JP5406884B2 - 非晶質炭素膜を有するスクリーン印刷用孔版及びその製造方法 - Google Patents

非晶質炭素膜を有するスクリーン印刷用孔版及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5406884B2
JP5406884B2 JP2011119476A JP2011119476A JP5406884B2 JP 5406884 B2 JP5406884 B2 JP 5406884B2 JP 2011119476 A JP2011119476 A JP 2011119476A JP 2011119476 A JP2011119476 A JP 2011119476A JP 5406884 B2 JP5406884 B2 JP 5406884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amorphous carbon
carbon film
mesh
mask
coupling agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011119476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012006390A (ja
Inventor
邦彦 澁澤
Original Assignee
太陽化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2010123558 priority Critical
Priority to JP2010123558 priority
Application filed by 太陽化学工業株式会社 filed Critical 太陽化学工業株式会社
Priority to JP2011119476A priority patent/JP5406884B2/ja
Publication of JP2012006390A publication Critical patent/JP2012006390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5406884B2 publication Critical patent/JP5406884B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F15/00Screen printers
    • B41F15/14Details
    • B41F15/34Screens, Frames; Holders therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/14Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing
    • B41C1/148Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing by a traditional thermographic exposure using the heat- or light- absorbing properties of the pattern on the original, e.g. by using a flash
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/24Stencils; Stencil materials; Carriers therefor
    • B41N1/248Mechanical details, e.g. fixation holes, reinforcement or guiding means; Perforation lines; Ink holding means; Visually or otherwise detectable marking means; Stencil units
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/12Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using thick film techniques, e.g. printing techniques to apply the conductive material or similar techniques for applying conductive paste or ink patterns
    • H05K3/1216Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using thick film techniques, e.g. printing techniques to apply the conductive material or similar techniques for applying conductive paste or ink patterns by screen printing or stencil printing
    • H05K3/1225Screens or stencils; Holders therefor

Description

本発明は、非晶質炭素膜を有するスクリーン印刷用孔版及びその製造方法に関する。

電子部品を基板に表面実装するために、スクリーン印刷によってはんだペーストを基板表面に印刷する技術が知られている。また、スクリーン印刷は、積層コンデンサや積層インダクタの内部電極を構成する金属ペーストの印刷にも用いられる。スクリーン印刷においては、スクリーン版やメタルマスク等のスクリーン印刷用孔版を基板等の被印刷物と重ね合わせた後、スキージ面にスクレッパーを用いてはんだペーストや金属ペースト等の印刷ペーストを塗布し、塗布された印刷ペーストにスキージを押し当てて移動させることにより、ペーストが孔版に形成された多数の印刷パターン開口部から被印刷物に転写される。このようなスクリーン印刷用孔版においては、印刷ペーストの滲みを抑制し、版離れ及びペースト抜け性を改良することが望まれている。高粘度のペーストを用いる場合には、版離れ性及びペースト抜け性の改良が特に望まれる。

印刷ペーストの滲みを抑制し、版離れ及びペースト抜け性を改良するためのメタルマスクの開示例がある。
例えば、特許文献1〜3には、スクリーン印刷用マスクの表面や印刷パターン開口部に、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)等の非晶質炭素膜を形成することで、滲みを抑制し、版離れ性及びペースト抜け性を改善することが提案されている。しかしながら、非晶質炭素膜に撥油性はなく、むしろペーストを組成する樹脂バインダとの親和性が高いため、単に非晶質炭素膜を設けるだけでは、ペーストの滲みを防止することができず、版離れ性及びペースト抜け性を十分に改善できない。

そこで、DLC膜にフッ素コーティングを施すことが検討されている。例えば、特許文献4では、フルオロ炭化ガスを用いてCVD法でDLC膜をマスク本体の表面に形成することにより、DLC膜中にフッ素樹脂等の滑剤を含有させ、ペーストの抜け性を向上させるとともに、被印刷面におけるペーストの滲みを防止できるとしている。

また、フッ素系のガスを使用せずに、DLC膜の表面にフッ素含有撥水・撥油層を設ける方法も提案されている。例えば、特許文献5では、種々の固体上物質の表面に作製したDLC膜表面に、極安定パーフルオロアルキルラジカルを有効成分とする表面処理剤を形成し、この表面処理剤の上にさらにフッ素コートを施すことが開示されている。

一方、特許文献6、7のように、上記のドライプロセスであるCVD法による非晶質炭素膜を形成することなく、予め版面に液体状のプライマーを塗布しておき、そのうえにフッ素含有シランカップリング剤を塗布する方法も、通常良く用いられる方法である。

特開平11−245371号公報 特開2002−67267号公報 特開2005−144973号公報 特開2006−205716号公報 特開2005−146060号公報 特開2006−347062号公報 特開2009−45867号公報

しかしながら、DLC膜上に形成される撥水・撥油性を有するフッ素コーティング層は、DLC膜への定着性が十分でない。また、スクリーン印刷用孔版の一部、例えば、スキージ面や構成部材同士の接続部分は十分な濡れ性が必要なので、スクリーン印刷用孔版全体にフッ素コーティング層を設けることは望ましくない場合がある。
また、液体状のプライマーを用いる例では、メッシュの目開き部に液体状のプライマーが広がり、開口部を閉塞してしまうという問題がある。

本発明の様々な実施形態によって、DLC膜などの非晶質炭素膜を備え、この非晶質炭素膜上の少なくとも一部に撥水・撥油層が定着性良く設けられたスクリーン印刷用孔版が提供される。

本発明者らは、ケイ素(Si)、酸素(O)、窒素(N)から成る群の少なくとも1つを含む非晶質炭素膜が、フッ素を含有するシランカップリング剤を定着性良く保持することを見いだした。このような非晶質炭素膜の表面の撥水・撥油性が望まれる部分に、フッ素を含有するシランカップリング剤の薄膜を形成することで、脱水縮合反応等の共有結合又は水素結合等にて非晶質炭素膜とシランカップリング剤の薄膜とが強固な化学結合を起こし、シランカップリング剤の薄膜が非晶質炭素膜上に定着性良く保持されることが確認された。

本発明の一実施形態に係るスクリーン版は、枠体に固定されたメッシュと、前記メッシュに充填され、貫通孔が形成された乳剤層と、前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に形成され、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層と、前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部に設けられたフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層とを備える。

本発明の一実施形態に係るスクリーン印刷用マスクは、枠体に直接に又はメッシュを介して間接に取り付けられた貫通孔を有するマスク基板と、前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に形成され、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層と、前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部に設けられたフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層とを備える。本発明の他の実施形態に係るスクリーン印刷用マスクは、枠体に固定されたメッシュと、前記メッシュの一方の面に取り付けられた貫通孔を有するマスク基板と、前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に形成され、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層と、前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部に設けられたフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層と、を備える。

本発明の一実施形態に係るスクリーン版の製造方法は、枠体にメッシュを固定する工程と、前記メッシュに乳剤を充填して乳剤層を形成する工程と、前記乳剤層の印刷パターンに対応する位置に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層を形成する工程と、前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部にフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層を形成する工程とを備える。

本発明の一実施形態に係るスクリーン印刷用マスクの製造方法は、枠体に直接に又はメッシュを介して間接にマスク基板を固定する工程と、前記金属板の印刷パターンに対応する位置に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層を形成する工程と、前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部にフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層を形成する工程とを備える。本発明の他の実施形態に係るスクリーン印刷用マスクの製造方法は、枠体にメッシュを固定する工程と、前記メッシュの一方の面に貫通孔を有するマスク基板を取り付ける工程と、前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層を形成する工程と、前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部にフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層を形成する工程と、を備える。

本発明の様々な実施形態によれば、DLC膜などの非晶質炭素膜を備え、この非晶質炭素膜上の少なくとも一部に、撥水・撥油層が定着性良く設けられたスクリーン版及び印刷用マスクが提供される。

本発明の一実施形態に係るスクリーン版の全体構成を模式的に表す平面図 本発明の一実施形態に係るスクリーン版を模式的に表す断面図 本発明の他の実施形態に係るスクリーン版を模式的に表す断面図 本発明の他の実施形態に係るスクリーン版を模式的に表す断面図 本発明の一実施形態に係るメタルマスクを模式的に表す断面図 本発明の他の実施形態に係るメタルマスクを模式的に表す断面図 本発明の他の実施形態に係るメタルマスクを模式的に表す断面図 本発明の一実施形態に係るステンレス鋼(SUS)メッシュの印刷後の写真 フッ素コーティングを施していないステンレス鋼(SUS)メッシュの印刷後の写真 本発明の一実施形態に係るSUSメッシュを用いて基板上に印刷されたペーストを示す写真 実施例1〜7及び比較例1の、ミネラルスピリットとの接触角の測定結果を示すグラフ 実施例1〜9及び比較例1の、水との接触角の測定結果を示すグラフ 比較例1の表面の複数の位置においてミネラルスピリットとの接触角を測定した結果を示すグラフ 実施例7の表面の複数の位置においてミネラルスピリットとの接触角を測定した結果を示すグラフ 比較例2のCCD500倍写真 参考例のCCD500倍写真 実施例10のCCD500倍写真 実施例11の非晶質炭素膜形成前の乳剤表面のCCD写真 実施例11の非晶質炭素膜形成後の乳剤表面のCCD写真 印刷前及び1万回印刷後の、実施例11、比較例3の乳剤表面に於けるミネラルスピリットとの接触角の測定結果を示すグラフ 延伸前の状態と延伸率3%時の、メッシュに塗布された乳剤の浮き(メッシュからの部分剥離)の状態(ボイド数)をCCDカメラで撮影した写真

本発明の様々な実施形態について添付図面を参照して説明する。各実施形態において、類似の構成要素には類似の参照符号を付して説明を行い、その類似の構成要素についての詳細な説明は適宜省略する。図1は本発明の一実施形態に係るスクリーン版の全体構成を模式的に表す平面図、図2は本発明の一実施形態に係るスクリーン版を模式的に表す断面図である。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るスクリーン版の構成を模式的に示すものであり、その寸法は必ずしも正確に図示されていない点に留意されたい。

図示の通り、本発明の一実施形態に係るスクリーン版10は、鉄製の鋳物、ステンレス鋼やアルミニウム合金から成る枠体12に、ポリエステル等の樹脂やステンレス鋼から成るメッシュ16を張り、このメッシュ16の全部又は一部に乳剤14を塗布して構成される。

メッシュ16は、例えば、金属、樹脂、又は炭素繊維から成る糸を編み込んで構成される。メッシュ16として、例えば、線径φ15μm、厚み23μm、メッシュ開口部幅24.7μm、メッシュカウント640(1inch幅に640本のメッシュが存在)のメッシュを用いることができる。一実施形態においては、メッシュ糸の交点部分を押しつぶし、メッシュの糸1本の厚みに相当する厚みまでメッシュ16の厚みを薄型化することができる。メッシュ16の材質、線径、メッシュ数等は、ここで述べたものに限られず、印刷対象に応じて適宜変更することができる。

一実施形態において、乳剤14として、例えばジアゾ系の感光乳剤を用いることができる。乳剤14には、例えばフォトリソグラフィ法によって、印刷パターンに対応する印刷パターン開口部18が形成される。印刷パターン開口部18は、乳剤14を厚み方向に貫通するように形成される。フォトリソグラフィ法を用いる場合には、フォトマスクのマスクパターンをメッシュ16に塗布された乳剤14に露光することにより乳剤14の一部を硬化させ、続いて、乳剤14のうち露光により硬化した部分のみをメッシュ16上に残存させ、それ以外の部分を除去することで、印刷パターン開口部18を形成する。印刷パターン開口部18は、乳剤14の内壁22によって画定されている。乳剤14に代えて、印刷パターンがパターニングされた(印刷パターン開口部18に相当する貫通孔が形成された)ニッケル、ニッケル合金、又はステンレス鋼等の金属箔をメッシュ16に貼り付けてもよい。また、印刷パターンが形成されたメッシュ16を枠体12に直接貼り付ける代わりに、メッシュ16とは別の支持スクリーン(不図示)を枠体12に張り、この支持スクリーンにメッシュ16を貼り付けてもよい。一実施形態において、支持スクリーンのメッシュ16と重なる部分は、カッターナイフ等で切り取られる。

一実施形態において、メッシュ16の各糸の表面には、図示しない非晶質炭素膜が形成される。この非晶質炭素膜は、例えば、炭素(C)、水素(H)、及びケイ素(Si)を主成分とするa−C:H:Si膜である。膜中のSi含有量は、例えば4〜50原子%であり、好ましくは、10〜40原子%である。本発明の一実施形態に係る非晶質炭素膜は、例えば、プラズマCVD法を用いて形成することができる。ケイ素の原料となる反応ガスとしては、テトラメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジメトキシジオメチルシラン、及びテトラメチルシクロテトラシロキサンなどが用いられる。メッシュ16に形成された非晶質炭素膜は接着剤との親和性が高いため、接着剤や粘着テープを用いることによりメッシュ16を枠体12へ確実に固定することができる。また、非晶質炭素膜は乳剤14との接着性が高いため、メッシュ16に確実に乳剤14を保持することができる。また、乳剤14に代えて上述したニッケル等の金属箔を設ける場合には、金属箔とメッシュ16との接合部に非晶質炭素膜を形成しないことにより、金属箔をメッシュ16に確実に保持することができる。

本発明の非晶質炭素膜には、後述のシランカップリング剤を定着性良く保持できるように、Siに加えて、又は、Siに代えて、様々な元素を含有させることができる。例えば、非晶質炭素膜として、a−C:H:Si膜にさらに酸素原子(O)を含有させたa−C:H:Si:O膜を用いることができる。膜中のO含有量は、Siを含む主原料ガスと酸素との総流量に占める酸素の流量割合を調整することによって変更される。主原料ガスと酸素との総流量に占める酸素の流量割合は、例えば0.01〜12%、好ましくは0.5〜10%となるように調整される。また、本発明の非晶質炭素膜は、a−C:H:Si:O膜にさらに窒素(N)を含有させたa−C:H:Si:O:N膜、又は、a−C:H:Si膜に窒素プラズマを照射したa−C:H:Si:N膜であってもよい。

また、Siに代えてO又はNの一方又は両方を含有させた膜(a−C:H:O膜、a−C:H:N膜、又はa−C:H:O:N膜)を用いることもできる。例えば、非晶質炭素膜の表面を、窒素もしくは酸素又はそれらの混合物を用いてプラズマ処理することにより、非晶質炭素膜に酸素又は窒素を含有させることができる。このプラズマ処理は、非晶質炭素膜の成膜装置と同じ成膜装置内において、真空をブレイクすることなく、炭素膜の成膜と連続的にまたは一括して行うことができる。プラズマ処理された非晶質炭素膜表面は、その表面にSi−OH等の様々な官能基を有するので、これらの官能基と後述するフッ素含有シランカップリング剤の持つ官能基とが相互作用することにより、後述のフッ素含有シランカップリング剤と非晶質炭素膜表面との密着性をさらに改善することができる。

メッシュ16表面の非晶質炭素膜上の少なくとも一部分には、フッ素を含有するシランカップリング剤から成る薄膜20が形成される。フッ素含有シランカップリング剤の薄膜20は、メッシュ16表面の非晶質炭素膜と脱水縮合反応による共有結合又は水素結合等の化学結合で強固に固定される。フッ素を含有するシランカップリング剤として、例えば、フロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2を用いることができる。一実施形態において、この薄膜20は、印刷パターン開口部18を透過する印刷ペーストの透過体積に実質的な影響を与えないほど薄く形成され、例えば、約20nmの厚さに形成される。薄膜20の膜厚はこれに限定されず、用いられるフッ素含有シランカップリング剤の種類により適宜変更され、例えば、1nm〜1μmの範囲で形成される。

上述のようにプラズマCVD法を用いて非晶質炭素膜を形成することにより、乳剤14表面又は上述のニッケル等の金属箔表面の凹凸を埋めない程度に覆うように非晶質炭素膜を形成することができる。このようにして形成した非晶質炭素膜にシランカップリング剤を塗布することにより、乳剤14表面の凹部にもシランカップリング剤を配置することができる。この凹部におけるフッ素含有シランカップリング剤層は、乳剤14表面の凸部に形成された固い非晶質炭素膜によって保護されるため摩擦による剥落を起こしにくい。これにより、フッ素含有シランカップリング剤の薄膜20をより長期にわたって非晶質炭素膜表面に保持することができる。

上述のように、薄膜20は、非晶質炭素膜上の少なくとも一部分に形成される。図2に例示すように、一実施形態における薄膜20は、メッシュ16の各糸の下面26側に形成されてもよい。薄膜20は、例えば、フッ素含有シランカップリング剤の溶液をメッシュ16の表面に塗布することにより形成される。フッ素含有シランカップリング剤の塗布及びフッ素含有シランカップリング剤溶液への浸漬は大気中で行うことができるので、スクリーン版10の撥水・撥油性が必要な部分、例えば、上述のように、メッシュ16の印刷パターン開口部18から露出した部分の下面26側に、真空中での作業と比較して容易に薄膜20を形成することができる。

以上のように構成されたスクリーン版10は、乳剤14の下面26が被印刷物と対向するように配置して使用される。スクリーン版10を所定位置に配置後、上面24にはんだペーストや内部電極を構成する金属ペースト等の印刷ペーストを塗布し、スキージ(不図示)を上面24に一定圧で押し当てたまま上面24に沿ってスライドさせることにより、塗布された印刷ペーストが印刷パターン開口部18を通過し、被印刷物に転写される。

続いて、上記のスクリーン版10の製造方法の一例について説明する。まず、鉄製鋳物、ステンレス鋼やアルミニウム合金から成る枠体12、及び、プラズマCVD法等により表面に非晶質炭素膜が形成されたメッシュ16を準備し、このメッシュ16を枠体12に張る。メッシュ16は、枠体12に直接取り付けてもよく、支持スクリーンを介して取り付けてもよい。次に、このメッシュ16に感光乳剤14を塗布し、フォトリソグラフィ法により印刷パターンに対応する印刷パターン開口部18を乳剤14に形成する。続いて、メッシュ16の印刷パターン開口部18において露出している部分の下面26側にフッ素含有シランカップリング剤の薄膜20を塗布し、スクリーン版10が得られる。

このように、本発明の一実施形態に係るスクリーン版10においては、メッシュ16表面に形成された非晶質炭素膜上の少なくとも一部に、撥水・撥油性に優れ、非晶質炭素膜と強固に化学結合するフッ素含有シランカップリング剤の薄膜20が設けられる。薄膜20は撥水・撥油性に優れているため、印刷時に印刷ペーストが印刷パターン開口部18へ残存することを抑制し、版離れ性及びペースト抜け性を改善することができる。一実施形態においては、メッシュ16のうち、印刷パターン開口部18において露出している部分の下面26側に薄膜20が形成される。このように、印刷ペーストが特に残存しやすい部分に選択的にフッ素含有シランカップリング剤の薄膜20を形成することができる。また、一実施形態においては、フッ素含有シランカップリング剤が改質された非晶質炭素膜と強固に結合しているため、液体状プライマーによりフッ素含有シランカップリング剤を固定する必要がない。これにより、液体状プライマーを用いることによる、膜厚の増加や印刷パターン開口部18の閉塞等の弊害を防止することができる。

図3は、本発明の他の実施形態に係るスクリーン版30を模式的に示す断面図である。図示の通り、スクリーン版30においては、フッ素含有シランカップリング剤の薄膜20’が、メッシュ16の下面側に加えて、内壁22のメッシュ16よりも下面26側の部分、及び、乳剤14の下面26の印刷パターン開口部18近傍に形成されている。

スクリーン版30の製造方法について説明する。まず、鉄製の鋳物、ステンレス鋼やアルミニウム合金から成る枠体12、及び、メッシュ16を準備し、このメッシュ16を枠体12に張る。メッシュ16の表面には、非晶質炭素膜が形成されていても良いし、形成されていなくとも良い。次に、メッシュ16に感光乳剤14を塗布し、フォトリソグラフィ法により乳剤14に印刷パターン開口部18を形成する。続いて、プラズマCVD法により、乳剤14の内壁22、上面24、下面26、及び、メッシュ16の露出している部分に非晶質炭素膜を形成する。なお、メッシュ16については、枠体12へ張り付ける前に非晶質炭素膜を形成してもよい。非晶質炭素膜の原料ガスには、スクリーン版10の作製に用いたものと同じ原料ガスを用いることができる。続いて、この非晶質炭素膜の上にフッ素含有シランカップリング剤を塗布し、フッ素含有シランカップリング剤の薄膜20’を形成する。これにより、スクリーン版30が得られる。薄膜20’は、メッシュ16の下面26側、内壁22のメッシュ16よりも下面側の部分、及び、乳剤14の下面26の印刷パターン開口部18近傍にフッ素含有シランカップリング剤を塗布することにより形成される。

このように、本発明の一実施形態に係るスクリーン版30においては、非晶質炭素膜上のメッシュ16及び印刷パターン開口部18の内壁22の少なくとも一部に、撥水・撥油層に優れたシランカップリング剤の薄膜20’が定着性良く設けられる。これにより、印刷時に印刷ペーストが印刷パターン開口部18へ残存することをより一層抑制し、版離れ性及びペースト抜け性をさらに改善することができる。また、乳剤14の下面26の印刷パターン開口部18近傍にもシランカップリング剤の薄膜20’が形成されるため、印刷時の印刷ペーストの滲みを抑制することができるとともに、薄膜20’がスクリーン版30と被印刷物との間で緩衝材となって、スクリーン版30との接触による衝撃から被印刷物を保護することができる。また、本発明の一実施形態においては、非晶質炭素膜は乳剤14よりも濡れ性が高いため、乳剤14の上面24に形成された非晶質炭素膜の高い濡れ性により、印刷ペーストを乳剤14上に満遍なく塗布することができる。

図4は、本発明の他の実施形態に係るスクリーン版40を模式的に示す断面図である。図示の通り、スクリーン版40においては、フッ素含有シランカップリング剤の薄膜20”が、メッシュ16の上面側及び内壁22の上面側にも形成されている。これにより、印刷時に印刷ペーストが印刷パターン開口部18へ残存することをより一層抑制し、版離れ性及びペースト抜け性をさらに改善することができる。スクリーン版40は、スクリーン版30と同様の方法で製造することができる。

図5は、本発明の一実施形態に係るメタルマスク50を模式的に示す断面図である。図示の通り、本発明の一実施形態に係るメタルマスク50は、ステンレス鋼(SUS)等の金属から成るマスク単板51に、エッチング加工、プレス打ち抜き加工、ドリル加工、レーザ加工等の公知の手法を用いて、印刷パターンに対応する印刷パターン開口部54を形成する。マスク単板51の材質としては様々なものを利用するができ、例えば、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート等の樹脂、セラミクス、セルロース等の素材を用いてマスク単板51を構成することができる。また、マスク単版51は、上述の金属板に、乳剤等の感光性樹脂、ポリイミド、ポリイミドアミド等の樹脂、及び、保護テープ等を接合して成る複数層の合板であっても良い。印刷パターン開口部54が形成されたマスク単板51に、上述したプラズマCVD等の手法により不図示の非晶質炭素膜が形成される。一実施形態において、非晶質炭素膜は、マスク単板51の上面52、下面53、及び内壁56に形成される。そして、内壁56の厚み方向中央よりも下面53側の部分には、非晶質炭素膜の上にフッ素含有シランカップリング剤の薄膜55が形成される。薄膜55は、上述した薄膜20と同様の手法により形成することができる。使用時には、メタルマスク50を、その下面53が被印刷物と対向するように配置し、その上面52に印刷ペーストを塗布し、スキージを上面に一定圧で押し当てたまま上面に沿ってスライドさせる。これにより、塗布された印刷ペーストを、印刷パターン開口部54を介して被印刷物に転写することができる。

このように、本発明の一実施形態に係るメタルマスク50においては、印刷ペーストが通過する印刷パターン開口部54の内壁56の少なくとも一部に、撥水・撥油層に優れたシランカップリング剤の薄膜55が定着性良く設けられる。薄膜55は撥水・撥油性に優れているため、印刷時に印刷ペーストが印刷パターン開口部54に残存することを抑制し、版離れ性及びペースト抜け性を改善することができる。

メタルマスクに形成されるフッ素含有シランカップリング剤の薄膜55の位置は、図5に示したものに限られない。図6及び図7に他の例を示す。例えば、図6に示すメタルマスク60においては、シランカップリング剤の薄膜55’が、印刷パターン開口部54の内壁56の下面53側、及び、マスク単板51の下面53の印刷パターン開口部54近傍に形成されている。これにより、ペースト抜け性の向上に加えて、印刷時の印刷ペーストの滲みを抑制することもできるとともに、薄膜55’がメタルマスク60と被印刷物との間で緩衝材となり、被印刷物を保護することができる。また、図7に示すメタルマスク70においては、非晶質炭素膜(不図示)及びフッ素含有シランカップリング剤の薄膜55”が、印刷パターン開口部54の内壁56全体、及び、マスク単板51の下面53の印刷パターン開口部54近傍に形成されている。これにより、版離れ性及びペースト抜け性をさらに改善することができる。

以上のように、本発明の様々な実施形態に係るスクリーン版及びメタルマスクは、開口部の内壁面のうち、少なくとも一部分に、改質された非晶質炭素膜が形成され、さらに当該非晶質炭素膜表面にフッ素を含有するシランカップリング剤により形成されているので、印刷時に印刷ペーストが開口部に残存することを抑制し、版離れ性及びペースト抜け性を向上させることができる。

特に、本発明の一実施形態に於いては、非晶質炭素膜の成膜時に発生することのあるピンフォールを通じて、印刷用ペーストに含まれる油分、溶剤成分等の毛管現象による浸透進入、その後の基材への到達を防止することが可能となる。この作用は、特に、印刷用孔版に多用される水溶性の乳剤や、アクリル樹脂、樹脂性粘着保護テープ等の油耐性、溶剤耐性に乏しい素材上に非晶質炭素膜構造体が形成される場合に有効である。
即ち、前記水溶性乳剤や油耐性、溶剤耐性に乏しい素材で作られた基体上に、本願のような非晶質炭素膜構造体、更にその表層にフッ素層が形成された構造体は、前記フッ素層が該油分や溶剤成分の進入を防止するため、前記ピンフォールを通じて、油成分、溶剤成分が表層から基体に達し、基体が損傷される事態を防止できる。併せて、基体が損傷されることに起因する非晶質炭素膜の基体からの剥離を防止することが可能となる。
この構造は、スクリーン版の印刷対象基板面側の印刷パターン開口部周辺乳剤部等の特に印刷品質を左右する部分や、孔版の耐久性を左右するコンビネーションなどの重要部分に適用すると特に有効である。

また、非晶質炭素膜は、元来、HO、Oに対する透過バリア性を有する。フッ素含有シランカップリング剤は撥水性であり、水分の吸着を防ぐことが可能である。このため、本願のような非晶質炭素膜構造体、更にその表層にフッ素層が形成された構造体は、基体へのHOの進入を従来の非晶質炭素膜に比べてより防止することが可能となる。
このため、雰囲気中や印刷ペースト中のHOにより膨潤し形状変化や軟化の発生しやすい水溶性乳剤などの孔版を構成する材料や、酸化しやすい金属メッシュなどをHO、Oの影響からより一層保護することが可能となる。この作用はまた、前述の基体自体の劣化に起因する非晶質炭素膜の剥離防止を可能とする。
この構造は、孔版を構成する乳剤、または金属メッシュ、または樹脂性のコンビネーション(接続用)の粘着テープ、孔版表面保護用の樹脂性粘着保護テープなど、特に印刷品質を左右する印刷パターン開口部周辺の乳剤部等、重要な部位の表層に適用すると特に有効である。

電鋳プロセスによるNiパターン箔の作成と炭素膜の成膜
ステンレス鋼(SUS304)を、表面仕上げバフ研摩品厚み0.3mm、一辺95mmの四角形にカットして脱脂し、スピンコーター(ミカサ(株) 1H-DX II)にてJSR社製フォトレジストTHB-126Nを最大2500RPMにてコートした後、ホットプレート(井内 sefi SHAMAL HOTPLATE HHP-401)にて90℃で5分間乾燥し、手動マスクアライナ紫外線露光装置(SUSS MicroTec MA6)にて、予め40μmライン&スペースの格子形状を描画できるように作成したガラス乾板を使い、600mJ/cmにて露光を行い、現像液につけて手搖動75秒(15秒静止後搖動)現像を行った。レジスト塗布厚は約40μmであった。

次に、該母型をスルファミン酸Niメッキ液にてメッキし、電流1.8A、電流密度約2.4A/dmにて50分間メッキした。その後、レジスト部分を専用のレジスト剥離液(THB-S2)にて除去した。機械研摩等による析出したNi箔の表面研摩工程は省略した。次に、前述のパターン形成済みのNi箔を電鋳母型用のステンレス鋼(SUS304)板から剥離し、電極接点部以外のNi箔全面に非晶質炭素膜を成膜できるように固定した。

SUS板冶具に固定したNi箔を高圧パルスプラズマCVD装置に投入し、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガスを流量30SCCM、ガス圧2Pa、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件にてアルゴンガスプラズマで基材を約5分クリーニングした。その後、トリメチルシランを流量40SCCM、ガス圧2Paになるよう流量調整し、印加電圧−7kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsにて10分間成膜処理を行った。具体的には、5分間成膜した後20分間放置して冷却し、その後さらに5分間成膜することで10分間成膜した。

次に、印刷マスク用の240mm×290mmの四角形状アルミニウム合金枠(フレーム)にテトロンメッシュを張り、このテトロンメッシュの中央部分に上記成膜したNi箔を仮止めした。続いて、アイカ工業株式会社製EX-582CA(主剤)、EX-582CB(硬化剤)を主剤2:硬化剤1の比率にて、糊しろ1cm位を目安にテトロンメッシュ側から塗付して、50℃の乾燥炉に45分間投入し接着剤を固化させた。その後、乾燥させたテトロンメッシュを乾燥炉から取り出し、Ni箔部分と重なるテトロンメッシュ部分をカットした。次に、テトロンメッシュ部分にアルミテープを全面に張り、ステンシルマスクを得た。

完成したステンシルマスクの印刷基板と接する側の面にフロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2フッ素コート剤を刷毛塗りし2日間乾燥させ、撥水・撥油性の表面構造を持つNi電鋳ステンシルマスクが完成した。

本件発明における印刷性の向上の確認を行うため、以下に詳述するように、撥水・撥油性の薄膜が表面に形成されたステンレス鋼(SUS)メッシュを用いての印刷試験を行った。

まず、140mm×140mm角にカットした大阪メッシュ製 SC500-18-18を準備した。このメッシュの半分をステンレス鋼(SUS304)板にて両方から挟むことでマスキングしたものを高圧パルスプラズマCVD装置に投入した。この高圧パルスプラズマCVD装置を1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガスを流量30SCCM、ガス圧2Pa、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件にて、アルゴンガスプラズマで基材を約5分クリーニングした。続いて、流量40SCCM、ガス圧2Paのトリメチルシランを反応ガスとして用い、クリーニング後のメッシュに、印加電圧−7kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で10分間成膜し、ステンレス鋼(SUS)メッシュの表面に非晶質炭素膜を形成した。

続いて、アルミニウム製の240mm×290mm角の枠にステンレス鋼(SUS304)製の板を接着する。このステンレス鋼(SUS304)製の板として、厚みが0.6mmであり、板中央部を130mm×130mの矩形の貫通孔を設けたものを用いた。次に、この貫通孔を覆うように前記ステンレス(SUS)メッシュをステンレス鋼(SUS304)製の板に仮止めした。次に、接着剤(アロンアルファー203TX)を用いてステンレス鋼(SUS)メッシュとステンレス鋼(SUS304)製の板とを接着した。次に、ステンレス鋼(SUS)メッシュ及びステンレス鋼(SUS304)製の板を乾燥炉に投入し、接着剤を固化させた。接着剤が乾燥した後、アルミニウム枠に取り付けたステンレス(SUS304)製の板とステンレス鋼(SUS)メッシュの接合部をアルミニウム製の粘着テープを用いて目張りし、ステンレス鋼(SUS)メッシュが120mm×120mmの大きさだけ露出するようにした。

次に、完成したスクリーン版のステンレス鋼(SUS)メッシュの非晶質炭素膜が成膜された部分に、フロロサーフ社のフッ素コート剤、FG−5010Z130−0.2を塗布し、2日間乾燥させた。乾燥後のステンレス鋼(SUS)メッシュ全面にIPAを霧吹きで噴霧した後、IPAを含ませた不織布にてステンレス鋼メッシュ露出部の両面を拭き取り、試験用のスクリーン版を完成させた。

次に、上記のようにして作製した試験用のスクリーン版を用いて、印刷実験を行った。印刷機はミナミ株式会社製印刷機MK-850-SVを使用した。上記、試験用スクリーン版の枠体をマスクアダプターを介して印刷機にセットした。次に、硬度70のウレタンスキージを110mmの長さにカットしてスキージホルダにセットし、スキージスピード:約20mm/S、スキージ押し込み量:スキージがSUSメッシュに接触して平行になる点から1.25mm押し込み(リフト)、スキージアタック角度60度にてオンコンタクト印刷を行い、ペースト透過性を検証した。

印刷基板(被印刷物)として、Ni−Zn−Cuフェライトのスラリーを、グリーンシート法により厚さ約30μmの磁性体シートに形成したものをカットしてステンレス鋼(SUS304)の板に上に貼ったものを準備した。また、印刷用ペーストとして、ナミックス社製:X7348S-13 Agペースト粒径φ1μm、粘度300Pa'sを使用した。X7348S-13は、厚膜印刷用で粘性が高く、印刷メッシュに残留し易い性質を有する。

図8は、上述したフッ素コーティングが施されたステンレス鋼(SUS)メッシュを用いてX7348S-13ペーストを印刷した後の当該ステンレス鋼(SUS)メッシュ部分の写真を示す。図9は、非晶質炭素膜及びフッ素コーティングのいずれも形成されていないステンレス鋼(SUS)メッシュを用いてX7348S-13ペーストを印刷した後の当該SUSメッシュ部分の写真を示す。図8において、ステンレス鋼(SUS)メッシュにペーストの付着は全く観察できない。一方、図9に示されるように、非晶質炭素膜及びフッ素コーティングのいずれも形成されていないステンレス鋼(SUS)メッシュ部分には、印刷により多量のペーストが目を埋めるように付着した。

図10は、フッ素コーティングが施されたステンレス鋼(SUS)メッシュ部分、及びフッ素コーティングを施さないステンレス鋼(SUS)メッシュ部分を用いて基板上に印刷されたペーストの写真を示す。同図の中央より左側が、フッ素コーティングを施したステンレス鋼(SUS)メッシュ部分によって印刷されたペーストを示し、同図の中央より右側が、フッ素コーティングを施さないステンレス鋼(SUS)メッシュ部分によって印刷されたペーストを示す。

図10に示されているように、フッ素コーティングを施さないステンレス鋼(SUS)メッシュ部分によって印刷されたペーストは、ペーストが薄く基板に印刷されていることが分かる。これにより、フッ素コーティングを施さないステンレス鋼(SUS)メッシュ部分は、ペーストの透過性が悪いことが分かる。

このように、非晶質炭素膜表面にフッ素コーティングを施すことによって、ペーストの透過性が大きく改善することが確認できた。

接触角の測定
Si、O、又はNのうち少なくとも1つの元素を含む非晶質炭素膜をステンレス鋼(SUS304 2B品)表面に形成し、これらの非晶質炭素膜にフッ素コーティング(フッ素含有シランカップリング剤層)を施した試料を以下の通り作製した。各試料におけるフッ素コーティング層の定着性を調査するため、各試料について、ミネラルスピリット(油)、及び水(純水)との接触角の測定を行った。ミネラルスピリットは、印刷ペーストの希釈液として使用されることが多いので、ミネラルスピリットとの接触角を測定することにより、印刷ペーストとの濡れ性を評価することができる。

1.試料の作成
1辺が30mm、厚さが1mm、表面粗さRaが0.034μmの矩形のステンレス鋼(SUS304)板を、各試料の基材として用いた。ステンレス鋼(SUS304)板には電解研摩処理を行った。

(1)実施例1の作成
高圧パルスプラズマCVD装置に上記ステンレス鋼(SUS304)基材を2点投入し、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガスプラズマで当該基材を約5分クリーニングした。アルゴンガスプラズマでのクリーニングは、各実施例、比較例いずれも、アルゴンガス流量15SCCM,ガス圧1Pa,印加電圧−4kVパルス周波数2kHz、パルス幅50μs、5分間の条件で行なった。クリーニング後、流量15SCCMのアルゴン、及び、流量10SCCMのテトラメチルシランを、反応容器内のガス圧が1.5Paになるように反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で非晶質炭素膜を30分間成膜した。このようにして成膜した非晶質炭素膜の表面に、フッ素含有シランカップリング剤であるフロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2の溶液(フッ素樹脂0.02〜0.2%、フッ素系溶剤99.8%〜99.98%)をディップ塗布し、2日間、室温(湿度50%、以下各実施例、比較例とも同条件)にて乾燥させて、実施例1の試料を得た。

(2)実施例2の作成
高圧パルスプラズマCVD装置に上記ステンレス鋼(SUS304)基材を2点投入し、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガスプラズマで基材を約5分クリーニングした。クリーニング後、流量15SCCMのアルゴン、及び、流量10SCCMのテトラメチルシランを、反応容器内のガス圧が1.5Paになるように反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で30分間成膜した。次に、原料ガスを排気し、その後、流量14SCCMの酸素ガスを、ガス圧が1.5Paになるように反応容器に導入し、印加電圧−3kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で酸素プラズマを非晶質炭素膜に5分間照射した。次に、酸素プラズマの照射後の非晶質炭素膜の表面にフッ素系シランカップリング剤であるフロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2の溶液(フッ素樹脂0.02〜0.2%、フッ素系溶剤99.8%〜99.98%)をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、実施例2の試料を得た。

(3)実施例3の作成
まず、実施例1と同様にアルゴン及びテトラメチルシランを用いて非晶質炭素膜を成膜した。続いて、原料ガスを排気した後、流量15SCCMの窒素ガスを、反応容器内のガス圧が1.5Paとなるように反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で窒素プラズマを非晶質炭素膜に5分間照射した。次に、窒素プラズマ照射後の非晶質炭素膜に、実施例1と同様に、フッ素系シランカップリング剤をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、実施例3の試料を得た。

(4)実施例4の作成
実施例1と同様にアルゴン及びテトラメチルシランを用いて非晶質炭素膜を成膜した。続いて、原料ガスを排気した後、流量15SCCMの窒素ガスを、反応容器内のガス圧が1.5Paとなるように反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で窒素プラズマを非晶質炭素膜に5分間照射した。次に、窒素ガスを排気し、流量14SCCMの酸素ガスを、反応容器内のガス圧が1.5Paとなるように反応容器に導入し、印加電圧−3kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で酸素プラズマを非晶質炭素膜に5分間照射した。この窒素プラズマ及び酸素プラズマ照射後の非晶質炭素膜に、実施例1と同様にして、フッ素系シランカップリング剤をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、実施例4の試料を得た。

(5)実施例5の作成
高圧パルスプラズマCVD装置に上記ステンレス鋼(SUS304)基材を2点投入し、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガスプラズマで当該基材をクリーニングした。クリーニング後、反応容器内の圧力が1.5Paとなるように、流量15SCCMのテトラメチルシラン及び流量0.7SCCMの酸素ガスを反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で30分間成膜した。酸素ガスは、テトラメチルシランとの流量混合比が4.5%となるよう調整した。このようにして成膜した非晶質炭素膜の表面に、実施例1と同様に、フッ素系シランカップリング剤をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、実施例5の試料を得た。

(6)実施例6の作成
高圧パルスプラズマCVD装置に上記ステンレス鋼(SUS304)基材を2点投入し、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガスプラズマで当該基材をクリーニングした。クリーニング後、反応容器内の圧力が1.5Paとなるように、流量15SCCMのテトラメチルシラン及び流量1.4SCCMの酸素ガスを反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で30分間成膜した。酸素ガスは、テトラメチルシランとの流量混合比が8.5%となるよう調整した。このようにして成膜した非晶質炭素膜の表面に、実施例1と同様に、フッ素系シランカップリング剤をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、実施例6の試料を得た。

(7)実施例7の作成
高圧パルスプラズマCVD装置に上記ステンレス鋼(SUS304)基材を2点投入し、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガスプラズマで当該基材をクリーニングした。クリーニング後、反応容器内のガス圧が1.5Paとなるように、流量15SCCMのアルゴン、及び、流量10SCCMのテトラメチルシランを反応容器内に導入して印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で約10分間成膜した。これにより、基材表面にSiを含有する非晶質炭素膜を下地中間層として形成した。次に、反応容器内のガス圧力が1.5Paとなるように、流量20SCCMのアセチレンを反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で30分間成膜を行った。これにより、下地中間層の表面にSiを含まない非晶質炭素膜を形成した。原料ガスを排気した後、反応容器内のガス圧1.5Paとなるように流量14SCCMの酸素ガスを反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で酸素プラズマを5分間非晶質炭素膜に照射した。この酸素プラズマ照射後の非晶質炭素膜の表面に、実施例1と同様にして、フッ素系シランカップリング剤をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、実施例7の試料を得た。

(8)実施例8の作成
実施例7と同様にしてステンレス鋼(SUS304)基材にSiを含有する非晶質炭素膜を下地中間層として形成し、この下地中間層の表面にSiを含まない非晶質炭素膜を形成した。本実施例においては、原料ガスを排気した後、反応容器内のガス圧g1.5Paとなるように流量14SCCMの窒素ガスを反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で窒素プラズマを5分間非晶質炭素膜に照射した。この窒素プラズマ照射後の非晶質炭素膜の表面に、実施例1と同様にして、フッ素系シランカップリング剤をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、実施例8の試料を得た。

(9)実施例9の作成
実施例7と同様にしてステンレス鋼(SUS304基材)にSiを含有する非晶質炭素膜を下地中間層として形成し、この下地中間層の表面にSiを含まない非晶質炭素膜を形成した。本実施例においては、原料ガスを排気した後、反応容器内のガス圧1.5Paとなるように流量14SCCMの窒素ガスを反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で窒素プラズマを5分間非晶質炭素膜に照射した。次に、窒素ガスを排気し、流量14SCCMの酸素ガスを、反応容器内のガス圧が1.5Paとなるように反応容器に導入し、印加電圧−3kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で酸素プラズマを非晶質炭素膜に5分間照射した。この窒素プラズマ及び酸素プラズマ照射後の非晶質炭素膜の表面に、実施例1と同様にして、フッ素系シランカップリング剤をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、実施例9の試料を得た。

(10)比較例1の作成
実施例7と同様にしてSUS304基材にSiを含有する非晶質炭素膜を下地中間層として形成した。本比較例においては、原料ガスを排気した後、反応容器内のガス圧1.5Paとなるように流量20SCCMのアセチレンを反応容器に導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数2kHz、パルス幅50μsの条件で30分間成膜した。このようにして、下地中間層の上にSiを含まない非晶質炭素膜を成膜した。このSiを含まない非晶質炭素膜に、実施例1と同様にして、フッ素系シランカップリング剤をディップ塗布し、2日間、室温にて乾燥させて、比較例1の試料を得た。

2.濡れ性の測定
次に、上記実施例1〜7と比較例1の試料それぞれについて、ミネラルスピリット(油)との濡れ性を測定した。測定には、Fibro system社製の携帯式接触角計PG−X(モバイル接触角計)を使用し室温25℃、湿度30%の環境にて行った。フッ素含有シランカップリング剤の定着性を調べるために、実施例1〜7と比較例1の各試料をアセトンに投入して120分間超音波洗浄を行い、各試料について、超音波洗浄後のミネラルスピリットとの接触角を測定した。超音波洗浄を行う際には、各試料を60分連続して超音波洗浄した後、60分間超音波洗浄を止めて放置し、その後60分間超音波洗浄を行った。なお、比較例1の試料については、短時間の超音波洗浄でフッ素含有シランカップリング剤が脱落すると想定されたため、超音波洗浄を5分間だけ行い、その5分間の超音波洗浄後の接触角を測定した。超音波洗浄は、株式会社エスエヌディ製の商品名US−20KS(発振38kHz(BLT 自励発振)、高周波出力480W)を使用して行った。超音波洗浄を行うことにより、圧電振動子からの振動によってアセトン中にキャビティ(空洞)が発生し、このキャビティが基材表面でつぶれるときに基材表面に対して大きな物理的衝撃力を発生させるので、下層との結合が弱いフッ素含有シランカップリング剤は基材表面から剥離する。したがって、超音波洗浄後の基材表面における接触角を調べることにより、フッ素シランカップリング剤とその下層との密着性を確認することができる。

図11は、実施例1〜7及び比較例1のミネラルスピリットとの接触角の測定結果を示すグラフであり、基板上の16ヶ所の測定位置において測定した接触角の平均値を示す。図示の通り、比較例1の試料については、5分間の超音波洗浄により接触角が約40°まで低下した。一方、実施例1〜7の試料については、120分間の超音波洗浄後でも45°以上の接触角を保った。特に、非晶質炭素膜にSiを含む実施例1〜6の資料については、いずれも50°以上の接触角を維持した。このように、各実施例について、試料表面に撥水・撥油性を発揮するために十分な量のフッ素含有シランカップリング剤が残存していることが確認された。

次に水(純水)との濡れ性を測定した。測定装置、環境は上記同様である。実施例1〜9と比較例1の各試料をアセトンに投入して5分間超音波洗浄を行い、各試料について、超音波洗浄後の水との接触角を測定した。図12は、実施例1〜9、並びに、比較例1の水との接触角の測定結果を示すグラフであり、基板上の10ヶ所の測定位置において測定した接触角の平均値を示す。図示の通り、比較例1の接触角は約90°であるのに対し、実施例1〜9の接触角はいずれも105°以上であり、各実施例について試料表面に撥水・撥油性を発揮するために十分な量のフッ素含有シランカップリング剤が残存していることが確認された。

以上の接触角の測定結果から、実施例1〜9に示した非晶質炭素膜及びフッ素含有シランカップリング剤から成る膜構造をスクリーン印刷用孔版の開口部に応用することにより、図9に示すように、当該開口部へのペーストの残存を抑制することができることが分かる。

図13は、5分間超音波洗浄を行った比較例1の表面の複数の位置(測定ポイント)においてミネラルスピリットとの接触角を測定した結果を示すグラフであり、図14は、120分間超音波洗浄を行った実施例7の表面の複数の位置(測定ポイント)においてミネラルスピリットとの接触角を測定した結果を示すグラフである。図13及び14から明らかなように、比較例1については、接触角の測定ポイントごとのバラツキ(Max−Min)の幅が大きく、フッ素シランカップリング剤が剥離していることが確認できる。実施例7については、相対的に均一な接触角が得られた。

上記実施例2〜6では、ケイ素を含む非晶質炭素膜を成膜後、反応容器を真空ブレイクすることなく、ケイ素を含む原料ガスの排気、酸素及び/又は窒素の導入、及びプラズマ照射を行っているが、ケイ素を含む非晶質炭素膜を作成した後、反応容器を常圧に戻し、その後再度反応容器を真空状態として、酸素及び/又は窒素を導入してもよい。このように、プラズマ照射前に反応容器を常圧に戻した場合であっても、水及びミネラルスピリッツとの接触角は、上記実施例とほぼ同様の数値を示すことを確認した。

<フッ素含有シランカップリング剤固定用の液体状プライマーとの比較>
210mm×210mmに切り出したステンレス鋼製の500メッシュ19μm線径、厚さ28μm(500−19−28)を3枚用意した。
なお、上記のステンレス鋼メッシュの場合、1インチの幅に500本のステンレス鋼の線材が存在し、19は、該ステンレス鋼の線の太さを表し、28は線の交差する部分(交点)の厚さを表している。
該ステンレス鋼製の500メッシュ19μm線径は、印刷用孔版用のメッシュとしては広く一般市場で使用されており、該メッシュに乳剤を塗布し印刷パターン開口部の貫通孔を形成した場合、該メッシュが貫通孔開口部に露出することになる。該メッシュの目開きの開口幅は20μm前後の幅で、非常に細かく、フッ素含有シランカップリング剤を固定するためのプライマーの、メッシュ目開き(開口部)への濡れ広がりによる閉塞状況等の確認を行なった。

粘性や流動性を有するフッ素含有シランカップリング剤固定用の液体状プライマーを塗布した場合と、ドライプロセスであるプラズマCVD法による非晶質炭素膜を該メッシュ表面にフッ素含有シランカップリング剤固定用プライマーとして塗布した場合の、該メッシュの開口部への濡れ広がりと膜張りによる開口部の閉塞の発生状況を確認するには、ステンレス鋼製のメッシュ、500メッシュ19μm線径(500−19−28)は好適な試験サンプルである。
第一のメッシュは、320mm×320mmの鉄製鋳物枠の4辺からの中央部に、四角形に200mm×200mmの大きさでステンレス鋼メッシュをポリエステルメッシュと接着剤(アロンアルファー203TX)にて接着、コンビネーションされたステンレス鋼製メッシュを配置した。

その後、該メッシュの貼られた枠体を水平に配置し、フッ素含有シランカップリング剤の密着強化用液体プライマー、フロロテクノロジー社製フロロサーフ専用プライマーコートPC−2を旭化成製のBEMCOT CLEAN WIPE−P(不織布)に含ませて塗布した。その後、温度55℃、湿度70%の恒温槽にて該枠体を水平に配置し、60分間乾燥させた。(比較例2)

さらに、参考として、今回の試験で使用したステンレス鋼メッシュ210mm×210mmの一部を70mm×30mmに切断し、フロロテクノロジー社製のフッ素含有シランカップリング剤の基材への密着用液体プライマーPC−2をフローコートした後、温度80℃、湿度80%の恒温槽にて垂直に配置し、60分間乾燥させたものを準備した。(参考例)

残りの210mm×210mmのメッシュへはフッ素含有シランカップリング剤の固定用プライマー層として非晶質炭素膜を形成した。(実施例10)
非晶質炭素膜の形成は、高圧パルスプラズマCVD装置の電極部に該メッシュの一辺端を帯状10mmの電極挟みしろで保持しセットした後、排気を行い、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガスプラズマで当該基材を約5分間クリーニングした。アルゴンガスプラズマでのクリーニングは、アルゴンガス流量15SCCM,ガス圧2Pa,印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で行なった。クリーニング後、流量30SCCMにてトリメチルシランを、反応容器内のガス圧が1.5Paになるように導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で非晶質炭素膜を15分間成膜した。
その後、比較例2と同様に枠体に固定した。

実施例10も比較例2と同様に恒温槽に配置した後、比較例2、実施例10のメッシュ開口部の閉塞の発生状況をCCDカメラにて確認した。
図15は、比較例2のCCD500倍写真であり、図16は、参考例のCCD500倍写真である。以上のように、比較例2(及び参考例)は、メッシュの目開き部に液体プライマーPC−2が膜を張るように濡れ広がり、開口部が閉塞している部位が多数確認できた。
図17は、実施例10のCCD500倍の写真である。実施例10では、目詰まりは全く確認できなかった。

本件の検証により、プラズマCVD法にて形成する非晶質炭素膜をその上部に形成される第2層のプライマー層とした場合、通常印刷用孔版に使用する程度の目開きのメッシュ構造体における微細な開口部の閉塞を起さないことが確認できた。
印刷用孔版においては、メッシュに乳剤が塗布されることにより乳剤部の凹凸構造が付加され、さらに形成される印刷パターン開口部についてはφ20μm程度の微小なものも存在する。これほど微細な構造であると、プライマー塗布後に閉塞状態の確認や、開口部を閉塞させてしまった液体プライマーの拭き取り除去を行なうことは困難である。
本願の非晶質炭素膜をフッ素含有シランカップリング剤等の密着用プライマーとした場合、印刷用孔版の印刷パターン開口部等に露出する細かなメッシュ目開き(開口部)の閉塞を起さないため、印刷用ペーストの透過性を確保することが可能となるとともに、メッシュ開口部の閉塞状態を確認するための検査や、閉塞状態の除去対応も不要とすることができる。

320mm×320mmの鉄製鋳物枠の4辺からの中央部に、四角形に200mm×200mmの大きさでステンレス鋼メッシュをポリエステルメッシュと接着剤(アロンアルファー203TX)にて接着し、コンビネーションされたステンレス製メッシュを配置し、酢酸ビニル系エマルジョン2%、ポリビニルアルコール2%、光重合性樹脂25%、シリコーン系化合物5%、水65%、顔料1%未満、ジアゾ樹脂1%未満の成分で構成される乳剤を塗布、フォトリソグラフィ法にて露光、現像を行い乳剤スクリーン版を2版作成した。
乳剤スクリーンマスクの仕様は2版とも下記内容である。
スクリーンメッシュ:500メッシュ19μm線径(500−19−28)
印刷パターン有効エリア:95mm×95mm
印刷配線パターン:線幅200μm
印刷パターン開口部形状:印刷有効エリア中央部に横直線で形成された1000μm幅、全長90mmの中央主電極(バス電極)と直交する形で中央のバス電極から両側に全長40mm、ピッチ20mm、線幅200μmの印刷配線パターンが、中央のバス電極の長さ方向に等ピッチで形成されている櫛型パターンである。
乳剤厚さは2μm、スクリーンメッシュ含めた乳剤部総厚では概ね30μmである。

上記一方の乳剤スクリーンマスクの印刷対象基板に接する面側のみの印刷パターンエリアに実施例2の表層にフッ素を伴う非晶質炭素膜を100nm成膜したものを実施例11とした。
また、非晶質炭素膜を成膜せず、シラン系化合物0.5〜1.0wt%、1−ブタノール99.0〜99.5wt%を含有する、フッ素含有シランカップリング剤の樹脂基材への密着強化用液体プライマーコートPC−3B((株)フロロテクノロジー社製)を、フッ素含有シランカップリング剤の密着用プライマー層としてフローコートした後、温度55℃、湿度70%の恒温槽にて60分間乾燥させ、その後フッ素含有シランカップリング剤である、フロロサーフ社のFG−5010Z130−0.2の溶液(フッ素樹脂0.02〜0.2%、フッ素系溶剤99.8%〜99.98%)を塗布し、8時間、常温、湿度50%の環境にて乾燥させ、更に2度目の塗布を行い、12時間、常温、湿度50%の環境で乾燥させたものを比較例3とした。
非晶質炭素膜成膜前と後に、実施例11について乳剤表面をCCDカメラにて観察すると供に、各実施例、比較例の乳剤の表面粗さをレーザ顕微鏡にて測定した。
なお、レーザ顕微鏡はキーエンス製VK-9500を使用した。

1)表面粗さ
実施例11 Ra:0,52μm Ry:2.14μm Rz:2.04μm
実施例12 Ra:0.51μm Ry:2.15μm Rz:2.03μm
比較例3 Ra:0.44μm Ry:1.97μm Rz:1.80μm
であり、実施例11は、比較例3に比べ表面の粗度が増していることが確認できた。

2)CCDカメラによる表面観察
実施例11の乳剤表面状態を、非晶質炭素膜の形成前後でCCDカメラ2000倍で観察した。
図18は、実施例11の非晶質炭素膜形成前の乳剤表面(印刷パターン貫通孔付近)のCCD写真である。
図19は、実施例11の非晶質炭素膜形成後の乳剤表面(印刷パターン貫通孔付近)のCCD写真である。
乳剤部にシワが形成されていることが確認できる。この細かいシワ状の凹凸が乳剤尿面の粗度を上げたと推定できる。
このシワは、非晶質炭素膜形成中のプラズマによる熱、及び非晶質炭素膜の大きな応力により形成されていると考えられる。

3)下記の内容で印刷試験を行なった。
(1)印刷用スキージ:ウレタン製で硬度(シェア)80
(2)スキージアタック角度:80°
(3)スキージ印圧:2±0.2kgf・cm
(4)スキージ速度:800mm・sec
(5)スクリーンクリアランス:1.4mm
(6)印刷ペースト:Niペースト
Niペーストは、ニッケル粉末、ビヒクル、および分散剤を混合し、例えば三本ロールミルを用いて、ニッケル粉末を十分に分散させ、粘度を10〜30Pa・secにすることで調製される。
混合される構成成分は、粒径0.2〜0.4μmのニッケル粉末を30〜60wt%、共生地を10〜30wt%、残りその他である。
残りのその他は、固形分に対して、ビヒクル2〜10wt%、分散材1〜2wt%である。なお、ビヒクルは、有機バインダ エチルセルロース、ニトロセルロース、ジビドロターピネオールなどから 2〜10wt%、有機溶剤はブチルカルビトールアセテートあるいはαーターピネオール 90〜98wt%で構成されている。分散材はオレイン酸などである。
(7)印刷基板(グリーンシート)
印刷用基板であるグリーンシートは、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック材料粉末とPVB(ポリビニルブチラール)等の有機バインダ及びエタノール等の有機溶媒を所定の比率で混合してセラミックスラリーを作成し、このスラリーをドクターブレード法等の公知のシート化手段により約20μmの厚さに32μmのPETフィルム上に成形したものである。グリーンシートのこのときの表面の粘着力は、約600g/cmの程度である。

各実施例、比較例とも、1万回印刷した際の印刷配線のエッジ部の直線性(滲み発生の状況)を確認した。
(1)実施例11 綺麗に直線が出ている。
(2)比較例3 印刷滲みが発生し直線性が劣化している。
実施例について、乳剤表面にシワ状の凹凸が発生しているにもかかわらず印刷物のエッジ部に印刷ペーストの滲みが発生しないのは、印刷のスキージング時、乳剤表面に形成されたフッ素相を伴う非晶質炭素膜構造体が印刷基板面と接触する際、撥油性表面を有するシワ状凹凸の凹部中に空気が内包されることで、毛管現象による印刷ペーストの印刷パターン貫通孔周辺部乳剤面(特に乳剤表面の凹凸部)側への滲み出しが抑制されたためと考えられる。

4)印刷前及び1万回印刷後の、実施例11、比較例3の乳剤表面に於けるミネラルスピリットとの接触角の測定結果を図20に示す。
なお、測定点は、印刷有効エリア95mm×95mmを縦方向に端から端まで概ね4等分した5箇所、横方向(印刷パターン中央主電極の1000μm幅、90mmの電極線を挟んで、直行する方向)に概ね3等分した4箇所、各点計20点の直近位置の乳剤面上にて行なった。測定には、Fibro system社製の携帯式接触角計PG−X(モバイル接触角計)を使用し室温25℃、湿度30%の環境にて行った。
まず、印刷前の接触角は、実施例11が比較例3よりも大きな値を示し、実施例は比較例に比べて大きな撥油性が発現されていることが判る。
印刷後に於いては、比較例3の接触角の劣化(値の低下)は見られるが、実施例11については印刷前との接触角の変動がほぼ無く、十分な撥油性を示すことが確認できた。

以上のことから、実施例11は比較例3に比べ、乳剤(上の非晶質炭素膜)に塗布したフッ素含有シランカップリング剤の固定能に優れていることが確認できる。
また、シワのような微細な凹凸構造を硬く、耐摩耗性に富む非晶質炭素膜にて形成し、その凹部に20nm程度と薄膜にて形成可能なフッ素含有シランカップリング剤を残留させることにより、凹部に保持された柔らかいフッ素含有シランカップリング剤(フッ素層)は、硬い非晶質炭素膜から成る凸部によって物理的な外力、今回の印刷検証の場合は、セラミックグリーンシートなど硬い印刷対象基板から直接的な損傷を受けず保護され、その凹部に長く残留させることが容易になる。
あわせて、硬い非晶質炭素膜にて構成される実施例11については、印刷用ペースト中に配合されている硬い研磨粉のようなNi微粉からの耐摩耗性も向上していると考えられる。

乳剤スクリーン版の作成
ステンレス鋼製メッシュ、四角型の形状で300mm×300mmの500メッシュ19μm線径(500−19−28)全面に非晶質炭素膜を成膜した。
高圧パルスプラズマCVD装置に上記メッシュの1辺の端10mmの帯状部分を電極接続保持部とし投入、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガス流量30SCCM、ガス圧2Pa、印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsにてアルゴンガスプラズマでクリーニングした。
次にトリメチルシランを流量30SCCM、ガス圧2Paになるよう調整し、印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsにて10分間非晶質炭素膜を成膜し、トリメチルシランガスを排気後、酸素ガスを流量30SCCM、ガス圧2Paになるよう調整し、印加電圧−3kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsにて3分間照射し成膜容器から取り出した。(実施例12)

さらに、同様のステンレス鋼メッシュを実施例と同様に電極部を接続し高圧パルスプラズマCVD装置に投入し、1×10−3Paまで真空減圧した後、アルゴンガス流量30SCCM、ガス圧2Pa、印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsにてアルゴンガスプラズマでクリーニングした。
次にトリメチルシランを流量30SCCM、ガス圧2Paになるよう調整し、印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsにて5分間基材への中間密着用の非晶質炭素膜を成膜し、トリメチルシランガスを排気後、アセチレンを流量30SCCM、ガス圧2Paになるよう調整し、印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsにて6分間非晶質炭素膜を成膜した。(比較例4)

続いて、実施例12、比較例4共に450mm×450mmの鉄製鋳物枠体の4辺からの中央部に、200mm×200mmの大きさで上記非晶質炭素膜を成膜したステンレス鋼メッシュをポリエステルメッシュと接着剤(アロンアルファー203TX)にて接着、コンビネーションされたステンレス製メッシュ、を配置し、酢酸ビニル系エマルジョン2%、ポリビニルアルコール2%、光重合性樹脂25%、シリコーン系化合物5%、水65%、顔料1%未満、ジアゾ樹脂1%未満の成分で構成される乳剤をマスク乳剤総厚で概ね30μmになるように一面に塗布した。
上記枠体に貼られ、乳剤を全面に塗布されたステンレス鋼メッシュ部の周囲4辺をカッターナイフで切り取り、短冊形に乳剤が塗布されたステンレス鋼メッシュの試料を切り出し、両端をクランプして引っ張り、延伸前の状態と延伸後(延伸率3%時)のメッシュに塗布された乳剤の浮き(メッシュからの部分剥離)の状態(ボイド数)をCCDカメラ1000倍にて同一視野範囲で観察した。

引っ張り試験条件
試験機:インストロン社 5865型
つかみ長さ:60mmストリップ幅:10mm
延伸率の測定:ビデオカメラ伸び計により標点間の伸び率を測定
結果を写した写真を図21に示す。
乳剤が浮いたと推測される痕跡の数を、表1に示す。

比較例4は、実施例12に比べ作成時当初から気泡(ボイド)の数が多く確認でき、実施例12の表面は、水溶性の乳剤への濡れ性が高いことが推定できる。
延伸率3%まで引き伸ばした時点での気泡(ボイド)の増加数は、実施例12の方が圧倒的に少なく、乳剤の固着強度が上昇しているとも推定できる。
印刷用孔版の乳剤中に空孔が発生している部位は、実質乳剤が薄くなり、印刷使用上、該部分からの乳剤の破損を惹起し易い。
よって、乳剤中の空孔を無くし、さらに乳剤が強固にスクリーンメッシュに固着することで、印刷用孔版の耐久性を向上させることができる。

10:一実施形態に係るスクリーン版
12:枠体
14、14a、14b:乳剤
16:メッシュ
18:印刷パターン開口部
20、20’、20”:フッ素含有シランカップリング剤の薄膜
22:内壁
24:上面
26:下面
30、40:他の実施形態に係るスクリーン版
50:一実施形態に係るメタルマスク
51:マスク単板
52:上面
53:下面
54:印刷パターン開口部
55、55’、55”:フッ素含有シランカップリング剤の薄膜
56:内壁
60、70:他の実施形態に係るメタルマスク

Claims (25)

  1. 枠体に固定されたメッシュと、
    前記メッシュに充填され、貫通孔が形成された乳剤層と、
    前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に形成され、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層と、
    前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部に設けられたフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層と、
    を備えるスクリーン版。
  2. 前記非晶質炭素膜が、窒素もしくは酸素、又は、窒素と酸素との混合物を用いてプラズマ処理される請求項1に記載のスクリーン版。
  3. 前記非晶質炭素膜が、前記メッシュの表面にさらに形成される請求項1に記載のスクリーン版。
  4. 前記非晶質炭素膜が、前記乳剤層の表面にさらに形成される請求項1に記載のスクリーン版。
  5. 前記乳剤層が被印刷物と対向して配置される下面を有し、前記シランカップリング剤薄膜層が、前記貫通孔の内壁面のうち、前記乳剤層の下面側の部分に設けられた請求項1に記載のスクリーン版。
  6. 前記シランカップリング剤薄膜層が、前記貫通孔の内壁面全体に設けられた請求項1に記載のスクリーン版。
  7. 前記シランカップリング剤薄膜層が、前記下面の前記貫通孔の近傍に設けられた請求項5に記載のスクリーン版。
  8. 枠体に直接に又はメッシュを介して間接に取り付けられた貫通孔を有するマスク基板と、
    前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に形成され、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層と、
    前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部に設けられたフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層と、
    を備えるスクリーン印刷用マスク。
  9. 前記非晶質炭素膜が、窒素もしくは酸素、又は、窒素と酸素との混合物を用いてプラズマ処理される請求項8に記載のスクリーン印刷用マスク。
  10. 前記非晶質炭素膜が、前記金属板の表面にさらに形成される請求項8に記載のスクリーン印刷用マスク。
  11. 前記マスク基板が被印刷物と対向して配置される下面を有し、前記シランカップリング剤薄膜層が、前記貫通孔の内壁面のうち、前記マスク基板の下面側の部分に設けられる請求項8に記載のスクリーン印刷用マスク。
  12. 前記シランカップリング剤薄膜層が、前記貫通孔の内壁面全体に設けられた請求項9に記載のスクリーン印刷用マスク。
  13. 前記シランカップリング剤薄膜層が、前記下面の前記貫通孔の近傍に設けられた請求項11に記載のスクリーン印刷用マスク。
  14. 前記マスク基板が金属製又は樹脂製の板材から成る請求項8に記載のスクリーン印刷用マスク。
  15. 枠体に固定されたメッシュと、
    前記メッシュの一方の面に取り付けられた貫通孔を有するマスク基板と、
    前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に形成され、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層と、
    前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部に設けられたフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層と、
    を備えるスクリーン印刷用マスク。
  16. 前記非晶質炭素膜が、窒素もしくは酸素、又は、窒素と酸素との混合物を用いてプラズマ処理される請求項15に記載のスクリーン印刷用マスク。
  17. 前記非晶質炭素膜が、前記メッシュの表面にさらに形成される請求項15に記載のスクリーン印刷用マスク。
  18. 前記非晶質炭素膜が、前記マスク基板の表面にさらに形成される請求項15に記載のスクリーン印刷用マスク。
  19. 前記マスク基板が被印刷物と対向して配置される下面を有し、前記シランカップリング剤薄膜層が、前記貫通孔の内壁面のうち、前記マスク基板の下面側の部分に設けられる請求項15に記載のスクリーン印刷用マスク。
  20. 前記シランカップリング剤薄膜層が、前記貫通孔の内壁面全体に設けられた請求項15に記載のスクリーン印刷用マスク。
  21. 前記シランカップリング剤薄膜層が、前記下面の前記貫通孔の近傍に設けられた請求項19に記載のスクリーン印刷用マスク。
  22. 前記マスク基板が、ニッケル箔、ニッケル合金箔、ステンレス箔から成る群から選択された金属箔から成る請求項15に記載のスクリーン印刷用マスク。
  23. 枠体にメッシュを固定する工程と、
    前記メッシュに乳剤を充填して乳剤層を形成する工程と、
    前記乳剤層の印刷パターンに対応する位置に貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層を形成する工程と、
    前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部にフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層を形成する工程と、
    を備えるスクリーン版の製造方法。
  24. 枠体に直接に又はメッシュを介して間接にマスク基板を固定する工程と、
    前記金属板の印刷パターンに対応する位置に貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層を形成する工程と、
    前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部にフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層を形成する工程と、
    を備えるスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  25. 枠体にメッシュを固定する工程と、
    前記メッシュの一方の面に貫通孔を有するマスク基板を取り付ける工程と、
    前記貫通孔の内壁面の少なくとも一部に、ケイ素、酸素、又は窒素のうち少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜層を形成する工程と、
    前記非晶質炭素膜層上の少なくとも一部にフッ素を含有するシランカップリング剤薄膜層を形成する工程と、
    を備えるスクリーン印刷用マスクの製造方法。
JP2011119476A 2010-05-28 2011-05-27 非晶質炭素膜を有するスクリーン印刷用孔版及びその製造方法 Active JP5406884B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010123558 2010-05-28
JP2010123558 2010-05-28
JP2011119476A JP5406884B2 (ja) 2010-05-28 2011-05-27 非晶質炭素膜を有するスクリーン印刷用孔版及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011119476A JP5406884B2 (ja) 2010-05-28 2011-05-27 非晶質炭素膜を有するスクリーン印刷用孔版及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012006390A JP2012006390A (ja) 2012-01-12
JP5406884B2 true JP5406884B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=45003711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011119476A Active JP5406884B2 (ja) 2010-05-28 2011-05-27 非晶質炭素膜を有するスクリーン印刷用孔版及びその製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9186879B2 (ja)
EP (1) EP2578413B8 (ja)
JP (1) JP5406884B2 (ja)
KR (1) KR101479488B1 (ja)
CN (1) CN102947103B (ja)
TW (1) TWI500518B (ja)
WO (1) WO2011148718A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101468666B1 (ko) * 2011-06-06 2014-12-04 다이요 가가쿠 고교 가부시키가이샤 비정질 탄소막층에의 발수 발유층을 고정시키는 방법 및 해당 방법에 의해 형성된 적층체
JP2013161871A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Hitachi High-Technologies Corp 印刷装置及びそれを用いた太陽電池セルの製造方法
CN102615932B (zh) * 2012-04-06 2013-12-11 深圳光韵达光电科技股份有限公司 一种金属印刷模板及其制造方法以及其使用的涂层溶液
CN103668066A (zh) * 2012-09-11 2014-03-26 太阳化学工业株式会社 能够收容工件的网结构体
JP5578215B2 (ja) * 2012-09-14 2014-08-27 富士電機株式会社 磁気記録媒体の製造方法
WO2014065207A1 (ja) * 2012-10-26 2014-05-01 太陽化学工業株式会社 メッシュ構造体及びその製造方法
JP6204657B2 (ja) * 2012-12-03 2017-09-27 太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社 撥水性の非晶質炭素膜を有するフィルター
US20160121636A1 (en) * 2013-05-20 2016-05-05 Taiyo Yuden Chemical Technology Co., Ltd. Structure and stencil printing plate which have been subjected to wettability-improving surface modification, and processes for producing both
JPWO2014203668A1 (ja) 2013-06-20 2017-02-23 住友ゴム工業株式会社 表面改質方法及び表面改質体
JP6309748B2 (ja) * 2013-12-02 2018-04-11 太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社 非晶質炭素膜を備える電気接続部材搭載用マスク及びその製造方法並びに該電気接続部材搭載用マスクを使用した電気接続部材搭載方法
CN107000382B (zh) * 2014-07-22 2020-04-28 因特瓦克公司 具有改进的耐刮擦/耐磨性和疏油性质的用于玻璃的涂层
JP6418011B2 (ja) * 2015-03-04 2018-11-07 富士通株式会社 金属表面処理液、配線構造、及び配線構造の製造方法
JP6613692B2 (ja) 2015-08-03 2019-12-04 住友ゴム工業株式会社 表面改質方法及び表面改質弾性体
US20180015766A1 (en) * 2015-08-25 2018-01-18 Photo Stencil, Llc High Definition Stencils With Easy to Clean Properties for Screen Printing
US20180201010A1 (en) * 2017-01-18 2018-07-19 Microsoft Technology Licensing, Llc Screen printing liquid metal
KR102176699B1 (ko) * 2018-03-20 2020-11-09 강성배 솔라셀의 패턴인쇄를 위한 스크린 마스크
CN109795215A (zh) * 2019-01-30 2019-05-24 仓和精密制造(苏州)有限公司 具有离型层的印刷网版及其制作方法
CN109968798A (zh) * 2019-05-07 2019-07-05 昆山良品丝印器材有限公司 一种高透墨性太阳能晶体硅电池印刷网版及其制作工艺
CN110126438A (zh) * 2019-06-04 2019-08-16 沃苏特电子科技(苏州)有限公司 一种非平整面印刷网版的制作方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62148267A (en) * 1985-12-24 1987-07-02 Mitsubishi Electric Corp Printer
JPH04336258A (en) * 1991-05-14 1992-11-24 Citizen Watch Co Ltd Coating method of liquid repellent hard film
JPH05220922A (ja) 1992-02-18 1993-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd メタルマスク及びその製造方法
GB9319070D0 (en) * 1993-09-15 1993-11-03 Ncr Int Inc Stencil having improved wear-resistance and quality consistency and method of manufacturing the same
US5622108A (en) * 1996-01-30 1997-04-22 Universal Screenprinting Systems, Inc. Screen printing machine
JPH09265616A (ja) 1996-03-26 1997-10-07 Citizen Watch Co Ltd 磁気ヘッドおよびその製造方法
US5749292A (en) * 1996-09-25 1998-05-12 Chartpak, Inc. Relief decorating of ceramic articles using screen printing processes
JPH11245371A (ja) 1998-02-27 1999-09-14 Sanyo Electric Co Ltd マスク、及びスキージ
JP2002067267A (ja) 2000-08-24 2002-03-05 Citizen Watch Co Ltd スクリーン印刷機およびそれに用いる印刷マスクの製造方法
JP4387765B2 (ja) * 2003-11-12 2009-12-24 三菱マテリアル電子化成株式会社 ダイアモンド様被覆物の表面処理剤
JP2005144973A (ja) 2003-11-19 2005-06-09 Process Lab Micron:Kk 孔版印刷用のマスク
JP2006205716A (ja) 2004-12-28 2006-08-10 Yuken Industry Co Ltd メタルマスク
JP2006347062A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Fluoro Technology:Kk スクリーン印刷版の版膜面処理剤
JP2007057722A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Canon Inc 粒子移動型表示装置、及びその製造方法
CN101125477B (zh) * 2006-08-17 2011-06-29 比亚迪精密制造有限公司 丝印网板的制作方法
JP5187924B2 (ja) 2007-08-21 2013-04-24 株式会社フロロテクノロジー スクリーン印刷版の版面処理剤
JP5432457B2 (ja) * 2008-01-28 2014-03-05 パナソニック株式会社 ダイヤモンド状炭素被膜の製造方法
JP5467452B2 (ja) 2009-03-04 2014-04-09 学校法人東京電機大学 非晶質状炭素膜の表面改質方法
JP2010247534A (ja) 2009-03-27 2010-11-04 Toppan Printing Co Ltd 印刷方法及び印刷物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2578413B8 (en) 2019-03-20
EP2578413A4 (en) 2015-05-20
EP2578413A1 (en) 2013-04-10
TWI500518B (zh) 2015-09-21
JP2012006390A (ja) 2012-01-12
EP2578413B1 (en) 2019-01-16
KR20130009855A (ko) 2013-01-23
WO2011148718A1 (ja) 2011-12-01
KR101479488B1 (ko) 2015-01-06
TW201204563A (en) 2012-02-01
US20130220152A1 (en) 2013-08-29
US9186879B2 (en) 2015-11-17
CN102947103A (zh) 2013-02-27
CN102947103B (zh) 2015-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7105221B2 (en) Circuit board, laminated member for circuit board, and method for making laminated member for circuit board
EP0003801B1 (en) Use of photosensitive stratum to create through-hole connections in circuit boards
US6969166B2 (en) Method for modifying the surface of a substrate
CN1282037C (zh) 印刷电路板的制造法及用于其中的感光性树脂组合物
US6866739B2 (en) Film with metal foil
JP4737348B2 (ja) 透明導電層パターンの形成方法
JP2013026392A (ja) 電子部品及び電子部品の製造方法
JP2005347461A (ja) 半導体装置およびその製造方法
WO2009113486A1 (ja) プローブカード
KR100377992B1 (ko) 이방 전도성 수지 필름
CN103796433B (zh) 线路板混合表面工艺的制作方法
EP2150095A1 (en) Printed circuit board with conductive ink/paste, having plating layers, and method for manufacturing the same
US20110259218A1 (en) Screen printing screen
KR20060084664A (ko) 리지드-플렉시블 인쇄회로기판 제조방법
JP5790392B2 (ja) 電子デバイスの製造方法
GB2367532A (en) Layered piezoelectric unit with first and second members wherein recesses or protrusions are formed on the surface of the first member jointed to the second
US4529477A (en) Process for the manufacture of printed circuit boards
WO2007018028A1 (ja) 薄板ガラス積層体及び薄板ガラス積層体を用いた表示装置の製造方法
JP5431598B2 (ja) メタライズド基板、金属ペースト組成物、および、メタライズド基板の製造方法
JPWO2010071145A1 (ja) 積層体およびその製造方法、積層体回路板
KR101191003B1 (ko) 도전성 패턴 및 이의 제조방법
JP2014027317A (ja) プリント基板の製造方法
JP2004344962A (ja) 熱プレス用シート
EP1542518A1 (en) Board for printed wiring, printed wiring board, and method for manufacturing them
CN1675973A (zh) 电磁波屏蔽用薄片

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131022

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5406884

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250