JP5387850B2 - タンパク安定化剤およびその製造方法、タンパク安定化剤の使用方法、ならびにタンパク安定化方法 - Google Patents
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Description
単独重合した場合に、下限臨界溶解温度を有さない非イオン性水溶性ホモポリマーを形成する性質を有するモノマー(B)と、
を含有するモノマー混合物を重合することにより形成された水溶性ポリマーを含む。
単独重合した場合に、0℃以上80℃以下に下限臨界溶解温度を有するホモポリマーを形成する性質を有するモノマー(A)と、単独重合した場合に、下限臨界溶解温度を有さない非イオン性水溶性ホモポリマーを形成する性質を有するモノマー(B)とを含有するモノマー混合物を重合することを含む。
1.1 タンパク安定化剤の構成および製造
本発明の一実施形態に係るタンパク安定化剤は、単独重合した場合に、0℃以上80℃以下に下限臨界溶解温度を有するホモポリマーを形成する性質を有するモノマー(A)と、
単独重合した場合に、非イオン性下限臨界溶解温度を有さない水溶性ホモポリマーを形成する性質を有するモノマー(B)と、
を含有するモノマー混合物を重合することにより形成された水溶性ポリマーを含む。
上記モノマー(A)は、単独重合した場合に、0℃以上80℃以下に下限臨界溶解温度(Lower Critical Solution Temperature:以下、「LCST」ともいう。)を有するホモポリマーを形成する性質を有するモノマーである。
上述したように、モノマー(B)は、単独重合した場合に、下限臨界溶解温度を有さない非イオン性水溶性ホモポリマーを形成する性質を有するモノマーである。
その他のモノマー(C)として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸などのカルボキシル基を有するアニオン性モノマー;スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン基を有するアニオン性モノマー;アリルアミン、アミノスチレン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライド4級塩などの1級〜4級アミノ基を有するカチオン性モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレンなどの疎水性モノマーを挙げることができる。モノマー(C)は、モノマー(A)およびモノマー(B)と共重合させて水溶性ポリマーを製造することができる。
本実施形態に係るタンパク安定化剤(水溶性ポリマー)の数平均分子量は、通常1,000〜100,000であり、好ましくは2,000〜80,000であり、より好ましくは5,000〜50,000である。数平均分子量が1,000よりも小さいと、タンパクを安定化させる効果を発揮することができない場合がある。一方、数平均分子量が100,000よりも大きいと、タンパク水溶液が増粘またはゲル化する場合がある。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
モノマー(A)としてジエチルアクリルアミド30g、モノマー(B)としてジメチルアクリルアミド60g、モノマー(C)としてメタクリル酸メチル10g、連鎖移動剤としてシステアミン塩酸塩1gを水900gに混合して撹拌機付きセパラブルフラスコに入れた。これに窒素を吹き込みながら、70℃まで昇温し、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド2gを添加した後、2時間重合を続け、さらに80℃に昇温して3時間エージングした後、室温まで冷却した。得られた共重合体溶液をダイアライザーにより精製し、さらに凍結乾燥することにより、本実施例のタンパク安定化剤(S−1)89gを得た。
実施例1において、モノマー(A)としてジエチルアクリルアミド30g、モノマー(B)としてジメチルアクリルアミド60g、モノマー(C)としてメタクリル酸メチル10gを用いる代わりに、モノマー(A)としてジエチルアクリルアミド70g、モノマー(B)としてジメチルアクリルアミド30gを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、共重合ポリマー(S−2)を得た。
実施例1において、モノマー(A)としてジエチルアクリルアミド30g、モノマー(B)としてジメチルアクリルアミド60g、モノマー(C)としてメタクリル酸メチル10gを用いた代わりに、モノマーとしてジエチルアクリルアミド100gを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、共重合ポリマー(X−1)を得た。
実施例1において、モノマー(A)としてジエチルアクリルアミド30g、モノマー(B)としてジメチルアクリルアミド60g、モノマー(C)としてメタクリル酸メチル10gを用いた代わりに、モノマーとしてジメチルアクリルアミド100gを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、共重合体(X−2)を得た。
タンパク安定化剤(S−1)の代わりにBSAを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、BSAの保存前の吸光度および保存後の吸光度をそれぞれ測定した結果、保存前の吸光度(100%)に対する保存後の吸光度は71%であった。
Claims (7)
- N,N−ジエチルアクリルアミドと、N,N−ジメチルアクリルアミドと、を含有するモノマー混合物を重合することにより形成された水溶性ポリマーを含む、タンパク安定化剤。
- 請求項1において、
前記水溶性ポリマーの数平均分子量は、1,000〜100,000である、タンパク安定化剤。 - 請求項1または2において、
前記モノマー混合物は、N,N−ジエチルアクリルアミドを、全量100重量%に対して10〜99重量%、およびN,N−ジメチルアクリルアミドを、全量100重量%に対して、1〜90重量%含有する、タンパク安定化剤。 - N,N−ジエチルアクリルアミドと、N,N−ジメチルアクリルアミドと、
を含有するモノマー混合物を重合することを含む、タンパク安定化剤の製造方法。 - 請求項4において、
前記モノマー混合物は、N,N−ジエチルアクリルアミドを、全量100重量%に対して10〜99重量%、およびN,N−ジメチルアクリルアミドを、全量100重量%に対して、1〜90重量%含有する、タンパク安定化剤の製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のタンパク安定化剤をタンパクと共存させることを含む、インビトロにおける、タンパク安定化剤の使用方法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のタンパク安定化剤をタンパクと共存させることを含む、インビトロにおける、タンパク安定化方法。
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