以下、上記の基本形態に対する具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、基本形態に対する具体的な実施形態であるノートPCを、そのノートPCが開かれた開状態について示す斜視図である。また、図2は、図1のノートPCを、そのノートPCが閉じられた閉状態ついて示す斜視図である。また、図3は、閉状態にあるノートPCを、そのノートPCの背面側から見た斜視図である。また、図4は、閉状態にあるノートPCを、そのノートPCの裏面側から見た斜視図である。
これらの図に示すノートPC10は、表示装置(表示部)100と本体装置(本体部)200とを備えている。この表示装置100は本体装置200に、表示装置100が本体装置200に対し矢印A方向に開閉自在となるように連結されている。図1には、表示装置100が本体装置200に対し開かれた開状態にあるノートPC10の外観図が示されている。また、図2〜4には、表示装置100が本体装置200に対し閉じられた閉状態にあるノートPC10の外観図が示されている。
表示装置100は、表示筐体110内に液晶パネル101が、表示画面101aが露出するように収納されたものである。
表示筐体110は、ノートPC10が開状態にあるときに表示画面101aがユーザに向くように液晶パネル101を立たせて保持するものとなっている。また、表示筐体110は、ノートPC10が開状態にあるときにユーザに向く前面が、次のような第1面部分111と第2面部分112とを有している。第1面部分111は、表示画面101aの法線に沿う方向を向いた面となっている。また、第2面部分112は、表示画面101aの下方に位置し、かつ、上記の法線の向きよりも下方を向いて傾斜し、かつ、下端が表示画面101aよりも奥側に達した面となっている。本実施形態では、この第2面部分112は、第1面部分111に対して表示装置100の奥側におよそ30°傾斜している。これら第1面部分111と第2面部分112とを有した前面は、表示画面101aの周囲に広がる面となっている。
ここで、この表示装置100では、表示画面101aに表示される像の明るさが、このノートPC10の周囲の照度に応じた明るさに自動調節されるようになっている。そして、ノートPC10の周囲の光を表示筐体110内に受け入れる受光窓102が、上記の第2面部分112に設けられ、その一部として組み込まれている。更に、表示筐体110内には、この受光窓102の奥側の位置に、受光窓102からの入射光の照度を検出する後述の照度センサが収容されている。
本体装置200は、ノートPC10が開状態にあるときに、表示装置100に対し、表示画面101aを境界とした前方と後方とのうち前方側に配備される。即ち、この本体装置200は、ノートPC10が開状態にあるときに、表示装置100に対してユーザ側に配備される。
この本体装置200は、本体筐体210内に、可搬媒体である光ディスクをドライブするODD(Optical Disk Drive)300や、上記の表示画面101a等に表示される情報を生成する情報処理回路を含む各種回路等が収納されたものである。
本体筐体210における、上記の閉状態の際に表示装置100で覆われる上面211は、以下に説明する基本平面211aと傾斜面211bとの2つの面を有している。基本平面211aは、この上面211の半分以上を占め、使用時にほぼ水平となる面である。また、傾斜面211bは、基本平面211aの、表示装置100との連結部側で、この基本平面211aと隣接している。そして、傾斜面211bは、基本平面211aの向きよりも上記の前方側即ちユーザ側に傾いた向きを向いている面である。この傾斜面211bの前方側の端部は、基本平面211aよりも本体装置200の内部側に位置している。本実施形態では、この傾斜面211bは、基本平面211aに対して前方側におよそ30°傾斜している。
この本体装置200は、基本平面211aに沿って設けられたキーボード201、トラックパッド202、左右2つのクリックボタン203、指紋認証のための指紋センサ204を備えている。
更に、この本体装置200では、表示画面101aに対するサブ画面205が、傾斜面211bの一部として組み込まれている。このサブ画面205は、それに対する入力操作を検出する入力操作面を兼ねたものとなっている。そして、傾斜面211bは、その傾斜面211bの一部に、上記の接触操作に用いられる操作ペン206の収納部207を有している。例えば、このサブ画面205の入力操作面がそれへの接触を検出するデバイスであれば、操作ペン206は単なる棒状のプラスチック体であればよい。また、サブ画面205の入力操作面が赤外線式の場合でも操作ペン206は同プラスチック体であればよい。一方、サブ画面205の入力操作面が電磁誘導方式の検出デバイスであれば、操作ペン206として電子ペンを用いるようにすればよい。つまり、操作体の一例である操作ペン206は、サブ画面205の入力操作面の種類に応じて適宜変更すればよい。
また、傾斜面211bには、サブ画面205を挟んで2つのスピーカ208が設置され、更に、サブ画面205の図中右側には各種操作ボタン209とカメラ221とが設けられている。
更に、本体筐体210における前面212には、図中で点線で囲まれたエリアBに、例えば充電中等といったこのノートPC10の状態を装置内のLED(Light Emitting Diode)の発光光で表示する後述の発光窓が複数設けられている。
また、本体装置200では、装置内の各種回路が動作時に発生する熱が、装置内から装置外へと向かう風によって装置外に排出される。そのため、本体装置200には、その風を発生させるためのファンや、本体装置200内の各所の熱を集めてファンからの風に放出するラジエータ等が内蔵されている。そして、本体筐体210の底面213が、この底面213の半分以上を占める第1の底面部分213aと、ラジエータ等の収納空間の壁に相当する第2の底面部分213bとを有している。この第2の底面部分213bは第1の底面部分213aよりも本体筐体210の外部側に位置した平面となっている。これにより、本体筐体210内にラジエータ等の収納空間が確保されている。
また、本体筐体210の第1の底面部分213aに複数の底面吸気口222が設けられ、背面214に複数の背面吸気口223が設けられている。また、第2の底面部分213bから背面214へと向かう斜面に斜面排気口224が2つ設けられ、背面214には背面排気口225が2つ設けられている。斜面排気口224および背面排気口225は本体筐体210の外表面に並んで設けられている。また、各吸気口および排気口は、複数のリブによって複数の開口に仕切られている。
本実施形態のノートPC10は、図1〜図4を参照して説明した外観を有している。
次に、表示装置100が備えている受光窓102の周辺構造について詳細に説明する。
図5は、図1中の切断線C−Cに沿ったノートPCの断面図である。また、図6は、図5中で四角で囲まれたエリアDの拡大断面図である。
尚、図5では、受光窓102の周辺構造に無関係の本体装置200の内部構造については図示が省略されており、図6では、本体装置200自体の図示が省略されている。
上述したように、受光窓102は、表示画面101aの下方に位置し、その表示画面101aの法線Eの向きよりも下方を向いて傾斜した上記の第2面部分112の一部として組み込まれている。
そして、図6の拡大断面図から分かるように、受光窓102は、次のような窓部品103の表面の一部である。この窓部品103は、第2面部分112の、次のような位置に開けられた開口に嵌め込まれた部品である。
表示画面101aは、上記の第1面部分111にその周囲を枠状に囲まれて表示筐体110から露出している。即ち、第1面部分111は、この表示画面101aが露出した箇所の縁における表示筐体110の外表面となっている。そして、窓部品103が嵌め込まれた開口は、第2面部分112において上記の縁における外表面(即ち第1面部分111)よりも奥側に寄った位置に開けられている。
そして、表示筐体110の背面側の内壁面113における窓部品103の奥側の位置に、受光窓102からの入射光の照度を検出する照度センサ104が搭載されたセンサ基板105が固定されている。この背面側の内壁面113は、表示画面101aとほぼ平行な面となっている。このため、照度センサ104における受光面の法線E’は、表示画面101aの法線Eとほぼ同じ方向を向いている。また、このセンサ基板105の周囲には、液晶パネル101からの光が照度センサ104の周辺に入り込まないように、複数の遮蔽リブ106が配置されている。
図7は、窓部品を詳細に示す斜視図である。
図7のパート(A)には、窓部品103の外観斜視図が示されており、パート(B)には、窓部品103の透視斜視図が示されている。
窓部品103は、表示筐体110への固定のためのフランジ103aと、第2面部分112の開口に嵌め込まれて外部に露出する突出部103bとを有している。
そして、この突出部103bの、外部に露出した面(受光窓102)に対する裏面のうち、突出部103bが開口に嵌め込まれた状態で図6の照度センサ104と対向する箇所から照度センサ104に向かう方向に、後述の導光体103cが延びている。
本実施形態では、受光窓102が上記の第2面部分112の一部として組み込まれているので、その受光窓102は、表示画面101aの法線Eの向きよりも下方を向いて傾斜している。つまり、受光窓102の法線Fは、表示画面101aの法線Eに対して下方にズレ角θだけずれている。このため、受光窓102は、表示画面101aの法線Eに対してズレ角θだけずれた方向を中心とした方向からの入射光を表示筐体110内に受け入れることとなる。
一方で、照度センサ104における受光面の法線E’は、表示画面101aの法線Eとほぼ同じ方向を向いている。照度センサ104で照度が正確に検出されるためには、照度センサ104の受光面に、その受光面の法線E’に沿って光が入射されることが望ましい。そこで、導光体103cは、上記のようにずれた方向を中心とした入射範囲からの入射光の方向を、照度センサ104の受光面の法線E’に沿った方向に曲げて揃える役割を担っている。そして、この導光体103cは、そのように揃えた入射光を、照度センサ104まで導く。
この導光体103cは、突出部103bが開口に嵌め込まれた状態で図6の照度センサ104と対向する箇所から、照度センサ104の受光面の法線に沿う方向に、照度センサ104の近傍に達するに足る長さだけ円柱状に延びている。
以上に説明した窓部品103は、無色透明の樹脂材料で一体成形されたものである。
そして、突出部103bの、外部に露出した面(受光窓102)には、上記の導光体103cの根元に対応する箇所を円形状に抜いた黒色スクリーン103dが印刷によって設けられている。このため、入射光の入射範囲が、黒色スクリーン103dの円形状の穴に限定される。そして、その穴を通った入射光が、導光体103cによって照度センサ104の受光面に、この受光面の法線E’に沿って導かれる。
ここで、本実施形態と比較するための、第1比較例について説明する。
この第1比較例のノートPCは、受光窓および照度センサの取付け位置や、表示筐体における受光窓周辺の形状が、本実施形態のノートPC10と異なっている。
図8は、第1比較例のノートPCを示す模式図である。
尚、この図8では、図1等に示す本実施形態のノートPC10の構成要素と同等な構成要素が図1等と同じ符号で示されており、以下では重複説明を省略する。
この第1比較例のノートPC50の表示装置500では、受光窓501および照度センサ502が、表示画面101aの上方に位置している。更に、表示筐体510の前面は、全体が表示画面101aに沿った平面となっており、受光窓501は、その前面の一部として組み込まれている。即ち、この第1比較例のノートPC50では、受光窓501は、表示画面101aの法線とほぼ同じ方向を向いている。また、照度センサ502は、その取付け位置を除けば、本実施形態の照度センサ104と同様に、表示筐体510の背面側の内壁面における受光窓501の奥側の位置に固定されている。
このような構造を有する第1比較例のノートPC50では、受光窓501には、ユーザが表示画面を見る方向からの光の他に、天井照明ULからの直接光や反射光、表示画面101aからの回折光が多く入射する。その結果、照度センサ502は、本来検出するべき照度以上に高めの照度を検出してしまいがちである。このような場合には、表示画像の明るさが周囲の照度に適応したものとならず、表示画像はユーザにとって見難くなってしまう。
以上に説明した第1比較例に対し、本実施形態のノートPC10では、受光窓102が、表示画面101aが露出した箇所の縁における表示筐体110の表面よりも奥側に寄って配置されている。更に、この受光窓102の上記のような傾斜によって、照度センサ104が光の照度を検出する検出範囲は、その中心を表示画面101aの法線Eの向きよりも下向きとした範囲となっている。その結果、上記の天井照明ULや表示画面101aからの光の入射が抑えられ、主としてユーザが表示画面101aを見る方向からの光の照度が照度センサ104で検出されることとなる。このため、照度センサ104で検出される照度が、本来検出するべき照度となる。これにより、本実施形態のノートPC10では、表示装置100において表示画像が適切な明るさで表示されることとなる。
また、本実施形態では、表示筐体の前面が、上記の法線Eの向きよりも下方を向いて傾斜して下端が表示画面101aよりも奥側に達した第2面部分112を有し、受光窓102は、その第2面部分112の一部として組み込まれている。本実施形態では、この構造により、受光窓102が傾けられて、天井照明ULや表示画面101aからの光の受光窓102への入射が効果的に抑えられている。
また、本実施形態では、受光窓102は、表示画面101aの下方に設けられていることから、天井照明ULや表示画面101aからの光の受光窓102への入射が一層効果的に抑えられている。
更に、本実施形態では、受光窓102に設けられた黒色スクリーン103dによって、入射光の入射範囲が、黒色スクリーン103dの円形状の穴に限定される。その結果、天井照明ULや表示画面101aからの光の受光窓102への入射が一層効果的に抑えられることとなっている
また、本実施形態では、上記のように傾斜した受光窓102で受け入れられた入射光が、導光体103cによって照度センサ104へと導かれる。この導光体103cにより、入射光は、照度センサ104の受光面の法線に沿った望ましい方向でその受光面に入射されるので、照度センサ104で高精度で照度が検出されることとなっている。
尚、本実施形態は、受光窓102が、第1面部分に対して傾斜した第2面部分112に組み込まれた形態となっている。しかしながら、この受光窓102の設置はこの形態に限るものではなく、次のような別例であっても良い。
図9は、受光窓の設置の別例を示す図である。
この別例では、受光窓102の設置位置の周辺が、表示画面101aの露出箇所の縁における表示筐体110の表面よりも奥側に局部的に寄って凹部が形成されている。そして、受光窓102が、この凹部の底面部分112’に組み込まれている。
このような別例でも、本実施形態と同様に、天井照明ULや表示画面101aからの光に対する抑制効果を得ることができる。
また、本実施形態は、受光窓102と照度センサ104の受光面との相対的な位置関係が、各々の法線F,E’の方向が互いにズレ角θだけずれた位置関係となっており、このずれが導光体103cによって修正される形態となっている。しかしながら、受光窓102と照度センサ104の受光面との相対的な位置関係は、この形態に限るものではなく、次のような別例であっても良い。
図10は、受光窓と照度センサの受光面との相対的な位置関係の別例を示す図である。また、図11は、受光窓と照度センサの受光面との相対的な位置関係の更なる別例を示す図である。
これら図10および図11には、図9中の切断線G−Gに沿った断面について、照度センサの取り付け方が互いに異なる2種類の別例が示されている。
これら2種類の別例では、双方共に、受光窓102と照度センサ104’の受光面とが互いにほぼ平行な面となっている。そして、それらほぼ平行な面の法線F’の向きが、表示画面101aの法線Eの向きに対して下方にズレ角θだけずれている。これらの別例では、受光窓102の法線F’に沿って入射した入射光が、導光部103c内を曲げられることなく進んで、照度センサ104’の受光面に入射する。受光窓102と照度センサ104’の受光面とが互いにほぼ平行であるので、この受光面への入射方向が、そのまま受光面の法線に沿った望ましい入射方向となる。
図10の別例では、照度センサ104’が搭載されたセンサ基板105’が、表示筐体110の内壁面113に傾斜した状態で固定されている。このときのセンサ基板105’の傾斜は、センサ基板105’上の照度センサ104’の受光面の法線の向きが、受光窓102の法線F’の向きとほぼ一致する傾斜となっている。
一方、図11の別例では、センサ基板105”は、表示筐体110の内壁面113に沿って固定されている。その代わりに、照度センサ104’がセンサ基板105”に傾斜した状態で搭載されている。そして、この照度センサ104’の傾斜が、その照度センサ104’の受光面の法線の向きが、受光窓102の法線F’の向きとほぼ一致する傾斜となっている。
以上、図10および図11を参照して説明した別例でも、本実施形態と同様、表示画像が適切な明るさで表示されることは言うまでもない。
尚、本実施形態では受光窓102に黒色スクリーン103dを設けているが、受光窓102が十分小さいものであれば、この黒色スクリーン103dを不要としてもよい。
また、本実施形態では窓部品103を使用しているが、これを使用せずに同作用効果を実現するようにしてもよい。例えば、窓部品103を使用せず、照度センサ104の受光面の法線(検出範囲の中心)が表示画面101aの法線E’に対して下向きとなるように、受光面を下向きにして照度センサ104またはセンサ基板105を表示筐体110に搭載するようにしてもよい。
尚、本実施形態では、表示装置の一例として、ノートPC10の表示装置100を例示したが、上記のような受光窓や照度センサを有した表示装置は、ノートPC10の表示装置100に限るものではない。このような表示装置は、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータで使われる表示装置や、一般的なテレビ受像機等であっても良い。
次に、図1に示すサブ画面205の周辺構造について説明する。
サブ画面205は、表示画面101aと同様に液晶パネルの表示画面であり、次のような補助的な情報を画像表示するものである。この補助的な情報としては、例えば表示画面101aに表示しきれないアイコン情報や、表示画面101aに表示されている画像に対する拡縮や移動等の指示情報が挙げられる。本体装置200の情報処理回路は、表示画面101a等に表示される情報に加えて、これら補助的な情報も生成するものとなっている。本実施形態では、このようなサブ画面205を設けることで、表示画面101aの見易さや表示されている画像情報に対する操作の容易化が図られている。
そして、上述したように、このサブ画面205は、操作ペン206での接触操作によって情報が入力される入力操作面を兼ねたものとなっている。
本実施形態では、このサブ画面205は、基本平面211aに対して前方側に傾斜した傾斜面211bの一部として組み込まれている。
ここで、本実施形態におけるこのサブ画面205の周辺構造について説明を進める前に、本実施形態と比較するための、第2比較例について説明する。
この第2比較例のノートPCは、サブ画面の組み込まれかたが、本実施形態のノートPC10と異なっている。
図12は、第2比較例のノートPCを示す模式図である。
尚、この図12では、図1等に示す本実施形態のノートPC10の構成要素と同等な構成要素が図1等と同じ符号で示されており、以下では重複説明を省略する。
この第2比較例のノートPC60では、本体装置600の上面601が、ほぼ全体に亘って同一平面に沿った面となっている。そして、サブ画面602は、この上面601における表示筐体100側に、この上面601の一部として組み込まれている。
ここで、一般的にノートPCは、本体装置が水平に置かれて使われる。そのため、第2比較例のノートPC60では、ユーザは、サブ画面602を浅い角度から見ることとなる。サブ画面602は液晶パネルの表示画面であるが、ユーザがサブ画面602を見る角度が上記のように浅いと液晶パネルの視野角から外れ易い。その結果、第2比較例のノートPC60では、サブ画面602の視認性が低くなりがちである。
以上に説明した第2比較例に対し、本実施形態のノートPC10では、サブ画面205が、基本平面211aに対して前方側に傾斜している。このため、ユーザがサブ画面205を見る角度が第2比較例に比べて深くなる。その結果、ユーザがサブ画面205を見る角度がサブ画面205の視野角から外れ難い。
また、本実施形態では、ユーザがサブ画面205を見る角度が視野角から外れ難いことから、サブ画面205として、標準的な視野角を有する一般的な液晶パネルが採用されている。
また、本実施形態では、上記の傾斜面211bの一部としてサブ画面205が組み込まれるという簡単な構成により、上記のようなサブ画面205の傾斜が実現されている。
また、本実施形態では、サブ画面205と隣接する傾斜面211bに、上述したように各種部品等が設けられている。
図13は、サブ画面と隣接する傾斜面の拡大図である。
上記の図1や、この図13に示すように、傾斜面211bには、サブ画面205と隣接する傾斜面211bに、上述したようにスピーカ208、各種操作ボタン209、およびカメラ221が設けられている。
ユーザ側に傾いた傾斜面211bにスピーカ208が設けられているので、本実施形態では、スピーカ208の音がユーザ側に向かい易く、ユーザがその音を聞き取り易くなっている。また、各種操作ボタン209がこのような傾斜面211bに設けられているので、それら操作ボタン209の操作性が向上している。また、カメラ221についても、撮影対象である例えばユーザの顔等が画角に入り易くなっている。
ここで、傾斜面211bは、上述したように、基本平面211aの向きよりも前方側に傾いた向きを向いている。そして、傾斜面211bにおける前方側の端部211b_1が基本平面211aよりも本体装置200の内部側に位置している。そして、この前方側の端部211b_1が本体装置200の内部側に位置することによってできた凹みが、操作ペン206の収納部207として活用されている。これにより、操作ペン206が、ユーザの目に付き易い場所に収納されることとなる。
一方で、本実施形態では、上記の基本平面211aがキーボード201の設置場所として利用されており、キーボード201は、この基本平面211aに沿って取り付けられている。このようなキーボード201の配置と、上記のようなサブ画面205の傾斜とが相俟って、ユーザは、キーボード201を操作しながら良好な視認性でサブ画面205を見ることができる。
また、この収納部207は、操作ペン206が収納された状態でノートPC10が閉じられても、操作ペン206が表示装置100と干渉しないように設けられている。
図14は、ノートPCが閉じられた状態の操作ペンの収納部周辺における、図2中の切断線H−Hに沿った断面図である。
この図14の断面図に示すように、ノートPC10が閉じられた状態でも、本体装置200の内部側に位置する傾斜面211bの前方側の端部211b_1と表示装置100との間には隙間が存在する。収納部207は、この隙間に設けられており、操作ペン206は、表示装置100と干渉することなくこの収納部207に収納されることとなっている。
尚、本実施形態では、本体装置200の内部側に位置する傾斜面211bの前方側の端部211b_1と表示装置100との間にある隙間を有効活用するために、この隙間に収納部207を設けているが、必ずしもこの収納部207を設ける必要はない。
また、この図14の断面図および図13の斜視図に示すように、本実施形態では、傾斜面211bの後方側の端部211b_2が、基本平面211aよりも本体装置200の外部側に位置している。
ここで、本実施形態では、上述したように表示装置100における第2面部分112は、下端が表示画面101aよりも奥側に達した傾斜面となっている。その結果、表示装置100には凹みが出来ている。ノートPC10が閉じられた状態では、上記のように本体装置200の外部側に位置した傾斜面211bの後方側の端部211b_2が、表示装置100における上記の凹みに入り込むこととなっている。これにより、上記のような傾斜面211bを設けることによる本体装置200での厚み方向の増し分が、表示装置100に分担されている。その結果、ノートPC10全体で、厚み方向の増し分が抑えられている。
また、図13の斜視図に示すように、本実施形態では、本体装置200の外部側に位置した傾斜面211bの後方側の端部211b_2に繋がる側面に複数の傾斜側面吸気口226が設けられている。また、本実施形態では、図13に示されている図中右側の傾斜面211bの側面だけでなく左側の側面にも同様に複数の傾斜側面吸気口226が設けられている。
更に、本実施形態では、傾斜面211bの後方側の端部211b_2に繋がる背面にも、次のような複数の傾斜背面吸気口が設けられている。
図15は、表示装置が外されて複数の傾斜背面吸気口が見える状態で示された本体装置の斜視図である。図16は、表示装置によって複数の傾斜背面吸気口が隠された状態のノートPCを示す斜視図である。図17は、傾斜背面吸気口の周辺についての、図16中の切断線J−Jに沿った断面図である。
図15に示すように、複数の傾斜背面吸気口227は、傾斜面211bの後方側の端部211b_2に繋がる背面に配列されている。これらの傾斜背面吸気口227は、図16に示すように、ノートPC10が開かれた状態では、外観視で表示装置100によって隠されているように見える。しかしながら、図17に示すように、傾斜面211bの後方側の端部211b_2に繋がる背面と表示装置100との間には隙間が存在する。そして、傾斜背面吸気口227から、この隙間を通ってきた空気が本体筐体220の内部に取り込まれることとなる。
このように、本実施形態では、図4に示した吸気口222,223に加えて、傾斜面211bの後方側の端部211b_2の突出を利用した傾斜側面吸気口226と傾斜背面吸気口227とが設けられている。これにより、本体筐体220の内部での冷却効率が高められている。
尚、本実施形態では、傾斜面221bによって生じるスペースに設けた開口を吸気口(傾斜側面吸気口226、傾斜背面吸気口227)として利用しているが、排気口として利用してもよい。
また、本実施形態では、傾斜面221bによって生じるスペースを有効活用するために、傾斜側面吸気口226、傾斜背面吸気口227を設けているが、必ずしも必要とするものではない。
尚、本実施形態では、上記のようなサブ画面を備えた電子機器の一例として、ノートPC10の本体装置200を例示したが、上記のような電子機器は、ノートPC10の本体装置200に限るものではない。このような電子機器は、例えば、表示装置とは別体で、ユーザがその表示装置の表示画像を見ながら操作するパーソナルコンピュータ等であっても良い。
また、本実施形態では、上述した受光窓102が、表示装置100に設けられている。これは、上述したように天井照明ULや表示画面101aからの受光窓102への光の入り込みを抑えるためである。しかしながら、仮にこのような光の入り込みによる影響を考慮しないとすれば、受光窓102の設置場所として、本体装置200における上記の傾斜面211bを活用することも考えられる。
図18は、受光窓の設置場所として、本体装置における傾斜面を活用した例を示す図である。
この図18の例では、サブ画面205に図中右側で隣接する傾斜面211bが、受光窓102’の設置場所として利用されている。そして、この例では、本体装置200内に、不図示の照度センサが、この受光窓102’の奥側に配置されている。
次に、本体筐体210における前面212の、図1中で点線で囲まれたエリアBに設けられた、このノートPC10の状態を装置内のLEDの発光光で表示する複数の発光窓
の周辺の構造について詳細に説明する。
図19は、図1中で点線で囲まれたエリアB内の拡大図である。
この図19に示すように、本実施形態では、上記の発光窓228が、本体筐体210における前方側の側面に4種類設けられている。また、各種類の発光窓228がノートPC10のどのような状態を表しているかは、点灯するその発光窓228の形で判別されるようになっている。
続いて、本体装置200におけるこの発光窓228周辺の内部構造について説明する。
図20は、発光窓周辺の内部構造を示す斜視図である。また、図21は、発光窓周辺の内部構造を示す平面図である。
本体装置200の内部には、4個のLED229が互いに間隔を空けて配列して搭載されたLED基板231が、LED229の搭載面を装置外側に向けて設置されている。
そして、本体装置200には、このLED229から発せられた光を発光窓228に導くための導光部材240が備えられている。
図22は、導光部材単体を、LED基板側から見た斜視図である。
導光部材240は、図20や図21にも示す4つの導光体241と3つの遮光壁242とが接続部243によって相互に繋がれて一体となったものである。
図22のパート(A)に、この導光部材240における4つの導光体241と3つの遮光壁242が全体的に見える斜視図が示されている。
導光体241は、各LED229に向けて突き出し、LED229から発せられた光をその突き出した方向に導くものである。遮光壁242は、4つの導光体241の相互間に位置し、導光体241に向く表面で光の透過を阻害するものである。そして、接続部243が、一列に並んだ4つの導光体241と3つの遮光壁242とを相互に繋いでいる。本実施形態では、この接続部243、一列に並んだ4つの導光体241、および3つの遮光壁242が樹脂材料等で一体成形されることで導光部材240が得られている。即ち、遮光壁242および接続部243は、導光体241の材料と同じ材料で形成されたものとなっている。
本実施形態では、上記の導光部材240が、本体筐体210における前方側の側壁を兼ねている。更に、この導光部材240における、本体筐体210の外面に相当する壁面にはメッキが施されている。そして、各導光体241が光を導く導き先の箇所のメッキが、各発光窓228の形状に抜かれている。これにより、各LED229から発せられた光が各発光窓228まで導かれて、発光窓228が本体筐体210外部に光を発することとなる。
また、本実施形態では、導光部材240が有する各遮光壁242の導光体241に向く表面が、光の透過を阻害する程度の粗面となっている。
図22のパート(B)に、表面が粗面242_1となった遮光壁242の拡大図が示されている。
この粗面242_1により、あるLED229からの光の、そのLED229に対応した導光体241や発光窓228と隣り合った導光体241や発光窓228への漏れが抑制される。
ここで、この本実施形態と比較するための、第3比較例について説明する。
尚、この第3比較例については、本体装置における発光窓の周辺構造のみに注目した説明を行う。
図23は、第3比較例における発光窓を示す斜視図である。また、図24は、第3比較例における発光窓周辺の内部構造を示す斜視図である。また、図25は、第3比較例における発光窓周辺の内部構造を示す平面図である。
この第3比較例のノートPC70では、本体装置700の、前面における図中右側の角の近傍に4つの発光窓701が備えられている。
そして、本体装置700内におけるその発光窓701の近傍には、4個のLED702が、互いに間隔を空けて配列して搭載されたLED基板703が、LED702の搭載面を装置外側に向けて設置されている。
そして、本体装置700には、このLED702から発せられた光を発光窓703に導くための導光部材710が備えられている。
図26は、LED基板を外して導光部材を見易くした斜視図である。
導光部材710は、図24や図25にも示す4つの導光体711が接続部712によって相互に繋がれて一体となったものである。導光体711は、各LED702に向けて突き出して、LED702から発せられた光をその突き出した方向に導くものである。そして、接続部712は、4つの導光体711を相互に繋いで一体となった、導光体711の材料と同じ材料で形成されたものである。
ここで、この比較例のノートPC70では、あるLED702からの光の、そのLED702に対応した導光体711や発光窓701と隣り合った導光体711や発光窓701への漏れを抑制するための遮光壁704が本体筐体720の底面から突出している。この比較例では、導光体711と遮光壁704とが別体であることから構造が複雑になっている。そのため、製造誤差等に起因して、製造時に導光体711と遮光壁704との相互間の相対的な位置合せが上手くいかず、上記のような光の漏れを抑制しきれない事態が生じる恐れがある。更に、導光体711と遮光壁704とが込み入った構造となっているので、将来、省スペース化の要請があったときに対応が難しい。
以上に説明した第3比較例に対し、本実施形態のノートPC10では、上記の導光体241と遮光壁242とが接続部243によって導光部材240として一体に繋げられている。この構造によれば、導光体711と遮光壁704とが別体である上記の第3比較例よりも導光体241と遮光壁242との製造時における相互間の相対的な位置合せが遥かに容易である。その結果、上記のような光の漏れを確実に抑制することができる。また、本実施形態では、上記のような導光部材240が採用されることで、本体装置200の前面212側の内部構造が単純化されている。そのため、将来の省スペース化の要請に対応し易くなっている。
また、本実施形態では、上記の導光部材240が、上述したように本体筐体210における前方側の側壁を兼ねている。これにより、本体筐体210の部品点数が削減されて、製造コストの低減が図られている。更に、本実施形態では、各導光体241が光を導く導き先の箇所のメッキが抜かれることで、各発光窓228が形成されている。これによっても、本体筐体210の部品点数の削減と、その削減に伴う製造コストの低減が図られている。
また、本実施形態は、遮光壁242の表面が、光の透過を阻害する程度の粗面242_1となっていることで、光の漏れが抑制されている。粗面242_1の形成は、例えば、導光部材240が樹脂材料で一体成形されるときの型への粗面の作り込みによって、導光部材240自体の形成と同時に行うことができる。本実施形態では、このような点でも、製造コストの低減が図られている。
ここで、この遮光壁242による光の漏れ抑制の方法としては、この粗面242_1による方法以外にも、遮光壁242の導光体241に向く表面にメッキを施すという方法も考えられる。
図22のパート(C)には、表面にメッキ242’_1が施された別例の遮光壁242’の拡大図が示されている。
メッキ242’_1が施された別例の遮光壁242’は遮光性が高く、光の透過を一層確実に阻害することができる。
また、光の漏れ抑制の方法として、遮光壁242の導光体241に向く表面に光の透過を阻害する塗料を塗布するという方法も考えられる。
図22のパート(D)には、表面に上記のような塗料242”_1が塗布された別例の遮光壁242”の拡大図が示されている。
塗料242”_1の塗布は、処理が容易であることから製造コストの低減に繋がる。また、別例の遮光壁242”では、塗料242”_1の塗布範囲を任意に設定したり、また塗布後に修正したりすることができる。
尚、本実施形態では、上記のような導光部材を備えた電子機器の一例として、ノートPC10の本体装置200を例示したが、上記のような電子機器は、ノートPC10の本体装置200に限るものではない。このような電子機器は、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、LEDの発光による表示機構を備えた一般的な電子機器等であっても良い。
また、本実施形態では、点灯する発光窓228のその形によってノートPC10の動作状態をユーザが理解できるようにしているが、発光窓228を同一形状とし、発光窓228に対応するLEDの発光色を変更させることでそれを実現するようにしてもよい。
次に、本体筐体210における、図4に示す斜面排気口224と背面排気口225とについて詳細に説明する。
図27は、図4に示す斜面排気口と背面排気口との拡大図である。
上述したように、本実施形態では、ラジエータ等の収納空間確保のために本体筐体210の外部側に位置した第2の底面部分213bから背面214へと向かう斜面に斜面排気口224が設けられている。そして、背面214に、背面排気口225が設けられている。そして、これら2種類の排気口224,225は、本体筐体210の外表面に並んで設けられている。
ここで、斜面排気口224は、本体筐体210の強度低下を抑制するために、次のような第1リブ224aで複数の開口に仕切られている。
図28は、斜面排気口近傍についての、第1リブを通る図27中の切断線K−Kに沿った断面図である。
この図28には、本体筐体210内で風を発生させるファン251や、そのファン251に対して風の流れの下流側に配置され、その風に本体筐体210内の各所から集めた熱を放出するラジエータ252が示されている。ここで、ラジエータ252は、本体筐体210の厚み方向にある程度の厚みを有する収納空間を必要とする。上述したように、本実施形態では、この収納空間を確保するために、底面213の一部が、底面213の半分以上を占める第1の底面部分213aよりも本体筐体210の外部側に突出している。この突出した底面部分が第2の底面部分213bである。
そして、第2の底面部分213bから背面214へと向かう斜面に斜面排気口224が設けられている。そして、背面214に、斜面排気口224の上方側に並んで背面排気口225が設けられている。ここで、斜面排気口224は、以下に説明する第1リブ224aで複数の開口に仕切られており、図28には、この第1リブ224aの断面が示されている。
第1リブ224aは、2種類の排気口224,225が並んだ上下方向に延びたリブである。そして、第1リブ224aの背面排気口225側の端部が、その背面排気口225とは逆側の端部よりも、上記の風の下流側に位置している。これにより、この第1リブ224aに当たって斜面排気口224を通り抜け損ねた風も、上方に並んだ背面排気口225側へと押し上げられてその背面排気口225から排気される。その結果、ラジエータ252からの熱を受けた風が効率的に排気されることとなり、延いては冷却効率が向上することとなっている。
一方、背面排気口225は、本体筐体210の強度低下を抑制するために、次のような第2リブ225aで複数の開口に仕切られている。
図29は、背面排気口近傍についての、第2リブを通る図27中の切断線L−Lに沿った断面図である。
この図29には、背面214に、斜面排気口224の上方側に並んで設けられている背面排気口225を仕切る第2リブ225aの断面が示されている。
第2リブ225aは、2種類の排気口224,225が並んだ上下方向に延びたリブである。そして、斜面排気口224を仕切る複数の第1リブ224aとは、図27にも示されているように交互に配設されている。つまり、複数の第2リブ225aは、複数の第1リブ224aにより形成された斜面排気口224の各開口の上方に位置することになる。この交互の配設により、第1リブ224aによって斜面排気口224側から押し上げられてきた風が、背面排気口225の第2リブ225aに遮られることなくスムーズに排気される。これにより、冷却効率の一層の向上が図られている。
また、本実施形態では、本体筐体210の厚み方向に幅広となっている背面排気口225には、図27に示すようにこの背面排気口225の箇所での強度を更に補強するために、第2リブ225aと交差する方向に延びる第3リブ225bも設けられている。なお、本実施形態では、強度補強のために背面排気口225に第3リブ225bを設けているが、その強度が十分なものであれば、第3リブ225bを設けなくてもよい。
ここで、この本実施形態と比較するための、第4比較例について説明する。
尚、この第4比較例については、本体装置における排気口のみに注目した説明を行う。
図30は、第4比較例における排気口を示す図である。
この第4比較例は、背面排気口802を仕切る第2リブ802aの、斜面排気口801を仕切る第1リブ801aに対する相対位置のみが、本実施形態と異なっている。この第4比較例では、各第2リブ802aは、各第1リブ801aの延長線上に配設されている。その結果、第1リブ801aによって斜面排気口801側から押し上げられてきた風が、背面排気口802の第2リブ802aに遮られてしまい排気効率が低下する恐れがある。更に、第2リブ802aが第1リブ801aの延長線上に配設されていることから、複数の第2リブ802aの相互間、および複数の第1リブ801aの相互間の支えが無く、排気口での本体筐体810の強度が低くなっている。
以上に説明した第4比較例に対し、本実施形態のノートPC10では、複数の第2リブ225aが複数の第1リブ224aとは交互に配設されていることから、上記のように排気がスムーズに行われ排気効率が向上している。更に、この交互の配設により、第1リブ224aの相互間が第2リブ225aによって補強され、第2リブ225aの相互間が第1リブ224aによって補強されることとなる。つまり、本実施形態では、筐体強度の低下を抑えて排気効率が上げられている。
また、本実施形態では、本体筐体210におけるキーボード201が存在する前面側とは反対の背面側、即ち、ユーザ側とは逆側に上記の排気口224,225が設けられている。これにより、ラジエータ252からの熱を受けた風がユーザとは逆側に排気されることなるので、ユーザの不快感が回避されることとなる。
また、本実施形態では、ラジエータ252の収納空間確保のために本体筐体210の外部側に位置した第2の底面部分213bから背面214へと向かう斜面に斜面排気口224が設けられている。つまり、本実施形態は、冷却のために生じた底面213の突出形状が有効に利用されて斜面排気口224が設けられた効率的な構造となっている。
尚、本実施形態では、上記のような排気口を備えた電子機器の一例として、ノートPC10の本体装置200を例示したが、上記のような電子機器は、ノートPC10の本体装置200に限るものではない。このような電子機器は、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、装置内部から外部へと風を排気する排気口を備えた一般的な電子機器等であっても良い。
次に、図1に示すODD300の周辺構造について詳細に説明する。
図31は、図1に示すODDの周辺を示す斜視図である。
本体筐体210の底面213から立上がった前面212には、ODD300が有するディスクトレイ310が進退自在に収容される開口212aが開けられている。そして、この開口212aは、ディスクトレイ310の収容時には、そのディスクトレイ310のカバー311の外側面でふさがれている。
ここで、ODD300では、ディスクトレイ310が本体装置200の外部側に向けて不図示のバネによって付勢されている。ディスクトレイ310の収容時には、このディスクトレイ310は、バネの付勢力に反してロックされている。ODD300には、このロックの解除を行う電子回路340(図32に図示)が備えられている。そして、カバー311の外側面には、押圧操作によってディスクトレイ310の取出しを表した信号をこの電子回路340(図32に図示)に与えるための押し釦320が備えられている。
図32は、押し釦に対する押圧操作によって本体筐体外にディスクトレイが出された状態のノートPCを示す図である。
ディスクトレイ310は、カバー311に対する本体筐体210側が、光ディスク330が載置されるトレイ部312となっている。そして、このトレイ部312に、上記のようなロックの解除を行う電子回路340が搭載されている。
ディスクトレイ310が収納されている状態で押し釦320が押圧されると、ディスクトレイ310の取出しを表した信号が上記の電子回路340に伝えられる。そして、その電子回路340がロックを解除することによって、ディスクトレイ310が、不図示のバネの付勢力によって前面212の開口212aから押し出される。
ここで、本実施形態では、ディスクトレイ310のカバー311の外側面、および、その外側面に取り付けられている押し釦320の押圧面321が、以下に説明する形状を有している。
図33は、図31および図33に示す押し釦、およびその周辺の拡大図である。
ディスクトレイ310のカバー311の外側面は、本体筐体210の底面213側から立ち上がった第1側面311aと、第1側面311aの上方に繋がった、第1側面311aよりも外側へとせり出した第2側面311bとを有している。
そして、押し釦320の押圧面321は、第1側面311aに沿って広がった面であり、一部が第1側面311aの一部となり、他の一部が第2側面311bに対する凹部の底となった形状を有している。
図34は、押し釦の、図33中の切断線M−Mに沿った断面図である。
この図34からも分かるように、押し釦320の押圧面321の上端部分が、第2側面311bに対する凹部の底となっている。そして、この押し釦320は、押圧面321の第2側面311b側の端部でディスクトレイ310のカバー311に繋がった片持ち構造となっている。そして、この押し釦320は、押圧操作によってこの端部で撓むこととなっている。
また、押し釦320の押圧面321とは反対側の裏面には、ODD300の内側に突出した突起322が備えられている。更に、ODD300内には、この突起322の先端に対向して接点部323が設けられている。押し釦320が押圧操作によって上記のように撓むと、突起322が接点部323を押す。これによって接点が閉じ、ディスクトレイ310の取出しを表した信号が上記の電子回路340に伝えられる。
ここで、この本実施形態と比較するための、第5比較例について説明する。
尚、この第5比較例については、ODDのディスクトレイのカバーに設けられた押し釦のみに注目した説明を行う。
図35は、第5比較例におけるODDの押し釦の、図34と同様の断面図である。
この第5比較例において、ODD900のディスクトレイ910のカバー911の外側面は、本体筐体の底面側から立ち上がった第1側面911aと、第1側面911aの上方に繋がった、第1側面911aよりも外側へとせり出した第2側面911bとを有している。
そして、押し釦920の押圧面921は、全体的にカバー911に連なってカバー911の外側面の一部となっている。即ち、この押圧面921は、第1側面911aの一部となった第1押圧面921aと、第2側面911bの一部となった第2押圧面921bとを有している。
ここで、ディスクトレイ910のカバー911が位置しているノートPCの前面は、幅狭となっている。そのため、ユーザからは、そのカバー911に取り付けられている押し釦920が見え難くなっている。そして、多くの場合、ユーザは、そのような押し釦920を手探りで探し当てて押圧する。しかしながら、この第5比較例のように、押し釦920の押圧面921の形状が、周囲のカバー911の外側面形状と一致していると、ユーザが押し釦920を手探りで探すことも難しい。
以上に説明した第5比較例に対し、本実施形態のノートPC10では、上記のように押し釦320の上端部分が、第2側面311bに対する凹部の底となっている。その結果、手探りでこの押し釦320を探すユーザの指が、この押し釦320と第2側面311bとの段差部分に引っ掛かる。これにより、押し釦320を容易に操作することができることとなっている。
また、本実施形態では、押し釦320が上記のような片持ち構造となっている。
ここで、上記の第5比較例も、押し釦920が、上端側でカバー911に繋がった片持ち構造となっている。しかしながら、この第5比較例での片持ち構造では、外側へとせり出した第2押圧面921bの上端がカバー911に繋がっている。このため、押圧操作によって撓むこの上端が、押圧方向に対して傾いていて押圧力が伝わり難く、延いては撓み難くなっている。
これに対し、本実施形態では、押し釦320が第1側面311aに沿って広がった押圧面321を有しており、その押圧面321の上端でカバー311に繋がっている。その結果、押圧操作によって撓むこの上端が、押圧方向と交差しており押圧力が伝わり易く、延いては撓み易くなっている。
また、本実施形態では、第2側面311bと押圧面321とで形成される凹部の側面が、第2側面311bから押圧面321へと、この押圧面321に対してほぼ垂直に向かう面となっている。これに対し、この凹部の側面形状について、以下に説明する別例のように工夫を施すことも考えられる。
図36は、カバーの第2側面と押圧面とで形成される凹部の側面形状の別例を示す図である。
この図36に示す別例では、カバー311’の第2側面311b’と押圧面321とで形成される凹部の側面が、第2側面311bから押圧面321へと傾斜した傾斜面311b’_1となっている。この別例では、押し釦320を探すユーザの指は、押し釦320の上端周辺に広がる上記の傾斜面311b’_1にも触れるので、ユーザが押し釦320を感得する範囲が広がることとなる。その結果、ユーザは、押し釦320を一層容易に操作することができる。
尚、本実施形態では、上記のような押し釦を備えた収容体を備えた電子機器の一例として、ODD300を備えたノートPC10の本体装置200を例示したが、上記のような電子機器は、このようなノートPC10の本体装置200に限るものではない。このような電子機器は、例えば光ディスク以外のディスク状可搬媒体のドライブ装置を備えたノートPCやデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等であっても良い。
ディスク状可搬媒体の一例としては、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disc)等が挙げられる。また、上記のような電子機器は、コンピュータに限るものでもなく、例えばDVDプレイヤー等といった、上記のようなドライブ装置を備えた一般的な電子機器であっても良い。
ここで、本実施形態のノートPC10では、上記のようにディスクトレイ310が出し入れされる前面212の開口212aから、ODD300自体を本体装置200に着脱自在に搭載することができるようになっている。これは、例えば、当初は未搭載のODD300のユーザの希望に応じた取付けや、搭載済みのODD300の新機種との交換等を想定したものである。
以下、このODD300の搭載構造について詳細に説明する。
図37は、ODDが未搭載の本体装置の内部を示す図である。図38は、ODDが本体装置に搭載される様子を示す図である。
これら図37および図38では、本体装置200が、図4のように裏返しに置かれ更に裏面側のカバー等が取り外された状態の斜視図で示されている。そして、図38では、ODD300が、本体装置200と同様に裏返された状態の斜視図で示されている。
図38に示されているように、ODD300は、上記のカバー311を本体装置200の前方側に向けて、そのカバー311とは反対側の後端から上記の開口212aに挿入されることで本体装置200に搭載される。このODD300の後端には、後述するように雄型のコネクタが取り付けられている。
一方、本体装置200の内部には、図37および図38に示されているように、上記の雄型のコネクタと嵌合する雌型のコネクタ253が取り付けられている。
上記のようにODD300が本体装置200に搭載されると、ODD300側の雄型のコネクタが、本体装置200内の雌型のコネクタ253と嵌合することで、ODD300が本体装置200に電気的に接続される。
ここで、本体装置200の内部には、ODD300側の雄型のコネクタが本体装置200内の雌型のコネクタ253と正確に嵌合するように、ODD300の後端を雌型のコネクタ253へと案内する案内部材254が取り付けられている。
図39は、図37および図38に示されている案内部材を含む箇所の拡大図である。
案内部材254は、次のような延在部254aと保持部254bとを有している。
延在部254aは、上記のように挿入されてくるODD300の後端が接触する位置で、本体筐体210との間に隙間を空けて、ODD300の挿入経路に交わる方向に延在したものである。そして、延在部254aは、そのODD300の後端が接触することでその後端を雌型のコネクタ253へと案内する。また、保持部254bは、延在部254aの一端に繋がった、延在部254aを本体筐体210に対して固定された位置に保持するものである。
更に、案内部材254は、延在部254aに、雌型のコネクタ253に向かって延びる複数のリブ254cを有している。これら複数のリブ254cは、ODD300の後端を雌型のコネクタ253側に寄せる方向に傾斜している。延在部254aに接触して雌型のコネクタ253へと案内されたODD300の後端は、これら複数のリブ254cによって更に確実に雌型のコネクタ253へと案内されることになる。
尚、本実施形態の案内部材254の形状を適宜変更してもよい。例えば、本実施形態では、案内部材254はリブ254cを複数個備えるが、リブを1つとしてもよい。また、本実施形態のリブ254cのように本体筐体210の前面側から背面側に向かって板状にするのではなく、保持部254bから延在部254aの延びる方向の先端までをその底辺とし本体筐体210の前面側から背面側に向かって広がる傾斜面を設けるようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、上記のように挿入されるODD300と本体筐体210との間にケーブル255が配線されている。そして、このケーブル255は、図39に示されているように、延在部254aと本体筐体210との隙間を通ることで、この延在部254aによって次のような位置に保持されている。
図40は、案内部材の延在部によってケーブルが保持される様子を、本体筐体に挿入されてくるODDと共に示した模式図である。
この図40に示すように、ODD300は、上記のように開口212aから挿入されると、本体筐体210内を、この本体筐体210との間にケーブル255を挟んだ挿入経路を進む。そして、このODD300の後端が、上記の延在部254aに接触して更にその延在部254a上の複数のリブ254cで雌型のコネクタ253側に寄せられることで、この雌型のコネクタ253へと案内される。その結果、ODD300の後端に設けられた雄型のコネクタ350が、雌型のコネクタ253に確実に嵌合することとなる。
このとき、ODD300と本体筐体210との間を通っているケーブル255が、そのODD300の挿入経路側に本体筐体210から浮き上がってしまうと、ODD300の移動にケーブル255が巻き込まれるという事態が生じる恐れがある。そこで、本実施形態では、このケーブル255が、延在部254aと本体筐体210との間に通されることで、ODD300の挿入経路から避けた位置に保持されている。その結果、ケーブル255の上記のような浮き上がりが回避され、延いては、ODD300の挿入時のケーブル255の巻き込みが回避されることとなる。従って、本実施形態によれば、ケーブル255の巻込みを回避してODD300を本体装置200に搭載することができる。
尚、本実施形態では、上記のような装着ユニットが収納される電子機器の一例として、ODD300を備えたノートPC10の本体装置200を例示したが、上記のような電子機器は、このようなノートPC10の本体装置200に限るものではない。このような電子機器は、例えば光ディスク以外のディスク状可搬媒体のドライブ装置が収納されるノートPCやデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等であっても良い。
ディスク状可搬媒体の一例としては、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disc)等が挙げられる。また、上記のような電子機器は、コンピュータに限るものでもなく、例えばDVDプレイヤー等といった、上記のようなドライブ装置が収納される一般的な電子機器であっても良い。
また、本実施形態では本体装置に装着され本体装置のコネクタと機械的且つ電気的に接続されるコネクタを有するユニットとしてODDを例示したが、上記のような電子機器は、ODDに限るものではない。このようなユニットは、例えば、光ディスク以外の可搬媒体のドライブユニット、バッテリユニット、テンキーユニット等といった他種別のユニットであっても良い。