JP5476137B2 - 生体および脳機能計測に基づくヒューマンインターフェイス - Google Patents

生体および脳機能計測に基づくヒューマンインターフェイス Download PDF

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Description

本発明は、生体および脳機能計測に基づくヒューマンインターフェイス及びそれを用いたヒューマンエラーの検出・防止方法に係り、特に、生体および脳機能計測に基づきヒューマンエラーの起こりやすい状態を予測・検出し、操作者にフィードバックするヒューマンインターフェイス及びそれを用いたヒューマンエラーの検出・防止方法に関する。
機器の信頼性が向上し機械側が原因で生じる事故件数が減少している一方、総事故件数に占める人が原因で起こる事故(ヒューマンエラー)の割合は増加している。ヒューマンエラー防止を目的とするヒューマンファクター工学分野では、外部環境を整えることで人側の間違えを低減する、フールプルーフシステムの開発に重点が置かれている(非特許文献1)。見間違えを防ぐように書式を改善した道路案内や、少しの接触では作動しないような作動ボタン上のプラスチックカバーなどが例として挙げられる。
特許文献1では、脳波スペクトラル解析から得られた脳活動信号を用いて操作者の意識レベルを推定し、その推定された意識レベルに応じて適切と思われる情報を呈示する装置を提案している。また、特許文献2には、生体の脳内部の血液循環・血行動態及びヘモグロビン変化に基づく生体及び脳機能の信号を光検出器で光トポグラフィ信号(以下、光トポ)として検出する生体光計測装置の例が開示されている。
その他、非特許文献3には、変化検出課題の例が示されている。また、非特許文献4では、癲癇の患者において、癲癇の起こる数時間〜7時間の脳活動から発作の予兆を見いだせることが報告されている。
特公平6-87211号公報 特開平9-98972号公報
岡田有策,ヒューマンファクターズ概論:人間と機械の調和を目指して,2005 P17-18:慶應義塾大学出版会,東京 リンゼイ/ノーマン,「情報処理心理学入門II 注意と記憶」P31-33、P53-54,サイエンス社 Beck, Rees, Frith, Lavie (2001) Neural correlates of change detection and change blindness. Nature Neuroscience 4(6): 645-650. Litt et al. (2001) Epileptic seizures may begin hours in advance of clinical onset: a report of five patients. Neuron 30: 51-64.
しかしながら、いくらフールプルーフシステムを整えても、操作者が外部環境に注意を払っていなかったり、覚醒度の低い状態で判断能力が低下していたりする場合には、見落とし・聞き間違え・考え違え・し忘れといったヒューマンエラー要因の事故は起こり得る。また、一度に視認できる視覚刺激の個数や、作業記憶に留めておける項数には上限があることが最近の認知神経科学分野では明らかにされてきている(非特許文献2)。したがって、外部環境の整備といったヒューマンファクター工学分野の手法では防ぎきれない人的要因が存在する。この人的要因に起因する過失を予防および検出するためには、操作者が過失を起こしやすい状態を予測および検出する人間科学からのアプローチが必要である。
また、特許文献1に開示された手法は、覚醒度などといった全体の大まかな状態を推定するのに適している一方、その低い空間的解像度のため活動している脳部位を特定することが出来ず、どのような脳機能が具体的にどのような状態にあるかを明らかにすることは出来なかった。また、脳波では意識レベルの一般的な5段階指標を用いるため、操作者個々人の特性に合わせた脳状態の推定を考慮していなかった。
本発明の解決すべき課題は、生体および脳機能計測信号から個々人の注意・記憶といった内部状態を推定もしくは予測し、ヒューマンエラーの起こりやすい状態を検出および警告することで、ヒューマンエラーを予防および防止することである。
本発明の代表的なものを示せば、次の通りである。本発明のヒューマンインターフェイスは、被験者の内部状態の情報と、該内部状態の情報と時間的関連性を有し生体由来の雑音を除去した前記被験者の生体計測情報とをセットとして取得し、個人用のデータベースを生成する個人データベース生成手段と、前記個人用のデータベースを訓練セットとして分類アルゴリズムを最適化する分類アルゴリズム最適化手段と、前記被験者の生体信号計測により得られた新たな生体計測情報に、前記最適化された分類アルゴリズムを適用して、前記被験者の内部状態を推定する行動推定手段と、前記推定結果に基く情報を呈示する情報呈示手段とを備ええ、前記被験者の内部状態が感覚的錯誤に関するものであり、前記個人データベース生成手段は、前記被験者に対する課題の呈示手段と、該課題の呈示状態と関連して前記被験者に対する光トポグラフィによる生体計測を行う生体計測手段とを有しており、前記感覚的錯誤を検出するために、前記新たな生体計測として、前記光トポグラフィを前記被験者の主に後頭頂葉と背側前頭葉の少なくとも1組の脳部位において同時に計測することを特徴とする。
本発明によれば、生体および脳機能計測から推定した操作者個々の内部状態を基に、操作者の内部状態を推定もしくは予測し、ヒューマンエラーの起こりやすい状態を検出および警告することで操作者に注意を喚起し、ヒューマンエラーを防ぐことが可能となる。
本発明の実施例1になる、内部状態推定によるヒューマンエラー防止機能を備えたヒューマンインターフェイスの概念図。 実施例1における固有の個人用データベースの一例を示す図。 実施例1における内部状態推定のための演算処理のフローチャート。 光トポ測定の様子を示す図。 図2のデータベース作成の詳細を示すフローチャート。 変化検出課題の模式図の一例を示す図。 変化検出課題の模式図の一例を示す図。 サポートベクターマシンの概念図。 サポートベクターマシンの概念図。 チャンネル数を変化させた場合の分類確率の例を示す図。 分類確率の時間変化を示す図。 被験者4名の実験データを示す図。 注意に関わる脳部位を示す図。 再現性の確認結果を示す図。 本発明の実施例2になる、最適タスク判別のフローチャート。 本発明の実施例2になる、最適タスク判別のフローチャート。
本発明は、生体および脳機能計測から機械学習のアルゴリズムを用いて人の内部状態を推定し、過失の起こしやすい状態を事前あるいは事後に検出し、その情報をデータベース化して利用することによって、ヒューマンエラーの防止を試みることに関するものである。
すなわち、本発明は、機械を用いた作業場において、操作者の生体計測信号からの内部状態(視覚的注意・作業記憶・スキル習熟度など)を機械学習のアルゴリズムを適用して推定し、ヒューマンエラーの起こりやすい状態を予測・検出し、過失の危険度が高い状態にあると推定される場合に、視覚・聴覚・触覚のいずれか若しくはそれらを組み合わせて操作者にフィードバックすることにより過失を事前に防ぐ装置、方法に関するものである。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
本発明の第一の実施例になるヒューマンインターフェイスについて、説明する。この例では、脳活動信号からの錯誤状態のモニターおよび予測を行う機能を備えたヒューマンインターフェイスを主体にして説明する。第一の実施例を実現するために、まず、次のような脳機能計測装置が必要である。
「脳機能計測装置」
特定の脳機能を測定できる程度の空間分解能を持つ、かつ、錯誤のモニターと予測が区別できる程度の時間解像度を持つ。また実作業現場での応用を考慮して、比較的携帯可能なもの、また磁気シールドなどの設備を要しないものが望まれる。一例として光トポグラフィ法が挙げられるが、本発明はこれに特定するものではない。
以下では脳機能計測法として光トポグラフィを想定して装置を説明する。
図1Aは、本発明のヒューマンインターフェイスの第一の実施例の概念図である。図1Aにおいて、本実施例のヒューマンインターフェイスは、生体計測装置110、信号解析装置120及び課題呈示装置130を含む装置本体100と、生体計測信号や内部状態信号のデータ、脳活動のデータベース、及び参照データなどを保持する外部記憶装置140と、操作者すなわち被験者160が操作する外部機器150とを備えており、これらは、通信ネットワークを介して相互に接続されている。生体計測装置110、信号解析装置120及び課題呈示装置130を含む装置本体100、外部記憶装置140及び外部機器150により、被験者の内部状態の情報と、該内部状態の情報と時間的関連性を有する前記被験者の生体計測情報とをセットとして取得し、個人用のデータベースを生成する個人データベース生成手段が構成されている。また、信号解析装置120を含む装置本体100と外部記憶装置140により、前記個人用のデータベースを訓練セットとして分類アルゴリズムを最適化する分類アルゴリズム最適化手段と、前記被験者の生体信号計測により得られた新たな生体計測情報に、前記最適化された分類アルゴリズムを適用して、前記被験者の内部状態を推定する行動推定手段とが構成されている。さらに、外部機器150は、前記推定結果に基く情報を呈示する情報呈示手段として機能する。
すなわち、生体計測装置110は、生体(被験者)内部の生体情報を検出する装置であり、例えば光トポであり、近赤外光を生体に照射し、その光が生体内を透過・散乱したものを計測することによって、生体内の光学特性を時間的に連続的に計測し、生体内の状態を観測する装置を用いる。ただし計測点数は特に限定するものではない。あるいは、光トポに代えて、脳の複数部位の脳波の電位を測定することで神経活動を生体情報として計測する装置でも良い。さらに、生体情報として、血圧、脈拍、呼吸・サーモグラフィ、皮膚血流量、心電図等の生理的計測を行う機能も必要に応じて適宜併用される。
また、課題呈示装置130は被験者に対するタスク(課題)や解析結果等を視聴覚的・触覚的に最適な情報を呈示する。外部機器150は、被験者からのタスク(課題)の選択、応答の受付などの機能を備えている。被験者160は、生体計測装置110による生体情報の計測と並行して、課題呈示装置130からのタスクによる刺激を受け、外部機器150の操作ボタンやマイクや等を介して応答を返す。操作者の応答結果は、個人データベースの一部を構成する操作者の内部状態の情報としてハードディスク等の記憶装置140に記録される。
信号解析装置120は、光検出器で検出された生体計測信号から生体由来の雑音を除去するための信号処理機能、及び処理された生体計測信号のデータ及びこれと時間的な関連を有する(対をなす)操作者の内部状態(視覚的注意・作業記憶・スキル習熟度など)に関する内部状態信号のデータを個人データベースとして記録する機能と、この個人データベースを訓練セットとして機械学習アルゴリズムを最適化する機能と、この最適化された機械学習アルゴリズムで実作業現場において生体信号計測から内部状態を推定する機能とを備えている。そして、ヒューマンエラーの起こりやすい状態を予測・検出し、過失の危険度が高い状態にあると推定される場合に、外部機器150の表示画面に提示する等、視覚・聴覚・触覚のいずれか若しくはそれらを組み合わせて操作者にフィードバックする。
なお、装置本体100の処理機能は、ホストコンピュータやそれにネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ内のメモリにロードされた各種のプログラムをCPUにて実行することにより実現される。課題呈示装置130と外部機器150は、1つのパーソナルコンピュータを兼用して構成しても良い。個人用データベースの保存装置である記憶装置140として、ローカルハードディスクもしくはインターネットによるサーバを用いる。
図1Bに、予め取得されたある操作者Aの応答結果及び生体内部情報に基く、操作者A固有の個人用データベースの一例を示している。データベース140Aは、正答確率の時系列パターン、データベース140Bは、ヒューマンエラーの起こりやすさの判定基準を与える判断境界のパターンのデータである。データベース140Aは、操作者Aの正答率の高い時間、換言すると状態判定区間が課題開始後、t2からt3の間であることを示している。一方、データベース140Bは、操作者Aの状態が良好な「状態A」の領域と、良好ではない「状態B」の領域とが「判断境界」で区画されていることを示している。タスク(課題)の種類やその用途により、データベースの生成方法や構成は異なる。詳細については、後で説明する。
次に、第一の実施例の動作の概要を、図2で説明する。図2は、光トポの常時測定を前提とした、ヒューマンエラーの検出・予防フローチャートである。
本実施例のヒューマンインターフェイスでは、事前に操作者の頭部に生体計測装置110を装着し(S20)、操作者が選択した課題に応じて所定のタスクを与えながら脳機能計測を行う(S21)。このとき、取得した操作者の内部状態(注意・作業記憶・学習定着度など)の情報と生体信号計測(光トポグラフィ・脳波・脈拍・呼吸・血圧)の信号を取得する。例えば操作者が「注意課題」を選択した場合、見落とし・聞き間違え・勘違いといった感覚的錯誤を検出するために、生体計測として光トポを脳部位の全体、あるいは主に後頭頂葉と背側前頭葉、をそれぞれ複数点同時に計測する。そしてこれらの計測信号から生体由来の雑音を除去するための信号処理を行い、それらのデータを訓練セットすなわち個々人用に「脳活動・行動のデータベース」としてデータベース化し、外部記憶装置140に記録する(S22)。光トポの代わりに脳波を用いて同様なデータベースを作成しても良い。あるいは、光トポもしくは脳波と、脈拍・呼吸・血圧の少なくとも1つとを同時に計測し、これらを組み合わせた生体計測信号と操作者の内部状態の信号とから、データベースを作成しても良い。なお、生体信号計測の前処理には、周波数バンドパスフィルタ、多項式ベースライン補正、主成分分析、独立成分分析等を用いる。
「脳活動・行動のデータベース」
ヒューマンエラーの可能性が高まっている状態を脳活動から推定するためには、機械学習分類アルゴリズムを最適化する必要があるため、操作者の行動を記録し、エラーが起きた場合と起きなかった場合の脳活動をデータベース化する必要がある。すなわち、操作者毎の行動とそれに対応する脳活動のデータベースを生成する。これは、一操作者専用としてローカルハードディスクに記憶してもよい。もしくは、同じ操作課題を行う複数操作者からのデータをインターネット上でデータベース化し、個人の特性と集団の特性を記憶する方法もある。
図2において、さらに、その個人データベースを訓練セットとして機械学習アルゴリズムを最適化する(S23)。
「分類アルゴリズムの最適化」
前記S22で得られたデータベースをトレーニングデータとして、分類アルゴリズムを最適化する。
分類アルゴリズムには、マージン最大化原理に基づくサポートベクターマシンや、ベイズ学習に基づくレレバンスベクターマシンなどが利用できる。上記S22,S23で得られたデータから、分類アルゴリズムをトレーニングし、最適パラメタを決定する。サポートベクターマシンの場合、過学習を防ぐため、クロスバリデーション法を用いて汎化性能が最大になるように、パラメタを学習する。
さらに、前記操作者に対して、その最適化された機械学習アルゴリズムに基づき、タスクを課し又はタスクの代わりに現場でのパソコン操作などの実務の作業(タスク無し)を開始し(S24)、この状態で生体信号の計測を行う(S25)。そして、生体信号の計測結果と予め取得された個人データベースの情報とから、操作者の内部状態を推定する(S26)。この内部状態を、予め設定された閾値と比較することで、ヒューマンエラーの起こりやすい状態を予測・検出する(S27)。
「実作業場で得られた脳活動信号からの行動分類」
実作業現場で測定した脳活動に、S23で最適化された分類アルゴリズムを適用し、過失が起きていないかどうかを分類し、過失の起こりうる確率(過失確率)を計算する。
この閾値には、後で説明する図6Bの「判断境界」を採用する。例えば、図1Bに示したように、操作者Aに対する課題開始後、時刻t2からt3の状態判定区間における操作者Aの生体計測信号の測定結果を処理した値が丸印で示したものであれば、「判断境界」よりも上側の「状態A」にあるので、装置本体100は、操作者Aの現在の状態が心身共に良好な状態であると判定する。逆に、「判断境界」よりも下側の「状態B」にあれば、操作者Aの現在の状態が良好ではないと判定する。なお、時刻t2からt3の区間では、所定の時間間隔、たとえは1秒毎に測定結果が得られるので、この状態判定区間における複数の測定結果の平均値を算出し、この平均値が「判断境界」のいずれの側にあるかを判定する。
そして、この結果に応じて視聴覚的・触覚的に最適な情報を呈示する(S28、S29)。例えば、前記操作者が過失を起こしやすい状態にある場合には本人若しくは使用者の注意を喚起する表示等を行う。
「過失防止のための注意喚起呈示装置」
すなわち、前記S26、S27で得られた過失確率に応じて、操作者および監督者の注意を喚起する視覚的・聴覚的もしくは触覚的呈示装置を用意する。
過失確率に応じた注意喚起画面のサイズ調節が例として挙げられる。注意喚起画面による作業への障害が最小限に留めつつ、見落としを防止することを目的とする。過失確率が高い場合(p>0.7)には、見逃しの起きる可能性が高いので、作業に障害が出ることを犠牲にしてでも注意喚起画面を大きく表示する。一方過失確率が小さい場合(p<=0.7)には、注意喚起画面を小さく表示する。
「データベースの更新」
また、S24でタスク有りの状態で時得られた脳活動データと行動データについては、脳活動・行動のデータベースに追加し、正答確率の時系列パターンや判断境界のパターンのデータを更新することで、データベースの質向上をはかる(S30)。
次に、「脳活動・行動のデータベース作成」の処理(図2のS20〜S22)の詳細について、発明者の行った実験結果も踏まえながら、説明する。すなわち、本発明による生体及び脳機能信号を用いた操作者内部状態の推定が技術的に可能であることを示すため、発明者が複数の被験者に対して行った、光トポにサポートベクターマシンを適用して視覚的錯誤状態を推定した実験の例、及びその結果について、以下に記述する。
まず、図3は、変化検出課題を用いた、光トポ脳活動の測定の様子を示している。課題の提示期間中、被験者はノートPCの画面に呈示される視覚刺激に応じて、外部機器(またはノートPC)のキーボードを用いて反応する。これにより、被験者の内部状態のデータが得られた。同時に、その際の脳活動を、全頭88チャンネルの光トポによる全頭計測を行った。これにより、内部状態のデータの取得と時間的な関連を有する被験者の生体計測信号が得られた。我々は、視覚的錯誤を実験的に検証するため、6人の被験者に対して、非特許文献3で用いられた変化検出課題を提示して測定を行った。
データベース作成にあたり、操作者は、図4の手順を踏まえるものとする。図4は、行動データおよび脳活動データの取得法、換言すると、「脳活動・行動データベース」の作成のフローチャートである。
操作者は、光トポ計測装置を装着する(S40)。
操作者は、ID、氏名、個人情報を登録し、新規データベースを作成する(S41)。
プルダウンメニューから、自身が検出したいと思うヒューマンエラー要因、たとえば「注意力」、「作業記憶」、「スキル学習」などの項目を選択する(S42)。
次に、操作者は、上記(S42)で選択された項目に応じた心理物理課題をこなす。すなわち、
注意課題を選択した場合(S43)、変化検出課題を行う(S44)。この場合行動データは各試行での正解(視覚刺激変化を正しく報告した)か、不正解(視覚刺激変化を見逃した)かである。図5A,図5Bは、実験に用いた変化検出課題の模式図である。この模式図に関しては後で説明する。
作業記憶課題を選択した場合(S45)、画面に呈示されたひらがなを数秒から数十秒間記憶した後、記憶したものと呈示されたものが同じかどうかを答える(S46)。この場合行動データは各試行での正解(覚えてマッチした)か不正解(忘れてマッチし損ねた)かである。
スキル学習課題を選択した場合(S47)、位置が速度と変換されるようなジョイスティックを用いて画面上のターゲットを追従する操作を学習する(S48)。この場合行動データは、ターゲットからの位置誤差である。
それぞれの課題を100回試行程度行い、脳活動および行動データを記録する(S49)。
すなわち、上記心理物理課題の提示と並行して計測されたi番目試行の脳活動データ(被験者の生体計測信号)をxi、行動データ(被験者の内部状態のデータ)をyiとする。それらを対 (xi, yi)にする。これらのデータ対を全ての試行(xi, yi) (i=1,…,N)に亘ってハードディスク上に記録する。
必要があれば、上記(S49)で記録した個人データをインターネット経由で登録し、被験者毎のデータベースを作成する(S50)。この時個人が特定されないよう配慮する。
図5Aの「変化検出課題」において、一試行は以下の(S51)〜(S55)からなり、被験者は以下に説明する「文字タスク」と「顔タスク」を呈示される。
(S51) 被験者は顔の正面30cmに配置された液晶ディスプレイ上の固視点(+)を凝視する。
(S52)その間、固視点の上下に三文字、例えばXBV,GVZのアルファベットからなる二つの文字列と、左右に二つの顔からなる画面が500ミリ秒呈示される。上下の文字列に特定のアルファベット(この場合”X”)が含まれるかどうかを、キーボードで即座に報告する(文字タスク)。
(S53)灰色のブランク画面が500ミリ秒呈示される。
(S54)上記ステップ(S52)と(S53)を4回繰り返す。この際左右いずれかの顔刺激が入れ替わる場合がある(図5B参照)。
(S55)画面上の顔刺激が入れ替わったかどうかをキーボードで報告する(顔タスク)。
一セッションは30試行からなり、全体の1/3の試行では同じ顔が繰り返し表示されるのに対し、2/3の試行では左右どちらかの顔が他の顔に入れ替わる事とした。認知心理学の分野では、人が一度に処理できる情報には上限あることが示されている(非特許文献2)。ここでは、文字タスクと顔タスクを同時に課す二重タスクの設定により、被験者が顔変化に向けられる注意のリソース配分が減り、顔変化を見逃すことが予想される。
実際、被験者6名の平均正答率は55.6%であった。顔変化があった試行のうち、変化があったと被験者が報告した試行を変化検出試行、変化がなかったと被験者が報告した試行を変化見落とし施行と呼ぶことにする。上記の変化検出課題で測定された脳活動から、変化に気付いた試行と見落とした試行を分類できるかどうかを検討する必要がある。
次に「分類アルゴリズムの最適化」の処理(図2のS23)の詳細について、発明者の行った実験結果も踏まえながら、説明する。
以下では、光トポ信号から変化検出試行と変化見落とし試行を分類した手法について、4ステップに分けて順次説明する。
(S1)「光トポ信号に含まれるノイズ除去の前処理」
光トポ信号には、心拍や呼吸といった全身性由来の信号や生体特有のノイズ、また測定器レーザーの揺らぎによるノイズなどが含まれている。これらを除去し、脳活動由来の信号を抽出するため、移動平均(3秒)による平滑化および多項式(三次)フィッティングによるベースライン除去を行った。
(S2)「チャンネル除外」
光トポ振幅が0.5以上、または周波数スペクトラムが白色雑音と統計的に区別できないチャンネルは、ノイズの寄与が強いと判断し、以下の解析から除外した。
(S3)「複数チャンネル信号を用いた分類アルゴリズムによる変化検出・変化見落とし試行の分類化」
分類アルゴリズムにおいて複数チャンネルを用いる際、いくつのチャンネルを用いればいいかを決定する必要がある。一般にチャンネル数を増やすとトレーニングデータに対する分類確率は向上するが、テストデータに対する汎化はむしろ悪化する。そのため、チャンネル数を1,2,3の場合を検討した。ステップ(2)で除外されなかった総チャンネル数をNとすると、それぞれ、N, N(N-1)/2!, N(N-1)(N-2)/3!の場合に付いて分類アルゴリズムを適用することになる。
分類アルゴリズムとして、サポートベクターマシンを用いた。変化検出・変化見落としでラベル付けした光トポ信号から分類正答確率を計算する際、汎化性能を評価するために、実験データをトレーニングデータとテストデータにランダムに分けて汎化性能を評価するN-foldクロスバリデーションを用いた。光トポ信号は10Hzの時系列信号として与えられているため、各試行開始時刻を0として、上述した計算を−5〜12秒まで0.1秒刻みで計算し、分類正答確率の時間変化を追った。
サポートベクターマシンとは、機械学習における分類アルゴリズムの一手法で、「判断境界」から分類データのマージンを最大化するという基準のもとに最適な判断境界を決定するものである。図6A、図6Bにサポートベクターマシンの概念図を示す。トレーニングにおいて、図6Aに示すように、状態Aの二次元データ(白点)と状態Bの二次元データ(黒点)が与えられた際、マージンを最大にするように「判断境界は決定される。黒丸で囲まれたデータは判断境界を決める上で重要な役割を果たすサポートベクターと呼ばれる。マージン最大化により、テストデータが誤って分類される危険性が最小化される。
次に、図6Bに示すように、トレーニングデータから計算された判断境界を用いて、テストデータへの汎化性能が計算できる。すなわち、図6Aで決定された判断境界を用いて、新たに得られたデータxに対して、(式1)であれば状態A、(式2)であれば状態Bであると判断する。
Figure 0005476137
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クロスバリデーションとは、与えられた訓練データセットのみで統計解析のパフォーマンスを評価する手法である。まず、訓練データセットを人工的にトレーニングとテスト用に分ける。前者で統計解析を最適化し、後者を用いてその統計解析のパフォーマンスを評価する。N-fold クロスバリデーションでは、訓練データの分け方をランダムにしたものをN回繰り返すことで、より正確なパフォーマンスを評価する。
(S4)教師なしクラスタリングアルゴリズムを用いた分類正答確率の特徴抽出
上記(S3)で計算された全ての複数チャンネルの組合せから得られる分類正答確率がどのような時間変化パターンをもつかを調べるため、教師なしクラスタリングアルゴリズムを用いた。クラスターの数は自動的に決定することも出来るが、ここでは得られた時系列パターンを目視して適当と思われる個数を指定した。クラスタリングアルゴリズムとして、代表的なk-meansクラスタリング法を用いた。
上記実験の解析結果として、以下の4点が得られた。
(a)複数チャンネル仕様による分類確率の向上:
図7に、総チャンネル数Nを変化させた場合の分類確率を示す。ここでは、左から1チャンネル(A)、2チャンネル(B)、3チャンネル(C)を選んでサポートベクトルマシンを適用した場合の、分類確率で振幅が大きいものの上位20系列を示した。図7から明らかな通り、分類アルゴリズムに用いるチャンネル数は1個では不十分で、複数個用いる必要がある。また、2個と3個では分類確率にそれほど差がなく、計算時間を短縮する実用上2個で十分と思われる。
例えば、内部状態として「注意」を選定した場合、見落とし・聞き間違え・勘違いといった感覚的錯誤を検出するために、生体計測として、被験者の後頭頂葉と背側前頭葉の各脳部位から各1チャンネル選んで1組のペアを構成し光トポを測定しても、十分な効果が得られる。また、内部状態として「作業記憶」を選定した場合、度忘れ・し忘れといった失念および失行を検出するために、生体計測として、被験者の背側前頭葉の各脳部位から各1チャンネル選んで1組のペアを構成し光トポを測定しても良い。さらに、内部状態として「スキル学習の固定化」を選定した場合、スキル不足により生じる過失を検出するために、生体計測として、脳部位として被験者の前頭葉と運動野の各脳部位から各1チャンネル選んで1組のペアを構成し光トポを測定しても良い。
(b)分類確率の時系列パターン:
図8に、脳機能計測における変化検出課題において、被験者が変化に気づいたか、又は見落としたかを示す、分類確率の時系列パターンの典型的な例を示す。(A)の例は、変化検出課題の「錯誤課題期間」の呈示後に分類確率が上昇しており、被験者が外界に向ける注意のメカニズムが良好ではないことを示している。一方、(B)の例は、課題終了前から分類確率が上昇しており、被験者が外界に向ける注意のメカニズムが良い状態にあることを示している。
図9は、分類確率の時系列パターンに関する被験者4名の実験データを、測定チャンネルのペアと共に示したものである。(ここでは、全チャンネルについて測定したのを示している。)
このように、分類正答確率には大きく分けて二通りの時系列パターンがある。一つは、課題終了まではチャンスレベル程度の分類確率を示すが、課題終了直後に上昇を始め、課題終了5秒後あたりで最大値を取るものである(図8の(A)および図9の(A),(B))。もう一つは、課題実行前から既にチャンスレベル以上の分類確率を示し、課題開始前後で最大値を取り、その後緩やかにチャンスレベルに戻っていくものである(図8の(B)および図9(C))。また、被験者によっては、両方のパターンが含まれることもある(図9の(D))。
(c)変化検出のモニター(錯誤のモニター):
図8の(A)に示したように、課題終了後に分類確率が最大値をとるものは、被験者が変化に気付いたかどうかという内観を分類していると考えられる。すなわち、この光トポ複数チャンネル信号にここでの手順を適用することで、直前に起きた外界変化に気付いたかどうかをモニターすることが可能になる。この信号は主に左半球の頭頂葉由来のもので、被験者のトップダウン型注意を表しているものと考えられる。なお、図11に、トップダウン注意とボトムアップ注意に関する脳部位を示す。
(d)変化検出の予測(錯誤の予測):
図8の(B)に示したように、課題開始前に分類確率が最大値をとるものは、被験者が変化に気付きそうかどうかという直後のパフォーマンスを予測していると考えられる。すなわち、この光トポ複数チャンネル信号にここの手順を適用することで、直後に起きる外界の変化に気付きそうかどうかという予測をすることが可能になる。この信号は主に右半球の頭頂葉由来のもので、被験者のボトムアップ型注意を表しているものと考えられる。
再現性の確認:
我々は、被験者二名に変化検出課題を後日繰り返し、同じ解析を適用し、分類確率の時系列パターンが同様に得られることを確認した。その結果を図10の(A)、(B)に示す。すなわち、(1)分類確率の時系列パターンは被験者毎に異なり、かつ、(2)同じ被験者であれば、所定の繰り返し回数により得られた分類確率の時系列パターンは常に同じものになる、ということを確認した。
上記の実験結果から、我々は、光トポ信号複数チャンネルを機械学習の分類アルゴリズムで分類し、操作者の内部状態を推定できる可能性を確認できた。このことから、被験者毎に正答率の高い時間を状態判定区間として操作者の内部状態を推定する、換言すると、図1Bに示したような判定用のデータベースを作成すればよいことが分かる。
見落とし・身間違いに代表される視覚的錯誤は、ヒューマンエラーの一要因として挙げられており、信号見落としやメール誤送信といった重大過失にもなり得るので、この予防策を提案することは社会的・経済的に重要性が高い。事前の脳機能計測における変化検出課題において、被験者が変化に気づいたか、又は見落としたかを、チャンスレベル50%のところ、全頭光トポグラフィ信号から70%−90%程度の確率で再現することができた。すなわち、本発明によれば、高い確率でヒューマンエラーの起こりやすい状態を予測・検出し、過失の危険度が高い状態にあると推定される場合には、操作者等にフィードバックすることができる。
実施例1で示した脳活動信号からの錯誤状態のモニターおよび予測は、他のタイプのヒューマンエラーにも一般化可能と期待できる。
本発明の第二の実施例として、作業記憶状態の推定による失念・失行の防止機能を備えたヒューマンインターフェイスについて、説明する。
ここでは、失念(ど忘れ)や失行(し忘れ)といったヒューマンエラー要因を、脳機能計測から予測及びモニターする実施例を説明する。失念および失効には、ある特定の作業に使われるための短期記憶である作業記憶が正しく機能する必要がある。短期記憶には大きく分けて空間性と言語性があり、前頭葉外側部のそれぞれ45野と46野によって処理されていることが知られている。
図12Aは、最適タスク設定のデータベース作成のフローチャート、図12Bは、最適タスク判定手法のフローチャートである。
図12Aにおいて、事前に操作者の頭部に生体計測装置110を装着し(S120)、安静状態(タスク無し)で、所定時間だけ操作者の脳機能計測を行う(S121)。次に、操作者は、例えば職場で毎朝、職場のパソコン操作などの実務の作業(タスク無し)を開始し(S122)、操作者の脳機能計測は行わずに作業を続ける(S123)。そして、操作者が、当日の作業内容・作業成績を基に主観的な評価を行い、その結果を毎日、外部機器などを介して装置本体100に入力する(S124)。装置本体100は、入力を受け付ける度に、安静状態での操作者の生体信号の計測結果と主観的な評価の情報とから、操作者の内部状態を推定するためのデータベースを生成、更新する(S125)。この処理は、十分な数のデータ数が得られるまで、日々繰り返される(S126、S127)。このような生体信号と主観的な評価に基づくデータを用いて、汎化分類確率を最大化するように機械学習の分類アルゴリズムを最適化する。すなわち、これらのデータに対して図6Aに示したような状態A,状態Bの分類を行い、図6Bに示したような「判断境界」が得られる。このようにして、図1Bで述べたものと同様な、ヒューマンエラーの起こりやすさの判定基準を与える判断境界のパターンを有する最適タスク設定のデータベース140B’が作成される。なお、装置本体100の他の機能に関しては、実施例1の装置と同じものとする。
次に、操作者が日々の業務における失念・失行を防止するために、上記の最適タスク設定のデータベースを利用する状態を図12Bで説明する。この場合も、操作者の頭部に生体計測装置を装着し(S130)、安静状態(タスク無し)で、所定時間だけ脳機能計測を行う(S131)。装置本体100は、当日測定された生体計測の情報と最適タスク設定のデータベース140B’に基づき、当日の操作者の内部状態を推定し、判定結果やアドバイスを生成、出力する(S132)。
次に、操作者が現場でのパソコン操作などの実務の作業(タスク無し)を開始し(S133)、操作者の脳機能計測は行わずに作業を続ける(S134)。そして、操作者が、当日の作業内容・作業成績を基に、主観的な評価を行い、その結果を装置本体に入力する(S135)。装置本体100は、安静状態での操作者の生体信号の計測結果と主観的な評価の情報とから、操作者の内部状態を推定するためのデータベース140B’を更新する(S136)。
このようにして、最適化された分類アルゴリズムを用いて、操作者が現在の課題に対して作業記憶を適切に保っていられそうかどうか(作業記憶の予測)、また作業記憶を適切に保っているかどうか(作業記憶のモニター)を、測定された脳活動から推定することが可能であると期待される。作業記憶に関して過失を犯す確率が高くなった場合には、視覚的・聴覚的もしくは触覚的呈示装置を用いて操作者もしくは管理者に対して注意を喚起することにより、失念・失行によるヒューマンエラーを防ぐことが可能となる。
本実施例は第一の実施例と比較して、最適タスク設定のデータベースの作成に時間を要する欠点があるが、作業現場で手軽に利用できる利点がある。
本発明は、スキル定着度の評価による、スキル不足に起因する過失の防止にも適用できる。
ヒューマンエラーの一要因として、課題を遂行するのに十分なスキルを身につけていないというスキル不足が挙げられている。例としては、制御盤の手順を十分に習得していないまま実作業現場で操作したり、運転技能が未熟なまま道路に出たりといった際に、重大な事故に繋がる可能性がある。したがって、特定のスキルが十分習得されているかどうかを定量化することは、操作者が実作業現場に配置可能かどうかの一つの判断基準になる。
最近の認知心理科学によると、(1)スキルの定着には一定以上の時間および練習回数が必要なこと、(2)パフォーマンスが飽和した状態で即練習を終了すると、スキルは定着化しないこと、(3)スキルの定着化には、パフォーマンスが飽和した状態で練習を続けなければならないこと、といった点が明らかになった(文献)。しかし、飽和した状態でどれくらい練習を積めば定着化するかは明らかになっておらず、後日の再テストによってのみ、スキル学習が定着化したかどうかが明らかになる。一方、実際のトレーニング、例えば原子力作業盤操作のトレーニングでは、トレーニングセンターに出向き訓練を受けたあと、それぞれの作業現場に配置されるため、再テストの機会を作ることが出来ない。このため、トレーニングセンターではあるスキルに関して一定のパフォーマンスを収めたが、そのスキルが定着化しないまま実務につくことになった場合、大事故に繋がる危険性がある。したがって、スキル定着化度を定量化することはヒューマンエラーの防止に不可欠である。
実施例1及び2では、脳機能計測装置を常時装着する必要があった。実施例3では、操作者のスキル定着度評価を目的に、常時装着を必須としない場合を説明する。
実施例3でも、上記実施例1,2と同様に、スキル学習時の脳活動に分類アルゴリズムを適用してスキル定着化度を計算する。例えば、図2のS20〜S22や図4のS41〜S42、S47〜S50と同様な処理により、スキル定着化度を計算し、行動および脳活動データをデータベース化する。
この実施例3は、上記実施例1,2と以下の二点で異なる。
まず、S22の「脳活動・行動のデータベース作成」において、単一の被験者ではなく、様々なスキル定着段階にある複数の被験者からの行動および脳活動データをデータベース化し、それをトレーニングセットとして分類アルゴリズムを最適化する。実施例1,2の好ましい適用対象は、視覚的錯誤や失念といった比較的短時間(数秒〜数十秒)の認知的過失である。この場合、時間的揺らぎが大きく、個人差間の比較は難しいと思われる。一方、スキル定着化は長い時間スケール(数十分〜数時間)で起こる現象であるため、時間的平均が取り易く、個人差間の比較が可能であると期待される。これにより、被験者が同じ学習課題を繰り返し行う労力と時間を節約できる。
実施例3では、脳機能計測はスキル定着化を評価する際のみに用い(図4のS48〜S49)、最初の光トポ計測の処理(S40)は省略される。このような被験者からの行動および脳活動データを用いて、汎化分類確率を最大化するように機械学習の分類アルゴリズムを最適化する。すなわち、これらのデータに対して図6Aに示したような状態A,状態Bの分類を行い、図6Bに示したような「判断境界」が得られる。このようにして、図1B等で述べたものと同様な、ヒューマンエラーの起こりやすさの判定基準を与える判断境界のパターンを有する最適タスク設定のデータベース140B”が作成される。なお、装置本体100の他の機能に関しては、実施例1の装置と同じものとする。
これにより脳機能計測による身体的拘束や付随する身体的負担・疲労を除くことが出来る。
近年の脳機能イメージング研究では、スキルが定着化する際に、行動面では変化が無くとも、脳活動の活動中心が転移することが示されている。例えば外力場のスキル学習では前頭前野から運動野へ、手順を覚える系列学習では大脳基底核の吻側部から尾側部に、スキル固定化に伴い活動が移る。したがって、スキル学習中に脳活動測定を行い活動の中心がどのように転移したかを定量化することで、スキル定着化度を定量化することができる。この方法を用いることで後日の再テストが不要となり、またスキル不足のまま実作業現場に配置されることが防止される。
本発明は、生体信号から推定される状態に応じて、個人の適性に合わせた課題の選択、にも適用できる。
上記実施例1,2,3は、「錯誤が起きた(起きる)かどうか」、「失念したか(するか)どうか」、あるいは「スキルが定着化したかどうか」といった二値判断課題の例について説明した。実施例4では、より一般の多値判断課題を提案し、一応用例としてその日の状態に応じた仕事内容の決定支援装置を説明する。
まず、非特許文献4によれば、癲癇の患者において、癲癇の起こる数時間〜7時間の脳活動から発作の予兆を見いだせることが報告されている。したがって、朝の脳活動データから、その日一日のパフォーマンスを予測できることが期待できる。
実施例4では、ある被験者が、朝に十分程度測った脳活動データと、同日の終わりに日中どのような仕事内容に従事し、個人的なパフォーマンスを評価した行動データを、対にしてデータベースとして記憶する。仕事内容としては大きくカテゴリー化したものを被験者が予め設定し、例えば、記憶課題・プレゼンテーション・詳細なチェック課題・文章構成・対外交渉などとする。一日のデータを一単位とし、数ヶ月測定したデータベースをトレーニングデータとし、分類アルゴリズムの最適パラメタを決定する。この実施例は、上記実施例1,2,3と異なり、複数の仕事内容からその日に最適な仕事内容を一つ選ぶことが目的であるため、多値判断問題である。このような問題には、ベイズ統計に基づくレレバンスベクターマシンが有用である。実施例4でも、図1B等で述べたデータベースに相当する、ヒューマンエラーの起こりやすさの判定基準を与える最適タスク設定のデータベースを生成する。このようにして、最適化されたレレバンスベクターマシンを用いて、被験者に対して、朝の脳活動からその日最高のパフォーマンスを見せる仕事内容を提案することができる。これにより、その日に不向きな仕事内容で時間を費やすことが減り、またヒューマンエラーの減少も期待することが出来る。
[変形例]
なお、上述の各実施例は脳機能計測法として光トポグラフィを用いたが、機能的MRIや脳波といった他手法でも同様に実施可能である。
脳機能計測法として機能的MRIを用いる場合には、その比較的低い時間的解像度のため、実施例1および2のような実時間でヒューマンエラーを検出する応用には直接的に応用は難しい。むしろ、実施例3もしくは4のように長い時間的スケールの脳活動状態を、機能的MRIの高い空間分解能で解析するのに適していると思われる。また、機能的MRIでは、光トポグラフィでは観察できない小脳・大脳基底核などといった脳深部位活動を計測できる。それらは系列学習や運動の自動化といった機能に関連が知られているため、機能的MRIによるそれらの機能定量化に応用することが可能である。
100…装置本体、110…生体計測装置、120…信号解析装置、130…課題呈示装置、140…外部記憶装置、150…外部機器、160…操作者(被験者)。

Claims (15)

  1. 被験者の内部状態の情報と、該内部状態の情報と時間的関連性を有し生体由来の雑音を除去した前記被験者の生体計測情報とをセットとして取得し、個人用のデータベースを生成する個人データベース生成手段と、
    前記個人用のデータベースを訓練セットとして分類アルゴリズムを最適化する分類アルゴリズム最適化手段と、
    前記被験者の生体信号計測により得られた新たな生体計測情報に、前記最適化された分類アルゴリズムを適用して、前記被験者の内部状態を推定する行動推定手段と、
    前記推定結果に基く情報を呈示する情報呈示手段とを備え、
    前記被験者の内部状態が感覚的錯誤に関するものであり、
    前記個人データベース生成手段は、前記被験者に対する課題の呈示手段と、該課題の呈示状態と関連して前記被験者に対する光トポグラフィによる生体計測を行う生体計測手段とを有しており、
    前記感覚的錯誤を検出するために、前記新たな生体計測として、前記光トポグラフィを前記被験者の主に後頭頂葉と背側前頭葉の少なくとも1組の脳部位において同時に計測する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  2. 被験者の内部状態の情報と、該内部状態の情報と時間的関連性を有し生体由来の雑音を除去した前記被験者の生体計測情報とをセットとして取得し、個人用のデータベースを生成する個人データベース生成手段と、
    前記個人用のデータベースを訓練セットとして分類アルゴリズムを最適化する分類アルゴリズム最適化手段と、
    前記被験者の生体信号計測により得られた新たな生体計測情報に、前記最適化された分類アルゴリズムを適用して、前記被験者の内部状態を推定する行動推定手段と、
    前記推定結果に基く情報を呈示する情報呈示手段とを備え、
    前記被験者の内部状態が作業記憶に関するものであり、
    前記個人データベース生成手段は、前記被験者に対する課題の呈示手段と、該課題の呈示状態と関連して前記被験者に対する光トポグラフィによる生体計測を行う生体計測手段とを有しており、
    前記作業記憶を検出するために、前記新たな生体計測として、前記光トポグラフィを前記被験者の主に背側前頭葉の少なくとも1組の脳部位において同時に計測する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  3. 被験者の内部状態の情報と、該内部状態の情報と時間的関連性を有し生体由来の雑音を除去した前記被験者の生体計測情報とをセットとして取得し、個人用のデータベースを生成する個人データベース生成手段と、
    前記個人用のデータベースを訓練セットとして分類アルゴリズムを最適化する分類アルゴリズム最適化手段と、
    前記被験者の生体信号計測により得られた新たな生体計測情報に、前記最適化された分類アルゴリズムを適用して、前記被験者の内部状態を推定する行動推定手段と、
    前記推定結果に基く情報を呈示する情報呈示手段とを備え、
    前記被験者の内部状態がスキル学習の固定化に関するものであり、
    前記個人データベース生成手段は、前記被験者に対する課題の呈示手段と、該課題の呈示状態と関連して前記被験者に対する光トポグラフィによる生体計測を行う生体計測手段とを有しており、
    前記スキル学習の固定化を検出するために、前記新たな生体計測として、前記光トポグラフィを前記被験者の主に前頭葉と運動野の少なくとも1組の脳部位において同時に計測する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  4. 請求項1において、
    前記感覚的錯誤を検出するために、前記新たな生体計測として、前記光トポグラフィと共に、前記被験者の脈拍、呼吸もしくは血圧を測定する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  5. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記個人データベース生成手段は、前記被験者に対する課題の呈示手段と、該課題の呈示状態と関連して前記被験者に対する脳波による生体計測を行う生体計測手段とを有している
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  6. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記個人データベース生成手段は、前記生体計測情報に関する信号の前処理において、周波数バンドパスフィルタを用いると共に、多項式ベースライン補正、主成分分析、もしくは独立成分分析の少なくとも1つを用いる
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  7. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記個人データベース生成手段は、前記個人用のデータベースの保存装置として、ローカルハードディスクもしくはインターネットによるサーバを備えている
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  8. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記個人データベース生成手段は、前記被験者に対する課題の呈示手段と、該課題の呈示状態と関連して前記被験者に対する光トポグラフィによる生体計測を行う生体計測手段とを有しており、
    前記分類アルゴリズム最適化手段は、前記生体計測もしくは脳機能活動計測において、複数チャンネル信号を機械学習の分類アルゴリズム入力として用いる
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  9. 請求項において、
    前記分類アルゴリズム最適化手段は、前記機械学習アルゴリズムとして、分類法に、サポートベクターマシン、レレバンスベクターマシン、またはバギングのいずれかを用いる
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  10. 請求項において、
    前記分類アルゴリズム最適化手段は、前記機械学習アルゴリズムにおいて、記憶・失念といった二値分類課題において、サポートベクターマシンとクロスバリデーションを用いる
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  11. 請求項において、
    前記分類アルゴリズム最適化手段は、前記機械学習アルゴリズムにおいて、二値以上の分類課題において、レレバンスベクターマシンを用いる
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  12. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記分類アルゴリズム最適化手段は、
    前記被験者に対する課題の提示と並行して計測されたi番目試行の前記生体計測信号をx i 、前記内部状態のデータをy i としたとき、前記生体計測の信号と前記内部状態のデータを対 (x i , y i )にして、これらのデータ対を全ての試行(x i , y i ) (i=1,…,N)に亘って記録装置上に記録し、これら訓練セットとして前記分類アルゴリズムを最適化する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  13. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    予め取得される前記被験者の内部状態の情報及び前記生体計測情報は、前記被験者に生体計測装置を装着し課題を与えた状態での計測結果であり、
    前記被験者に生体計測装置を装着し課題を与えた状態で前記新たな生体計測情報と新たな前記内部状態の情報を取得し、これらの情報に前記最適化された分類アルゴリズムを適用して、前記被験者の内部状態を推定する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  14. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    予め取得される前記被験者の内部状態の情報及び前記生体計測情報は、前記被験者に生体計測装置を装着し課題を与えた状態での計測結果であり、
    前記被験者に生体計測装置を装着し課題を与えず実作業下で前記新たな生体計測情報と新たな前記内部状態の情報を取得し、これらの情報に前記最適化された分類アルゴリズムを適用して、前記被験者の内部状態を推定する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
  15. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記被験者に生体計測装置を装着し安静状態の脳機能計測を行った生体計測情報と、該被験者が前記生体計測装置を装着しない状態での実務の作業内容・作業成績を基に主観的な評価を行った結果に基いて生成された前記被験者の内部状態の情報とにより、前記個人データベースとして最適タスク設定のデータベースを生成し、
    安静状態で計測された前記被験者の新たな内部状態のと前記最適タスク設定のデータベースに基づき、当日の前記被験者の内部状態を推定し、判定結果やアドバイスを生成、出力する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェイス。
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