JP5439898B2 - 抵抗スポット溶接性に優れる高張力鋼板 - Google Patents
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PCTS=1.5C+P+3S-0.05Al ・・・(1)
C:0.1〜0.23%、
Al:0.8〜2.0%、
P:0.03以下、
S:0.015以下
を含有し、
PCTS=1.5C+P+3S-0.05Al≦0.23%
を満たし、さらに、
Mn:0.5〜3.0%、
Si:0.2〜2.0%、
Cr:0.2〜2.0%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になることを特徴とする、抵抗スポット溶接性に優れる780MPa級以上の高張力鋼板。
PCTS=1.5C+P+3S-0.05Al ・・・(1)
Cは鋼の強化に有効に寄与するだけでなく、TRIP強化機構の高張力鋼板においては残留オーステナイトを確保し延性を得る上でも寄与する元素である。一方で、過剰に添加されるとナゲットとその周辺の熱影響部を過度に硬化させるだけでなく、不可避的不純物であるP、Sの存在により凝固時にP、Sと共に最終凝固部に偏析する傾向が助長され、ナゲットの靭性を劣化させる。含有量が0.1%未満では、鋼板の引張強度を780MPa以上とする上で十分でなく、一方0.23%を超えると溶接部強度の安定性に悪影響を及ぼすので、C量は0.1〜0.23%の範囲に限定した。さらに好ましくは、0.12〜0.21%の範囲である。
AlはTRIP強化機構の高張力鋼板においては残留オーステナイトの生成に必要な元素である。また、フェライト安定化元素であり、A3点を上昇もしくは解消し、ナゲット周辺の熱影響部においてオーステナイト単相からマルテンサイト変態し過度に硬化する領域を狭くすることが出来、十字引張試験においてナゲット内破断を回避することが出来るため、抵抗スポット溶接部の継手強度の安定化に必要な元素である。0.8%以下では上記の効果が十分でなく、2.0%を超えると上記効果が飽和する上、溶接継手部において靭性の低下を招くため、Al含有量は2.0%以下の範囲に限定した。さらに好ましくは、1.0〜1.8%の範囲である。
Pは不可避的不純物であり、凝固の際に最終凝固部に偏析し粒界強度を低下させる。特に、抵抗スポット溶接部の溶融ナゲットの靭性を著しく劣化させるため、極力低減する必要があるため、0.03%以下とした。さらに好ましくは、0.02%以下である。
Sも不可避的不純物であり、凝固の際に最終凝固部に偏析し粒界強度を低下させる。特に、抵抗スポット溶接部の溶融ナゲットの靭性を著しく劣化させるため、極力低減する必要があるため、0.015%以下とした。さらに好ましくは、0.010%以下である。
上述のようにAlの添加による効果に加え、Cは過剰に添加されるとナゲットとその周辺の熱影響部を過度に硬化させるだけでなく、不可避的不純物であるP、Sの存在により凝固時にP、Sと共に最終凝固部に偏析する傾向が助長され、ナゲットの靭性を劣化させるので、抵抗スポット溶接部において所望の特性を満足する鋼板を得るためには、Al、C、P、Sの含有量をPCTSにより制御する必要があり、0.23%以下とした。さらに好ましくは、0.21%以下である。
Mnは焼入れ性を向上するため、鋼の強化に有効な元素である。0.5%以上添加することで鋼板の強度の向上に有効あるが、過度に添加されると鋼板の靭性に悪影響を与えることがあるため3.0%以下とした。さらに好ましくは、0.8〜2.5%の範囲である。
Siは鋼の強化に有効な元素であるだけでなく、残留オーステナイトを得る上でも有効な元素である。0.2%以上添加することで鋼板の強度、延性の向上に有効あるが、過度に添加されると鋼板の靭性に悪影響を与えることがあるため2.0%以下とした。さらに好ましくは、0.3〜1.8%の範囲である。
Crは焼入れ性を向上するため、鋼の強化に有効な元素である。0.2%以上添加することで鋼板の強度の向上に有効あるが、過度に添加されると鋼板の靭性に悪影響を与えることがあるため2.0%以下とした。さらに好ましくは、0.8〜2.5%の範囲である。さらに好ましくは、0.3〜1.8%の範囲である。
Claims (1)
- 鋼組成が質量%で、
C:0.1〜0.23%、
Al:0.8〜2.0%、
P:0.03以下、
S:0.015以下
を含有し、
PCTS=1.5C+P+3S−0.05Al≦0.23%
を満たし、さらに、
Mn:0.5〜3.0%、
Si:0.2〜2.0%、
Cr:0.2〜2.0%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し(ただし、C:0.17%、Si:0.66%、Mn:2.19%、P:0.009%、S:0.001%、Al:1.03%の場合を除く)、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になることを特徴とする、抵抗スポット溶接性に優れる780MPa級以上の高張力鋼板。
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JP2009081294A JP5439898B2 (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | 抵抗スポット溶接性に優れる高張力鋼板 |
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