JP5511544B2 - クリーンルーム塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造工場等のクリーンルームの塗装方法に関する。
IT製品、半導体等の精密機器分野では、高精密化並びに生産性の向上のため、それらを製造する製造工場の空気環境は高いレベルの純度が求められている。そのため該製造工場を構成する基材から放出される分子状汚染物質の発生を制御することが求められており、基材を保護し、且つ分子状汚染物質が拡散しない塗膜を形成する塗料を開発する試みが行われている。
例えば、特許文献1には、低アウトガス性塗料として液状エポキシ樹脂、硬化剤であるアミンと反応する反応性希釈剤及びアミン硬化剤からなる組成物が提案されている。
特許文献1によれば、塗料中に含まれる有機溶剤の量自体が極めて少なく、また、アンモニアガスが放出されないように塗料設計されていることから、該塗料から形成される塗膜からのアウトガス放出量は極めて少ない利点を有するが、塗装後初期の塗膜からの放出量は少ないものの、長期間にわたってアウトガス放出量が減衰しない場合がある。また、塗料粘度が高いために塗装作業性が悪いという問題もある。
また、特許文献2には、ビスフェノールA系のビニルエステル樹脂及び過酸化物を特定の低揮発性成分で希釈した硬化剤とからなる塗料が提案されている。
該塗料によれば、塗膜からのアウトガス放出量が極めて少ないものの、アクリルモノマーやスチレンモノマー等で変性されたビニルエステル樹脂を使用しているために、長期間での防錆性が十分とはいえず、塗膜の剥離や場ワレが発生する場合がある。
さらに、特許文献3には、クリーンルーム用エポキシ樹脂塗料として、特定のエポキシ樹脂、アミン系樹脂硬化剤、特定の蒸発速度を有する有機溶媒、及び顔料を有し、リンとホウ素の含有量が特定範囲である組成物が開示されている。
特許文献3に記載の組成物によれば、従来のエポキシ樹脂塗料と同等の防錆性を発揮することができ、塗膜から発生するガス状汚染物質に関しても、その発生量が速やかに減衰し、長期にわたって塗膜中に残存する汚染物質を排除することができる。特許文献3には、使用される有機溶媒として種々の有機溶媒が例示されているが、例示されている有機溶媒はガス状汚染物質発生量を速やかに減衰させるべく蒸発速度が高い化合物のみである。しかし、蒸発速度が高い有機化合物の量が多いと、夏場の塗装作業性に不具合を生じ現実的とはいえない。
ところで、新設のクリーンルームの塗装では、塗装から引き渡しまでの期間を確保することによってクリーンルーム内の例えばIT製品や半導体などの対象物質を分子状汚染物質による汚染から防ぐことが可能であるが、既設のクリーンルームを補修塗装する場合には、補修塗装部を囲い、排気をして一定期間室内環境から隔離して補修塗装作業を行わなければならない。従って、クリーンルーム塗装には、塗膜から放出される分子状汚染物質量の減衰速度を速めることは勿論、補修塗装作業を容易にすべく塗膜から拡散される分子状汚染物質量自体を低減すること、または補修塗装の頻度を極力減らすべく、塗膜の長期防錆性が優れていることが要求される。
特開平11−43643号公報 特開2001−2976号公報 特開2003−147261号公報
本発明の目的は、形成される塗膜から拡散する分子状汚染物質の量を低減させることができ及び/又は塗膜から拡散する分子状汚染物質の減衰速度を速めることができ、且つ防錆性等の物性にも優れた塗膜を形成せしめることができる塗料を用いた、半導体製造工場等のクリーンルームの塗装方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、今回、特定の変性エポキシ樹脂、特定の有機溶剤及びアミン硬化剤を含んでなる防錆塗料により形成される塗膜が、塗膜から拡散する揮発性有機化合物(VOC)の量の低減及び減衰速度向上に効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、クリーンルームに、変性エポキシ樹脂(A)、有機溶剤(B)及びポリアミドアミン系硬化剤(C)を含む防錆塗料を塗装する方法であって、変性エポキシ樹脂(A)が、エポキシ樹脂を脂肪族モノカルボン酸及びポリイソシアネート化合物を用いて変性してなる変性エポキシ樹脂であり、有機溶剤(B)が、その成分の一部としてメチルアミルケトンを含み且つメチルアミルケトンの量が変性エポキシ樹脂(A)及びポリアミドアミン系硬化剤(C)の合計固形分100質量部あたり25.0質量部以上であることを特徴とするクリーンルーム塗装方法を提供するものである。
本発明の方法において使用される防錆塗料(以下、「本発明の塗料」という)は、形成される塗膜の揮発性有機化合物(VOC)拡散量が極めて少ない上に、VOC拡散量の減衰速度が速いため、新設のクリーンルームの塗装のみならず、既設のクリーンルームの補修塗装にも適している。また、本発明の方法において使用される防錆塗料は、塗装作業性が良好である上に、形成塗膜の応力緩和性、長期の防錆性等の塗膜性能にも優れている。
従って、本発明に従いクリーンルームを塗装することにより、クリーンルーム稼動後も塗膜が剥離することなく、長期にわたって優れた性能と外観を維持することができる。
以下、本発明のクリーンルーム塗装方法について、さらに詳細に説明する。
クリーンルーム
本発明が塗装対象とするクリーンルームは、一般に、空気中における浮遊粒状物質が清浄度レベル以下に管理されている外界から区画された空間であり、精密機器製造室もしくは組み立て室、食品工場、手術室等に利用されている。本発明では、その使用目的及び清浄度に関わらず、すべてのクリーンルームが対象となるが、特に、塗膜から発生し得るVOCを防止又は低減する必要性があるクリーンルーム、例えば、半導体製造工場が好適である。
変性エポキシ樹脂(A)
本発明の塗料において使用される変性エポキシ樹脂(A)としては、例えば、エポキシ樹脂、脂肪族モノカルボン酸及びポリイソシアネート化合物を反応させることにより得ら
れる樹脂が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する樹脂であり、例えば、ジヒドロキシベンゼンとエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂;アルキルフェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンから誘導されるアルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂;グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、その他のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中、形成塗膜の防錆性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好適である。これらのエポキシ樹脂は、一般に160〜500、特に170〜400の範囲内のエポキシ当量及び一般に320〜1000、特に340〜800の範囲内の分子量を有することができる。
上記脂肪族モノカルボン酸としては、特に制限はなく、それ自体既知の乾性油脂肪酸や不乾性油脂肪酸、飽和脂肪酸等を使用することができる。具体的には、例えば、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸等の乾性油脂肪酸;ヤシ油脂肪酸、水添ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の不乾性油脂肪酸;カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸を挙げることができる。本発明においては、形成塗膜の常温における硬化性等の点から、特に、脂肪族モノカルボン酸として乾性油脂肪酸を使用することが適している。これらの脂肪族モノカルボン酸は、必要に応じて、不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸、樹脂酸等の他のカルボン酸成分と併用することができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(通常「TDI」と称される)、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4´−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(通常「MDI」と称される)、クルードMDI、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(通常「IPDI」と称される)等の芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイシアネート化合物の環化重合体、イソシアネートビゥレット体;これらのポリイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物を反応させることにより得られる末端イソシアネート含有化合物等を挙げることができる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
変性エポキシ樹脂(A)は、例えば、まず、エポキシ樹脂及び脂肪族モノカルボン酸の混合物を反応させて水酸基を有する反応生成物を生成せしめ、次いで、このように得られる反応生成物の水酸基に、ポリイソシアネート化合物を、イソシアネート基が消失するまで反応させることによって製造することができる。
エポキシ樹脂を脂肪族モノカルボン酸と反応させる際、必要に応じて、エポキシ基/カルボキシル基反応触媒を使用することができる。該エポキシ基/カルボキシル基反応触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類等を挙げることができる。
得られる変性エポキシ樹脂(A)は、一般に450〜1500、特に600〜1200の範囲内のエポキシ当量及び一般に450〜2000、特に700〜1500の範囲内の数平均分子量を有することができる。
有機溶剤(B)
本発明の塗料においては、有機溶剤(B)として、その成分の一部としてメチルアミルケトンを含む有機溶剤を使用する。
正確な理由は解らないが、本発明の塗料において、特定の変性エポキシ樹脂(A)と共に有機溶剤(B)の一部としてメチルアミルケトンを含む有機溶剤を使用することによって、塗膜から拡散するVOC量の減衰速度を著しく速めることができ、さらにその上、該VOC量を低減させることができ、且つ塗膜の応力緩和能、長期防錆性にも貢献するものと考えられる。また、有機溶剤(B)の一部としてメチルアミルケトンを使用することにより、塗料の粘度を低くすることができ、塗装作業性の向上及びハイソリッド化が可能となる。
有機溶剤(B)中のメチルアミルケトンの含有量は、変性エポキシ樹脂(A)及びポリアミドアミン系硬化剤(C)の合計固形分100質量部あたり少なくとも25.0質量部、好ましくは30〜80質量部、さらに好ましくは50〜65質量部の範囲内とすることができる。メチルアミルケトンの量が25.0質量部未満では、得られる塗料の塗装作業性が悪くなり、また、塗膜から拡散するVOC量の低減効果が低くなるので好ましくない。
有機溶剤(B)は、メチルアミルケトン以外に、アルコールを含むことができる。該アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数1〜8、好ましくは3〜4のアルカノールが挙げられる。
本発明の塗料におけるメチルアミルケトンとアルコールの使用割合は、塗装作業性及び塗膜から拡散するVOC量低減効果の点から、メチルアミルケトン/アルコールの質量比で、通常45/55〜90/10、特に70/30〜80/20の範囲内にあることが好ましい。
有機溶剤(B)は、塗膜のVOC拡散量に関して悪影響を及ぼさない限り、メチルアミルケトン及び上記アルコール以外に、他の通常の塗料用有機溶剤、例えば、トルエン、シシレン、石油ナフサ等を含んでいてもよい。
ポリアミドアミン系硬化剤(C)
本発明の塗料においては、塗膜のVOC拡散量低減効果及び変性エポキシ樹脂(A)との相溶性の点から、硬化剤として、ポリアミドアミン系硬化剤(C)が使用される。ポリアミドアミンは、例えば、ポリアミンとモノ−またはポリカルボン酸、例えば二量体化脂肪酸とを反応させることによって得ることができる。
本発明の塗料において使用されるポリアミドアミン系硬化剤(C)としては、例えば、「バーサミド115」、「バーサミド125」、「バーサミド140」、「バーサミドJP270XK70」、「バーサミドJP2102」(以上、商品名、コグニスジャパン製)、「ラッカマイドB−2300−90MS」、「ラッカマイドB−2000−97MP」(以上、商品名、大日本インキ化学工業社製)、「トーマイド245LP」(商品名、富士化成工業社製)等が挙げられる。
ポリアミドアミン系硬化剤(C)の使用割合は、変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1当量に対してポリアミドアミン系硬化剤(C)の活性水素基が通常0.5〜1.5当量、特に0.8〜1.2当量の範囲内となるような割合が好適である。
防錆塗料
本発明の塗料は、1液型とすることもできるが、通常、変性エポキシ樹脂(A)と必要により有機溶剤(B)を含む主剤成分と、ポリアミドアミン系硬化剤(C)と必要により有機溶剤(B)を含む硬化剤成分とからなる2液型とすることが好ましい。
本発明の塗料又は上記主剤成分には、必要に応じて、例えば、体質顔料、着色顔料等の顔料類;改質用樹脂、増粘剤、分散剤、硬化促進剤、消泡剤等の塗料用添加剤等を配合することができる。
上記体質顔料としては、それ自体既知のものを使用することができ、例えば、シリカ、バリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、タンカル等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記着色顔料としては、それ自体既知のものを使用することができ、例えば、酸化チタン、ベンガラ、シアニン系着色顔料、カーボンブラック、ジルコン粉末等が挙げられる。
本発明の塗料は、夏場での塗装作業性及び塗膜から拡散するVOC量の減衰速度の点から、塗装時の塗料固形分が通常60〜90質量%、特に65〜80質量%の範囲内となるようにすることが望ましい。
本発明の塗料は、新設のクリーンルームの内装として、或いは既設のクリーンルームの補修塗装として、例えば、刷毛塗り、スプレー塗り、ローラー塗り、コテ塗り、各種コーター塗装等の一般的な方法により塗装することができ、形成される塗膜の上には、さらに必要に応じて、中塗り塗料及び/又は上塗り塗料を塗装することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
<変性エポキシ樹脂溶液の製造>
製造例1
温度計、攪拌器及び還流冷却器を取付けた反応器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「jER828」(商品名、ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量190)及びトール油脂肪酸を、エポキシ/カルボキシル基当量比が2.0/1.0となるような割合で仕込み、160℃まで昇温し、同温度に3時間保持し、酸価が2mgKOH/g以下になったことを確認後、メチルアミルケトンを添加し、40℃に冷却し、同温にてトリレンジイソシアネートを水酸基/イソシアナト基当量比が1.0/1.0となる割合で滴下し、イソシアナト基が消失するまで反応させ、固形分が80%の変性エポキシ樹脂溶液1を製造した。
製造例2
温度計、攪拌器及び還流冷却器を取付けた反応器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「jER828」(商品名、ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量190)及び大豆油脂肪酸を、エポキシ/カルボキシル基当量比が2.0/1.0となるような割合で仕込み、160℃まで昇温し、同温度に3時間保持し、酸価が2mgKOH/g以下になったことを確認後、メチルアミルケトンを添加し、40℃に冷却し、同温にてイソホロンジイソシアネートを水酸基/イソシアナト基当量比が1.0/1.0となる割合で滴下し、イソシアナト基が消失するまで反応させ、固形分が80%の変性エポキシ樹脂溶液2を製造した。
実施例1〜8及び比較例1〜3
下記表1に示す配合組成で、樹脂、有機溶剤、硬化剤、顔料及びその他の添加剤を混合し、分散処理を行って塗料用主剤成分を作製した。これに下記表1に示す硬化剤及び有機溶剤を配合し混合攪拌して各防錆塗料(A−1)〜(A−11)を調製し、下記性能評価に供した。結果を下記表1に併せて示す。
性能評価
(*1)VOC放散量試験
アルミシートに、各防錆塗料を刷毛塗りで乾燥膜厚が100μmになるように塗布した。23℃で14日養生後、直径110mmに加工した試験片をチャンバーに入れ、窒素ガス気流下で、塗膜から揮発するVOC成分を5〜60分間、固体吸着剤(TENAX:多孔質高分子吸着剤)に捕集した。捕集したVOC成分を、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC−MS)により定量分析し、放散量[測定単位:μg/m・hr]を求め、VOC放散量を下記の基準にて評価した。
◎:測定限界下限値、
○:100μg/m・hr未満、
△:100μg/m・hr〜200μg/m2・hr、
×:200μg/m・hrを超える。
(*2)塩基性ガス放散量試験
アルミシートに、各防錆塗料を刷毛塗りで乾燥膜厚が100μmになるように塗布した。23℃で14日養生後、直径230mmに加工した試験片をチャンバーに入れ、清浄化空気気流下で、塗膜から揮発する塩基性ガス成分を24時間かけてインピンジャー内の超純水に捕集した。捕集した塩基性ガス成分をイオンクロマトグラフにより定量分析し、放散量[測定単位:μg/m・hr]を求め、塩基性ガス放散量を下記の基準にて評価した。
◎:測定限界下限値、
○:0.5μg/m・hr未満、
△:0.5〜1.0μg/m・hr、
×:1.0μg/m・hrを超える。
(*3)防錆性試験
ブラスト鋼板(150×70×0.8mm:パルテック社製)に、各防錆塗料をエアースプレーにて乾燥膜厚100μmとなるように塗布した。23℃で7日間養生を行い、水平で屋外曝露をした。屋外曝露の試験場所は関西ペイント千倉曝露場内で、海岸から100mの距離で行なった。防錆性試験は屋外曝露を1年間行い、下記の基準にて評価を行なった。さびの発生状況はASTM−D610に準拠し、ふくれ、われ、剥れが認められたときは×とした。
◎:さびの発生状況が0.1%以下、
○:さびの発生状況が0.1%を超えて1.5%以下、
△:さびの発生状況が1.5%を超えて3.0%以下、
×:さびの発生状況が3.0%を超える。
(*4)塗装作業性
40℃恒温室に主剤と硬化剤、希釈シンナー、100×100cmのブリキ板を1晩置いた後、主剤と硬化剤を良く混合させ、希釈シンナーで5%希釈した。
10分放置した後、該混合物を10号平刷毛で乾燥膜厚が40μmとなるようにブリキ板に塗装した。希釈シンナーはキシレンを使用した。塗装作業性は下記の基準にて官能評価をおこなった。
◎:問題なし、
○:若干塗料を伸ばしにくいが、実用レベル、
△:乾燥が早く、塗料を伸ばしにくい、
×:乾燥が著しく早く、塗装作業に支障きたす。
Figure 0005511544
(注1)「EPICLON 1050−70X」: 商品名、大日本インキ(株)製、不揮発分70% 内部溶剤:キシレン BPA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:468。
(注2)「TITONE R−32」: 商品名、堺化学工業(株)製、酸化鉄主体、着色顔料。
(注3)「Sタルク」: 商品名、日本滑石精練(株)、酸化マグネシウム、アルミナ主成分の体質顔料。
(注4)「重質タンカルA」: 商品名、竹原化学工業(株)製、炭酸カルシウム。
(注5)「硫酸バリウムBA」: 商品名、堺化学工業(株)製、硫酸バリウム、体質顔料。
(注6)「ディスパロン6900−10X」: 商品名、楠本化成(株)製、アマイドワックス系タレ止め剤。
(注7)「BYK−066」: 商品名、ビックケミージャパン(株)製、消泡剤。
(注8)「バーサミド140」: 商品名、コグニクスジャパン社製、ポリアミドアミン
、活性水素当量88。
(注9)「アンカミン2089M」: 商品名、エアープロダクツ社製、ポリアミン硬化剤。

Claims (3)

  1. クリーンルームに、変性エポキシ樹脂(A)、有機溶剤(B)及びポリアミドアミン系硬化剤(C)を含む防錆塗料を塗装する方法であって、変性エポキシ樹脂(A)が、エポキシ樹脂を脂肪族モノカルボン酸及びポリイソシアネート化合物を用いて変性してなる変性エポキシ樹脂であり、有機溶剤(B)が、その成分の一部としてメチルアミルケトンを含み且つメチルアミルケトンの量が変性エポキシ樹脂(A)及びポリアミドアミン系硬化剤(C)の合計固形分100質量部あたり25.0質量部以上であることを特徴とするクリーンルーム塗装方法。
  2. 有機溶剤(B)がアルコールをさらに含むものである請求項1に記載の塗装方法。
  3. メチルアミルケトン対アルコールの質量比が45/55〜90/10の範囲内にある請求項2に記載の塗装方法。
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