である。ルテニウム(Ru)の場合、割れやすく容易に粉砕が可能であるが、大量の処理や作業時間の増加などにより、ボールによる汚染が発生する可能性があり、ボールを使わないジェットミルを用いた粉砕が高純度ルテニウム(Ru)粉末を得るのに有利である。製造された粉末に対して分級装置を用いて所望の大きさのルテニウム(Ru)粉末の取得が可能である。粉砕の前に、粉末内部に反応ガスやモールド材質に含まれていたガス成分が残存している可能性があるが、粉末製造に利用される大気熱処理及び水素熱処理を用いて除去が可能である。
ルテニウム(Ru)粉末を製造するためにハードディスク用に使用された使用済みルテニウム(Ru)ターゲット1.8kgを確保した。確保された使用済みルテニウム(Ru)ターゲットは、純度3N5以上で、ターゲットの結晶粒の大きさは20μm以下の特性であった。確保された使用済みルテニウム(Ru)ターゲットは、表面の異物除去のためにジ塩素酸ナトリウム(NaClO)に5分間沈積させて異物などを取り除いた。異物が除去された使用済みルテニウム(Ru)ターゲットに、100kw級DC熱プラズマ装置を用いてルテニウム(Ru)粉末1kgを製造した場合の製造工程は次の通りである。
カーボン材質のモールド上に清浄化された使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを取り付けて、電極距離を調節した後、プラズマ装置に備えられた真空ポンプを用いて10−2torrまで減圧し、その後で、Arを反応ガスとしてプラズマを形成させて、粉末を製造した。プラズマを用いたルテニウム(Ru)粉末の製造工程条件を表1に示す。
Figure 0005526282
プラズマによって製造されたルテニウム(Ru)粉末に対して粉砕及び分級を行った後、大気熱処理及び水素熱処理を行って最終ルテニウム(Ru)粉末を得た。最初に製造されたルテニウム(Ru)粉末、及び粉砕及び分級処理されたルテニウム(Ru)粉末に対する分析の結果、プラズマを通じて製造されたルテニウム(Ru)粉末の場合、球形の形態を有し、100μm以下の大きさであったが、粉砕及び分級を実施した結果、中心粒度10μm水準の微細なルテニウム(Ru)粉末960grの製造が可能であった。
製造された粉末に対して、脱ガス処理のために大気中で800℃、1時間の熱処理を行って残余カーボン(Carbon)を取り除き、水素熱処理を800℃で30分間実施して大気熱処理時に酸化したルテニウム(Ru)粉末に還元処理を行い、高純度化及び微細化された最終粉末を得た。
最終製造されたルテニウム(Ru)乾式粉末に対する不純物含量を確認するために、グロー放電質量分析機(GDMS;Glow Discharge Mass Spectrometry)の分析を通じて不純物分析(実施例1)を行い、製造されたルテニウム(Ru)粉末の水準を把握するために、市販されている最高純度3N5以上の純度を持つルテニウム(Ru)粉末を購入してグロー放電質量分析機の分析(比較例1)を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0005526282
* 不純物単位:ppb(weight)
* その他不純物:Li、Be、Sc、V、Mn、Co、Ga、Ge、As、Se、Br、Rb、Sr、Nb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、I、Cs、Ba、Hf、Ta、Au、Hg、Pb、Bi、Re
表2の結果から、最終製造された実施例1の粉末の場合には、比較例1の粉末とほぼ同一の水準が見られ、一部プラズマ処理によって減少した不純物(O、Cl、Siなど)も見受けられるが、取り扱いによって増加した不純物(Ca、Fe、Cuなど)も観察される。特に、最終純度は湿式法により製造された比較例1の粉末と同等の水準が見られる結果から、実施例1のルテニウム(Ru)粉末が高純度化されたことが分かる。
ルテニウム(Ru)粉末の焼結特性を確認するために、乾式法により製造された実施例1の粉末と比較例1の粉末を用いて、ホットプレス焼結試験を行って焼結体を製造した後、特性を比較した(実施例2、比較例2)。
また、製造された焼結体の物性を評価するために、市販のルテニウム(Ru) ターゲットを購入し、これに対しても特性を比較した(比較例3)。
Figure 0005526282
表3から、本発明によって製造されたルテニウム(Ru)焼結体(実施例2)は、従来の湿式法により製造されたルテニウム(Ru)粉末を用いて製造した焼結体(比較例2)と比較した場合、密度、純度共に同等の水準であり、市販されているルテニウム(Ru)ターゲット(比較例3)と比べても差がないことが分かった。
特に結晶粒の大きさは、本発明のルテニウム(Ru)焼結体の方が、市販されているルテニウム(Ru)ターゲットより微細であることが分かる。

Claims (8)

  1. 使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いてルテニウム(Ru)粉末を製造する方法であって、
    使用済みルテニウム(Ru)ターゲットの表面から、化学的または物理的な方法を用いて表面の汚染物を取り除く段階と、
    汚染物が除去された前記使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを、プラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に配置されたプラズマ形成のための電極とを備えるプラズマ装置の該プラズマチャンバ内に装着する段階と、
    前記プラズマ装置内部を減圧して、反応ガスを投入し、電力を印加してプラズマを形成させる段階と、
    印加されるプラズマ電力を増加させて使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを溶融及び気化させ、次いで冷却することによりルテニウム(Ru)粉末を製造する段階と、
    製造されたルテニウム(Ru)粉末に対して熱処理をして残存するカーボンを除去することにより高純度化されたルテニウム(Ru)粉末を製造する段階と、
    高純度化されたルテニウム(Ru)粉末に対して微粉砕及び分級をして微細化された最終ルテニウム(Ru)粉末を製造する段階と
    を含むことを特徴とする使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法。
  2. 前記使用済みルテニウム(Ru)ターゲットの表面汚染物の除去は、ジ塩素酸ナトリウム(NaClO)の溶液に使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを沈積させた後、汚染物を取り除く化学的な方法、又は物理的方法を用いて汚染物を取り除くことを特徴とする、請求項1に記載の使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法。
  3. 前記プラズマ装置の前記電極を構成する材質は、黒鉛(Graphite)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)またはルテニウム(Ru)から選択された、いずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法。
  4. プラズマ形成時に使われる反応ガスは、Ar、H2、N2、又はCH4から選択された、いずれか一つ又はそれ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法。
  5. ルテニウム(Ru)粉末を製造するプラズマ装置の前記プラズマチャンバ内部の真空度は、50〜600torrであることを特徴とする、請求項1に記載の使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法。
  6. プラズマ処理の後、製造されたルテニウム(Ru)粉末の熱処理として大気熱処理及び水素熱処理を行って高純度ルテニウム(Ru)粉末を得ることを特徴とする、請求項1に記載の使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法。
  7. 前記大気熱処理は、800℃乃至1200℃の温度で、かつ、1乃至5時間の間、熱処理することを特徴とする、請求項6に記載の使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法。
  8. 前記水素熱処理は、800℃乃至1200℃の温度で、かつ、1乃至5時間の間、熱処理することを特徴とする、請求項6に記載の使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末製造方法。
JP2013501180A 2010-03-25 2011-03-15 使用済みルテニウム(Ru)ターゲットを用いた高純度化及び微細化されたルテニウム(Ru)粉末の製造方法 Expired - Fee Related JP5526282B2 (ja)

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