JP5484960B2 - 給水弁装置 - Google Patents
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Description
この種給水弁は、(イ)主弁座に向けて進退移動し、主水路を開閉する主弁と、(ロ)主弁の背後に形成され、内部の圧力を主弁に対し閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ハ)主弁を貫通し、主水路における1次側の水を背圧室に導入して背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ニ)背圧室の水を抜いて背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ホ)パイロット水路を開閉するパイロット弁とを備えて構成されている。
多くの場合、主弁が閉弁できなくなることによって、水が出っ放しとなってしまうといった不具合を生じる。
例えば下記特許文献1,特許文献2に、上記の給水弁及び主弁の導入小孔をクリーニング作用するクリーニングピンを備えた給水弁装置が開示されている。
従ってメンテナンス時等に主弁を他部品から分解して取り出したときにクリーニングピンが導入小孔、即ち主弁から容易に抜けてしまう。
このときクリーニングピンが他部品に対して固定されておらず、単独の部品として非固定の状態にあると(特許文献2に開示のものではそのようになっている)、主弁から抜けたクリーニングピンを落下させる等して紛失してしまうことがある。
またクリーニングピンを他部品に固定しておく場合には固定用の部材が別途に必要となり、所要部品点数が多くなってしまう。
但しこのL字状に曲った部分はクリーニングピンを圧力室側のケーシングに対して固定し且つ固定力を高めることを目的としたもので、この特許文献1に開示のものは本発明の課題を解決することはできず、本発明とは別異のものである。
また一旦外れたクリーニングピンを主弁の導入小孔に挿通作業するといったことが必要ないので、工場での組付けや現場でのメンテナンス作業が容易となる。
更にクリーニングピンを主弁以外の他部品に固定するための工数を不要化することができる。
本発明においては、曲り部(掛止部)を直線状に傾斜した形状としておく。
この場合においてその曲りの角度は上記ストレート形状部に対して5°〜45°の範囲内の角度としておくことが望ましい。
また本発明では上記主弁をダイヤフラム弁となしておくことができる。
またコイルばねは特別な固定手段にて固定する必要はなく、単に主弁と背圧室の底部との間に介在させるだけで良いため、コイルばねの取付け及びクリーニングピンの取付けを簡単に行うことができる。
しかるに掛止部を内向きの曲り形状となしておいた場合導入小孔が見易く、従ってこれを主弁の導入小孔に挿入する際の作業性が良く、主弁に対するクリーニングピンの組付けを作業性良く簡単に行うことができる利点が得られる。
図1において、10は洗浄タンクで樹脂製のアウタタンク12と、その内側の樹脂製のインナタンク14との2重タンク構造をなしている。
アウタタンク12の上部には、その蓋を兼用した樹脂製の手洗鉢16が設けられており、この手洗鉢16から起立する形態で手洗吐水管18が手洗鉢16に設けられている。
手洗鉢16の底部には排水口20が設けられており、手洗吐水管18から吐水された手洗水が、この排水口20から洗浄タンク10内部へと落下する。
給水管26を通じて供給された水は、ボールタップ装置22の後述の図2に示す給水弁58の開弁によって洗浄タンク10内部に給水され、また給水弁58の閉弁によって給水停止される。
また連繋アーム30は、アーム部32と、その先端から下向きに延びる軸部34とを有しており、その軸部34に対してフロート28が組み付けられている。
38は、洗浄タンク10内部において洗浄ハンドル36に連動して回動する、L字状をなす作用レバーで、その先端が鎖40を介して図示を省略する排水弁に連結されている。
その排水弁は、洗浄ハンドル36の回転操作によって閉弁状態から開弁させられ、これにより洗浄タンク10内部に貯えられている洗浄水が、洗浄タンク10底部の排出口から便器に向けて勢い良く排出せしめられる。
この本体ボデー44の図2中左端部には図1の給水管26が接続され、また右端部には、本体ボデー44とは別体をなし且つ筒状をなすソケット状の分岐管46の左端部が外嵌状態に接続されている。
更にこの分岐管46の図中右端部には、補給水管48が接続されている。
補給水管48は便器に補給水を供給するためのもので、図1に示しているようにその先端側がアダプタを介して洗浄タンク10内部のオーバーフロー管42に組み付けられ、補給水管48からの補給水がオーバーフロー管42内に流入するようになっている。
この実施形態において、補給水管48はゴムチューブから成っている。
この実施形態では、供給口52に対して、本体ボデー44からの水を図1に示す手洗吐水管18に導くための導水管54の一端側が接続されている。
ここで導水管54は蛇腹管から成っており、その先端側が手洗吐水管18に接続されている。
この場合には、供給口52が洗浄タンク内に水を吐水する第2の吐水口となる。
但しこの実施形態では、これら吐水口50と供給口52とが真下向きではなく、斜め下方に向けて設けられている。
給水弁58は、フロート28の昇降に伴って連繋アーム30が軸60周りに回動することで開弁及び閉弁せしめられる。
具体的には、フロート28の上昇により連繋アーム30が軸60周りに反時計回りに回動することで、給水弁58が閉弁せしめられ、またフロート28の下降に伴って連繋アーム30が軸60周りに図中時計回りに回動運動することで、給水弁58が開弁せしめられる。
また分岐管46に流れ込んだ水が、更に補給水管48を通じてオーバーフロー管42から便器へと流れ込み、便器に対して補給水が供給される。
図3にその構成が具体的に示してある。
図3において、62は給水弁58における主弁でダイヤフラム弁から成っている。
この主弁62は、ゴム等の弾性材から成るダイヤフラム膜66と、これよりも硬質の(ここでは樹脂製)ダイヤフラムホルダ68とから成っている。
ここでダイヤフラム膜66の外周部70は同時にシール部としての働き、即ち水路56と外部とを水密に遮断し、シールする働きをなしている。
この背圧室82は内部の圧力を主弁62に対して図中上向きの閉弁方向の押圧力として作用させる。
この導入小孔84は、水路56における1次側の水を背圧室82に流入させて背圧室82の圧力を増大させる働きをなす。
このパイロット水路86は、背圧室82内の水を抜いて背圧室82の圧力を減少させる働きをなす。
即ち、図4(A)に示すように給水弁58が閉弁状態の下で、図2のフロート28の下降により連繋アーム30が軸60周りに回動してパイロット弁88がパイロット弁座92から図中下向きに離間し開弁すると、図3の背圧室82内の水がパイロット水路86を通じて流出し、背圧室82の圧力が減少する。
すると水路56における1次側の圧力が背圧室82の圧力に打ち勝つに到って、主弁62が図3(A)及び図4(A)に示す状態から下向きに離間し開弁する。
ここにおいて吐水口50,供給口52から水が吐出され、更に補給水管48を通じてオーバーフロー管42から便器内に補給水が供給される。
ここにおいて水路56の水の流れが停止し、洗浄タンク10及び手洗吐水管18への給水が停止する。
コイルばね95は、その上端側を主弁62に当接させ、またその下端側を背圧室82の底部即ちダイヤフラム押え72の底部に当接させている。
従ってコイルばね95は、主弁62が図中上下方向に進退運動しても下端側は位置固定に保持される。
このクリーニングピン97は、主弁62が図3及び図4中上下に進退移動する際に、導入小孔84内を相対摺動運動してクリーニング作用し、導入小孔84内に微細なゴミや異物が詰まるのを防止する働きをなす。
この実施形態において、この曲り形状を成す掛止部104は、図5中ストレート形状部102の延長線P方向における寸法Lが2mm,角度θが20°,先端106の延長線Pからの偏位量xが0.73mmとされている。
またこの曲り形状を成す掛止部104は、主弁62の中心側に向う内向きの曲り形状で設けてある。
尚ここでは導入小孔84の内径φ0.7mmに対して、クリーニングピン97の外径がφ0.6mmとされている。
但し導入小孔84の内径,クリーニングピン97の外径は給水弁の種類や特性に応じて変化する。
この実施形態において、クリーニングピン97は次のようにして主弁62に組み付ける。
即ち図6(A)に示しているようにコイルばね95を手に持ってその全体を傾けながら、掛止部104の先端106を主弁62の導入小孔84に先ず嵌め入れ、更にクリーニングピン97を図中上向きに押し上げる。
そこでクリーニングピン97に対して強く押込力を加えると、掛止部104が角度θを小さくする方向に、つまり広がり方向に弾性変形し、その弾性変形を伴って掛止部104が導入小孔84を上向きに通過する。
そして掛止部104が主弁62に対し、クリーニングピン97の抜け方向に掛止可能な状態となる。
このとき、クリーニングピン97は自重により主弁62に対し図中下向きに相対移動しようとするが、曲り形状の掛止部104が主弁62に掛止することで、クリーニングピン97がコイルばね95とともに主弁62から図中下向きに抜け、脱落するのが防止される。
また掛止部104を傾斜した曲り形状とすると否とに拘らず先端106の延長線Pに対する軸直角方向の偏位量xを0.5〜3.0mmの範囲内としておくことが望ましい。
また一旦外れたクリーニングピン97を主弁62の導入小孔84に挿通作業するといったことが必要ないので、工場での組付けや現場でのメンテナンス作業が容易となる。
更にクリーニングピン97を主弁62以外の他部品に固定するための工数を不要化することができる。
尚、図7は掛止部104を湾曲形状の曲り部として構成した参考例である。
例えば上記実施形態では給水弁が開閉弁を成しているが、給水弁が流量調節機能を有する給水弁装置に対して本発明を適当すること、また本発明を水栓の給水弁その他の給水弁に適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
58 給水弁
62 主弁
64 主弁座
82 背圧室
84 導入小孔
86 パイロット水路
88 パイロット弁
95 コイルばね
97 クリーニングピン
100 給水弁装置
102 ストレート形状部
104 掛止部
Claims (2)
- (A)(イ)主弁座に向けて進退移動し、主水路を開閉する主弁と、(ロ)該主弁の背後に形成され、内部の圧力を該主弁に対し閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ハ)該主弁を貫通し、前記主水路における1次側の水を該背圧室に導入して該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ニ)該背圧室の水を抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ホ)該パイロット水路を開閉するパイロット弁と、を備えた給水弁及び(B)前記導入小孔に挿通され、前記主弁の進退移動時に該導入小孔内を摺動運動してクリーニング作用するクリーニングピンを有して成る給水弁装置において、
前記クリーニングピンの前記主弁を突き抜けた先端側の部分に、前記導入小孔内を摺動運動するストレート形状部に対して曲り形状をなし、該主弁に対し前記クリーニングピンの抜け方向に掛止する掛止部が設けてあり、
前記背圧室の内部にはコイルばねが設けてあって該コイルばねの一端側が前記主弁に、他端側が前記背圧室の底部にそれぞれ当接させてあり、
前記クリーニングピンが該コイルばねの前記他端側から延び出す形態で該コイルばねに一体に構成してあるとともに、
該クリーニングピンの先端の前記掛止部は、前記ストレート形状部に対して折れ曲がった傾斜形状且つその傾斜方向にストレート形状をなしており、該掛止部を前記導入小孔内に挿入した状態で前記クリーニングピンに対して強く押込力を加えると、該導入小孔内で該掛止部が広がり方向に弾性変形して該導入小孔を通過可能となしてあることを特徴とする給水弁装置。 - 請求項1において、前記導入小孔が前記主弁の中心から偏心した位置に設けてあり、
前記クリーニングピンの前記掛止部が、前記主弁の中心側に向う内向きの曲り形状で設けてあることを特徴とする給水弁装置。
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