JP5439898B2 - 抵抗スポット溶接性に優れる高張力鋼板 - Google Patents

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本発明は、自動車軽量化に好適とされる高張力鋼板に関するものであり、抵抗スポット溶接法に供した場合に、継手特性の向上を目的とした後熱処理を含む通電パターンを必要とせず、溶接ままで継手が好適な強度を安定的に得られることが出来る780MPa級以上の高張力鋼板に関するものである。
従来から、引張強度の高い高張力鋼板は溶接により接合した場合には、溶接部並びに熱影響部に特性の劣化が生じるのが避けられなかった。例えば、抵抗スポット溶接においては、溶接する2枚の鋼板を電極間で加圧し挟み、電極を通じて溶接電流鋼板に通電するが、この時、2枚の鋼板の重合部には、ナゲットと呼ばれる溶融部が形成される。通電加熱による急熱、急冷を経たこのような溶接部のナゲット及びA3点以上に加熱される熱影響部は極度に硬化し、十字引張試験においてナゲット内部で破壊が起こり、十分な強度が安定的に得られない。これは、ナゲットと熱影響部の組織が変化することに起因している。
そこで、従来はナゲット及び熱影響部が硬化した場合には、テンパー処理を含む通電パターンを用い硬化した組織を焼戻し、十字引張特性を向上する試みがなされている(例えば、非特許文献1等参照)。
しかし、後熱処理を含む通電パターンを必要とせず、溶接ままで継手が好適な強度を安定的に得られることが出来る高張力鋼板があれば、自動車製造コストを低減することが出来、高張力鋼板の普及が期待できる。
そのための方策として、特許文献1には、Si、Mn、P及びSを含む低炭素鋼において、C、P及びSの含有量と板厚の関係を特定することにより、薄鋼板スポット溶接継手の引張せん断強さ及び十字引張強さの両立を図ることが提案されている。
さらに、特許文献2では、C、Si及びCrを0<Ceq<0.1となる範囲内において含有(ただし、Ceq=C+1/40Si+1/20Cr)することにより、溶接ままで十分な継手性能を確保することのできる60kgf/mm2を超える高張力鋼板が提案されている。しかしながら、特許文献1、特許文献2に従った成分系では鋼板引張強度が780MPa以上の高張力鋼板を得ることは極めて困難である。
特許文献3には、Mnの添加量を抑えると共にCrを添加することによりCを0.25%まで添加しても接合強度が低下しない1180MPa以上の高張力鋼板が提案されている。しかしながら、Alを添加することにより抵抗スポット溶接継手においてナゲット周辺の熱影響部の硬化領域を縮小し、十字引張試験においてナゲット周辺で優先的に破壊を発生させることにより好適な強度を安定的に得るという検討は全くされていない。
一方、Alを添加した加工性が良好な高強度鋼板については従来から種々の検討が進められている。例えば、特許文献4には、残留オーステナイトを含む複合組織を有するTransformation Induced Plasticity鋼(以下TRIP鋼という)が開示されているが、Alを添加することにより抵抗スポット溶接継手において好適な強度を安定的に得ることに関しては何ら考慮されていない。
特許文献5は、電気抵抗率を上昇させる元素であるSi、Al、Mnの添加量を制御し、溶接部の表面割れを解消する高張力亜鉛めっき鋼板に関しての提案であるが、Alを添加することにより抵抗スポット溶接継手において好適な強度を安定的に得ることに関しては何ら考慮されていない。
特許文献6は、抵抗スポット溶接継手の引張試験においてナゲット内破断を起こさせない溶接部を得るために溶接金属すなわちナゲットの成分を限定したものであり、Alを0.01%以上、2%以下含有することが提案されているが、抵抗スポット溶接部のナゲット周辺の熱影響部におけるAlの存在が継手強度の安定化に寄与することに関しては全く考慮されていない。
特開昭58−106054号公報 特開2000−169930号公報 特開2007−332452号公報 特開平5−059485号公報 特開2002−294398号公報 特開2003−088961号公報
溶接学会抵抗溶接研究委員会編,溶接学会技術資料No.8,「抵抗溶接現象とその応用(I)スポット溶接・下」
従来の高張力鋼板には、引張強度を確保するためにCとその他の焼入れ性元素を添加するため溶接部が硬化し、引張せん断試験においては十分な強度が得られても、十字引張試験においては好適な強度が安定して得られないという課題がある。
抵抗スポット溶接継手では、図1に示すようにナゲットとA3点以上に加熱されるHAZでは、オーステナイト単相領域を経て急冷されマルテンサイト変態し、高硬度かつ低靭性な組織となりやすい。このような抵抗スポット溶接継手を十字引張試験に供すると、図2に示すごとくナゲット端部を開口する応力が負荷される。このとき、端部とその周辺の熱影響部は過度に硬化しているためナゲット端部周辺での塑性変形が起こりにくく、ナゲット端部に応力が集中する。さらにナゲット端部は低靭性であるため、脆性的に破壊が発生し内部へと進展する。この脆性的な破壊を伴うナゲット内破断を生ずると、十字引張試験において継手強度は不安定となり溶接継手として信頼性を欠く。
本発明は、上記のような事情に鑑みて、780MPa級以上の鋼板引張強度を確保しつつ、抵抗スポット溶接継手において引張せん断試験だけでなく、十字引張試験においても好適な継手強度を安定的に達成することができる高張力鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を克服すべく、鋭意研究を重ねた結果、鋼板引張強度を確保しつつ、抵抗スポット溶接継手において引張せん断試験だけでなく、十字引張試験においても好適な継手強度を安定的に達成する高張力鋼板を得るためには、フェライト安定化元素であるAlを添加することでA3点が上昇するもしくは解消する現象が熱影響部の硬化領域の縮小に寄与し、十字引張試験においてナゲット端部の応力集中を緩和しナゲット内破断を回避するうえで有効であるとの知見を得た。
図3に熱力学計算ソフト(ThermoCalc)を利用して作成したFe、Cを含む多元系平衡状態図を示す。鋼組成が(a)はFe-C-0.3%Si-1.8%Mn-0.3%Cr、(b)はFe-C-0.3%Si-1.8%Mn-0.3%Cr-1.6%Alの場合である。(b)は(a)の組成にAlを1.6%添加した組成であるが、Al添加によりオーステナイト単相領域(図中Aと表示する)が縮小することが示されている。(a)、(b)両方において、C量が0.16%の場合は、A3点は(a)では850℃付近となるが、(b)ではオーステナイト単相領域縮小により出現しなくなる。
図4は、板厚1.4mmの引張強度780MPa以上の鋼板を用いナゲット径を4√t(tは板厚)として作製した溶接継手の断面写真と鋼板同士が重合する側から0.1mmの位置での硬さ測定結果である。鋼組成が、(a)はFe-0.16%C-0.3%Si-1.8%Mn-0.3%Cr、(b)はFe-0.16%C-0.3%Si-1.8%Mn-0.3%Cr-1.6%Alの場合である。(b)は(a)の組成にAlを1.6%添加した組成である。(a)、(b)両方において、ナゲット部はHv440前後の硬さを示し母材と比較し極度に硬化した。一方、熱影響部においては、(a)、(b)両方においてナゲットと同様に硬化が見られるが、硬化領域の幅は、(a)が1.0mm程度であるのに対し、(b)では0.6mm程度に減少し、最高硬度もわずかに低下したことが示されている。(a)、(b)はナゲット径が同じであることから溶接部の温度分布は同様であると考えられるので、熱影響部の硬化幅の違いはA3点の上昇もしくは解消に起因する、即ち、A3点以上に加熱されオーステナイト単相領域から急冷によるマルテンサイトが生成し極度に硬化する領域が縮小もしくは解消されたためと考えられる。
上述のようにAlを添加することでA3点を上昇もしくは解消し、熱影響部の硬化領域を縮小することにより、十字引張試験におけるナゲット端部の応力集中を緩和することができる。
このような鋼鈑の抵抗スポット溶接継手を十字引張試験に供すると、図5に示すごとくナゲット端部を開口する応力が負荷される。しかしながら、熱影響部の硬化領域が狭いため、ナゲットの周辺で優先的に変形が起こりナゲット端部での応力集中が低減される。因って、ナゲット端部からの破壊の発生、ナゲット内部への進展は回避され、熱影響部の硬化領域の外側から破壊が発生する。これより、好適な強度を安定的に達成することが出来る。
さらに、抵抗スポット溶接部において所望の特性を満足する鋼板を得るためには、上述のようにAlの添加による効果に加え、以下のように鋼中元素の含有量を制御することが有効であるという知見を得た。
すなわち、Cは鋼板の強度の確保に必要な添加元素であるが、過剰に添加されるとナゲットとその周辺の熱影響部を過度に硬化させるだけでなく、不可避的不純物であるP、Sの存在により凝固時にP、Sと共に最終凝固部に偏析する傾向が助長されナゲットの靭性を劣化させるので、Al、C、P、Sの含有量をそれぞれ制御し、さらに、下記の式(1)により制御する必要がある。
PCTS=1.5C+P+3S-0.05Al ・・・(1)
本発明は上記の知見に立脚するものである。すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
[1]鋼組成が質量%で、
C:0.1〜0.23%、
Al:0.8〜2.0%、
P:0.03以下、
S:0.015以下
を含有し、
PCTS=1.5C+P+3S-0.05Al≦0.23%
を満たし、さらに、
Mn:0.5〜3.0%、
Si:0.2〜2.0%、
Cr:0.2〜2.0%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になることを特徴とする、抵抗スポット溶接性に優れる780MPa級以上の高張力鋼板。
本発明に従う高張力鋼板では、Alを添加することでA3点を上昇もしくは解消し、抵抗スポット溶接部の熱影響部の硬化領域を縮小することができ、十字引張試験においては、熱影響部の硬化領域が狭いため、ナゲットの周辺で優先的に変形が起こりナゲット端部での応力集中が低減される。因って、ナゲット端部からの破壊の発生、ナゲット内部への進展は回避され、熱影響部の硬化領域の外側から破壊が発生する。これより、好適な強度を安定的に達成することが出来る。
すなわち、本発明によれば、780MPa級以上の鋼板引張強度を確保しつつ、抵抗スポット溶接継手において引張せん断試験だけでなく、十字引張試験においても好適な継手強度を安定的に達成する高張力鋼板を得ることができる。
従来高張力鋼板の抵抗スポット溶接部を構成する領域の模式図である。 従来高張力鋼板の抵抗スポット溶接部が十字引張試験において荷重を受けた際の溶接部の破断過程を示す模式図である。 代表的な組成の従来高張力鋼板と本発明による高張力鋼板のFe-C系平衡状態図である。(a)はFe-C-0.3%Si-1.8%Mn-0.3%Cr、(b)はFe-C-0.3%Si-1.8%Mn-0.3%Cr-1.6%Alの場合である。 代表的な組成の従来高張力鋼板と本発明による高張力鋼板の抵抗スポット溶接部の断面マクロ写真と硬さ分布である。(a)はFe-0.16%C-0.3%Si-1.8%Mn-0.3%Cr、(b)はFe-0.16%C-0.3%Si-1.8%Mn-0.3%Cr-1.6%Alの場合である。 本発明による高張力鋼板の抵抗スポット溶接部が十字引張試験において荷重を受けた際の溶接部の破断過程を示す模式図である。
本発明においては、抵抗スポット溶接部において所望の特性を満足する鋼板を得るためには、上述のようにAlの添加による効果に加え、以下のように鋼中元素の含有量を制御する必要がある。Cは鋼板の強度の確保に必要な添加元素であるが、過剰に添加されるとナゲットとその周辺の熱影響部を過度に硬化させるだけでなく、不可避的不純物であるP、Sの存在により凝固時にP、Sと共に最終凝固部に偏析する傾向が助長され、ナゲットの靭性を劣化させるので、抵抗スポット溶接部において所望の特性を満足する鋼板を得るためには、Al、C、P、Sの含有量をそれぞれ制御し、さらに、下記の式(1)により制御する必要がある。
PCTS=1.5C+P+3S-0.05Al ・・・(1)
そこで、次に、かような要件を満足する成分組成範囲について検討した。
その結果、以下に述べる好適成分組成範囲を見出したのである。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.1〜0.23%
Cは鋼の強化に有効に寄与するだけでなく、TRIP強化機構の高張力鋼板においては残留オーステナイトを確保し延性を得る上でも寄与する元素である。一方で、過剰に添加されるとナゲットとその周辺の熱影響部を過度に硬化させるだけでなく、不可避的不純物であるP、Sの存在により凝固時にP、Sと共に最終凝固部に偏析する傾向が助長され、ナゲットの靭性を劣化させる。含有量が0.1%未満では、鋼板の引張強度を780MPa以上とする上で十分でなく、一方0.23%を超えると溶接部強度の安定性に悪影響を及ぼすので、C量は0.1〜0.23%の範囲に限定した。さらに好ましくは、0.12〜0.21%の範囲である。
Al:0.8〜2.0%
AlはTRIP強化機構の高張力鋼板においては残留オーステナイトの生成に必要な元素である。また、フェライト安定化元素であり、A3点を上昇もしくは解消し、ナゲット周辺の熱影響部においてオーステナイト単相からマルテンサイト変態し過度に硬化する領域を狭くすることが出来、十字引張試験においてナゲット内破断を回避することが出来るため、抵抗スポット溶接部の継手強度の安定化に必要な元素である。0.8%以下では上記の効果が十分でなく、2.0%を超えると上記効果が飽和する上、溶接継手部において靭性の低下を招くため、Al含有量は2.0%以下の範囲に限定した。さらに好ましくは、1.0〜1.8%の範囲である。
P:0.03以下
Pは不可避的不純物であり、凝固の際に最終凝固部に偏析し粒界強度を低下させる。特に、抵抗スポット溶接部の溶融ナゲットの靭性を著しく劣化させるため、極力低減する必要があるため、0.03%以下とした。さらに好ましくは、0.02%以下である。
S:0.015以下
Sも不可避的不純物であり、凝固の際に最終凝固部に偏析し粒界強度を低下させる。特に、抵抗スポット溶接部の溶融ナゲットの靭性を著しく劣化させるため、極力低減する必要があるため、0.015%以下とした。さらに好ましくは、0.010%以下である。
PCTS=1.5C+P+3S-0.05Al:0.23以下
上述のようにAlの添加による効果に加え、Cは過剰に添加されるとナゲットとその周辺の熱影響部を過度に硬化させるだけでなく、不可避的不純物であるP、Sの存在により凝固時にP、Sと共に最終凝固部に偏析する傾向が助長され、ナゲットの靭性を劣化させるので、抵抗スポット溶接部において所望の特性を満足する鋼板を得るためには、Al、C、P、Sの含有量をPCTSにより制御する必要があり、0.23%以下とした。さらに好ましくは、0.21%以下である。
Mn:0.5〜3.0%
Mnは焼入れ性を向上するため、鋼の強化に有効な元素である。0.5%以上添加することで鋼板の強度の向上に有効あるが、過度に添加されると鋼板の靭性に悪影響を与えることがあるため3.0%以下とした。さらに好ましくは、0.8〜2.5%の範囲である。
Si:0.2〜2.0%
Siは鋼の強化に有効な元素であるだけでなく、残留オーステナイトを得る上でも有効な元素である。0.2%以上添加することで鋼板の強度、延性の向上に有効あるが、過度に添加されると鋼板の靭性に悪影響を与えることがあるため2.0%以下とした。さらに好ましくは、0.3〜1.8%の範囲である。
Cr:0.2〜2.0%
Crは焼入れ性を向上するため、鋼の強化に有効な元素である。0.2%以上添加することで鋼板の強度の向上に有効あるが、過度に添加されると鋼板の靭性に悪影響を与えることがあるため2.0%以下とした。さらに好ましくは、0.8〜2.5%の範囲である。さらに好ましくは、0.3〜1.8%の範囲である。
本発明による具体的な実施例について以下のごとく説明する。
即ち、本発明者らが具体的に採用した発明例および比較例による代表的な鋼の化学成分は表1に示すとおりである。
表1に示す種々の化学組成から成る鋼を溶製、鋳造し、加熱温度1200℃、仕上げ温度600℃条件で熱間圧延を施し、3.2mm厚の鋼板とした後、酸洗、冷間圧延によって板厚1.4mmの冷延鋼板となした。さらに、連続焼鈍炉にて800〜900℃の温度で60秒間保持した後、50℃/秒の平均冷却速度で300〜500℃の温度まで急冷してコイルに巻き取り後、10℃/秒の冷却速度で室温まで冷却し冷延鋼板を作製した。得られた鋼板の幅方向に1/4の位置よりJIS5号引張試験片を採取し、ひずみ速度2x10−2/sの条件で引張試験を実施し、機械的性質を調査した。この結果を表2に示す。
上記のごとく製造した鋼板につき、抵抗スポット溶接継手を作製し引張せん断試験、十字引張試験に供した。50Hz単相交流電源の空気加圧式溶接機を用い、加圧力4.0kN、通電時間18サイクルとし、溶接電流はナゲット径を4√t(tは板厚)とするため、5.2〜5.8kAの範囲で調整して溶接を行った。使用した電極はクロム銅製のDR型、先端径6.0mmであった。引張せん断試験はJIS Z 3136、十字引張試験はJIS Z 3137に準拠して行った。試験結果を表3に示す。
鋼板強度は発明例1〜16では、全てにおいて引張強度780MPa以上を達成した。さらにスポット溶接継手の引張せん断試験においても、発明例1〜16全てにおいて好適な強度を達成した。スポット溶接継手の十字引張強度の安定性を判断する上で破断形態が有効であるが、発明例1〜16の鋼板の抵抗スポット溶接継手では十字引張試験において全てプラグ破断が得られた。一方、本発明の限定要件を満たさない比較例1〜9の鋼板では、鋼板の引張強度780MPa以上が達成されない、もしくはスポット溶接継手の十字引張試験における破断形態が界面破断となる、のいずれかとなった。

Claims (1)

  1. 鋼組成が質量%で、
    C:0.1〜0.23%、
    Al:0.8〜2.0%、
    P:0.03以下、
    S:0.015以下
    を含有し、
    CTS=1.5C+P+3S−0.05Al≦0.23%
    を満たし、さらに、
    Mn:0.5〜3.0%、
    Si:0.2〜2.0%、
    Cr:0.2〜2.0%
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有し(ただし、C:0.17%、Si:0.66%、Mn:2.19%、P:0.009%、S:0.001%、Al:1.03%の場合を除く)、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になることを特徴とする、抵抗スポット溶接性に優れる780MPa級以上の高張力鋼板。
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