JP5406771B2 - コンバイン - Google Patents
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すなわち、コンバインは走行機体の前部に機体前後向きの筒状フレームとしての刈取主フレームにより昇降自在に刈取部が支持される構成となっており、そして、植立茎稈を引起す引起し装置が刈取主フレームに連結された縦向き伝動ケースに支持される状態で刈取部に備えられ、刈取主フレームの内部に設けられた前後向き伝動軸としての主伝動軸及び縦向き伝動ケース内部に設けられた縦向きの伝動軸を介して走行機体側からの動力が伝達されるよう構成され、縦向きの伝動軸(入力軸に相当)と引起し装置の駆動輪体が備えられた駆動軸(出力軸に相当)とが、それらの各軸に一体回転自在に取り付けられた一対のベベルギアにて連動連結されるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
走行機体の前部に機体前後向きの筒状フレームにより昇降自在に刈取部が支持され、
植立茎稈を引起す引起し装置が、前記筒状フレームに連結された縦向き伝動ケースに支持される状態で前記刈取部に備えられ、前記筒状フレームの内部に設けられた前後向き伝動軸及び前記縦向き伝動ケース内部に設けられた縦向きの前記入力軸を介して走行機体側からの動力が伝達されるよう構成され、
前記引起し装置の機体後部側に前記ギア式伝動装置が備えられ、このギア式伝動装置が走行機体側から伝達される動力を前記入力軸から前記引起し装置における駆動輪体と一体回動する前記出力軸に伝達するよう構成され、
前記ギア式伝動装置は、前記入力軸と一体回転する入力側のベベルギア、前記第2軸芯と平行な軸芯周りで回転自在な中継伝動軸、前記入力側のベベルギアと噛み合い且つ前記中継伝動軸と一体回転する出力側のベベルギア、前記中継伝動軸と一体回転する第1平ギア、及び、前記第1平ギアと噛み合い且つ前記出力軸と一体回転する第2平ギアの夫々を、伝動ケース内に備えて構成され、
前記伝動ケースが、前記入力側のベベルギア及び前記出力側のベベルギアが収納されるベベルギアケース部と、前記第1平ギア及び前記第2平ギアが収納される平ギアケース部とを別体で備えて構成され、且つ、前記中継伝動軸を前記ベベルギアケース部と前記平ギアケース部とにわたって内装する状態で前記ベベルギアケース部と前記平ギアケース部とを接続して構成され、
前記ベベルギアケース部と前記平ギアケース部とは、前記中継伝動軸の外周部に対応する箇所が嵌り込み接続された状態で連結され、
前記中継伝動軸のうち前記入力側のベベルギアよりも前記引起し装置とは反対側箇所に前記出力側のベベルギアが備えられ、
前記中継伝動軸は、一端部が前記ベベルギアケース部にて回動自在に保持され、他端部が前記平ギアケース部にて回動自在に保持されている点にある。
又、第1特徴構成によれば、走行機体の前部に機体前後向きの筒状フレームにより昇降自在に刈取部が支持され、植立茎稈を引起す引起し装置が、筒状フレームに連結された縦向き伝動ケースに支持される状態で刈取部に備えられる。そして、引起し装置の機体後部側に備えられたギア式伝動装置により、走行機体側からの動力が、筒状フレームの内部に設けられた前後向き伝動軸及び縦向き伝動ケース内部に設けられた縦向きの入力軸を介して、引起し装置における駆動輪体と一体回動する出力軸に伝達されることになる。
そして、このような構成のコンバインでは、引起し装置において駆動輪体の位置が上下に変化するような形態で使用される場合に、出力軸が第2軸芯と直交する方向に平行移動した位置に変更される場合があるが、ギア式伝動装置は、上述したように、第1平ギア及び第2平ギア夫々のギア径を変更させることにより、それらの両ギアにて連動連結される中継伝動軸と出力軸との間の軸間距離を任意の距離に変更させることができ、出力軸に対する中継伝動軸の設置位置を任意の位置に設定することができ、入力軸と出力軸との間の傾斜角度を変化させなくても、出力軸を第2軸芯と直交する方向に平行移動するように位置を変更させることが可能となるのであるから、入力軸と出力軸との間の傾斜角度を変化させるために、大型の部材である支持用の枠体の構造改良を行う等の大掛かりな構造改良は必要でない。
従って、第1特徴構成によれば、上記ギア式伝動装置を用いて動力伝達を行うコンバインにおいて、ギア式伝動装置における出力軸が第2軸芯と直交する方向に平行移動する等、入力軸と出力軸との相対位置が変化する使用形態で使用される場合であっても、良好な伝動状態を得ることができるものでありながら、入力軸と出力軸との間の傾斜角度を変化させるための大掛かりな構造改良を必要としないコンバインを提供できるに至った。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記中継伝動軸は、前記一端部における前記出力側のベベルギアよりも軸端部側が前記ベベルギアケース部にて回動自在に保持され、前記他端部における前記第1平ギアよりも軸端部側が前記平ギアケース部にて回動自在に保持されている点にある。
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記平ギアケース部が、前記引起し装置の機体後部側箇所に連結されている点にある。
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、前記平ギアケース部が、前記引起し装置の機体後部側箇所に形成された両側の縦壁の間に嵌り込む状態で連結されている点にある。
図1にコンバインの全体側面が示され、図2にコンバインの正面が示されている。このコンバインは、稲、麦などの収穫作業を行なうものであり、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体の前部に、横軸芯P周りで昇降自在に支持される状態で刈取部2が備えられ、走行機体における機体フレーム5の上部に走行機体横方向に並べる状態で脱穀装置3と穀粒タンク4とが備えられている。走行機体は、前端側の右端部に運転座席6が装備された搭乗運転部7が備えられ、この搭乗運転部7の下方に図示しないエンジンが装備された原動部を備え、エンジンが出力する駆動力によって左右一対のクローラ走行装置1を駆動して自走するように構成されている。
横フレーム11及び三本の縦フレーム12,13,14は夫々筒状に形成され、その内部に後述するように伝動軸を内装する伝動ケースとして機能するように構成されている。
図4に示すように、筒状の刈取メインフレーム8の内部に沿って走行機体前方並びに斜め下方に向けて延出する主伝動軸28が設けられ、主伝動軸28の前端部には左右向きの横向き伝動軸29がベベルギヤ機構30を介して連動連結され、横向き伝動軸29の左右両端部と左右中央部の夫々において、横向き伝動軸29と三つの引起し装置23〜25夫々に対応して設けられた三本の縦向き伝動軸31〜33とが夫々ベベルギヤ機構34a及び中継軸34bを介して連動連結されている。そして、前記主伝動軸28に対しては、走行機体に備えられた図示しないエンジンの動力が伝達されるように構成されている。又、中継軸34bと穀稈搬送装置27のうちの掻き込み搬送装置27Aとが連動連結されて、掻き込み搬送装置27Aにエンジンからの動力が伝えられるようになっている。
図4に示すように、横向き伝動軸29は横フレーム11の内部に設けられ、三本の縦向き伝動軸31〜33は三つの縦フレーム12〜14夫々の内部に設けられる。
図2及び図5に示すように、三つの引起し装置23〜25は、夫々、上部に配備された駆動スプロケット35、下部に配備された従動スプロケット36と、それらに亘って巻き掛けられた回動チェーン37と、回動チェーン37に引き起こし姿勢と格納姿勢とに姿勢変更可能な状態で一定間隔ごとに取り付けられた複数の引起爪38、戻り経路側の上部に配備されたテンションスプロケット39、そのテンションスプロケット39を緊張作用すべく移動付勢する付勢機構40等を備えて構成されている。
図5、図6及び図8に示すように、右側引起し装置23は、板金材からなる前部側ケース部41Aと後部側ケース部41Bとを重ねた2つ割り構造である引起しケース41の内部に、駆動スプロケット35、従動スプロケット36、補助従動スプロケット36a、回動チェーン37、引起爪38、付勢機構40等を備えている。
引起しケース41は、前部側ケース部41Aと後部側ケース部41Bとを回動チェーン37の回動軌跡の内側に位置する箇所を当て付けてボルト連結して構成されており、前部側ケース部41Aと後部側ケース部41Bとの間に形成された通過用隙間を通して引起爪38が通過することができるよう構成されている。
このように構成することで、搭乗運転部7側の分草具19とそれと隣接する分草具20の間に二条の植立茎稈を導入する場合であっても、それら二条分の植立茎稈に対して確実に引起し作用を発揮して引起し残しが少なくなる。
このように、引起爪38が摺動しながら起立案内される箇所において二重板構造として耐久性を向上させてあり、長期にわたり使用を継続することができる。
図9〜図11に示すように、板状の鋼材を略コの字形に折り曲げ加工して形成したガイド部材52が引起しケース41の内部に位置して固定する状態で取り付けられ、このガイド部材52に支持部材53が上下方向にスライド自在に支持されており、支持部材53の上部の支持軸58にテンションスプロケット39が回転自在に支持されている。この支持部材53は、下部側が上部側よりも幅狭となる帯板状に形成してあり、ガイド部材52の上側案内部52aと下側案内部52bの夫々に形成された挿通孔54a,54bを挿通させ、且つ、下部側にコイルバネ55が外嵌装着される状態でガイド部材52に支持され、コイルバネ55が下部側と上部側との間の段差部56とガイド部材52の下側案内部52bとの間で押圧作用して支持部材53を上方に移動付勢するように構成されている。
又、上記したような付勢機構40を備えて、走行時の機体の振動などにより回動チェーン37がバタつくことがあっても回動チェーン37とテンションスプロケット39との噛合いが外れることが無いようにしてある。
中央引起し装置24は、三つの縦フレーム12〜14のうちの中央に位置する中央縦フレーム13(縦向き伝動ケースの一例)及び右から3番目の分草具支持フレーム17の夫々に取り外し可能に支持される構成となっている。
図12及び図13に示すように、中央引起し装置24の上部側の機体後部側箇所に、駆動スプロケット35が一体的に備えられた出力軸66を回動自在に支持するとともに、出力軸66と縦向き伝動軸32とを連動連結する一対のベベルギア67、68を内装した引起し伝動ケース60が設けられている。この引起し伝動ケース60は、出力軸66側の被連結部69が、引起しケース41に固定された断面コの字形のブラケット70に嵌め込まれて、その引起しケース側のブラケット70の両側の縦壁71にわたり挿通する上下一対のボルト72にて締め付け固定される状態で、引起し伝動ケース60と引起しケース41とが連結されている。
又、縦向き伝動軸32の軸端部32aは、先端側ほど先細のテーパ状に形成されており、入力側のベベルギア67を嵌合させるときに、縦向き伝動軸32の先端部に引っかかることがなく円滑に嵌合させることができるように構成されている。
尚、引起し装置支持フレーム74は分草具支持フレーム17と同様に丸パイプ材にて形成されているが、挿通孔75が形成される連結部77は丸パイプ材を扁平状に押し潰した略板状に形成されている。
右側引起し装置23の機体後部側にギア式伝動装置Gを備えており、ギア式伝動装置Gが走行機体側から伝達される動力を右側縦向き伝動軸31から右側引起し装置23における駆動輪体としての駆動スプロケット35と一体回動する出力軸81に伝達するよう構成されている。
又、ベベルギアケース部87A及び平ギアケース部87Bの夫々が、一対の分割ケース単位体同士を接続する2つ割り構造のケース体にて構成されている。
(1)上記実施形態では、ベベルギアケース部87A及び平ギアケース部87Bの夫々が一対の分割ケース単位体(87A1,87A2及び87B1,87B2)同士を接続する2つ割り構造のケース体にて構成されるものを例示したが、前記ベベルギアケース部87A及び前記平ギアケース部87Bの夫々が分割されることなく一体的に形成されるケース体にて構成するものでもよい。
8 筒状フレーム
14 縦向き伝動ケース
23 引起し装置
28 前部向き伝動軸
31 入力軸
35 駆動輪体
36 従動輪体
37 回動チェーン
38 引起爪
81 出力軸
82 入力側のベベルギア
83 中継伝動軸
84 出力側のベベルギア
85 第1平ギア
86 第2平ギア
87 伝動ケース
87A ベベルギアケース部
87B 平ギアケース部
87A1,87A2,87B1,87B2 分割ケース単位体
G ギア式伝動装置
X1 第1軸芯
X2 第2軸芯
Claims (7)
- 第1軸芯周りで回転自在な入力軸と前記第1軸芯に対して斜めに交差する第2軸芯周りで回転自在な出力軸とを連動連結するギア式伝動装置を備えたコンバインであって、
走行機体の前部に機体前後向きの筒状フレームにより昇降自在に刈取部が支持され、
植立茎稈を引起す引起し装置が、前記筒状フレームに連結された縦向き伝動ケースに支持される状態で前記刈取部に備えられ、前記筒状フレームの内部に設けられた前後向き伝動軸及び前記縦向き伝動ケース内部に設けられた縦向きの前記入力軸を介して走行機体側からの動力が伝達されるよう構成され、
前記引起し装置の機体後部側に前記ギア式伝動装置が備えられ、このギア式伝動装置が走行機体側から伝達される動力を前記入力軸から前記引起し装置における駆動輪体と一体回動する前記出力軸に伝達するよう構成され、
前記ギア式伝動装置は、前記入力軸と一体回転する入力側のベベルギア、前記第2軸芯と平行な軸芯周りで回転自在な中継伝動軸、前記入力側のベベルギアと噛み合い且つ前記中継伝動軸と一体回転する出力側のベベルギア、前記中継伝動軸と一体回転する第1平ギア、及び、前記第1平ギアと噛み合い且つ前記出力軸と一体回転する第2平ギアの夫々を、伝動ケース内に備えて構成され、
前記伝動ケースが、前記入力側のベベルギア及び前記出力側のベベルギアが収納されるベベルギアケース部と、前記第1平ギア及び前記第2平ギアが収納される平ギアケース部とを別体で備えて構成され、且つ、前記中継伝動軸を前記ベベルギアケース部と前記平ギアケース部とにわたって内装する状態で前記ベベルギアケース部と前記平ギアケース部とを接続して構成され、
前記ベベルギアケース部と前記平ギアケース部とは、前記中継伝動軸の外周部に対応する箇所が嵌り込み接続された状態で連結され、
前記中継伝動軸のうち前記入力側のベベルギアよりも前記引起し装置とは反対側箇所に前記出力側のベベルギアが備えられ、
前記中継伝動軸は、一端部が前記ベベルギアケース部にて回動自在に保持され、他端部が前記平ギアケース部にて回動自在に保持されているコンバイン。 - 前記中継伝動軸は、前記一端部における前記出力側のベベルギアよりも軸端部側が前記ベベルギアケース部にて回動自在に保持され、前記他端部における前記第1平ギアよりも軸端部側が前記平ギアケース部にて回動自在に保持されている請求項1記載のコンバイン。
- 前記平ギアケース部が、前記引起し装置の機体後部側箇所に連結されている請求項1又は2記載のコンバイン。
- 前記平ギアケース部が、前記引起し装置の機体後部側箇所に形成された両側の縦壁の間に嵌り込む状態で連結されている請求項3記載のコンバイン。
- 前記ベベルギアケース部及び前記平ギアケース部の夫々が、一対の分割ケース単位体同士を接続する2つ割り構造のケース体にて構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンバイン。
- 前記引起し装置が、上部に位置する前記駆動輪体と下部に位置する従動輪体とに亘って巻き掛けられた回動チェーンに一定間隔ごとに複数の引起爪が取り付けられ、この引起爪の係止引き上げ作用によって植立茎稈の引き起しを行うように構成され、
機体横幅方向に並ぶ状態で複数備えられる前記引起し装置のうちの機体横幅方向一端側に位置する端部側の引起し装置の下端部における前記引起爪の横回し移動幅が、他の引起し装置の下端部における前記引起爪の横回し移動幅よりも広く設定され、
前記端部側の引起し装置の機体後部側に前記ギア式伝動装置が備えられている請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。 - 前記端部側の引起し装置とそれに隣接する前記他の引起し装置とが、前記引起爪を対向させた状態で植立茎稈の引き起しを行うように構成されている請求項6記載のコンバイン。
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