JP5434466B2 - スクリーン - Google Patents

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Description

本発明は、スクリーンに関する。
従来、プロジェクターから入射される画像を反射或いは透過させて、当該画像を表示するスクリーンが知られている。このようなスクリーンとして、画像としての光が入射されるスクリーン基材(スクリーン基板)の入射面に複数の凹部を形成した反射型スクリーンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のスクリーンでは、各凹部の表面に、プロジェクターからの光の入射領域に応じて反射面(反射膜)が形成されており、当該反射面が、正面側下方から斜方入射される光を、スクリーンの正面側に反射させることで、当該正面側に居る観察者が、反射された画像を観察することができる。
特開2009−15195号公報
ここで、スクリーンに対して光が斜方入射されると、当該スクリーンに対する光の入射角は、スクリーンの下方に比べて上方で大きくなる。一方、前述の特許文献1に記載のスクリーンでは、直径がそれぞれ略同じである各凹部が互いに隣接して形成されている。このため、スクリーンの上側の領域では、上側の凹部と、当該凹部に隣接する下側の凹部との境界(突起)により、プロジェクターから投射された光が、当該上側の凹部の反射面に適切に入射されない場合が生じる。このような場合、当該光がスクリーンの正面側に適切に光が反射されないという問題がある。
本発明の目的は、投射された画像を適切に反射できるスクリーンを提供することである
前記した目的を達成するために、本発明のスクリーンは、投射された画像を表示するスクリーンであって、前記画像を形成する光が入射される入射面を有するスクリーン基材を備え、前記入射面は、複数の凹部を有し、前記複数の凹部は、入射される前記光を反射させる反射領域を有する略凹曲面状の第1凹部と、前記入射面と同一平面上に位置し、かつ、当該入射面の幅方向中央を通る直線上に位置する基準点に対して前記第1凹部の中心より近い位置に中心を有し、かつ、当該第1凹部と一部が重なるように形成され、前記反射領域に前記光を入射させる略凹曲面状の第2凹部とを含み、前記反射領域は、前記第1凹部の中心に対して、前記第2凹部の中心とは反対側に位置し、前記凹部内における前記第1凹部と前記第2凹部との境界は、前記入射面の法線方向から見た際に、当該第2凹部の中心側に傾斜して延出していることを特徴とする。
本発明によれば、スクリーン基材に形成された複数の凹部は、反射領域を有する略凹曲面状の第1凹部と、当該反射領域に光を入射させる略凹曲面状の第2凹部とを含む。これによれば、第1凹部に対して上記基準点側に位置し、かつ、当該第1凹部と一部が重なる第2凹部により、当該基準点側から入射面に入射される光の入射角が大きい場合でも、反射領域への光の光路を確保できる。従って、当該反射領域により、入射される光を適切に反射させることができ、当該光により形成される画像を適切に表示できる。
ここで、1つの第1凹部に対して1つの第2凹部が形成される場合、当該第2凹部の中心は、第1凹部の中心と基準点とを結ぶ仮想の直線上に位置していることが望まれる。また、1つの第1凹部に対して複数の第2凹部が形成される場合には、各第2凹部の中心は、当該仮想の直線に対して線対称に位置することが望まれる。
しかしながら、スクリーン製造時の機械的誤差等により、第2凹部の中心が設計上の位置(以下、「設計位置」ということがある)からずれてしまうことが起こり得る。このように第2凹部の中心の位置がずれると、第1凹部と第2凹部との境界が、入射される光を適切に反射させる反射領域を横切る可能性が生じる。そして、当該境界が反射領域を横切る場合には、当該反射領域に入射された光の一部が予期せぬ方向に反射されてしまう。このような場合、当該スクリーンに表示される画像にぎらつき及びすじが発生し、当該画像が劣化するという問題がある。このような問題は、第1凹部の中心と第2凹部の中心との寸法が小さい場合に、より顕著となる。
これに対し、本発明では、1つの凹部内における第1凹部と第2凹部との境界は、スクリーン基材の入射面の法線方向から見た際に、当該第2凹部の中心側に傾斜して延出している。換言すると、当該境界は、第1凹部の中心と第2凹部の中心とを結ぶ仮想の直線と、当該境界の延長線の接線とによる第2凹部側の交差角が鋭角となるように形成されている。これによれば、第2凹部の中心が第1凹部の中心より基準点側に位置し、かつ、第1凹部の中心に対して反射領域とは反対側に位置することと合わせて、境界が反射領域を横切らないように、当該第1凹部及び第2凹部を形成することができる。従って、前述のぎらつき及びすじの発生を抑制でき、表示される画像の劣化を抑制できる。
本発明では、前記第1凹部は、略平坦な第1底面部と、前記第1底面部の周縁から所定の曲率で略凹曲面状に広がる第1曲面部とを有し、前記第2凹部は、前記第1底面部より直径が小さく、かつ、略平坦な第2底面部と、前記第2底面部の周縁から前記所定の曲率で略凹曲面状に広がる第2曲面部とを有することが好ましい。
ここで、第2底面部の直径は、第1底面部の直径より小さければよく、限りなく0に近くてもよい。
本発明によれば、第2底面部の直径が第1底面部の直径より小さく、また、第1曲面部及び第2曲面部の曲率がそれぞれ同じであることにより、当該第1凹部と第2凹部との境界を、放物線様に第2凹部側に湾曲させることができる。これによれば、当該境界は、反射領域から遠ざかるように延出するので、当該境界が反射領域を横切ることを確実に抑制できる。従って、表示される画像の劣化を確実に抑制できる。
本発明では、前記第1底面部及び前記第2底面部の少なくともいずれかは、略円形状に形成されていることが好ましい。
ここで、スクリーン基材に第1凹部及び第2凹部を直接形成する場合には、第1底面部及び第2底面部に応じた先端面を有するドリルを用いて切削により形成する方法が考えられる。この場合、例えば、第1底面部及び第2底面部のそれぞれが多角形状を有するように第1凹部及び第2凹部を形成することは困難である。また、第1凹部及び第2凹部をエッチングにより形成する方法が考えられる。この場合、スクリーン基材に形成されるマスク層の孔(エッチング液が注入される孔)の形状が第1底面部及び第2底面部の形状となるが、微小な孔を例えば多角形状に形成することは困難である。
これに対し、第1底面部及び第2底面部の少なくともいずれかが略円形状を有するので、前述のドリルを用いた切削及びエッチングにより、第1凹部及び第2凹部の形成を容易に行うことができる。従って、スクリーンの製造工程が複雑化することを防ぐことができる。なお、スクリーン基材に凹部を形成するための成形型を用いてスクリーンを製造する場合でも、当該成形型の製造に際して、第1凹部及び第2凹部に対応する凹部がそれぞれ形成された原板を製造する必要がある。この際にも、第1底面部及び第2底面部が略円形状を有することにより、前述の場合と同様に、原板、ひいては、成形型の製造工程が複雑化することを防止できる。
なお、第1底面部が略円形状を有する場合には、当該第1底面部の周縁から略凹曲面状に広がる第1曲面部を均一な曲率で形成することができる。従って、当該第1曲面部に形成される反射領域を均一な曲率の曲面とすることができるので、当該反射領域に入射される光を、より適切に反射させることができる。
また、本発明の関連技術としての成形型の製造方法は、投射された画像を表示するスクリーンの製造に用いられる成形型の製造方法であって、原板に、略平坦な第1底面部、及び、当該第1底面部の周縁から所定の曲率で略凹曲面状に広がる第1曲面部を有する第1凹部と、前記第1底面部より直径が小さく略平坦な第2底面部、及び、当該第2底面部の周縁から前記所定の曲率で略凹曲面状に広がる第2曲面部を有し、前記第1凹部と一部が重なるように形成される第2凹部とを有する複数の凹部を形成する凹部形成工程と、前記原板に形成された前記複数の凹部が転写された成形型を製造する凹部転写工程とを有することを特徴とする。
これによれば、当該製造方法により製造された成形型を用いて、前述の効果を奏することができるスクリーンを製造することができる。
すなわち、凹部形成工程にて、第1底面部及び第1曲面部を有する第1凹部と、当該第1底面部より直径が小さい第2底面部、及び、当該第1曲面部と同じ曲率で略凹曲面状に広がる第2曲面部を有する第2凹部とを有する凹部が、原板に複数形成される。この際、当該第2凹部は、第1凹部と一部が重なるように形成されることで、第1凹部と第2凹部との境界は、第1凹部の中心を挟んで反対側の当該第1凹部の領域、すなわち、前述の反射領域が形成される領域に向かって延出することがない。これによれば、当該原板に形成された複数の凹部が転写された成形型をプレスするなどして、スクリーン基材に当該凹部を転写し、形成された第1凹部に反射領域を形成した場合でも、当該反射領域を第1凹部と第2凹部との境界が横切ることがない。従って、前述の画像の劣化を抑制できるスクリーンを好適に製造できる。
上記関連技術では、前記凹部形成工程は、前記原板の平坦面にマスク層を形成するマスク層形成手順と、前記第1底面部と略同じ直径を有し、前記第1凹部を形成するための第1孔と、前記第2底面部と略同じ直径を有し、前記第2凹部を形成するための第2孔とを前記マスク層にそれぞれ複数形成する孔形成手順と、前記各第1孔及び前記各第2孔にエッチング液を注入して、前記複数の凹部を前記原板に形成する凹部形成手順と、前記マスク層及び前記エッチング液を前記原板から除去する除去手順とを有することが好ましい。
これによれば、原板のマスク層に、前述の第1底面部及び第2底面部と略同じ直径を有する第1孔及び第2孔をそれぞれ形成し、当該第1孔及び第2孔にエッチング液を注入して原板に対してエッチング処理を施すことにより、前述の第1凹部及び第2凹部が形成された原板を簡易に製造できる。従って、当該原板の加工を容易に行うことができ、ひいては、成形型を簡易に製造できる。
ここで、第1孔及び第2孔のそれぞれの直径が同じである場合には、エッチング液により形成される第1凹部及び第2凹部の境界は、これら第1凹部及び第2凹部の中心間を結ぶ仮想の直線に対して略直交する。この場合、前述のように、第1孔に対して予め設定される第2孔の設計位置から、当該第2孔の形成位置がずれた場合に、当該境界が、入射される光を適切に反射させる前述の反射領域が形成される領域を横切る可能性が生じる。
これに対し、第2孔の直径を、第2底面部の直径に応じた寸法、すなわち、第1孔の直径より小さい直径とすることにより、凹部形成手順にて形成される第1凹部と第2凹部との境界を、放物線様に第2凹部の中心側に湾曲させることができる。これによれば、当該境界が、前述の反射領域が形成される領域を横切ることを抑制できる。従って、表示される画像の劣化を抑制できるという効果をより好適に奏することができるスクリーンを、一層簡易に製造できる。
本発明の一実施形態に係るスクリーンを示す側面図。 前記実施形態におけるスクリーンを示す正面図。 前記実施形態における第1領域の一部を示す部分拡大図。 前記実施形態における第1領域の凹部を示す断面図。 前記実施形態における第2領域の凹部を示す断面図。 前記実施形態における第2領域の凹部を示す断面図。 前記実施形態における成形型及びスクリーンの製造工程を示すフローチャート。 前記実施形態における成形型の製造工程を模式的に示す図。 前記実施形態におけるスクリーンの製造工程を模式的に示す図。 前記実施形態の比較例を示す図。 前記実施形態における凹部の境界を示す図。 前記実施形態における凹部の境界を示す図。 前記実施形態における設計位置に形成された場合の第1凹部と第2凹部との境界を示す図。 前記実施形態における設計位置からずれて形成された場合の第1凹部と第2凹部との境界を示す図。 前記実施形態における凹部を示す断面図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔スクリーンの全体構成〕
図1及び図2は、本実施形態に係るスクリーン1を示す側面図及び正面図である。
本実施形態に係るスクリーン1は、図1に示すように、正面側下方に配置されたプロジェクター9から斜方入射される画像を入射面11Aの法線方向に主に反射して、当該画像を表示するものである。このスクリーン1は、図2に示すように、正面視略矩形状のスクリーン基材11を有する。
このスクリーン基材11の正面側の面は、プロジェクター9から光(画像を形成する光)が入射される入射面11Aである。この入射面11Aには、当該入射面11Aと同一平面上に位置し、かつ、当該入射面11Aの幅方向中央を通る直線上に位置する基準点SPを中心とする略同心円上に、複数の凹部2(21,22。図3〜図6参照)が形成されている。詳述すると、当該入射面11Aは、当該基準点SPから所定の半径を有する円内の領域である第1領域11A1と、当該第1領域11A1以外の領域である第2領域11A2とに区分されており、第1領域11A1内には凹部21が形成され、また、第2領域11A2内には凹部22が形成されている。
〔第1領域の凹部の構成〕
図3は、第1領域11A1の一部を拡大して示す部分拡大図である。換言すると、図3は、凹部21を正面側から見た斜視図である。また、図4は、当該凹部21を示す断面図である。
第1領域11A1には、図3及び図4に示す複数の凹部21が隙間なく互いに密に形成されている。これら凹部21は、図3に示すように、前述の基準点SPを中心とする同心円の円周方向に沿って配列される凹部21の列(図3における左右の列)と、当該列に隣接する他の列とが、1つの凹部21における当該円周方向の寸法(幅寸法)の半分ずれるように形成されている。すなわち、これら凹部21は、正面視略六角形状を有し、それぞれ蜂の巣状に配置されている。
これら各凹部21は、図4に示すように、中心C及び直径Rを有する略円形状の底面部211と、当該底面部211の周縁から略凹曲面状に広がる曲面部212とを有する。そして、当該曲面部212における基準点SPから遠い領域には、プロジェクター9から入射される光を入射面11Aの法線方向に主に反射させる反射領域(図示省略)を有する反射面213が形成されている。
〔第2領域の凹部の構成〕
図5は、第2領域11A2において基準点SPに近い位置に形成される凹部22(22A)を示す断面図であり、図6は、当該基準点SPから離れた位置に形成される凹部22(22B)を示す断面図である。
第2領域11A2には、前述の凹部21と同様に、前述の基準点SPを中心とする同心円の円周方向に沿って複数の凹部22が、互いに隣接するように密に形成されている。これら凹部22は、基準点SPから当該凹部22に向かう方向(長手方向)の寸法が前述の凹部21より大きくなるように形成されている。詳述すると、当該凹部22は、図5及び図6に示すように、基準点SPから遠ざかるに従って(換言すると、プロジェクター9からの光の入射角が大きくなるに従って)、長手方向の寸法が大きくなるように形成されている。
具体的に、第1領域11A1に近い位置に形成される凹部22(22A)は、図5に示すように、第1凹部3と、当該第1凹部3より基準点SPに近い位置に形成される第2凹部4とを有する。
第1凹部3は、入射面11Aの正面側から見て、中心C1及び直径R1を有する略円形状の底面部31(第1底面部)と、当該底面部31の周縁から所定の曲率で略凹曲面状に広がる曲面部32(第1曲面部)とを有する。
第2凹部4は、同様に入射面11Aの正面側から見て、中心C2及び直径R2を有する略円形状の底面部41(第2底面部)と、曲面部32と同じ曲率で底面部41の周縁から略凹曲面状に広がる曲面部42(第2曲面部)とを有する。
これらのうち、曲面部32において、中心C1に対して中心C2とは反対側の領域には、プロジェクター9から入射される光を反射させる必要反射領域RA(図13及び図14参照)を有する反射面33が形成されている。
なお、直径R1と前述の底面部211の直径R(図4)とはそれぞれ略同じであるが、直径R1は、直径R2より大きい。換言すると、直径R2は、直径R1より小さい。更に、入射面11Aから底面部31,41までの深さ寸法は、それぞれ略同じであり、当該底面部31,41は、それぞれ同一平面上に形成されている。
一方、基準点SPから離れた位置に形成される凹部22(22B)は、図6に示すように、凹部22Aと同様に、第1凹部3及び第2凹部4を有するが、中心C1,C2間の寸法は、凹部22Aにおける同寸法と比べて大きい。
具体的に、凹部22Bにおける第1凹部3及び第2凹部4の長手方向の寸法L4,L5は、凹部22Aにおける第1凹部3及び第2凹部4の長手方向の寸法L1,L2(図5)よりそれぞれ大きい。また、これにより、凹部22Bにおける中心C1,C2間の寸法L6は、凹部22Aにおける中心C1,C2間の寸法L3(図5)より大きい。更に、1つの凹部22Bにおける底面部31及び底面部41を含む平面から、第2凹部4と、当該凹部22に対して基準点SP側に隣接する他の凹部22の第1凹部3との境界の先端までの高さ寸法H3は、凹部22Aにおける高さ寸法H2(図5)に比べて大きくなっている。なお、この高さ寸法H2は、凹部21の底面部211を含む平面から、この凹部21と当該凹部21に対して基準点SP側に隣接する他の凹部21との境界の先端までの高さ寸法H1(図4)より大きい。
〔凹部の寸法〕
このように、基準点SPから離れるに従って、凹部22の各寸法(具体的には、第1凹部3及び第2凹部4の長手方向の寸法、中心C1,C2間の寸法、並びに、隣接する凹部22間の境界の高さ寸法)を大きくするのは、以下の理由による。
図1に示したように、プロジェクター9により正面側下方から入射面11Aに対して斜方入射される光の入射角は、基準点SPから離れるに従って大きくなる。これに対し、当該光を各凹部22の反射面33(詳述すると、反射面33における必要反射領域RA)に入射させて、当該反射面33によりスクリーン1(入射面11A)の正面側に適切に反射させるためには、当該反射面33に入射される光の光路を確保する必要がある。このために、基準点SPから第1領域11A1より離れた領域である第2領域11A2には、反射面33を有する第1凹部3と、当該第1凹部3の基準点SP側に隣接配置される第2凹部4を有する凹部22が形成されている。
ここで、入射面11Aに対する光の入射角が小さい場合には、凹部22内に入射された光が反射面33に到達するまでの光路は短く、また、当該反射面33において入射された光を入射面11Aの正面側に主に反射させるための必要反射領域(本発明の反射領域)は、反射面33の曲面形状の接線と、入射面11Aとの交差角が小さい領域(底面部31に近い領域)となる。このため、凹部22のA方向の寸法は小さくてよく、これに応じて、第1凹部3の中心C1と第2凹部4の中心C2との間の寸法は小さくてよい。しかしながら、凹部22間の境界の高さ寸法が大きい場合には、当該境界が、必要反射領域に入射される光を遮ってしまう。このため、当該境界の高さ寸法を小さくする必要がある。
一方、入射面11Aに対する光の入射角が大きい場合には、凹部22内に入射された光が反射面33に到達するまでの光路は長くなる。このため、第1凹部3の中心C1と第2凹部4の中心C2との間の寸法を大きくして、凹部22におけるA方向の寸法を大きくする必要がある。また、当該入射角が大きい場合には、反射面33において入射された光を入射面11Aの正面側に主に反射させるための領域(必要反射領域)は、当該反射面33の曲面形状の接線と、入射面11Aとの交差角が大きい領域(第1凹部3の基準点SPから離間する側の端縁近傍の領域)となる。このため、当該必要反射領域を形成するためには、凹部22間の境界の高さ寸法を大きくする必要があり、当該境界の高さ寸法を大きくするためには、第1凹部3及び第2凹部4のA方向の寸法を大きくする必要がある。
これらの理由により、基準点SPから離れるに従って、上記各寸法が大きくなるように、凹部22が形成されている。
〔スクリーンの製造方法〕
図7は、スクリーンを製造する成形型の製造工程、及び、当該成形型を用いて行われるスクリーンの製造工程を示すフローチャートである。また、図8は、当該成形型の製造工程を模式的に示す図であり、図9は、スクリーンの製造工程を模式的に示す図である。
前述のスクリーン1は、図7に示すように、マスク層形成手順S1、孔形成手順S2、凹部形成手順S3、除去手順S4及び凹部転写手順S5を有する成形型製造工程と、成形型プレス手順S6及び反射面形成手順S7を有するスクリーン製造工程とにより製造される。以下、各手順S1〜S7について説明する。
〔成形型製造工程〕
マスク層形成手順S1では、図8(A)に示すように、ガラス及び金属等の原板Pの平坦面に対して、マスク層MLを形成する。このマスク層MLの材質は、以後の処理に合わせて適宜選択可能であり、本実施形態では、当該マスク層MLは、酸化クロム層、クロム層及び酸化クロム層の三層構造を有している。
孔形成手順S2では、図8(B)に示すように、レーザー照射等により、凹部21に対応する凹部を原板Pに形成するための孔(図示省略)と、凹部22の第1凹部3及び第2凹部4に対応する各凹部P11,P12を原板Pに形成するための第1孔HL1及び第2孔HL2とを、マスク層MLに形成する。
この際、凹部21を形成するための孔の直径は、底面部211の直径に応じて設定する。また、第1孔HL1及び第2孔HL2のそれぞれの直径は、底面部31,41の直径に応じて設定する。このため、第2孔HL2の直径は、第1孔HL1の直径より小さく設定される。更に、各孔HL1,HL2の間隔は、前述のように、形成されるスクリーン1の基準点SPに応じた点から位置に応じて設定される。
凹部形成手順S3では、図8(C)に示すように、孔形成手順S2にて形成された各孔(第1孔HL1及び第2孔HL2を含む)に、バッファードフッ酸等のエッチング液Eを注入して、当該各孔に応じた凹部を原板Pに形成する。これにより、各孔に応じた原板Pの領域が当該原板Pの下方に向かって浸食されるとともに、当該孔の周縁から外側に凹曲面状に広がるように原板Pが浸食される。このため、原板Pには、当該各孔に応じた底面部と、当該底面部の周縁から凹曲面状に広がる曲面部とを有する凹部が、それぞれ形成される。
このようにして、凹部21に対応する凹部(図示省略)、並びに、第1凹部3及び第2凹部4に対応する凹部P11,P12を有し、かつ、凹部22に対応する凹部P1が形成されると、除去手順S4にて、図8(D)に示すように、原板Pからエッチング液E及びマスク層MLを除去して洗浄し、当該原板Pを乾燥させる。
このようにして形成された凹部P11(原板Pに形成される本発明の第1凹部に相当)は、前述の底面部31に対応する底面部P111(第1底面部)と、当該底面部P111の周縁から略凹曲面状に広がるように形成され、かつ、前述の曲面部32に対応する曲面部P112(第1曲面部)とを有する。また、凹部P12(原板Pに形成される本発明の第2凹部に相当)は、底面部P111より直径が小さく、かつ、前述の底面部41に対応する底面部P121(第2底面部)と、当該底面部P121の周縁から略凹曲面状に広がるように形成され、かつ、前述の曲面部42に対応する曲面部P122(第2曲面部)とを有する。そして、これら曲面部P112,P122の曲率は、曲面部32,42のそれぞれの曲率と同様に、それぞれ同じである。すなわち、凹部P11,P12は、それぞれ、第1凹部3及び第2凹部4と同形状及び同寸法に形成される。
凹部転写手順S5では、図8(E)に示すように、上記各手順S1〜S4にて形成された原板Pの各凹部(凹部P1を含む)を、成形型Tとなる基板Kに転写する。この後、原板Pから基板Kを剥離させることで、図8(F)に示すように、当該凹部P11,P12に対応する凸部T11,T12を有し、凹部P1に対応する凸部T1を含む複数の凸部が形成された成形型Tが製造される。
以上により、成形型製造工程が完了する。
〔スクリーン製造工程〕
次に、スクリーン製造工程について説明する。
まず、成形型プレス手順S6では、図9(A)に示すように、前述の凸部(凸部T1を含む)が形成された面をスクリーン基材11に対向させた状態で、当該スクリーン基材11に成形型Tを所定の圧力で押圧(プレス)して、図9(B)に示すように、スクリーン基材11に前述の凹部21,22(凹部21は図示省略)を形成する。この後、図9(C)に示すように、成形型Tからスクリーン基材11を剥離させる。
この後、反射面形成手順S7では、スクリーン基材11の曲面部212,32のうち、当該スクリーン基材11の基準点SPから離間する側の領域に、反射面213,33を形成する。この反射面213,33の形成については、各種手法を用いることができ、例えば、アルミニウム等の金属を真空空間内で蒸着させる手法や、当該金属の粒子をスプレーする手法を用いることができる。
以上により、前述の凹部21,22を有するスクリーン1(スクリーン基材11)が製造される。
〔第1孔に対する第2孔の位置〕
前述の孔形成手順S2では、第1孔HL1及び第2孔HL2を含む複数の孔をマスク層MLに形成した。これら各孔HL1,HL2はレーザー照射等により形成されるが、機械的誤差により、先に形成される第1孔HL1に対して、後に形成される第2孔HL2の位置が設計位置からずれる場合がある。
具体的に、本実施形態では、1つの凹部22がそれぞれ1つの第1凹部3及び第2凹部4を有するので、第2凹部4の中心C2が、第1凹部3の中心C1と基準点SPとを結ぶ仮想の直線上の設計位置に位置するように、換言すると、第2孔HL2の中心が、第1孔HL1の中心と当該基準点SPに対応する点とを結ぶ仮想の直線上の設計位置に位置するように、当該第2孔HL2を形成することが望まれる。しかしながら、レーザーをマスク層MLに照射する際の機械的誤差等により、当該第2孔HL2の中心が設計位置からずれて形成される場合がある。このような場合、各孔HL1,HL2に応じて形成される凹部P11,P12の境界が、前述の必要反射領域が形成される領域を横切る可能性が生じる。
図10は、本実施形態の比較例を示す図である。詳述すると、図10は、第1孔及び第2孔が同じ直径を有し、当該第2孔が設計位置からずれた場合に、これら第1孔及び第2孔に応じて形成される凹部P21,P22の境界BP2を示す図である。
特に、第1孔及び第2孔の直径がそれぞれ同じである場合には、設計位置からずれて第2孔が形成されると、当該境界が、必要反射領域が形成される領域を横切る可能性が高くなる。
詳述すると、図10に示すように、第1孔に応じて形成される凹部P21、及び、当該第1孔と同じ直径を有する第2孔に応じて形成される凹部P22の境界BP2は、当該各凹部の中心CP11,CP12の中間から、当該中心CP11,CP12を結ぶ仮想の直線に対して直交するように延出する。そして、中心CP12が設計位置CP13からずれた場合、中心CP11と基準点SPに対応する前述の点とを結ぶ直線LBに対する境界BP2の交差角(中心CP12側の交差角)が大きくなる。このため、当該境界BP2が、必要反射領域RAを横切る可能性が高くなる。また、当該交差角は、設計位置からの第2孔のずれ量が大きくなるに従って大きくなり、更に、第1孔及び第2孔のそれぞれの中心間の寸法が短いほど第2孔がずれた場合に大きくなるため、当該可能性は一層高くなる。
このような問題に対し、本実施形態では、第1孔HL1の直径に対して、第2孔HL2の直径を小さくしている。このため、当該各孔HL1,HL2に応じて形成される凹部P11,P12の境界BP1は、当該凹部P11,P12の各中心CP11,CP12を結ぶ仮想の直線に対して中心CP12側に傾斜するように略L字状に(詳述すると放物線様に)延出する。
図11は、凹部P11,P12の境界BP1、及び、第1凹部3及び第2凹部4の境界BSを示す図である。なお、第1凹部3及び第2凹部4は、当該凹部P11,P12と同形状及び同寸法で形成されるため、図11及び後述する図12においては、当該第1凹部3及び第2凹部4についての構成を凹部P11,P12についての構成に合わせて括弧書きで示すこととする。
例えば、第2孔HL2が、第1孔HL1の中心と基準点SPに応じた前述の点とを結ぶ仮想の直線LA上の設計位置に形成された場合には、境界BP1は、図11に示すように、中心CP11,CP12間を結ぶ直線(仮想の直線LAと一致)に対して線対称となるように、中心CP12側に傾斜して延出する。このため、当該境界BP1は、必要反射領域RAから遠ざかることとなり、当該領域RAを横切らない。
図12は、凹部P11,P12の境界BP1、及び、第1凹部3及び第2凹部4の境界BSを示す図である。
一方、前述の設計位置からずれて第2孔HL2が形成された場合、境界BP1は、図12に示すように、中心CP11,CP12を結ぶ仮想の直線に対して略線対称に、中心CP12側に傾斜して延出する。そして、当該中心CP12が、中心CP11に対して必要反射領域RAとは反対側に位置しているため、境界BP1は、当該領域RAを横切らない。
図13(A)及び(B)は、第2凹部4が設計位置に形成された場合の当該第2凹部4と第1凹部3との境界BSを示す正面図及び斜視図である。また、図14(A)及び(B)は、第2凹部4が設計位置からずれて形成された場合の境界BSを示す正面図及び斜視図である。
このような成形型Tを用いて、スクリーン基材11に第1凹部3及び第2凹部4を形成すると、第1凹部3及び第2凹部4の境界BSは、図13及び図14に示すように、境界BP1と同様に、第2凹部4の中心C2側に傾斜して延出する。このため、第2孔HL2に応じて第2凹部4が設計位置に形成された場合(図13に示す場合)、及び、第2孔HL2に応じて第2凹部4が設計位置からずれて形成された場合(図14に示す場合)のいずれの場合でも、境界BSが、必要反射領域RAを横切ることが防止される。
図15は、凹部P11,P12を示す断面図である。なお、図15においても、第1凹部3及び第2凹部4についての構成を凹部P11,P12についての構成に合わせて括弧書きで示すこととする。
上記したスクリーン基材11における境界BSの座標、換言すると、原板Pにおける境界BP1の座標は、以下の連立方程式(1)を解くことにより求められる。すなわち、図12に示したように、凹部P11の中心CP11を原点とし、当該中心CP11と基準点SPに応じた前述の点とを通る直線をx座標とし、当該x座標に直交し、かつ、中心CP11を通る直線のうち、凹部P11の底面部に沿う直線をy座標とした場合に、当該境界BP1の座標(境界BSの座標)は、以下の連立方程式(1)を解くことにより、以下の式(2)のように求められる。
なお、図15に示すように、以下の式(1)及び(2)において「r」及び「r」は、底面部P111,P121の半径(第1孔HL1及び第2孔HL2の半径)をそれぞれ示し、「d」は当該底面部P111,P121の端縁から境界BP1までの寸法を示す。また、「a」は、中心CP12の上記xy座標におけるx座標の値を示し、「b」は、当該中心CP12の上記xy座標におけるy座標の値を示す。
Figure 0005434466
Figure 0005434466
以上のように、原板Pにおける境界BP1の座標、及び、スクリーン基材11における境界BSの座標が求められる。そして、当該境界BSは、必要反射領域RAを横切ることがないため、前述の製造工程により製造されたスクリーン1では、ぎらつき及びすじが生じることがなく、表示画像の劣化が抑制される。
以上説明した本実施形態に係るスクリーン1によれば、以下の効果がある。
入射面11Aに対する光の入射角が大きい第2領域11A2には、第1凹部3と、当該第1凹部3に対して基準点SP側に位置し、かつ、当該第1凹部3と一部が重なる第2凹部4とを有する凹部22が隣接して複数形成されている。これによれば、入射される光の入射角が大きい場合でも、第2凹部4により、反射面33に入射される光の光路を確保できる。従って、当該反射面33により、入射される光を適切に反射させることができ、当該光により形成される画像を適切に表示できる。
1つの凹部22内における第1凹部3と第2凹部4との境界BSは、入射面11Aの法線方向から見た際に、当該第2凹部4の中心C2側に傾斜して延出する。換言すると、当該境界BSは、中心C1と中心C2とを結ぶ仮想の直線と、当該境界BSの延長線の接線とによる第2凹部4側の交差角が鋭角となるように延出する。これによれば、中心C2が、中心C1より基準点SP側に位置し、かつ、中心C1に対して反射面33が形成される領域とは反対側に位置することと合わせて、境界BSが必要反射領域RAを横切らないように、第1凹部3及び第2凹部4を形成できる。従って、入射面11Aにて表示される画像にぎらつき及びすじが発生することを抑制でき、当該画像の劣化を抑制できる。
第2凹部4の底面部41の直径R2が第1凹部3の底面部31の直径R1より小さく、また、曲面部32,42の曲率がそれぞれ同じであることにより、第1凹部3と第2凹部4との境界BSを、第2凹部4の中心C2側に確実に湾曲させることができる。これによれば、当該境界BSを、反射面33から遠ざかるように延出させることができるので、当該境界BSが必要反射領域RAを横切ることを確実に抑制できる。従って、表示される画像の劣化を確実に抑制できる。
底面部31,41がそれぞれ略円形状を有することにより、曲面部32,42を均一な凹曲面状に形成することができる。ここで、曲面部32における中心C1に対して基準点SPとは反対側の領域には、必要反射領域RAを有する反射面33が形成されるので、当該必要反射領域RAを均一な曲率を有する曲面とすることができる。従って、プロジェクター9から入射される光を、スクリーン1の正面側に適切に反射させることができる。
また、底面部31,41が略円形状であるので、原板Pのマスク層MLに形成される第1孔HL1及び第2孔HL2も略円形状となる。これによれば、多角形状等に形成する場合に比べて、当該各孔HL1,HL2を簡易に形成することができる。従って、前述の孔形成手順S2を簡略化することができる。
原板Pのマスク層MLに、第1孔HL1と、当該第1孔HL1の直径より小さい第2孔HL2とを形成し、当該各孔HL1,HL2にエッチング液を注入することにより、当該原板Pに凹部P11,P12を形成する。これによれば、第1凹部3及び第2凹部4に対応する当該凹部P11,P12を簡易に形成できる。従って、当該原板Pを用いて成形型Tを製造し、当該成形型Tを用いてスクリーン基材11に凹部21とともに凹部22を形成することにより、凹部22内の境界BSが、必要反射領域RAを横切らないスクリーン1(前述のぎらつき及びすじの発生が抑制されるスクリーン1)を簡易に製造できる。
また、凹部P11,P12は、エッチングにより形成されるので、ドリル等により当該凹部P11,P12を複数形成する場合に比べ、原板Pに対する処理を簡略化できる。
〔実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、スクリーン基材11の入射面11Aには、凹部21と、第1凹部3及び第2凹部4を有する凹部22とが形成されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該入射面11Aの全面に亘って、凹部22を形成するようにしてもよい。この場合、前述のように、入射面11Aに対する光の入射角に応じて、第1凹部3及び第2凹部4の寸法、並びに、中心C1と中心C2との寸法等を調整してもよい。
前記実施形態では、底面部31,41は略円形状を有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該底面部31,41は略円形状でなくてもよく、例えば、多角形状としてもよい。また、底面部41の直径R2、すなわち、第2孔HL2の直径は、底面部31の直径R1、すなわち、第1孔HL1の直径より小さければよく、当該底面部41及び第2孔HL2の直径R2が0に近くてもよい。
前記実施形態では、凹部2(21,22)は、それぞれの形状が正面視略六角形状を有するように配列されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、凹部の形状は、正面視略六角形状以外の多角形状を有していてもよい。例えば、凹部の形状が、正面視略長方形状、或いは、正面視略正方形状を有するように、当該凹部が配列されていてもよい。
前記実施形態では、原板Pに形成された凹部を基板Kに転写し、当該基板Kを原板Pから剥離させることで成形型Tが製造されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、凹部が形成された原板Pの表面に電鋳処理により電鋳箔を形成し、当該電鋳箔を原板Pから剥離させることで成形型Tを製造してもよい。
前記実施形態では、原板Pに対して、凹部21,22に応じた凹部をエッチングにより形成し、当該原板Pから成形型Tを製造し、当該成形型Tを用いてスクリーン1を製造するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、ドリル等を用いた切削や、他の手法により、原板Pに当該凹部を形成するようにしてもよい。また、成形型Tを用いる前述の製造工程に限らず、スクリーン基材11に対して、切削及びエッチング等の処理を行うことで、凹部21,22を直接形成してもよい。
前記実施形態では、凹部21,22が、それぞれ入射面11Aの延長面上に位置する基準点SPを中心とする同心円状に配列されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該基準点SPは、入射面11Aと同一平面上に位置すればよく、当該入射面11A内に位置していてもよい。また、各凹部21,22は、基準点SPを中心とする同心円状に配置される構成に限らず、当該入射面11Aと同一平面上に位置する基準点の集合である直線(例えば、水平方向に沿う直線)に沿ってそれぞれ配列されていてもよい。例えば、入射面11Aの幅方向に沿って、凹部21,22が配列されていてもよい。
前記実施形態では、1つの凹部22は、第1凹部3に対して1つの第2凹部4を有する構成としたが、本発明はこれに限らない。すなわち、第1凹部3と一部が重なるように複数の第2凹部4を形成してもよい。例えば、第1凹部の中心と基準点とを結ぶ直線に対して略対称となる位置に中心をそれぞれ有する第2凹部を形成してもよい。
前記実施形態では、スクリーン1は、正面側下方に位置するプロジェクター9から斜方入射される光を反射させて、当該光により形成される画像を表示するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、プロジェクター9の位置は、正面側上方に位置していてもよい。このような場合、スクリーン1の上方に基準点SPを設定し、当該基準点SPに合わせて前述の凹部21,22を配置させればよい。
本発明は、プロジェクターから投射された画像を表示するスクリーンとして利用することができる。
1…スクリーン、2…凹部、3…第1凹部、4…第2凹部、11…スクリーン基材、11A…入射面、22…凹部、31…底面部(第1底面部)、32…曲面部(第1曲面部)、33…反射面、41…底面部(第2底面部)、42…曲面部(第2曲面部)、BS…境界(第1凹部と第2凹部との境界)、C1…中心(第1凹部の中心)、C2…中心(第2凹部の中心)、E…エッチング液、HL1…第1孔、HL2…第2孔、ML…マスク層、P…原板、P1…凹部、P11…凹部(第1凹部)、P12…凹部(第2凹部)、P111…底面部(第1底面部)、P112…曲面部(第1曲面部)、P121…底面部(第2底面部)、P122…曲面部(第2曲面部)、RA…必要反射領域(反射領域)、S1…マスク層形成手順(凹部形成工程)、S2…孔形成手順(凹部形成工程)、S3…凹部形成手順(凹部形成工程)、S4…除去手順(凹部形成工程)、S5…凹部転写手順(凹部転写工程)、SP…基準点、T…成形型。

Claims (3)

  1. 投射された画像を表示するスクリーンであって、
    前記画像を形成する光が入射される入射面を有するスクリーン基材を備え、
    前記入射面は、複数の凹部を有し、
    前記複数の凹部は
    入射される前記光を反射させる反射領域を有する略凹曲面状の第1凹部と、
    前記入射面と同一平面上に位置し、かつ、当該入射面の幅方向中央を通る直線上に位置する基準点に対して前記第1凹部の中心より近い位置に中心を有し、かつ、当該第1凹部と一部が重なるように形成され、前記反射領域に前記光を入射させる略凹曲面状の第2凹部とを含み
    前記反射領域は、前記第1凹部の中心に対して、前記第2凹部の中心とは反対側に位置し
    前記凹部内における前記第1凹部と前記第2凹部との境界は、前記入射面の法線方向から見た際に、当該第2凹部の中心側に傾斜して延出していることを特徴とするスクリーン。
  2. 請求項1に記載のスクリーンにおいて、
    前記第1凹部は、
    略平坦な第1底面部と、
    前記第1底面部の周縁から所定の曲率で略凹曲面状に広がる第1曲面部とを有し、
    前記第2凹部は、
    前記第1底面部より直径が小さく、かつ、略平坦な第2底面部と、
    前記第2底面部の周縁から前記所定の曲率で略凹曲面状に広がる第2曲面部とを有することを特徴とするスクリーン。
  3. 請求項2に記載のスクリーンにおいて、
    前記第1底面部及び前記第2底面部の少なくともいずれかは、略円形状に形成されていることを特徴とするスクリーン。
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