JP5414252B2 - 電子写真感光体、およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤、および結着樹脂を含有する感光層が形成されている。
<導電性基体>
導電性基体の材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属、該金属に陽極酸化処理によって酸化皮膜を形成したもの;該金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料;ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス;カーボンブラック等の導電性微粒子を分散させたプラスチック材料等が挙げられる。
<感光層>
感光層は、電荷発生剤、電荷輸送剤、および結着樹脂を含有する。
(電荷発生剤)
電荷発生剤としては、公知の電荷発生剤を用いることができる。具体的には、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等の有機光導電体;セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電剤等が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電荷輸送剤は、正孔輸送剤を含む。
(a)工程:
化合物(31)と亜リン酸トリエチルとを反応させて化合物(33)とし、未反応の亜リン酸トリエチルを減圧留去する。
塩基の存在下、溶剤中にて化合物(33)と化合物(34)とを反応させて化合物(35)とし、化合物(35)を抽出、精製する。
(c)工程:触媒等の存在下、溶剤中にて化合物(35)と化合物(36)とを反応させて化合物(1a)とし、化合物(1a)を抽出、精製する。
詳細は上述した化合物(1a)の合成例(a)工程と同様である。
塩基の存在下、溶剤中にて化合物(43)と化合物(44)とを反応させて化合物(45)とし、化合物(45)を抽出、精製する。
以上説明した化合物(1a)または(1b)は、化合物が平面構造で、π電子が共鳴しやすく、電子移動度が起こりやすいため、電気特性に優れた電子写真感光体が得られる。
結着樹脂としては、ビスフェノールZ型、ビスフェノールZC型、ビスフェノールC型、ビスフェノールA型等のポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等が挙げられる。結着樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
感光層には、電子写真特性に影響を与えない範囲で、公知の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば酸化防止剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナーなどが挙げられる。
<感光層の構造>
感光層は、上述した電荷発生剤、電荷輸送剤、および結着樹脂を同一層に含有する単層構造であってもよく、少なくとも電荷発生剤を含む電荷発生層と、電荷輸送剤および結着樹脂を含む電荷輸送層とを有する積層構造であってもよい。
(単層構造の感光層)
電荷発生剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部がより好ましい。
(積層構造の感光層)
電荷発生層は、上述した電荷発生剤および結着樹脂を含む。また、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、公知の添加剤を含有していてもよい。
<その他の層>
本発明の電子写真感光体には、導電性基体と感光層の間に中間層を介在させてもよい。中間層を介在させた電子写真感光体は、リークの発生を効果的に抑制できる。また、感光層上に、保護層を設けてよい。
<電子写真感光体の作製>
本発明の電子写真感光体は、例えば以下のようにして作製できる。
(単層型電子写真感光体)
正孔輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂、および必要に応じて電子輸送剤を溶剤に溶解または分散させた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させて、導電性基体上に感光層が形成された電子写真感光体を作製する。
(積層型電子写真感光体)
まず、電荷発生層に含まれる各成分を上述した溶剤に溶解または分散させて、電荷発生層用塗布液を調製する。同様に、電荷輸送層に含まれる各成分を上述した溶剤に溶解または分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製する。
[画像形成装置]
<第一の実施形態例>
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。画像形成装置10は、電子写真感光体11と、該電子写真感光体11の周囲に、帯電手段12と、露光手段13と、現像手段14と、転写手段15と、クリーニング手段16を備える。
[正孔輸送剤の合成]
<化合物(1−4)の合成>
(a)工程:
200mLフラスコに、化合物(3−1)16.1g(0.1mol)および亜リン酸トリエチル24.9g(0.15mol)を入れ、180℃で加熱しながら8時間撹拌した。室温まで冷却した後、過剰な亜リン酸トリエチルエステルを減圧留去して、白色液体の化合物(3−3)22.3g(0.085mol)を得た。
まず、N,N−ジメチルホルムアミド100mlと化合物(3−3)22.3gとを加えた500mLフラスコに、アルゴン雰囲気下、氷浴しながら、NaOCH3 28% メタノール溶液16.4g(0.085mol)を滴下し、0℃で1時間攪拌した。攪拌後、化合物(3−4)15.3g(0.085mol)のDMF溶液100mlを反応溶液に滴下し、室温で12時間攪拌した。反応液を水200mlにあけ、トルエンで抽出後、脱イオン水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。これをトルエン、メタノールで晶析し、淡黄色結晶である化合物(3−5)を17.7g(0.061mol)得た。
500mLの3口フラスコに、化合物(3−5)17.9g(0.062mol)、(2−ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン112mg(0.32mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)146mg(0.16mmol)、ナトリウムt−ブトキシド3.6g(0.037mol)、および化合物(3−6)であるp−アニシジン3.8g(0.031mol)を入れ、蒸留したo−キシレン300mLを加え、アルゴンガス置換を行い、120℃で加熱しながら5時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液(有機層)をイオン交換水で3回洗浄し、有機層に無水硫酸ナトリウムおよび活性白土を用いて乾燥および吸着処理した。その後、ろ過し、キシレンを減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/3)にて精製して、橙色固体状の化合物(1−4)16.3g(0.026mol)を得た。
(c)工程において、p−アニシジン化合物の代わりに、p−トルイジン3.3g(0.031mol)を用いた以外は、化合物(1−4)と同様にして合成して、化合物(1−1)を得た。
<化合物(1−2)の合成>
(c)工程において、p−アニシジン化合物の代わりに、2,4-ジメチルアニリン3.8g(0.031mol)を用いた以外は、化合物(1−4)と同様にして合成して、化合物(1−2)を得た。
<化合物(1−3)の合成>
(c)工程において、p−アニシジン化合物の代わりに、2-メチル-6-エチルアニリン4.2g(0031mol)を用いた以外は、化合物(1−4)と同様にして合成して、化合物(1−3)を得た。
(b)工程において、化合物(3−4)の代わりに下記化合物(4−4)17.7g(0.085mol)を用いた以外は、化合物(1−4)と同様にして合成して、化合物(1−5)を得た。
(b)工程において、化合物(3−4)の代わりに上記化合物(4−4)を用いた以外は、化合物(1−4)と同様にして合成して、化合物(1−6)を得た。
<化合物(1−7)の合成>
(b)工程において、化合物(3−4)の代わりに上記化合物(4−4)を用いた以外は、化合物(1−4)と同様にして合成して、化合物(1−7)を得た。
[電荷発生剤(チタニルフタロシアニン)の合成]
(顔料化前処理)
アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル22gと、チタンテトラブトキシド25gと、尿素2.28gと、キノリン300gとを加え、撹拌しつつ150℃まで昇温した。
(顔料化処理)
得られたチタニルフタロシアニン化合物の粗結晶5gを、濃硫酸100mLに加えて溶解した。次にこの溶液を、氷冷下の水中に滴下した後、室温で15分間撹拌し、さらに23±1℃付近で30分間、静置して再結晶させ、上澄みを分離した。次に上記上澄みをガラスフィルターによってろ別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗した後、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200mL中に分散させて50℃に加熱して10時間、撹拌した。そして上澄みをガラスフィルターによってろ別したのち、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン(11−2)の結晶(青色粉末)4.1gを得た。
[試験1:積層型電子写真感光体]
<実施例1>
(積層型電子写真感光体の作製)
中間層の形成;
ビーズミルを用い、酸化チタン(テイカ社製のSMT−02(数平均一次粒子径10nm)をアルミナとシリカで表面処理した後、湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンにて表面処理した酸化チタン)280質量部と、共重合ポリアミド樹脂 (ダイセルデグサ社製「ダイアミドX4685」)100質量部とを、エタノール1000質量部およびブタノール200質量部に分散させ、5時間混合した。その後、5μmのフィルタにてろ過し、中間層用塗布液を調製した。
電荷発生層の形成;
ビーズミルを用い、電荷発生剤として先に合成したチタニルフタロシアニン(11−2)100質量部と、結着樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業社製、「デンカブチラール6000C」)100質量部と、分散媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル4000質量部と、テトラヒドロフラン4000質量部を分散し、2時間混合し、電荷発生層用塗布液を調製した。
電荷輸送層の形成;
ロールミルを用い、正孔輸送剤として化合物(1−1)70質量部と、と、結着樹脂として粘度平均分子量50,500のポリカーボネート樹脂(13−1)100質量部と、溶剤としてテトラヒドロフラン430質量部とトルエン430質量部を混合し、24時間かけて溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。
(評価1:感度の評価)
次に、上記で得られた電子写真感光体の感度特性を以下のようにして評価した。すなわち、電子写真感光体について、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、-700Vになるように帯電させ、ついでハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:1.5μJ/cm2)を露光[照射時間:0.08秒(80msec)]した。そして、露光開始から0.33秒(330msec)経過した時点での表面電位(残留電位)を測定し、それを感度とした。感度の絶対値の結果を表1に示す。
<実施例2〜8、比較例1、2>
表1に示す正孔輸送剤を用いて電荷輸送層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして積層型電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[試験2:単層型電子写真感光体]
<実施例7>
(単層型電子写真感光体の作製)
中間層の形成;
導電性基体として直径30mm、全長247.5mmのアルミニウム製のドラム状基体を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性基体上に膜厚1.5μmの中間層を形成した。
感光層の形成;
超音波分散機内に、電荷発生剤としてx型無金属フタロシアニン(11−1)3質量部と、正孔輸送剤として化合物(1−1)50質量部と、電子輸送剤として化合物(12−1)40質量部と、添加剤としてビフェニル誘導体のメタ・ターフェニル3質量部と、結着樹脂として粘度平均分子量30,500のポリカーボネート樹脂(12−1)100質量部と、溶剤としてテトラヒドロフラン600質量部を収容した後、10分間混合して溶解させ、感光層用塗布液を調製した。
(評価4:感度の評価)
次に、上記で得られた電子写真感光体の感度特性を以下のようにして評価した。すなわち、電子写真感光体について、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、700Vになるように帯電させたこと以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例9〜16、比較例3、4>
表2に示す正孔輸送剤および結着樹脂を用いて電荷輸送層用塗布液を調製した以外は、実施例7と同様にして単層型電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Claims (4)
- 導電性基体上に、電荷発生剤、正孔輸送剤を含む電荷輸送剤、および結着樹脂を含有する感光層が形成された電子写真感光体において、
前記感光層が、前記正孔輸送剤として下記一般式(1a)または(1b)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
式(1a)中、Ra1は4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基であり、Ra2〜Ra7は水素原子である。式(1b)中、Rb 1 は4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基であり、Rb 2 〜Rb 7 は水素原子である。 - 前記感光層が、前記電荷発生剤、電荷輸送剤、および結着樹脂を同一層に含有する単層構造であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、少なくとも前記電荷発生剤を含む電荷発生層と、前記電荷輸送剤および前記結着樹脂を含む電荷輸送層とを有する積層構造であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体を備えた画像形成装置。
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