JP5396063B2 - 機能性金属複合基板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、機能性金属複合基板およびその製造方法に関する。より詳細には、超/高親水性から超/高撥水性まで制御可能な機能性金属複合基板およびその製造方法に関する。
金属の表面の特性を制御するために、自己組織化単分子膜(SAM膜)を形成する技術が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。非特許文献1によれば、平板状金基板上に溶液から長鎖アルカンチオール(HS(CHX)(nは自然数であり、Xは終端基である)を吸着させることによって、SAM膜を形成する。例えば、nが1以上であり、Xがカルボキシル基の場合は、金基板の表面を超親水性にすることができる。また、nが5以上であり、Xがメチル基の場合は、金基板の表面を撥水性にすることができる。
しかしながら、非特許文献1によれば、金基板の表面を超親水性から超撥水性まで制御するには至っていない。また、平板状の金属基板だけでなく、各種表面モルフォロジを有する金属複合材料の表面にも機能性を発現させることができれば望ましい。
Bainら, J. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 321〜335
以上より、本発明は、金属複合材料の表面に機能性を発現させた機能性金属複合基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明1は、機能性金属複合基板であって、金属複合材料と、前記金属複合材料の表面に設けられた機能性薄膜とを含み、前記金属複合材料は、フラクタル表面構造を持つ超分子組織体の除去痕跡様孔の形状を有し、前記形状の表面がフレーク状であり、前記機能性薄膜は、自己組織化単分子膜(SAM膜)または高分子薄膜のいずれかであることを特徴とする。
発明2は、発明1に記載の機能性金属複合基板において、前記機能性薄膜は、前記金属複合材料の表面自由エネルギーよりも低い表面自由エネルギーを示し、前記機能性金属複合基板が撥水性を有することを特徴とする。
発明3は、発明2に記載の機能性金属複合基板において、前記SAM膜は、アルカンチオール(CH(CHn1−1SH(n1≧2))または含フッ素フルオロカーボンチオールであり、前記高分子薄膜は、ポリプロピレンであることを特徴とする。
発明4は、発明3に記載の機能性金属複合基板において、前記n1は、n1≧8を満たすことを特徴とする。
発明5は、発明4に記載の機能性金属複合基板において、前記金属複合材料の厚さは40nm以上であることを特徴とする。
発明6は、発明1に記載の機能性金属複合基板において、前記機能性薄膜は、前記金属複合材料の表面自由エネルギーよりも高い表面自由エネルギーを示し、前記機能性金属複合基板が親水性を有することを特徴とする。
発明7は、発明6に記載の機能性金属複合基板において、前記SAM膜は、アミノアルカンチオール(NH(CHn2SH:n2≧1)、カルボキシアルカンチオール(COOH(CHn3SH:n3≧1)およびヒドロキシアルカンチオール(HO(CHn4SH:n4≧1)からなる群から選択されることを特徴とする。
発明8は、発明7に記載の機能性金属複合基板において、前記金属複合材料の厚さは50nm以上であることを特徴とする。
発明9は、発明1に記載の機能性金属複合基板において、前記超分子組織体は、二分子膜構造を基盤ナノ組織構造として有する、フラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体が層状に組織化されており、前記フラーレン誘導体は、式(1)で示され、式(2)で示されるフラーレン部位Aと、前記フラーレン部位に結合したベンゼン環と、前記ベンゼン環の3,4,5位それぞれに結合した第1〜第3の置換基R、RおよびRとを含み、
ここで、前記式(1)において、前記第1および第2の置換基R、Rのそれぞれは、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖であり、前記第3の置換基Rは、水素原子であるか、または、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖のいずれかであり、前記式(2)において、(Fu)はフラーレンを、Xは水素原子またはメチル基を示し、前記フラーレン部位Aの含窒素5員環に前記ベンゼン環が結合していることを特徴とする。
発明10は、発明1〜9のいずれかに記載の機能性金属複合基板を製造する方法であって、フラクタル表面構造を持つ超分子組織体の除去痕跡様孔の形状を有し、前記形状の表面がフレーク状である金属複合材料上に、自己組織化単分子膜(SAM膜)または高分子薄膜のいずれかである機能性薄膜を形成する形成ステップからなることを特徴とする。
発明11は、発明10に記載の方法において、前記形成するステップに先立って、フラクタル表面構造を有する超分子組織体上に金属材料を付与する付与ステップと、前記付与ステップによって得られた複合材料を前記超分子組織体の良溶媒に浸漬させる浸漬ステップとをさらに包含することを特徴とする。
本発明による機能性金属複合基板は、金属複合材料の表面に設けられた機能性薄膜により、金属複合材料の特性に加えて、機能性薄膜による種々の機能を発現できる。例えば、種々の表面自由エネルギーを有する機能性薄膜を用いた場合には、表面が超/高親水性から超/高撥水性まで制御された機能性金属複合基板となる。このような超撥水性を発現できる機能性金属複合基板は、金属複合材料の金属の特性およびフレーク状に基づく多孔性を利用した、MEMS/NEMS、触媒材料等に使用できる。また、親水性を発現できる機能性金属複合基板は、多孔性により軽量化され、耐久性を備えた防汚金属部材、防曇処理部材、汚洗浄部材に利用できる。
本発明による機能性金属複合基板の製造方法は、金属複合材料に機能性薄膜を形成するだけでよい。既存の機能性薄膜の形成方法を採用できるので、有利である。
本願発明者は、近年、多孔性の金属複合材料の創製に成功した(特願2008−199217号明細書)。本願発明者は、特定のフラーレン誘導体からなる超分子組織体をテンプレートとして用いることにより、超分子組織体の構造が転写された、多孔性の金属複合材料を得、これを用いた各種応用に取り組んでいる。本発明は、本願発明者が開発した金属複合材料を対象とし、この金属複合材料の表面に機能性を発現させるべく、鋭意研究を行った成果である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。実施の形態に先立って、本願が対象とする金属複合材料を詳述する。
図1は、本発明で用いる金属複合材料の模式図を示す。
図1では、基材110上に位置する金属複合材料100を示す。本発明で用いる金属複合材料100は、超分子組織体120をテンプレートとして、超分子組織体120の形状を金属材料130に構造転写したものである。詳細には、金属複合材料100は、超分子組織体120を除去することによって生じる除去痕跡様孔の形状140を有し、これにより多孔性である。また、超分子組織体120は、フラクタル表面構造を有しており(より詳細には、後述するように、超分子組織体120のフラクタル表面構造を形成するフラーレン構造体160の表面は、フレーク状150を有しており)、超分子組織体120を除去した際に、このフラクタル表面構造に基づいて、除去痕跡様孔の形状140の表面はフレーク状150となる。これにより、金属複合材料100の比表面積が大きくなる。なお、図1の左図は、単層膜の超分子組織体120に金属材料130が付与された状態(本明細書では複合材料とも呼ぶ)を示し、図1の右図は、超分子組織体120が除去された後の単層膜の金属複合材料100を示す。
テンプレートとして機能する超分子組織体120は、二分子膜構造を基盤ナノ組織構造として有する、フラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体160が層状に組織化されたものである。具体的には、フラーレン誘導体は、式(1)で示され、式(2)で示されるフラーレン部位Aと、フラーレン部位Aに結合した第1〜第3の置換基R、RおよびRとを含む。
ここで、式(1)において、第1および第2の置換基RおよびRのそれぞれは、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖であり、第3の置換基Rは、水素原子であるか、または、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖のいずれかである。炭素原子が20個以上であれば、得られる超分子組織体が必ずフラクタルな表面構造を有するため、多孔性の金属複合材料を得ることができる。また、式(2)において、(Fu)はフラーレンを、Xは水素原子またはメチル基を示し、フラーレン部位Aの含窒素五員環にベンゼン環が結合している。
フラーレン(Fu)は、C60、C70、C76およびC84からなる群から選択される。これらのフラーレンは、工業的に製造されており、入手可能である。好ましくは、フラーレンは、C60である。これは、C60が、極めて高いIh対象性を有し、最も安定かつ安価であるので、取り扱いが簡便であるとともに、化学修飾も容易であるためである。
第1〜第3の置換基R、RおよびRの例示的なアルキル鎖(ただし、第3の置換基Rが水素原子でない場合)は、それぞれ、アルキル(C2n+1)、アルコキシル(OC2n+1)、および、チオアルキル(SC2n+1)からなる群から選択される。ここでも上述したように、n≧20を満たす。
式(1)で示されるフラーレン誘導体が形成する二分子膜構造は、フラーレン部位Aのπ−π相互作用により互いに集合するように、かつ、第1〜第3の置換基R、RおよびRのファンデルワールス力により互いに集合するように配列した構造である。二分子膜構造に配列したフラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体160は、上述の二分子膜構造がランダムに組織化した構造であり、表面にフラクタルな構造を持つフラワー状の形状を有する。フラーレン構造体160の表面はフレーク状150である。超分子組織体120は、フラーレン構造体160を層状に組織化したものである(なお、本願発明者は、このような超分子組織体120の構造、特性の詳細について特許出願している(特願2007−148818))。
金属複合材料100を構成する金属材料130(図1では、超分子組織体120の表面および内部に位置する)は、金属に基づく材料であれば任意であるが、半導体特性、磁性、強誘電性、光触媒等の特性を利用する観点から金属または金属酸化物が好ましい。
より具体的には、金属は、磁性材料および磁気記録媒体として利用可能なNi、CuおよびCo、半導体材料として利用可能なAl、SiおよびAlN、GaN等の化合物半導体、高反射率、高腐食性および高い熱導率を有するAgPdおよびAgMg、導電性・加工性に優れ工業用途で多用されるAu、および、高耐食性を示すTiを含む。これらの中でも、Pt、Au、NiおよびTiは、製造上容易にできる点から好ましい。また、金属酸化物は、光触媒として利用可能なTiO、絶縁性コート剤として利用可能なSiO、AlおよびMgO、透明導電膜として利用可能なIn、ITO、IZO(In−ZnO)およびAZO(Al−ZnO)、および、耐磨耗・研磨研剤用基板であるFeおよびCrを含む。これらの金属材料は一例であり、本発明の金属材料130は、金属に基づく特性を発現可能な任意の材料を用いることができる。
図1に示すように、金属複合材料100を基材110上に配置すれば、取り扱いが簡便となるので好ましい。なお、基材110は、例えば、Si基板、石英基板、プラスチック基板、マイカ、金属等であるが、これらに限定されない。また、基材110の形状は必ずしも平板である必要はなく、任意であり、後述する、超分子組織体120が付与される平滑表面を有せば、球面であってもよい。
次に、上述の金属複合材料100の例示的な製造プロセスを説明する。ステップごとに説明する。
ステップS210:金属材料130を超分子組織体120上に付与する。金属材料130および超分子組織体120は、図1を参照して説明したとおりである。金属材料130の付与は、物理的気相成長法、化学的気相成長法および液相法からなる群から選択される方法によって行われる。物理的気相成長法は、例えば、抵抗加熱、蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、MBE、PLD等である。化学的気相成長法は、具体的には、CVD、MOCVD等である。液相法は、例えば、電解メッキ、無電解メッキ、ゾルゲル法等である。中でも、物理的気相成長法におけるスパッタは、超分子組織体120の全体(表面、細部および裏側まで)に金属材料130を付与することができるので、好ましい。このようにして、超分子組織体120に金属材料130が付与された複合材料が得られる(図1の左図)。
ステップS220:ステップS210で得られた複合材料を超分子組織体120の良溶媒に浸漬させる。これにより、超分子組織体120が除去され、金属材料130のみが残り、金属複合材料100が得られる(図1の右図)。超分子組織体120の良溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン、トルエンおよびベンゼンからなる群から選択される。これらは、いずれも超分子組織体120の良溶媒であるとともに、市販にて入手可能である。浸漬は、室温(5℃〜30℃の範囲)にて、少なくとも30秒行う。30秒より短いと、超分子組織体120が残留する場合がある。ステップS220に続いて、超純水で洗浄し、乾燥させてもよい。
なお、図1を参照して説明したように、超分子組織体120が基材110上に配置されていれば、取り扱いが簡便なため好ましい。次に、超分子組織体120を製造し、基材110上に配置するプロセスを説明する。
ステップS310:フラーレン誘導体と1,4−ジオキサンとを混合する。フラーレン誘導体は、上述のフラーレン誘導体と同一であるため、重複して説明するのを避ける。また、上述のフラーレン誘導体は、例えば、本願発明者による特開2007−137809号公報に記載される製造方法によって製造される。1,4−ジオキサンは、フラーレン誘導体に対して室温にて貧溶媒である。
フラーレン誘導体の濃度を変化させることによって、超分子組織体の構造を制御することができる。詳細には、フラーレン誘導体の濃度を高く(例えば、3mM)すると、後述のフラーレン構造体は、ミクロサイズのディスク状となり、フラーレン誘導体の濃度を低く(例えば、1mM)すると、フラーレン構造体はマイクロメートルサイズの球状となる。このように、フラーレン誘導体の濃度を調整するだけで、フラーレン構造体の構造を制御でき、テンプレートである超分子組織体の構造を制御できる。さらに、超分子組織体の構造の制御は、フラーレン誘導体の濃度の調整だけでなく、フラーレン誘導体の有する第1〜第3の置換基R、RおよびRの数および/または長さを調整しても達成できる。いずれにしても、フラーレン構造体の表面はフレーク状を有しており、超分子組織体がフラクタル表面構造を有し得る。
ステップS320:ステップS310で得られる混合物を加熱する。加熱によって、フラーレン誘導体を1,4−ジオキサン中に均一に溶解させることができる。均一に溶解させるために、加熱は、60℃〜70℃の温度範囲で、0.5時間〜2時間行われる。加熱もマイルドな条件かつ短時間でよいため、高価な装置を必要とせず、工業的に好ましい。
ステップS330:加熱後溶解した混合物をエージングする。これにより自己組織化的にフラワー状のフラーレン構造体160が得られる。十分に自己組織化させるためには、エージングは、室温(15℃〜30℃の温度範囲)にて、12時間〜24時間行われる。なお、自己組織化したフラワー状のフラーレン構造体160は、黒茶色の沈殿(析出物)として目視できる。この際の収率は、100%であるので、歩留まりもよく、大量生産も可能である。
ステップS340:沈殿を含む溶液を基材110に塗布する。これにより、基材110上にフラーレン構造体160が層状に組織化された超分子組織体120が得られる。基材110への塗布は、滴下法、浸漬法、スピンコート法、水面展開膜法等の任意の方法を採用できる。水面展開膜法は、上記溶液を水面上に広げ、空気と水との界面に形成された超分子組織体120を、引上げ法により基材110に塗布する方法である。このような水面展開膜法は、自身の有するフラクタル表面構造による超撥水性により、良質な超分子組織体120が空気と水との界面に自己組織化的に形成されるため好ましい。また、形成される超分子組織体120の大きさに制限はなく、大面積化も可能とする。基材110は、図1を参照して説明したとおりである。以上、ステップS310〜S340を経て、超分子組織体120が製造されるとともに、基材110に塗布される。
本願発明者は、このようにして得られる金属複合材料100の表面に機能性、より詳細には、超/高親水性から超/高撥水性まで制御された濡れ性を発現させることに成功した。
図2は、本発明による機能性金属複合基板の模式図である。
図2では、基材110上に位置する機能性金属複合基板200を示す。本発明による機能性複合基板200は、金属複合材料100と、金属複合材料100の表面に設けられた機能性薄膜210とを含む。金属複合材料100は、図1を参照して上述したとおりである。機能性薄膜210は、金属複合材料100の表面上、および、金属複合材料100のフレーク状150内の空間にも位置する。機能性薄膜210は、自己組織化単分子膜(SAM膜)または高分子薄膜のいずれかである。なお、取扱の簡便性から本発明の機能性金属複合基板200が基材110を有していてもよい。
図3は、本発明による機能性金属複合基板の細部を示す模式図である。
図3(A)に示すように、機能性薄膜210としてSAM膜を選択した場合には、SAM膜を構成する単分子310が自己組織化的に金属複合材料100の表面およびフレーク状150内の空間に配列する。より詳細には、単分子310が有する硫黄系分子官能基(例えば、チオール基)と金属複合材料100の金属原子とが結合し、一定の方向に規則的に配列するので、厚さが一定であり、全体にわたって均質かつ良質な薄膜である。また、結合が安定であるため、機能性薄膜210が剥離することはない。
図3(B)に示すように、機能性薄膜210として高分子薄膜を選択した場合には、高分子薄膜を構成する高分子320が金属複合材料100の表面およびフレーク状150内の空間にランダムに配列する。この高分子320の配列は、後述するように物理的に高分子320を金属複合材料100上に位置させるので、SAM膜に比べて良質な薄膜を得ることは困難であるが、原料が安く、安価に提供でき、その種類が豊富かつ環境耐性も優れているために有利である。
以上、図2を参照して模式的に示すように、機能性薄膜210が、金属複合材料100の表面に設けられることによって、機能性金属複合基板200は、機能性薄膜210の機能を発揮し得る。さらに、図3を参照して模式的に示すように、機能性薄膜210は、金属複合材料100のフレーク状150を埋めることなく金属複合材料100上に設けられており、金属複合材料100の多孔性を損なうことがないので、機能性薄膜210の機能に加えて、金属複合材料100の機能(金属に由来する特性および多孔性に由来する特性)を発揮することができる。
次に、機能性薄膜210により発揮される機能、中でも濡れ性をより詳細に説明する。
(1)撥水性の制御
本発明による機能性金属複合基板200が金属複合材料100の表面自由エネルギーよりも低い表面自由エネルギーを有する機能性薄膜210を有する場合、機能性金属複合基板200は撥水性を有する。金属複合材料100の表面自由エネルギーは、表面自由エネルギーが既知の液体を用いた接触角測定または表面張力測定により、容易に算出できる。このような機能性薄膜210を適宜選択することによって、機能性金属複合基板200の表面の濡れ性を、撥水性、高撥水性さらには超撥水性まで制御できる。なお、本明細書では、水との接触角が90°以上を撥水性有りとし、110°以上150°未満を高撥水性有りとし、150°以上を超撥水性有りと定義する。
撥水性を発現させる機能性薄膜210としてSAM膜を採用した場合、SAM膜は、アルカンチオールまたは含フッ素フルオロカーボンチオールである。アルカンチオールは、CH(CHn1−1SHで表され、n1が2以上であればよい。含フッ素フルオロカーボンチオールは、フッ素鎖が単分子の一方の末端に、かつ、チオール基が単分子のもう一方の末端に設けられた任意の単分子である。
中でも、高撥水性を発現させるSAM膜は、上記アルカンチオールにおいてn1が4以上7以下である。さらに、金属複合材料100の膜厚が10nm以上40nm未満であることが好ましい。これにより確実に高撥水性を発現できる。なお、本明細書において、金属複合材料100の膜厚とは、上述のステップS210において付与された金属材料の膜厚を意図する。
さらに、超撥水性を発現させるSAM膜は、上記アルカンチオールにおいてn1が8以上である。n1の上限は特に規定しないが、良質なSAM膜を得るためには、n1は18以下が好ましい。加えて、金属複合材料100の膜厚が40nm以上であることが好ましい。膜厚の上限は特に規定しないが、用途に応じて適宜設定すればよい。超撥水性を発現させる含フッ素フルオロカーボンチオールには、例えば、CFSH(1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカンチオール:CF(CFCFCHCHSH)があるが、フッ素を含有しないアルカンチオールを採用することにより、高撥水性および超撥水性を発現し、これらを制御できることは、環境汚染の観点から好ましい。
このように、本発明による機能性金属複合基板200は、機能性薄膜210としてSAM膜の中でもアルカンチオールを選択し、アルキル鎖長と金属複合材料100の膜厚とを適宜変更することによって、撥水性から高撥水性さらには超撥水性まで制御することができる。
一方、撥水性を発現させる機能性薄膜210として高分子薄膜を採用した場合、高分子薄膜には疎水性ポリマーが採用される。具体的な疎水性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイソプロピレン、ポリブタジエン、ポリジエチルシロキサン、含フッ素ポリマーおよびこれらの共重合体等である。中でもポリプロピレンは、機能性金属複合基板200に高撥水性を発現させることができる。フッ素を含有しない高分子薄膜を採用することにより、高撥水性を発現できることは、環境汚染の観点から有効である。
また、含フッ素ポリマーは、超撥水性を発現に寄与し得る。平滑な基板表面に含フッ素プリマーを付与した場合には、高撥水性はしめすものの、超撥水性を発現することが困難であることが知られている(例えば、Ji−Qing Huangら, J. Fluorine Chem., 128(2007), 1469−1477、および、Masaya Hikitaら, Langmuir, 2004, 20, 5304−5310を参照されたい)。しかしながら、本発明のように、フレーク状150の表面を有し多孔性である金属複合材料100上では、空孔内の空気の存在により、基板と水との接触面積が極端に制限され、さらなる表面自由エネルギーの減少が起こり、効果的に超撥水性を発現し得ると考えられる。このような含フッ素ポリマーには、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ポリアクリル酸パーフルオロアルキル等がある。
本発明による高撥水性から超撥水性まで制御された機能性金属複合基板200は、金属複合材料100のフレーク状150に基づく特異な幾何学構造を有しており、その表面構造の防錆効果を有する。また、本発明による機能性金属複合基板200を金属複合材料100の金属に基づく特性(導電性、半導体性、磁性)を利用した電子材料として利用すれば、高/超撥水性を備えた電子材料となる。このような電子材料は、不濡性が要求されるMEMS/NEMSに好適である。さらに、金属複合材料100が白金やパラジウムである場合には、金属複合材料100のフレーク状150に基づく多孔性を利用した高/超撥水性を備えた触媒材料として有効である。
(2)親水性の制御
本発明による機能性金属複合基板200が金属複合材料100の表面自由エネルギーよりも高い表面自由エネルギーを有する機能性薄膜210を有する場合、機能性金属複合基板200は親水性を有する。このような機能性薄膜210を適宜選択することによって、機能性金属複合基板200の表面の濡れ性を、親水性、高親水性さらには超親水性まで制御できる。なお、本明細書では、水との接触角が90°未満を親水性有りとし、15°を超え40°以下を高親水性有りとし、15°以下を超親水性有りと定義する。
親水性を発現させる機能性薄膜210としてSAM膜を採用した場合、SAM膜は、アミノアルカンチオール(NH(CHn2SH:n2≧1)、カルボキシアルカンチオール(COOH(CHn3SH:n3≧1)およびヒドロキシアルカンチオール(HO(CHn4SH:n4≧1)からなる群から選択される。これらのSAM膜は、いずれも、金属複合材料100の表面エネルギーよりも高い表面エネルギーを有することが分かっている。n2、n3およびn4の上限は特に規定しないが、SAM膜の製造の容易性の観点から、n2、n3およびn4は8以上18以下が好ましい。これは、アルキル鎖間の疎水性相互作用(ファンデルワールス相互作用)が大きくなり、良質なSAM膜が得られやすくなるためである。
高親水性を発現させる場合、上記SAM膜の中でもカルボキシアルカンチオールおよびヒドロキシアルカンチオールが好ましい。さらに、金属複合材料100の膜厚を20nm以上50nm未満に設定すれば、確実に高親水性の金属複合基板200が得られる。超親水性を発現させる場合、上記SAM膜の中でもカルボキシアルカンチオールが好ましい。さらに、金属複合材料100の膜厚を50nm以上に設定すれば、確実に超親水性の金属複合基板200が得られる。膜厚の上限は特に規定しないが、用途に応じて適宜設定すればよい。
さらに、カルボキシアルカンチオールおよびアミノアルカンチオールのpHを制御することによっても超親水性を達成してもよい。これらのpHを制御することによって、これらの末端がそれぞれ−COOおよび−NH となり、電荷を帯びる。この結果、極性分子である水分子とこれらとの間の静電相互作用により超親水性が実現し得る。
一方、親水性を発現させる機能性薄膜210として高分子薄膜を採用した場合、高分子薄膜には親水性ポリマーを採用すればよい。しかしながら、親水性ポリマーは、水に溶解し、表面から剥離する可能性があるため、耐性が要求される用途には不向きであるが、短期間の使用または実験的用途であれば、SAM膜と比較して簡便かつ安価であるので有利である。
このように、本発明による機能性金属複合基板200は、機能性薄膜210としてSAM膜/高分子薄膜の種類と金属複合材料100の膜厚とを適宜変更することによって、親水性から高親水性さらには超親水性まで制御することができる。このような本発明による高親水性から超親水性まで制御された機能性金属複合基板200は、金属複合材料100のフレーク状150に基づく多孔性により軽量化され、耐久性を備えた防汚金属部材または防曇処理部材として好適である。また、高/超親水性を有するので、汚洗浄部材としても期待できる。
次に、本発明による機能性金属複合基板200を製造する方法を説明する。
図4は、本発明による機能性金属複合基板200を製造するフローチャートを示す図である。
本発明による機能性金属複合基板200の製造方法は、上述したステップS210を経て得られた金属複合材料100上に機能性薄膜210を形成するステップ(S410)を含む。
機能性薄膜210として図2および図3を参照して上述したSAM膜を採用する場合、金属複合材料100を上述のSAM膜を構成する単分子を含有する溶液中に少なくとも24時間浸漬させればよい。これにより、単分子は自己組織化的に金属複合材料100の金属原子と単分子が有するチオール基とが結合し、SAM膜を形成する。
一方、機能性薄膜210として図2および図3を参照して上述した高分子薄膜を採用する場合、金属複合材料100の表面モルフォロジを阻害しない程度の濃度に調整したポリマーを含有する溶液を、スピンコート法、滴下法、スプレー法またはディップ法により金属複合材料100上に物理的に付与すればよい。中でもスピンコート法は、より良質な高分子薄膜を得るに好ましい。
なお、ポリマーを物理的に金属複合材料100に付与することに加えて、チオールまたはシランカップリング基を介して基板上へポリマーを固定することも可能である。これにより、金属複合材料100と結合したチオールまたはシランカップリング基とポリマーとが化学結合するため、スピンコート法等の物理的な付与に比べて高分子薄膜と金属複合材料100との結合の強度を向上させることができる。また、金属複合材料100上にラジカル源がある場合は、金属複合材料100の表面よりポリマーのラジカル重合を施してもよい。この場合もやはり、高分子薄膜の強度を向上させることができるので、有利である。
以上では、機能性金属複合基板において撥水性から高/超撥水性まで発現する機能性薄膜として特定のSAM膜および高分子薄膜を、親水性から高/超親水性まで発現する機能性薄膜として別の特定のSAM膜を中心に説明してきたが、本発明はこれに限定されない。
光または熱等による刺激応答性のSAM膜または高分子薄膜を機能性薄膜として用いることにより光または熱によりさまざまな機能を発現させることも可能である。例えば、光応答性のSAM膜として、アゾベンゼン基を有するアゾベンゼンチオールを用いれば、アゾベンゼン基による光異性化を利用した濡れ性の制御が可能である。この場合、機能性金属複合基板に光を照射することによって、1つの機能性金属複合基板において、高/超撥水性と高/超親水性との両方の機能を制御することができる。
熱応答性のSAM膜として、ポリエチレングリコール(PEG)を有するPEGチオールを用いれば、温度に依存して、1つの機能性金属複合基板において、高/超撥水性と高/超親水性との両方の機能を制御することができる。
また、熱応答性の高分子薄膜として、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)またはポリエチレングリコール(PEG)を有するポリマーを用いれば、オリゴマーチオールと同様に、温度に依存して、1つの機能性金属複合基板において、高/超撥水性と高/超親水性との両方の機能を制御することができる。
さらに、機能性金属複合基板の金属複合材料は、フレーク状に起因したマイクロサイズの多孔構造を有する。このようなサイズを有する多孔構造は、DNA、たんぱく質またはウィルス等の生体分子を取り込む空孔に適している。したがって、このような濡れ性を制御した機能性金属複合基板の金属複合材料中のフレーク状の多孔内に上述の生体分子を固定してもよい。このような生体分子の固定は、機能性薄膜が官能基を有することにより容易になされる。これにより、機能性金属複合基板に、濡れ性の制御とともに生化学的機能またはセンサ機能を発現させ、生体適合基板に用いることができる。
当然のことながら、選択する機能性薄膜によっては、濡れ性の制御以外の機能を発現させることも可能であり、例えば、本発明の機能性金属複合基板において上述の生化学的機能またはセンサ機能を単独で発現させて使用してもよい。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
金属材料130(図1)がAuである金属複合材料100(図1)をSi基板(MEMC Electronic Materials製, p型, 鏡面研磨ウェハ)およびTEMグリッド(カーボン支持膜が付与されたCu製グリッド)上に形成した。Si基板は、アセトン洗浄し、純窒素ガスフローにより乾燥させた。特開2007−137809号公報に基づいて合成したフラーレン誘導体3,4,5C2060 1mMとなるよう1,4−ジオキサン4mL中に準備した(ステップS310)。
次に、ホットプレートを用いて、混合物を70℃まで加熱し、30分間保持した(ステップS320)。フラーレン誘導体が1,4−ジオキサンに完全に溶解したのを目視にて確認した。その後、溶液を室温(20℃)まで放冷し、エージングした(ステップS330)。溶液の底部に黒茶色の析出物が目視にて確認できた。
析出物を含む1,4−ジオキサン溶液をSi基板(またはTEMグリッド)上に塗布した(ステップS340)。塗布は、水面展開膜法によって行った。詳細には、容器内に水をはり、この水上に析出物を含む1,4−ジオキサン溶液を広げ、空気と水との界面に超分子組織体120を形成した。次いで、容器にSi基板(またはTEMグリッド)を垂直方向に浸漬させ、引上げた(垂直引き上げ法)。これにより、超分子組織体120が、水面からSi基板(またはTEMグリッド)の表面に移り塗布される。塗布後、Si基板(またはTEMグリッド)を自然乾燥させ、余剰の溶液を除去した。このようにして、Si基板(またはTEMグリッド)上に超分子組織体120が付与された基板(以降では、3,4,5C2060/Si基板(またはTEMグリッド)と称する)を得た。析出物をSEM(Philips製, XL30)により観察した。観察結果を図5に示し後述する。
次いで、3,4,5C2060/Si基板(またはTEMグリッド)上それぞれに金属材料130としてAuを10nm、20nm、30nm、40nm、50nmおよび60nm付与した(ステップS210)。Auは、MTM−20の膜厚コントローラを備えたJFC−1300 JEOL 自動スパッタコータにより付与した。なお、実際のAuの膜厚は、QCM膜厚モニタにより測定した。これらをAu/3,4,5C2060/Si基板(またはTEMグリッド)と呼ぶ。Tは、膜厚を示す。
その後、Au/3,4,5C2060/Si基板(またはTEMグリッド)をクロロホルムに60秒浸漬させた(ステップS220)。浸漬によって、3,4,5C2060が除去された金属複合材料Au/Si基板(またはTEMグリッド)を得た。Au10/Si基板およびAu50/Si基板について、SEM観察を行った。観察結果を図6および図7に示し後述する。
Au50/TEMグリッドについて、エネルギー分散型X線分析装置を備えた透過電子顕微鏡TEM−EDX(JEM−2100F, JEOL)を用いて、組成分析を行った。EDXによる元素マッピングの結果、および、EDXによるスペクトルをそれぞれ、図8および図9に示し後述する。
図5は、実施例1のフラーレン構造体のSEM像を示す図である。
図5に示すフラーレン構造体は、マイクロメートルサイズのフラワー状の球体であり、その表面は、ナノメートルスケールの皺の寄ったフレーク状であることを確認した。
図6は、実施例1のAu10/Si基板のSEM像を示す図である。
図7は、実施例1のAu50/Si基板のSEM像を示す図である。
図6および図7から、いずれも、フラワー状の形状が潰れた形状(球体形状が潰れた形状)が維持されていることを示す。また、その表面は、フレーク状であり、ナノサイズ〜サブミクロンサイズであることを確認した。得られた金属複合材料は、フレーク状の表面を有するため、比表面積が大きいことが示唆される。また、注目すべきことは、Au10/Si基板(図6)と、Au50/Si基板(図7)との表面粗さを比較すると、膜厚の厚いAu50/Si基板の方がより大きな表面粗さを有することが分かる。図示しないが、その他の膜厚の表面も同様にSEMにより観察したところ、T=10nmの膜厚の表面粗さがもっとも小さく、T=60nmの膜厚の表面粗さがもっとも大きく、膜厚の増大につれて、表面粗さが増大することを確認した。このことから、付与される金属材料の膜厚は、得られる金属複合材料の表面粗さに寄与しており、金属材料の膜厚が大きいほど、金属複合材料の表面粗さが大きいことを示唆する。
図8は、実施例1のAu50/TEMグリッドのEDX−TEMによるAuマッピングを示す図である。
図9は、実施例1のAu50/TEMグリッドのEDX−TEMによるEDXスペクトルを示す図である。
図8においてコントラストの明るく示される領域は、Auが位置することを示す。また、図9によれば、AuおよびCの顕著なピークを示した。なお、Cは、超分子組織体(3,4,5C2060)ではなく、TEMグリッド上のカーボン支持膜によるものである。このことからも、超分子組織体(3,4,5C2060)をテンプレートとして、Auからなる金属複合材料が得られたことが示される。
実施例1で製造した膜厚50nmまたは60nmを有するAuからなる金属複合材料100(図1)上に各種機能性薄膜210(図2)を付与した機能性金属複合基板200(図2)を製造し、その濡れ性の機能性薄膜依存性について調べた。機能性薄膜210として、CH(CHn1−1SH(n1=4、6、8、11および16)のアルカンチオールからなるSAM膜、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカンチオールの含フッ素フルオロカーボンチオールからなるSAM膜、ポリプロピレンの高分子からなる高分子薄膜、NH(CH10SHのアミノアルカンチオールからなるSAM膜、HO(CH10SHのヒドロキシアルカンチオール、および、COOH(CH10SHのカルボキシアルカンチオールからなるSAM膜をそれぞれ用いた。
SAM膜を形成する具体的な製造手順を示す。Au/Si基板(T=50または60)を2分間Oプラズマ処理した。これにより、表面に付着していた有機種からなる不純物を完全に除去した。次いで、Oプラズマ処理されたAu/Si基板を2mMの各種SAM膜を構成する単分子を含有するエタノール溶液に24時間以上浸漬させた。これにより、各種単分子からなるSAM膜が自己組織化的に金属複合材料上に形成される。その後、SAM膜が形成されたAu/Si基板をエタノール溶液から取り出し、純エタノールで洗浄し、純窒素ガスで乾燥させた。このようにして得られた各種機能性金属複合基板を単にCn1SH(n1=4、6、8、11および16)、CF3SH、NH2、OHおよびCOOHと称する。
高分子薄膜を形成する具体的な製造手順を示す。同様にAu/Si基板(T=50または60)をOプラズマ処理し、ポリプロピレンを含有する飽和アセトン溶液を用いてスピンコートした。上記アセトン溶液0.5mLをAu/Si基板上に滴下し、回転速度2400rpm、回転時間60秒のスピンコート条件で行った。このようにして得られた機能性金属複合基板を単にPPEと称する。
SAM膜を有する機能性金属複合基板について、単色化Al−Kα線励起によるX線光電子分光法(XPS)を行った。データをKratos Analytical(UK)から入手した。C11SHおよびCOOHの結果を図10および図11に示し後述する。
得られた各種機能性薄膜210を有する機能性金属複合基板について、水との接触角を測定した。測定は、接触角測定システムG10装置(Kruss, Germany)を用い、大気中で行った。結果を図12に示し後述する。また、C11SH、CF3SHおよびCOOH上の水滴の様子を撮影した。これらの結果を、図13〜図15に示す。
図10は、実施例2のC11SHのS2pのXPSスペクトルを示す図である。
図11は、実施例2のCOOHのS2pのXPSスペクトルを示す図である。
図10および図11によれば、C11SHおよびCOOHのS2pのピークは、いずれも、161.7eVおよび162.8eVに観測された。161.7eVのピークは、AuとSとが結合し、密充填で配列した場合に見られるピークに良好な一致を示した。なお、162.8eVのピークは、結合していないチオール、もしくは、測定中にAuから解離したチオールに帰属される。図示しないが、C11SHおよびCOOHのC1sのXPSスペクトルによれば、C1sのピークは、284.7eVに観測された。これは、表面にある官能基または汚染炭素に起因するC−C結合を示す。このことからも、Auからなる金属複合材料に単分子CH−C10−SHおよびCOOH−C10−SHが結合し、CH−C10−SHおよびCOOH−C10−SHからなるSAM膜がそれぞれ形成されたことが示唆される。図示しないが、その他のCn1SH、CF3SH、NH2およびOHについても同様の結果が得られた。
図12は、実施例2の機能性金属複合基板における水との接触角の機能性薄膜種依存性を示す図である。
図12から、アルカンチオールおよび含フッ素フルオロカーボンチオールからなるSAM膜を有する機能性金属複合基板、および、PPEからなる高分子薄膜を有する機能性金属複合基板は、撥水性を示すことを確認した。アルカンチオールからなるSAM膜(図12のC4SH、C6SH、C8SH、C11SHおよびC16SH)を有する機能性金属複合基板の撥水性に注目すると、アルカンチオールのアルキル鎖が長くなるにつれて(n1が増大するにつれて)、撥水性が増大し、超撥水性となることが分かる。詳細には、n1が4以上7以下であれば、機能性金属複合基板は高撥水性を有し、n1が8以上であれば、機能性金属複合基板は超撥水性を有する。このことは、撥水性の程度の制御は、機能性薄膜の種類の選択に加えて、アルキル鎖長の変更によっても調整できることを示唆する。
図12から、ポリプロピレンからなる高分子薄膜を有する機能性金属複合基板(PPE)は高撥水性を示すことを確認した。高分子の種類の選択の変更によって撥水性の程度を変更できる。
アミノアルカンチオールからなるSAM膜、ヒドロキシアルカンチオールからなるSAM膜およびカルボキシアルカンチオールからなるSAM膜をそれぞれ有する機能性金属複合基板は、親水性を示すことを確認した。同じ膜厚(50nm)を有する金属複合材料であっても、用いるSAM膜の種類によって、親水性の程度を制御できる。詳細には、ヒドロキシアルカンチオールからなるSAM膜を有する機能性金属複合基板は高親水性を示し、カルボキシアルカンチオールからなるSAM膜を有する機能性金属複合基板は超親水性を示した。
図13は、実施例2のC11SH上の水滴の様子を示す図である。
図14は、実施例2のCF3SH上の水滴の様子を示す図である。
図12よりC11SHにおける接触角は157±1°であり、図13からも、C11SH上の水滴はほぼ球状を維持しており、超撥水性であることが分かる。図12よりCF3SHにおける接触角は170±4°であり、図14からも、CF3SH上の水滴はほぼ球状を維持しており、超撥水性であることが分かる。フッ素は極めて表面自由エネルギーが低く、超撥水性を発現しやすいことが知られているが、本発明によれば、フッ素を含有しない、アルカンチオールおよび高分子でも超/高撥水性を発現できるので、環境汚染の心配がなく有利である。
図15は、実施例2のCOOH上の水滴の様子を示す図である。
図12よりCOOHにおける接触角11±4°であり、図15からも、COOH上の水滴は球状を維持することなく、COOHの表面に膜状に広がっており、超親水性であることが分かる。
実施例1で得られた各種厚さを有する金属複合材料を用いて、撥水性を発現する機能性金属複合基板200(図2)を製造し、撥水性の膜厚依存性を調べた。機能性薄膜210(図2)であるSAM膜として、CH(CHn1−1SHにおいてn1=11であるCH−C10−SH(1−ウンデカンチオール)の単分子を用いた。具体的な製造手順は実施例2と同様であるため説明を省略する。
このようにして得られた各種厚さを有する金属複合材料からなる機能性金属複合基板について、水との接触角を測定した。結果を図16に示す。
図16は、実施例3の機能性金属複合基板における水との接触角の金属複合材料の膜厚依存性を示す図である。
図16から、金属複合材料の膜厚に係わらず、CH−C10−SH単分子からなるSAM膜を有する機能性金属複合基板は、90°以上の接触角を有し、撥水性を示すことを確認した。注目すべきことに、金属複合材料の膜厚が増大するにつれて、接触角も増大した。詳細には、金属複合材料の膜厚が10nm以上40nm未満では、接触角は110°以上150°未満の範囲であり、機能性金属複合基板は高撥水性を示し、属複合材料の膜厚が40nm以上では、接触角は150°以上の範囲であり、機能性金属複合基板は超撥水性を示した。
これは、機能性金属複合基板の撥水性の程度は、図6および図7を参照して説明した金属複合材料の表面粗さの程度と関係する。すなわち、機能性金属複合基板が低い撥水性を有する場合、金属複合材料の表面粗さは低く(金属複合材料の膜厚は小さく)、機能性金属複合基板が高い撥水性を有する場合、金属複合材料の表面粗さは高い(金属複合材料の膜厚は大きい)。このことから、機能性薄膜の種類の選択およびアルキル鎖長の変更に加えて、金属複合材料の膜厚を変化させることによっても、撥水性の程度(高撥水性から超撥水性まで)を制御できることを確認した。
実施例1で得られた各種厚さを有する金属複合材料を用いて、親水性を発現する機能性金属複合基板200(図2)を製造し、撥水性の膜厚依存性を調べた。機能性薄膜210(図2)のSAM膜として、COOH(CHn3SHにおいてn3=10であるCOOH−C10−SH(11−メルカプト−ウンデカン酸)の単分子を用いた。具体的な製造手順は実施例2と同様であるため説明を省略する。
このようにして得られた各種厚さを有する金属複合材料からなる機能性金属複合基板について、水との接触角を測定した。結果を図17に示す。
図17は、実施例4の機能性金属複合基板における水との接触角の金属複合材料の膜厚依存性を示す図である。
図17から、金属複合材料の膜厚に係わらず、COOH−C10−SH単分子からなるSAM膜を有する機能性金属複合基板は、90°未満の接触角を有し、親水性を示すことを確認した。注目すべきことに、金属複合材料の膜厚が増大するにつれて、接触角は減少した。詳細には、金属複合材料の膜厚が20nm以上50nm未満では、接触角は15°を超え40°以下の範囲であり、機能性金属複合基板は高親水性を示し、金属複合材料の膜厚が50nm以上では、接触角は15°以下の範囲であり、機能性金属複合基板は超親水性を示した。
これは、機能性金属複合基板の親水性の程度は、実施例3で説明した撥水性の程度と同様に、金属複合材料の表面粗さの程度と関係する。すなわち、機能性金属複合基板が低い親水性を有する場合、金属複合材料の表面粗さは低く(金属複合材料の膜厚は小さく)、機能性金属複合基板が高い親水性を有する場合、金属複合材料の表面粗さは高い(金属複合材料の膜厚は大きい)。このことから、機能性薄膜の種類の選択に加えて、金属複合材料の膜厚を変化させることによっても、親水性の程度(親水性から高親水性、さらに超親水性まで)を制御できることを確認した。
<比較例1>
実施例1において膜厚が50nmのAu50/Si基板の表面をOプラズマ処理した後、水との接触角を測定した。その結果、超親水性を示すことを確認した。しかしながら、大気中にさらす時間が経過するとともに、表面に不純物が付着し、接触角は増大し、親水性を損なうことが分かった。このことからも、本発明による機能性薄膜を有する機能性金属複合材料は、このように濡れ性が経時変化することはないので、有効であることが示される。
上述したように、本発明による機能性金属複合基板は、金属複合材料と機能性薄膜とから構成されており、金属複合材料の金属に基づく特性と、多孔性に基づく特性と、機能性薄膜による特性とを併せ持ち、これにより多用な機能を発現し得る。このような機能性金属複合基板は、高/超撥水性を発現する場合には防錆材料、MEMS/NEMS、触媒材料に利用され、高/超親水性を発現する場合には、防汚金属部材、防曇処理基板、汚洗浄機能に利用され、さらに、機能性薄膜が各種官能基を有する場合には、上記に加えて、生化学的機能またはセンサ機能を有する機能性金属複合基板を提供できるので、生体適合基板などにも適用できる。
本発明で用いる金属複合材料の模式図 本発明による機能性金属複合基板の模式図 本発明による機能性金属複合基板の細部を示す模式図 本発明による機能性金属複合基板200を製造するフローチャートを示す図 実施例1のフラーレン構造体のSEM像を示す図 実施例1のAu10/Si基板のSEM像を示す図 実施例1のAu50/Si基板のSEM像を示す図 実施例1のAu50/TEMグリッドのEDX−TEMによるAuマッピングを示す図 実施例1のAu50/TEMグリッドのEDX−TEMによるEDXスペクトルを示す図 実施例2のC11SHのS2pのXPSスペクトルを示す図 実施例2のCOOHのS2pのXPSスペクトルを示す図 実施例2の機能性金属複合基板における水との接触角の機能性薄膜種依存性を示す図 実施例2のC11SH上の水滴の様子を示す図 実施例2のCF3SH上の水滴の様子を示す図 実施例2のCOOH上の水滴の様子を示す図 実施例3の機能性金属複合基板における水との接触角の金属複合材料の膜厚依存性を示す図 実施例4の機能性金属複合基板における水との接触角の金属複合材料の膜厚依存性を示す図
符号の説明
100 金属複合材料
110 基材
120 超分子組織体
130 金属材料
140 除去痕跡様孔の形状
150 フレーク状
160 フラーレン構造体
200 機能性金属複合基板
210 機能性薄膜
310 単分子
320 高分子

Claims (11)

  1. 機能性金属複合基板であって、
    金属複合材料と、前記金属複合材料の表面に設けられた機能性薄膜とを含み、
    前記金属複合材料は、フラクタル表面構造を持つ超分子組織体の除去痕跡様孔の形状を有し、前記形状の表面がフレーク状であり、
    前記機能性薄膜は、自己組織化単分子膜(SAM膜)または高分子薄膜のいずれかであることを特徴とする、機能性金属複合基板。
  2. 請求項1に記載の機能性金属複合基板において、
    前記機能性薄膜は、前記金属複合材料の表面自由エネルギーよりも低い表面自由エネルギーを示し、前記機能性金属複合基板が撥水性を有することを特徴とする、機能性金属複合基板。
  3. 請求項2に記載の機能性金属複合基板において、
    前記SAM膜は、アルカンチオール(CH(CHn1−1SH(n1≧2))または含フッ素フルオロカーボンチオールであり、
    前記高分子薄膜は、ポリプロピレンであることを特徴とする、機能性金属複合基板。
  4. 請求項3に記載の機能性金属複合基板において、
    前記n1は、n1≧8を満たすことを特徴とする、機能性金属複合基板。
  5. 請求項4に記載の機能性金属複合基板において、前記金属複合材料の厚さは40nm以上であることを特徴とする、機能性金属複合基板。
  6. 請求項1に記載の機能性金属複合基板において、
    前記機能性薄膜は、前記金属複合材料の表面自由エネルギーよりも高い表面自由エネルギーを示し、前記機能性金属複合基板が親水性を有することを特徴とする、機能性金属複合基板。
  7. 請求項6に記載の機能性金属複合基板において、
    前記SAM膜は、アミノアルカンチオール(NH(CHn2SH:n2≧1)、カルボキシアルカンチオール(COOH(CHn3SH:n3≧1)およびヒドロキシアルカンチオール(HO(CHn4SH:n4≧1)からなる群から選択されることを特徴とする、機能性金属複合基板。
  8. 請求項7に記載の機能性金属複合基板において、前記金属複合材料の厚さは50nm以上であることを特徴とする、機能性金属複合基板。
  9. 請求項1に記載の機能性金属複合基板において、
    前記超分子組織体は、二分子膜構造を基盤ナノ組織構造として有する、フラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体が層状に組織化されており、
    前記フラーレン誘導体は、式(1)で示され、式(2)で示されるフラーレン部位Aと、前記フラーレン部位に結合したベンゼン環と、前記ベンゼン環の3,4,5位それぞれに結合した第1〜第3の置換基R、RおよびRとを含み、
    ここで、前記式(1)において、前記第1および第2の置換基R、Rのそれぞれは、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖であり、
    前記第3の置換基Rは、水素原子であるか、または、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖のいずれかであり、
    前記式(2)において、(Fu)はフラーレンを、Xは水素原子またはメチル基を示し、前記フラーレン部位Aの含窒素5員環に前記ベンゼン環が結合していることを特徴とする、機能性金属複合基板。
  10. フラクタル表面構造を持つ超分子組織体の除去痕跡様孔の形状を有し、前記形状の表面がフレーク状である金属複合材料上に、自己組織化単分子膜(SAM膜)または高分子薄膜のいずれかである機能性薄膜を形成する形成ステップからなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の機能性金属複合基板を製造する方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、前記形成するステップに先立って、
    フラクタル表面構造を有する超分子組織体上に金属材料を付与する付与ステップと、
    前記付与ステップによって得られた複合材料を前記超分子組織体の良溶媒に浸漬させる浸漬ステップと
    をさらに包含することを特徴とする、方法。
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