JP5516417B2 - 光塩基発生剤 - Google Patents

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Description

本発明は、光(活性エネルギー線)の照射により塩基を発生する性質を有する化合物及びこれらを含んでなる光塩基発生剤に関し、更に詳しくは、波長300nm以上にも感光領域を有する、高感度な化合物及びこれらの化合物を含んでなる光塩基発生剤に関する。
光(活性エネルギー線)感受性の重合開始剤(以下、単に光重合開始剤と略記する場合がある。)による硬化(以下、単に光硬化と略記する場合がある。)は、熱感受性の重合開始剤(以下、単に熱重合開始剤と略記する場合がある。)による硬化(以下、単に熱硬化と略記する場合がある。)と比べて、低温かつ短時間での硬化が可能である、微細なパターンの形成が可能である等の多くの利点を有することから、塗料、印刷インキ、歯科材料、レジストなどの表面加工の分野で広く用いられている。
光硬化技術において使用される光重合開始剤は、発生する活性種により光ラジカル発生剤、光酸発生剤、光塩基発生剤の3つのグループに大別することができる。光ラジカル発生剤は、アセトフェノン等を代表とする、光(活性エネルギー線)の照射によりラジカル種を発生する光重合開始剤で従来から広く用いられているものではあるが、ラジカル種は空気中の酸素によって失活してしまうという性質を有するため、酸素存在下では重合反応が阻害され硬化が抑制されるという欠点がある。そのため、特に光ラジカル発生剤を用いて薄膜を硬化しようとする場合には、空気中の酸素を遮断するなどの特別な工夫が必要とされている。また、光酸発生剤は、光(活性エネルギー線)の照射により酸を発生する光重合開始剤であるため、酸素による阻害を受けないという利点があることから、90年代後半から多種の光酸発生剤が実用に供されているが、光(活性エネルギー線)の照射によって発生する酸が硬化後においても系内に残存する場合には、硬化膜の変性による性能低下の問題や半導体分野等では酸による基板への腐食性の問題が指摘されている。他方で、光塩基発生剤は、光(活性エネルギー線)の照射によって塩基を発生するものであるため、空気中の酸素の阻害を受けず、また、腐食性の問題や硬化膜の変性を生じにくいことから、近年その研究開発が盛んに行われている光重合開始剤である。
このような光塩基発生剤としては、例えばカルバメート系(ウレタン系)の光塩基発生剤(例えば特許文献1等)、α-アミノケトン系の光塩基発生剤(例えば特許文献2等)、4級アンモニウム系の光塩基発生剤(例えば特許文献3、4等)、O-アシルオキシム系の光塩基発生剤(例えば特許文献5等)などの様々な光塩基発生剤が知られている。
一方、光硬化性樹脂として用いられているエポキシ樹脂は、従来より当該樹脂と光酸発生剤等の酸を発生する化合物とを共存させて、光(活性エネルギー線)の作用により酸発生剤から生成した酸によってエポキシ樹脂をグラフト重合させることにより硬化させているが、上でも少し述べたように、硬化後においても酸が系内に残存する場合には、残存する酸が原因となる硬化膜の変性や基板の腐食性の問題がある。このため、これらの問題が生じない硬化方法として、エポキシ樹脂を塩基によって硬化する方法、すなわち、光塩基発生剤によるエポキシ樹脂の硬化が種々検討されているが、現状では、光塩基発生剤に対するエポキシ樹脂の感度不足が原因となって実用化が困難な状況にある。このため、エポキシ樹脂に代わる光硬化性樹脂としてエピスルフィド樹脂を用いた光硬化性樹脂組成物の研究が行われている(例えば特許文献4等)。しかしながら、エピスルフィド樹脂の前駆体であるエピスルフィド化合物は、300nm付近の波長に吸収を示すことから、同じく300nm付近の波長を中心とする光(活性エネルギー線)に感光領域を有する光塩基発生剤を用いた場合には、光塩基発生剤の塩基の発生効率が低下するという問題点を有していた。
このような状況下、エピスルフィド化合物の光吸収領域と重ならないか、或いは重なる場合であっても塩基の発生効率を低下させずに、効率的に塩基を発生し得る光塩基発生剤、すなわち、従来の光塩基発生剤の感光領域と比べてより長波長の光(活性エネルギー線)に対しても高い感受性を有し、当該長波長の光(活性エネルギー線)の照射によって、効率的に塩基を発生する光塩基発生剤の開発が望まれている。
特開平10−77264号公報 特開平11−71450号公報 特開2003−212856号公報 特開2005−264156号公報 特開2006−36895号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来の光塩基発生剤が感光する光(活性エネルギー線)と比べてより長波長の光(活性エネルギー線)の照射によっても、容易に塩基を発生する新規な化合物、これらの化合物を含んでなる光塩基発生剤及び塩基発生方法を提供することにある。
本発明は、一般式[1]
Figure 0005516417
(式中、R及びRは夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表すか、或いはこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものを表し、R及びRは夫々独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R、R、R及びRは夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表す。)で示される化合物の発明である。
また、本発明は、上記一般式[1]で示される化合物を含んでなる光塩基発生剤の発明である。
更に、本発明は、上記一般式[1]で示される化合物に、光照射することを特徴とする塩基発生方法の発明である。
本発明の化合物は、従来の光塩基発生剤が感光する光(活性エネルギー線)と比べてより長波長の光(活性エネルギー線)の照射によっても、塩基を効率的に発生する、一般式[1]で示される化合物であり、当該化合物は、波長300nm以上の光(活性エネルギー線)に対しても感光領域を有するエチニルチオキサントン環と、効率的に塩基(アミン)を遊離し得るウレタン構造とを有するため、塩基を効果的に発生する性質を持つものである。
実施例10で使用したフィルター1とフィルター2の透過率曲線を表す図である。 実施例12における実施例1の化合物を用いた塗膜に光(活性エネルギー線)を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例12における実施例2の化合物を用いた塗膜に光(活性エネルギー線)を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例12における実施例3の化合物を用いた塗膜に光(活性エネルギー線)を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例12における実施例4の化合物を用いた塗膜に光(活性エネルギー線)を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例13における実施例5の化合物を用いた塗膜に光(活性エネルギー線)を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例13における実施例6の化合物を用いた塗膜に光(活性エネルギー線)を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例13における実施例7の化合物を用いた塗膜に光(活性エネルギー線)を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。
一般式[1]におけるR及びRで示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられ、中でも炭素数1〜8の直鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基が好ましく、その中でも炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基がより好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基がより好ましく、更にその中でも炭素数2〜3の直鎖状のアルキル基であるエチル基、n-プロピル基が特に好ましい。
一般式[1]におけるR及びRで示される「これら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するもの」中の「炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成」とは、RとRとが連結して、2つの結合手で共に窒素原子と結合する飽和又は不飽和アルキレン基(飽和又は不飽和アルカンジイル基)を形成することを意味し、より具体的には、ヘテロ原子を鎖中に有していてもよい炭素数3〜8の飽和又は不飽和アルキレン基(飽和又は不飽和アルカンジイル基)を形成することを意味する。上記ヘテロ原子を鎖中に有していてもよい炭素数3〜8の飽和又は不飽和アルキレン基(飽和又は不飽和アルカンジイル基)の具体例としては、例えばトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、1,4-ジメチルテトラメチレン基、1,5-ジメチルペンタメチレン基、1,3,5-トリメチルペンタメチレン基等のヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状又は分枝状の炭素数3〜8の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)、例えばメチレンオキシジメチレン基(メチレンオキシエチレン基)、メチレンチオジメチレン基(メチレンチオエチレン基)、ジメチレンオキシジメチレン基(エチレンオキシエチレン基)、ジメチレンチオジメチレン基(エチレンチオエチレン基)、1,1’,2-トリメチル-メチレンオキシジメチレン基(1,1’,2-トリメチル-メチレンオキシエチレン基)、1,1’,2-トリメチル-メチレンチオジメチレン基(1,1’,2-トリメチル-メチレンチオエチレン基)、1,1’,2,2’-テトラメチル-ジメチレンオキシジメチレン基(1,1’,2,2’-テトラメチル-エチレンオキシエチレン基)、1,1’,2,2’-テトラメチル-ジメチレンチオジメチレン基(1,1’,2,2’-テトラメチル-エチレンチオエチレン基)等のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する直鎖状又は分枝状の炭素数3〜8の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)、例えばブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジメチル-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジエチル-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基等のヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状又は分枝状の炭素数4〜8の不飽和アルキレン基(不飽和アルカンジイル基)、例えば2-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジメチル-2-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジエチル-2-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、2,4-ジメチル-1-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、2,4-ジエチル-1-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基等のヘテロ原子(窒素原子等)を鎖中に有する直鎖状又は分枝状の炭素数3〜8の不飽和アルキレン基(不飽和アルカンジイル基)等が挙げられる。
これらの飽和又は不飽和アルキレン基(飽和又は不飽和アルカンジイル基)の中でも、例えばトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、1,4-ジメチルテトラメチレン基、1,5-ジメチルペンタメチレン基、1,3,5-トリメチルペンタメチレン基等のヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状又は分枝状の炭素数3〜8の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)、例えばメチレンオキシジメチレン基(メチレンオキシエチレン基)、メチレンチオジメチレン基(メチレンチオエチレン基)、ジメチレンオキシジメチレン基(エチレンオキシエチレン基)、ジメチレンチオジメチレン基(エチレンチオエチレン基)等のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する直鎖状の炭素数3〜4の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)、ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基のようなヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状の炭素数4の不飽和アルキレン基(不飽和アルカンジイル基)、2-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基のようなヘテロ原子(窒素原子等)を鎖中に有する直鎖状の炭素数3の不飽和アルキレン基(不飽和アルカンジイル基)が好ましく、その中でもテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基等のヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状の炭素数4〜7の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)がより好ましく、更にその中でもヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状の炭素数5の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)であるペンタメチレン基が特に好ましい。
一般式[1]におけるR及びRで示される「これら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するもの」中の「置換基」とは、具体的には、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等の上記「含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するもの」に結合する、炭化水素基以外の置換基(官能基)が挙げられる。したがって、本発明において、「置換基を有していてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するもの」中の炭素数は、含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成する部分の炭素数を意味し、上記置換基(シアノ基等)の炭素数は含まれない。
一般式[1]におけるR及びRとしては、Rが水素原子であり、Rが炭素数3〜8の直鎖状のアルキル基であるもの、R及びRが共に炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基であるもの、R及びRがこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものがより好ましく、その中でもRが水素原子であり、Rが炭素数3の直鎖状のアルキル基であるn-プロピル基であるもの、R及びRが共に炭素数2の直鎖状のアルキル基であるエチル基であるもの、R及びRがこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数4〜5の含窒素脂肪族環を形成するものがさらに好ましい。
一般式[1]におけるR及びRで示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられ、中でも炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましく、その中でも炭素数1のアルキル基であるメチル基がより好ましい。
一般式[1]におけるR及びRで示される「置換基を有していてもよいフェニル基」中の「置換基」としては、具体的には、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基等が挙げられる。
一般式[1]におけるR及びRとしては、水素原子、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基がより好ましい。
一般式[1]におけるR、R、R及びRで示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられ、中でも炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましく、その中でも炭素数2のアルキル基であるエチル基がより好ましい。
本発明の一般式[1]で示される化合物において、チオキサントン環と結合するエチニル基は、チオキサントン環の1〜4位の炭素原子の何れかに結合するが、中でも2位又は3位に結合しているものが好ましく、その中でも2位に結合しているものがより好ましい。本発明の化合物は、チオキサントン環にエチニル基が結合し、チオキサントン環のみと比べて共役系がより延びる構造であるので、従来の光塩基発生剤が感光する光(活性エネルギー線)と比べてより長波長の光(活性エネルギー線)の照射によっても、効率的に塩基を発生することが可能な光塩基発生剤となり得るのである。
本発明の一般式[1]で示される化合物において、R及びRが「これら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するもの」である場合のアミンの部分構造、すなわち、「炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環」となる場合の具体例としては、例えばアゼチジン環(4員環)、ピロリジン環(5員環)、ピペリジン環(6員環)、ヘキサメチレンイミン環(アゼパン環;7員環)、ヘプタメチレンイミン環(アゾカン環;8員環)、オクタメチレンイミン環(アゾナン環;9員環)等の炭素数3〜8の含窒素脂肪族環、例えば2,5-ジメチルピロリジン環(5員環)、2,6-ジメチルピペリジン環(6員環)、2,4,6-トリメチルピペリジン環(6員環)等の脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換された炭素数3〜8の含窒素脂肪族環、例えばオキサゾリジン環(5員環)、チアゾリジン環(5員環)、モルホリン環(6員環)、チオモルホリン環(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する炭素数3〜8の含窒素脂肪族環、例えば2,3,5,6-テトラメチルモルホリン(6員環)、2,3,5,6-テトラメチルチオモルホリン(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有し、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換された炭素数4〜8の含窒素脂肪族環、例えばピロール環(5員環)、イミダゾール環(5員環)、ピラゾール環(5員環)等の炭素数3〜4の含窒素芳香環、例えば2,5-ジメチルピロール環(5員環)、2,5-ジエチルピロール環(5員環)、2,5-ジメチルイミダゾール環(5員環)、2,5-ジエチルイミダゾール環(5員環)、3,5-ジメチルピラゾール環(5員環)、3,5-ジエチルピラゾール環(5員環)等の芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基又はエチル基に置換された炭素数4〜8の含窒素芳香環等が挙げられる。すなわち、脂肪族環又は芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基又はエチル基に置換された炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環や、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する炭素数3〜8の含窒素脂肪族環も、上記「炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環」の概念に含まれる。
これらの「炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環」の中でも、例えばアゼチジン環(4員環)、ピロリジン環(5員環)、ピペリジン環(6員環)、ヘキサメチレンイミン環(アゼパン環;7員環)、ヘプタメチレンイミン環(アゾカン環;8員環)、オクタメチレンイミン環(アゾナン環;9員環)、2,5-ジメチルピロリジン環(5員環)、2,6-ジメチルピペリジン環(6員環)、2,4,6-トリメチルピペリジン環(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環、例えばオキサゾリジン環(5員環)、チアゾリジン環(5員環)、モルホリン環(6員環)、チオモルホリン環(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有し、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数3〜4の含窒素脂肪族環、例えばピロール環(5員環)、イミダゾール環(5員環)、ピラゾール環(5員環)等の芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基又はエチル基に置換されていない炭素数3〜4の含窒素芳香環が好ましく、その中でもピロリジン環(5員環)、ピペリジン環(6員環)、ヘキサメチレンイミン環(アゼパン環;7員環)、ヘプタメチレンイミン環(アゾカン環;8員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数4〜7の含窒素脂肪族環がより好ましく、更にその中でも窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数5の含窒素脂肪族環であるピペリジン環(6員環)が特に好ましい。これら好ましい具体例の「窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環」、「窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有し、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数3〜4の含窒素脂肪族環」或いは「芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基又はエチル基に置換されていない炭素数3〜4の含窒素芳香環」を有する一般式[1]で示される化合物は、安価かつ容易に製造でき、光(活性エネルギー線)の照射により、効率的に塩基を発生するという点で有用である。
上記「炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環」は、更に炭化水素基以外の置換基(官能基)を有していてもよく、当該置換基の具体例としては、上でも述べたように、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。上記「置換基」を有する「炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環」の具体例としては、例えば4-ヒドロキシピペリジン環(6員環)、4-メルカプトピペリジン環(6員環)、4-シアノピペリジン環(6員環)、4-ニトロピペリジン環(6員環)、4-クロロピペリジン環(6員環)、4-ブロモピペリジン環(6員環)等が挙げられるが、これらの例に何ら限定されるものではない。
本発明の上記一般式[1]で示される化合物のうち、より具体的な化合物としては、一般式[1]におけるR及びRが共に炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基であって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合している、一般式[2]
Figure 0005516417
(式中、p及びqは夫々独立して、0〜5の整数を表し、R、R、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示されるもの、一般式[1]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有さずなおかつ窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さずに脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数4〜7の含窒素脂肪族環を形成するものであって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合している、一般式[3]
Figure 0005516417
(式中、rは1〜4の整数を表し、R、R、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示されるもの、一般式[1]におけるRが水素原子であり、Rが炭素数3〜8の直鎖状のアルキル基であって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合している、一般式[4]
Figure 0005516417
(式中、sは2〜7の整数を表し、R、R、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示されるもの、一般式[1]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有しなおかつ窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さずに脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数5の含窒素脂肪族環を形成するものであって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合している、一般式[5]
Figure 0005516417
(式中、Rは、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し、R、R、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示されるものが挙げられる。これらの化合物は、本発明の他の化合物と比較して、安価かつ容易に製造できる上、耐熱性が期待でき、従来の光塩基発生剤が感光する光(活性エネルギー線)と比べてより長波長の光(活性エネルギー線)の照射によっても、より効率的に塩基を発生できる光塩基発生剤となり得るという点において、好ましい化合物である。
上記一般式[2]におけるp及びqとしては、1がより好ましい。
上記一般式[3]におけるrとしては、1〜2の整数がより好ましく、中でも2がさらに好ましい。
上記一般式[4]におけるsとしては、2〜5の整数がより好ましく、中でも2がさらに好ましい。
上記一般式[5]におけるRで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも塩素原子、臭素原子が好ましい。
上記一般式[5]におけるRとしては、ヒドロキシル基がより好ましい。
上記一般式[2]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[2]におけるR、R、R及びRがすべて水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつp及びqが共に1であるものが挙げられ、より具体的には、式[7]
Figure 0005516417
で示される化合物が、より好ましいものとして挙げられる。
なお、念のために付記すれば、上記式[7]で示される化合物は、上記一般式[1]におけるR及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であり、R、R、R及びRがすべて水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合しているものに相当する。
また、上記一般式[3]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[3]におけるR及びRが夫々独立して、水素原子又は炭素数1のアルキル基であるメチル基であり、R及びRが共に水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつrが2であるものが挙げられ、より具体的には、式[8]
Figure 0005516417
で示される化合物、式[9]
Figure 0005516417
で示される化合物、及び式[10]
Figure 0005516417
で示される化合物が、より好ましいものとして挙げられる。
なお、念のために付記すれば、上記式[8]〜[10]で示される化合物は、上記一般式[1]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有さずなおかつ窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さずに脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数5の含窒素脂肪族環であるピペリジン環を形成するものであり、R及びRが夫々独立して、水素原子又は炭素数1のアルキル基であるメチル基であり、R及びRが共に水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合しているものに相当する。
更に、上記一般式[4]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[4]におけるR、R、R及びRがすべて水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつsが2であるものが挙げられ、より具体的には、式[11]
Figure 0005516417
で示される化合物が、より好ましいものとして挙げられる。
なお、念のために付記すれば、上記式[11]で示される化合物は、上記一般式[1]におけるRが水素原子であり、Rが炭素数3の直鎖状のアルキル基であるn-プロピル基であり、R、R、R及びRがすべて水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合しているものに相当する。
更にまた、上記一般式[5]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[5]におけるR、R、R及びRがすべて水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつRがヒドロキシル基であるものが挙げられ、より具体的には、式[12]
Figure 0005516417
で示される化合物が、より好ましいものとして挙げられる。
なお、念のために付記すれば、上記式[12]で示される化合物は、上記一般式[1]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基としてヒドロキシル基を有しなおかつ窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さずに脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数5の含窒素脂肪族環である4-ヒドロキシピペリジン環を形成するものであり、R、R、R及びRがすべて水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合しているものに相当する。
上記一般式[1]で示される化合物を光塩基発生剤として用いる場合には、これらの光塩基発生剤の用途によっては、例えば上記一般式[1]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有さずなおかつ芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基又はエチル基に置換されていない炭素数3の含窒素芳香環を形成するものであって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合している、一般式[6]
Figure 0005516417
(式中、R、R、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示される化合物が好ましい場合もある。
また、上記一般式[6]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[6]におけるR、R、R及びRがすべて水素原子であって、かつR及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であるものが挙げられ、より具体的には、式[13]
Figure 0005516417
で示される化合物が、より好ましいものとして挙げられる。
なお、念のために付記すれば、上記式[13]で示される化合物は、上記一般式[1]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有さずなおかつ芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基又はエチル基に置換されていない炭素数3の含窒素芳香環であるイミダゾール環を形成するものであり、R、R、R及びRがすべて水素原子であり、R及びRが共に炭素数2のアルキル基であるエチル基であって、かつエチニル基がチオキサントン環の2位に結合しているものに相当する。
本発明の化合物は、波長200nm以上の光(活性エネルギー線)、より具体的には200nm〜500nmの光(活性エネルギー線)の照射によって塩基を発生するもので、例えば波長254nmの光(活性エネルギー線)等のいわゆる従来の光塩基発生剤に対して照射される光(活性エネルギー線)を用いた塩基の発生を排除するものではないが、これまで述べてきたように、本発明の化合物は、従来の光塩基発生剤が感光する光(活性エネルギー線)のみならず、これらの光と比べてより長波長の光(活性エネルギー線)の照射によっても塩基を発生することを特徴とするものであり、より具体的には、例えば波長365nmの光(活性エネルギー線)等の波長300nm以上の光(活性エネルギー線)を照射した場合でも、塩基を効率的に発生するのである。また、上記光(活性エネルギー線)のより好ましい範囲は、波長300nm〜500nmの光(活性エネルギー線)であり、これらの好ましい範囲において、本発明の化合物は良好な感度を示し、より具体的には、上記波長300nm〜500nmの領域において、モル吸光係数が3000以上となる吸収波長領域が存在するので、効率的に塩基を発生し得るのである。
なお、これまで本発明の化合物が、光(活性エネルギー線)の照射によって、塩基を発生することを述べてきたが、本発明の化合物には、熱を加えることによって、塩基を発生するものも含まれており、このようなものについては、加熱によって塩基を発生させてもよい。すなわち、本発明の化合物には、光塩基発生剤のみならず、熱塩基発生剤となり得るものもあり、本発明の化合物には、光(活性エネルギー線)の照射又は/及び加熱することによって塩基を発生する塩基発生方法に使用し得るものも含まれている。
次に、本発明の化合物を製造する方法について詳細に説明する。本発明の一般式[1]で示される化合物の製造方法としては、例えば一般式[14]
Figure 0005516417
(式中、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示されるチオキサントン(9H-チオキサンテン-9-オン)誘導体の芳香環をハロゲン化して、一般式[15]
Figure 0005516417
(式中、Xはハロゲン原子を表し、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示される芳香環がハロゲン化されたチオキサントン(9H-チオキサンテン-9-オン)誘導体(以下、ハロゲン化チオキサントン誘導体と略記する場合がある。)を合成し、次いで当該誘導体と一般式[16]
Figure 0005516417
(式中、R及びRは上記に同じ。)で示されるプロパルギルアルコール誘導体とを、要すれば有機溶媒の存在下で反応させて一般式[17]
Figure 0005516417
(式中、R、R、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示されるアルコールを得た後、当該アルコールと一般式[18]
Figure 0005516417
(式中、Xはハロゲン原子を表し、R及びRは上記に同じ。)で示される化合物とを、要すれば有機溶媒の存在下で反応させればよい。より具体的な製造方法としては、例えば上記一般式[14]で示されるチオキサントン誘導体を、ルイス酸触媒を用いる芳香環へのハロゲン化反応等の手法により、上記一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体を得る(第一工程)。次いで、第一工程で得られた一般式[15]で示される誘導体と、当該誘導体に対して、通常0.8〜15当量、好ましくは0.8〜7当量の上記一般式[16]で示されるプロパルギルアルコール誘導体とを、要すれば有機溶媒の存在下、例えば1価の銅、パラジウム触媒及びアミンを用いるアセチレンカップリングにより、上記一般式[17]で示されるアルコールを得る(第二工程)。その後、第二工程で得られた一般式[17]で示されるアルコールと、当該アルコールに対して、通常0.8〜10当量、好ましくは0.8〜3当量の上記一般式[18]で示される化合物とを、要すれば上記アルコールに対して、通常0.8〜5当量、好ましくは0.8〜3当量の例えば水素化ナトリウム等の塩基の存在下、要すれば脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)、脱水アセトニトリル等の有機溶媒中で反応させることにより(第三工程)、本発明の一般式[1]で示される化合物を得ることができる。
一般式[15]におけるXで示されるハロゲン原子としては、具体的には、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも臭素原子が好ましい。
一般式[18]におけるXで示されるハロゲン原子としては、具体的には、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも塩素原子、臭素原子が好ましく、その中でも塩素原子がより好ましい。
上記第一工程で使用される一般式[14]で示されるチオキサントン誘導体は、市販のものを用いるか、常法により合成したものを適宜用いればよく、具体的には、例えば9H-チオキサンテン-9-オン、2-メチル-9H-チオキサンテン-9-オン、4-メチル-9H-チオキサンテン-9-オン、2-エチル-9H-チオキサンテン-9-オン、4-エチル-9H-チオキサンテン-9-オン、2-n-プロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、4-n-プロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、4-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、2,4-ジメチル-9H-チオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、2,4-ジ-n-プロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、2,4-ジイソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン等が挙げられ、中でも、芳香環へのハロゲン化反応が位置選択的に進行し易く、一般式[1]で示される化合物におけるエチニル基の結合位置が制御し易いという点から、2,4-ジメチル-9H-チオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、2,4-ジ-n-プロピル-9H-チオキサンテン-9-オンが好ましく、その中でも、入手が容易であるという点から、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オンがより好ましい。なお、一般式[1]で示される化合物の望ましい吸収波長領域という点においては、上記好ましい例示のチオキサントン誘導体のみならず、上記一般式[14]におけるR、R、R及びRがすべて水素原子である、9H-チオキサンテン-9-オンも好ましい誘導体として挙げられる。
上記第一工程のルイス酸触媒を用いる芳香環へのハロゲン化反応としては、通常この分野で行われる芳香環へのハロゲン化反応でよく、具体的には、例えば一般式[14]で示されるチオキサントン誘導体に対して、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)等のルイス酸触媒の存在下、適当な有機溶媒中で塩素又は臭素と反応させる、一般的な手法を適用することにより、一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体を得ることができる。なお、反応原料である一般式[14]で示されるチオキサントン誘導体に悪影響を及ぼさず、目的とする一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体が得られれば、例えば一般式[14]で示されるチオキサントン誘導体の芳香環を一旦ジアゾ化し、この芳香族ジアゾ化合物に対して金属ハロゲン化物を反応させる方法(ザンドマイヤー反応)等、一旦別の化合物を経由する等の上記の手法とは別の方法を利用して、一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体を得てもよい。また、得られた一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体は、反応終了後の溶液に対して、例えば過剰の塩素又は臭素の還元及び中和処理を行い、次いで抽出、洗浄処理を行った後、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等の適当な精製操作を行うことで、単離すればよい。
上記第二工程で使用される一般式[16]で示されるプロパルギルアルコール誘導体は、市販のものを用いるか、常法により合成したものを適宜用いればよく、具体的には、例えばプロパルギルアルコール、3-ブチン-2-オール、1-ペンチン-3-オール、1-ヘキシン-3-オール、1-ヘプチン-3-オール、1-オクチン-3-オール、1-ノニン-3-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3-エチル-1-ペンチン-3-オール、3-n-プロピル-1-ヘキシン-3-オール、3-イソプロピル-1-ヘキシン-3-オール、3-n-ブチル-1-ヘプチン-3-オール、3-イソブチル-1-ヘプチン-3-オール、3-sec-ブチル-1-ヘプチン-3-オール、3-tert-ブチル-1-ヘプチン-3-オール、3-n-ペンチル-1-オクチン-3-オール、3-n-ヘキシル-1-ノニン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3-メチル-1-ヘキシン-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、5-メチル-1-ヘキシン-3-オール、3-メチル-1-ヘプチン-3-オール、3-メチル-1-オクチン-3-オール、3-メチル-1-ノニン-3-オール、1-シクロペンチル-2-プロピン-1-オール、1-シクロヘキシル-2-プロピン-1-オール、2-シクロペンチル-3-ブチン-2-オール、2-シクロヘキシル-3-ブチン-2-オール、1-フェニル-2-プロピン-1-オール、1,1-ジフェニルプロピン-1-オール、2-フェニル-3-ブチン-2-オール、2-(3-フルオロフェニル)-3-ブチン-2-オール等が挙げられ、目的とする一般式[1]で示される化合物の構造により、上記プロパルギルアルコール誘導体の何れかを適宜選択して用いればよいが、中でもプロパルギルアルコール、3-ブチン-2-オール、1-ペンチン-3-オール、1-ヘキシン-3-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3-エチル-1-ペンチン-3-オール、3-n-プロピル-1-ヘキシン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、4-メチル-1-ヘキシン-4-オールが好ましく、その中でもプロパルギルアルコール、3-ブチン-2-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オールがより好ましい。なお、例えば2-フェニル-3-ブチン-2-オール、2-(3-フルオロフェニル)-3-ブチン-2-オール等の、一般式[1]におけるR及び/又はRで示される基が置換基を有していてもよいフェニル基に由来するプロパルギルアルコール誘導体を用いることにより、一般式[1]で示される化合物の吸収波長領域を長波長側にシフトさせることも可能である。
なお、上記一般式[16]で示されるプロパルギルアルコール誘導体の使用量が、0.8当量未満の場合には、この反応によって得られる一般式[17]で示されるアルコールの収率が低下し、一方、15当量を超える量のプロパルギルアルコール誘導体を使用すると、経済性が損なわれる等の問題が生ずるので望ましくない。
上記第二工程のアセチレンカップリングでは、反応原料である一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体と一般式[16]で示されるプロパルギルアルコール誘導体の他に、要すれば有機溶媒と、1価の銅、パラジウム触媒及びアミンが用いられ、これらを用いることにより、カップリング反応が進行する。
上記第二工程で使用される1価の銅は、市販のものを用いれば足り、具体的には、例えば塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等の1価のハロゲン化銅、例えば酢酸銅(I)、トリフルオロ酢酸銅(I)、銅トリフラート(I)、シアン化銅(I)等の1価の有機銅、例えば酸化銅(I)等が挙げられる。これらの1価の銅は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、当該1価の銅の使用量としては、特に限定されないが、その使用量は触媒量でよく、例えば一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体1mmolに対して、通常0.001〜0.5mmol、好ましくは0.001〜0.2mmolである。
上記第二工程で使用されるパラジウム触媒は、市販の0価又は2価のパラジウムを用いれば足り、具体的には、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム等の0価のパラジウム、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジアセテート、ビス(アセトニトリル)パラジウムジクロリド、ビス(アセチルアセトナート)パラジウム、アリルパラジウムクロリド等の2価のパラジウムが挙げられる。これらのパラジウム触媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、当該パラジウム触媒の使用量としては、特に限定されないが、その使用量は触媒量でよく、例えば一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体1mmolに対して、通常0.001〜0.5mmol、好ましくは0.001〜0.2mmolである。
上記第二工程で使用されるアミンとしては、通常この分野で用いられるアミンであれば何れでもよく、具体的には、例えばジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジ-tert-ブチルアミン等の鎖状の2級アミン、例えばピロリジン、2,5-ジメチルピロリジン、ピペリジン、2,6-ジメチルピペリジン、ピペラジン、モルホリン等の環状の2級アミン、例えばトリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ-n-ペンチルアミン、トリイソペンチルアミン、N,N-ジエチルメチルアミン、N,N-ジイソプロピルメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジ-n-ブチルメチルアミン、N,N-ジイソブチルメチルアミン、N,N-ジメチル-n-ペンチルアミン、N,N-ジメチルシクロペンチルアミン、N,N-ジメチル-n-ヘキシルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン等の鎖状の3級アミン、例えばオキサゾール、チアゾール、ピリジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン、ピラジン等の環状の3級アミン等が挙げられる。これらのアミンは、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、当該アミンの使用量としては、一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体に対して、通常0.8〜30当量、好ましくは0.8〜15当量である。なお、これらのアミンは、市販のものを用いれば足りる。
上記第二工程で要すれば使用される有機溶媒としては、反応原料である一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体や一般式[16]で示されるプロパルギルアルコール誘導体と反応しない有機溶媒であれば特に制限はなく、具体的には、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル等の非極性有機溶媒、例えばアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性有機溶媒、これらの有機溶媒を脱水処理した脱水有機溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、当該有機溶媒の使用量としては特に限定されないが、例えば一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体1mmolに対して、通常0.2mL〜20mL、好ましくは0.5mL〜10mLである。
上記第二工程における反応温度は、一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体と一般式[16]で示されるプロパルギルアルコール誘導体とが反応するような温度に設定すればよいが、ハロゲン化チオキサントン誘導体とプロパルギルアルコール誘導体とが効率的に反応し、一般式[17]で示されるアルコールが収率よく合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常0℃〜120℃、好ましくは20℃〜100℃である。
上記第二工程における反応時間は、一般式[15]で示されるハロゲン化チオキサントン誘導体に対する一般式[16]で示されるプロパルギルアルコール誘導体の使用量、パラジウム触媒等の種類及びその使用量、有機溶媒の有無、その種類及び使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.1〜24時間、好ましくは0.5〜12時間の範囲に設定される。
上記第二工程において、反応終了後の溶液から、目的とする一般式[17]で示されるアルコールを単離、精製する方法としては、一般的な後処理、精製操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の溶液に対して、過剰のアミンの中和処理を行い、次いで抽出、洗浄処理を行った後、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等の適当な精製操作を行うことで、単離すればよい。
なお、上記第二工程のアセチレンカップリングでは1価の銅、パラジウム触媒及びアミンを用いる反応を例に挙げたが、例えばパラジウム触媒を用いずに、1価の銅試薬を当量以上用いるアセチレンカップリング等、上記の手法とは別の方法のアセチレンカップリングを利用して、一般式[17]で示されるアルコールを得てもよい。
上記第三工程で使用される一般式[18]で示される化合物は、市販のものを用いれば足り、具体的には、例えばN,N-ジメチルカルバモイルクロリド、N,N-ジメチルカルバモイルブロミド、N,N-ジエチルカルバモイルクロリド、N,N-ジエチルカルバモイルブロミド、N,N-ジ-n-プロピルカルバモイルクロリド、N,N-ジ-n-プロピルカルバモイルブロミド、N,N-ジイソプロピルカルバモイルクロリド、N,N-ジイソプロピルカルバモイルブロミド等のN,N-ジアルキルカルバモイルハライド、例えば1-ピロリジンカルボニルクロリド、1-ピロリジンカルボニルブロミド、2,5-ジメチルピロリジン-1-カルボニルクロリド、2,5-ジメチルピロリジン-1-カルボニルブロミド、1-ピペリジンカルボニルクロリド、1-ピペリジンカルボニルブロミド、2,6-ジメチルピペリジン-1-カルボニルクロリド、2,6-ジメチルピペリジン-1-カルボニルブロミド、4-モルホリンカルボニルクロリド、4-モルホリンカルボニルブロミド等の環状アミノカルボニルハライド等のカルバモイル誘導体が挙げられ、目的とする一般式[1]で示される化合物の構造により、上記カルバモイル誘導体の何れかを適宜選択して用いればよいが、中でも入手が容易で、目的とする一般式[1]で示される化合物がより効率的に塩基を発生できる光塩基発生剤となり得るという点等において、N,N-ジエチルカルバモイルクロリド、N,N-ジエチルカルバモイルブロミド、1-ピペリジンカルボニルクロリド、1-ピペリジンカルボニルブロミドが好ましく、その中でもN,N-ジエチルカルバモイルクロリド、1-ピペリジンカルボニルクロリドがより好ましい。
なお、上記一般式[18]で示される化合物の使用量が、0.8当量未満の場合には、この反応によって得られる一般式[1]で示される化合物の収率が低下し、一方、10当量を超える量の一般式[18]で示される化合物を使用すると、経済性が損なわれる等の問題が生ずるので望ましくない。
上記第三工程で要すれば使用される塩基としては、具体的には、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸のアルカリ金属塩、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、例えばn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-ヘキシルリチウム等のアルキルリチウム、例えばリチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LHMDS)、ナトリウムヘキサメチルジシラザン(NaHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラザン(KHMDS)等の金属アミド、例えばトリエチルアミン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)等の3級アミン等が挙げられ、中でも水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物が好ましく、その中でも水素化ナトリウムがより好ましい。これらの塩基は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、当該塩基の使用量としては、一般式[17]で示されるアルコールの脱プロトン化がすみやかに進行するように、この反応で使用される当該アルコールの使用量を超える量の塩基を使用することが望ましい。
なお、上記第三工程で要すれば使用される塩基として、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物等のアルカリ金属を含む塩基を使用した場合には、一般式[17]で示されるアルコールの脱プロトン化を促進させるために、当該塩基のカウンターカチオンを補足する目的で、12-クラウン-4-エーテル、15-クラウン-5-エーテル、18-クラウン-6-エーテル等のクラウンエーテル類等を用いてもよい。これらのクラウンエーテル類の使用量としては、特に限定されず、上記塩基の使用量に対して任意の割合でよく、適宜その使用量を調節すればよい。
また、上記第三工程において、一般式[18]で示される化合物を活性化させるために、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン等の活性化剤を用いてもよい。これらの活性化剤の使用量としては、特に限定されないが、その使用量は触媒量でよく、例えば一般式[17]で示されるアルコール1mmolに対して、通常0.001〜0.5mmol、好ましくは0.001〜0.2mmolである。
上記第三工程で要すれば使用される有機溶媒としては、反応原料である一般式[17]で示されるアルコールや一般式[18]で示される化合物と反応しない有機溶媒であれば特に制限はなく、具体的には、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の非極性有機溶媒、例えばアセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性有機溶媒、これらの有機溶媒を脱水処理した、例えば脱水ヘキサン、脱水ベンゼン、脱水トルエン、脱水ジエチルエーテル、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)等の脱水非極性有機溶媒、例えば脱水アセトニトリル、脱水ジオキサン、脱水ジメチルホルムアミド(脱水DMF)、脱水ジメチルアセトアミド(脱水DMAc)、脱水ジメチルスルホキシド(脱水DMSO)等の脱水非プロトン性極性有機溶媒等が挙げられ、中でも例えば脱水ヘキサン、脱水ベンゼン、脱水トルエン、脱水ジエチルエーテル、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)等の脱水非極性有機溶媒、例えば脱水アセトニトリル、脱水ジオキサン、脱水ジメチルホルムアミド(脱水DMF)、脱水ジメチルアセトアミド(脱水DMAc)、脱水ジメチルスルホキシド(脱水DMSO)等の脱水非プロトン性極性有機溶媒等の脱水有機溶媒が好ましく、その中でも脱水ジエチルエーテル、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)、脱水アセトニトリルがより好ましい。反応に脱水有機溶媒を用いることで、有機溶媒中に含まれる微量の水と、例えば水素化ナトリウム等の塩基との副反応が抑制でき、当該塩基による一般式[17]で示されるアルコールの脱プロトン化が効率良く進行するので、反応には脱水有機溶媒を用いることが好ましい。また、これらの有機溶媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、有機溶媒の使用量としては特に限定されないが、例えば一般式[17]で示されるアルコール1mmolに対して、通常0.5mL〜30mL、好ましくは1mL〜15mLである。
上記第三工程における反応温度は、一般式[17]で示されるアルコールと一般式[18]で示される化合物とが反応するような温度に設定すればよいが、アルコールと一般式[18]で示される化合物とが効率的に反応し、一般式[1]で示される化合物が収率よく合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常0℃〜120℃、好ましくは20℃〜100℃である。
上記第三工程における反応時間は、一般式[17]で示されるアルコールに対する一般式[18]で示される化合物の使用量、塩基の有無、その種類及び使用量、活性化剤等の有無、その種類及び使用量、有機溶媒の有無、その種類及び使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.1〜24時間、好ましくは0.5〜12時間の範囲に設定される。
上記第三工程において、反応終了後の溶液から、目的とする一般式[1]で示される化合物を単離、精製する方法としては、一般的な後処理、精製操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の溶液を水で洗浄し、洗浄後の溶液を濃縮後、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の適当な精製操作を行って単離してもよいし、反応終了後の溶液に水(氷水)を投入し、そこで生じた結晶を濾取した後、適当な有機溶媒で洗浄して単離してもよい。
なお、上記第三工程では、一般式[17]で示されるアルコールに対して、一般式[18]で示される化合物を反応させることにより、直接目的とする一般式[1]で示される化合物を得る反応を例に挙げたが、例えば一般式[18]で示される化合物が入手困難な場合には、まず一般式[17]で示されるアルコールと、当該アルコールに対して、通常0.8〜10当量、好ましくは0.8〜3当量の例えばクロロギ酸-4-ニトロフェニル、ブロモギ酸-4-ニトロフェニル等のハロゲン化ギ酸エステルとを、上記アルコールに対して、通常0.8〜20当量、好ましくは0.8〜7当量の例えばトリエチルアミン等の塩基の存在下、要すればジメチルアセトアミド(DMAc)等の有機溶媒中で反応させるか、或いは一般式[17]で示されるアルコールと、当該アルコールに対して、通常0.8〜10当量、好ましくは0.8〜3当量のN,N’-カルボニルジイミダゾールとを、要すればジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒中で反応させることにより、相当する炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)を得る。次いで得られた炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)と、当該炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)に対して、通常0.8当量〜10当量、好ましくは0.8〜3当量の一般式[19]
Figure 0005516417
(式中、R及びRは上記に同じ。)で示されるアミンとを、要すればジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒中で反応させることにより、目的とする一般式[1]で示される化合物を得てもよい。すなわち、一般式[17]で示されるアルコールから2工程で本発明の一般式[1]で示される化合物を得る方法等、上記の手法とは別の方法を利用して、一般式[1]で示される化合物を得てもよい。以下に、上記ウレタン(カルバメート)を経由する反応を例にとって、一般式[1]で示される化合物を製造する方法について説明する。
上記ウレタン(カルバメート)を得る反応工程で使用されるN,N’-カルボニルジイミダゾールの使用量が、0.8当量未満の場合には、この反応によって得られるウレタン(カルバメート)の収率が低下し、一方、10当量を超える量のN,N’-カルボニルジイミダゾールを使用すると、経済性が損なわれる等の問題が生ずるので望ましくない。なお、当該N,N’-カルボニルジイミダゾールは、市販のものを用いれば足りる。
上記ウレタン(カルバメート)を得る反応工程で要すれば使用される有機溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン(THF)等の非極性有機溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性有機溶媒等が挙げられ、中でもジメチルホルムアミド(DMF)が好ましい。これらの有機溶媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、有機溶媒の使用量としては特に限定されないが、例えば一般式[17]で示されるアルコール1mmolに対して、通常0.2mL〜20mL、好ましくは0.5mL〜10mLである。
上記ウレタン(カルバメート)を得る反応工程における反応温度は、一般式[17]で示されるアルコールとN,N’-カルボニルジイミダゾールとが反応するような温度に設定すればよいが、アルコールとN,N’-カルボニルジイミダゾールとが効率的に反応し、ウレタン(カルバメート)が収率よく合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常−30℃〜80℃、好ましくは−10℃〜40℃である。
上記ウレタン(カルバメート)を得る反応工程における反応時間は、一般式[17]で示されるアルコールに対するN,N’-カルボニルジイミダゾールの使用量、有機溶媒の有無、その種類及び使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.1〜12時間、好ましくは0.2〜6時間の範囲に設定される。
上記ウレタン(カルバメート)を得る反応工程において、反応終了後の溶液から、当該工程の生成物であるウレタン(カルバメート)を単離、精製する方法としては、一般的な後処理、精製操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の溶液を水中に投入し、そこで生じた結晶を濾取した後、適当な有機溶媒で洗浄すれば、効率よく精製できる。なお、上記のような精製操作でなくとも、通常の再結晶又はカラムクロマトグラフィーによる精製操作でもよく、また、反応液からウレタン(カルバメート)を単離、精製せずにそのまま次工程である一般式[19]で示されるアミンとの反応を行ってもよい。
上記一般式[19]で示されるアミンは、市販のものを用いるか、常法により合成したものを適宜用いればよく、具体的には、例えばアンモニア、例えばモノ又はジメチルアミン、モノ又はジエチルアミン、モノ又はジ-n-プロピルアミン、モノ又はジイソプロピルアミン、モノ又はジ-n-ブチルアミン、モノ又はジイソブチルアミン、モノ又はジ-sec-ブチルアミン、モノ又はジ-tert-ブチルアミン、モノ又はジシクロブチルアミン、モノ又はジ-n-ペンチルアミン、モノ又はジイソペンチルアミン、モノ又はジ-sec-ペンチルアミン、モノ又はジ-tert-ペンチルアミン、モノ又はジネオペンチルアミン、モノ又はジ-2-メチルブチルアミン、モノ又はジ-1,2-ジメチルプロピルアミン、モノ又はジ-1-エチルプロピルアミン、モノ又はジシクロペンチルアミン、モノ又はジ-n-ヘキシルアミン、モノ又はジイソヘキシルアミン、モノ又はジ-sec-ヘキシルアミン、モノ又はジ-tert-ヘキシルアミン、モノ又はジネオヘキシルアミン、モノ又はジ-2-メチルペンチルアミン、モノ又はジ-1,2-ジメチルブチルアミン、モノ又はジ-2,3-ジメチルブチルアミン、モノ又はジ-1-エチルブチルアミン、モノ又はジシクロヘキシルアミン、モノ又はジ-n-ヘプチルアミン、モノ又はジイソヘプチルアミン、モノ又はジ-sec-ヘプチルアミン、モノ又はジ-tert-ヘプチルアミン、モノ又はジネオヘプチルアミン、モノ又はジシクロヘプチルアミン、モノ又はジ-n-オクチルアミン、モノ又はジイソオクチルアミン、モノ又はジ-sec-オクチルアミン、モノ又はジ-tert-オクチルアミン、モノ又はジネオオクチルアミン、モノ又はジ-2-エチルヘキシルアミン、モノ又はジシクロオクチルアミン、モノ又はジ-n-ノニルアミン、モノ又はジイソノニルアミン、モノ又はジ-sec-ノニルアミン、モノ又はジ-tert-ノニルアミン、モノ又はジネオノニルアミン、モノ又はジシクロノニルアミン、モノ又はジ-n-デシルアミン、モノ又はジイソデシルアミン、モノ又はジ-sec-デシルアミン、モノ又はジ-tert-デシルアミン、モノ又はジネオデシルアミン、モノ又はジシクロデシルアミン、モノ又はジノルボルニルアミン、モノ又はジアダマンチルアミン、エチルメチルアミン、メチル-n-プロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチル-n-プロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、n-プロピルイソプロピルアミン等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のモノ又はジアルキルアミン、例えばアゼチジン、ピロリジン、2,5-ジメチルピロリジン、ピペリジン、2,6-ジメチルピペリジン、2,4,6-トリメチルピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、オクタメチレンイミン、オキサゾリジン、チアゾリジン、モルホリン、2,3,5,6-テトラメチルモルホリン、チオモルホリン、2,3,5,6-テトラメチルチオモルホリン等の炭素数3〜8の脂肪族環状アミン、例えば4-ヒドロキシピペリジン、4-メルカプトピペリジン、4-シアノピペリジン、4-ニトロピペリジン、4-クロロピペリジン、4-ブロモピペリジン等の、炭化水素基以外の置換基(官能基)を有する炭素数3〜8の脂肪族環状アミン、例えばピロール、イミダゾール、ピラゾール、2,5-ジメチルピロール、2,5-ジエチルピロール、2,5-ジメチルイミダゾール、2,5-ジエチルイミダゾール、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジエチルピラゾール等の炭素数3〜8の芳香族アミン等が挙げられ、目的とする一般式[1]で示される化合物の構造により、上記アミンの何れかを適宜選択して用いればよいが、中でも入手が容易で、目的とする一般式[1]で示される化合物がより効率的に塩基を発生できる光塩基発生剤となり得るという点等において、モノ-n-プロピルアミン、モノ-n-ブチルアミン、モノ-n-ペンチルアミン、モノ-n-ヘキシルアミン、モノ-n-ヘプチルアミン、モノ-n-オクチルアミン等の炭素数3〜8の直鎖状のモノアルキルアミン、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジ-n-ペンチルアミン、ジ-n-ヘキシルアミン等の炭素数1〜6の直鎖状のジアルキルアミン、例えばピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン等の置換基を有さずなおかつ窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さずに脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数4〜7の脂肪族環状アミン、例えば4-ヒドロキシピペリジン、4-メルカプトピペリジン、4-シアノピペリジン、4-ニトロピペリジン、4-クロロピペリジン、4-ブロモピペリジン等の置換基を有しなおかつ窒素原子以外のヘテロ原子を鎖中に有さずに脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基に置換されていない炭素数5の脂肪族環状アミン、例えばピロール、イミダゾール、ピラゾール等の置換基を有さずなおかつ芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基又はエチル基に置換されていない炭素数3〜4の芳香族アミンが好ましく、その中でもジエチルアミン、ピペリジンがより好ましい。
なお、上記一般式[19]で示されるアミンの使用量が、0.8当量未満の場合には、この反応によって得られる一般式[1]で示される化合物の収率が低下し、一方、10当量を超える量のアミンを使用すると、炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)一分子に対して二分子のアミンが反応して、目的とする一般式[1]で示される化合物の収率が低下したり、経済性が損なわれる等の問題が生ずるので望ましくない。
上記一般式[19]で示されるアミンとの反応工程で、要すれば使用される有機溶媒としては、反応原料である炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)や一般式[1]で示される化合物と反応しない有機溶媒であれば特に制限はなく、具体的には、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル等の非極性有機溶媒、例えばアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性有機溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、有機溶媒の使用量としては特に限定されないが、例えば炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)1mmolに対して、通常0.2mL〜30mL、好ましくは0.5mL〜15mLである。
なお、上記一般式[19]で示されるアミンとの反応工程において、脱離基として働くイミダゾールを活性化させるために、例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル等のアルキル化剤を用いてもよい。これらのアルキル化剤の使用量としては、脱離基として働くイミダゾールを活性化できる量であればよく、具体的には、例えばウレタン(カルバメート)に対して、通常0.8〜10当量、好ましくは0.8〜3当量である。
上記一般式[19]で示されるアミンとの反応工程における反応温度は、炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)と一般式[19]で示されるアミンとが反応するような温度に設定すればよいが、炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)とアミンとが効率的に反応し、一般式[1]で示される化合物が収率よく合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃である。
上記一般式[19]で示されるアミンとの反応工程における反応時間は、炭酸エステル(カルボナート)又はウレタン(カルバメート)に対する一般式[19]で示されるアミンの使用量、有機溶媒の有無、その種類及び使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.1〜24時間、好ましくは0.5〜12時間の範囲に設定される。
上記一般式[19]で示されるアミンとの反応工程において、反応終了後の溶液から、目的とする一般式[1]で示される化合物を単離、精製する方法としては、一般的な後処理、精製操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の溶液を要すれば抽出後、当該溶液に対して、過剰のアミンの中和処理を行い、次いで洗浄処理を行った後、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等の適当な精製操作を行うことで、単離すればよい。
これまで、本発明の化合物を製造する方法について説明したが、上記の方法はあくまで一例であって、他の方法によって本発明の化合物を製造してもよい。具体的には、例えば一般式[1]におけるR、R、R及び/又はRがアルキル基である化合物を製造する場合には、最終工程で芳香環上へのアルキル化反応を行って、アルキル基が導入された一般式[1]で示される化合物を製造してもよい。また、例えば一般式[1]におけるR及び/又はRがアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基である化合物を製造する場合には、最終工程でR及び/又はRが結合する炭素上に対してアルキル化反応又はフェニル化反応を行って、R及び/又はRがアルキル基又はフェニル基である一般式[1]で示される化合物を製造してもよい。
このようにして得られた本発明の一般式[1]で示される化合物は、上でも述べたように、例えば半導体素子の製造工程におけるレジスト材料、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜、電子部品の絶縁材料等として有用なエピスルフィド樹脂(エピスルフィド化合物)等の光硬化性樹脂硬化用の光塩基発生剤として有用である。また、本発明の化合物は、上記の用途として使用できるが、それ以外にも、光塩基発生剤に対する感度不足が指摘されているエポキシ樹脂等の従来の光硬化性樹脂硬化用の光塩基発生剤、すなわち、樹脂硬化用の塩基供給源として使用することも可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
合成例1 7-ブロモ-2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オンの合成(第一工程)
臭素15.9g(100mmol;和光純薬工業(株)製)、塩化亜鉛0.68g(5mmol;和光純薬工業(株)製)及びジクロロメタン50mLを仕込んだ溶液に、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン13.4g(50mmol;和光純薬工業(株)製)をジクロロメタン50mLに溶解させた溶液を滴下した後、氷冷下で5時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液をトルエン、25%水酸化ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウムの混合溶液に投入し、この混合液を抽出し、更に抽出後の有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮した。次いで、濃縮残渣にメタノールを投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、黄色結晶の7-ブロモ-2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン7.77g(収率:45%、GC含量98%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),2.78(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.90(2H,q,J=7.6Hz,CH),7.40(1H,s,ArH),7.50(1H,d,J=8.8Hz,ArH),7.70(1H,d,J=8.8Hz,ArH),8.36(1H,s,ArH),8.72(1H,s,ArH)
融点:159-160℃
合成例2 2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-プロピン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オンの合成(第二工程)
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)0.58g(0.5mmol;和光純薬工業(株)製)、ヨウ化銅(I)0.1g(0.5mmol;和光純薬工業(株)製)、ジメチルホルムアミド(DMF)4mL、テトラヒドロフラン(THF)4mL及び合成例1と同様の手法で得た7-ブロモ-2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン3.47g(10mmol)を仕込んだ溶液に、60℃下でトリエチルアミン10.1g(100mmol;和光純薬工業(株)製)及びプロパルギルアルコール2.8g(50mmol;和光純薬工業(株)製)を滴下した後、同温度で8時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、酢酸エチル及び35%塩酸を加え、この混合液を抽出し、更に抽出後の有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮した。次いで、濃縮残渣にジイソプロピルエーテル、n-ヘプタン及びトルエンを投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、黄色結晶の2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-プロピン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン2.7g(収率:85%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),2.77(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.89(2H,q,J=7.6Hz,CH),4.56(2H,s,CHO),7.39(1H,s,ArH),7.54(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.70(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.36(1H,s,ArH),8.72(1H,s,ArH)
融点:137-139℃
実施例1 2,4-ジエチル-7-[3-(N,N-ジエチルカルバモイルオキシ)-1-プロピン-1-イル]-9H-チオキサンテン-9-オンの合成(第三工程)
50%水素化ナトリウム0.29g(6.0mmol;和光純薬工業(株)製)及び脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)4mLを仕込んだ溶液に、合成例2と同様の手法で得た2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-プロピン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン1.5g(4.6mmol)を脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)0.5mLに溶解させた溶液を滴下した。次いで、その溶液に、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン61mg(0.5mmol;和光純薬工業(株)製)及びN,N-ジエチルカルバモイルクロリド0.81g(6.0mmol;和光純薬工業(株)製)の脱水アセトニトリル溶液4.5mLを添加した後、60℃で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、冷却した溶液に酢酸エチルを加え、更にこの溶液を水で洗浄し、洗浄後の有機層を濃縮した。得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル(ワコーゲルC-200;和光純薬工業(株)製)、展開溶媒:酢酸エチル/n-ヘプタン=1/9)で精製することにより、黄色結晶の上記式[7]で示される2,4-ジエチル-7-[3-(N,N-ジエチルカルバモイルオキシ)-1-プロピン-1-イル]-9H-チオキサンテン-9-オン1.08g(収率:56%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.15-1.18(6H,br,2×CH),1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),2.77(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.90(2H,q,J=7.6Hz,CH),3.33-3.35(4H,br,2×NCH),4.97(2H,s,CHO),7.39(1H,s,ArH),7.56(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.65(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.37(1H,s,ArH),8.68(1H,s,ArH)
融点:111℃
実施例2 2,4-ジエチル-7-[3-(ピペリジノカルボニルオキシ)-1-プロピン-1-イル]-9H-チオキサンテン-9-オンの合成(第三工程)
実施例2では、実施例1で用いたN,N-ジエチルカルバモイルクロリド0.81g(6.0mmol)の代わりに、1-ピペリジンカルボニルクロリド0.89g(6.0mmol;シグマアルドリッチジャパン(株)製)を用いた以外は実施例1と同一の試薬を用いて同様の操作を行うことにより、黄色結晶の上記式[8]で示される2,4-ジエチル-7-[3-(ピペリジノカルボニルオキシ)-1-プロピン-1-イル]-9H-チオキサンテン-9-オン1.48g(収率:74%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.54-1.57(6H,br,3×CH),2.77(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.91(2H,q,J=7.6Hz,CH),3.47-3.49(4H,br,2×NCH),4.97(2H,s,CHO),7.39(1H,s,ArH),7.56(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.65(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.36(1H,s,ArH),8.68(1H,s,ArH)
融点:125-127℃
合成例3 2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-1-ブチン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オンの合成(第二工程)
合成例3では、合成例2で用いたプロパルギルアルコール2.8g(50mmol)の代わりに、3-ブチン-2-オール2.1g(30mmol;東京化成工業(株)製)を用い、トリエチルアミンの使用量を3.0g(30mmol)に代えた以外は合成例2と同一の試薬を用いて同様の操作を行うことにより、黄色結晶の2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-1-ブチン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン2.82g(収率:87%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.96(3H,d,J=5.6Hz,CH),2.77(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.89(2H,q,J=7.6Hz,CH),4.54(1H,q,J=5.6Hz,CHO),7.39(1H,s,ArH),7.54(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.61(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.36(1H,s,ArH),8.72(1H,s,ArH)
融点:87℃
実施例3 2,4-ジエチル-7-[3-(ピペリジノカルボニルオキシ)-1-ブチン-1-イル]-9H-チオキサンテン-9-オンの合成(第三工程)
50%水素化ナトリウム0.46g(9.6mmol;和光純薬工業(株)製)及び脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)10mLを仕込んだ溶液に、合成例3と同様の手法で得た2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-1-ブチン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン2.5g(7.8mmol)を脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)5mLに溶解させた溶液を滴下した。次いで、その溶液に、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン85mg(0.7mmol;和光純薬工業(株)製)及び1-ピペリジンカルボニルクロリド1.43g(9.7mmol;シグマアルドリッチジャパン(株)製)の脱水アセトニトリル溶液15mLを添加した後、60℃で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、冷却した溶液に酢酸エチルを加え、更にこの溶液を水で洗浄し、洗浄後の有機層を濃縮した。得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル(ワコーゲルC-200;和光純薬工業(株)製)、展開溶媒:酢酸エチル/n-ヘプタン=1/2)で精製することにより、黄色結晶の上記式[9]で示される2,4-ジエチル-7-[3-(ピペリジノカルボニルオキシ)-1-ブチン-1-イル]-9H-チオキサンテン-9-オン1.50g(収率:45%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.15-1.62(9H,m,CH,3×CH),2.77(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.89(2H,q,J=7.6Hz,CH),3.47-3.49(4H,br,2×NCH),5.69(1H,q,J=5.6Hz,CHO),7.39(1H,s,ArH),7.54(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.63(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.37(1H,s,ArH),8.67(1H,s,ArH)
融点:111℃
合成例4 2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-3-メチル-1-ブチン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オンの合成(第二工程)
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)0.91g(0.79mmol;和光純薬工業(株)製)、ヨウ化銅(I)0.15g(0.79mmol;和光純薬工業(株)製)、ジメチルホルムアミド(DMF)15mL、テトラヒドロフラン(THF)15mL及び合成例1と同様の手法で得た7-ブロモ-2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン5.5g(15.8mmol)を仕込んだ溶液に、60℃下でトリエチルアミン4.8g(47mmol;和光純薬工業(株)製)及び2-メチル-3-ブチン-2-オール3.98g(47mmol;東京化成工業(株)製)を滴下した後、同温度で8時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、酢酸エチル及び35%塩酸を加え、この混合液を抽出し、更に抽出後の有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮した。次いで、濃縮残渣にトルエン及びn-ヘプタンを投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、黄色結晶の2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-3-メチル-1-ブチン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン4.38g(収率:80%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.65(6H,s,2×CH),2.78(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.90(2H,q,J=7.6Hz,CH),7.39(1H,s,ArH),7.54(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.57(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.37(1H,s,ArH),8.72(1H,s,ArH)
融点:119-122℃
実施例4 2,4-ジエチル-7-[3-メチル-3-(ピペリジノカルボニルオキシ)-1-ブチン-1-イル]-9H-チオキサンテン-9-オンの合成(第三工程)
50%水素化ナトリウム0.82g(17.1mmol;和光純薬工業(株)製)及び脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)15mLを仕込んだ溶液に、合成例4と同様の手法で得た2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-3-メチル-1-ブチン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン3.7g(10.5mmol)を脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)5mLに溶解させた溶液を滴下した。次いで、その溶液に、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン130mg(1.1mmol;和光純薬工業(株)製)及び1-ピペリジンカルボニルクロリド2.52g(17.1mmol;シグマアルドリッチジャパン(株)製)の脱水アセトニトリル溶液20mLを添加した後、60℃で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、冷却した溶液に酢酸エチルを加え、更にこの溶液を水で洗浄し、洗浄後の有機層を濃縮した。得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル(ワコーゲルC-200;和光純薬工業(株)製)、展開溶媒:トルエン)で精製することにより、黄色結晶の上記式[10]で示される2,4-ジエチル-7-[3-メチル-3-(ピペリジノカルボニルオキシ)-1-ブチン-1-イル]-9H-チオキサンテン-9-オン2.05g(収率:42%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.54-1.57(6H,br,3×CH),1.80(6H,s,2×CH),2.77(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.89(2H,q,J=7.6Hz,CH),3.42-3.43(4H,br,2×NCH),7.38(1H,s,ArH),7.53(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.64(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.36(1H,s,ArH),8.65(1H,s,ArH)
融点:108℃
実施例5 3-[7-(2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン)イル-2-プロピン-1-イル] 1-イミダゾリルカルボキシレートの合成
N,N’-カルボニルジイミダゾール0.97g(6mmol;和光純薬工業(株)製)をジメチルホルムアミド(DMF)5mLに溶解させた溶液に、合成例2と同様の手法で得た2,4-ジエチル-7-(3-ヒドロキシ-プロピン-1-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン1.67g(5mmol)を加えた後、室温で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液に水20mLを投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、黄色粉末の上記式[13]で示される3-[7-(2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン)イル-2-プロピン-1-イル] 1-イミダゾリルカルボキシレート2.07g(収率:99%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.37(3H,t,J=7.6Hz,CH),2.78(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.90(2H,q,J=7.6Hz,CH),5.27(2H,s,CH),7.10(1H,s,ArH),7.40(1H,s,ArH),7.49(1H,s,ArH),7.58-7.64(2H,m,ArH),8.21(1H,s,ArH),8.36(1H,s,ArH),8.70(1H,s,ArH)
融点:139℃
実施例6 3-[7-(2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン)イル-2-プロピン-1-イル] N-n-プロピルカルバメートの合成
実施例5と同様の手法で得た3-[7-(2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン)イル-2-プロピン-1-イル] 1-イミダゾリルカルボキシレート1.0g(2.4mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)10mLに溶解させた溶液に、モノ-n-プロピルアミン0.19g(3.2mmol)を加えた後、40℃で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を酢酸エチル30mLで抽出し、抽出後の溶液を3N塩酸及び水で洗浄し、洗浄後の有機層を濃縮した。得られた濃縮残渣にメタノール20mLを投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、黄色粉末の上記式[11]で示される3-[7-(2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン)イル-2-プロピン-1-イル] N-n-プロピルカルバメート0.64g(収率:69%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.94(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.31(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.53-1.60(2H,br,CH),2.76(2H,m,CH),2.89(2H,q,J=7.6Hz,CH),3.18(2H,m,NCH),4.94(2H,s,ArH),7.38(1H,s,ArH),7.51(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.65(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.37(1H,s,ArH),8.68(1H,s,ArH)
融点:152℃
実施例7 3-[7-(2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン)イル-2-プロピン-1-イル] 1-(4-ヒドロキシピペリジン)カルボキシレートの合成
実施例5と同様の手法で得た3-[7-(2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン)イル-2-プロピン-1-イル] 1-イミダゾリルカルボキシレート1.0g(2.4mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)10mLに溶解させた溶液に、4-ヒドロキシピペリジン0.33g(3.3mmol)を加えた後、25℃で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を酢酸エチル30mLで抽出し、抽出後の溶液を3N塩酸及び水で洗浄し、洗浄後の有機層を濃縮した。得られた濃縮残渣にメタノール20mLを投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、黄色粉末の上記式[13]で示される3-[7-(2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン)イル-2-プロピン-1-イル] 1-(4-ヒドロキシピペリジン)カルボキシレート0.57g(収率:53%)を得た。以下にH-NMR及び融点の測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.30(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.38(3H,t,J=7.6Hz,CH),1.51-1.57(3H,br,CH,OH),1.90-1.91(2H,br,CH),2.77(2H,q,J=7.6Hz,CH),2.88(2H,q,J=7.6Hz,CH),3.17-3.26(2H,br,CH),3.90-3.96(3H,br,CH),7.39(1H,s,ArH),7.55(1H,d,J=8.4Hz,ArH),7.64(1H,d,J=8.4Hz,ArH),8.37(1H,s,ArH),8.68(1H,s,ArH)
融点:112-114℃
実施例8 紫外-可視吸収スペクトルの測定試験
実施例1〜7で得られた化合物のアセトニトリル溶液(約5×10−5mol/L)を各々調製し、石英セルTOS-UV-10(1cm×1cm×4cm;(株)東新理興製)に注入後、分光光度計UV-2550((株)島津製作所製)を用いて、紫外-可視吸収スペクトルを測定した。これらの化合物の極大吸収波長(nm)及びその極大吸収波長におけるモル吸光係数(ε)、並びに365nm(i線)及び405nm(h線)におけるモル吸光係数(ε)、並びに実施例1〜4で得られた化合物については、更に436nm(g線)におけるモル吸光係数(ε)を表1に示す。
Figure 0005516417
実施例9 光(活性エネルギー線)に対する反応性の測定試験
実施例1〜4で得られた化合物3mgを、各々石英試験管に入れ、アセトニトリル1.5mLに溶解させた。次いで、この溶液を100W高圧水銀灯(HL-100G型;SEN特殊光源(株)製、ハンディ・キュアラブHLR100T-2)で測定距離12cmにて10分間光(活性エネルギー線)照射した。光(活性エネルギー線)照射前後の各溶液をTLCプレート(メルク社製)に適当量スポットし、ニンヒドリンスプレー(和光純薬工業(株)製)を噴霧後、ヒートガンで30秒間加熱し、ニンヒドリン反応が生じること、すなわち、塩基(アミン)が遊離されてくるか否かを確認した。測定結果を表2に示す。
Figure 0005516417
実施例10 光(活性エネルギー線)に対する分解性の測定試験
実施例1〜4で得られた化合物を、各々石英製NMRチューブ中に電子天秤を用いて1.0mg秤量し、重アセトニトリル0.5mLを加えて溶解させた。このサンプルに、350nm以下の波長を透過しないフィルター1を介して高圧水銀灯(SPOT CURE SP-III 250UA、ランプ型番:USH-255BY;ウシオ電機(株)製)の全波長をフィルター通過前100J/cm(i線換算:紫外線照度計;ウシオ電機(株)製UIT-150、受光器:UVD-S365)、フィルター通過後18.2J/cm(i線換算:紫外線照度計;ウシオ電機(株)製UIT-150、受光器:UVD-S365)により光(活性エネルギー線)を照射し、照射前後のNMRスペクトルの比較を行うことにより、365nm(i線)以上の波長領域における光(活性エネルギー線)に対する分解性の評価を行った。同様に、380nm以下の波長を透過しないフィルター2を介して高圧水銀灯の全波長をフィルター通過前100J/cm(i線換算:紫外線照度計;ウシオ電機(株)製UIT-150、受光器:UVD-S365)、470j/cm(h線換算:紫外線照度計;ウシオ電機(株)製UIT−101、受光器:UVD-405PD)、フィルター通過後0J/cm(i線換算:紫外線照度計;ウシオ電機(株)製UIT-150、受光器:UVD-S365)、160J/cm(h線換算:紫外線照度計;ウシオ電機(株)製UIT-101、受光器:UVD-405PD)により光(活性エネルギー線)を照射し、照射前後のNMRスペクトルの比較を行うことにより、405nm(h線)以上の波長領域における光(活性エネルギー線)に対する分解性の評価を行った。図1にフィルター1とフィルター2の透過率曲線を示すと共に、評価結果を表3に示す。
Figure 0005516417
実施例11 熱安定性の測定試験
実施例1〜4で得られた化合物については、DTG-60((株)島津製作所製)を用いて30℃から600℃まで昇温速度10℃/minで、実施例5〜7で得られた化合物については、TG-DTA2000SA((株)BRUKER AXS製)を用いて30℃から500℃まで昇温速度10℃/minでTG-DTA測定を行い、本発明の化合物を加熱して初期の重量から5%重量が減少したときの温度(以下、5%重量減少温度と略記する場合がある。)を算出し、耐熱性を評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0005516417
実施例12 ポリ(グリシジルメタクリレート)による硬化試験
ポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gと、ポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gに対して20重量%の実施例1〜4の何れかで得られた化合物とを含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)1mLの溶液を、シリコンウェハー上にスピンコートし、100℃で1分間加熱して、厚さが約1.5μmの塗膜を作製した。この塗膜に、特定の露光強度を有する2種の紫外線照射光源装置、すなわち、UIS-5011DUB4(ウシオ電機(株)製)とLC-8(浜松ホトニクス(株)製)とを用いて所定時間紫外線照射して、実施例1〜4の化合物から各々塩基を発生させ、120℃で2時間加熱して塗膜を硬化させた。更にこの塗膜をアセトンに30秒間浸漬して現像した後の塗膜の厚さを測定して、現像前と現像後とでの塗膜の膜厚を残膜率として求めた。各光源装置の特定波長における露光強度を表5に、所定時間毎の紫外線照射に対する残膜率の測定結果を図2〜5に示す。
Figure 0005516417
実施例13 ポリ(グリシジルメタクリレート)による硬化試験
ポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gと、ポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gに対して20重量%の実施例5〜7の何れかで得られた化合物とを含むN-メチルピロリドン(NMP)1mLの溶液を、シリコンウェハー上にスピンコートし、100℃で1分間加熱して、厚さが約1.5μmの塗膜を作製した。この塗膜に、特定の露光強度を有する2種の紫外線照射光源装置、すなわち、UIS-5011DUB4(ウシオ電機(株)製)とREX-250(朝日分光(株)製)とを用いて所定時間紫外線照射して、実施例5〜7の化合物から各々塩基を発生させ、実施例5の化合物を用いた塗膜については、120℃で10分間加熱して該塗膜を硬化させ、実施例6〜7の化合物を用いた塗膜については、120℃で2時間加熱して該塗膜を硬化させた。更にこの塗膜をアセトンに30秒間浸漬して現像した後の塗膜の厚さを測定して、現像前と現像後とでの塗膜の膜厚を残膜率として求めた。各光源装置の特定波長における露光強度を表6に、所定時間毎の紫外線照射に対する残膜率の測定結果を図6〜8に示す。
Figure 0005516417
実施例8〜10の結果から、本発明の化合物は、波長200nm以上に感光領域を有し、300nm以上の光(活性エネルギー線)に対しても高い感受性を有することがわかる。また、極大吸収波長におけるモル吸光係数が比較的大きな値を示すことから、実施例12及び13におけるUIS-5011DUB4を使用した場合のように、露光強度の弱い光(活性エネルギー線)であっても、塩基を発生し得ることがわかる。更に、実施例11で得られた表4の結果から明らかなように、本発明の化合物のうち、塩基として脂肪族アミンを発生する化合物は、その5%重量減少温度が200℃を超えるものであることから、熱に対して比較的安定なものであることがわかる。それ故に、例えば本発明の化合物のうち、塩基として脂肪族アミンを発生する化合物は、光塩基発生剤として用いた場合、塗膜形成のベーク工程等の加熱工程時においても分解しにくいものであることから、当該化合物の耐熱性が求められる等の場合には、塩基として芳香族アミンを発生する化合物よりも、塩基として脂肪族アミンを発生する化合物が望ましいことがわかる。一方、例えば実施例5で得られた化合物のように、塩基として芳香族アミンを発生する化合物は、実施例11で得られた表4の結果が示すように耐熱性が十分ではないが、実施例13の結果から明らかなように、例えばポリ(グリシジルメタクリレート)のようなエポキシ樹脂の硬化に使用した場合には、非常に感度が良く、短時間で良好に硬化できることから、当該化合物を光塩基発生剤として用いた場合に、当該光塩基発生剤の耐熱性が問題とならない場合には、塩基として芳香族アミンを発生するこのような化合物が望ましい場合もある。また、耐熱性に問題のあるこのような化合物は、言い換えれば加熱によって化合物が分解して塩基が発生することが示唆され、熱塩基発生剤として好適な化合物であるとも言える。更にまた、実施例12で得られた図2〜5及び実施例13で得られた図6〜8の結果から明らかなように、光(活性エネルギー線)に対する感度にばらつきはあるものの、本発明の化合物は、エポキシ樹脂等の塗膜を良好に硬化できることがわかる。以上のように、本発明の化合物は、樹脂を硬化し得るのに十分な塩基を発生することがわかり、従来の光塩基発生剤に照射される光(活性エネルギー線)の波長254nmに対しても高い感度を有するばかりでなく、365nm、405nm、436nm等のより長波長の光に対しても良好な感度を有し、より長波長の光(活性エネルギー線)で良好に塩基を発生して樹脂を硬化できることがわかった。
このようなことから、本発明の化合物が、従来のものよりもより長波長の光(活性エネルギー線)の照射によって効率的に塩基を発生できるのは、その構造中に、より長波長の光(活性エネルギー線)であっても十分な光感光性を示すエチニルチオキサントン環を有していることと、効率的に塩基(アミン)を遊離し得るウレタン構造を有していることに起因していることが示唆される。また、これらの結果から、本発明の化合物は、例えば樹脂硬化用の光塩基発生剤として有用なものであることがわかった。
本発明の化合物は、従来の光塩基発生剤が感光する光(活性エネルギー線)と比べてより長波長の光(活性エネルギー線)の照射でも塩基を発生し得るものであるので、樹脂硬化用の光塩基発生剤、それを利用した光硬化性樹脂材料として有用なものである。

Claims (10)

  1. 一般式[1]
    Figure 0005516417
    (式中、R及びRは夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表すか、或いはこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものを表し、R及びRは夫々独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R、R、R及びRは夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表す。)で示される化合物。
  2. 前記一般式[1]におけるR及びRが、共に炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基である請求項1に記載の化合物。
  3. 前記一般式[1]におけるR及びRが、これらが結合している窒素原子と共に、置換基を有さない炭素数4〜7の含窒素脂肪族環を形成するものである請求項1に記載の化合物。
  4. 前記一般式[1]におけるRが水素原子であり、Rが炭素数3〜8の直鎖状のアルキル基である請求項1に記載の化合物。
  5. 前記一般式[1]におけるR及びRが、これらが結合している窒素原子と共に、置換基を有する炭素数5の含窒素脂肪族環を形成するものである請求項1に記載の化合物。
  6. 前記一般式[1]におけるR及びRが、これらが結合している窒素原子と共に、置換基を有さない炭素数3〜4の含窒素芳香環を形成するものである請求項1に記載の化合物。
  7. 前記一般式[1]で示される化合物が、式[7]
    Figure 0005516417
    で示されるもの、式[8]
    Figure 0005516417
    で示されるもの、式[9]
    Figure 0005516417
    で示されるもの、式[10]
    Figure 0005516417
    で示されるもの、式[11]
    Figure 0005516417
    で示されるもの、式[12]
    Figure 0005516417
    で示されるもの、又は式[13]
    Figure 0005516417
    で示されるものである請求項1に記載の化合物。
  8. 請求項1記載の化合物を含んでなる光塩基発生剤。
  9. 波長200nm〜500nmの光の照射によって塩基を発生するものである請求項8に記載の光塩基発生剤。
  10. 請求項1記載の化合物に、光照射することを特徴とする塩基発生方法。
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