JP5403291B2 - ガラス長繊維製造用ブッシング及びその製造方法、並びにガラス長繊維製造装置及びこれを用いたガラス長繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス長繊維を成形する際に使用されるブッシングと、そのブッシングの製造方法と、そのブッシングを主たる構成要素とするガラス長繊維製造装置と、その装置を用いたガラス長繊維の製造方法とに係り、特にガラス長繊維製造用ブッシングにおける外表面性状の改良に関する。
一般に、ガラス繊維は、大別すると、ガラス短繊維とガラス長繊維とに明確に区分されるものであって、この両者のうちガラス短繊維を確実に除外したガラス長繊維について成形あるいは紡糸を行うには、ブッシングと称される耐熱性を有する成形用ノズル付き容器が使用される。このブッシングは、熔融ガラスを繊維状に成形するために使用されるものであり、ブッシング周壁部の底部にブッシングプレートを固定してブッシング本体(容器本体)を形成し、このブッシング本体の内部を熔融ガラス供給空間とすると共に、ブッシングプレートの底面側に熔融ガラス供給空間からの熔融ガラスを流出させる多数本のノズルを付設したものである。そして、この多数本のノズルから熔融ガラスを連続的に流出させることにより、多数本のガラスフィラメント(ガラス長繊維)をそれぞれ成形し、このガラスフィラメントの表面に集束剤等の被覆剤を塗布した後、ストランドとしてワインダーで巻き取ることによりガラス長繊維からなる繊維製品を製造している。
上記の工程によって高品位の各種のガラス長繊維を連続して円滑に製造するためには、製造されるガラス長繊維に要求される性能、形状あるいは寸法等に見合ったブッシングが必要となる。このため、今日に至るまでの間において、ブッシングやそれに配設されるノズルについては多数の発明がなされてきた。例えば特許文献1や特許文献2には、扁平比が2以上あるいは4以上の変形断面形状を有するガラス長繊維を製造するための紡糸用ノズルチップが開示されている。また、ブッシングプレートは、高温状態で長時間保持されると軟化及び劣化して自重や熔融ガラスの重量によって垂れ下がり変形を来たすものであるが、特許文献3には、この変形を防止するための保持具が開示されている。さらに、特許文献4には、ノズルの外表面にリング状の凹凸を施すことによって放熱性能を安定化させる発明が開示されている。また、特許文献5や特許文献6には、深さ0.5〜50μmの溝や凹凸をノズル外表面に形成することによって、熔融ガラスのノズル外表面への滲み出しによって発生するガラス長繊維の切断を防止する発明も開示されている。また、特許文献7には、貴金属の揮発を防止するため、ブッシングのチッププレートにセラミックスと貴金属の組成割合を段階的に変えた少なくとも1つの層からなるガラス繊維製造用ブッシングが開示されている。
特開2000−335932号公報 特開2000−344541号公報 特開平02−097433号公報 特開平02−153837号公報 特開平04−083730号公報 特開平04−083731号公報 特開平06−298543号公報
しかしながら、上記列挙した発明だけでは十分とは言えないにも拘わらず、ガラス長繊維は各種用途で広く利用されているのが実情である。近年においては、ガラス長繊維の繊維径を従前よりも高い精度で管理することによって、ガラス長繊維が複合材料として使用されるために成形された場合には、その複合材料の強度が高く、しかも安定した性能を実現できることが判明し、多くの用途で従来よりも高精度の寸法を有するガラス長繊維が求められるようになっている。そこで、このような高精度の寸法を有するガラス長繊維を製造するために、もっとも相応しいブッシングについての研究が行われてきた。ここで問題となるのは、ガラス繊維径に影響を及ぼす各種の原因であるが、ガラス長繊維の径は、単純にノズル開口部の孔径の寸法精度だけで決まるものではなく、高温でのブッシングの経時的な変形やブッシングを構成する材料の蒸発、さらにガラス長繊維を引き出す際の温度や速度あるいは雰囲気等の種々の要因によって影響を受けている。このため、このような要因を一つずつ根気よく調査し改善していく必要がある。本発明者らは、このような諸問題を改善するために研究を重ね、特許文献7にあるようにガラス長繊維の繊維経を高精度なものとなるように調整するためにはノズルの構造や寸法等についての改善に終始することが多いが、抜本的な改善策は他にあるということ、すなわちむしろノズル以外のブッシングプレート部位に注目する方がよいことを見出し、ここにその新たな技術的思想を開示するものである。
本発明は、高温でのブッシングに起因する蒸発物が少なく、ブッシングを強固なものとすることにより高精度の繊維径を有するガラス長繊維を長時間に亘り高温状態で成形あるいは紡糸することを可能にし、優れた品位の複合材料用ガラス長繊維を製造できるようにすることを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシングは、熔融ガラス供給空間を内部に有するブッシング本体が、ブッシング周壁部と、その底部に配設されたブッシングプレートとを備えて形成されると共に、前記ブッシングプレートの底面側に、ガラス長繊維を成形するために前記熔融ガラス供給空間からの熔融ガラスを流出させる多数本のノズルが付設されたガラス長繊維製造用ブッシングであって、前記ノズルの外周面及び端面に被膜を形成せず、且つ、前記ブッシングプレートの外表面におけるノズルとの境界に相当する位置から1mm以上離間した位置までのノズル近傍領域に前記被膜を形成せず、前記ブッシングプレートの外表面における前記ノズル近傍領域以外の領域に前記被膜を形成すると共に、前記被膜が、セラミックス、ガラスセラミックス及びガラスの材料群のうち何れか1以上を用いた被膜であることに特徴づけられる。
このような構成によれば、ガラス長繊維製造用ブッシングのブッシング本体を構成するブッシングプレートの外表面におけるノズル近傍領域以外の領域は、セラミックス、ガラスセラミックス(結晶化ガラスとも呼称する)あるいはガラスの何れかの材料を含む構造材により被膜状の外観となるように塗布されること等によって被覆されているのに対して、ブッシングプレートの底面側に付設されているノズルの外周面及び端面ならびにブッシングプレートの外表面のノズル近傍領域は、そのような被覆がなされていないことになる。
このような構成を採用するに至った経緯を説明すると、本発明者らは、ガラス長繊維製造用ブッシングの外表面からのブッシング材料の蒸発について調査したところ、それは必ずしもノズルのみからの蒸発ではなく、むしろその周囲のブッシングプレートからの蒸発が大きく関与していることを見いだした。また、ノズル自体はこれまでの幾多の改善によりそれなりの対策をとることができたが、それ以外の箇所についてはまったく無対策であることも明瞭になった。そこで、本発明者らは、ノズルについてではなく、ブッシングプレートの外表面について、その表面の特定箇所を、選択された耐熱性材料で被覆することによって、ブッシングプレートの外表面からのブッシングプレート材料の高温環境下における経時的な蒸発現象を防止し、高温状態に長時間晒されるガラス長繊維製造用ブッシングであっても、長時間に亘り安定した状態と性能を維持できるという点に着目した。
上記材料群の内、何れか1以上を用いた被膜が形成されるブッシングプレート外表面の面積については、必ずしもその全面を被覆する必要はなく、ノズルの外周面及び端面ならびにノズル近傍領域を除いて、ブッシングプレートの外部への露出面の面積の内、少なくとも2割以上の要部領域が被覆されていることが好ましい。また、被覆されている部分は連続した面である必要はなく、また1箇所にまとまっている必要もなく、適所のみを被覆しているならば、複数箇所を被覆するようにして、特に蒸発し易い箇所のみを効率的に被覆できるようにすることが好ましい。ここで、上記の「少なくとも2割以上の要部領域」とは、特に高温状態になりやすい外表面、又は、引張力が作用するなどして構造上の強度が弱い外表面、もしくは、最も蒸発が激しいことが判っている外表面の何れかの条件を満足する外表面である。このような外表面は構造のシミュレーションモデルによって求めることもでき、温度計測等の実測によって得るものであってもよい。
ここで、ブッシングプレートの材質やノズルの材質、さらにブッシングプレートに対するノズルの付設構造については、高温状態にある熔融ガラスを連続的に安定して引き出す性能を有するものであれば、特に限定されない。またセラミックス、ガラスセラミックスあるいはガラスの内の1以上よりなる被膜材料を施工する方法についても特に限定されない。
また、ノズルやブッシングプレートの外観形状や寸法についても特に限定しない。例えばノズル形状については円筒形状、多角筒形状、錐台形状の外形あるいはドーム状の外形等の形状とすることができ、その外表面には、セラミックス、ガラスセラミックスあるいはガラスの内の1以上を用いた被膜とは異なる被膜を形成し易いように所定の溝や凹凸、ディンプル、突起などを所定間隔あるいはランダムに設けることもできる。また、その外表面の表面状態をサンドブラスト等の物理的手段や酸、アルカリ等の各種薬品処理等で微細な起伏を有する表面状態とすることもできる。また、ブッシングプレートについても必ずしも平面状である必要はなく、例えば凹凸や溝等を施した状態としてもよく、ブッシングプレート全体を湾曲した形態とすることもできる。
ブッシングプレートの多数本のノズルの配設位置についても、それぞれのノズルが互いにどのような位置に配設された構造となっているものでも支障ない。例えば多数本のノズルの各単位配置として、3つのノズル位置が三角形を成すように配置されたものでも、4つのノズル位置が略矩形状になるように配置されたものでもよく、さらには、この両方を組み合わせたものや、まったく異なる他の配置をとるものであってもよい。
また、以上の構成は、ノズルの外周面及び端面ならびにノズル近傍領域を除くブッシングプレート外表面に上述したように適材を被覆するものであるが、それは他の材質の被膜を形成する箇所としてノズルの外周面及び端面ならびにノズル近傍領域を意図的に除外するものではなく、例えばノズルの外周面及び端面ならびにノズル近傍領域についても、熔融状態で引き出されるガラス繊維への影響を充分に回避することができ、しかもそのような箇所に被膜を形成することがさらに効果的であれば、既述の被膜とは異なる材質の被膜を形成することを妨げるものではない。しかし、そのような被膜を形成した場合に、剥離し易いと判断される場合には、それを避ける方がよい。
一方、本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシングは、セラミックス、ガラスセラミックス及びガラスの材料群のうち何れか1以上を用いた被膜を形成する箇所として、ブッシングプレートの外表面に加えて、ブッシング本体の構成要素であるブッシング周壁部の外表面をも対象としてもよい。この場合にも、ブッシング周壁部の外表面の全領域に上記の被膜を形成してもよく、あるいは適切な一部領域、例えばブッシングプレートに連なる一部領域に上記の被膜を形成してもよい。尚、例えば、冷却パイプやフィン等の施工部、ターミナル、ブッシングプレートの補強部材などの表面にも被膜を形成することができるが、そのような箇所に形成される被膜は、ブッシングプレートの外表面と同じ材質、厚みなどの構造のものであっても、あるいは異なる構造のものであってもよい。
また、被膜の形成手法は、被膜を形成する箇所が特定の限定された箇所のみであるならば、被膜を形成しないようにする箇所については、予め有機材料や他のマスキング材料によりその外表面を覆った状態で被膜形成を施工し、その後マスキングを所定の方法により除去して選択的に被膜が形成された状態とすることもできる。あるいは、必要に応じて先にブッシングプレートの所定の組み立て工程を行い、その途中で所望の部材のみに被膜を形成するものであってもよい。
一方、本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシングは、ブッシングプレートが白金合金あるいは白金よりなるものであれば、高い耐熱性に加えて熔融ガラスとの高温での難反応性についても高い性能が維持できるため、ブッシングプレートの外表面ばかりでなく内表面の経時的な変化も少なくすることができ、内表面の劣化が少ないためガラス長繊維の生産を効率的に行うことができる。
ここで、ブッシングプレートが白金合金あるいは白金よりなるものとは、ブッシングプレートを構成する材料が、白金すなわちプラチナに加えてロジウム、イリジウム、イットリウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、チタン、金、モリブデン、タングステン、マグネシウム、カルシウム、ハフニウムあるいはジルコニウム等を適量含有するものであってもよく、これらの共存成分の含有量についても耐熱性などの所定の性能を実現できれば特に限定されるものではないことを意味する。また、白金合金や白金以外の材料であっても所望の効果を実現するために併用することができるのは言うまでもない。また、本発明に係るブッシングプレートの材料としては、白金合金としているのは必ずしも固溶体状態の合金ばかりではなく、微粒子が白金中に分散しているものや、セラミックス材を添加して固結したサーメット状のものであってもよい。
また、本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシングは、被膜が多層構造であるならば、膨張係数や耐熱性などの諸物性を所望の範囲内に調整することによって外表面とブッシングプレート(またはこれに加えてブッシング周壁部)との界面にそれぞれ適応し易い材料を選択することができ、ブッシングプレートに求められる最適な構成とすることが可能となる。
ここで、被膜が多層構造であるとは、被膜が複数回の成膜施工により2以上の層状態となって構成されていることを意味している。
多層構造の被膜を構成するそれぞれの層の厚み寸法や成分等については、必要に応じて好ましい成分、構造となるように選択することができる(但し、セラミックス、ガラスセラミックスあるいはガラスの内の1以上を用いた被膜に限られる)。また、各層は均一である必要はなく、傾斜構造であっても編み目構造であってもよい。また、層を構成する成分に任意の骨材を意図的に添加することもできる。骨材としては耐熱性、膨張係数あるいは反応性などの点で好ましいものを使用できる。例えばガラスフィラー、セラミックスフィラー、ガラスセラミックスフィラー、貴金属フィラーなどを適量使用できる。またフィラーの形状についても任意のものを選択できる。例えば略ファイバ状、略綿状、略網目状、略組紐状、略バルーン状、略マイクロビーズ状、略破砕物状、略多孔体状、略多面体状、略円柱状、略多角柱状、略板状、略ペレット状、略円錐状、略多角推状あるいは略アルファベット字柱状等を使用することができる。
また、被膜を多層構造とする場合には、それぞれの層に特有の機能を割り振ることによって、より高い性能を実現することも可能である。例えばブッシングプレート表面には白金合金や白金等のブッシングプレート材料との接合に重点を置いた層を配し、この層の上層により緻密な層を配し、ブッシングプレートからの蒸発を抑止するようなものとしてもよく、またブッシングプレート表面そのものに、緻密な構造を有する層を配し、その上層に容易には脱落することのない耐熱性の高い層を採用してもよい。また例えば熱膨張係数が徐々に変わるように特定のフィラーを加えた層を配して割れの発生を抑制し、さらにその上層に耐熱性を有すると同時にブッシングプレート表面からの蒸発を効率的に妨げるような貴金属フィラーを採用することもできる。
また、被膜の耐熱温度は、施工方法や施工材料の種類にも依存するが、少なくとも800℃以上の耐熱性を有していることが必要であり、より好ましくは1000℃、さらに好ましくは1200℃以上の耐熱性を有していることである。このような耐熱性を実現するには、それ以上の温度で焼成することが好ましい。
また、本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシングは、被膜が、プリフォーム被膜、スプレー被膜、ディッピング被膜及び蒸着被膜の何れかであるならば、ブッシングプレート材料に見合った被膜を選択することによって、最適な構成とすることができ、経済的にも安価で、しかも質の高い被膜を施工させたものとすることができる。
ここで、被膜が、プリフォーム被膜、スプレー被膜、ディッピング被膜及び蒸着被膜の何れかであるとは、ノズル外周面とノズル端面とを除いてブッシングプレートの外表面に施される被膜がプリフォームにより予め成形されたものであるか、あるいはスプレー装置を使用して射出されることにより形成されたものであるか、ブッシングプレートの被施工面を予め調整したディッピング用ペースト中に浸漬することにより形成されたものであるか、あるいは物理的な、あるいは化学的な蒸着法を採用することによって形成されたものであるということを意味している。
これらの被膜形成方法については、1つの方法を採用するものであっても、複数の方法を併用するものであってもよい。またこれらの方法を他の被膜形成方法と組み合わせることについても何ら問題はない。
また、本発明に係るガラス長繊維製造装置用ブッシングは、上述に加え被膜の厚みが1mm以下であるならば、長時間に亘り安定した構造の被膜となるので好ましい。
ここで、被膜の厚みが1mm以下であるとは、被膜の厚みを施工時あるいは施工後に計測し、最も厚みの厚い箇所の計測値が1mm以下となっていることを意味している。
被膜の厚み寸法を、1mm以下に制御する理由は、以下の通りである。1つ目の理由は、薄膜の厚みが1mmを超えると、施工面と被膜との乾燥後の剥離が起こりやすい。ブッシングプレートは、上述のように白金合金あるいは白金からなっており、ガラス長繊維製造用ブッシングの製造コストを考慮すると、白金合金あるいは白金の厚みは2mm以下で製造される。ガラス長繊維製造用ブッシングのノズル外周面及び端面ならびにノズル近傍領域を除くブッシングプレート外表面がセラミックス、ガラスセラミックス及びガラスの材料群のうち何れか1以上を用いた被膜により被覆されており、その被膜の乾燥膜は被膜の膜厚が1mm以上になると、変形を起こさない剛直な乾燥膜となる。その結果、施工面である白金合金あるいは白金が施工中に多少変形を生じた際に乾燥膜がその変形に追従できず、剥離が生じる危険性が高い。また2つ目としては、1mm以上の剛直な乾燥膜が焼成する際に、焼成収縮が発生することに起因するものである。緻密度の低い膜では焼成収縮も抑えられるが、白金の揮発を防ぐ膜では緻密度の高い膜が必須となる。膜の緻密度は気孔率を測定することで判断できる。気孔率が10%以上では白金揮発を抑制するには困難であり、望ましくは5%以下が必要である。緻密度を上げると焼成収縮が大きくなり、膜厚が1mm以上では焼成時の膜の亀裂等が発生する危険性が大きくなる。よって、被膜の厚み寸法は層全体の厚みとして1mm以下とすることが好ましく、より好ましくは800μm以下とすることであり、さらに好ましくは600μm以下とすることであり、一層好ましくは400μm以下とすることである。
本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシングによって製造できるガラス繊維としては、公知のどのようなガラス材質のガラス長繊維であっても製造することができる。例えば、Eガラス(無アルカリガラス組成)、ARガラス(耐アルカリ性ガラス組成)、Cガラス(耐酸性のアルカリ石灰含有ガラス組成)、Dガラス(低誘電率を実現する組成)、Sガラス(高強度、高弾性率を実現する組成)、Tガラス(高強度、高弾性率を実現する組成)そしてHガラス(高誘電率を実現する組成)、あるいはMガラス、Lガラスといったガラス材質を採用することができ、さらに他の材質であっても支障ない。
一方、本発明のガラス長繊維製造用ブッシングの製造方法は、ブッシング周壁部とブッシングプレートと多数本のノズルとからなるブッシング本体を組み立てるブッシング本体形成工程と、組み立てられたブッシング本体におけるノズルの外周面及び端面を除外して少なくともブッシングプレートの外表面に被膜を形成するに際して、該外表面におけるノズルとの境界に相当する位置から1mm以上離間した位置までのノズル近傍領域に前記被膜を形成せず、前記ブッシングプレートの外表面における前記ノズル近傍領域以外の領域に前記被膜を形成すると共に、前記被膜として、セラミックス、ガラスセラミックス及びガラスの材料群のうち何れか1以上を用いた被膜を形成するコーティング工程と、形成された前記被膜を緻密な構造となるように加熱する焼成工程とを有し、上記の何れかに記載のガラス長繊維製造用ブッシングを製造するものである。
ブッシング本体形成工程については、既述のガラス長繊維製造用ブッシングの基本的構成となるように、ブッシング周壁部とブッシングプレートと多数本のノズルとを組み立てればよく、組み立て手順については最適な効率で高い品位の構造とすることが可能となるように設定することが好ましい。例えば、先にブッシングプレートに対する全てのノズルの付設を優先的に行うものであってもよく、逆にノズルの付設を最後に行ってもよい。ノズルの付設方法としては公知となっている様々の方法を採用してよい。
また、組み立てられたブッシング本体の少なくともブッシングプレート(すなわち、ブッシングプレートのみ、又はブッシングプレートとブッシング周壁部)の外表面に被膜を形成するコーティング工程についても、前述したように種々の方法を採用することによって、安定した品位のブッシングを構成することができればよい。
形成された被膜を緻密な構造となるように加熱する焼成工程については、ガラス長繊維製造用ブッシングによってガラス繊維が引き出される温度で被膜が十分な耐久性を有する状態とするために、ガラス繊維が引き出される温度にまで被膜を加熱することによって、被膜をブッシング表面に強固に接合した状態とすることができる。
焼成工程で行う加熱手段については、局部的な加熱手段を適用するものでも、ブッシング全体を加熱するような手段を講じるものでもよく、また電気炉や各種燃料系加熱炉内において適正温度に保持するものであってもよく、またガラス長繊維製造用ブッシングをガラス熔融炉に配設した後に、ガラス熔融炉の加熱源により加熱を行うものであってもよい。
焼成工程での加熱温度については、1100℃〜1500℃の範囲で加熱することが好ましい。それは、1100℃より低温でガラス長繊維製造用ブッシングを加熱した場合には、全体的な加熱が不十分な状態となり、あるいは均等に加熱が行えていない部位が生じるといった問題が発生する危険性があるので好ましくない。また逆に1500℃を超える温度で加熱すると、被膜に過負荷となる熱エネルギーが付与される結果、被膜の耐用期間を短くする場合もあるので好ましくない。以上のような観点から、より安定した品位の被膜を得るためには焼成工程での加熱温度は、より好ましくは、1200℃〜1400℃の範囲とすることである。
また、本発明に係るガラス長繊維製造装置は、既述の何れかのガラス長繊維製造用ブッシングを使用して、ガラス長繊維の紡糸を行うように構成したことを特徴とする。
このガラス長繊維製造装置によって製造されるガラスフィラメント(ガラス長繊維)を用いたガラス長繊維製品の形態については、特に限定するものではない。すなわち、ガラス繊維製品の形態としては、ヤーン、ロービング、DWR(ダイレクトワインディングロービング)、チョップドストランド、ミルドファイバ、クロス、マット、テープあるいは組布等が可能である。
なお、このガラス長繊維製造装置では、上述に加えて種々の付帯設備あるいは治具等を適切に併設して使用することができる。例えばガラス繊維の冷却用のパイプやフィンのような冷却装置や治具、ブッシングプレート周囲の酸化還元雰囲気を意図的に調整する装置、冷却用の冷却媒体散布装置、ブッシングプレートの温度調節装置等である。これらの装置や治具は単独でも併用であってもよく、他の装置の使用を妨げるものでもない。
一方、本発明に係るガラス長繊維の製造方法は、上記のガラス長繊維製造装置を使用して、ブッシングプレートの外表面及び紡糸状況を監視しつつ複合材料用ガラス長繊維を製造することを特徴とする。
上記のガラス長繊維製造装置を使用して、ブッシングプレートの外表面及び紡糸状況を監視しつつ複合材料用ガラス長繊維を製造するための具体例を述べると、ガラス長繊維製造装置を高温状態の熔融ガラスを熔解するガラス熔融炉に配設することで、ガラス熔融炉から流出した熔融ガラスをガラス長繊維製造装置内に導き、さらにガラス長繊維製造装置のブッシングプレートに付設したノズルから連続的に引き出してガラス繊維を製造する際に、ブッシングプレート外部にガラス繊維が円滑に引き出されて順調に紡糸されているかどうかをモニターしつつ製造を行うものである。これは、ガラス繊維を観察すると同時にブッシングプレートについても観察することができ、何らかの対応を要すること、例えば外表面に異物の付着や脆弱箇所の発生などがあるならば、それに対して必要となる是正処置で早急に対応できるものである。
ここで、ブッシングプレートの外表面及びガラス長繊維の紡糸状況を監視する方法については、種々の方法を採用することができる。例えば撮像管やCCDもしくはCMOS等の固体撮像素子を搭載した画像撮影装置を介して有線あるいは無線のイントラネット回線によりブッシングプレートの外面及び紡糸状況の動画あるいは断続的な静止画としてデジタルあるいはアナログ画像として記録する装置へと情報を伝達して監視することもでき、また画像ではなく可視光線や他の電磁波の電子記録システムによって注意を要する所定箇所の寸法変動や温度変動を逐次測定してその値をディスプレイ上や記録紙、あるいは記録媒体に蓄積しつつ、目視や監視プログラム等を介して監視することもできる。
また、本発明に係るガラス長繊維の製造方法は、上記の複合材料用ガラス長繊維がFRP、FRTP及びGRC用途の何れかであるならば、各種用途に見合ったガラス長繊維製品を生産当初から長期に亘り高品位なものとすることができ、製造効率を向上させることによって生産原価を低減することが可能となる。
この場合、複合材料用ガラス長繊維がFRP、FRTP及びGRC用途の何れかであるならば、複合材料用のガラス長繊維が、熱硬化性樹脂強化体(エフアールピーともいう)や熱軟化性樹脂硬化体(エフアールティーピーともいう)、あるいは耐アルカリ性ガラス繊維補強セメント製品(ジーアールシーともいう)を構成するガラス長繊維製品として使用され得ることになる。
これらの複合材料用ガラス長繊維を構成する場合に、本発明に係る複合材料用ガラス繊維の混合比率や混合方法、さらに本発明に係る複合材料用ガラス繊維以外の構成成分として何を選択するかについては、機械的な強度、化学的耐久性あるいは耐熱性、耐薬品性あるいは耐候性等の所望の性能を実現することができるものであれば、どのようなものでも添加することが可能である。
また、本発明に係るガラス長繊維の製造方法では、ブッシング直下のガラス繊維の表面に対して各種の表面被覆剤を種々の方法により塗布することができる。例えば集束剤、帯電防止剤、界面活性剤、重合開始剤、重合抑制剤、酸化防止剤、被膜形成剤、カップリング剤あるいは潤滑剤を被覆したものであってもよく、必要に応じて減水剤、流動化剤、増粘剤、防水剤、防錆剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、着色剤あるいは急結剤等を混入させてもよい。
なお、本発明に係るガラス長繊維の製造方法で製造されるガラス繊維は、ストランドを構成するモノフィラメントの繊維径や繊維断面形状について特に限定されることはない。すなわち直径数μmから数十μmまでのモノフィラメントのガラス繊維を使用することができ、さらに断面形状についても真円、略楕円、扁平円、中空円あるいは略矩形などを適宜採用することが可能である。
また、本発明に係るガラス長繊維の製造方法で製造したガラス繊維製品は、具体的に例えば以下の様な各種用途で使用してもよい。それは例えば車載関連用途では、車体屋根材(ルーフ材)、窓枠材、車体フロント、カーボディ、ランプハウス、エアスポイラー、フェンダーグリル、タンクトロリー、ベンチレーター、水タンク、汚物タンク、座席、ノーズコーン、フェンダーグリル、カーテン、フィルター、エアコンダクト、マフラーフィルター、ダッシュパネル、ファンブレード、ラジエータータイヤあるいはタイミングベルトなどがあり、電子機器関連用途では、電子機器ハウジング材、ギアテープリール、各種収納ケース、光部品用パッケージ、電子部品用パッケージ、スイッチボックスあるいは絶縁支持体などがあり、航空機関連用途ではエンジンカバー、エアダクト、シートフレーム、コンテナ、カーテン、内装材、サービストレイ、タイヤ、防振材あるいはタイミングベルトなどがあり、造船、陸運海運関連用途ではモーターボート、ヨット、漁船、ドーム、ブイ、海上コンテナ、フローター、タンク、信号機、道路標識、カーブミラー、コンテナ、パレット、ガードレール、照明灯カバーあるいは火花保護シートなどがあり、建設・土木・建材関連ではバスタブ、バストイレユニット、便槽、浄化槽、水タンク、内装パネル、カプセル、バルブ、ノブ、壁補強材、プレキャストコンクリートボード、平板、波板、テント、シャッター、外装パネル、サッシ、配管パイプ、貯水池、プール、道路、構造物側壁、コンクリート型枠、ターポリン、防水ライニング、養生シートあるいは防虫網などがあり、農業関連用途ではビニールハウス、サイロタンク、スプレーノズル、支柱、ライニングあるいは土壌改良剤などがあり、工業施設関連用途では、バグフィルター、下水道パイプ、浄水関連装置、防振コンクリート補強材(GRC)、貯水槽、ベルト、薬品槽、反応槽、容器、ファン、ダクト、耐蝕ライニング、バルブ、冷蔵庫、トレー、冷凍庫、トラフ、機器部品、電動機カバー、絶縁ワイヤ、変圧器絶縁、ケーブルコード、作業服、カーテン、蒸発パネルあるいは機器ハウジングなどがあり、レジャースポーツ関連用途では、釣竿、スキー、アーチェリー、ゴルフクラブ、プール、カヌー、サーフボード、カメラ筐体、ヘルメット、衝撃保護防具、植木鉢あるいは表示ボードなどがあり、日用品関連用途では、テーブル、椅子、ベッド、ベンチ、マネキン、ゴミ箱あるいは携帯端末保護材などがある。
また、本発明に係るガラス長繊維の製造方法は、紡糸状況の監視が、紡糸画像の撮影、紡糸速度の計測及び繊維直径の計測の何れか1以上によるものであることを特徴とする。
このような構成によれば、ガラス長繊維製造用ブッシングのノズルより連続的に引き出されるガラス繊維の外表面の状態を示す画像の撮影、そのガラス繊維のノズルからの引き出し速度、及び、各々のガラス長繊維の繊維直径の計測の何れかの調査によって、紡糸状況の監視を行うことができる。
紡糸画像の撮影については、複数のガラス繊維束を同時に撮影するものであっても、所定の本数のモノフィラメントをそれぞれ別々の撮影装置により撮影するものであってもよく、撮影については所定の情報が得られるものであれば、その解像度や撮影頻度等については撮影環境や撮影機器に合わせて好ましい条件を選択することができる。
(1)以上のように本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシングは、ブッシングプレートに付設された多数本のノズルより熔融ガラスを流出させてガラス長繊維(ガラスフィラメント)を成形するように構成され、且つ、前記ノズルの外周面及び端面ならびにノズル近傍領域を除いてブッシングプレートの外表面(場合によってはブッシング周壁部の外表面も含む)に、セラミックス、ガラスセラミックス及びガラスの材料群のうち何れか1以上を用いた被膜が形成されてなるものであるため、ガラス長繊維を製造中にブッシングの外表面から発生する蒸発物の発生量が抑えられ、しかもブッシングが強固に補強された構造となっているため、各種用途に使用されるガラス繊維の製造において高い生産性を実現できるものである。
(2)さらに、本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシングは、ブッシングプレートが白金合金あるいは白金よりなるものであれば、耐熱性が高く、長期的に寸法の変形等が発生しにくい構成となっているため、高い寸法安定性を有する高精度のガラス繊維を製造することが可能である。
(3)また、本発明のガラス長繊維製造用ブッシングは、被膜が多層構造であるならば、ブッシングの外表面に求められる種々の性能を被膜の各層構造で受け持たせることができ、それぞれの層に求められる性能が緩和するため安定した層構造を形成し易くなる。
(4)さらに、本発明のガラス長繊維製造用ブッシングは、被膜が、プリフォーム被膜、スプレー被膜、ディッピング被膜及び蒸着被膜の何れかであるならば、ブッシングプレートの構造、寸法やその表面状態に見合った被膜形成方法により最適な被膜を形成することができる。また被膜材の種類によっても塗布方法を選択できる。
(5)また、本発明のガラス長繊維製造装置用ブッシングは、被膜の厚みが1mm以下であるならば、被膜に亀裂が生じたり剥離したりしにくくブッシングプレートと一体化された強固な構造となっているので、長期に亘り使用することができる。
(6)本発明のガラス長繊維製造用ブッシングの製造方法は、ブッシング周壁部とブッシングプレートと多数本のノズルとからなるブッシング本体を組み立てるブッシング本体形成工程と、組み立てられたブッシング本体におけるノズルの外周面及び端面ならびにノズル近傍領域を除外して少なくともブッシングプレートの外表面に被膜を形成するコーティング工程と、形成された被膜を緻密な構造となるように加熱する焼成工程とを有するものであるため、緻密な被膜をガラス長繊維製造用ブッシングの外表面に連続した状態となるように形成することができ、ブッシングの外表面からの蒸発を確実に抑えることのできる構成となるので、寸法安定性の実現や異物生成の抑制等のガラス品位の向上を実現することが可能なガラス長繊維製造用ブッシングを得ることができる。
(7)本発明のガラス長繊維製造用装置は、上述のガラス繊維製造用ブッシングを使用してガラス長繊維の紡糸を行うように構成したものであるため、品位に優れた各種のガラス長繊維製品を得ることができる。
(8)本発明のガラス長繊維の製造方法は、上記のガラス長繊維製造装置を使用して、ブッシングプレートの外面及び紡糸状況を監視しつつ複合材料用ガラス長繊維を製造するものであるため、安定した効率的な生産を維持し続けることができ、異物等に起因してガラス長繊維製品に発生する欠陥などを最低限に抑止することが可能となる。
(9)また、本発明のガラス長繊維の製造方法は、複合材料用ガラス繊維がFRP、FRTP及びGRC用途の何れかであるならば、市場から求められる各種用途のガラス繊維補強製品を優れた品位で滞りなく潤滑に供給することのできるものである。
(10)本発明のガラス長繊維の製造方法は、紡糸状況の監視が、紡糸画像の撮影、紡糸速度の計測及び繊維直径の計測の何れか1以上によるものであるならば、ガラス製造時に発生する様々な問題をミニマムに抑制することが可能となるような対応を行うための情報を得ることが容易であって、適切な対応を早急に施すことで最も安定した品位の状態にあるガラス繊維の品質を長期に亘り維持することができる。
本発明に係るガラス長繊維製造装置が具備するブッシングの実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るガラス長繊維製造装置が具備するブッシングの実施形態を示す底面図である。 本発明に係るガラス長繊維製造装置が具備するブッシングの実施形態を示す要部拡大縦断正面図である。
以下、本発明に係るガラス長繊維製造用ブッシング(以下、単にブッシングという)の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3は、ガラス長繊維製造装置が具備するブッシング1を例示するものであって、図1は、ブッシング1の要部を示す斜視図、図2は、ブッシング1の要部を示す底面図、図3は、ブッシング1のノズル周辺のみを示す拡大縦断正面図である。図1及び図2に示すように、このブッシング1は、FRP用途に使用されるEガラス組成のガラス長繊維を成形(又は紡糸)する際に使用されるものである。そして、このブッシング1のブッシング本体2は、ブッシング周壁部3の底部にブッシングプレート4を固定して構成され、その内部が熔融ガラス供給空間5とされている(図3参照)。詳述すると、ブッシングプレート4は、略矩形状をなす白金ロジウム合金製であり、その底面には2000本の耐熱性を有するノズル6が付設されると共に、ブッシング周壁部3の底端部内周面には、ブッシングプレート4の外周端面がTIG溶接によって接合されている。
そして、ブッシングプレート4の外表面とブッシング周壁部3の外表面とには、そのトータル面積の4割に相当する部分(図1及び図2にクロスハッチングを付した部分)に、二層からなる被膜7が形成されている。この二層よりなる被膜7は、1300℃の耐熱性を有しており、一層目に相当する緻密層は、その構成が無アルカリガラス粉末組成にシリカ微粉、アルミナ粉末を混合したものであって、ブッシングプレート4からの白金やロジウムの蒸発を効率的に遮蔽できるだけの緻密な層構造となっており、その厚み寸法は200μmである。また、被膜7の二層目に相当する耐熱高強度層にはセラミックスファイバーを含有し、無アルカリガラス粉末をも含む複合構成層となっており、その層の厚み寸法は100μmである。この耐熱高強度層は、被膜表面の割れを抑止するように配合されたものである。そして、このブッシングプレートに施された二層よりなる被膜7は、一層目と二層目とを合わせて、300μmの厚みを有している。
二層構造の被膜7を形成する部位については、白金ロジウム合金製のノズル6の端面やその外周面さらにブッシングプレート4の外表面におけるノズル6の近傍領域を避け、具体的にはブッシングプレート4の外表面におけるノズル6との境界に相当する位置から1mm以上の寸法をとった箇所までについては被膜7の形成を避け、それ以外のブッシングプレート4の外表面やブッシング周壁部3の外表面の所定箇所について被膜7が形成されている。このような被膜7の形成態様としたのは、それまでの調査でこれらの箇所からの蒸発物が、ブッシングプレート4の周囲のフィン(図示省略)や冷却パイプ(図示省略)によって冷却されてノズル6の近傍に蓄積することにより、ガラス繊維Fの成形に悪影響を及ぼすことのあることが判明しているためである。また、ノズル6の先端の端面に被膜7を形成すると、製造当初は問題が生じなくとも、長期に亘るガラス長繊維Fの製造においては、何らかの原因で被膜7の一部がガラス長繊維Fに付着し、これに起因してガラス繊維Fに糸切れが発生する虞もあるためである。
そして、被膜7のうち一層目の被膜は、その被膜を施さない箇所を有機フィルム等のマスキングテープによりマスキングして、スプレー塗装により形成し、さらに二層目については一層目の上方からスプレーを使用することにより噴霧して形成するものである。
上記構成からなるブッシング1の製造手順については、まずノズル6を先に付設したブッシングプレート4とブッシング周壁部3との溶接を行って、ブッシング本体2を組み立てるブッシング本体形成工程を経た後に、このブッシング本体2に上述した二層からなる構造となるように被膜7をブッシングプレート4とブッシング周壁部3との外表面のトータル面積の4割に相当する部分に形成するコーティング工程を実行する。次いで、この被膜7が形成された状態にあるブッシング1をガラス長繊維製造装置に組み込んだ後に、ガラス繊維製造装置に付属する加熱装置を使用して、1300℃の高温状態となるまでブッシング1を均等に加熱することによって、被膜7全体の緻密化と接着性の向上を行うための焼成工程を経ることによって、高い安定性を有した被膜構造を得ることができる。
次に、上記構成からなるブッシング10を具備するガラス長繊維製造装置を使用してFRP用途のEガラス組成のガラス長繊維を製造する方法について説明する。
まず、Eガラス組成となるように調合したガラス原料を原料投入機を使用してガラス熔融炉に投入する。こうして投入されたガラス原料は、ガラス熔融槽中で電気や燃料ガス等の加熱源によって1300℃以上に加熱されてガラス化反応を生じ、多数の反応性の気泡等を巻き込んだ不均質な粗熔融状態の熔融ガラスとなる。この粗熔融状態の熔融ガラスを清澄や攪拌等の一連の均質化操作によって均質な状態の熔融ガラスGとなるように調整し、その後この均質な熔融ガラスGはガラス熔融炉のフォアベイを経て、ブッシング1の熔融ガラス供給空間5へと流入していく。
そして、ブッシング1の熔融ガラス供給空間5内へと流入した熔融ガラスGは、熔融ガラス供給空間5内に滞留した後、加熱装置などによって適温に調整されたブッシングプレート4に付設されている2000本の耐熱性を有するノズル6の先端の開口孔より途切れることなく熔融ガラスの細いストリームとなって連続的に引き出されることにより、直径数μmから数十μmのガラスフィラメントFとなる。ここで、ノズル6直下のガラスフィラメントFの紡糸状況(成形状況)やブッシングプレート4の外表面状況については、定期的な専任監視員による目視による監視に加え、その状況の一部をCCDカメラによって撮影し、その撮影画像は工場内LANによって他の監視室でも必要に応じて監視することができるようになっている。このような監視体制により、連続的に引き出されるガラスフィラメント(ガラスモノフィラメント)Fに何らかの問題が生じた場合には、逐次対応を取ることができるようになっている。また必要に応じてCCDカメラからの映像はその画像を記録することも可能であり、さらに高品位の成形を行う際に役立てることができるようになっている。
ノズル6から引き出されたガラスフィラメントFは、ノズル6直下の冷却フィンや冷却パイプにより急激に温度を降下させてEガラス組成を有するガラス繊維となり、シランカップリング剤や澱粉などの各種集束剤をその表面に塗布して数十から数千本を束ねた状態のストランドをなし、これを紙管に巻き取ってケーキ(粗糸巻きとも称される)あるいはチーズと称される形態となる。
この後、ガラス長繊維製造装置により、必要に応じて各種のガラス長繊維製品にガラス長繊維をさらに加工することで対応することができる。例えばガラスロービングとする場合には、乾燥後の複数のケーキから複数本のストランドを解舒して綾を掛けながら引き揃え、ワインダーを有する巻き取り装置を使用して巻き取って回巻体(ロール、あるいは巻回体とも称される)形状となるように製造される。
以上のようにブッシング1を備えてなるガラス長繊維製造装置を使用して各種用途のガラス繊維を製造する場合には、ブッシングプレート4からの蒸発が効率的に抑止され、さらにブッシングプレート4自体についても高い強度を維持することが可能であるため、ガラス繊維製造装置の耐用期間が従来に比較して長期間となり、効率的な生産が実現し、安定した品位の優れた性能を有する複合材料用の各種ガラス長繊維の製造が可能となる。
本発明に係るブッシング及びガラス長繊維製造装置とこれらを使用するガラス長繊維の製造方法は、FRP等の複合材料用途での利用以外にも他の用途で使用されるガラス長繊維の製造にも応用することが可能であって、広範囲の分野での使用が可能である。また本発明に係るガラス繊維製造装置と同様の形態の製造装置を使用して製造を行うものであれば、他のガラス材料であっても本発明を適用することが可能である。
1 ガラス長繊維製造用ブッシング
2 ブッシング本体
3 ブッシング周壁部
4 ブッシングプレート
5 熔融ガラス供給空間
6 ノズル
7 被膜
G 熔融ガラス
F ガラス長繊維(ガラスフィラメント)

Claims (11)

  1. 熔融ガラス供給空間を内部に有するブッシング本体が、ブッシング周壁部と、その底部に配設されたブッシングプレートとを備えて形成されると共に、前記ブッシングプレートの底面側に、ガラス長繊維を成形するために前記熔融ガラス供給空間からの熔融ガラスを流出させる多数本のノズルが付設されたガラス長繊維製造用ブッシングであって、
    前記ノズルの外周面及び端面に被膜を形成せず、且つ、
    前記ブッシングプレートの外表面におけるノズルとの境界に相当する位置から1mm以上離間した位置までのノズル近傍領域に前記被膜を形成せず、前記ブッシングプレートの外表面における前記ノズル近傍領域以外の領域に前記被膜を形成すると共に、
    前記被膜が、セラミックス、ガラスセラミックス及びガラスの材料群のうち何れか1以上を用いた被膜であることを特徴とするガラス長繊維製造用ブッシング。
  2. 前記ブッシング周壁部の外表面に、前記被膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載のガラス長繊維製造用ブッシング。
  3. 前記ブッシングプレートが白金合金あるいは白金よりなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス長繊維製造用ブッシング。
  4. 前記被膜が多層構造であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス長繊維製造用ブッシング。
  5. 前記被膜が、プリフォーム被膜、スプレー被膜、ディッピング被膜及び蒸着被膜の何れかであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス長繊維製造用ブッシング。
  6. 前記被膜の厚みが1mm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラス長繊維製造用ブッシング。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のガラス長繊維製造用ブッシングを製造する製造方法であって、
    前記ブッシング周壁部とブッシングプレートと多数本のノズルとからなるブッシング本体を組み立てるブッシング本体形成工程と、
    組み立てられたブッシング本体におけるノズルの外周面及び端面を除外して少なくともブッシングプレートの外表面に被膜を形成するに際して、該外表面におけるノズルとの境界に相当する位置から1mm以上離間した位置までのノズル近傍領域に前記被膜を形成せず、前記ブッシングプレートの外表面における前記ノズル近傍領域以外の領域に前記被膜を形成すると共に、前記被膜として、セラミックス、ガラスセラミックス及びガラスの材料群のうち何れか1以上を用いた被膜を形成するコーティング工程と、
    形成された前記被膜を緻密な構造となるように加熱する焼成工程と
    を有することを特徴とするガラス長繊維製造用ブッシングの製造方法。
  8. 請求項1〜6の何れかに記載のガラス長繊維製造用ブッシングを使用して、ガラス長繊維の紡糸を行うように構成したことを特徴とするガラス長繊維製造装置。
  9. 請求項8に記載のガラス長繊維製造装置を使用して、ブッシングプレートの外表面及びガラス長繊維の紡糸状況を監視しつつ複合材料用ガラス長繊維を製造することを特徴とするガラス長繊維の製造方法。
  10. 前記複合材料用ガラス長繊維が、FRP、FRTP及びGRC用途の何れかであることを特徴とする請求項9に記載のガラス長繊維の製造方法。
  11. 前記紡糸状況の監視が、紡糸画像の撮影、紡糸速度の計測及び繊維直径の計測の何れか1以上によるものであることを特徴とする請求項9又は10に記載のガラス長繊維の製造方法。
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