JP5505518B2 - 酸素センサ及び酸素センサの制御装置 - Google Patents
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Description
この発明は酸素センサ及び酸素センサの制御装置に関する。より具体的には、酸素センサ及びこれを活性処理する酸素センサの制御装置に関するものである。
従来、車両の排気経路に搭載される触媒の下流に、酸素センサを配置して、触媒下流の排気ガス空燃比の変化を検出し、空燃比フィードバック制御や触媒の酸素吸蔵能力評価に利用する手法が知られている。このように触媒下流に配置される酸素センサは、触媒により浄化された低濃度の排気ガスを検出対象とする。従って、低濃度のガスの空燃比変化を、高い感度で検出できることが望まれている。
例えば、特許文献1には、限界電流式のセンサの低濃度域のガスに対する感度を向上させる手法が開示されている。特許文献1の技術では、検出対象ガスが低濃度域である場合、センサの電極に、通常の測定時に印加される電圧の極性を逆にした電圧を印加して、電流値を検出する。特許文献1の発明によれば、これにより低濃度域のガスの濃度を高い感度で検出できるとしている。
ところで、車両の触媒下流に配置されるセンサには、比較的安価な、起電力式の酸素センサが用いられる。起電力式の酸素センサは、一対の電極間の酸素濃度の差によって生じる起電力を出力とし、排気ガスが理論空燃比に対してリッチであるかリーンであるかに応じてその出力が大きく急変するセンサである。
これに対し、上記特許文献1のセンサの感度向上手法は、限界電流式のセンサに適用されるものである。即ち、特許文献1のセンサは、ガスの濃度検出時には正方向又は逆方向いずれかの電圧が印加されるものであり、電圧印加時のセンサの電流値を出力とする。従って、上記特許文献1におけるセンサの感度向上の手法は、起電力式の酸素センサに適用し得るものではない。
また、排気ガス中のリーン成分であるNOxは、センサの電極での反応性が低く、出力応答感度性が低い。一方、リッチガス成分であるH2、CH4、COのうち、H2やCH4はリーン成分(O2、NOx)よりも拡散速度が速く、COはセンサの電極上での吸着性が高い。このため酸素センサはリッチ出力をだしやすく、リーン感度が低くなりやすい傾向がある。このため酸素センサの出力に感度差による偏りが生じる場合がある。このような酸素センサの偏りは、空燃比制御向上の観点からは好ましいものではない。この点、上記特許文献1のセンサ感度向上手法は、低濃度ガスに対する感度向上を図るものであるが、リッチガス、リーンガスに対する感度の違いを改善するものではない。
この発明は上記課題を解決することを目的とし、起電力式の酸素センサのリッチガス、リーンガスに対する感度の偏りを抑制し、酸素センサの感度を向上させることができるよう改良した酸素センサの制御装置を提供するものである。
この発明の酸素センサは、内燃機関の排気経路に配置される起電力式の酸素センサである。この酸素センサは、固体電解質と、固体電解質の一面側に配置された大気極と、一面とは反対側の面に配置された排気極とを備える。大気極は、酸素センサが排気経路に設置された場合に大気に接し、排気極は、酸素センサが排気経路に設置された場合に排気ガスに接する電極となる。そして、この発明の酸素センサは、大気極と排気極との間に一方向の電圧を印加する活性化処理が施されたものである。
活性化処理における一方向の電圧は、大気極をプラスとし排気極をマイナスとする方向か、又は、大気極をマイナスとし排気極をプラスとする方向である。また、一方向の電圧は、固体電解質がブラックニングを起こさない範囲の電圧とされることが好ましい。
また、この発明における酸素センサの制御装置は、上記の酸素センサを制御する制御装置である。例えば、大気極をプラス、排気極をマイナスとする方向の電圧を印加する活性化処理が施された酸素センサを制御する制御装置において、リッチ運転継続時間検出手段は、内燃機関の所定の運転期間中において、空燃比が、理論空燃比に対してリッチとされていた時間であるリッチ運転継続時間を検出する。電圧印加時間設定手段は、検出されたリッチ運転継続時間に応じて、電圧印加時間を設定する。その後、電圧印加制御手段は、電圧印加時間に応じて、大気極と排気極との間に、大気極をプラスとし、排気極をマイナスとする一方向の電圧を印加する。
また、例えば、大気極をマイナス、排気極をプラスとする方向の電圧を印加する活性化処理が施された酸素センサを制御する制御装置において、リーン運転継続時間検出手段は、内燃機関の所定の運転期間中において、空燃比が、理論空燃比に対してリーンとされていた時間であるリーン運転継続時間を検出する。電圧印加時間設定手段は、検出されたリーン運転継続時間に応じて、電圧印加時間を設定する。その後、電圧印加制御手段は、電圧印加時間に応じて、大気極と排気極との間に、大気極をマイナスとし、排気極をプラスとする一方向の電圧を印加する。
また、例えば、大気極をプラス、排気極をマイナスとする方向の電圧を印加する活性化処理が施された酸素センサを制御する制御装置において、リッチ運転状態検出手段は、内燃機関の運転状態が、所定の高速・高負荷運転域であり、かつ、空燃比がリッチ増量域である、リッチ運転状態を検出する。その後、リッチ運転状態が検出された場合に、電圧印加手段は、大気極と排気極との間に、前記大気極をプラスとし、排気極をマイナスとする一方向の電圧を印加する。
また、例えば、活性化処理において大気極をマイナス、排気極をプラスとする方向の電圧が印加された酸素センサを制御する制御装置において、燃料カット運転検出手段は、酸素センサが配置された内燃機関の運転状態が、燃料カット運転状態であることを検出する。そして、燃料カット運転状態であることが検出された場合に、電圧印加手段により、大気極と排気極との間に、大気極をマイナスとし、排気極をプラスとする一方向の電圧が印加される。
これらの制御装置が制御する酸素センサにおいても、活性化処理における一方向の電圧は、固体電解質がブラックニングを起こさない範囲の電圧であることが好ましい。
また、この発明における酸素センサの制御装置は、例えば、酸素センサの素子抵抗を検出又は推定する素子抵抗検出手段を更に備えるものとしてもよい。この場合、電圧印加手段は、素子抵抗に応じて、一方向の電圧の大きさ又は一方向の電圧の印加時間を制御するものとすることができる。
酸素センサの大気極と排気極との間に一方向の電圧を印加したものとすることにより、酸素センサを、初期状態において、酸素センサのリーンガスに対する感度と、リッチガスに対する感度との差が抑えられたものとすることができる。これにより、酸素センサの感度差による出力ばらつきを抑制することができる。
また、活性化処理において、酸素センサの大気極と排気極との間に印加される電圧を、大気極をプラスとし排気極をマイナスとする方向とした場合、この活性化処理により、排気極側から大気極側に酸素イオンを移動させることができる。これにより、酸素センサの大気極から排気極側への酸素イオンの移動がしやすい状態とすることできる。従って、酸素センサのリーンガスに対する感度を向上させることができる。
また、活性化処理において、酸素センサの大気極と排気極との間に印加される電圧を、大気極をマイナスとし排気極をプラスとする方向とした場合、この活性化処理の結果、大気極側から排気極側に酸素イオンを移動させることができる。これにより、酸素イオンを排気極側に偏らせることができ、酸素センサのリッチガスに対する感度が抑制されることとなる。
また、一方向の電圧を、固体電解質がブラックニングを起こさない範囲の電圧とすることにより、電圧印加による固体電解質の性能を劣化させることなく、感度ばらつきを抑えた酸素センサを得ることができる。
また、予め大気極をプラスとする方向の電圧が印加された起電力式の酸素センサの制御装置において、例えば、リッチ運転継続時間に応じた電圧印加時間、大気極をプラスとし排気極をマイナスとする一方向の電圧を印加する制御が行なわれる。これにより、リーン感度向上の効果が緩和しやすいリッチ雰囲気が継続された場合にも、酸素センサのリーン感度向上のための処理の効果を高く維持することができる。従って、酸素センサのばらつき抑制の効果を長期的に維持することができる。
また、予め大気極をマイナスとする方向の電圧が印加された起電力式の酸素センサの制御装置において、例えば、内燃機関のリーン運転継続時間に応じて電圧印加時間が設定され、大気極をマイナスとし排気極をプラスとする一方向の電圧が印加される制御が行なわれる。これによりリッチ感度抑制の効果が緩和しやすいリーン雰囲気が継続された場合にも、酸素センサのリッチ感度抑制のための処理の効果を高く維持することができる。従って、酸素センサのばらつき抑制の効果を長期的に維持することができる。
また、予め大気極をプラスとする方向の電圧が印加された起電力式の酸素センサの制御装置において、例えば、内燃機関の運転状態が所定のリッチ運転状態である場合に大気極をプラスとし排気極をマイナスとする一方向の電圧が印加される制御が行なわれる。これによりリーン感度向上の効果が緩和しやすい運転環境下においても、リーン感度の向上を図ることができる。従って、酸素センサのばらつき抑制の効果を長期的に維持することができる。
また、予め大気極をマイナスとする方向の電圧が印加された起電力式の酸素センサの制御装置において、例えば、内燃機関の運転状態が燃料カット運転状態である場合に、大気極をマイナスとし排気極をプラスとする一方向の電圧が印加される制御が行なわれる。これによりリッチ感度抑制の効果が緩和しやすいリーン運転環境下においても、リッチ感度抑制を図ることができる。従って、酸素センサのばらつき抑制の効果を長期的に維持することができる。
ところで、酸素センサの経年劣化等により素子抵抗が増加すると、同じ電圧を印加しても電極間に流れる電流量は低下する。従って、素子抵抗が増加した場合には、同一の電圧を印加しても、上記のリーン感度向上やリッチ感度抑制の効果が十分に得られないことが考えられる。この点、一方向の電圧印加における電圧の大きさ又は印加時間が、素子抵抗に応じて制御される場合、経年劣化等により素子抵抗が増加した場合などにおいても、必定な電流を電極間に流すことができる。従って、リーン感度向上やリッチ感度抑制の効果を十分に得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における酸素センサについて説明するための模式図である。図1の酸素センサ2は、例えば、内燃機関の排気経路の触媒下流に設置され、排気ガスの空燃比の変化の検出に用いられるものである。
図1は、この発明の実施の形態1における酸素センサについて説明するための模式図である。図1の酸素センサ2は、例えば、内燃機関の排気経路の触媒下流に設置され、排気ガスの空燃比の変化の検出に用いられるものである。
図1の酸素センサ2は、ジルコニア等からなる固体電解質膜4と、固体電解質膜4を挟んで配置された、白金等からなる一対の電極である大気極6と排気極8とを備えている。酸素センサ2には外部の大気が流入する大気室(図示せず)が設けられており、大気極6は、固体電解質膜4と接する面とは反対側において、大気室の大気に接する構成となっている。また、酸素センサ2は、複数の通気孔を有するケース(図示せず)に収納された状態で内燃機関の排気経路に設置される。酸素センサ2の排気極8は、複数の通気孔からケース内に流入した排気ガスに接する構成となっている。
上述したように酸素センサ2は、例えば、内燃機関の排気経路に設置された触媒の下流に配置される。酸素センサ2には、両極6、8が接するガスの酸素濃度の差に応じて起電力が生じ、この起電力は理論空燃比に対しリッチであるかリーンであるかによって急変する。従って酸素センサ2に生じる起電力を検出することで、触媒下流の排気ガスが、理論空燃比に対してリッチとなっているかあるいはリーンとなっているかを検出することができる。
ところで、酸素センサ2に用いられる電極の触媒に対してリーンガス成分であるNOxは反応性(剥離吸着性)が低い。このため、リーンガスに対する酸素センサ2の出力感度応答性は低くなっている。一方、リッチガス成分のH2、CH4、COのうち、H2やCH4はリーンガス成分(NOx、O2)に比べて拡散速度が速く、またCOは電極吸着性が高い。このため酸素センサ2は、リッチガスに対する感度が高くなっている。即ち、酸素センサ2は、リッチ出力を出しやすく、リーン出力感度が低いといった偏りを有している。
酸素センサ2は触媒下流の浄化された排気ガス中に設置されるため、酸素センサ2の検出対象の排気ガスはごく低濃度のものとなる。このような低濃度環境下で、排気ガスがリッチあるいはリーンに変化した場合、その出力感度の差は大きく現れやすく、感度差により酸素センサ2の出力に大きなばらつきが生じやすい。このような感度のばらつきを抑えるため、この発明の実施の形態1では、酸素センサ2の初期段階(出荷時等、酸素センサ2の未使用状態)において、酸素センサ2に下記の処理を施す。
図2、図3は以下の各処理において、電極6、8間に印加される電圧について説明するための図である。
[交番電圧の印加]
酸素センサの電極界面の安定化を図るため、まず、電極6、8間に、図2に示すように交番電圧が印加される。これにより電極への吸着物やコンタミ等が除去される。ここで交番電圧は、同じ大きさで極性が異なる電圧を、同一時間、一度印加するか、図2の破線に示すように、複数回繰り返し印加する。ただし、プラス側とマイナス側とで、電圧の大きさとその印加時間は、同一となるようにする。
酸素センサの電極界面の安定化を図るため、まず、電極6、8間に、図2に示すように交番電圧が印加される。これにより電極への吸着物やコンタミ等が除去される。ここで交番電圧は、同じ大きさで極性が異なる電圧を、同一時間、一度印加するか、図2の破線に示すように、複数回繰り返し印加する。ただし、プラス側とマイナス側とで、電圧の大きさとその印加時間は、同一となるようにする。
ここで、印加させる電圧が大きくなると、固体電解質膜4のジルコニアから酸素が放出され、その構造組織が破壊され脆化する、いわゆるブラックニングが発生する。従って、交番電圧印加における電圧の大きさは、ブラックニングが発生しない程度とする。交番電圧印加における電圧の大きさ及び通電時間、通電回数は、ブラックニングの発生を抑制しつつ、酸素センサ2の安定化を図るために最適な値に設定される。これらは予め実験等により求め、制御装置に記憶しておく。
また、交番電圧の印加時、素子温は500℃〜900℃とする。これは酸素センサ2が内燃機関に設置されて実際に使用される温度範囲であり、酸素センサ2の使用クライテリア内の温度である。
この実施の形態1では、酸素センサ2の初期の段階で、上記交番電圧の印加を行い、更に、以下のリーン感度向上のための処理及びリッチ感度抑制のための処理のいずれか一方の活性化処理が施される。
[感度ばらつき抑制のための片方向の電圧印加]
(イ)リーン感度向上のための処理
上記のように酸素センサ2は、リーンガス成分に対する出力感度応答性が低い。従って、酸素センサ2が使用される環境において、高い感度でリーン成分を検出することが要求される場合には、酸素センサ2の初期段階で、予め、図3に示すように、酸素センサ2の電極6、8間に、大気極6をプラス、排気極8をマイナスとする電圧を印加する。
(イ)リーン感度向上のための処理
上記のように酸素センサ2は、リーンガス成分に対する出力感度応答性が低い。従って、酸素センサ2が使用される環境において、高い感度でリーン成分を検出することが要求される場合には、酸素センサ2の初期段階で、予め、図3に示すように、酸素センサ2の電極6、8間に、大気極6をプラス、排気極8をマイナスとする電圧を印加する。
これにより、大気極6側に多くの酸素イオン(O2−)が移動する。この結果、大気極6から排気極8への酸素イオンの移動が、逆の場合に比べて起こりやすい状態とすることができる。従って、酸素センサ2のリーンガスに対する感度を向上させることができる。
(ロ)リッチ感度抑制のための処理
一方、酸素センサ2は、リッチガスに対する感度が高く応答性が早い。従って、酸素センサ2の使用される環境を考慮し、リッチ成分に対する感度を抑制することで、酸素センサ2の感度の偏りを抑制することが望まれる場合には、酸素センサ2の電極6、8間に、大気極6をマイナス、排気極8をプラスとする電圧を印加する。
一方、酸素センサ2は、リッチガスに対する感度が高く応答性が早い。従って、酸素センサ2の使用される環境を考慮し、リッチ成分に対する感度を抑制することで、酸素センサ2の感度の偏りを抑制することが望まれる場合には、酸素センサ2の電極6、8間に、大気極6をマイナス、排気極8をプラスとする電圧を印加する。
この結果、図1に示すように、大気極6側から排気極8側に酸素イオン(O2−)が移動した状態となる。この処理により、酸素イオンが排気極8側に偏った状態となる。これにより、リッチガスに対する感度がある程度抑制され、酸素センサ2の感度の偏りが解消される。
なお、上記の片方向の電圧印加(イ)及び(ロ)は、いずれも下記の条件(ハ)〜(へ)を満たすものとする。
(ハ)印加する電圧の大きさは、ブラックニングが生じない程度とする。
(ニ)(イ)又は(ロ)の電圧は、上記の交番電圧より小さいものとする。
(ホ)(イ)又は(ロ)の電圧の絶対値×電圧印加時間は、交番電圧のプラス側又はマイナス側の電圧の絶対値×プラス側又はマイナス側の電圧印加時間よりも大きくなるように設定される。
(へ)電圧印加時の素子温は500℃〜900℃とする。
(ハ)印加する電圧の大きさは、ブラックニングが生じない程度とする。
(ニ)(イ)又は(ロ)の電圧は、上記の交番電圧より小さいものとする。
(ホ)(イ)又は(ロ)の電圧の絶対値×電圧印加時間は、交番電圧のプラス側又はマイナス側の電圧の絶対値×プラス側又はマイナス側の電圧印加時間よりも大きくなるように設定される。
(へ)電圧印加時の素子温は500℃〜900℃とする。
交番電圧印加は、電極の構造変化による電極の安定化を図るものである。にもかかわらず、この後に行なわれる感度ばらつき抑制処理のための片方向の電圧印加で、交番電圧より大きな電圧が印加されると、更なる電極構造変化等が生じ、交番電圧印加による電極安定化の効果が得られなくなることが考えられる。従って、感度ばらつき抑制処理における片方向の通電は、交番電圧より小さな電圧とする。
また、感度ばらつき抑制処理では、固体電解質膜4中の電荷の移動を、ある方向に極力馴染ませること(電極6又は8と、固体電解質膜4との界面の馴染み)を目的としている。このため、感度ばらつき抑制処理のための片方向の通電では、ある程度時間を確保する必要があるため、低電圧で比較的長い時間電圧印加を行なうこととする。
以上説明したように、この実施の形態1の酸素センサ2には、リーン感度向上のための処理又は、リッチ感度抑制のための処理のいずれかが、酸素センサ2が使用される環境に応じて施される。これにより、酸素センサ2の感度の偏りを抑え、酸素センサ2の出力のばらつきを抑制することができる。従って、より高精度で安定して排気ガスの空燃比の変化を検知することができる。
例えば、低貴金属触媒を用いた触媒のように、触媒のOSC(酸素吸蔵能)が低い場合には、空燃比制御性の向上のため、より高い感度で高精度に空燃比を検出する必要がある。この点、上記のような酸素センサ2の制御により、酸素センサの感度のばらつきを抑制する処理が有効である。
なお、上述の実施の形態1では、交番電圧印加の後に、リーン感度向上又はリッチ感度抑制のための片方向の通電を行なう場合について説明した。これにより、酸素センサ2の特性のより長期的な安定性向上、及び、長期的なばらつきの低減を図ることができる。しかし、この発明において酸素センサはこれに限られるものではなく、交番電圧の印加を行なわずに、片方向の通電のみを行なったものでもよい。
また、図1に示した酸素センサ2の構成は、酸素センサ2の一例を示すものである。この発明は、図1に示す酸素センサ2に限らず、起電力式の他の酸素センサに適用することができる。
実施の形態2.
酸素センサ2中の酸素イオンの移動しやすさ、電荷の偏りは、酸素センサ2の使用環境により異なると考えられる。従って、実施の形態1における片方向の電圧印加による感度ばらつき抑制の効果は、使用環境により異なるものと考えられる。このため、実施の形態2では、内燃機関の停止時に、前回停止から今回停止までの運転状態に応じて、感度ばらつき抑制のため処理を実行し、酸素センサ2の活性効果維持を図る。
酸素センサ2中の酸素イオンの移動しやすさ、電荷の偏りは、酸素センサ2の使用環境により異なると考えられる。従って、実施の形態1における片方向の電圧印加による感度ばらつき抑制の効果は、使用環境により異なるものと考えられる。このため、実施の形態2では、内燃機関の停止時に、前回停止から今回停止までの運転状態に応じて、感度ばらつき抑制のため処理を実行し、酸素センサ2の活性効果維持を図る。
具体的に、(イ)のリーン感度向上のための処理が施された酸素センサ2を用いる場合、排気ガス空燃比がリッチ雰囲気となると、リーン感度向上のための処理の効果が緩和する傾向にある。従って、(イ)のリーン感度向上のための処理が施された酸素センサ2を用いる場合、酸素センサ2の使用環境下では次の制御を実行する。
前回内燃機関始動から今回内燃機関が停止するまでの運転環境において、空燃比がリッチ傾向にあった場合、上記(イ)と同様に、リーン感度向上のための片方向の電圧印加を行なう。つまり、大気極6をプラスとし、排気極8をマイナス極として所定の大きさで電圧を印加する。但し、このときの電圧の大きさは、上記(イ)の初期処理において印加される電圧よりも小さな電圧とする。
電圧印加の時間は、前回の運転条件において、空燃比をリッチとする運転を継続した時間(リッチ運転継続時間)に応じたものとする。具体的には、リッチ運転継続時間が長い場合ほど電圧印加時間が長くなるように設定する。
なお、リッチ運転継続時間に応じた電圧印加時間の最適な関係は、予め実験等により求められる。この関係はマップとして制御装置に記憶され、実際の制御においては、各継続時間に応じて電圧印加時間が設定される。
図4は、この発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。具体的に、図4のルーチンでは、まず、内燃機関の停止指令が検出されたか否かが判別される(S102)。内燃機関の停止が認められない場合、今回の処理は終了する。
ステップS102において、内燃機関の停止指令が認められると、次に、前回の内燃機関を始動してから今回停止までの内燃機関の運転期間中の、リッチ運転継続時間が検出される(S104)。ここで、リッチ運転継続時間は、この運転期間中において、空燃比制御において求められる酸素過剰率λが1より小さい時間の積算値であり、制御装置において求められる。
次に、リッチ運転継続時間に応じた電圧印加時間が設定される(S106)。電圧印加時間とリッチ運転継続時間との関係は、予め制御装置に記憶されたマップに従って求められる。
次に、大気極6をプラス、排気極8をマイナスとする所定の電圧が印加される(S108)。このときの電圧印加時間は、ステップS106で設定された電圧印加時間とされ、電圧印加の他の条件は、上記(ハ)〜(へ)の条件を満たす範囲で予め定められ制御装置に記憶されている。この片方向の電圧印加により、リーンガスに対する感度を向上させることができる。その後、今回の処理が終了する。
以上説明したように、実施の形態2によれば、酸素センサ2の使用環境がリッチ傾向にある場合にも、リーン感度向上のための初期処理の効果を適切に維持することができる。従って、排気ガスの各成分の感度差によって生じる酸素センサ2のばらつきを抑えることができ、より高い精度での空燃比制御を実現することができる。
[実施の形態2の他の例]
なお、実施の形態2では、上記(イ)の初期処理が施され酸素センサ2を用いる場合の、使用環境における制御について説明したが、上記(ロ)の初期処理が施された酸素センサ2についても、同様にして、初期処理のリッチ感度抑制の効果維持を図ることができる。
なお、実施の形態2では、上記(イ)の初期処理が施され酸素センサ2を用いる場合の、使用環境における制御について説明したが、上記(ロ)の初期処理が施された酸素センサ2についても、同様にして、初期処理のリッチ感度抑制の効果維持を図ることができる。
つまり、排気ガス空燃比がリーン雰囲気となると、(ロ)の初期処理、即ち、酸素センサ2のリッチ感度抑制のための処理の効果が緩和する傾向にある。従って、(ロ)の初期処理が施された酸素センサ2が用いられる場合、酸素センサ2の使用環境下では、(イ)の場合と同様に、次の制御を実行する。
前回内燃機関始動から今回内燃機関が停止するまでの運転環境下において、空燃比がリーン傾向にあった場合に、大気極6をマイナスとし、排気極8をプラスとして所定の大きさで電圧を印加する。このときの電圧は(ロ)の初期処理における電圧よりも小さなものとされる。
電圧印加時間は、前回の内燃機関の運転条件において、空燃比をリーンとする運転を継続した時間(リーン運転継続時間)に応じたものとする。具体的には、リーン運転継続時間が長い場合ほど、電圧印加時間が長くなるように設定する。
具体的な制御は、図4のルーチンのステップS106の電圧印加時間をリーン運転継続時間に応じたものとし、S108の電圧印加の方向を、大気極6側をマイナスとすることで、同様にして実行することができる。
なお、実施の形態2では、リッチ運転継続時間又はリーン運転継続時間に応じて、片方向の電圧の印加時間を設定する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限られるものではない。電圧印加時間は、例えば、運転期間中におけるリッチ量(又はリーン量)とリッチ運転継続時間(又はリーン運転継続時間)との積算値に応じて決定されるものであってもよい。
また実施の形態2では、感度ばらつき抑制処理のための片方向の電圧印加のみを行なう場合について説明した。しかし、この発明においては、これに限るものではなく、実施の形態1に説明した初期処理と同様に、感度ばらつき抑制処理の前に、所定時間の交番電圧の印加を行なうもののであってもよい。これにより、更に長期的に酸素センサ2の特性の安定を図ることができる。
また実施の形態2では、内燃機関の停止直後の状態で、感度ばらつき抑制処理のための電圧印加を実行する場合について説明した。しかし、この発明において、酸素センサ2の使用環境下での電圧印加のタイミングはこれに限られるものではない。例えば、この発明において、片方向の電圧印加は、内燃機関の始動時に行なうこととすることもできる。この場合、停止時にリッチ運転継続時間又はリッチ量とリッチ運転継続時間との積算値(あるいは、リーン運転継続時間又はリーン量とリーン運転継続時間との積算値)をバックアップRAMに記憶しておいて、始動時にこれを読み込むことで、図4のルーチン同様に制御を実行することができる。
また、実施の形態2では、前回の内燃機関の始動から今回内燃機関停止までの運転期間中に、リッチ運転(又はリーン運転)が行なわれた時間の積算値をリッチ(又はリーン)運転継続時間とし、これに応じて電圧印加時間を設定する場合について説明した。しかし、この発明において、電圧印加時間の設定は、これに限るものではない。例えば、内燃機関のある一定の運転期間を走行距離、酸素センサ2の使用時間等で規定し、この運転期間ごとに、リッチ運転(又はリーン運転)が行なわれた時間を積算し、これに応じて電圧印加時間を設定するものであってもよい。
また、実施の形態2では、停止時(又は始動時)に毎回、リーン感度向上又はリッチ感度抑制の処理を行なう場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではない。例えば、ある規定された運転期間の間に、ある程度長い所定の時間、継続してリッチ運転(又はリーン運転)が行なわれた場合を検出し、この場合にのみ、リーン感度向上(リッチ感度抑制)の処理を行なうこととすることもできる。また更に、この場合に、そのリッチ(又はリーン)運転の継続時間に応じて、印加時間等を設定してもよい。
実施の形態3.
上述したように、酸素センサ2中の酸素イオンの移動しやすさ、電荷の偏りは、酸素センサ2の使用環境により異なり、実施の形態1における片方向の電圧印加による感度ばらつき抑制の効果は、使用環境により異なる。従って、実施の形態3では、実施の形態2の内燃機関停止時(又は始動時)の片方向の電圧印加に加え、更に、内燃機関の運転中に、運転状態に応じた感度ばらつき抑制のため処理を実行する。
上述したように、酸素センサ2中の酸素イオンの移動しやすさ、電荷の偏りは、酸素センサ2の使用環境により異なり、実施の形態1における片方向の電圧印加による感度ばらつき抑制の効果は、使用環境により異なる。従って、実施の形態3では、実施の形態2の内燃機関停止時(又は始動時)の片方向の電圧印加に加え、更に、内燃機関の運転中に、運転状態に応じた感度ばらつき抑制のため処理を実行する。
具体的に、(イ)のリーン感度向上のための効果は、排気ガスの空燃比がリッチ側に濃くなる環境下では緩和する傾向にある。従って、(イ)の初期処理が施された酸素センサ2が用いられる場合、内燃機関の運転が、高速、高負荷運転条件下、かつ、リッチ増量運転域となったときに、酸素センサ2の使用環境下で、更に、リーン感度向上のための片方向の電圧印加を行なう。
これらの場合の電圧印加についても、上記(ハ)〜(へ)の条件を満たすものとされる。これにより、電圧印加による初期状態からのセンサ構造変化や、特性変化を防ぐ。更に、印加される電圧の大きさは、(イ)の初期処理において印加される電圧よりも小さなものとする。これらの場合に印加される具体的な電圧、印加時間は、予め実験等により適正に設定され、制御装置に記憶される。
具体的な制御では、内燃機関の運転中において、高速、高負荷運転条件下、かつリッチ増量運転域であることを示す所定の条件を満たされると、大気極6をプラス、排気極8をマイナスとして、制御装置に記憶された印加時間、所定の大きさの電圧が印加される。
以上説明したように、実施の形態3における制御によれば、(イ)のリーン感度向上の処理が施された酸素センサ2が用いられる場合に、その運転状態に応じて、更に、リーン感度向上のための処理が実行される。従って、異なる運転環境においても、酸素センサ2の感度ばらつき抑制のための処理の効果を維持することができる。
[実施の形態3の他の例]
なお、実施の形態3では、上記(イ)の初期処理が施され酸素センサ2を用いる場合の、使用中の制御について説明したが、上記(ロ)の初期処理が施された酸素センサ2についても、同様にして、初期処理のリッチ感度抑制の効果維持を図ることができる。
なお、実施の形態3では、上記(イ)の初期処理が施され酸素センサ2を用いる場合の、使用中の制御について説明したが、上記(ロ)の初期処理が施された酸素センサ2についても、同様にして、初期処理のリッチ感度抑制の効果維持を図ることができる。
つまり、排気ガス空燃比がリーン側に濃くなる環境下では、(ロ)の初期処理、即ち、酸素センサ2のリッチ感度抑制のための処理の効果が緩和する傾向にある。従って、(ロ)の初期処理が施された酸素センサ2が用いられる場合、内燃機関の運転が、燃料カット運転域となった場合に、(ロ)の処理と同様のリッチ感度抑制のための片方向の電圧印加を実行する。
即ち、内燃機関の運転中において、燃料カット運転であることを示す所定の条件が満たされると、大気極6をマイナス、排気極8をプラスとして、所定の印加時間、所定の大きさの電圧が印加される。なお、ここでも、電圧印加は(ハ)〜(へ)の条件が満たされる。更に、この制御で印加される電圧の大きさは、(ロ)の初期処理において印加される電圧よりも小さなものとする。
なお、実施の形態3における制御では、予め定められた時間、所定の大きさの電圧を一度印加する場合について説明した。しかし、電圧印加の方法は、これに限られるものではなく、例えば断続的に、一方向の電圧を印加するものであってもよい。すなわち、例えば0.5秒の電圧印加の後、0.5秒電圧印加を停止するというように、電圧印加と印加停止との処理を、所定回数繰り返し行なうこととしてもよい。
また、実施の形態3における制御では、内燃機関の運転条件が所定の条件を満たす場合に、片方向の電圧印加のみを実行する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、片方向の電圧印加に先立って、実施の形態1において説明した交番電圧の印加を行なうものであってもよい。
実施の形態4.
実施の形態4では、酸素センサ2の経年劣化等に応じた電圧印加を行なう。酸素センサ2は、経年劣化、熱劣化等により素子抵抗が増加する。その結果、同じように電圧印加を行なっても、酸素センサ2の電極6、8間に流れる電流量は次第に低下する。従って、上記実施の形態2〜3の制御を同じ電圧値、電圧印加時間で行なう場合、その効果が次第に低下することが考えられる。
実施の形態4では、酸素センサ2の経年劣化等に応じた電圧印加を行なう。酸素センサ2は、経年劣化、熱劣化等により素子抵抗が増加する。その結果、同じように電圧印加を行なっても、酸素センサ2の電極6、8間に流れる電流量は次第に低下する。従って、上記実施の形態2〜3の制御を同じ電圧値、電圧印加時間で行なう場合、その効果が次第に低下することが考えられる。
これに対し、実施の形態4のシステムでは、まず、素子抵抗の変化を検出する。素子抵抗は、センサ素子温制御時の平均ヒータ電力量から推定することができる。この素子抵抗が大きくなるに従い、交番電圧印加における電圧及び印加時間、更に、感度ばらつき抑制処理において印加される電圧及び印加時間が大きくなるように設定する。但し、この場合にも、実施の形態1で説明した(ハ)〜(へ)の条件を満たすこととする。
このような素子抵抗と印加電圧、印加時間との最適な関係は、酸素センサ2ごとに、あらかじめ実験等により求められる。この関係は、制御装置にマップとして記憶される。具体的な制御においては、素子抵抗を推定し、このマップに従って、素子抵抗に応じた印加電圧又は印加時間が決定される。
以上説明したように、実施の形態4の制御によれば、経年劣化等により素子抵抗が大きくなる場合にも、印加時間や印加電圧を大きくすることで、感度ばらつき抑制処理により、リーン感度向上させ、あるいはリッチ感度を抑制する効果を得ることができる。
なお、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
2 酸素センサ
4 固体電解質膜
6 大気極
8 排気極
4 固体電解質膜
6 大気極
8 排気極
Claims (6)
- 内燃機関の排気経路に配置される起電力式の酸素センサを制御する制御装置であって、
前記酸素センサは、
固体電解質と、
前記固体電解質の一面側に配置され、かつ、前記排気経路に設置された場合に大気に接する大気極と、
前記固体電解質の前記一面とは反対側の面に配置され、かつ、前記排気経路に設置された場合に排気ガスに接する排気極と、を備え、
前記大気極と前記排気極との間に、前記大気極をプラスとし前記排気極をマイナスとする電圧を印加する活性化処理が施され、
前記制御装置は、
前記内燃機関の所定の運転期間中において、空燃比が、理論空燃比に対してリッチとされていた時間であるリッチ運転継続時間を検出するリッチ運転継続時間検出手段と、
前記リッチ運転継続時間に応じて、電圧印加時間を設定する電圧印加時間設定手段と、
前記電圧印加時間に応じて、前記大気極と前記排気極との間に、前記大気極をプラスとし、前記排気極をマイナスとする一方向の電圧を印加する電圧印加制御手段と、
を備えることを特徴とする酸素センサの制御装置。 - 内燃機関の排気経路に配置される起電力式の酸素センサを制御する制御装置であって、
前記酸素センサは、
固体電解質と、
前記固体電解質の一面側に配置され、かつ、前記排気経路に設置された場合に大気に接する大気極と、
前記固体電解質の前記一面とは反対側の面に配置され、かつ、前記排気経路に設置された場合に排気ガスに接する排気極と、を備え、
前記大気極と前記排気極との間に、前記大気極をマイナスとし前記排気極をプラスとする電圧を印加する活性化処理が施され、
前記制御装置は、
前記内燃機関の所定の運転期間中において、空燃比が、理論空燃比に対してリーンとされていた時間であるリーン運転継続時間を検出するリーン運転継続時間検出手段と、
前記リーン運転継続時間に応じて、電圧印加時間を設定する電圧印加時間設定手段と、
前記電圧印加時間に応じて、前記大気極と前記排気極との間に、前記大気極をマイナスとし、前記排気極をプラスとする一方向の電圧を印加する電圧印加制御手段と、
を備えることを特徴とする酸素センサの制御装置。 - 内燃機関の排気経路に配置される起電力式の酸素センサを制御する制御装置であって、
前記酸素センサは、
固体電解質と、
前記固体電解質の一面側に配置され、かつ、前記排気経路に設置された場合に大気に接する大気極と、
前記固体電解質の前記一面とは反対側の面に配置され、かつ、前記排気経路に設置された場合に排気ガスに接する排気極と、を備え、
前記大気極と前記排気極との間に、前記大気極をマイナスとし前記排気極をプラスとする電圧を印加する活性化処理が施され、
前記制御装置は、
前記酸素センサが配置された内燃機関の運転状態が、燃料カット運転状態であることを検出する燃料カット運転検出手段と、
前記燃料カット運転状態であることが検出された場合に、前記大気極と前記排気極との間に、前記大気極をマイナスとし、前記排気極をプラスとする一方向の電圧を印加する電圧印加制御手段と、
を備えることを特徴とする酸素センサの制御装置。 - 内燃機関の排気経路に配置される起電力式の酸素センサを制御する制御装置であって、
前記酸素センサは、
固体電解質と、
前記固体電解質の一面側に配置され、かつ、前記排気経路に設置された場合に大気に接する大気極と、
前記固体電解質の前記一面とは反対側の面に配置され、かつ、前記排気経路に設置された場合に排気ガスに接する排気極と、を備え、
前記大気極と前記排気極との間に、前記大気極をプラスとし前記排気極をマイナスとする電圧を印加する活性化処理が施され、
前記制御装置は、
前記内燃機関の運転状態が、所定の高速・高負荷運転域であり、かつ、空燃比がリッチ増量域である、リッチ運転状態を検出するリッチ運転状態検出手段と、
前記リッチ運転状態が検出された場合に、前記大気極と前記排気極との間に、前記大気極をプラスとし、前記排気極をマイナスとする一方向の電圧を印加する電圧印加制御手段と、
を備えることを特徴とする酸素センサの制御装置。 - 前記一方向の電圧は、前記固体電解質がブラックニングを起こさない範囲の電圧とされることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の酸素センサの制御装置。
- 前記酸素センサの素子抵抗を検出又は推定する素子抵抗検出手段を、更に備え、
前記電圧印加制御手段は、
前記素子抵抗に応じて、前記一方向の電圧の大きさ又は前記一方向の電圧の印加時間を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の酸素センサの制御装置。
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