JP5478868B2 - 遊技機用の貯留皿とこの貯留皿を備える遊技機 - Google Patents
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Description
スロットマシンは、遊技者が遊技媒体を投入してスタートレバーを操作することにより、所定の絵柄や文字,数字等の図柄(以下「図柄」と総称する)を表示した複数(通常は3個)のリールが回転を開始し、各リールに対応した複数(通常は3個)の停止ボタンを任意のタイミングで押下することで回転するリールが停止し、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数の遊技媒体が払い出されるという遊技機である。
この遊技球を用いて遊技を行うスロットマシンでは、メダルの売上との整合を取る必要があることから、例えば、メダル一枚につき遊技球五個を対応させるようにしている。このため、一の遊技を行う場合には、五の倍数個の遊技球を投入するようになっている。
貯留皿は、上皿や上受け皿と称され、通常、遊技者の操作に係るスタートレバーや停止ボタンなどが配設され、遊技機前方に膨出した操作台の上面に凹設されている。
この貯留皿は、遊技球を貯留するだけでなく、貯留した遊技球を転動させて遊技機内部に投入させる凹形状の流路として形成されている。この流路を上方から見ると、遊技球が遊技機から払出される払出口付近から少し下流に進んだあたりが最も流路幅が広く、さらに下流へ行くと徐々に流路幅が狭くなっていき、最も下流では一列〜数列(例えば三列)の遊技球が転がり得る程度の流路幅になっている(例えば、特許文献1、第151頁−第5図参照)。
ここで、貯留皿から遊技球を所定数ずつ取り込んで遊技機に投入する取込装置が提案されている。
この取込装置は、BETスイッチが押圧されることに応じて貯留皿に貯留された遊技球を遊技機内部に投入する取込装置であって、貯留皿の下方に設けられている。
貯留皿の下流域は、この取込装置へ遊技球を誘導するため、取込準備球経路が3条に分流されている。この取込装置は、その各条に対応して取込準備球検出スイッチやスプロケットなどが備えられており、所定数の遊技球を取込装置内で準備できるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、凹形状の流路は、ある程度の数量の遊技球を貯留可能とするために、広めに確保されているが、投入口との関係から、下流部分や投入口付近で、流路幅を狭めざるを得ず、この部分で遊技球の詰まりを生じさせていた。
このような遊技球の詰まりは、遊技者を不快にさせるとともに、遊技の円滑な進行の妨げにもなっていた。
[遊技機(スロットマシン)本体]
まず、図1、図2を参照して、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン)の本体の構成について説明する。
本実施形態の遊技機は、遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンとしてある。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成を示す外観図であって、図1は正面図、図2は内部構成を示す斜視図である。
具体的には、スロットマシン1は、マイクロコンピュータ等を備えた図示しない制御手段及び必要な機械,装置等が前扉1a及び外枠1bの前面又は背面の所定箇所にそれぞれ配置されている。そして、前扉1aは、外枠1bにヒンジ13を介して開閉可能に取り付けられ、外枠1bの前面開口部を覆う構造となっている。
表示窓11は、通常、無色透明又は有色透明の樹脂製パネル等からなり、三つの各リール41a,41b,41cの周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認,識別できる。
スタートレバー24は、三つの各リール41の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー24が遊技者の操作によって押下されることで、制御手段にスタート信号が出力され、本体内部の各リール41が一斉に(又は順次)回転するようになっている。
また、このスタートレバー24の押下によりスタート信号が入力されることで、制御手段において内部抽せんが行われる。
従って、遊技者がスタートレバー24及び停止ボタン25を操作することにより、三つのリール41を回転及び停止させて、各リール41に付された図柄を所定の入賞配列となるよう揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
MAXBETスイッチ23は、1BETスイッチ22と同様、上皿21に貯留された遊技球を投入する球投入用のスイッチである。ただし、MAXBETスイッチ23は、一回の押下につき一ゲームに投入可能な最大の球数(通常十個又は、十五個)を投入することができる最大個数賭け用の投入ボタンである。
これら1BETスイッチ22又はMAXBETスイッチ23が押下されると、メダル信号が制御手段に出力され、押下されたボタンの種類又はその回数に応じた数の遊技球が取込装置27を介して遊技機内部に投入されることになる。
また、その他の操作手段として、取込済球表示器、残額表示器、返却スイッチ、球貸スイッチなどを設けることもできる。
取込済球表示器は、1BETスイッチ22又はMAXBETスイッチ23の操作により取り込まれた遊技球数を表示する。
残額表示器は、スロットマシン1に並設されたカードユニット(図示せず)に挿入したプリペイドカードから読み出された有価価値の残額を表示する。
返却スイッチは、カードユニット(図示せず)に挿入したプリペイドカードを返却させる際に操作されるスイッチである。
球貸スイッチは、残額表示器に表示された有価価値の残額の範囲内で遊技球の貸し出しを受ける際に操作されるスイッチである。
なお、操作台2の上面に形成されている上皿21の詳細については、後述する。
下皿3は、払出装置(図示せず)から払い出された遊技球や、精算スイッチ26が操作されることで上皿21から流下した遊技球を貯留させておく玉収容部である。
また、前扉1aの前面上方には、スピーカ12が備えられている。
スピーカ12は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生するようになっており、例えば、制御手段で内部抽せんが行われ、所定の大当たりや小役に当せんした場合や、入賞図柄が揃って大当たりや小役に入賞した場合等に、所定の演出音声や内部当たりを告知する音声等を発するようになっている。
ドラムユニット4は、三つのリール41a,41b,41cと、モータ駆動回路(図示せず)を有している。
各リール41に描かれる図柄は、各リール41ごとに等間隔で配設され、例えば「チェリー」や「BAR」,「リプレイ」等の文字や、スロットマシン1のキャラクターや果物等を示す絵柄等が、所定の順番で表示されており、通常、各リール41に21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、それらリール41の図柄が、対応する停止ボタン25が押下操作されることで、上述した表示窓11の入賞ラインに沿って所定の組合せで停止し、入賞が決定される。
回胴位置検出部(図示せず)は、回転中の各リール41の位置を検出して位置信号を制御手段に出力する。
これにより、スタートレバー24からのスタート信号を契機として制御手段で内部抽せんが行われ、制御手段からの制御信号によりドラムユニット4が制御されることで、停止ボタン25が押下されるタイミングに基づき、一定範囲内で内部抽せんの結果に応じた停止位置で各リール41が停止される。
次に、本実施形態のスロットマシン1の構成のうち、上皿21から取込装置27にかけての構成について、図3〜図6を参照して説明する。
図3〜図6は、上皿から取込装置にかけての構成を示す図面であって、図3は上皿の平面図、図4は上皿を前扉側から見た斜視図、図5は図3の傾斜方向の断面図(A−A断面)、図6は図3の幅方向の断面図(B−B断面)である。
この上皿21への遊技球の供給は、スロットマシン1に隣接して設置された台間玉貸機(図示せず)の玉排出用ノズルを介して供給したり、当該スロットマシン1をCR機とした場合、カードに記録された玉残度数の限度内で所望の個数の遊技球を本体内部から貸し出(払出)すことで供給したり、あるいは、遊技者自身が貸し出された遊技球をこの上皿21に直接手で入れたりすることで供給する。
取込装置27は、横一列に並んだ五個の遊技球をほぼ同時に取込み可能に開口された投入口271と、図示しないストッパーと、遊技球を検出する検出センサと、を有し、1BETスイッチ22やMAXBETスイッチ23が押下されたタイミングで、各BETスイッチ及びスロットマシン1の遊技状態に対応した数の遊技球(五個又は十個又は十五個)がスロットマシン内部に投入されるようになっている。
ここで、メダルを用いて遊技を行うスロットマシンの場合、一の遊技が行える最小メダル枚数は一枚である。このメダル一枚は、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシンでは、遊技球五個に相当する。
そこで、本実施形態のスロットマシン1投入口271は、横一列に並んだ五個の遊技球をほぼ同時に取込み可能に開口されている。これにより、一の遊技が行える最小単位個数の遊技球をほぼ同時のタイミングで取込むことができるため、必要かつ十分な遊技球数が最短の時間で取込可能となり、時間効率を向上させることができる。
この上皿21に貯留された遊技球は、その転動範囲を前方壁面21aと後方壁面21bとに制限され、流路底面210を下流側(右側)へ向かって転動し、取込装置27に形成された投入口271に流れ込むようになっている。
従来の遊技球を使用するパチンコ機やスロットマシンの上皿の流路幅は、遊技球が遊技機内部から払出される払出口14の近傍で広く、下流に向かうに従って次第に幅を狭めるように形成されていたため、幅を狭めた付近で玉詰まりが発生していたが、本発明の上皿の流路幅Wは、上流から投入口271に至るまで、同一の幅で形成したため、遊技球が停滞することなく投入口271に流れ込み、玉詰まりが生じることがない。
これにより、遊技者を不快にさせることもなく、遊技の円滑な進行が図れる。
ここで、遊技球の直径は11mmであるため、流路幅Wは、少なくとも55mm以上となる。また、流路底面210は、長手方向に約250mmの長さを有する。各壁面21a〜21cの高さ(深さ)を考慮すると、本実施形態の上皿21は、従来の上皿(約250〜300個)と同等か、それ以上の遊技球の貯留容量(約300〜400個)を確保することができるようになっている。
そして、この各投入口271a〜271eに対応して、上皿21の流路底面210に、半円状に凹設された五つのレーン211a〜211eを設けてある。
レーン211a〜211eは、流路底面210を一の遊技球が転動し得るR状に窪ませた樋で、この各レーン211a〜211eに嵌った遊技球が一列に整列し、各投入口271a〜271eに順次誘導されるようになっている。
このR状に窪んだ半径は、図6に示すように、遊技球の半径r(約5.5mm)より大きな半径R(例えば、8mm)で形成してある。
これにより、遊技球と仕切板212との接触が線接触とならず、点接触となるため、接触抵抗を極力抑えることができるとともに、遊技球の半径rより大きな半径Rで形成することで、遊技場の店員が各レーン211a〜211eを清掃する際の負担が軽減される。
また、各レーン211a〜211eに遊技者が指を挿入したときにも、指通りが良くなり、上皿21からの遊技球の取り出しを容易に行うことができる。
さらに、各レーン211a〜211eの遊技球が転動する面には、ステンレス板213が敷設されている。
このステンレス板213によって、遊技球との接触摩擦が少なくなり、遊技球がステンレス板213上を滑らかに転動するようになっている。
そのうえ、このステンレス板213によって、各レーン211a〜211e底面の遊技球による磨耗が防止しでき、耐久性が向上する。
仕切板212は、投入口271を五つの領域に区画する壁面に沿って連設され、遊技球を各投入口271a〜271eに確実に分流するように構成されている。
このように半円状に凹設された五つのレーン211a〜211eと、各レーンの間に立設された4つの仕切板212と、前方壁面21aと、後方壁面21bとにより、上皿21に貯留された遊技球が、各レーン211a〜211eに一列に整列し、対応する投入口271a〜271eに確実に誘導されるようになっている。
さらに、各投入口271a〜271eの上側を覆うカバー28が設けられている。これにより、各投入口271a〜271eに進入する遊技球の上下方向の可動空間を制限し、上下に重なった遊技球を一段にして、各投入口271a〜271eに誘導することができるようになっている。
また、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシンの場合、遊技球五個が一遊技可能な最小単位個数であるため、レーン数をこの遊技球五個に対応する五つのレーン211a〜211eとすることで、最短時間で遊技球五個を取込むことができ、最も効率よく遊技を進行させることができる。
同様に、各レーン211a〜211eも、払出口14の左側端部付近では流路底面210と面一となり、払出口14の左側端部付近から下流側に向けて凹設されているため、この窪みで払出口14から払出された遊技球の勢いを抑えるとともに、この払出口14から払出された遊技球や払出口14より上流側に位置する遊技球を適度に分散させながら、各レーン211a〜211eに徐々に誘導し、各レーン211a〜211eにほぼ均等に振り分けることができる。
また、遊技球の貯留容量を減らすことなく、かつ、遊技球五個を最小単位個数とするスロットマシン遊技を最も効率的に進行させることができる。
例えば、上述の実施形態においては、遊技球を用いたスロットマシンについて説明したが、本発明の遊技機は、スロットマシンに限るものではなく、遊技球を用いた各種遊技機(パチンコ機、雀球機、アレンジボールなど)も含まれる。
また、本実施形態の上皿21は、流路を直線状に形成したが、流路幅が均一な曲線状に形成することもできる。
また、本実施形態の上皿21は、流路断面(幅方向)が矩形状のU字溝として形成したが(図6参照)、流路断面を逆ハの字状に形成することもできる。すなわち、流路底面210付近の流路幅Wを投入口とほぼ同一幅とするとともに、前方壁面21aと後方壁面21bを上方に開くように傾斜させることもできる。
例えば、投入口271が三個の遊技球が横一列に並ぶ幅を有するのであれば、これに応じて上皿21の流路幅Wも三個の遊技球が転動し得る幅とすることができる。さらに、投入口271が十個又は十五個の遊技球が横一列に並ぶ幅を有するのであれば、上皿21の流路幅Wもこれに応じて、十個又は十五個の遊技球が転動し得る幅とすることができる。
なお、投入口271がほぼ同時に取込むことができる横一列に並んだ遊技球の数と、この数に応じた流路幅Wは、一遊技可能な最小単位となる遊技球数の倍数とすることが好ましい。
14 払出口
2 操作台
21 上皿
210 流路底面
211 レーン
212 仕切板
27 取込装置
271 投入口
Claims (2)
- 横一列に並んだ複数の遊技球をほぼ同時に取込み可能に開口された投入口を備える遊技機に配設され、遊技球を貯留するとともに、遊技球を前記投入口に向けて転動させる凹形状の流路からなる遊技機用の貯留皿であって、
遊技機前方に向かって突出する凹形状に形成され、前記凹形状の流路幅を、当該流路に遊技球を遊技機内部から遊技機前方に払い出す払出口から遊技機内部の前記投入口に至るまでの全流路に亘りほぼ同一幅に形成し、かつ、当該流路幅を、前記投入口とほぼ同一幅で形成し、
前記流路を形成する、前記遊技機の前面側の後方壁面及びこの後方壁面と対向する遊技者側の前方壁面とが平行に設けられることにより、当該流路の流路幅が前記払出口から投入口に至るまでの全流路に亘りほぼ同一幅に形成されたことを特徴とする遊技機用の貯留皿。 - 横一列に並んだ複数の遊技球をほぼ同時に取込み可能に開口された投入口を備え、遊技球を貯留するとともに、遊技球を前記投入口に向けて転動させる凹形状の流路からなる貯留皿が配設される遊技機であって、
前記貯留皿が、請求項1に記載の遊技機用の貯留皿からなることを特徴とする遊技機。
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