JP5388411B2 - 低放射化セメント及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、低放射化コンクリートに使用される低放射化セメント及びその製造方法に関する。
低放射化コンクリートとは、放射線遮蔽機能のみならず残留放射能の低減機能を兼ね備えたコンクリートであり、原子力関連施設や加速器施設等で使用されている。従来、この低放射化コンクリートに使用されるセメントとして、白色セメントやハイアルミナセメントが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。これらのセメントは、クリアランスレベル濃度比に対する支配核種となる152Eu(半減期T1/2=13.54年)や154Eu(半減期T1/2=8.593年)や60Co(半減期T1/2=5.271年)の親元素であるEuやCoの含有量が、普通ポルトランドセメントや高炉セメントをはじめとする他のセメントに比べて少ないことが特徴である(例えば、非特許文献2、非特許文献3参照)。しかし、白色セメントはハイアルミナセメントに比べて低放射化機能が劣り、また、ハイアルミナセメントは相転移(コンバージョン)により長期強度の維持が困難といった課題があった。なお、クリアランスレベルを満足するためのEuやCoの含有限界量として、例えばEuで0.3mg/kg未満、Coで15mg/kg未満にする必要があると言われている(例えば、非特許文献3参照)。
一方、CaO−Al−SiO系ガラスからなる水硬性化合物が知られている(例えば、特許文献2、非特許文献4参照)。これは、水と反応してハイドロガーネット(3CaO・Al・6HO)やストラトリンガイト(2CaO・Al・SiO・8HO)を主体とする水和物を生成し、耐硫酸塩抵抗性や耐酸性に優れることが知られている(例えば、非特許文献4参照)。しかしながら、低放射化セメントに応用することについては、記載がない。
セメント質物質、超微粉、高性能減水剤及び水を主成分とする材料、カルシウムアルミネート、超微粉及び高性能減水剤を主成分とする材料も知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。しかしながら、CaO、Al、SiOの化学組成は本発明と異なる(例えば、非特許文献5参照)。
特開昭62−133394号公報 米国特許公開公報第4605443号明細書 特許第2501576号公報 特開昭61−215999号公報 金野正晴、「低放射化コンクリートの開発の現況」、コンクリート工学、社団法人日本コンクリート工学協会、2004年6月、第42巻、第6号、p.3−10 Masaharu KINNO, Ken-ichi KIMURA and Takashi NAKAMURA, "Raw Materialsfor Low-Activation Concrete Neutron Shields", Journal of NUCLEAR SCIENCE andTECHNOLOGY, December 2002, Vol. 39, No. 12, p. 1275-1280 白井孝治、園部亮二、「コンクリートキャスク用低放射化・高性能材料の開発」、電力中央研究所報告、財団法人電力中央研究所、2005年7月、N04033号 JOHN F. MacDOWELL, "STRATLINGITEAND HYDROGARNET FROM CALCIUM ALUMINOSILICATE GLASS CEMENTS", Mat. Res. Soc.Symp. Proc., Materials Research Society, 1991, Vol. 179, p. 159-179 セメントの材料化学、荒井康夫著、大日本図書、第204−205頁、表6・1、第210−211頁、表6・4
本発明の目的は、低放射化セメント及びその製造方法を提供することである。
すなわち本発明は、下記条件(1)〜()を満たす低放射化セメントであり、
(1)低放射化セメントが、低放射化セメント100部中、CaOを43〜52部、Al17〜37部、SiO13〜32部含有してなり、Eu含有量が0.3mg/kg未満、Co含有量が15mg/kg未満であること。
(2)低放射化セメントが、低放射化セメントクリンカーとカルシウムアルミネートの混合物であり、低放射化セメントクリンカーとカルシウムアルミネートの混合物100部中、カルシウムアルミネートを5〜30部混合すること。
(3)カルシウムアルミネートが、カルシウムアルミネート100部中、CaOを7〜41部、Alを43〜90部、SiOを2〜7部含有すること。
(4)水粉体比が20%以上40%以下であること。
低放射化セメントクリンカーとカルシウムアルミネートが、CaO原料、バイヤー法アルミナであるAl原料、SiO原料を配合し、1500℃以上で溶融して製造する該低放射化セメントであり粒度が、ブレーン比表面積で4800〜8000cm/gであり、ガラス化率が45%以上であることを特徴とする該低放射化セメントであり、Eu含有量が0.3mg/kg未満、Co含有量が15mg/kg未満である原料を用いて製造してなることを特徴とする該低放射化セメントの製造方法である。
本発明によれば、放射線遮蔽性能を有する低放射化セメントコンクリート構造物を提供できる。
本発明でいう「クリアランスレベル」とは、放射線防護に係る規制の体系から外してもよい物を区分するための判断基準となる放射性核種の濃度を指す。例えば原子力委員会報告書「主な原子炉施設におけるクリアランスレベル」によれば、10μSv/年に相当する放射性核種の濃度として、152Eu、154Eu、60Coの各放射性核種で0.4Bq/g未満とされている。
本発明で使用する部や%は、特に規定のない限り質量基準である。また、本発明でいうセメントコンクリートとは、セメントペースト、モルタル及びコンクリートを総称するものである。
本発明でいう低放射化セメントとは、クリアランスレベル濃度比に対する支配核種となる152Euや60Coの親元素となるEuやCoの含有量が、Euで0.3mg/kg未満、Coで15mg/kg未満である水硬性組成物を指す。これらの範囲を超える水硬性組成物を原子力施設等で使用すると、セメントコンクリート中に含まれるEuやCoが152Euや60Coに壊変して放射能を帯び、メンテナンス時に作業員が被爆したり、施設解体時に大量の放射性廃棄物が発生したりするおそれがある。
低放射化セメント中に含まれるEuやCo含有量は、Euで0.3mg/kg未満、Coで15mg/kg未満であることが好ましく、Euで0.08mg/kg未満、Coで2mg/kg未満であることがより好ましい。
つぎに、本発明の低放射化セメントの製造方法について説明する。本発明の低放射化セメントは、化学成分としてCaO、Al、SiOを主成分とする。
CaO原料は特に限定されないが、例えば生石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH))、石灰石(CaCO)等の使用が挙げられる。いずれもクリアランスレベルを満足するCaO原料の使用が好ましい。
本発明で使用するAl原料の選択は特に限定されないが、クリアランスレベルを満足するAl原料の使用が好ましい。コスト面、入手し易さの点からバイヤー法アルミナの使用が好ましい。
バイヤー法アルミナとは、原料であるボーキサイトをオートクレーブで苛性ソーダに溶解させ、精製溶液から水酸化アルミニウムを晶出させ、それをロータリーキルン中1200℃以上で焼成することによって得られるα−アルミナである。本発明に使用するバイヤー法アルミナは特に限定されないが、化学組成でAl成分が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。また、本発明に使用するバイヤー法アルミナに含まれるNaO含有量は0.5%以下が好ましく、0.3%以下がより好ましい。NaO含有量が0.5%を超えると、低放射化セメントにしたときに、流動性の低下が生じたり、あるいは熱中性子によって短寿命核種である24Na(半減期T1/2=14.96時間)が生成したりするため好ましくない。
本発明で使用するSiO原料は特に限定されないが、例えばケイ石、ケイ砂、石英、ケイ藻土等の使用が挙げられる。いずれもクリアランスレベルを満足するSiO原料の使用が好ましい。
低放射化セメントの原料中に含まれる成分について、Eu含有量が0.3mg/kg未満、Co含有量が15mg/kg未満であることが好ましく、Eu含有量が0.08mg/kg未満、Co含有量が2mg/kg未満であることがより好ましい。これら原料を所定の割合で配合した後、電気炉や高周波炉、もしくはキルン炉で溶融し、急冷却し、ガラス化することにより、低放射化セメントクリンカーを製造する。溶融温度は1500℃以上が好ましく、1600℃以上がより好ましい。1500℃未満では原料の溶融が不十分であったり、急冷却によりガラス化できなかったりする場合がある。
低放射化セメントクリンカーのガラス化率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。ガラス化率が70%未満では十分な水和活性が得られない場合がある。ガラス化率の測定方法は、下記に示すX線回折リートベルト法により行なった。粉砕した試料に酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等の内部標準物質を所定量添加し、メノウ乳鉢で十分混合したのち、粉末X線回折測定を実施する。測定結果を定量ソフトで解析し、ガラス化率を求める。定量ソフトには、Sietronics社製の「SIROQUANT」等を用いることができる。
本発明の低放射化セメントは、低放射化セメントクリンカーを粉砕することにより製造することも可能である。低放射化セメントは、CaO40〜55部、Al12〜40部、SiO10〜38部を含有することが好ましく、CaOが43〜52部、Al17〜37部、SiO13〜32部を含有することがより好ましい。例えば、カルシウムアルミネートを混合しない場合、CaO46〜52部、Al16〜22部、SiO29〜34部を含有することがより好ましい。この範囲外では十分な水和活性が得られず、所定の強度が得られない場合がある。
流動性の向上を目的に、CaO40〜55部、Al16〜40部、SiO10〜34部の組成物70〜95部と、カルシウムアルミネート5〜30部を混合することが好ましく、CaO40〜55部、Al16〜40部、SiO10〜34部の組成物75〜90部と、カルシウムアルミネート10〜25部を混合することがより好ましい。カルシウムアルミネートの混合量が5部未満では、低放射化セメントの流動性向上は認められない場合があり、逆に30部を超えると、流動性の向上は認められず、不経済となる場合がある。
本発明で使用するカルシウムアルミネートは、CaO5〜41部、Al41〜95部、SiO0〜7部含有することが好ましく、CaO7〜41部、Al43〜90部、SiO2〜7部含有することがより好ましい。その原料と製造方法は、上記低放射化セメントクリンカーと同じである。Al原料は、コスト面、入手し易さの点からバイヤー法アルミナの使用が好ましい。カルシウムアルミネートのガラス化率は特に限定されない。鉱物相としてCaO・AlやCaO・2Alを含むことも可能である。
また、本発明の低放射化セメントの特性を損なわない範囲内で、未反応のCaOや未反応のAl、あるいはダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO)やゲーレナイト(2CaO・Al・SiO)を少量含有することも可能である。低放射化セメントの最終製品となったときに、未反応のCaOは2%以下、未反応のAlは10%以下が好ましい。
低放射化セメントクリンカーのみの粉砕方法、もしくは低放射化セメントクリンカーとカルシウムアルミネートの混合・粉砕方法は特に限定されないが、例えば、ローラーミル、ジェットミル、チューブミル、ボールミル、振動ミル等の粉砕機を使用する方法が挙げられる。いずれの装置を用いる場合でも、耐磨耗性に優れ、かつEuやCo含有量の少ない材質からなる粉砕機を使用する方法が好ましい。
これらの粉砕機により、低放射化セメントクリンカーのみを粉砕して得られる低放射化セメント、もしくは低放射化セメントクリンカーとカルシウムアルミネートを混合・粉砕して得られる低放射化セメントの粒度は、ブレーン比表面積で2000〜8000cm/gが好ましく、4000〜6000cm/gがより好ましい。2000cm/g未満では、水和活性が不十分で強度が不足する場合があり、8000cm/g以上では粉砕動力がかかりすぎて不経済になる場合がある。
低放射化セメント中のEuやCo含有量は、例えばJIS R 2522に準じて前処理を行なった後、ICP−AESやICP−MSを用いて分析を行なうことにより求めることができる。また、放射化分析法によっても低放射化セメント中のEuやCo含有量を求めることができる。
本発明の低放射化セメントをセメントコンクリート組成物として用いる場合、水粉体比は特に限定されないが60%以下であることが好ましい。より好ましくは50%以下である。最も好ましくは40%以下である。水粉体比が60%より大きくなると、低放射化硬化体の組織が粗となり、遮蔽性能が劣るために好ましくない。水粉体比の下限値は20%以上である。より好ましくは25%以上である。
本発明と併用する骨材としては、低放射化機能を有する骨材、例えば電溶アルミナ、石灰石等を使用することが好ましい。また、低放射化セメントに減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、流動化剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、凝結調整剤、シリカ、アルミナ、石灰石微粉末、コレマナイト、ジルコニア、ボロンカーバイド、ベントナイト等の粘土鉱物及びハイドロタルサイト等のアニオン交換体、ビニロン繊維、アクリル繊維、炭素繊維等の繊維状物質のうち一種または二種以上を本発明の目的を阻害しない範囲で使用することができる。
本発明により、放射線遮蔽性能のみならず、低放射化機能を兼ね備えた低放射化セメントが得られる。
(実施例1)
表1に記載の原材料を組み合わせて所定の割合となるように秤量して混合粉砕を行ない、白金皿に入れて1600℃で1時間溶融させた。1時間溶融した後、溶融試料の入った白金皿をウォーターバス上に入れて急冷却し、試料をガラス化した。一部冷却速度を遅くして、ガラス化率の低い試料も調製した。その後、各試料は、ディスク型ミルを用いてブレーン比表面積が6000cm/gとなるまで粉砕を行ない、低放射化セメントを調製した。なお、粉砕時に、低放射化セメントとカルシウムアルミネートの混合物100部中、表1に示す量のカルシウムアルミネートを加え、混合・粉砕した低放射化セメントも調製した。各試料中に含まれるEuとCo含有量を所定の方法で測定した結果を表1と表2に示す。なお、参考例として、白色セメントやハイアルミナセメントのEu、Co含有量を示す。
(使用材料)
CaO原料1:新潟県糸魚川産、石灰石焼成品
Al原料1:日本軽金属社製、バイヤー法により得られた酸化アルミニウム(原料であるボーキサイトをオートクレーブで苛性ソーダに溶解させ、精製溶液から水酸化アルミニウムを晶出させ、それをロータリーキルン中1200℃以上で焼成することによって得られた酸化アルミニウム)
Al原料2:中国産、ボーキサイト
SiO原料1:インド産、珪石
白色セメント:太平洋セメント社製、商品名「ホワイトセメント」
ハイアルミナセメント:電気化学工業社製、商品名「ハイアルミナセメント」、ブレーン比表面積4800cm/g
カルシウムアルミネートI:CaO原料1 7.26kg、Al原料1 5.24kg、SiO原料1 0.64kgを秤量して振動型ポットミルを用いて混合、粉砕し、1600℃の電気炉中で1時間溶融した後、溶融試料の入った白金皿をウォーターバス上に入れて急冷却し、試料をガラス化し、カルシウムアルミネートを合成した。ブレーン比表面積4800cm/g
カルシウムアルミネートII:電気化学工業社製、商品名「ハイアルミナセメント」、ブレーン比表面積4800cm/g
(測定方法)
化学組成:JIS R 5202に準じて、CaO、Al、SiOの組成を求めた。
放射化成分含有量(Eu、Co含有量試験):低放射化セメント中のEuやCo含有量の測定は、まずJIS R 2522に準じてセメントの前処理を行なったあと、ICP−AES(SIIナノテクノロジー社製、VISTA−PRO型)を用いてEu含有量とCo含有量の測定を行なった。
ガラス化率:低放射化セメント4.5部に酸化マグネシウム0.5部を添加し、メノウ乳鉢で十分混合したのち、粉末X線回折測定を実施した。測定結果をSietronics社製定量ソフト「SIROQUANT」で解析し、ガラス化率を求めた。
Figure 0005388411
Figure 0005388411
(実施例2)
表2に示す低放射化セメントの残留放射能を所定の方法で測定した。結果を表3に示す。
(測定方法)
残留放射能測定試験:熱中性子照射後の残留放射能の測定は、まず試料100mgを石英管(外径7mm、長さ40mm、厚さ1mm、SiO純度99.99997%)に封入し、JMTR(材料試験炉)にて40分間、熱中性子を照射(公称熱中性子束3.5×1013ncm−2−1(3.5MW最大出力時))して6ヶ月冷却した後、放射性核種の放射能濃度をGe半導体検出器により測定した。154Eu、152Eu、60Coの各放射性核種由来の放射能が0.3Bq/g未満である場合を良とし、0.4Bq/g未満である場合を可とし、0.4Bq/g以上である場合を不可とした。
Figure 0005388411
表2、表3から、本発明の低放射化セメントは、EuやCo含有量が少ないため、低放射化機能に優れていることがわかる。
(実施例3)
表4に示す低放射化セメント100部、JIS標準砂300部、水40部からなるモルタルを20℃環境下で調製した。このモルタルを40×40×160mmに成型して材齢1日後に脱型し、圧縮強度試験を行なった。結果を表4に示す。
(使用材料)
砂:JIS標準砂
水:水道水
(測定方法)
圧縮強度試験:JIS R 5201に準じて40×40×160mmの供試体を作製し、7日、14日の圧縮強度を測定した。1日で脱型した供試体をビニール袋に入れ、20℃室内で7日間静置して圧縮強度を測定した。その後、さらに供試体を40℃の室内で14日間静置して圧縮強度を測定した。また、得られた結果から、式1で定義される強度比を算出した。
(式1)強度比(%)=圧縮強度(40℃、14日)/圧縮強度(20℃、7日)×100
フロー試験:JIS R 5201に準じてモルタルを調整し、練混ぜ直後、30分後の静置フローを測定した。
Figure 0005388411
表4の実施例と参考例にあるハイアルミナセメントの強度比を比べると、本発明の低放射化セメントは、ハイアルミナセメントのように100%を割ることがなく、長期の強度維持が可能であることがわかる。カルシウムアルミネートを混合しない場合、CaO46〜52部、Al16〜22部、SiO29〜34部の化学組成を有する低放射化セメントが、強度が大きく、かつ、強度比が大きいことがわかる。カルシウムアルミネートを適量混合することにより、流動性が向上することがわかる。
本発明の低放射化セメントは、放射線遮蔽性能のみならず、残留放射低減機能を兼ね備えているので、原子力施設や加速器施設等のセメントコンクリート構造物に好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 下記条件(1)〜()を満たす低放射化セメント。
    (1)低放射化セメントが、低放射化セメント100部中、CaOを43〜52部、Al17〜37部、SiO13〜32部含有してなり、Eu含有量が0.3mg/kg未満、Co含有量が15mg/kg未満であること。
    (2)低放射化セメントが、低放射化セメントクリンカーとカルシウムアルミネートの混合物であり、低放射化セメントクリンカーとカルシウムアルミネートの混合物100部中、カルシウムアルミネートを5〜30部混合すること。
    (3)カルシウムアルミネートが、カルシウムアルミネート100部中、CaOを7〜41部、Alを43〜90部、SiOを2〜7部含有すること。
    (4)水粉体比が20%以上40%以下であること。
  2. 低放射化セメントクリンカーとカルシウムアルミネートが、CaO原料、バイヤー法アルミナであるAl原料、SiO原料を配合し、1500℃以上で溶融して製造する請求項1に記載の低放射化セメント。
  3. 粒度が、ブレーン比表面積で4800〜8000cm/gであり、ガラス化率が45%以上であることを特徴とする請求項1〜のうちの1項に記載の低放射化セメント。
  4. Eu含有量が0.3mg/kg未満、Co含有量が15mg/kg未満である原料を用いて製造してなることを特徴とする請求項1〜のうちの1項に記載の低放射化セメントの製造方法。
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JP2018004648A (ja) 低活性化コンクリートの組成及びその使用

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