JP5385170B2 - 建物の架構構造 - Google Patents

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本発明は、建物の架構構造に係り、特に、内部空間の梁を少なくするとともに、集合住宅やオフィスビルのような平面積が大きな建物にも適用できる架構構造に関する。
従来、集合住宅やオフィスビルのような平面積が大きな(1階あたりのフロア面積が大きな)建物では、図13に示すように平面上で直交するX方向およびY方向に所定の間隔をもって柱23を配置し、隣接する柱23同士をX方向およびY方向に延在する梁24で連結したラーメン構造とし、柱23および梁24によって囲まれた領域にスラブ26を設けた架構構造21を採用するのが一般的である。そして、エレベータや階段が配置される部分には開口26aを設けている。
ところが、従来の架構構造21では、住宅やオフィスを構成する領域の天井部に梁24が存在するため、住戸配置、間取りなどのプランニングの自由度や、将来の更新性に制約があった。そこで、建物中央部にコア壁や内周チューブ架構を設け、建物外周部にラーメン構造の外周チューブ架構を設けた建物(特許文献1〜3参照)が多数提案されている。
特開2001−288921号公報 特開2002−121922号公報 特開2002−256727号公報
しかしながら、従来のチューブ架構構造の建物では、建物中央部にコア壁または内周チューブ架構を配置する必要があるため、プランニングの自由度や将来の更新性が十分でないこともあり得た。ここで、建物外周部のみに外周チューブ架構を設けることも考えられるが、外周チューブ架構のスパン(建物の平面寸法)が大きくなるとスラブの撓みが大きくなるため、平面積が大きな建物には適用できなかった。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、プランニングの自由度を向上させるとともに、集合住宅やオフィスビルのような平面積が大きな建物にも適用できる架構構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明に係る建物の架構構造(1)は、外周部に配置される外周柱(3)および外周柱(3)を連結する外周梁(4)によって環状に構成されるラーメン構造の外周チューブ架構(5)と、外周チューブ架構(5)の内側に配置され、外周柱(3)および外周梁(4)によって支持される鉄筋コンクリート造のスラブ(6)と、外周チューブ架構(5)と接続しないようにスラブ(6)に一体形成された内側梁(7,17)とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、内側梁でスラブの撓みを抑制することで、平面積が大きな建物であっても建物中央部にコア壁や内周チューブ架構を設ける必要をなくすことができるとともに、プランニングの自由度および将来の更新性を向上させることができる。
また、第2の発明は、第1の発明に係る建物の架構構造(1)において、内側梁(7,17)は、環状に形成された環状梁であることを特徴とする。この発明によれば、内側梁の曲げ剛性および捩じり剛性が高くなるため、スラブの撓みを抑制し、或いは内側梁の寸法を小さくすることができる。
また、第3の発明は、第1または第2の発明に係る建物の架構構造(1)において、スラブ(6)における環状梁(7)の内側に開口(6a)が形成されたことを特徴とする。スラブの撓みは荷重が大きいほど大きくなる。そこで、この発明は、環状梁の内側に開口を形成することでスラブの重量を低減して撓みを小さくし、より大きな平面積の建物にも適用可能にすることができる。また、開口部にエレベータや階段を設ければ、集合住宅やオフィスビルに好適なプランニングが可能となる。
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明に係る建物の架構構造(1)において、内側梁(17)は、断面中央部にボイド(17c)が形成された中空梁であることを特徴とする。内側梁は、スラブの撓み抑制効果を発揮するが、その自重が荷重となってスラブの撓みを大きくする要因となる。そこで、この発明は、内側梁を中空梁とすることで、スラブの効率的な撓み抑制効果を内側梁に発揮させつつ内側梁の重さによるスラブの撓みを抑制し、効果的にスラブの撓みを抑制することができる。
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれかの発明に係る建物の架構構造(1)において、内側梁(7)は、高さ寸法が幅寸法よりも小さな断面形状を呈することを特徴とする。内側梁はねじりに抵抗することでスラブの撓みを防止し、内側梁のねじりに対する抵抗力はその断面周長に依存する。そこで、この発明は、内側梁の断面形状を横長の扁平にすることで、内側梁のねじりに対する抵抗力を確保しつつ、内側梁の高さ寸法を抑え、プランニングの自由度をより一層向上させることができる。
また、第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明に係る建物の架構構造(1)において、スラブ(6)は、内側梁(7)に沿い、且つその両端が外周チューブ架構に至るPC鋼線(8)を備えたことを特徴とする。スラブにPC鋼線を設けることでスラブの撓みを抑制することは一般的に行われているが、この発明は、PC鋼線を内側梁の一部に沿って設けることで、外周チューブ架構に接続しない内側梁の撓みに対する抵抗力を高め、効果的にスラブの撓みを抑制することができる。
このように本発明によれば、プランニングの自由度を向上させるとともに、集合住宅やオフィスビルのような平面積が大きな建物にも適用できる建物の架構構造を提供することができる。
第1実施形態に係る建物の架構構造の平面図 図1中のII−II断面図 第1実施形態に係る内側梁の断面図 第1実施形態に係るスラブの変形量を従来例と対比して示す図 第2実施形態に係る建物の架構構造の平面図 図5中のVI−VI断面図 第2実施形態に係るスラブの変形量を従来例と対比して示す図 第1および第2実施形態に係るスラブの変形量を従来例とともに示すグラフ 第1および第2実施形態に係る内側梁の配置・寸法説明図 変形実施形態に係る内側梁の断面図 別の変形実施形態に係る建物の架構構造の平面図 他の適用例に係る建物の架構構造の平面図 従来技術による建物の架構構造の平面図
以下、図面を参照しながら本発明に係る建物の架構構造1の各実施形態について説明する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。実施形態に係る建物の架構構造1は、集合住宅やオフィスビルとして利用される高層建物に適用され、基準階が図1に示される平面形状となるように鉄筋コンクリート造(以下、RC造と記す。)で構築される。なお、図が煩雑となることを避けるために、各図においては外壁や戸境壁などは示していない。
架構構造1は長方形の平面形状を呈しており、その外周縁に沿って所定の間隔をもって配置された複数の外周柱3および、その外周縁に沿って延在し、複数の外周柱3を連結する複数の梁(以下、外周梁4と記す。)によって環状に構成されるラーメン構造の外周チューブ架構5と、外周チューブ架構5の内側に配置され、これら外周柱3および外周梁4によって支持されたスラブ6と、外周チューブ架構5と接続しないように、且つスラブ6の下面から突出するようにスラブ6に一体形成された内側梁7とを備えている。
図2に併せて示すように、架構構造1は、その内部に柱を有さず、外周柱3のみによって鉛直荷重を支えている。また、架構構造1は、スラブ6を支持する梁をその内部に有さず、外周梁4のみによってスラブ6の鉛直荷重を外周柱3に伝達している。したがって、通常のラーメン構造に比べて多くの柱が架構構造1の外周部に配置される。このように、柱および梁が架構構造1の外周部に集約されることにより、架構構造1の内部に柱や梁、あるいはコア壁やない周チューブ架構を備えていなくても地震耐力が確保される。
スラブ6における内側梁7の内側部分には、長方形の開口6aが形成されている。開口6aは、各階で同じ位置に配置されており、これら開口6aの内部には、エレベータや階段を配置することができる。このような形態とすることにより、架構構造1の中央部(図1中に示す想像線の内側)にエレベータや階段、廊下などの共用スペースを集約配置し、その外周部分(図1中に示す想像線の外側)に住戸部やオフィスなどの居住スペースを配置することができ、空間を効率的に利用したプランニングが可能となる。
内側梁7は、その内縁が開口6aの開口縁と一致するように平面視で長方形に形成されている。なお、内側梁7の中心線は平面視で外周チューブ架構5の中心線と互いに相似な形状を呈し、且つ外周チューブ架構5と同心に配置されている。つまり、内側梁7は、外周チューブ架構5を構成する外周梁4と平行配置され、且つ外周チューブ架構5に連結しない直線状の複数の辺部材から構成された環状を呈する無端の環状梁とされている。図3に併せて示すように、内側梁7は横長、すなわち梁成hがスラブ6の厚さよりも大きく且つ梁幅wよりも小さな断面形状を呈しており、上端筋7l、下端筋7mおよび腹筋7nを含む主筋と主筋を取り囲むあばら筋7oとをその内部に備え、全断面にコンクリートが充填されている。このように内側梁7の高さ寸法が幅寸法よりも小さくされたことにより、内側梁7の下方の天井高さを大きくしてプランニングの自由度をより一層高めることができる。
ここで、スラブ6は、架構構造1の外周の一辺に3本以上の外周柱3が配置され且つ中間梁や中間柱によって支持されない大型のものとして構成されるため、撓みによって外周部分に比べて中央部分が大きく沈下することが懸念されるが、内側梁7がこのスラブ6の撓みを抑制する役割を果たす。つまり、内側梁7の曲げ剛性およびねじり剛性が一体形成されたスラブ6の変形を抑制して撓み量を小さくする。したがって、内側梁7の曲げ剛性およびねじり剛性が大きいほどスラブ6の撓みを抑制することができる。
図4は、スラブ6の撓みによる沈下量を等高線図として示したものであり、(A)は本実施形態に係る架構構造1によるスラブ6を、(B)は従来技術による(内側梁7を備えない)架構構造によるスラブを示している。なお、スラブ6のスパンLは21m、厚さは400mmであり、図示しない内側梁7の梁幅wは1200mm、梁成hは550mmである。同図から見て取れるように、撓みによってスラブの中央部はともに沈下するが、沈下量は(A)に示す本実施形態による架構構造1の方が(B)に示す従来技術による架構構造のスラブよりも小さくなる。
また、スラブ6の撓みは自重によるものであり、中央部の荷重が大きいほど撓み量が大きくなるが、本実施形態に係る架構構造1では、スラブ6の中央部に開口6aが形成されているため、内側梁7の剛性による撓み低減効果のほか、自重の軽減によっても、スラブ6の中央部に開口6aがないものに比べて撓みが低減している。
≪第2実施形態≫
次に、図5〜図7を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材や部位には同一の符号を付し、第1実施形態と重複する説明は省略する。以下の実施形態においても同様とする。
図5,図6に示すように、本実施形態に係る架構構造1は、スラブ6に開口6aが形成されていない点において第1実施形態と異なる。このような形態は、架構構造1の外側にエレベータや階段が配置される建物を構築する場合に適用することができる。なお、本実施形態に係る外周柱3および外周梁4により構成される外周チューブ架構5は、第1実施形態と同一の構成であり、内側梁7も図3に示す第1実施形態のものと同一の構成である。
図7は、図4と同様に、スラブ6の撓みによる沈下量を等高線図として示したものであり、(A)は本実施形態に係る架構構造1によるスラブ6を、(B)は従来技術による(内側梁7を備えない)架構構造によるスラブを示している。同図から見て取れるように、このような構成の架構構造1によっても、第1実施形態と同様に内側梁7の曲げ剛性およびねじり剛性によってスラブ6の変形が抑制され、スラブ6その撓み量は小さくなる。
図8は、第1実施形態に係るスラブ6および第2実施形態に係るスラブ6の変形量を従来技術によるものとともに示すグラフである。開口6aを備えた第1実施形態に係るスラブ6の最大沈下量が約17mmであるのに対し、開口6aを備え且つ内側梁7を備えない従来例のスラブ(図8中には、「第1従来例」として示す。)の最大沈下量は約28mmである。また、開口6aを備えない第2実施形態に係るスラブ6の最大沈下量が約18mmであるのに対し、開口6aを備えず且つ内側梁7を備えない従来例のスラブ(図8中には、「第2従来例」として示す。)の最大沈下量は約31mmである。この結果からも、内側梁7がスラブ6の変形を抑制して沈下量を小さくすることがわかる。
なお、内側梁7がある場合(本発明)であっても内側梁7がない場合(従来例)であっても、開口6aの端縁においては開口6aがないスラブ(第2実施形態に係るスラブ6および第2従来例のスラブ)の方が、開口6aがあるスラブ(第1実施形態に係るスラブ6および第1従来例のスラブ)よりも沈下量が小さくなっているが、これはスラブ中央部による曲げ抵抗が働かないためであり、スラブ全体としては、開口6aがあるスラブの方が、開口6aがないスラブよりもスラブ荷重の軽減に伴って沈下量が小さくなっている。
また、図8のグラフには、第1実施形態に係るスラブ6と同一の梁幅w(1200mm)且つ異なる梁成hを有する2つのスラブの沈下量をも示している。このスラブの1つは梁成hを700mmにしたものであり、他の1つは梁成hを850mmにしたものである(以下および図8中には、「梁成700mmモデル」、「梁成850mmモデル」とそれぞれ記す。)。第1実施形態に係るスラブ6(梁成550mm)、梁成700mmモデルおよび梁成850mmモデルを比較すると、梁成hが大きいほどスラブ6の沈下量は小さくなるが、第1従来例の沈下量との差に比べると、これら3モデルの沈下量の差は小さいことがわかる。つまり、プランニングの自由度を低下させて梁成hを大きくしても、得られる沈下量低減効果は低く、スラブ6の剛性よりも大きな剛性を有する内側梁7を設ければ、すなわちスラブ6の厚さよりも大きな梁成hを有する内側梁7を設ければ、沈下量低減効果とプランニング自由度の両立を図ることができる。
一方、内側梁7は、その曲げ剛性およびねじり剛性によってスラブ6の変形を抑制することでスラブ6の6沈下量を低減するので、曲げ剛性に着目すれば、撓みによるスラブ6の曲げ変形が大きな領域(スラブ6の傾斜変化が大きい領域)、すなわちスラブ6の中央部或いは両端部において、スパン方向に所定の長さにわたって延在するように内側梁7を配置するのが好ましい。一方、ねじり剛性に着目すれば、スラブ6のねじり変形が大きな位置(撓みによるスラブ6の傾斜が大きい位置)で、スパン方向と直交する方向に延在するように内側梁7を配置するのが好ましい。スラブ6の傾斜が大きい位置では、スパン方向と直交する方向の中央部近傍ではスラブ6の傾斜が大きい一方、スパン方向と直交する方向の両端部近傍ではスラブ6の傾斜が小さく、内側梁7のねじり変形が大きくなるためである。
例えば、スラブ6の中央部にそのスパンLに比べてごく小さな開口6aが設けられる場合、開口6aに沿って内側梁7を設けるよりも、スラブ6の傾斜が大きな位置(開口6aと外周チューブ架構5との間)に内側梁7を設けた方が、スラブ6の変形を効果的に抑制してその沈下量を小さくすることができる。具体的には、図9に示すように、スラブ6の中心を通る断面において、内側梁7のそれぞれの辺(円形の場合には部位。以下同様。)7a,7bを、スラブ6のスパンLの2割〜5割程度、外周チューブ架構5から離して配置し、且つ内側梁7の大きさを、両辺7a,7bがスラブ6のスパンLの2割〜6割程度離間するものにするとよい。さらに、内側梁7を無端の環状に形成するとよく、このような構成にすることにより、内側梁7の倒れが抑制され、ねじり剛性によるスラブ6の撓み抑制効果が高まる。
また、内側梁7のねじり剛性を高めるために、腹筋7nを上端筋7lや下端筋7mと略同一のピッチで配置したり、これら主筋を内側梁7の延在方向に対して傾斜させて配置したりするとよい。上端筋7lや下端筋7mを斜めに配置する場合には、内側梁7の1辺において両端部で内側に位置し、中央部で外側に位置する向きに主筋を傾斜させるとよい。
そして、架構構造1の構築に際しては、スラブ6の沈下量を予測し、荷重が加わっていない状態では上方に凸となるようにスラブを湾曲させることで、載荷時におけるスラブの平坦性を確保することができる。
図10は、第1および第2実施形態に適用できる変形実施形態に係る内側梁17の横断面図である。この内側梁17は、断面中央部にボイド17cが形成された中空梁である。ボイド17cの断面形状および大きさは適宜設計すればよく、ここでは内側梁17の壁部(上壁、下壁および側壁)の厚さが均一且つスラブ6の厚さと略同一となるように設定されている。内側梁17が上端筋7l、下端筋7mおよび腹筋7nを含む主筋と主筋を取り囲むあばら筋7oとをその内部に備える点は上記各実施形態と同様である。このような構成とすることにより、内側梁17のねじり剛性を確保しつつ内側梁17の軽量化を図ることができ、内側梁17の重さによるスラブ6の撓みを抑制することができる。
図11は、同様に第1および第2実施形態に適用できる別の変形実施形態に係る建物の架構構造1の平面図である。この架構構造1では、内側梁7の一辺に沿って(内側梁7が円形などの場合には、内側梁7の一部に沿って)その両端が外周チューブ架構5に至る複数のPC鋼線8が、スラブ6の内部に平面視で直線状に配置されており、PC鋼線8に導入された緊張力によってスラブ6および内側梁7の曲げ剛性の向上が図られる。なお、本変形実施形態ではアンボイド工法でスラブ6を構築しているが、スラブにボイドを設けて軽量化を図ってもよい。また、図11にはスラブ6に開口6aが形成された形態を示しているが、スラブ6に開口6aが形成されない形態とすることも可能である。この場合、図示したPC鋼線8に加え、長い側および短い側、或いはこれら一方のPC鋼線8を、平面視で内側梁7の内部を通る位置に設けてもよい。縦断面におけるPC鋼線8の設置位置やPC鋼線8の設置手法は公知の技術を適用すればよい。
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、外周チューブ架構5および内側梁7の平面形状をともに矩形にしているが、多角形や円形、楕円形など、様々な形状にすることができ、外周チューブ架構5と内側梁7との平面形状を互いに異ならせる(相似以外の形状にする)ことも可能である。また、上記実施形態では、内側梁7を無端の環状に形成しているが、一部が途切れた、すなわち有端の環状(平面視でC形)に形成したり、平面視でコ字形やH形(図12参照)、十字形に形成してもよい。このような場合であっても、図12に示すように、内側梁7を図中に想像線で示す共用スペースの内部に収めることにより、住戸部やオフィスなどの居住スペースに梁が張り出すことが回避され、空間を効率的に利用したプランニングが可能となる。
また、上記第1,第2実施形態では、平面視において外周チューブ架構5の内部に環状の内側梁7が1つのみ配置されているが、環状の内側梁7を二重或いは三重に配置してもよい。さらに、上記第1,第2実施形態では、内側梁7が外周チューブ架構5と同心的な配置とされているが、内側梁7を外周チューブ架構5に対して偏倚した位置に配置してもよい。また、上記実施形態では、平面視において外周チューブ架構5が架構構造1の外周縁を構成しているが、架構構造1が外周チューブ架構5のさらに外側に架構(二重や三重となる更なる外周チューブ架構や、外周縁の一部にのみ連結する架構など)を備える構造であってもよい。加えて、上記実施形態では、内側梁7,17をスラブ6の下面から突出するようにスラブ6と一体形成しているが、スラブ6の上面から突出するように形成したり、スラブ6の下面および上面の両方から上下に突出するように形成したりしてもよい。さらに、上記実施形態では、架構構造1全体をPC造としているが、外周チューブ架構5を鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造にしてもよい。これら変更のほか、各部材の具体的形状や、配置、数量など、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 架構構造
3 外周柱
4 外周梁
5 外周チューブ架構
6,16 スラブ
6a 開口
7,17 内側梁
7a,7b 辺
17c ボイド
8 PC鋼線
L スパン

Claims (6)

  1. 外周部に配置される外周柱および該外周柱を連結する外周梁によって環状に構成されるラーメン構造の外周チューブ架構と、
    前記外周チューブ架構の内側に配置され、前記外周柱および前記外周梁によって支持される鉄筋コンクリート造のスラブと、
    前記外周チューブ架構と接続しないように前記スラブに一体形成された内側梁と
    を備えたことを特徴とする建物の架構構造。
  2. 前記内側梁は、環状に形成された環状梁であることを特徴とする、請求項1に記載の建物の架構構造。
  3. 前記スラブにおける前記環状梁の内側に開口が形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の建物の架構構造。
  4. 前記内側梁は、断面中央部にボイドが形成された中空梁であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の建物の架構構造。
  5. 前記内側梁は、高さ寸法が幅寸法よりも小さな断面形状を呈することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の建物の架構構造。
  6. 前記スラブは、前記内側梁の一部に沿い、且つその両端が前記外周チューブ架構に至るPC鋼線を備えたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物の架構構造。
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