JP5456087B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
画像形成装置として、多数のノズルを配列させた液滴吐出ヘッドを有し、この液滴吐出ヘッドに対して用紙(記録媒体)を搬送し、ノズルから用紙に向けてインク等の液滴を吐出することにより、用紙上に画像(文字を含む)を形成する液滴吐出記録方式の画像形成装置が知られている。
このような液体吐出記録方式の画像形成装置では、液滴吐出ヘッドのノズル面に近接して用紙が搬送されるため、用紙の姿勢によっては、用紙がノズルに衝突し、用紙に汚れが付着したり、逆にノズル面が傷ついたり、あるいは紙粉がノズルに詰まったりして不吐出等の不具合が発生することがある。
そこで、特許文献1には、用紙が搬送される搬送面に沿ってビームを投光し、受光センサで検出したビームの受光量と基準受光量とを比較して、受光量が基準受光量を下回ると用紙の浮き上がりが有ると判定し、用紙とノズル面の衝突を回避する画像形成装置が提案されている。
特開2010−76872号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、画像形成装置内の温度変化や湿度変化等の環境変化により搬送面の上方に陽炎等の外乱が発生すると、投光されるビームが外乱の影響を受けて曲がって一部が受光センサへ入射せず、受光センサで検出される受光量が低下してしまう。この結果、実際は用紙が浮き上がってビームを遮っていなくても、受光量が基準受光量を下回るため、用紙の浮き上がりが有ると誤判定して、用紙とノズル面の衝突回避動作をとる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、外乱による記録媒体の浮き上がりの誤判定を防止する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る画像形成装置は、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送される前記記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドよりも前記記録媒体の搬送方向上流側に設けられ、前記搬送手段の搬送面に沿って、前記記録媒体の検出用ビームと、前記検出用ビームよりも前記搬送手段の搬送面から遠い参照用ビームとを出射する出射手段と、前記出射手段から出射された前記検出用ビームと前記参照用ビームとを受光する受光手段と、前記受光手段に受光された前記検出用ビームの受光量と前記参照用ビームの受光量との差分の大きさに基づき、前記記録媒体の浮き上がりの有無を判定する浮き上がり判定手段と、を有する。
この構成によれば、受光手段が、出射手段により搬送手段の搬送面に沿って出射された記録媒体の検出用ビームと、当該検出用ビームよりも搬送手段の搬送面から遠い参照用ビームとを受光し、その受光量を検出する。
このため、搬送面の上方に外乱が発生しておらず、記録媒体が搬送面から浮き上がっている場合、搬送面に近い方の検出用ビームは記録媒体により遮られて、受光手段で受光される受光量が低下する。一方、搬送面に遠い方の参照用ビームは、浮き上がった記録媒体に遮られず、受光手段で受光される受光量が低下し難い。
そして、浮き上がり判定手段が、受光手段に受光された検出用ビームの受光量と参照用ビームの受光量との差分の大きさに基づき、記録媒体の浮き上がりの有無を判定する。この判定の際、上述のように検出用ビームの受光量が低下して、参照用ビームの受光量が変わらないことで、各受光量の差分の大きさは、記録媒体の浮き上がりによる検出用ビームの受光量の低下の大きさと等しいか或いは近似するようになる。この結果、浮き上がり判定手段は、記録媒体の浮き上がりが有ると判定する。
また、搬送面の上方に外乱が発生しており、記録媒体が搬送面から浮き上がっていない場合、検出用ビームと参照用ビームとは、それぞれ外乱により曲がり、受光手段で検出される受光量が低下する。
そして、浮き上がり判定手段が、受光手段に受光された検出用ビームの受光量と参照用ビームの受光量との差分の大きさに基づき、記録媒体の浮き上がりの有無を判定する。この判定の際、上述のように検出用ビームの受光量が低下して、参照用ビームの受光量も低下することで、各受光量の差分の大きさは、ゼロに等しいか或いは近似するようになる。この結果、浮き上がり判定手段は、記録媒体の浮き上がりが無いと判定する。
以上より、搬送面の上方に外乱が発生していても、記録媒体の浮き上りの誤判定を防止することができる。
本発明の第2態様に係る画像形成装置では、第1態様において、前記出射手段は、1つのビームを出射する光源と、前記1つのビームを前記検出用ビームと前記参照用ビームとに分割するビームスプリッタと、を備えている。
この構成によれば、2つの発光点を備えた平面発光レーザーから検出用ビームと参照用ビームとを出射するより、1つのビームをビームスプリッタで検出用ビームと参照用ビームとに分割した方が、互いのビームの光量差を小さくできる。これにより、検出用ビームの受光量から参照用ビームの受光量を正確に差し引ける。
本発明の第3態様に係る画像形成装置では、第1態様又は第2態様において、前記出射手段側及び前記受光手段側に、前記検出用ビームと前記参照用ビームとが通過する平行平板が設けられている。
この構成によれば、出射手段側及び受光手段側に設けられた平行平板の傾きを変えることで、検出用ビームと参照用ビームとの相対距離を変えずに、搬送手段の搬送面からの離間距離が調整される。これにより、記録媒体の厚みが変っても、検出用ビームの受光量と参照用ビームの受光量との差分の大きさに対する閾値を変更しなくて済む。
本発明の第4態様に係る画像形成装置では、第1態様〜第3態様の何れか1つにおいて、前記参照用ビームは、前記検出用ビームより前記液滴吐出ヘッドに遠い方から出射される。
この構成によれば、参照用ビームは検出用ビームよりも早いタイミングで外乱の影響を受ける場合がある。これにより、受光手段が検出用ビームの低下した受光量を検出した瞬間に検出用ビームの受光量から参照用ビームの受光量を差し引くことができるようになるので(外乱の影響を取り除くことができるので)、記録媒体が液滴吐出ヘッドの下に行く前までに、記録媒体の浮き上がりの有無を早く判定することができる。
本発明の第5態様に係る画像形成装置では、第1態様〜第4態様の何れか1つにおいて、前記受光手段は、前記検出用ビームを受光する検出用センサと、前記参照用ビームを受光する参照用センサと、を備え、前記検出用センサと前記参照用センサの受光面は、それぞれ鉛直とされ水平に揃っている。
この構成によれば、例えば出射手段と受光手段を備えたビームユニットを水平に設置することになり、設計が容易となる。
本発明の第6態様に係る画像形成装置では、第1態様〜第5態様の何れか1つにおいて、前記浮き上がり判定手段は、前記受光手段に受光された前記検出用ビームの受光量と前記参照用ビームの受光量との差分の大きさが、閾値以上である場合は前記記録媒体の浮き上がりが有ると判定し、閾値未満である場合は前記記録媒体の浮き上がりが無いと判定する。
この構成によれば、閾値について、液滴吐出ヘッドに記録媒体が衝突し始めるときの各受光量の差分の大きさ(記録媒体の搬送面からの浮き上がり距離)に設定することができる。これにより、浮き上がり判定手段は、各受光量の差分の大きさが、記録媒体の浮き上がりによる検出用ビームの受光量の低下の大きさと等しいか或いは近似するようになったときでも、その大きさが、液滴吐出ヘッドに記録媒体が衝突しないような大きさである場合、閾値未満となり、浮き上がりが無いと判定する。したがって、浮き上がり判定手段が、記録媒体が液滴吐出ヘッドに衝突しないのに浮き上がりがあると誤判定しなくなる。
本発明の第7態様に係る画像形成装置では、第1態様〜第6態様の何れか1つにおいて、前記浮き上がり判定手段は、論理回路を用いて前記記録媒体の浮き上がりの有無を判定し、前記論理回路による浮き上がり判定を受けて、前記搬送手段の搬送速度を下げ又は前記液滴吐出ヘッドを前記搬送手段から離間させる制御手段を備える。
この構成によれば、論理回路により記録媒体の浮き上がりの有無を判定しているので、ソフトウェアで判定するよりも、判定結果が出るまでの処理時間が早くなる。これにより、制御手段は、浮き上がり判定の結果を早く受けて、記録媒体が液滴吐出ヘッドに衝突する前までに、搬送手段の搬送速度を下げ又は液滴吐出ヘッドを前記搬送手段から離間させることができる。
なお、上記「搬送速度を下げる」ことには、搬送手段の搬送を停止することも含むものとする。
本発明の第8態様に係る画像形成装置では、第1態様〜第7態様の何れか1つにおいて、前記搬送手段は、前記液滴吐出ヘッドに対向して配置された描画胴であり、前記描画胴を冷却する冷却機構と、前記描画胴に前記記録媒体を搬送して渡す渡し胴と、前記渡し胴に設けられ、前記描画胴で搬送される前記記録媒体へ熱風を吹き付けて乾燥させる熱風乾燥手段と、を備える。
この構成によれば、熱風乾燥手段で乾燥された、すなわち暖められた記録媒体が、渡し胴から冷却機構により冷却された描画胴へ渡されるため、搬送面の上方に陽炎が発生し易い。しかし、上述した浮き上がり判定手段が、受光手段で受光された検出用ビームの受光量から参照用ビームの受光量を差し引くため、陽炎による影響(受光量の低下)を除去した形で記録媒体の浮き上がりの有無を判定することができる。この結果、記録媒体の浮き上りの誤判定を防止することができる。
本発明によれば、外乱による記録媒体の浮き上がりの誤判定を防止する画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのインクジェット記録装置の全体構成を示した概略構成図である。 図2に、本実施形態のインクジェット記録装置の主要部である記録媒体搬送装置を拡大して示し、記録媒体搬送装置、特に描画ドラム付近についてさらに詳しく説明する。 図3は、描画ドラム周辺の構成を示す斜視図であり、特にビームユニットの構成を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 図5は、浮き上がり判定基板による処理の流れを示すフローチャートである。 図6(A)は、外乱が発生しておらず用紙が浮き上がっている場合の検出用センサ242が検出する受光量V3と参照用センサ244が検出する受光量V4とを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフであり、図6(B)は、外乱が発生しておらず用紙が浮き上がっている場合の差分の大きさを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフである。 図7(A)は、外乱が発生しており用紙が浮き上がっていない場合の検出用センサ242が検出する受光量V3と参照用センサ244が検出する受光量V4とを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフであり、図7(B)は、外乱が発生しており用紙が浮き上がっていない場合の差分の大きさを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフである。 図8(A)は、外乱が発生しており用紙が浮き上がっている場合の検出用センサ242が検出する受光量V3と参照用センサ244が検出する受光量V4とを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフであり、図8(B)は、外乱が発生しており用紙が浮き上がっている場合の差分の大きさを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフである。 図9は、図3に示すビームユニットの構成において、各ビームが曲がる様子を示す図である。 図10は、参考例に係るインクジェット記録装置の検出用センサが検出する受光量を縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフである。具体的に、(A)は外乱が発生しておらず用紙が浮き上がっている場合のグラフであり、(B)は外乱が発生しており用紙が浮き上がっていない場合のグラフであり、(C)は外乱が発生しており用紙も浮き上がっている場合のグラフである。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について具体的に説明する。なお、図中、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。
《全体構成》
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのインクジェット記録装置100の全体構成を示した概略構成図である。
インクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された用紙Pの記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Y(以下、適宜172M、172K、172C、172Y全体を「インクジェットヘッド172」と称す)から複数色のインクを吐出して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの吐出前に用紙P上に処理液(インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む)を付与し、処理液とインク液を反応させて用紙P上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
すなわち、図1に示すように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122を備えて構成されている。
給紙部112は、用紙Pを処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である用紙Pが積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から用紙Pが一枚ずつ処理液付与部114に給紙されるようになっている。
本実施形態のインクジェット記録装置100においては、用紙Pとして、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の用紙Pを使用することができる。給紙部112において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(図示省略)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ150に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。
処理液付与部114は、用紙Pの記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含み、処理液とインクとが接触することによりインクと凝集反応を起こし、インクは色材と溶媒との分離が促進され、インク着弾後の滲みや着弾干渉(合一)あるいは混色が発生せず高品位画像の形成が可能となる。なお、処理液としては、凝集剤の他に必要に応じてさらに他の成分を用いて構成することもできる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば、細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
このような処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、用紙Pを保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に用紙Pを挟み込むことによって用紙Pの先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより用紙Pを処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。用紙Pは、処理液塗布装置156によって記録面に処理液が塗布される。
処理液付与部114で処理液が付与された用紙Pは、処理液ドラム154から中間搬送部126(第1渡し胴)を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
描画部116は、描画ドラム170、及びインクジェットヘッド172を備えている。
描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備え、記録媒体の先端部を保持固定するようになっている。また、描画ドラム170は、外周面に複数の吸引孔を有し、負圧によって用紙Pを描画ドラム170の外周面に吸着させる。これにより、用紙浮きによるヘッドとの接触が回避され、用紙ジャムが防止される。また、ヘッドとのクリアランス変動による画像ムラが防止される。
このように描画ドラム170に固定された用紙Pは、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172からインクが吐出される。
インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、それぞれ用紙Pにおける画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、用紙Pの搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置されている。
描画ドラム170上に密着保持された用紙Pの記録面に向かって各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、用紙P上での色材流れなどが防止され、用紙Pの記録面に画像が形成されるようになっている。
以上のように構成された描画部116により、用紙Pに対してシングルパスで描画を行うことができる。これにより、高速記録及び高速出力が可能であり、生産性を高めることができる。
描画部116で画像が形成された用紙Pは、描画ドラム170から中間搬送部128(第2渡し胴)を介して、乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム176と溶媒乾燥装置178とを備えている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって用紙Pの先端を保持するとともに、ドラム外周表面に吸引孔(図示省略)を有し、負圧により用紙Pを乾燥ドラム176に吸着できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、この乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、IRヒータ180と温風ノズル182の組み合わせを複数配置した構成である。温風ノズル182から用紙Pに向けて吹き付けられる熱風の温度と風量を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。用紙Pは記録面が外側を向くように、乾燥ドラム176の外周面に吸着拘束されて搬送され、この記録面に対して上記IRヒータ180及び温風ノズル182による乾燥処理が行われる。
また、乾燥ドラム176は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を有している。これにより用紙Pを乾燥ドラム176の周面に密着保持することができる。また、負圧吸引を行うことにより、用紙Pを乾燥ドラム176に拘束することができるので、用紙Pのカックルを防止することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた用紙Pは、乾燥ドラム176から中間搬送部130(第3渡し胴)を介して定着部120の定着ドラム184に受け渡される。
定着部120は、定着ドラム184、押圧ローラ188(平滑化手段)、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって用紙Pの先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、用紙Pは記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、押圧ローラ188による平滑化処理が行われてインクの定着が行われる。
押圧ローラ188は、インクが乾燥された用紙Pを加圧することによって用紙Pを平滑化するものである。また、インラインセンサ190は、用紙P上のチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度等を計測するものであり、例えばCCDラインセンサを好適に用いることができる。
定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122には、排紙ユニット192が設置される。定着部120の定着ドラム184から排紙ユニット192までの間に、第4渡し胴194、搬送チェーン196が設けられている。搬送チェーン196は、張架ローラ198に巻き掛けられている。定着ドラム184を通過した用紙Pは、第4渡し胴194を介して、搬送チェーン196に送られ、搬送チェーン196から排紙ユニット192へと受け渡される。
また、図1には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100は、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における用紙Pの位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
なお、以上説明した、インクジェット記録装置100の構成のうち、処理液ドラム154と、描画ドラム170と、乾燥ドラム176と、定着ドラム184と、これらの間の各中間搬送部126,128,130等が、記録媒体搬送装置200を構成する。
《記録媒体搬送装置200の詳細》
図2に、本実施形態のインクジェット記録装置100の主要部である記録媒体搬送装置200を拡大して示し、記録媒体搬送装置200、特に描画ドラム170付近についてさらに詳しく説明する。
図2に示すように、記録媒体搬送装置200では、処理液ドラム154、中間搬送部126(第1渡し胴)、描画ドラム170、中間搬送部128(第2渡し胴)、乾燥ドラム176、中間搬送部130(第3渡し胴)及び定着ドラム184が、並んで配置され、それぞれのドラムにより用紙Pが搬送され、搬送されるうちに処理液付与、描画、乾燥、定着(硬化)が順に行われるようになっている。
ここで、各渡し胴126,128,130は、それぞれリブ付きのガイド部材127,129,131を備え、回転軸を挟んで180度対向する方向に延びたアームの先端部の保持爪133,135,137が用紙Pの先端部を把持して回転軸の回りを回転し、用紙Pの後端部はフリーの状態で、それぞれガイド部材(127,129,131)に沿って用紙Pを記録面の裏面側が凸になるようにして搬送するように構成されている。
なお、各渡し胴126,128,130は、チェーングリッパを用いて、用紙Pを掴んで、裏面側を凸にして搬送するように構成してもよい。
各渡し胴126,128,130の内部には、熱風乾燥ユニット202が設けられている。この熱風乾燥ユニット202は、ファン204により一対のヒータ206に向う風を発生し、一対のヒータ206によりその風を熱風W1とし、この熱風W1をノズル208から、各渡し胴126,128,130の搬送中内側を向いている用紙Pの記録面(表面)に吹き付けて乾燥する。
第1渡し胴126に隣接する描画ドラム170は、第1渡し胴126の熱風乾燥ユニット202から伝わる熱により温度が上昇する。したがって、描画ドラム170の下方側には、送風口を備えた冷却装置210が設けられており、冷却装置210の送風口から冷風W2が送風されることによって、描画ドラム170が冷却されるようになっている。冷却装置352のON・OFF状態、冷風の温度及び送風量は、温度センサ212により検出した温度に基づいて制御される。
温度センサ212は、描画ドラム170の周面(搬送面170A)の上方に設けられており、当該搬送面170Aの上方の温度を検出する。この温度センサ212の種類は、特に限定されないが、例えば本実施形態では放射温度計である。温度センサ212から出力される信号は後述する温度制御部20(図4参照)に入力される。搬送面170A上の温度センサ212の位置は、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yよりも描画ドラム170の用紙搬送方向Dの上流側に設定されている。
搬送面170Aの上方で温度センサ212とインクジェットヘッド172との間には、描画ドラム170で搬送される用紙Pの皺をとるため用紙Pを描画ドラム170の搬送面170Aに向けて押え付ける媒体押えローラ214が設けられている。
この媒体押えローラ214と、インクジェットヘッド172との間、すなわち、インクジェットヘッド172よりも搬送方向Dの上流側には、搬送面170Aに斜めに対向したビームユニット220が設けられている。
《ビームユニット220の詳細》
図3は、描画ドラム170周辺の構成を示す斜視図であり、特にビームユニット220の構成を示す図である。
ビームユニット220は、インクジェット記録装置100のハウジングに固定された図示しない支持体に取り付けられており、出射部230と、受光部240と、平行平板250と、浮き上がり判定基板260と、を備えている。
出射部230は、搬送方向Dと直交する方向に対して搬送面170Aの外側に設けられ、搬送面170Aに沿って、用紙Pの検出用ビームL1と、この検出用ビームL1よりも搬送面170Aから遠く、用紙Pにより遮られない参照用ビームL2とを出射する。これら検出用ビームL1と参照用ビームL2の光量は、実質的に同一の範囲内(例えば検出用ビームL1と参照用ビームL2との光量差が、検出用ビームL1の光量の3%未満)である。また、参照用ビームL2は、検出用ビームL1よりインクジェットヘッド172に遠い方から出射される(つまり検出用ビームL1より搬送方向Dの上流側から出射される)。
以上の出射部230は、光源232と、ビームスプリッタ234と、を備えている。
光源232は、例えば赤色発光する1つのビームL0をビームスプリッタ234に向けて発光面232Aから搬送面170Aに沿って真っ直ぐ出射する。この1つのビームL0は、少なくとも用紙Pの搬送中は継続して光源232から出射される。
ビームスプリッタ234は、1つのビームL0を検出用ビームL1と参照用ビームL2とに分割する。このビームスプリッタ234は、1つのビームL0の直進上にあるハーフミラー234Aと、当該ハーフミラー234Aよりも搬送方向Dの上流側で且つ搬送面170Aに対して上側に設けられ、ハーフミラー234Aの反射面に対して直角の反射面を有するハーフミラー234Bを備えている。
ハーフミラー234Aは、1つのビームL0を、ハーフミラー234Aを透過して搬送面170Aに沿って搬送面170Aの上方に向かう検出用ビームL1と、当該ハーフミラー234Aを反射してハーフミラー234Bに向う参照用ビームL2と、に分割する。ハーフミラー234Bは、ハーフミラー234Aから入射した参照用ビームL2を反射して、検出用ビームL1と平行して搬送面170Aの上方に向かわせる。
これらハーフミラー234Aとハーフミラー234Bの配置関係により、参照用ビームL2は、検出用ビームL1よりインクジェットヘッド172から遠くなる。また、上記配置関係により、搬送面170A(又は搬送面170A上の浮き上がりのない状態の用紙P)から参照用ビームL2の光軸までの高さH2が、搬送面170A(又は搬送面170A上の浮き上がりのない状態の用紙P)から検出用ビームL1の光軸までの高さH1よりも高くなる。すなわち、参照用ビームL2は搬送面170Aから遠い方のビームとなり、検出用ビームL1は搬送面170Aから近い方のビームとなる。
この参照用ビームL2の光軸までの高さH2は、用紙Pが浮き上がっても参照用ビームL2を遮らない高さとされている。一方、検出用ビームL1の光軸までの高さH1は、用紙Pが浮き上がったときに参照用ビームL2の少なくとも一部を遮る高さとされている。なお、高さH2は、搬送面170A上の浮き上がりのない状態の用紙Pからインクジェットヘッド172のノズル面172Aまでの高さH3よりも、高く設定することが好ましい。用紙Pが大きく浮き上がってもインクジェットヘッド172のノズル面172Aより上方までは浮き上がり難いからである。
本実施形態では、搬送面170A上の浮き上がりのない状態の用紙Pから検出用ビームL1の光軸までの高さH1は、例えば0.6mmと設定される。また、搬送面170A上の浮き上がりのない状態の用紙Pから参照用ビームL2の光軸までの高さH2は、例えば1cmと設定される。
ここで、ハーフミラー234Aとハーフミラー234Bは、平行に進む検出用ビームL1と参照用ビームL2との距離D1が、ビーム同士の干渉を回避するような間隔となるように、離されて配置されている。すなわち、ビームスプリッタ234は、1つのビームL0を分割して、ビーム同士の干渉を回避するように、検出用ビームL1と参照用ビームL2との距離D1を離す。この距離D1は、例えば5mm以上に離されている。一方で、ハーフミラー234Aとハーフミラー234Bは、平行に進む検出用ビームL1と参照用ビームL2との距離D1が、ビーム同士の周囲の環境を同一又は実質的に同一とみなせるような間隔となるように、近づけて配置されている。すなわち、ビームスプリッタ234は、1つのビームL0を分割して、ビーム同士の周囲の環境を同一又は実質的に同一とみなせるように、検出用ビームL1と参照用ビームL2との距離D1を近づける。この距離D1は、例えば10cm以下に近づける。
受光部240は、出射部230に対して搬送面を挟んで対向するように設けられ、出射部230から出射され、互いに搬送面170Aに沿って進み終えた検出用ビームL1と参照用ビームL2とを受光して、各ビームの受光量を検出する。
この受光部240は、検出用ビームL1を受光する検出用センサ242と、参照用ビームL2を受光する参照用センサ244と、を備えている。これら検出用センサ242と参照用センサ244とは、それぞれ例えばフォトダイオードにより構成されている。検出用センサ242と参照用センサ244の配置は、検出用ビームL1と参照用ビームL2と搬送面170Aとの距離関係に基づいて設定されている。例えば、参照用センサ244は、検出用センサ242よりも搬送方向Dの上流側に配置され、搬送面170Aからの高さが検出用センサ242よりも高くなっている。
平行平板250は、搬送面170Aを挟んで出射部230側及び受光部240側に、それぞれ検出用ビームL1と参照用ビームL2が通過するように設けられている。この平行平板250は、検出用ビームL1と参照用ビームL2の距離D1や搬送面170Aに沿う角度を変えず、また検出用ビームL1の高さH1(用紙からの距離)と参照用ビームL2の高さH2(用紙からの距離)とを変えないように、用紙Pの厚みに応じて搬送面170Aからの距離を調整する。
浮き上がり判定基板260は、検出用センサ242と参照用センサ244とに、電気的に接続されており、各センサ242,244から出力される受光量を示す信号が入力される。この浮き上がり判定基板260は、論理回路を用いて、入力された検出用ビームL1の受光量から参照用ビームL2の受光量を差し引いた差分の大きさから、用紙Pの浮き上がりの有無を判定する。浮き上がりが有ると判定した場合には、この浮き上がり判定の信号を、後述する衝突回避制御部36に出力する。
なお、「用紙Pの浮き上がり」とは、用紙Pの浮きだけでなく、用紙Pの折れによる盛り上がり、あるいは異物の付着等も含んで総称している。
また、浮き上がり判定基板260の具体的な判定方法については、後述する。
《制御系の説明》
図4は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。
インクジェット記録装置100は、通信インターフェース12、システム制御部(システムコントローラ)14、画像メモリ16、モータドライバ18、ヒータドライバ20、プリント制御部22、メンテナンス制御部24等を備えている。
通信インターフェース12は、ホストコンピュータ10から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース12にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリを搭載してもよい。ホストコンピュータ10から送出された画像データは通信インターフェース12を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、一旦画像メモリ16に記憶される。
画像メモリ16は、通信インターフェース12を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システム制御部14を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ16は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システム制御部14は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システム制御部14は、通信インターフェース12、画像メモリ16、モータドライバ18、ヒータドライバ20等の各部を制御し、ホストコンピュータ10との間やヒータ21を制御する制御信号を生成する。
画像メモリ16には、システム制御部14のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、画像メモリ16は、書き換え不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書き換え可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ16は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域として利用するようにしてもよい。
また、システム制御部14には、画像データに対して各種画像処理を施す画像処理部28や各種制御プログラムを格納したEEPROM30が接続されている。システム制御部14からの指令に応じて、EEPROM30から制御プログラムが読み出され、実行される。なお、EEPROM30は、後述する閾値や動作パラメータ等の記憶手段と兼用するようにしてもよい。
モータドライバ18は、システム制御部14からの指示にしたがってモータ19を駆動するドライバである。図4には、インクジェット記録装置100の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号19で表示している。例えば、図4のモータ19には、図1の中間搬送部126、128や渡し胴152、処理液ドラム154、描画ドラム170、乾燥ドラム176、定着ドラム184などを駆動するモータなどが含まれる。
詳しくは後述するが、搬送されている用紙Pに用紙浮きや異物の付着が発生して用紙Pの浮き上がり量が高くなりそのまま搬送するとインクジェットヘッド172のノズル面172Aに用紙Pが接触してしまう虞がある場合に、システム制御部14はモータドライバ18を介して、用紙Pの給紙や搬送を停止する等の制御を行う。
ヒータドライバ20は、システム制御部14からの指示にしたがって、ヒータ21を駆動するドライバである。図4には、インクジェット記録装置100に備えられる複数のヒータを代表して符号21で表示している。例えば、図4に示すヒータ21には、図1に示す処理液付与部114のヒータや乾燥部118のハロゲンヒータ、図2に示す一対のヒータ206などが含まれる。
プリント制御部22は、システム制御部14の制御に従い、画像メモリ16内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、印字に先立ち、処理液付与ドライバ22Aを制御して、処理液塗布装置156から用紙Pに対して処理液を付与するとともに、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ22Bに供給する制御部である。プリント制御部22において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ22Bを介してインクジェットヘッド172の吐出液滴量(吐出量)や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
メンテナンス制御部24は、システム制御部14からの指示にしたがって、キャップ及びクリーニングブレードを含むメンテナンスユニット(図示省略)を駆動するメンテナンス駆動部25を制御するものである。
また、システム制御部14には、この他にインライン検出部30と、温度制御部32と、装置ドライバ34と、衝突回避制御部36と、ヘッド高さ制御部38と、が電気的に接続されている。
インライン検出部30は、インラインセンサ190から得られる情報に基づいて、吐出異常ノズルを判断する不吐出検出を行うものである。インライン検出部30が不吐出検出を行う場合には、吐出異常ノズルを判断するとともに、画像補正によって当該吐出異常ノズルの補正が可能である場合には、画像補正を実行するように、システム制御部14を介して各部へ制御信号を送出する。また、画像補正によって対応できない場合には、当該吐出異常ノズルに対して予備吐出や吸引等の回復動作を行うようにシステム制御部14を介して各部へ制御信号を送出する。
温度制御部32は、上述した温度センサ212と制御プログラム等で構成され、温度センサ212から得られる信号、すなわち搬送面170Aの上方の温度に基づいて、システム制御部14を介して装置ドライバ34に制御指令を与える。この制御指令を受けた装置ドライバ34は、冷却装置210を駆動制御する。
衝突回避制御部36は、上述した浮き上がり判定基板260と制御プログラム等で構成され、浮き上がり判定基板260から得られる信号、すなわち浮き上がり信号に基づいて、用紙Pとインクジェットヘッド172のノズル面172Aとの衝突を回避する制御指令を、システム制御部14を介してモータドライバ18又はヘッド高さ制御部38に与える。
衝突回避制御部36からの制御指令を受けたモータドライバ18は、描画ドラム170に係るモータ19を制御して、搬送面170Aにおける用紙Pの搬送速度を低くする(搬送停止を含む)。
また、衝突回避制御部36からの制御指令を受けたヘッド高さ制御部38は、インクジェットヘッド172を制御して、ノズル面172Aを搬送面170Aから離間する。すなわち、この制御は、搬送面170A上の浮き上がりのない状態の用紙Pからインクジェットヘッド172のノズル面172Aまでの高さH3を現状よりも高くする制御である。なお、高さH3を変更する具体的な構成は、特に限定されるものではなく、例えばピニオン・ラック等の歯車を用いた機械的機構を適用することができる。
−−作用−−
次に、上述の本実施形態のインクジェット記録装置100の作用及び効果について説明する。
システム制御部14は、図1及び図2に示すように、給紙部112を制御し、給紙トレイ150から用紙Pを処理液付与部114に給紙し、用紙Pの搬送を開始する。
システム制御部14は、給紙部112を制御し、用紙Pに処理液を付与する。この後、システム制御部14は、モータ19等を制御して、用紙Pを、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡す。
描画ドラム170へ受け渡された用紙Pは、描画ドラム170上の媒体押えローラ202を通過すると、インクジェットヘッド172の下方を通過する前に、図3に示すビームユニット220の下方を通過する。
用紙Pがビームユニット220を通過する際、ビームユニット220の浮き上がり判定基板260は、用紙Pの浮き上がりの有無を判定する。
ここで、本実施形態に係るインクジェット記録装置100の特にビームユニット220の作用及び効果を明確にするために、参考例に係るインクジェット記録装置を説明する。
参考例に係るインクジェット記録装置は、図3に示すビームユニット220の構成において、ビームスプリッタ234と、参照用センサ244と、平行平板250と、浮き上がり判定基板260と、が無いビームユニットを備えている。この構成では、ビームスプリッタ234がないため、ビームL0が分割されず、このビームL0がそのまま検出用ビームL1として出射され、参照用ビームL2は出射されない。
以上の参考例に係るインクジェット記録装置の構成において、用紙Pの浮き上がりの有無の判定方法を、例えば以下の3つ場合に分けて説明する。図10は、参考例に係るインクジェット記録装置の検出用センサが検出する受光量を縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフである。具体的に、(A)は外乱が発生しておらず用紙が浮き上がっている場合のグラフであり、(B)は外乱が発生しており用紙が浮き上がっていない場合のグラフであり、(C)は外乱が発生しており用紙も浮き上がっている場合のグラフである。
なお、上記「外乱」には、陽炎などの温度変化の他、湿度変化、気体の種類の変化等が挙げられる。
《(1)搬送面170Aの上方に外乱が発生しておらず、用紙Pが搬送面170Aから浮き上がっている場合》
この場合、図10(A)に示すように、出射部230で出射された検出用ビームL1は用紙Pにより一部が遮られ、その一部が受光部240(検出用センサ242)へ入射せず、検出用センサ242で検出される受光量V1が低下する。
そして、システム制御部14等の制御部が、検出用センサ242から受光量V1を受け取り、各検出時間の中での受光量V1の最小値V1’を取得する。次に、制御部は、最小値V1’が基準受光量V0を下回っているか否か判定する。(1)の場合、最小値V1’が基準受光量V0を下回っているため、制御部は、用紙Pの浮き上がりが有ると判定する。
《(2)搬送面170Aの上方に外乱が発生しており、用紙Pが搬送面170Aから浮き上がっていない場合》
この場合、図10(B)に示すように、出射部230で出射された検出用ビームL1は外乱の影響を受けて曲がって一部が検出用センサ242へ入射せず、検出用センサ242で検出される受光量が低下する。
そして、システム制御部14等の制御部が、検出用センサ242から受光量V1を受け取り、各検出時間の中での受光量V1の最小値V1’を取得する。次に、制御部は、最小値V1’が基準受光量V0を下回っているか否か判定する。(2)の場合、最小値V1’が基準受光量V0を下回っているため、制御部は、用紙Pが浮き上がっていないのに、用紙Pの浮き上がりが有ると誤判定する。
《(3)搬送面170Aの上方に外乱が発生しており、用紙Pが搬送面170Aから浮き上がっている場合》
この場合、図10(C)に示すように、出射部230で出射された検出用ビームL1は用紙Pにより一部が遮られ、その一部が受光部240(検出用センサ242)へ入射せず、検出用センサ242で検出される受光量が低下する。さらに、検出用ビームL1は外乱の影響を受けて曲がって一部が検出用センサ242へ入射せず、検出用センサ242で検出される受光量V1(受光量の最小値)が低下する。
システム制御部14等の制御部が、検出用センサ242から受光量V1を受け取り、各検出時間の中での受光量V1の最小値V1’を取得する。次に、制御部は、最小値V1’が基準受光量V0を下回っているか否か判定する。(3)の場合、最小値V1’が基準受光量V0を下回っているため、制御部は、用紙Pの浮き上がりが有ると判定する。
なお、図10(C)では、用紙Pの浮き上がりによって低下した正味の受光量V2(図中では説明の便宜上時間軸をずらしている)が基準受光量V0を下回っていない、言い換えれば、浮き上がりの高さが、インクジェットヘッド172のノズル面172Aに用紙Pが衝突する高さになっていない。このような場合であっても、制御部は、検出される受光量V1の最小値V1’が正味の受光量V2から外乱による低下分が差し引かれた値となるため、基準受光量V0を下回っていると判断し、ノズル面172Aに用紙Pが衝突するような用紙Pの浮き上がりが有ると誤判定してしまう。
次に、本実施形態に係るビームユニット220における浮き上がり判定基板260の浮き上がりの有無の判定方法を説明する。図5は、浮き上がり判定基板260による処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下の括弧内は図中のステップ識別符号である。
(ステップS100)浮き上がり判定基板260は、用紙Pがビームユニット220を通過する際、検出用センサ242が検出した検出用ビームL1の受光量V3を、その検出時間と共に随時取得する。同様に、浮き上がり判定基板260は、用紙Pがビームユニット220を通過する際、参照用センサ244が検出した参照用ビームL2の受光量V4を、その検出時間と共に随時取得する。
なお、上記各「受光量」には、電圧値若しくは電流値、又は電圧値を変換した用紙Pの浮き上がり高さが含まれる。
(ステップS102)浮き上がり判定基板260は、各検出時間での検出用ビームL1の受光量V3から参照用ビームL2の受光量V4を差し引いて、受光量V3と受光量V4の差分の大きさをそれぞれ算出する。浮き上がり判定基板260は、算出した差分の大きさの中から、差分の大きさの最大値D2(=|V3−V4|)を取得する。
(ステップS104)浮き上がり判定基板260は、差分の大きさの最大値D2から、用紙Pの浮き上がりの有無を判定する。具体的に、浮き上がり判定基板260は、最大値D2が閾値D3以上である場合は用紙Pの浮き上がりが有ると判定し、閾値D3未満である場合は用紙Pの浮き上がりが無いと判定する。肯定判定した場合にはステップS206に進み、否定判定した場合には処理を終える。
なお、この閾値D3は、用紙Pとインクジェットヘッド172のノズル面172Aが衝突し始める用紙Pの浮き上がり高さに相当する最大値D2と同じ単位の量である。また、この閾値は、適宜変更できるように、浮き上がり判定基板260の論理回路が構成されていてもよい。例えば、判定基板260に設けられたスイッチが切り替えられることにより、閾値D3を用紙Pとノズル面172Aが衝突する手前(例えば、用紙Pとノズル面172Aの間隔が0.1mmとなるとき)の用紙Pの浮き上がり高さに相当する最大値D2と同じ単位の値にすることもできる。
(ステップS106)浮き上がり判定基板260は、用紙Pに浮き上がりが有るという浮き上がり判定を、衝突回避制御部36に出力する。この衝突回避制御部36は、浮き上がり判定を受けて、用紙Pとインクジェットヘッド172のノズル面172Aとの衝突を回避する制御を行う。また、衝突回避制御部36は、システム制御部14及びプリント制御部22を介して、インクジェットヘッド172による画像形成を中断する。
なお、浮き上がり判定基板260は、用紙Pの浮き上がりが無いと判定した場合には、衝突回避制御部36に浮き上がり判定は出力しない。この場合、そのまま画像形成が続行される。
以上の浮き上がり判定基板260の判定結果を、例えば以下の3つ場合に分けて説明する。
《(1)搬送面170Aの上方に外乱が発生しておらず、用紙Pが搬送面170Aから浮き上がっている場合》
図6(A)は、外乱が発生しておらず用紙が浮き上がっている場合の検出用センサ242が検出する受光量V3と参照用センサ244が検出する受光量V4とを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフであり、図6(B)は、外乱が発生しておらず用紙が浮き上がっている場合の差分の大きさを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフである。なお、図6では、浮き上がり(受光量の低下)がないときの受光量V3と受光量V4を上下にずらして記載しているが、実際には、浮き上がり(受光量の低下)がないときの受光量V3と受光量V4は一致する。
上記(1)場合、図6(A)に示すように、出射部230で出射された搬送面170Aに近い方の検出用ビームL1は用紙Pにより一部が遮られ、その一部が検出用センサ242へ入射せず、検出用センサ242で検出される受光量V3が低下する。また、搬送面170Aに遠い方の参照用ビームL2は、浮き上がった用紙Pに遮られず、参照用センサ244で検出される受光量V4が低下しない。
したがって、浮き上がり判定基板260が、各検出時間における検出用ビームL1の受光量V4と参照用ビームL2の受光量V3の差分の大きさをそれぞれ算出すると、図6(B)に示すようになる。浮き上がり判定基板260は、図6(B)に示す差分の大きさの中から、差分の大きさの最大値D2を取得することになるが、この差分の大きさの最大値D2は、用紙Pの浮き上がりによる検出用ビームL1の受光量V3の正味の最大低下量V3’と等しいか或いは近似するようになる。
そして、浮き上がり判定基板260は、差分の大きさの最大値D2、言い換えれば検出用ビームL1の受光量V3の正味の最大低下量V3’が、閾値D3以上であると判断して、用紙Pの浮き上がりが有ると正しく判定する。
《(2)搬送面170Aの上方に外乱が発生しており、用紙Pが搬送面170Aから浮き上がっていない場合》
図7(A)は、外乱が発生しており用紙が浮き上がっていない場合の検出用センサ242が検出する受光量V3と参照用センサ244が検出する受光量V4とを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフであり、図7(B)は、外乱が発生しており用紙が浮き上がっていない場合の差分の大きさを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフである。なお、図7(A)では、受光量V3と受光量V4を上下左右にずらして記載しているが、実際には受光量V3とV4は一致する。
上記(2)場合、図7(A)に示すように、出射部230で出射された検出用ビームL1と参照用ビームL2とは、それぞれ外乱により曲がり(図9参照)、各受光センサ242,244で検出される受光量V3,V4が低下する。
したがって、浮き上がり判定基板260が、各検出時間における検出用ビームL1の受光量V3と参照用ビームL2の受光量V4の差分の大きさをそれぞれ算出すると、図7(B)に示すようになる。浮き上がり判定基板260は、図7(B)に示す差分の大きさの中から、差分の大きさの最大値D2を取得することになるが、その最大値D2はゼロに等しいか或いは近似するようになる。
そして、浮き上がり判定基板260は、差分の大きさの最大値D2が、閾値D3未満であると判断して、用紙Pの浮き上がりが無いと正しく判定する。すなわち、浮き上がり判定基板260により、搬送面170Aの上方に外乱が発生していても、図10(B)に示す参考例と比較して、用紙Pの浮き上がりの誤判定を防止することができる。
《(3)搬送面170Aの上方に外乱が発生しており、用紙Pが搬送面170Aから浮き上がっている場合》
図8(A)は、外乱が発生しており用紙が浮き上がっている場合の検出用センサ242が検出する受光量V3と参照用センサ244が検出する受光量V4とを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフであり、図8(B)は、外乱が発生しており用紙が浮き上がっている場合の差分の大きさを縦軸にし、検出時間を横軸にしたグラフである。なお、図8(A)では、受光量V3と受光量V4を上下左右にずらして記載しているが、実際には用紙Pの浮き上がり分(V3’)を除いて受光量V3と受光量V4は一致する。
上記(3)場合、図8(A)に示すように、出射部230で出射された検出用ビームL1と参照用ビームL2とは、それぞれ外乱により曲がり(図9参照)、各受光センサ242,244で検出される受光量V3,V4が低下する。また、搬送面170Aに近い方の検出用ビームL1は用紙Pにより一部が遮られ、その一部が検出用センサ242へ入射せず、検出用センサ242で検出される受光量V3が低下する。
したがって、浮き上がり判定基板260が、各検出時間における検出用ビームL1の受光量V3と参照用ビームL2の受光量V4の差分の大きさをそれぞれ算出すると、図8(B)に示すようになる。浮き上がり判定基板260は、図8(B)に示す差分の大きさの中から、差分の大きさの最大値D2を取得することになるが、その最大値D2は、用紙Pの浮き上がりによる検出用ビームL1の受光量V3の正味の最大低下量V3’と等しいか或いは近似するようになる。
そして、浮き上がり判定基板260は、差分の大きさの最大値D2、言い換えれば検出用ビームL1の正味の最大低下量V3’が、閾値D3未満であると判断して、用紙Pの浮き上がりが無いと正しく判定する。すなわち、浮き上がり判定基板260により、搬送面170Aの上方に外乱が発生し且つインクジェットヘッド172のノズル面172Aに用紙Pが衝突しないような高さまで用紙Pの浮き上がりがあっても、用紙Pの浮き上がり高さに相当する検出用ビームL1の正味の最大低下量V3’が、閾値D3以上とならないため、図10(C)に示す参考例と比較して、用紙Pの浮き上がりの誤判定を防止することができる。
この結果、用紙Pが浮き上がってもノズル面172Aに衝突しないときにまで、衝突回避制御部36による無駄な衝突回避制御が行わなくて済むようになる。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置100では、1つのビームL0をビームスプリッタ234で検出用ビームL1と参照用ビームL2とするので、2つの発光点を備えた平面発光レーザーから検出用ビームL1と参照用ビームL2を出射するより、ビームの光量差を小さくでき、検出用ビームL1の受光量V3から外乱により低下したビームの受光量V4を正確に差し引ける。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置100では、出射部230側及び受光部240側に設けられた平行平板250の傾きを変えることで、検出用ビームL1と参照用ビームL2の相対距離を変えずに、搬送面170Aからの離間距離が調整される。これにより、用紙Pの厚みが変っても閾値D3を変更しなくて済む。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置100では、参照用ビームL2は、検出用ビームL1よりインクジェットヘッド172に遠い方から出射されるので、参照用ビームL2が検出用ビームL1よりも早いタイミングで外乱の影響を受けて曲がり始める場合がある。これにより、検出用センサ242が検出用ビームL1の低下した受光量を検出した瞬間に検出用ビームL1の受光量V3から参照用ビームL2の受光量V4を差し引くことができるようになるので(外乱の影響を取り除くことができるので)、用紙Pがインクジェットヘッド172の下に行く前までに、用紙Pの浮き上がりの有無を早く判定することができる。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置100では、浮き上がり判定基板260が論理回路を用いて用紙Pの浮き上がりの有無を判定するので、ソフトウェアで判定する場合よりも、判定結果が出るまでの処理時間が早くなる。これにより、衝突回避制御部36は、浮き上がり判定の結果を早く受けて、用紙Pがノズル面172Aに衝突する前までに、描画ドラム170の搬送速度を下げ又はインクジェットヘッド172を搬送面170Aから離間させることができる。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置100では、熱風乾燥ユニット202で乾燥された、すなわち暖められた用紙Pが、第1渡し胴126から冷却装置210により冷却された描画ドラム170へ渡されるため、搬送面170Aの上方に陽炎が発生し易い。しかし、上述した浮き上がり判定基板260が、受光部240で受光された検出用ビームL1の受光量V3から参照用ビームL2の受光量V4を差し引くため、陽炎による影響(受光量の低下)を除去した形で用紙Pの浮き上がりの有無を判定することができる。この結果、用紙Pの浮き上りの誤判定を防止することができる。
《変形例》
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであり、例えば上述の複数の実施形態は、適宜、組み合わせて実施可能である。また、以下の変形例同士を、適宜、組み合わせてもよい。
例えば、本実施形態に係るインクジェット記録装置100では、1つのビームL0を分割するビームスプリッタ234を用いる場合を説明したが、このビームスプリッタ234を省略するようにしてもよい。この場合、検出用ビームL1を出射する光源と参照用ビームL2を出射する光源の2つの光源を用意する。またこの場合、検出用ビームL1と参照用ビームL2の光量が、実質的に同一の範囲内となるように光源の出力を調整することが好ましい。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置100では、平行平板250を用いる場合を説明したが、この平行平板250を省略するようにしてもよい。
また、図7(A)及び図8(A)では、実際には用紙Pの浮き上がり分(V3’)を除いて受光量V3とV4は一致するように説明した。すなわち、図7(A)及び図8(A)に示す外乱によるビームの曲がり(受光量の低下)は、検出用ビームL1と参照用ビームL2共に同じ時間に同じだけ曲がるように説明した。しかしながら、参照用ビームL2が、検出用ビームL1よりインクジェットヘッド172に遠い方から出射されるので、図7(A)及び図8(A)に記載のように、参照用ビームL2が検出用ビームL1よりも早いタイミングで外乱の影響を受けて曲がり始めて、受光量V4が受光量V3よりも早く低下し始める場合もある。
このような場合、浮き上がり判定基板260は、各検出時間のときの参照用ビームL2の受光量V4の時間軸を、外乱の影響を受けて曲がり始めて受光量が低下する時間が検出用ビームL1と参照用ビームL2とで一致するように、各検出時間のときの検出用ビームL1の受光量V3の時間軸に合せることが好ましい。
また、浮き上がり判定基板260は、各検出時間での検出用ビームL1の受光量V3から参照用ビームL2の受光量V4を差し引いて、受光量V3と受光量V4の差分の大きさをそれぞれ算出する場合を説明したが、各検出用ビームL1の受光量V3のうち最小値のものから各参照用ビームL2の受光量V4のうち最小値のものを差し引くようにしてもよい。さらに、浮き上がり判定基板260は、参照用ビームL2の受光量V4から検出用ビームL1の受光量V3を差し引くようにしてもよい。さらにまた、浮き上がり判定基板260は、各検出時間での検出用ビームL1の受光量V3の低下量から参照用ビームL2の受光量V4の低下量を差し引くようにしてもよい。
また、浮き上がり判定基板260を省略して、例えば衝突回避制御部36に浮き上がり判定基板260と同一の機能を担わせるようにしてもよい。この場合、浮き上がりの有無の判定は、ソフトウェアによって行われることになる。
また、図3に示す検出用センサ242と参照用センサ244の受光面は、それぞれ地面に対して鉛直とされ水平に揃っている(インクジェット記録装置100の設置面から受光面の下端部までの距離が互いに同じ)ことが好ましい。これにより、ビームユニット220を水平に設置することができ、設計が容易となる。
また、上記実施形態では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定されない。
また、上記実施形態では画像形成装置としてインクを用いたインクジェット方式のインクジェット記録装置100を一例に挙げたが、吐出される液は画像記録・文字印刷用などのインクに限定されず、用紙Pに染み込む溶媒あるいは分散媒を使用している液体であれば種々の吐出液(液滴)に応用することができる。
また、上記実施形態では記録媒体として用紙Pを一例に挙げたが、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の記録媒体、例えばOHP等にも適用することができる。
36 衝突回避制御部(制御手段)
100 インクジェット記録装置(画像形成装置)
126 第1渡し胴(渡し胴)
170 描画ドラム(描画胴)
170A 搬送面
172 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)
202 熱風乾燥ユニット(熱風乾燥手段)
210 冷却装置(冷却機構)
230 出射部(出射手段)
232 光源
234 ビームスプリッタ
240 受光部(受光手段)
242 検出用センサ
244 参照用センサ
250 平行平板
260 浮き上がり判定基板(浮き上がり判定手段)
352 冷却装置(冷却機構)
D 用紙搬送方向(搬送方向)
D2 差分の大きさの最大値(差分の大きさ)
D3 閾値
L0 ビーム(1つのビーム)
L1 検出用ビーム
L2 参照用ビーム
P 用紙(記録媒体)

Claims (8)

  1. 記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送される前記記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドよりも前記記録媒体の搬送方向上流側に設けられ、前記搬送手段の搬送面に沿って、前記記録媒体の検出用ビームと、前記検出用ビームよりも前記搬送手段の搬送面から遠い参照用ビームとを出射する出射手段と、
    前記出射手段から出射された前記検出用ビームと前記参照用ビームとを受光する受光手段と、
    前記受光手段に受光された前記検出用ビームの受光量と前記参照用ビームの受光量との差分の大きさに基づき、前記記録媒体の浮き上がりの有無を判定する浮き上がり判定手段と、
    を有する画像形成装置。
  2. 前記出射手段は、1つのビームを出射する光源と、前記1つのビームを前記検出用ビームと前記参照用ビームとに分割するビームスプリッタと、を備えている、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記出射手段側及び前記受光手段側に、前記検出用ビームと前記参照用ビームとが通過する平行平板が設けられている、
    請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記参照用ビームは、前記検出用ビームより前記液滴吐出ヘッドに遠い方から出射される、
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記受光手段は、前記検出用ビームを受光する検出用センサと、前記参照用ビームを受光する参照用センサと、を備え、
    前記検出用センサと前記参照用センサの受光面は、それぞれ鉛直とされて水平に揃っている、
    請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記浮き上がり判定手段は、前記受光手段に受光された前記検出用ビームの受光量と前記参照用ビームの受光量との差分の大きさが、閾値以上である場合は前記記録媒体の浮き上がりが有ると判定し、閾値未満である場合は前記記録媒体の浮き上がりが無いと判定する、
    請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記浮き上がり判定手段は、論理回路を用いて前記記録媒体の浮き上がりの有無を判定し、
    前記論理回路による浮き上がり判定を受けて、前記搬送手段の搬送速度を下げ又は前記液滴吐出ヘッドを前記搬送手段から離間させる制御手段、
    を備える請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記搬送手段は、前記液滴吐出ヘッドに対向して配置された描画胴であり、
    前記描画胴を冷却する冷却機構と、
    前記描画胴に前記記録媒体を搬送して渡す渡し胴と、
    前記渡し胴に設けられ、前記描画胴で搬送される前記記録媒体へ熱風を吹き付けて乾燥させる熱風乾燥手段と、
    を備える請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置。
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