JP5419719B2 - プレート式熱交換器及びヒートポンプ装置 - Google Patents
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Description
複数枚の第1の伝熱プレートと複数枚の第2の伝熱プレートとが交互に積層され、
積層された伝熱プレートどうしの間には、
第1流体と第2流体とが前記伝熱プレートを介して熱交換するように、前記第1流体が流れる第1流路と前記第2流体が流れる第2流路とが積層方向に交互に形成され、
前記複数の伝熱プレートのそれぞれの伝熱プレートには、
凹部と凸部とが交互に並んだ波形状の波形部が形成され、
前記第1の伝熱プレートの前記凸部と、前記第1の伝熱プレートに対向する方向に盛り上がる前記第2の伝熱プレートの前記凸部とは、
互いに交差して当接し、
前記第2の伝熱プレートと当接する前記第1の伝熱プレートの前記凸部の当接部には、
前記第2の伝熱プレートに対向する方向に突起して前記第2の伝熱プレートの前記凸部と当接する突起部が形成されていることを特徴とする。
以下、図1〜図5を参照して、実施の形態1のプレート式熱交換器100を説明する。実施の形態1のプレート式熱交換器100の特徴は、後述の図5に示すように、相手の伝熱プレートの波形部11aと当接する波形部12aの頂点に突起部13を設けた点である。この突起部13を設けることによって波角度θを大きくしても接点の面積が拡大することがないので、接合部のロウ付けフィレットの長さ増加を抑制できる。よって、波角度θを大きくとった場合でも圧力損失を低減できるので、伝熱特性の向上と圧力損失の低減とを両立できる。
(1)図1(a)は、プレート式熱交換器100の側面図である。
(2)図1(b)は、正面図(図1(a)のX矢視)である。図1(a)の矢印X方向がプレートの積層方向である。図1(b)の補強用サイドプレート1は最も外側に位置し、流体出入口管を備えている。補強用サイドプレート1は、第1流体の流入管5、第1流体の流出管6、第2流体の流入管7、第2流体の流出管8を備えている。
(3)図1(c)は、第1流体と第2流体との流路を構成する一方の伝熱プレート2(第1の伝熱プレート)を示す。
(4)図1(d)は、波形状が伝熱プレート2と対向した形で置かれ、第1流体と第2流体の流路を構成するもう一方の伝熱プレート3(第2の伝熱プレート)を示す。伝熱プレート2と伝熱プレート3とを交互に並べることにより、第1流体と第2流体との流路が交互に繰り返し形成される。また、図1(d)に示す角度θは、波角度を示す。以下、「波角度θ」という。波角度θは、図1(d)に示すように、伝熱プレートの長手方向中心線20と、伝熱プレートの波形部(波の進行方向)との成す角度である。プレート式熱交換器の波角度θは、一般的に「θ≒66°」程度であり、接合点9は図1(f)のように存在する。
(5)図1(e)は、最も外側に位置する補強用サイドプレート4を示す。
(6)図1(f)は、伝熱プレート2と伝熱プレート3を重ね合わせた状態を示した図である。図1(f)は両者を重ねた状態における波形状の交差状態を示す図である。なお、図1(f)では、上下プレートの接合点9を示している。
図1に示したように、プレート式熱交換器100では、複数枚の伝熱プレート2(第1の伝熱プレート)と複数枚の伝熱プレート3(第2の伝熱プレート)とが交互に積層されている。そして、積層された伝熱プレートどうしの間には、第1流体と第2流体とが伝熱プレートを介して熱交換するように、第1流体が流れる第1流路と第2流体が流れる第2流路とが積層方向に交互に形成されている。複数の伝熱プレート2、伝熱プレート3のそれぞれには、凹部と凸部とが交互に並んだ波形状の波形部が形成されている。後述の図2のように、伝熱プレート2の凸部32と、伝熱プレート2に対向する方向に盛り上がる伝熱プレート3の凸部31とは、互いに交差して交差部60(当接部でもある)で当接する。そして、後述の図5のように、伝熱プレート3と当接する伝熱プレート2の凸部32aの当接部には、伝熱プレート3に対向する方向に突起して伝熱プレート3の凸部31aと交差部60で当接する突起部13が形成されている。
後述の図2(b)に示すように、伝熱プレートは凹部と凸部とが交互に並んだ波形状の波形部11、12が形成されているが、流路を形成する2枚の伝熱プレートについては、相手側のプレートに向かって盛り上がっている部分を凸部と呼び、相手側のプレートから離れる向きにへこむ部分を凹部と呼ぶこととする。
図2は、図1の上下プレート(上プレートと下プレート)の接合面におけるフィレットを示す概略図である。以下では、伝熱プレート2を下プレートとし、伝熱プレート3を上プレートとする。なお、これは一例であり、伝熱プレート2を上プレートとし、伝熱プレート3を下プレートとしても同じである。
図2(a)では、上下プレートの接点でのロウ付けフィレット10(16か所)を示している。
図2(b)は、図2(a)における上下プレートに形成された波形状の接合部を一部を拡大した斜視図である。図2(b)では、上プレートである伝熱プレート3を形成する波形部11の一部、及び下プレートである伝熱プレート2を形成する波形部12の一部を示している。
図3は、図1(d)で示した波角度θを変えたときの、波の接合部(交差部60)に形成されるフィレットの長さを観察した観察結果である。
図3(a)は、波角度θ(横軸)と、一つのフィレットにおけるロウ材長さ(縦軸)との関係を示す図である。
また図3(b)は、図3(a)における「一つのフィレットにおけるロウ材長さ」の図示である。図3(a)によれば、波角度θが大きくなるほどフィレットが形成される接合部の長さが増加する傾向となることがわかる。これは、波角度θが大きくなるほど、上下プレート同士で波の重なる面積が増加するためである。
図5は、実施の形態1におけるプレート式熱交換器100の接合面の概略図である。図5は上述した図2に対応する。
図5は、プレート式熱交換器100における上下プレートの接合面の概略図である。
図5(a)は、上下の伝熱プレートを重ね合わせた状態を示している。図5(a)では、ロウ付けフィレット部10aを8か所示している。
図5(b)は、上下プレートの接合点でのロウ付けフィレット部分を示す斜視図である。
図5(a)、(b)に示すように、プレート式熱交換器100では、上プレート(伝熱プレート3)を形成する波形部11aと、下プレート(伝熱プレート2)を形成する波形部12aとの接点(交差部60)において、下プレートを形成する波形部12aの頂点に突起部13を設けている。このように、接合部に突起部13を設けることにより、波角度θを、熱通過率がピークとなる「θ=70〜80°」程度に大きくしても接点(上プレートと下プレートとの接触部分)の面積は変化することがない。したがって、接合部(交差部60)のロウ付けフィレット10aの長さの増大を抑制できる。これにより、圧力損失増加による流量低下や流体を搬送するポンプの入力増加を防止しつつ、伝熱特性については波角度θを70〜80°にすることによる流れの攪拌効果により熱通過率を最大とすることができるので、従来の課題を解決できる。
次に図6を参照して実施の形態2を説明する。図6は、実施の形態2のプレート式熱交換器100の構成を示す図である。実施の形態2のプレート式熱交換器100の部品構成は実施の形態1のプレート式熱交換器100と同じである。図6は図5(b)に対応する斜視図である。図6を参照して実施の形態2のプレート式熱交換器100の接合面を説明する。
Claims (6)
- 複数枚の第1の伝熱プレートと複数枚の第2の伝熱プレートとが交互に積層され、
積層された伝熱プレートどうしの間には、
第1流体と第2流体とが前記伝熱プレートを介して熱交換するように、前記第1流体が流れる第1流路と前記第2流体が流れる第2流路とが積層方向に交互に形成され、
前記複数の伝熱プレートのそれぞれの伝熱プレートには、
凹部と凸部とが交互に並んだ波形状の波形部が形成され、
前記第1の伝熱プレートの前記凸部と、前記第1の伝熱プレートに対向する方向に盛り上がる前記第2の伝熱プレートの前記凸部とは、
互いに交差して当接し、
前記第2の伝熱プレートと当接する前記第1の伝熱プレートの前記凸部の当接部には、
前記第2の伝熱プレートに対向する方向に突起して前記第2の伝熱プレートの前記凸部と当接する突起部が形成されていると共に、
前記第1の伝熱プレートの前記凸部と、前記第2の伝熱プレートの前記凸部とのうち少なくとも一方は、
当接する当接部を高さの頂上として、高さが凸部長さ方向に向かうに従って変化することを特徴とするプレート式熱交換器。 - 前記突起部の高さは、
50μm以下であることを特徴とする請求項1記載のプレート式熱交換器。 - 複数枚の第1の伝熱プレートと複数枚の第2の伝熱プレートとが交互に積層され、
積層された伝熱プレートどうしの間には、
第1流体と第2流体とが前記伝熱プレートを介して熱交換するように、前記第1流体が流れる第1流路と前記第2流体が流れる第2流路とが積層方向に交互に形成され、
前記複数の伝熱プレートのそれぞれの伝熱プレートには、
凹部と凸部とが交互に並んだ波形状の波形部が形成され、
前記第1の伝熱プレートの前記凸部と、前記第1の伝熱プレートに対向する方向に盛り上がる前記第2の伝熱プレートの前記凸部とは、
互いに交差して当接し、
前記第2の伝熱プレートと当接する前記第1の伝熱プレートの前記凸部の当接部には、
前記第2の伝熱プレートに対向する方向に突起して前記第2の伝熱プレートの前記凸部と当接する突起部が形成されていると共に、
前記第1の伝熱プレートの前記凸部と、前記第2の伝熱プレートの前記凸部とのうち少なくとも一方は、
当接する当接部を頂上として、高さが凸部長さ方向に、波状に、変化することを特徴とするプレート式熱交換器。 - 積層された伝熱プレートどうしの間には、
第1流体と第2流体とが前記伝熱プレートを介して熱交換するように、前記第1流体が流れる第1流路と前記第2流体が流れる第2流路とが積層方向に交互に形成され、
前記複数の伝熱プレートのそれぞれの伝熱プレートには、
凹部と凸部とが交互に並んだ波形状の波形部が形成され、
前記第1の伝熱プレートの前記凸部と、前記第1の伝熱プレートに対向する方向に盛り上がる前記第2の伝熱プレートの前記凸部とは、
互いに交差して当接し、
前記第1の伝熱プレートの前記凸部と、前記第2の伝熱プレートの前記凸部とのうち少なくとも一方は、
当接する当接部を高さの頂上として、高さが凸部長さ方向に向かうに従って波状に変化することを特徴とするプレート式熱交換器。 - 前記第1の伝熱プレートの波形部と、前記第2の伝熱プレートの波形部とは、
前記伝熱プレートの長手方向中心線と成す角度θが、70°≦θ≦80°の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプレート式熱交換器。 - 圧縮機と、第1の熱交換器と、膨張機構と、第2の熱交換器とが配管で接続されたヒートポンプ装置において、
前記第1の熱交換器、前記第2の熱交換器の少なくともいずれかとして、
請求項1または請求項3または請求項4のいずれかに記載のプレート式熱交換器を備えたことを特徴とするヒートポンプ装置。
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