JP5472575B2 - 対向面内所定位置における対向面間距離測定装置及び方法、及びそれらを用いた高平面度加工方法 - Google Patents

対向面内所定位置における対向面間距離測定装置及び方法、及びそれらを用いた高平面度加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、一対の対向被測定体の対向面間距離を対向面内の所定位置において測定するための装置、及び方法に関する。より詳細には、本発明は、対向面間で1回以上反射された後に透過したそれぞれの光と反射されずに透過した光とが従う干渉条件が対向面間距離に応じて変化することを利用して、対向面の不均一さ、すなわち対向面内所定位置に依存して変化する対向面間距離を測定するための装置、及び方法に関する。
さらに、本発明は、そのような装置又は方法により対向面内の各位置における対向面間距離を測定することにより、対向面の平面度を高精度で測定し、その測定結果を利用して高平面度加工をするための方法に関する。
材料表面を高い平面度に加工するための技術が、さまざまな分野において必要とされている。例えばレーザー発振器において用いられる一対の反射ミラーは、光の干渉現象を利用することにより励起光をミラー間で増幅させるためのものであるが、この干渉条件をより厳密に制御するためには、ミラー表面の高い平面度が必要である。また、半導体技術のあらゆる分野で広く利用されているシリコンウエハについても、近年の技術進歩による半導体部品の微細化、高度化に伴い、より高純度で平面度の高いものが要求されている。また、特に科学技術研究において用いられる測定機器に関しては、極めて高い精度で光学観測を行うための大口径平面鏡等、一般に市場流通しているものを大幅に超える高い平面度が要求されることがある。
そのような高い平面度を有する平面の作成は、一例として、まず材料を研磨し、作成された平面の平面度を検査し、検査結果として所望の平面度が得られていないと判断された場合には更に研磨と検査を繰り返すといった手順により行われる。この場合、求めている平面度が高い場合には上記手順を多数回反復する必要が生じるため、より短時間で平面度を検査するための検査技法が必要とされる。
また、極めて高い平面度の平面を作成できたとしても、その平面度を正しく測定することができなければ、そもそもどの程度の平面度が達成されたのかを知ることができないから、平面度計測精度の上限は、同時に平面作成精度に対しても、その上限を設定するものである。
光の干渉現象を利用して平面度を測定する方法は、従来から知られている。
一例として、測定対象である一対の平面鏡を、研磨面が対向した状態で所定の傾斜角度を与えて重ね、そこへ光を照射した際に生じた干渉縞の位置を計測するという方法がある(図1)。図1のように重ねた一対の平面鏡において両研磨面の接触点から距離xだけ離れた位置を考えると、一方の研磨面で反射される入射光と他方の研磨面で反射される照射光との間には、仮に研磨面が完全な平面であるとした場合2xtanαの光路差が存在する。この光路差が(反射による位相のずれを考慮して)照射光波長の半整数倍に一致するようなxにおいて、それぞれの反射光が共振する(強めあう)こととなる。このようにして計算される理想的な干渉縞の位置xと、実験的に、一般的には干渉縞をフィルムで撮影し、撮影像を拡大することで計測される干渉縞位置の実測値xと、の間のずれを評価することにより研磨面の平面度を測定するという方法が、従来から用いられている。同様に光の干渉現象を利用して光路差の理想値からのずれを決定することにより平面度を測定するための方法としては、例えばフィゾー干渉計を用いる方法も広く採用されている。
その他には、測定対象に対して白色光を照射し、これを走査し、各走査点において得られた測定データに数値演算を施すことにより、測定対象の3次元構造を高精度で測定できるような、白色干渉法を利用した3次元構造解析装置も開発されている(非特許文献1)。
佐藤 敦 「白色干渉法を利用した最新の表面形状評価技術」 表面技術 Vol. 57, p.554 (2006)
しかしながら、上記従来技術による検査技法はいずれも、より短時間で精度よく平面度を計測するという要求に応えることができない。図1を用いて例示した方法を実行するには計測や現像などを含めれば数日かかるのが通常であるし、またこの方法によって達成できる計測精度は約3nm程度までである。フィゾー干渉計による方法においても、一般的な光源(波長約633nmのヘリウムネオンレーザー等)を用いた計測により数nmを超える精度で平面度を測定することは不可能である。
この程度の精度では上述した科学技術研究における要望に応えることができないし、また上述のとおり今後更なる微細化、高度化が予想される半導体部品作成等のための技術に用いる場合にも、やはり不十分である。
また3次元構造解析装置を用いればそれらを超える精度を達成することも可能ではあるが、そもそも解析装置の構造上、測定手段としての白色光を照射する範囲が限定されるのであり、その結果平面度の測定可能な領域も、測定器のサイズに応じてその上限が自ずと定められることとなる。したがってそのような装置を上記大口径平面鏡の平面度測定に用いることは困難である。仮に用いるとしても、研磨面内全領域の平面度を測定するためには著しく大型の装置が必要となり、且つ測定には膨大な時間を要することとなる。または測定対象領域を小領域に分割した上で測定を行い、その後各測定結果を組み合わせて平面度を測定することも考えられるが、平面を検査する場合には組み合わせは困難であり、測定誤差が増大してしまう。すなわちそのような方法は適用範囲に制約があるものと言わざるを得ない。
そこで本発明は、先端技術分野、科学技術研究を含む幅広い用途に対して適用可能な、短時間で精度よく被測定体の平面度を測定するための方法、及びそれを利用した高平面度加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、一対の対向被測定体の対向面間所定位置における対向面間距離を測定するための装置を提供する。その測定装置は、狭帯域光発生手段と、狭帯域光発生手段より発生し一対の対向被測定体から透過された透過光を集光するための集光手段と、集光手段により集光された透過光を受光し、受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光を変換するための受光及び変換手段と、を含む。集光手段は、対向面内所定位置から出射した透過光を集光することにより、所定位置における対向面間距離に対応した干渉条件に従って干渉する透過光を集光することが可能である。
本発明に係る測定装置により得られる上記電気的信号を、例えば画像として表示するなど適宜選択した手段を用いて解析すれば、上記所定位置において出射した透過光が従う干渉条件が判明する。干渉条件が判明すれば、その干渉条件に対応して、上記所定位置における対向面間距離を決定することが可能となる。対向面内の全領域において上記測定を繰り返せば、対向面全体に亘っての平面度を測定することができる。測定結果として得られる平面度が所望される平面度に達していなかった場合には、対向面を更に研磨し、再び本発明に係る測定装置を用いて所望の平面度が達成されたか否かを検査することが可能である。
本発明の別の態様に係る測定方法は、一対の対向被測定体の対向面内所定位置における対向面間距離を測定するための方法である。その測定方法は、狭帯域光発生手段により狭帯域光を発生させる段階と、狭帯域光発生手段により発生し、一対の対向被測定体から透過された透過光を、集光手段により集光する段階と、集光手段により集光された透過光を、受光及び変換手段により受光する段階と、受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光を受光及び変換手段により変換する段階と、を含む。集光する段階は、対向面内所定位置から出射した透過光を集光することにより、所定位置における対向面間距離に対応した干渉条件に従って干渉する透過光を集光する段階を含む。
本発明に係る測定方法により得られる上記電気的信号を、平面度の測定、及びそれを伴う高平面度加工へと利用できることは、上記測定装置により透過光を電気的信号へと変換した場合と同様である。
本発明の更に別の態様に係る平面度測定方法は、一対の対向基板の対向面において作成した平面の平面度を測定するための方法である。その測定方法は、対向面に光反射膜を蒸着させる段階と、一対の対向基板に基板スペーサを挿入し、対向基板における対向面間距離を一定に維持する段階と、狭帯域光発生手段により発生した狭帯域光を一対の対向基板に照射する段階と、照射され、対向面内における所定位置において一対の対向基板から透過された透過光を、集光手段により集光する段階であって、所定位置から出射した透過光を集光することにより、所定位置における対向面間距離に対応した干渉条件に従って干渉する透過光を集光する段階を含む、段階と、集光手段により集光された透過光を、受光及び変換手段により受光する段階と、受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光を受光及び変換手段により変換する段階と、表示手段により、電気的信号を用いて電気的像を表示する段階と、電気的像を解析し、対向面間距離を決定する段階と、対向面内において所定位置を新たに選択する段階と、を含み、選択された2以上の所定位置に対して対向面間距離を決定することにより、2以上の所定位置における対向面間距離の不均一さを評価し、作成した平面の平面度を決定することが可能であるような、方法である。
測定結果として得られる平面度が所望される平面度に達していなかった場合には、対向面を更に研磨し、再び本発明の測定装置を用いて所望の平面度が達成されたか否かを検査することが可能である。
本発明の更に別の態様に係る平面作成方法は、一対の対向基板の対向面において平面を作成するための方法である。その平面作成方法は、対向面を研磨する段階と、対向面に光反射膜を蒸着させる段階と、一対の対向基板に基板スペーサを挿入し、対向基板における対向面間距離を一定に維持する段階と、狭帯域光発生手段により発生した狭帯域光を一対の対向基板に照射する段階と、照射され、対向面内における所定位置において一対の対向基板から透過された透過光を、集光手段により集光する段階であって、所定位置から出射した透過光を集光することにより、所定位置における対向面間距離に対応した干渉条件に従って干渉する透過光を集光する段階を含む、段階と、集光手段により集光された透過光を、受光及び変換手段により受光する段階と、受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光を受光及び変換手段により変換する段階と、表示手段により、電気的信号を用いて電気的像を表示する段階と、電気的像を解析し、対向面間距離を決定する段階と、対向面内において所定位置を新たに選択する段階と、選択された2以上の所定位置に対して決定された対向面間距離を用いて、2以上の所定位置における対向面間距離の不均一さを評価し、作成した平面の平面度を決定する段階と、決定された平面度を目標値と比較する段階と、を含み、比較結果に応じて対向面の再研磨が必要か否かを判断することが可能である、方法である。
本発明によれば、集光された透過光における光の干渉像を解析することにより、測定対象の平面度を高精度で測定することができる。本発明に係る装置及び方法は狭帯域光の入射方向に制限を課す必要がないため(例えば図1に示した従来技術の測定は、特定方向から入射した光のみの干渉縞を観測するものであり、このことはフィゾー干渉計においても同様である。一方本発明においては、図2に関連して後に説明するとおり、あらゆる方向からの入射光に起因する透過光が異なる入射方向ごとにそれぞれ作る干渉縞を同時に観測することが可能である。)、所定位置から出射する透過光の干渉像を各入射方向に対応した透過光干渉像の集合体として得ることが可能であり、すなわちより多くのサンプルに裏付けられた干渉像が得られることとなり、その結果、特定方向から入射した光のみの干渉に依存して測定するよりも精度のより高い、平面度測定結果を得ることが可能となる。また集光手段を、例えば焦点距離の大きい凸レンズを用いて大きな干渉像を得られるよう構成したり、集光された透過光を、例えば2次元電荷結合素子(CCD)イメージセンサによって受光し、電気的像へと変換するよう測定装置を構成し、併せて受光素子密度を上げるなどしてイメージセンサの検出精度が高まるよう構成することによって、平面度の測定精度を更に大幅に向上させることが可能である。この点において、後述の実施例において説明されるとおり、当該技術分野において通常用いられているような現行のイメージセンサを用いた場合でさえ、従来の測定精度を大幅に上回る0.2nm程度の精度で平面度を測定できることは、本発明が奏する極めて有利な効果である。
さらに、本発明に従う平面度測定においては、集光レンズやイメージセンサなどを適宜選択し、それらを速やかに移動・走査させることで、所定位置をスムースに再設定し測定を反復することが可能である。すなわち短時間で平面度が測定できることとなる。後述の実施例において説明されるような典型的態様において、1つの所定位置における計測、解析に要する時間は5分程度である。
加えて、本発明に従う平面度測定においては、上記従来技術である白色光を用いた3次元構造解析装置を用いた測定において生じたような、測定対象に対するサイズ制限の問題も起こらない。測定する所定位置を変更するためには単に集光手段を新たな所定位置に合わせれば十分だからである。
研磨面の平面度を測定するために従来用いられている構成の概略図である。 本発明の利用する原理を、干渉条件の具体例を用いて説明するための図である。 本発明に係る対向面間距離測定装置のある実施形態の概略図である。 本発明に係る対向面間距離測定方法のある実施形態を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る対向面間距離測定方法において観測される干渉縞の形状を原理的に説明するための概略図である。 本発明に係る対向面間距離測定装置を用いることにより生じる干渉縞の写真である。 本発明に係る平面度測定方法のある実施形態を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る平面度測定方法のある実施形態を用いて得られた、平面度の検査結果である。 本発明に係る高平面度加工方法のある実施形態を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る対向面間距離測定装置の別の実施形態の概略図である。
これより図面を参照して、本発明に係る対向面間距離測定装置、測定方法、及びそれらを用いた高平面度加工方法の好ましい実施形態を説明する。
まず図2を用いて、後述する実施形態により対向面間距離を決定するための光学的原理を説明する。次に、そのような原理を利用する測定装置における第1の実施形態を、図3を参照しつつ説明する。引き続き、当該測定装置を利用する対向面間距離、及び平面度測定方法を、図4及び図7のフローチャートを用いて説明する。この説明中で、当該測定装置を用いることにより観察される干渉縞を原理的に説明する目的で図5を参照する。実際の干渉縞については、図6を用いて説明する。また当該測定装置を用いて測定した平面度検査結果を、図8を用いて説明する。さらに、当該測定方法を用いることにより可能となる高平面度加工方法を、図9のフローチャートを用いて説明する。
その後、測定装置における第2の実施形態について、図10を参照しつつ説明する。
図2は、対向面S1上のC1点に入射した入射光Iが、S1−S2間で一度も反射されずに透過した場合の透過光T1、D1とC2とで反射された後にD2から透過した場合の透過光T2、及び、D1,C2,D2,及びC3で反射された後にD3から透過した場合の透過光T3を表した図である。後述する第1の実施形態による測定装置を用いる場合、T1,T2,及びT3は集光面S3において集光された後、受光面上の1点に結像されることとなる。反射回数の違いに起因して、これら透過光がS3に到達するまでに進んだ光路はそれぞれ異なる。具体的に、入射光Iの方向ベクトルが対向面S1及びS2の法線との間になす角をθ,対向面S1−S2間距離をdとした場合、T1,T2,及びT3の間にはそれぞれ2dcosθの光路差が生じている。したがって、この光路差が

mλ = 2dcosθ [mは干渉次数(整数)] … (1)

を満たす場合(ここでは入射光Iの波長をλとした。)、T1,T2,及びT3は共振する(強めあう)こととなる。
上記(1)式を鑑みれば、Iとしてあらゆる方向θの光を入射させた上で、S3に集光された透過光が強めあうθを特定することにより、干渉条件(1)において未知であるパラメータ、すなわち対向面間距離dを決定することが可能となる。
尚、上記(1)の干渉条件は後述する第1の実施形態の測定装置に対応した一例であって、添付の特許請求の範囲に記載される干渉条件がこれに制限されるものではないことは当然である。本発明の範囲内で測定装置の幾何学的構造等に修正を加えれば、それに応じて透過光の干渉条件も変化することとなる。
第1の実施形態による装置の構成
図3は、本発明に係る対向面間距離測定装置の第1の実施形態300を表した概略図である。
一対の被測定体306及び308の対向面内所定位置318における対向面間距離314を測定するための装置300は、狭帯域光発生手段302と、一対の被測定体306及び308との間の対向面間距離314を一定に維持するための対向面間距離維持手段310と、狭帯域光発生手段302より発生し、一対の対向被測定体306及び308を透過した透過光316を集光するための集光手段320と、集光手段320により集光された透過光316を受光し、受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光316を変換するための受光及び変換手段322と、電気的信号を転送するための信号転送手段324と、転送された電気的信号を用いて電気的像を表示するための表示手段326と、を含む。
狭帯域光発生手段302は、被測定体306及び308に狭帯域光304を照射するための手段である。従来の光学的測定装置と異なり、照射方向をこの時点で限定する必要はない。
狭帯域光発生手段302として面光源体を採用すれば、被測定体306及び308に入射する光を、その入射位置や入射方向に関わらず一様なものとすることができるであろう。すなわち測定位置や干渉次数による干渉縞強度のバラつきを廃し、共振の程度を縞強度として直接的に反映した干渉縞を得ることができる。
また、狭帯域光発生手段302として単色光発生手段を用いたならば、より鮮明な干渉縞を観測することができると考えられる。単色光としては、約633nmの波長を有するヘリウムネオンレーザーや、種々の半導体レーザー、ナトリウムランプ及び水銀ランプ(適切な帯域フィルタを用いれば、その輝線スペクトル内における任意の波長を有する単色光を得ることが可能である。)からの照射光等、一般に光学観測において用いられている波長の光を用いることが可能である。
ここで被測定体306及び308は、ある程度の光透過性を有することが望ましい。狭帯域光304を透過させた上で、その透過光316を集光することが、本発明に係る測定方法の実施には必要だからである。ガラスや水晶、及び透明セラミックスなどからなる被測定体は、本発明によって平面度を測るための対象として、特に適している。しかしながら、集光手段320や受光及び変換手段322として光感度の優れた部材を採用することにより、光透過性の面から必ずしも大きな制約を受けずに、被測定体を選択することは可能である。
また被測定体306及び308の対向面を光反射膜によって被覆すれば、図2において説明した多重反射が起こりやすくなり、より強く共振する鮮明な干渉縞を観測することが可能となる。これは、図2の例でいうθをより精度よく決定できることを意味し、測定装置300の測定精度の向上に繋がる。光反射膜としては、高い反射率を有する銀やアルミニウム等が好ましい。
あるいは、被測定体306及び308の対向面を、低吸収型光反射膜により被覆することも有効である。光反射膜による入射光の吸収を抑えれば、対向面より出射する透過光の光量が増加し、結果として得られる干渉縞は更に鮮明なものとなる。このような低吸収型光反射膜は、特に高い測定精度が要求される場合に有効である。低吸収型光反射膜としては、一般に入手可能である種々の誘電体多層膜を用いることが可能である。
測定の信頼性向上の観点からは、被測定体306及び308の間に基板スペーサ等の対向面間距離維持手段310を挿入し、測定中に対向面間距離が変動しないよう固定することが望ましい。周辺温度の変化による対向面間距離の変動を避けるため、基板スペーサとしては、ガラス、又は水晶のような低熱膨張率基板スペーサを用いることが好ましい。
集光手段320としては、一般的な集光凸レンズを用いることができる。一般的な集光凸レンズは一定方向より入射する平行光線を1点に集光する性質があるため、図2の例でいう透過光T1,T2,及びT3を1点に集光し、干渉現象を測定するのに適している。しかしながら集光手段320はこれに限られるものではなく、透過光を都合よく集光するために構成された如何なるレンズシステムであってもよい。集光手段320と後述の受光及び変換手段322とを一体として、電荷結合素子(CCD)カメラシステムや相補性金属酸化膜半導体(CMOS)カメラシステムとして構成すれば、所定位置318を新たに選択する作業がより簡易に行える。
受光及び変換手段322は、光を受光して電気的信号へと変換するための機能を有してさえいれば、どのようなものでもよい。上記集光手段320により集光した透過光316を直接光学的に観測することでも干渉縞は観測できるので、受光及び変換手段322は不可欠の要素ではない。しかしながら、例えばCCDイメージセンサ、又はCMOSイメージセンサのような固体撮像素子を用いて受光した光を電気的信号へと変換すれば、その後の画像変換によって更に精密な干渉縞の解析が可能となるし、またそのような電気的信号は電子データとして記憶装置に保存するためにも好ましい。
電気的信号を転送するための信号転送手段324、及び転送された電気的信号を用いて電気的像を表示するための表示手段326も同様に、測定装置300にとって不可欠ではなく、任意の電気パルス分析装置(例えばオシロスコープ等)を用いて電気的信号を直接分析することも可能である。しかしながら、CCDイメージセンサなどから出力された電気的信号を電気通信回線(LANケーブル、インターネット回線等、どのようなものであってもよい。)を用いてディスプレイ等に転送し、電気的な像として解析することは、既に述べたとおり観測の精度と測定データ利用の利便性を高める上で好ましい。
第1の実施形態による装置を用いた、対向面間距離測定方法
次に、第1の実施形態による測定装置300の動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。測定装置300を用いることで、本発明に係る対向面間距離測定方法、平面度測定方法、及びそれを利用した高平面度加工方法が実施可能となる。
まず、第1の実施形態による装置を用いた、対向面間距離測定方法について説明する。
図4は、測定装置300を用いた対向面間距離測定方法のフローチャートである。
まず、ステップS400において、狭帯域光発生手段302により狭帯域光304を発生させる。
次に、ステップS402において、発生した狭帯域光304は被測定体306に照射される。本発明の測定方法によれば所定位置318においてあらゆる方向に出射する透過光316が集光されるので、上述のとおり面光源によりあらゆる方向から一様な光を照射することが好ましい。照射された狭帯域光は被測定体306を透過し、対向面間領域312へと侵入する。なお、透過せず306の表面で反射される光は、今回の測定において無視される。
ステップS404において狭帯域光304は、対向面間領域312内で多重反射される。図2の光路図において、例えば透過光T3は、D1,C2,D2,及びC3で反射される。
次に、ステップS406において、狭帯域光304は、透過光316として被測定体308表面から出射する。図2から明らかなとおり、対向面間領域312内で反射された回数に関わらず、ある入射方向に対応する出射方向は一定である。したがって、これら透過光316を従来の集光レンズ等により容易に集光することが可能となる。
次に、ステップS408において、集光手段320を用いて、所定位置318より出射した透過光316を集光する。同一の方向から入射し、対向面間領域312内でそれぞれ多重反射したのち対応する出射方向(図2の例においては、一般的に入射方向と同一である。)へと出射した透過光316を1点に集光することで、反射回数の違いにより生じる光路差に起因する透過光同士の干渉現象を観測することが可能となる。
なお、ステップS402において照射方向を制限していない以上、ステップS408においてはあらゆる方向に出射する透過光316が集光され、出射方向に対応したそれぞれの焦点に像を結ぶ。本明細書における干渉縞とは、この像の集合体である。
次に、ステップS410において、集光された透過光316を、受光及び変換手段322を用いて受光し、電気的信号へと変換する。既に述べたとおり、集光手段320と受光及び変換手段322とはCCDカメラシステム等を用いて実装することが可能である。この場合、ステップS410の受光及び変換とは、集光された透過光316を多数の受光用CCD素子が配置された受光面に結像させ、光電効果により電荷へと変換することを言う。この電気的信号は転送用CCD素子により信号転送手段324へと転送される。
次に、ステップS412において、上記電気的信号を、信号転送手段324を用いて表示装置326へと転送する。信号転送手段324はどのようなものであってもよく、表示装置の代わりに別の電気パルス分析装置を用いるような他の実施形態においては、転送先の装置に合わせて最適な転送手段を選択することが可能である。
また、電気的信号を直接表示装置等へ転送するのではなく、磁気ディスク等の任意の記憶装置に一旦記憶させた後に、必要に応じてディスクから読み出した上で分析を行うことも可能である。この場合、ステップS412における転送先は(データの書き込みを行うためのプロセッサ等を伴った)記憶装置である。
次に、ステップS414においては、表示手段326により、電気的信号を用いて前記電気的像を表示する。表示手段としては、例えば電気的信号を処理するためのプロセッサ等を備えたディスプレイが考えられる。
次に、ステップS416においては、上記表示された電気的像を計測し、計測結果から面間距離314を算出する。ステップS408において集光される透過光316は出射方向に対応した1点に集光される。すなわちステップS410においても、集光された透過光316はその出射方向に対応した、言い換えれば入射角θに対応した受光面上の特定位置に像を結ぶ。したがって電気的像を幾何学的に計測して干渉縞のピークに対応する結像位置を特定することにより入射角θが求められ、求められたθを式(1)に代入すれば、面間距離dが決定される。
ここで、以下に説明するとおり、入射角θには軸対称の任意性があることに留意する。
図5は、被測定体502に狭帯域光504が入射する様子を表した模式図である。被測定体502の表面に対する法線506と狭帯域光504とのなす角、すなわち入射角はθである。
ここで、同じ入射角θで入射する狭帯域光として504’を考えることも可能であり、入射角θには法線軸周りの回転対称性が存在する。すなわち入射方向を法線406の周りに任意の角度だけ回転させても、入射角は同じθである。
図3の測定装置を用いる場合、それら回転対称であるような入射光を照射することによって得られる透過光は全て、同一入射角θを用いた(1)式により規定される干渉条件に従う。
一方で、それら回転対称の関係で結ばれる各々の透過光が集光された後に結像する点の集合は、例えば集光手段320として通常の集光凸レンズ等を用いる場合には、円を描く(この場合、上記円の半径を計測することで入射角θが決定される。)。
したがって、ステップS414において表示される電気的像、すなわち干渉縞は、円形縞の形をとる。このことにより、所定位置318における対向面間距離314を測定するにあたっては、出射する透過光の干渉像を各(回転対称の関係で結ばれる)入射方向に対応した透過光干渉像の集合体(円)として得ることができる。すなわち入射角θを決定するために干渉縞の半径を求める際には円周上の全ての点を利用することができるので、結果として高い測定精度が得られる。円として得られた干渉像の一例を、図6に示す。
第1の実施形態による装置を用いた、平面度測定方法
上述の対向面間距離測定方法を用いれば、対向面全体としての平面度を測定することができる。図7は、その手順を示したフローチャートである。
図7のフローチャートにおけるステップS700〜S716は、図4のフローチャートにおけるS400〜S416と同一のステップである。一方、図7で説明される方法においては多くの所定位置318に対して対向面間距離の測定を繰り返す。すなわち、ステップS716で対向面間距離を算出した後、十分な数の所定位置318に対して測定が終わっているかどうかの判断が行われ、終わっていない場合には、ステップS718において新たに所定位置318を選択する(より詳細には、新たな所定位置318へと集光手段320を移動させる。)。その後はステップS708〜S716を繰り返し、新たに選択された所定位置318に対応する対向面間距離が算出される。十分な数の所定位置318に対する測定が終わっている場合には、ステップS720において算出された各々の対向面間距離から平面度を算出し、測定を終了する。
図7において説明されている平面度測定方法は、図4において説明された対向面間距離測定方法をさまざまな所定位置318に対して実施することにより、対向面内の各所定位置における対向面間距離を求め、それに基づいて対向面の平面度を測定する方法である。
尚、ここにおいて用いられる平面度とは、平面部分における幾何学的平面からの狂いの大きさを評価するための指標一般を表す、広い概念である。例えば、上記各所定位置において求められた対向面間距離の最大値と最小値との差が大きければ、その対向平面は「よい平面」とは言えず、逆に最大値と最小値との差が小さければ、その対向平面は平面度の高い「よい平面」であると言える。JIS規格において「指定された測定面内で、その面上のすべての点が、面の代表平面に平行な二つの平面内にあり、かつ、この平面の間の距離が最小となるときの二つの面の間の距離で表す。」として与えられている平面度の定義は、本発明の概念と整合する一例である。
この方法により得られた平面度の測定結果を、図8に示す。
図8に示す結果は、一対の平面鏡を研磨し、その研磨面を対向面として、上記方法により面内各所定位置に対応する対向面間距離を測定したものである。横軸が所定位置318に対応し、802〜810が、各々の所定位置における対向面間距離の測定値を表す。なお、対向面間距離は、ある基準値からの相対値として表されている。図8から分かるとおり、対向面間距離は0.2nm程度の精度で測定されている。なお、上記測定には、狭帯域光源302としてヘリウムネオンレーザーを、対向面間距離維持手段310として低熱膨張率ガラス(ゼロデュア)を、集光手段320、受光及び変換手段322、及び信号転送手段324としてはBitran社製BJ41L CCDカメラシステムを、そして表示手段326としては描画用アプリケーションソフトウェアを備えた通常のノート型コンピュータを用いている。
水平線812及び814は、従来技術により達成可能な精度である±3nmを、本発明の測定精度と比較するために書き入れたものである。本発明は、通常用いられている構成機材を組み合わせることで実現可能な測定装置による測定方法でありながら、対向面間距離の測定精度を従来よりも大幅に向上させていることが分かる。
第1の実施形態による装置を用いた、高平面度加工方法
上述の方法による平面度の測定結果を高平面度加工のために利用することができる。すなわち、例えば材料を研磨する等して平面を作成し、上述の方法により平面度を測定し、目標とする平面度が得られていないと判断された場合には更に研磨と測定とを繰り返すという手順による、高平面度加工が可能となる。
なお、実際の高平面度加工においては、あらかじめ材料を研磨した後に、当該材料を被測定体として図3で示される測定装置を構築し、その後上述の測定方法を実施し、測定結果を検討した結果、更なる研磨が必要な場合には、上記測定装置を一旦解体した上で再研磨を行うというのが自然である。したがって、ここではそのような測定装置の構築作業をも含めて、高平面度加工方法の説明を行う。しかしながら、あらかじめ測定装置が構築された状態で研磨と測定とを繰り返すことも可能である(所要時間短縮の観点からはむしろ望ましい)。
図9は、上記測定装置の構築をも明示した上での、本発明に係る高平面度加工方法の手順を示したフローチャートである。
まず、ステップS900において、材料の研磨を行う。本発明に係る測定方法は一対の被測定体を対象とするので、材料も一対のガラス基板等であることが一般的である。しかしながら、例えばあらかじめ平面度の分かっている基板を基準面材料として用意した上で、単一の基板に対して研磨を行い、基準面材料と当該基板とを一対の被測定体として平面度を測定することも可能である。
次に、ステップS902において、対向面に光反射膜を蒸着させ、基板スペーサ310を挿入する。光反射膜の蒸着は入射光の多重反射を誘発して鮮明な干渉縞を得るための手順であり、基板スペーサ310の挿入は対向面間距離固定のためである。集光レンズやイメージセンサ等を適切に選択することでも干渉縞の鮮明化は図れるのであり、本発明にとっては光反射膜が必須というわけではない。同様に、基板スペーサを用いずとも本発明の実施は可能である。
なお、光反射膜の一例である銀薄膜は酸化しやすく透過率が低いため、例えば加工の最終段階において特に高精度での測定を行う際には、銀薄膜に代わって誘電体多層膜を蒸着させることが好ましい。高反射率と低吸収率とを併せ持つ誘電体多層膜を用いれば、既に述べたとおり更に鮮明な干渉縞を得ることができるからである。典型的には、まず銀を蒸着させた段階で平面度を概算的に測定し、±1nm程度の精度が達成された時点で洗浄により銀を除去する。その後に誘電体多層膜の蒸着を行い、更に高精度での平面度測定を行う。
引き続き実行されるステップS904〜S922は、図8におけるS700〜S718と同様のステップである。ステップS920で所定位置における面間距離314を算出し、十分な数の所定位置318に対して測定が終わっているかどうかの判断が行われる。
十分な数の所定位置318に対する測定が終わっていない場合には、ステップS922において所定位置318を新たに選択する。その後はステップS912へと戻り、さまざまな所定位置に対する対向面間距離を算出する。
十分な数の所定位置318に対する測定が終わっている場合には、ステップS924において算出された各々の対向面間距離から平面度を算出し(既に述べたとおり、平面度の定義を特定の計算式に限定する必要はないが、例えば対向面間距離の最大値と最小値との差は、平面度を評価するための一例として有用であろう。)、目標値と比較する。
目標とする平面度が得られていない場合、処理はステップS900へと戻る。再び材料を研磨し、同様に平面度を測定し、目標値との比較を行う。
第2の実施形態による装置の構成
図10は、本発明に係る対向面間距離測定装置の第2の実施形態1000を表した概略図である。
狭帯域光発生手段1002が、一対の被測定体1006及び1008から見て集光手段1020等と同じ側に配置されているという点は、図3に示した第1の実施形態300と大きく異なる点である。後述するとおり、第2の実施形態による装置は、特に光透過性を持たない被測定体の平面度測定に適している。
一対の被測定体1006及び1008の対向面内所定位置1018における対向面間距離1014を測定するための装置1000は、狭帯域光発生手段1002と、一対の被測定体1006及び1008との間の対向面間距離1014を一定に維持するための対向面間距離維持手段1010と、狭帯域光発生手段1002より発生し、一対の対向被測定体1006及び1008から透過された透過光1016を集光するための集光手段1020と、集光手段1020により集光された透過光1016を受光し、受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光1016を変換するための受光及び変換手段1022と、電気的信号を転送するための信号転送手段1024と、転送された電気的信号を用いて電気的像を表示するための表示手段1026と、を含む。狭帯域光発生手段1002の位置を除けば、図10における装置1000は図3における装置300と同様の配置・構造とすることもできる。
ここで、被測定体1006は光透過型基板である必要はない。装置1000を用いた平面度測定においては被測定体1008側から出射した透過光1016のみを集光するのであり、被測定体1006側から光を透過させる必要はないためである。シリコンウエハ、及びアルミミラーや金ミラーのような金属等、透過型でない材料の平面度を測定する場合には、そのような材料を被測定体1006として測定装置1000を構成することが有効である。
対向面間に光反射膜を被覆することで干渉縞の鮮明化が図れることは図3の装置300における場合と同様であるが、被測定体1006が光透過性を有さない場合には、そのような被覆を行わずとも十分に光が反射されるのであり、したがって比較的鮮明な干渉縞が得られる。
尚、低吸収型光反射膜により対向面を被覆することは、装置1000の構成においても依然として有効である。
集光手段1020と受光及び変換手段1022とについても、図3の装置300における場合と同様にCCDカメラシステムやCMOSカメラシステムとして構成することが可能である。
但し、装置1000を用いた測定においては、図3の装置300を用いた測定と異なり、最初に照射すべき狭帯域光1004とその後に集光すべき透過光1016とが、一対の被測定体から見て同じ側に存在する。したがって、集光手段1020による透過光1016の集光が狭帯域光1004の影響を受けないよう注意する必要がある。
そのような影響を避けるためには、集光手段1020と受光及び変換手段1022とを一体型とすることが有効である。これにより集光レンズ等の集光手段1020において狭帯域光発生手段1002の側を向いている面への光の入射が遮断されるのであり、即ち集光手段1020が狭帯域光1004を集光することを抑制できる。従来から用いられているCCDカメラシステムは、このような構成をとっている。
また本発明に係る測定方法においては、集光手段1020を所定位置1018に接近させて、所定位置1018からの透過光のみを集光するのが通常である。そのように接近させた状態ならば、そもそも狭帯域光1004により集光が妨害される恐れは少ないであろう。そのような僅かに入射してしまう狭帯域光をも遮断するためには、例えば集光手段1020に遮光カバーを装着し、被測定体1008と集光手段1020との間の隙間に狭帯域光1004が入り込むことを防ぐ等の措置が有効である。
装置1000を用いての対向面間距離測定方法、平面度測定方法、及び高平面度加工方法は、装置300を用いた場合と全く同じ手順で実施することが可能である。測定装置1000、及びそれを用いた上記方法は、特に光透過性を有さない材料において平面度を測定、及び高平面を作成するために適した本発明の別の実施態様であり、本発明に係る測定装置においては対象とする材料や必要とする測定精度等に応じてこれ以外にも様々な修正を施すことができる。
そのような修正は全て請求の範囲に記載された本発明の範囲に属するのであり、当業者ならば本明細書を添付図面と共に参照することにより、ここにおいて具体的に説明された装置及び方法のさまざまなバリエーションを実施することが可能であろう。
本発明に係る測定装置及び方法を用いれば、ガラスや水晶等の光透過性材料、シリコンウエハ等の非透過性材料を含む幅広い材料において、従来の精度を大幅に超える高精度での平面度測定が可能となる。
本発明に係る測定方法は短時間で実施でき、また白色光を利用する従来の3次元構造解析装置のように、測定対象へのサイズ制限が課されることもない。
300 対向面間距離測定装置
302 狭帯域光発生手段
304 狭帯域光
306 被測定体
308 被測定体
310 対向面間距離維持手段
312 対向面間領域
314 対向面間距離
316 透過光
318 対向面内所定位置
320 集光手段
322 受光及び変換手段
324 信号転送手段
326 表示手段
502 被測定体
506 入射面の法線
1000 対向面間距離測定装置
1002 狭帯域光発生手段
1004 狭帯域光
1006 被測定体
1008 被測定体
1010 対向面間距離維持手段
1012 対向面間領域
1014 対向面間距離
1016 透過光
1018 対向面内所定位置
1020 集光手段
1022 受光及び変換手段
1024 信号転送手段
1026 表示手段

Claims (14)

  1. 一対の対向被測定体の対向面間距離の、対向面内の位置についての不均一さを評価するための方法であって、
    狭帯域光発生手段により狭帯域光を発生させる段階と、
    前記狭帯域光発生手段により発生し、前記一対の対向被測定体から透過された透過光を、集光レンズにより集光する段階と、
    前記集光レンズにより集光された前記透過光を、受光及び変換手段により受光する段階と、
    前記受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光を前記受光及び変換手段により変換する段階と、
    を含み、
    前記集光する段階は、対向面内所定位置から出射した透過光を集光することにより、該所定位置における前記対向面間距離に対応した干渉条件に従って干渉する該透過光を集光する段階であって
    前記集光する段階と、前記受光する段階と、前記変換する段階とを、前記対向面内で前記集光レンズを走査しつつ、該対向面内の複数の異なる所定位置に対して行うことにより、該集光レンズのレンズ面よりも大きい対向面内における、前記対向面間距離の不均一さを評価するよう構成されたことを特徴とする、方法。
  2. 前記狭帯域光を発生させる段階は、単色光を発生させる段階を含む、請求項に記載の方法。
  3. 前記単色光は、約633nmの波長を有するヘリウムネオンレーザー、半導体レーザー、ナトリウムランプ、及び水銀ランプのいずれかから発せられる単色光である、請求項に記載の方法。
  4. 前記狭帯域光を発生させる段階は、面光源体により該狭帯域光を発生させる段階を含む、請求項乃至のいずれか一つに記載の方法。
  5. 前記狭帯域光発生手段と前記集光レンズとは、前記一対の対向被測定体を介してお互いが反対側に配置されている、請求項に記載の方法。
  6. 前記一対の対向被測定体の少なくとも一方は光透過型基板である、請求項に記載の方法。
  7. 前記光透過型基板はガラス、水晶、又は透明セラミックスのうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
  8. 前記狭帯域光発生手段と前記集光レンズとは、前記一対の対向被測定体から見て同じ側に配置されている、請求項に記載の方法。
  9. 前記一対の対向被測定体の少なくとも一方は、シリコンウエハ、又は金属を含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記一対の対向被測定体における前記対向面の少なくとも一方は、光反射膜によって少なくとも部分的に被覆されている、請求項乃至請求項のいずれか一つに記載の方法。
  11. 前記光反射膜は低吸収型光反射膜を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記低吸収型光反射膜は誘電体多層膜を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 一対の対向基板の対向面において作成した平面の平面度を測定するための方法であって、
    前記対向面に光反射膜を蒸着させる段階と、
    前記一対の対向基板に基板スペーサを挿入し、前記対向基板における対向面間距離を一定に維持する段階と、
    狭帯域光発生手段により発生した狭帯域光を前記一対の対向基板に照射する段階と、
    前記照射され、前記対向面内における所定位置において前記一対の対向基板から透過された透過光を、集光レンズにより集光する段階であって、該所定位置から出射した透過光を集光することにより、該所定位置における前記対向面間距離に対応した干渉条件に従って干渉する該透過光を集光する段階を含む、段階と、
    前記集光レンズにより集光された前記透過光を、受光及び変換手段により受光する段階と、
    前記受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光を前記受光及び変換手段により変換する段階と、
    表示手段により、前記電気的信号を用いて前記電気的像を表示する段階と、
    前記電気的像を解析し、前記対向面間距離を決定する段階と、
    前記対向面内において前記所定位置を新たに選択する段階と、
    を含み、
    前記集光する段階と、前記受光する段階と、前記変換する段階と、前記電気的像を表示する段階と、前記対向面間距離を決定する段階と、前記所定位置を新たに選択する段階とを、前記対向面内で前記集光レンズを走査しつつ繰り返し行うことにより、該集光レンズのレンズ面よりも大きい対向面内における、前記対向面間距離の不均一さを評価し、前記作成した平面の平面度を決定するよう構成されたことを特徴とする、方法。
  14. 一対の対向基板の対向面において平面を作成するための方法であって、
    前記対向面を研磨する段階と、
    前記対向面に光反射膜を蒸着させる段階と、
    前記一対の対向基板に基板スペーサを挿入し、前記対向基板における対向面間距離を一定に維持する段階と、
    狭帯域光発生手段により発生した狭帯域光を前記一対の対向基板に照射する段階と、
    (1)前記照射され、前記対向面内における所定位置において前記一対の対向基板から透過された透過光を、集光レンズにより集光するステップであって、該所定位置から出射した透過光を集光することにより、該所定位置における前記対向面間距離に対応した干渉条件に従って干渉する該透過光を集光するステップを含む、ステップと
    (2)前記集光レンズにより集光された前記透過光を、受光及び変換手段により受光するステップと
    (3)前記受光した透過光に対応する電気的像を表示するために用いることが可能な電気的信号へと、受光した透過光を前記受光及び変換手段により変換するステップと
    (4)表示手段により、前記電気的信号を用いて前記電気的像を表示するステップと
    (5)前記電気的像を解析し、前記対向面間距離を決定するステップと
    (6)前記対向面内において前記所定位置を新たに選択するステップと
    からなるステップ(1)から(6)を、前記対向面内で前記集光レンズを走査しつつ繰り返し行うことにより、該集光レンズのレンズ面よりも大きい対向面内における、前記対向面間距離の不均一さを評価し、作成した平面の平面度を決定する段階と、
    前記決定された平面度を目標値と比較する段階と、
    を含み、前記比較結果に応じて前記対向面の再研磨が必要か否かを判断することが可能である、方法。
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