JP5429052B2 - 造形方法 - Google Patents

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本発明は、基板上に形成された層状構造体を転写用基板に転写して該転写用基板に層状構造体を順次積層することにより立体を造形する造形方法に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載のように、立体を造形する造形方法の一つとして、基板上に形成された層状構造体を転写用基板に転写することを繰り返して層状構造体が積層されてなる立体を造形する、いわゆる積層法が知られている。特許文献1では、まず、紫外線硬化樹脂を含む液状体が形成材料として用いられるとともに、該液状体に対する撥液性が付与された描画用基板に該液状体からなる液状層が形成される。次いで、転写用基板を描画用基板に近づけた後に、描画用基板と転写用基板とによって挟持された上記液状層に紫外光を照射する。これによって、液状層が硬化されてなる層状構造体が描画用基板と転写用基板との間に形成される。この層状構造体と転写用基板との接着力は、上記撥液性を有した描画用基板と層状構造体との接着力よりも大きく、転写用基板が描画用基板から遠ざけられると転写用基板に接着した状態で層状構造体が描画用基板から剥離される。このようにして層状構造体が転写用基板に転写される。そして転写用基板に転写された層状構造体に対する他の層状構造体の転写が繰り返されることによって、複数の層状構造体からなる立体が造形される。
特開平10−34752号公報
ところで、宙に浮いた部分を有するモデルを立体として表現する際には、宙に浮いた部分と他の部分とを連結させるための細い線状の連結部分を利用する必要がある。一方、上述した積層法では、液状体に対する撥液性が描画用基板に付与されているとはいえ、描画用基板上に形成された層状構造体を剥離させるときには、その剥離にともなう外力が、転写用基板に先行して転写された層状構造体に作用することになる。こうした外力が上述した連結部分に作用するとなれば、連結部分が曲がってしまったり、破損してしまったりする。その結果、連結部分に連結される部分の位置ずれや欠落といった立体の形状に関わる不具合が生じる虞があった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされてものであり、その目的は、層状構造体が積層されてなる立体の形状の精度を高めることが可能な造形方法を提供することにある。
本発明の造形方法は、硬化性を有した液状層を描画用基板の描画面に描画する描画工程と、前記液状層に転写用基板を被せた状態で該液状層を硬化させる硬化工程と、前記描画用基板と前記転写用基板との間隔を広げることによって前記液状層の硬化物である層状構造体を前記転写用基板に転写する転写工程とを含み、前記描画工程、前記硬化工程、前記転写工程を繰り返すことによって、前記層状構造体が積層されたかたちの立体を前記転写用基板に造形する造形方法であって、前記描画工程では、前記描画面の描画領域において前記液状層の描画領域とは異なる領域に前記層状構造体を支持するための支持層を描画し、前記転写工程では、前記支持層共々、前記層状構造体を前記転写用基板に転写することを要旨とする。
この造形方法によれば、立体を構成する部材の周辺に支持層を形成しながら層状構造体を積層させることができる。すなわち、層状構造体の積層過程において、転写用基板に先行して積層された層状構造体を支持層で支持させながら、該層状構造体に新たな層状構造体を積層させることができる。そのため、転写用基板に積層された積層体に作用する外力を層状構造体と支持層とに分散させることができる。これにより、層状構造体のみを積層して立体を形成した場合に比べて、転写用基板に積層された層状構造体に曲りや破損などが生じ難くなることから、立体の構成部材の位置ずれや欠落といった不具合を生じ難くすることができる。それゆえに、立体の形状の精度を高めることができる。
この造形方法において、前記支持層は、前記液状層の描画領域を囲うように描画される。
この造形方法によれば、液状層の描画領域を囲うように支持層が描画される。こうした構成によれば、立体の構成部材に曲り及び破損をさらに生じ難くすることができる。それゆえに、立体の形状をより高精度に実現することができる。
この造形方法において、前記支持層は、前記液状層に接触するように描画される。
この造形方法によれば、層状構造体を積層させた積層体が支持層によって直接支持されることから、立体の構成部材に曲り及び破損をより一層生じ難くすることができる。
この造形方法において、前記支持層は、前記描画面の描画領域において、前記液状層の描画領域とは異なる領域の全域にわたって描画される。
ここで、層状構造体のみを転写用基板に積層した場合に、転写用基板と層状構造体との接触面積が小さくなればなるほど、転写用基板から層状構造体が脱落しやすくなる。この点、この造形方法によれば、描画面の描画領域の各位置には、液状層もしくは支持層が描画される。こうした構成によれば、層状構造体のみを積層した場合に比べて、転写用基板との接触面積を大きくすることができる。それゆえに、転写用基板から層状構造体が脱落し難くすることができる。
この造形方法において、前記支持層は、水溶性樹脂を水に溶解させた水溶液、または前記水溶液に非水溶性粉末樹脂を分散させた液状体で構成される。
この造形方法によれば、転写用基板に積層された積層体を浸水させるだけで支持層を除去することができる。これにより、例えば支持層を機械的に除去する場合に比べて、支持層の除去にともなう層状構造体への負荷を抑えることができる。それゆえに、支持層の除去にともなう立体の変形や破損を生じ難くすることができる。
この造形方法において、前記液状層は、光硬化性を有している。
この造形方法によれば、液状層に光を照射するだけで該液状層を硬化させることができる。
この造形方法において、前記液状層及び前記支持層は、液状体を液滴にして吐出する液滴吐出法によって描画される。
この造形方法のように、液状体を液滴にして吐出する液滴吐出法を用いて液状層及び支持層を描画することで描画面に高精細な液状層及び支持層を形成することができる。
本発明を具体化した一実施形態の造形方法に用いられる造形システムの構成を示す図。 造形システムを構成する造形装置の斜視構造を示す斜視図。 造形装置が有する液滴吐出ヘッドの側面構造を示す側面図。 液滴吐出ヘッドが有するノズル形成面の平面構造を示す平面図。 液滴吐出ヘッドの内部構造を示す側断面図。 造形装置が有する露光部及び転写部の斜視構造を示す斜視図。 露光部及び転写部の側面構造を示す側面図。 造形装置の電気的構成を示すブロック図。 造形システムによって造形される立体の積層構造の一例を示す図。 本発明を具体化した造形方法の手順を示すフローチャート。 描画面において各液状体の描画領域を模式的に示した図。 断面層が描画された状態を模式的に示す図。 断面層が硬化される状態を模式的に示す図。 断面層が転写された状態を模式的に示す図。 第n層目まで断面層が積層されたときにおける転写部の側面図。 除去工程後における積層体の正面構造を示す正面図。 断面層が硬化される状態を模式的に示す図。 変形例における支持層の形成態様の一例を示す図。
以下、本発明を具体化した一実施形態における造形方法について図1〜図17を参照して説明する。まず、造形方法に用いられる造形システムについて説明する。図1は、造形システムの概略構成を示す図である。図1に示されるように、造形システム1は、コンピューター3と、造形装置5と、浸水装置9とで構成されている。コンピューター3は、立体7を複数の層状構造体からなる積層体として取り扱うために、立体7の形状を示すデータに基づいて各層状構造体の形状を示すデータを生成する。コンピューター3は、層状構造体の形状を示すデータである層形状データを造形装置5に出力する。造形装置5は、コンピューター3から入力される層形状データに基づいて、該層形状データが示す形状の層状構造体と該層状構造体を支持する支持層とで構成される断面層を形成するとともに、断面層を順次積層する。そのあと、前記断面層からなる積層体を浸水装置9に浸水させて支持層を除去することによって立体7を造形する。なお、本実施形態の立体7は、構成部材として、屈曲部材7a及び空中部材7bの他、屈曲部材7aと空中部材7bとを連結する連結部材7cを有している。
次に、造形システム1を構成する造形装置5について図2を参照して説明する。図2は、造形装置の斜視構造を示す斜視図である。図2に示されるように、造形装置5は、基板搬送部10と、キャリッジ搬送部20と、露光部70と、転写部80とを有している。
基板搬送部10は、一つの方向に沿って延びる基台12を有している。基台12の上面12aには、基台12が延びる方向である搬送方向Xに沿って延びる一対のガイドレール13a,13bが敷設されている。一対のガイドレール13a,13bには、基板搬送モーター16(図8参照)の駆動軸に伝達機構を介して連結された搬送テーブル14が配設されている。そして基板搬送モーター16が駆動されると、ガイドレール13a,13bに沿って、転写部80と対向する転写エリアと該転写エリアとは反対側の待機エリアとの間で搬送テーブル14が移動する。
搬送テーブル14は、露光部70が出射する紫外光71(図7参照)に対して透過性を有した例えばガラスや石英などで構成されている。搬送テーブル14の上面14aには、矩形状の描画面15aを有した第1基板としての描画用基板15が載置されている。描画用基板15は、これもまた露光部70が出射する紫外光71(図7参照)に対して透過性を有した例えばガラスや石英などで構成されている。
キャリッジ搬送部20は、基台12が延びる方向と直交する方向であるヘッド移動方向
Yにおける基台12の両側に立設された支柱21a,21bと、該支柱21a,21bに架設されたガイド部材22とを有している。なお、搬送方向X及びヘッド移動方向Yに直交する方向を鉛直方向Zという。ガイド部材22には、ガイド部材22が延びる方向に沿ってガイドレール23が配設されている。ガイドレール23には、キャリッジモーター27(図8参照)の駆動軸に伝達機構を介して連結されたキャリッジ24が配設されている。そしてキャリッジモーター27が駆動されると、ガイドレール23に沿ってキャリッジ24が移動する。このキャリッジ24には、ヘッドプレート25を介して液滴吐出ヘッド30が搭載されている。なお、本実施形態の造形装置5においては、搬送テーブル14が移動する経路のうち、液滴吐出ヘッド30が移動する経路と相対向する領域を描画エリアという。
次に、キャリッジ24に搭載される液滴吐出ヘッド30について図3〜図5を参照して説明する。図3は、キャリッジ24が移動する方向から見た液滴吐出ヘッドの側面図である。図4は、ノズル形成面の平面構造を示す平面図である。図5は、液滴吐出ヘッドの内部構造を示す側断面図である。
図3に示されるように、液滴吐出ヘッド30は、ヘッドプレート25に連結されるヘッド本体31と、ヘッド本体31の底部に設けられたノズルプレート32とを有している。ノズルプレート32は、液滴吐出ヘッド30と描画用基板15とが対向するときに、ノズル形成面32aと描画用基板15の描画面15aとが略平行になるように配置されている。そしてノズル形成面32aと描画面15aとが相対向するとき、液滴吐出ヘッド30は、これらの間に液滴55,65(図5参照)が飛行する空間を形成する。またノズルプレート32のノズル形成面32aは、ヘッド本体31と描画用基板15とが相対向している間、ノズル形成面32aと描画面15aとの距離であるプラテンギャップが所定の距離に維持される。ノズル形成面32aには、鉛直方向Zに沿ってノズルプレート32を貫通するノズル33が複数形成されている。
図4に示されるように、ノズルプレート32には、描画用基板15が移動する方向に沿ってピッチ寸法Pで配列された複数のノズル33からなる2本のノズル列34a,34bが液滴吐出ヘッド30の移動する方向に並設されている。このノズル列34a,34bを構成する複数のノズル33は、液滴吐出ヘッド30が移動する方向から見て、ノズル列34aにおけるノズル33の間を補うようにノズル列34bにおけるノズル33が配置されている。そして、これら2本のノズル列34a,34bによってノズル群35Kが構成されている。なお、ノズルプレート32には、ノズル群35Kと同様の構成からなるノズル群35C、ノズル群35M、ノズル群35Y、ノズル群35W、及びノズル群35Tが液滴吐出ヘッド30の移動する方向に併設されている。
図5に示されるように、ヘッド本体31は、ノズルプレート32に接合されるとともに、各ノズル33に連通した複数のキャビティ45を有したキャビティプレート41と、各キャビティ45を覆うようにキャビティプレート41に接合された振動板42とを有している。またヘッド本体31は、各キャビティ45に対向するように振動板42に接合された複数の圧電素子43を有している。このような構成からなる液滴吐出ヘッド30では、駆動電圧を受けた圧電素子43が鉛直方向Zに伸縮すると、各キャビティ45に収容された液状体50,60の一部が駆動電圧に応じたサイズや速度を有する液滴55,65としてノズル33から吐出された後に描画面15aに着弾する。そして描画面15aには、着弾した液滴55による液状層58と液滴65による支持層68とで構成される断面層69が描画される。なお、このような液滴吐出ヘッド30を用いて液状層58及び支持層68を描画する構成であれば、ディスペンサ法を用いて形成されたものよりも高精細な液状層58及び支持層68を描画することが可能である。
次に、ノズル33から液滴55,65として吐出される液状体50,60について説明する。まず、液状体50について説明する。本実施形態の液状体50は、紫外光によって硬化が進行する光硬化性を有した光硬化剤が樹脂材料に添加されてなる液状体である。こうした液状体50を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系やエポキシ系の樹脂材料など採用することが可能である。また光硬化剤としては、例えば、ラジカル重合型の光重合開始剤や、カチオン重合型の光重合開始剤などが採用することが可能である。なお、ラジカル重合型の光重合開始剤としては、例えば、イソブチルベンゾインエーテルや、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。カチオン重合型の光重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩誘導体や、アリルヨードニウム塩誘導体、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤などが挙げられる。
上述した液状体50は、それに照射させる紫外光の強度及び照射時間に応じて、該液状体50の硬化の進行する度合いが異なる。例えば、液状体50に照射される紫外光の強度が一定ならば、紫外光の照射時間が長くなるほど、液状体50の硬化がより進行することになる。また、液状層に照射させる紫外光の照射時間が一定ならば、紫外光の強度が高くなるほど、液状体50の硬化がより進行することになる。それゆえに、液状体50に照射する紫外光の強度や照射時間を変えることによって、液状体50の硬化度合いを変えることが可能である。
また、上記構成の液状体50に顔料や染料等の色素や、親液性あるいは撥液性を示す表面改質材料などの機能性材料を添加することによって、固有の機能を有する液状体50を生成することも可能である。なお本実施形態の造形装置5には、液状体50として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及びホワイト(W)の各色で構成された5種類の液状体50Y,50M,50C,50K,50Wが用いられている。そしてノズル群35K,35C,35M,35Y,35Wの各々には、それに対応する液状体50K,50C,50M,50Y,50Wが供給される。
本実施形態の液状体60は、非水溶性粉末樹脂に水溶性樹脂を水に溶解させた水溶液である。こうした液状体60は、含有する水分が蒸発することによって徐々に固化するとともに、固化物を水に曝すことによって再び液状体に戻る。支持層の強度を増すためには、水溶性樹脂を水に溶解させた水溶液に非水溶性粉末樹脂を分散した液状体を用いてもよい。非水溶性粉末樹脂としては、アクリル系やシリコーン系、アクリルシリコーン系の粉末樹脂を用いることができる。また非水溶性粉末樹脂は、インクジェットヘッドのノズル径の目詰まりと支持体の強度維持との関係上、粒径が好ましくは4.0μm以下、さらに好ましくは2.0μm以下で、且つ複数粒径を持つ混合粒子であるのが好ましい。非水溶性粉末樹脂に添加される水溶性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol、以下ではPVAとよぶ)が好適である。またPVAにおける重合度の好ましい範囲は、300〜6000、より好ましくは300〜2000、さらに好ましくは300〜1000である。またPVAにおける鹸化度の好ましい範囲は、80〜100未満、より好ましくは85〜90である。上述した範囲内のPVAを用いることで、液状体60が固化したときに高い粉末固定力と固化物の溶解容易性とを得ることができる。支持層の強度を特に必要としない場合には、非水溶性粉末樹脂を加えなくてもよい。なお、本実施形態の造形装置5においては、ノズル群35Tを構成するノズル33から液状体60が液滴65として吐出される。
次に、液滴55が着弾する描画用基板15の描画面15aについて説明する。描画面15aには、液状体50,60に対して撥液性を示す材料がコーティングされている。描画面15aに撥液性を持たせることにより、描画面15aにおいて硬化した液状体50,6
0を該描画面15aから剥離させやすくすることができる。液状体50,60に対して撥液性を示す材料としては、例えば、フッ素やフッ素化合物を含有する材料が挙げられる。撥液領域は、フッ素やフッ素化合物を含有するガス中に基板を曝す気相法、フッ素やフッ素化合物を含有する溶液中に基板を浸す浸液法、該溶液を基板に吹き付けるスプレー法、該溶液を基板の表面で伸ばすスピンコート法などによって形成される。また、フッ素やフッ素化合物を含有するガス中で基板をプラズマ処理することによっても形成される。本実施形態では、フッ素化合物の1つであるフルオロアルキルシラン化合物を含む材料が描画面15aにコーティングされている。
次に、液状層58の硬化を進行させる露光部70について図6及び図7を参照して説明する。図6は、露光部及び転写部の斜視構造を示す斜視図である。図7は、描画用基板15が移動する方向から見た露光部及び転写部の側面図である。
図6及び図7に示されるように、露光部70は、基台12が延びる方向における該基台12の一端部に設けられている。露光部70は、基台12におけるガイドレール13a,13b間に設けられた凹部12b内に配設されるとともに、該凹部12bの開口部に向けて所定の波長及び強度を有した紫外光71を光源73から出射する。凹部12bの開口部には、光源73から出射された紫外光71を透過する蓋板75が配設されている。紫外光71としては、描画面15aに形成されたコーティング膜が破壊されないように、200nmよりも長い波長の紫外光が好ましい。光源73としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等を用いることができる。そして搬送テーブル14が転写エリアに位置しているときに光源73から紫外光71が出射されると、蓋板75、搬送テーブル14、及び描画用基板15を通過した紫外光71が描画面15aに描画された断面層69に到達する。
次に、転写部80について同じく図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7に示されるように、転写部80は、液滴吐出ヘッド30が移動する方向における基台12の両側に立設された支柱81a,81bと、露光部70と相対向するように支柱81a,81bに架設された架設部材82とを有している。液滴吐出ヘッド30が移動する方向において架設部材82の中央部には、露光部70に向かって延びる支持部材83が鉛直方向Zに移動するように取り付けられている。この支持部材83の基端は、昇降モーター86の駆動軸に伝達機構を介して連結されるとともに、該昇降モーター86に駆動されて鉛直方向Zに移動する。また支持部材83の先端には、第2基板としての矩形状の転写用基板85が固定されている。転写用基板85は、描画用基板15の描画面15aに対して平行な造形面85aを有している。造形面85aは、搬送テーブル14が転写エリアに配置されているときに、描画用基板15の描画面15aにおける中心と該造形面85aにおける中心とが鉛直方向Zで一致するかたちで、描画用基板15の描画面15aと相対向する。ちなみに、転写用基板85の造形面85aは、描画用基板15の描画面15aよりも液状体50に対する撥液性が低くなるように構成されている。
次に、造形装置5の電気的構成について図8を参照して説明する。図8は、造形装置の電気的構成を示すブロック図である。図8に示されるように、造形装置5は、造形装置5を統括制御する制御部101を有している。制御部101は、CPU102と、駆動制御部103と、記憶部104とを有している。CPU102、駆動制御部103及び記憶部104は、バス111を介して互いに接続されている。
駆動制御部103は、モーター制御部131、位置検出制御部133、吐出制御部135、露光制御部137から構成されている。駆動制御部103の各構成部は、CPU102からの指令に基づいて、基板搬送部10、キャリッジ搬送部20、液滴吐出ヘッド30、露光部70、転写部80における駆動の態様を制御する。記憶部104は、RAMやR
OMなどで構成されて、造形装置5における各種制御プログラム105を記憶する領域や、各種のデータが一時的に展開された展開データ106を記憶するための領域を有する。
制御部101には、インターフェース113(以下では、I/F113とよぶ)を介して上記コンピューター3が接続されている。コンピューター3は、立体7を複数の層状構造体からなる積層体として取り扱うために、立体7の形状を示すデータに基づいて各層状構造体の形状を示すデータを生成して制御部101に出力する。
ここで、複数の層状構造体からなる積層体として立体7を取り扱う態様について図9を参照して説明する。図9は、造形システムによって造形される立体の積層構造の一例を示す図である。
図9に示されるように、コンピューター3は、立体7の形状を示すデータに基づいて、厚さtnを有した立体7を、膜厚tを有するn層(nは、2以上の整数)の層状構造体120に仮想的に分割する。層状構造体120のうち、第4層目から第(k−1)層目までの層状構造体120は、屈曲部材7a及び連結部材7cの一部を有している層状構造体である。また第k層目及び第(k+1)層目の層状構造体120は、屈曲部材7a及び空中部材7bの一部を有している層状構造体である。なお、図9においては、各層状構造体120が識別しやすいように隣接する層状構造体120を色別している。そして、コンピューター3は、層状構造体120の各々に対して、層状構造体120の大きさ、厚さ、形、位置、配色などを示す層形状データを生成する。
モーター制御部131は、CPU102からの指令に基づいて、基板搬送モーター16、キャリッジモーター27、及び昇降モーター86の各々を駆動する。位置検出制御部133は、CPU102からの指令に基づいて搬送テーブル14の位置、キャリッジ24の位置、及び転写用基板85の位置の各々を、テーブル位置検出装置141、キャリッジ位置検出装置143、及び転写用基板位置検出装置145に検出させる。位置検出制御部133は、テーブル位置検出装置141、キャリッジ位置検出装置143、及び転写用基板位置検出装置145の検出結果に基づいて搬送テーブル14の位置、キャリッジ24の位置、及び転写用基板85の位置を示す信号をCPU102に出力する。吐出制御部135は、CPU102からの指令に基づいて液滴吐出ヘッド30を駆動する。吐出制御部135は、記憶部104に格納された液滴55,65を吐出するためのデータに基づいて、圧電素子43に駆動電圧を供給することでノズル33から液滴55,65を吐出させる。露光制御部137は、CPU102からの指令に基づいて、光源73への電力供給とその遮断とを実行する。
次に、上述した造形装置5を用いて実行される立体7の造形方法について図10を参照して説明する。図10は、造形方法について全体の手順を示すフローチャートである。
図10に示されるように、まず立体7を造形するための複数の層形状データがコンピューター3によって生成される層形状データ生成工程(ステップS11)が行われる。次いで、第1層目の層形状データに基づいて、液状層58と支持層68とで構成される第1層目の断面層69が描画用基板15に描画される描画工程(ステップS12)が行われる。続いて、描画用基板15と転写用基板85とによって第1層目の断面層69が挟持された状態で液状体50を硬化させる硬化工程(ステップS13)と、液状層58が硬化した層状構造体120と支持層68とで構成される断面層69を転写用基板85側に転写する転写工程(ステップS14)とが順に行われる。
そして、全ての層状構造体120に対する転写が終了したか否かの判断がなされる(ステップS15)。全ての層状構造体120に対する転写が終了していない場合(ステップS15:NO)には、全ての層状構造体120に対する転写が終了するまで、後続する層
状構造体120の描画工程(ステップS12)、硬化工程(ステップS13)、転写工程(ステップS14)が繰り返される。一方、全ての層状構造体120に対する転写が終了している場合(ステップS15:YES)には、断面層69が積層された積層体150(図15参照)を該転写用基板85から引き離したのち、浸水装置9で積層体150を浸水させることによって支持層68を除去する除去工程(ステップS16)が行われる。
次に、上述した造形方法について図11〜図16を用いてさらに詳細に説明する。
図11は、描画面において各液状体の描画領域を模式的に示した図であって、第1層目の断面層について示した図である。図12は、断面層が描画された状態を模式的に示す図であって、第1層目の断面層が描画された状態を示す図である。図13は、断面層が硬化される状態を模式的に示す図であって、第1層目の断面層が硬化される状態を示す図である。図14は、断面層が転写された状態を模式的に示す図であって、第1層目の断面層が転写された状態を示す図である。図15は、第n層目まで断面層が積層された状態を模式的に示す図である。図16は、除去工程後における積層体の正面構造を示す正面図である。
描画工程(ステップS12)では、描画面15aに膜厚tの液状層58と支持層68とで構成される断面層69が描画される。この断面層69を描画する処理は、制御部101によって以下のようにして実行される。
まず制御部101は、記憶部104に記憶された制御プログラムに従って、描画対象である液状層58に対応する層形状データを読み出した後、該層状構造体が形成される位置と該層状構造体の膜厚tとを該層形状データから把握する。次いで制御部101は、層状構造体の位置と該層状構造体の膜厚tとに基づいて、液状層58を描画するために必要とされる液滴55の直径、数量、位置と、支持層68を描画するために必要とされる液滴65の直径、数量、位置とを決定する。制御部101は、該液滴55,65の直径、数量、位置を示す断面層描画データを生成した後、該断面層描画データを記憶部104における所定の記憶領域に一旦格納する。本実施形態の制御部101は、記憶部104に記憶された制御プログラムに従って、描画面15aの描画領域の各位置には、液状体50もしくは液状体60が吐出されるように断面層描画データを生成する。第1層目の断面層69に関して制御部101は、図11に示されるように、描画面15aの中央部分に液状体50を吐出させるとともに該液状体50が吐出される領域を取り囲むように液状体60を吐出させる。
そして制御部101は、図12に示されるように、待機エリアから描画エリアへ描画用基板15を搬送した後、断面層描画データを用いて、液滴吐出ヘッド30と描画用基板15とを相対的に移動させながら、膜厚tからなる断面層69を描画面15aに描画する。なお、吐出された液状体60は含有する水分が蒸発して徐々に固化していく。
硬化工程(ステップS13)では、断面層69を描画用基板15と転写用基板85とによって挟持させた状態で液状層58を硬化させて層状構造体120を形成する。液状体50を硬化させる硬化処理は、制御部101によって以下のようにして実行される。
まず制御部101は、図13に示されるように、記憶部104に記憶された制御プログラムに従って、硬化対象である液状層58に対応する位置まで転写用基板85を降下させて、断面層69を描画用基板15と転写用基板85とによって挟持させる。次いで制御部101は、光源73への電力の供給を開始して断面層69に紫外光71を照射する。制御部101は、液状層58を構成する液状体50を完全に硬化させるだけの照射時間が経過すると光源73への電力の供給を遮断する。なお、この硬化工程においても、支持層68から水分が蒸発することによって支持層68の固化が進行している。
転写工程(ステップS14)では、硬化工程(ステップS13)で形成された層状構造体120を転写用基板85に転写させる。層状構造体120を転写させる処理は、制御部101によって以下のようにして実行される。制御部101は、記憶部104に記憶された制御プログラムに従って、転写用基板85を上昇させる。この際、層状構造体120と支持層68とで構成される断面層69は、描画用基板15に対する接着力よりも転写用基板85に対する接着力の方が大きい。そのため、図14に示されるように、転写用基板85に接着した状態で描画用基板15から剥離される。こうして第1層目の断面層69が転写用基板85側に積層される。
以後、描画工程(ステップS12)から転写工程(ステップS14)までの一連の処理が第2層目から第n層目まで順に行われる。
なお、硬化工程(ステップS13)において制御部101は、第j層目の断面層69に対しては、描画面15aと造形面85aとの距離が(j×t)となる位置まで転写用基板85を降下させる。つまり第2層目以降の断面層69においては、第1層目から第(j−1)層目までの断面層69を介して、描画用基板15と転写用基板85とによって挟持される。また、層状構造体120と支持層68とで構成される断面層69は、液状体50,60に対する撥液性を描画面15aが有していることから、描画面15aに対する接着力よりも先行して積層された断面層69に対する接着力の方が大きい。そのため転写工程(ステップS14)において断面層69は、転写用基板85の上昇にともなって該転写用基板85に積層されている断面層69に接着した状態で描画面15aから剥離される。
こうして、図15に示されるように、第n層目の断面層69の転写工程(ステップS14)が終了すると、転写用基板85には断面層69が積層された積層体150が形成される。そして、除去工程(ステップS16)において、造形面85aから引き離された積層体150が浸水装置9に投入される。浸水装置9に投入された積層体150においては、支持層68が水に溶出して除去されることため、図16に示されるように、立体7が出現する。
このように、上述した液状体60を用いることで、積層体150を浸水させるだけで支持層68を除去することができる。これにより、支持層68を機械的に除去する場合に比べて、立体7の構成部材への負荷を抑えることができる。すなわち、支持層68の除去にともなう立体7の変形や破損を生じ難くすることができる。
次に、支持層68の形成により層状構造体120の積層過程で発現される作用について図17を参照して説明する。図17は、断面層が硬化される状態を模式的に示す図であって、空中部材7bの一部を構成する層状構造体120を有する第k層目の断面層が硬化される状態を模式的に示す図である。
図17に示されるように、連結部材7cを構成する層状構造体120を有する第4層目から第(k−1)層目までの断面層69が積層されたのち、転写用基板85には第k層目の断面層69が積層される。第k層目の断面層69は、屈曲部材7a及び空中部材7bの一部を構成する層状構造体120を有している。
描画工程(ステップS12)において断面層69が描画されると、硬化工程(ステップS13)において制御部101は、描画面15aと造形面85aとの間の隙間が距離(k×t)となる位置まで転写用基板85を降下させる。
このとき断面層69は、第1層目から第(k−1)層目までの断面層69を介して、描画用基板15と転写用基板85とによって挟持される。そして制御部101は、光源73
に電力を供給して断面層69に紫外光71を照射することで液状層58を構成する液状体50を硬化させる。制御部101は、液状体50を完全に硬化させるだけの照射時間が経過すると光源73への電力の供給を遮断する。続く転写工程(ステップS14)において制御部101は、転写用基板85を上昇させて断面層69を描画面15aから剥離させて該断面層69を転写用基板85側に積層する。
転写工程(ステップS14)においては、描画面15aが液状体50,60に対する撥液性を有しているとはいえ、先行して積層された第1層目から第(k−1)層目までの断面層69には、第k層目の断面層69の剥離にともなう外力が作用することになる。ここで、層状構造体120のみを積層した場合に上述した外力が連結部材7cのような細い線部材に作用するともなれば、連結部材7cの曲がってしまったり、破損してしまったりすることによって、空中部材7bの位置ずれや欠落といった不具合が生じる虞がある。
これに対して、上述した構成によれば、屈曲部材7a、空中部材7b、連結部材7cによって形成される立体7の隙間には支持層68が形成されている。そのため、先行して転写用基板85に積層された断面層69に上記外力が作用したとしても、該外力を層状構造体120と支持層68とに分散させることができる。すなわち、層状構造体120のみが積層される場合に比べて、同じ大きさの外力を受けたときに各層状構造体120が受ける力を小さくすることができる。これにより、たとえ連結部材7cのような細い線部材であっても上記外力によって曲りや破損が生じ難くなることから、立体7の構成部材に位置ずれや欠落といった不具合を生じ難くすることができる。それゆえに、支持層68を形成することなく層状構造体120のみが積層される場合よりも、立体7の形状の精度を高めることができる。
また、層状構造体120のみを積層した場合に、第1層目の層状構造体120と造形面85aとの接触面積が小さいとなれば、造形面85aから層状構造体120が剥離しやすくなる。そのため、積層過程において、層状構造体120を積層した積層体が造形面85aから脱落してしまう虞もある。
この点、上述した構成によれば、層状構造体120と支持層68とで構成される断面層69が造形面85aに接着している。すなわち、層状構造体120のみが積層される場合に比べて、支持層68の分だけ造形面85aとの接触面積が大きくなることから、造形面85aと断面層69との接着力を高めることができる。これにより、積層過程において、層状構造体120が造形面85aから脱落し難くすることもできる。
以上説明したように、上記実施形態の造形方法によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)断面層69の積層過程において、立体7の構成部材である屈曲部材7a、空中部材7b、連結部材7cによって形成される隙間には支持層68が形成されている。こうした構成によれば、層状構造体120のみが積層される場合に比べて、積層過程において、層状構造体120が受ける力を小さくすることができる。これにより、立体7の構成部材に位置ずれや欠落といった不具合を生じ難くすることができる。それゆえに、立体7の形状の精度を高めることができる。
(2)描画面15aの各位置には液状体50もしくは液状体60を吐出した。こうした構成によれば、層状構造体120のみが積層される場合に比べて、第1層目の断面層69と造形面85aとの接触面積を確実に大きくすることができる。これにより、積層過程において、転写用基板85に積層した断面層69を造形面85aから脱落し難くすることができる。
(3)支持層68を構成する液状体60として、水溶性樹脂を水に溶解させた水溶液、または水溶性樹脂を水に溶解させた水溶液に非水溶性粉末樹脂を分散させた液状体を用いた。こうした構成によれば、積層体150に浸水装置9に浸水させるだけで支持層68を除去することができる。
(4)また、浸水によって支持層68を除去することによって、支持層68を機械的に除去する場合に比べて、立体7の構成部材への負荷を抑えることができる。これにより、支持層68の除去にともなう立体7の変形や破損を生じ難くすることができる。
(5)液状層58を構成する液状体50は、紫外光71を照射されることによって硬化する光硬化性を有している。こうした構成であれば、液状体50に紫外光71を照射するだけで液状層58を硬化させることができる。
(6)液滴吐出ヘッド30から液状体50,60の液滴55,65が吐出される液滴吐出法を用いて、描画面15aに液状層58、支持層68を描画した。こうした構成によれば、描画面15aに液状層58、支持層68を高精細に描画することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、液状体50,60を液滴55,65にして吐出する液滴吐出法を用いて描画面15aに液状層58、支持層68を描画した。これに限らず、描画面15aに液状層58、支持層68を描画する方法は、例えばディスペンサ法などであってもよい。こうした構成であっても、上記(1)〜(5)と同様の効果が得られる。
・上記実施形態では、光硬化性を有する液状体50によって液状層58が形成される。これを変更して、例えば熱硬化性を有する液状体によって液状層58が形成される構成であってもよい。こうした構成であれば、上記(1)〜(4)と同様の効果が得られるとともに、硬化工程(ステップS13)において液状体50の硬化に加え、液状体60の乾燥を促進させることもできる。
・上記実施形態では、液状体60として、水溶性樹脂を水に溶解させた水溶液、または水溶性樹脂を水に溶解させた水溶液に非水溶性粉末樹脂を分散させた液状体を用いて支持層68を描画した。これに限らず、支持層68は、転写工程(ステップS14)において層状構造体120と共に転写用基板85側に転写され、且つ、のちに除去可能なものであれば他の液状体を用いて構成してもよい。
・上記実施形態の描画面15aには、液状層58が描画されない領域の全域にわたって支持層68を描画した。これを変更して、例えば以下のような構成であってもよい。図18は、この変形例における支持層の形成態様の一例を示す図である。
図18に示されるように、連結部材7cを構成する層状構造体120のみが支持層68によって支持されるように支持層68を形成してもよい。こうした構成であっても、積層過程において連結部材7cに曲りや破損が生じ難くなることから、立体7の構成部材である空中部材7bの位置ずれや欠落といった不具合を生じ難くすることができる。それゆえに、層状構造体120のみを積層して立体7を形成した場合によりも、立体7の形状の精度を高めることができる。
・上記実施形態の造形方法において、支持層68を構成する液状体60を固化させる固化工程をさらに設けてもよい。固化工程は、例えば、搬送テーブル14に描画用基板15を加熱する加熱手段を設けるとともに、液状層58への紫外光71の照射と並行して、描画用基板15に描画された支持層68を加熱手段を用いて加熱することによって実現され
る。
・上記実施形態の描画面15aには、液状体50,60に対して撥液性を示す材料がコーティングされた撥液領域が形成されている。この撥液領域内に、該撥液領域よりも液状体50,60に対して低い撥液性を示す親液領域を点在させてもよい。こうした構成によれば、描画面15aに描画された液状層58及び支持層68の一部を親液領域に保持させることができる。それゆえに、液状層58及び支持層68をより高精細に描画することができる。
・上記実施形態の造形装置5は、1つの液滴吐出ヘッド30によって液状層58及び支持層68が描画されている。これを変更して、複数の液滴吐出ヘッド30によって液状層58及び支持層68が描画されるという構成であってもよい。こうした構成であれば、描画工程(ステップS12)における処理時間の短縮が見込まれる。また、液状層58を描画するための液滴吐出ヘッド30と、支持層68を描画するための液滴吐出ヘッド30とを別々に設けてもよい。
・また液状層58と支持層68とを異なるタイミングで描画してもよい。こうした構成であれば、例えば支持層68を固化させてから液状層58を描画することも可能である。
・上記実施形態の造形装置5では、圧電素子駆動方式の液滴吐出ヘッド30によって液滴55が吐出されている。これを変更して、液滴吐出ヘッドから液滴55を吐出するという観点からすれば、抵抗加熱方式や静電駆動方式の液滴吐出ヘッドによって液滴55が吐出されるという構成であってもよい。
1…造形システム、3…コンピューター、5…造形装置、7…立体、7a…屈曲部材、7b…空中部材、7c…連結部材、9…浸水装置、10…基板搬送部、12…基台、12a…上面、12b…凹部、13a,13b…ガイドレール、14…搬送テーブル、14a…上面、15…描画用基板、15a…描画面、16…基板搬送モーター、20…キャリッジ搬送部、21a,21b…支柱、22…ガイド部材、23…ガイドレール、24…キャリッジ、25…ヘッドプレート、27…キャリッジモーター、30…液滴吐出ヘッド、31…ヘッド本体、32…ノズルプレート、32a…ノズル形成面、33…ノズル、34a,34b…ノズル列、35C,35K,35M,35T,35W,35Y…ノズル群、41…キャビティプレート、42…振動板、43…圧電素子、45…キャビティ、50…液状体、55…液滴、58…液状層、60…液状体、65…液滴、68…支持層、69…断面層、70…露光部、71…紫外光、73…光源、75…蓋板、80…転写部、81a,81b…支柱、82…架設部材、83…支持部材、85…転写用基板、85a…造形面、86…昇降モーター、101…制御部、102…CPU、103…駆動制御部、104…記憶部、105…制御プログラム、106…展開データ、111…バス、113…インターフェース、120…層状構造体、131…モーター制御部、133…位置検出制御部、135…吐出制御部、137…露光制御部、141…テーブル位置検出装置、143…キャリッジ位置検出装置、145…転写用基板位置検出装置、150…積層体。

Claims (7)

  1. 硬化性を有した液状層を描画用基板の描画面に描画する描画工程と、
    前記液状層に転写用基板を被せた状態で該液状層を硬化させる硬化工程と、
    前記描画用基板と前記転写用基板との間隔を広げることによって前記液状層の硬化物である層状構造体を前記転写用基板に転写する転写工程とを含み、
    前記描画工程、前記硬化工程、前記転写工程を繰り返すことによって、前記層状構造体が積層されたかたちの立体を前記転写用基板に造形する造形方法であって、
    前記描画工程では、
    前記描画面の描画領域において、前記液状層の描画領域とは異なる領域に前記層状構造体を支持するための支持層を描画し、
    前記転写工程では、
    前記支持層共々、前記層状構造体を前記転写用基板に転写する
    ことを特徴とする造形方法。
  2. 前記支持層は、前記液状層の描画領域を囲うように描画される
    ことを特徴とする請求項1に記載の造形方法。
  3. 前記支持層は、前記液状層に接触するように描画される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の造形方法。
  4. 前記支持層は、前記描画面の描画領域において、前記液状層の描画領域とは異なる領域の全域にわたって描画される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の造形方法。
  5. 前記支持層は、水溶性樹脂を水に溶解させた水溶液、または前記水溶液に非水溶性粉末樹脂を分散させた液状体で構成される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の造形方法。
  6. 前記液状層は、光硬化性を有している
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の造形方法。
  7. 前記液状層及び前記支持層は、液状体を液滴にして吐出する液滴吐出法によって描画される
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の造形方法。
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