JP5399127B2 - パック電池 - Google Patents
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Description
従来の代表的なパック電池は、薄型で角型のリチウム二次電池を素電池とし、素電池に保護回路基板を電気的に接続し、これを合成樹脂からなる外装体(外装ケース及び蓋体)の内部に収納したのち、外装体を内部封止した構成を持つ。
上述した如く、従来のパック電池では、端子窓41a、41b上の溶着リブに切り欠きを設けているので溶着量が減っており、外装ケースと蓋体とを超音波溶着する場合に外装ケースの端子窓周辺が蓋体と良好に溶着しにくい問題がある。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであって、外装ケースと蓋体とを確実に超音波溶着することにより、良好な電池性能を発揮することの可能なパック電池を提供することを目的とする。
また前記溶着リブは、頂部側を上底とし、前記蓋体の主面側を下底とする台形状とすることもできる。
また前記素電池は角型であり、前記外装ケースの底面は矩形状であって、前記側壁は矩形状の底面の四辺を囲繞するように形成され、このうちの一辺に対応する側壁に、前記複数の端子窓が形成されている構成とすることもできる。
さらに、切り欠きによって残存する溶着リブの両端部を蓋体の主面に向かって裾広がりに形成することで、溶着リブ由来の溶融材料が端子窓から離間し、溶着溝の底を低く流れるように案内される。このため、溶着リブの裾広がり部分を蓋体の主面に沿って(すなわち、端子窓の中心方向に向かって)従来により長く形成しても、端子窓周辺に溶融材料の流れ込みによる負荷が及びにくい。その結果、溶着リブを比較的長く形成でき、端子窓の変形・閉塞を防止しつつ、外装ケースと蓋体とを広い範囲にわたって良好に超音波溶着することができるようになっている。
なお、本発明で言及する「矩形状の端子窓」とは、数学的に厳密な矩形、すなわち角が直角である形状に限定しない。「矩形状の端子窓」には、たとえば図6〜8に示すように、窓の角がある程度丸みを帯びた曲線状に形成されている場合も含むものとする。
<実施の形態>
図1(a)は、本発明の実施の形態におけるパック電池1の構成を示す外観図である。図1(b)はパック電池1の展開図である。図2は、パック電池1の組図である。
素電池2には薄型の各種二次電池が使用でき、ここでは高エネルギー密度・容量及び出力に優れる角型リチウム二次電池を利用している。素電池2は、正極板と負極板をセパレータを介して積層してなる所定の電極体が、所定の電解液とともに角型のアルミニウム又はアルミニウム合金からなる有底外装缶2bの内部に収納され、当該有底外装缶2bの開口部に封口板2aが嵌合されてレーザー溶接で内部封止されてなる。外装缶2bの側面は、滑らかな曲線状の表面をなすように加工されている。素電池2のサイズ例としては、縦(Y方向長さ)34.7mm×横(X方向長さ)33.7mm×厚み(Z方向長さ)5.25mmとすることができる。
素電池2の封口板2aには、図2に示すように、その中央および右寄りに正極端子21及び負極端子22がそれぞれ配設され、左寄りに安全弁23が配設されている。正極端子21にはPTC31のリード板311がスポット溶接により接続される。封口板2aには電解液注入穴を塞ぐ封止栓22を備え、封口板2aの一端側上に、クラッド板36を介して、ニッケル材等のリード板34が順次接続される。
保護回路基板3は、コンポジット材料からなる短冊状の基板本体30に各種電気素子が実装されて構成される。基板本体30の主面形状及びサイズは素電池2の封口板2aとほぼ同様である。図2では、基板本体30に実装されるリード板34、36、PTC31を示す。基板本体30の表側主面(矩形状主面)には、パック電池1の出力を給電対象の電子機器に給電するとともに、外部より充電するための外部端子部33a、33b、33cが配設される。また、電池の検査時に使用する信号端子部35a、35bも併せて配設されている。基板本体30の裏側主面にはPTC31、リード板34、36等が配設される。
外装ケース4は、絶縁性、機械的強度及び耐熱性に優れるエンジニアリングプラスチック材料(PCまたはABS等)で構成され、図1(b)および図2に示すように、矩形状の底面40の4辺の周囲に側壁44a〜44dが立設されてなる。このうち、底面40の一辺に配設された側壁44aの側面には、保護回路基板3の所定端子(33a〜33c、35a、35b)を外部露出させるための複数の端子窓(外部端子用の矩形状の端子窓41a〜41c、信号端子用の円形の端子窓42a、42bが間隔をおいて形成されている。このうち端子窓42a、42bには、検査後にラベル6が貼着される。蓋体5と対向する側壁44a〜44dの頂部には、図1(b)及び図2に示すように、蓋体5の溶着リブ53a〜53dを受け入れるための一条の溝(溶着溝43)が、当該溶着リブ53a〜53dの長手方向(X方向またはY方向)に沿って形成されている。
次に示す図3は、蓋体5の内部主面50の構成を示す正面図である。当該内部主面50において、保護回路基板3の配設位置周辺の領域(図3では左側領域)には、複数の帯状リブ(基板固定リブ51a〜51h)がY方向を長手としてX方向にストライプ状に並設されている。いずれの基板固定リブ51a〜51hもZ方向高さが同じであり、各頂部を保護回路基板3側(図3では紙面手前側)に突出させている。基板固定リブ51a〜51hの長手方向(Y方向)は、保護回路基板3の長手方向(X方向)と直交するように配設される。ここで、保護回路基板3の側部と前記各頂部とは、通常は近接位置(数十分の一ミリ程度)で離間するように所定のクリアランスが設けられている。しかし、製造誤差(公差)等の寸法ばらつきが生じた場合には、蓋体5は基板固定リブ51a〜51hの各頂部において、保護回路基板3の側部と当接する。パック電池1では、保護回路基板3と基盤固定リブ51a〜51hの各頂部との多少の接触は許容される。なお、これらの基板固定リブ51a〜51hに直交するように配されているリブ(基板案内リブ52)は、保護回路基板3をその裏側主面から保持するために設けられたものである。
台形リブ530aの上底に相当する頂部5303eは、隣接する矩形状の端子窓41a、41bに中心を合わせて配置される。そして、頂部5303eの両端に位置する傾斜端部5301e、5302eは、それぞれ端子窓41a、41bのX方向に沿った中央部に向かって、当該台形リブ530aのZ方向高さを漸減させながら近接するように形成されている(図7の点線矢印に挟まれた範囲)。
(基板固定リブの効果について)
本実施の形態のパック電池1では、蓋体5の内部主面50に基板固定リブ51a〜51hを設けたことにより、製造時において蓋体5の溶着リブ53が外装ケース4の溶着溝43と良好に超音波溶着され、確実に内部封止が図られるようになっている。図4(a)は、この効果を説明するためのパック電池1の断面図(図1のA−A線断面矢視図)である。また図5(a)、(b)は、それぞれパック電池1のYZ断面図とZ部分の拡大図を示す。
また、保護回路基板3側に超音波振動が強く及ぶのが防止できるので、基板3上に実装された各種素子の破壊を防止することもできる。
(溶着リブの効果について)
パック電池1では、外装ケース4の各々の端子窓41a〜41c、42a、42bに近接する溶着リブ53aの領域を切り欠くとともに、X方向に沿った各端子窓41a〜41c、42a、42bの中心に向かって、溶着リブ53aで残留している部分(台形リブ530a〜530h)の各両端部のZ方向高さを漸減させるとともに、従来の短冊状リブ530ax〜530gxに比べてX方向長さを延長し、各端子窓41a〜41c、42a、42bに近い位置に適度に台形リブ530a〜530hが存在するように調整している。この工夫により、蓋体4と外装ケース5とを超音波溶着する際には、従来に比べて各端子窓41a〜41c、42a、42bにより近い領域(図7の例では、端子窓41a、41bの丸みを帯びたX方向両端部より内側)まで超音波溶着を行えるとともに、過度の溶融材料が溶着溝43へ流れ込むのを防止することで、端子窓41a〜41c、42a、42bの周囲の変形を抑制できるようになっている。
<その他の事項>
上記実施の形態では、外装ケースに端子窓を合計5個にわたり並設する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、これ以外の個数の端子窓を設けてもよい。
なお、本実施の形態のパック電池は、携帯電話やデジタルカメラのような小型の電子機器への適用に限らず、パワーアシスト自転車や電動工具等、比較的大きな機器に適用しても構わない。これに伴い、パック電池のサイズも小型に限らず、大型に設計しても構わない。
また、上記実施の形態では、外装ケースの側壁の頂部に一条の溶着溝を配設したが、溶着溝はこれに限定せず、側壁の頂部に複数条に形成してもよいし、断続的に形成してもよい。さらに、端子窓が設けられた側壁44aと溶着リブ53a以外の領域では、側壁頂部に溶着リブを形成し、蓋体側に溶着溝を形成することもできる。
1 パック電池
2 素電池
3 保護回路基板
4 外装ケース
5 蓋体
6 ラベル
30 基板本体
33a、33b、33c 外部端子部
40 底面
41a、41b、41c 端子窓(外部端子用)
42a、42b 端子窓(信号端子用)
43 溶着溝
44a〜44d 側壁
50 内部主面
51a〜51g 基板固定リブ
52 基板案内リブ
53a〜53d 溶着リブ
530a〜530g 台形リブ
530ax〜530gx 短冊状リブ(従来)
5301e、5302e 傾斜端部
5301ex、5302ex 矩形端部(従来)
5303e、5303ex リブ頂部
Claims (4)
- 底面の周縁を囲繞するように側壁が立設され、当該側壁の頂部に溝が形成されてなる外装ケースに、素電池と、当該素電池に電気的に接続された基板が収納され、主面の周縁を囲繞するように溶着リブが立設されてなる蓋体を有し、前記溝に前記溶着リブが挿入された状態で外装ケースと超音波溶着により内部封止されたパック電池であって、
前記外装ケースの前記側壁には、前記底面に沿って端子窓が形成され、
前記端子窓に近接する溶着リブが部分的に切り欠かれており、当該切り欠き領域に隣接する溶着リブ部分の両端部が、その頂部から前記主面側に向かって裾広がりに形成されている
ことを特徴とするパック電池。 - 前記複数の端子窓には、外装ケースの前記底面に平行な一対の辺を有する矩形状の端子窓が含まれている
ことを特徴とする請求項1に記載のパック電池。 - 前記溶着リブは、頂部側を上底とし、前記蓋体の主面側を下底とする台形状である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のパック電池。 - 前記素電池は角型であり、前記外装ケースの底面は矩形状であって、
前記側壁は矩形状の底面の四辺を囲繞するように形成され、このうちの一辺に対応する側壁に、前記複数の端子窓が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパック電池。
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