JP5376647B2 - 凹球面研削加工装置と方法 - Google Patents
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Description
そのため、この加工方法では、図2に示すように、研削加工ステップ(A)と電解ドレッシングステップ(B)を交互に実施する。研削加工ステップ(A)では、球面61aを有するワーク61を球面の中心Oを通る水平軸yを中心に揺動させながら中心Oを通り水平軸yに直交する回転軸zを中心に回転駆動し、同時に、ワークの球面61aに嵌合する凹球面64aを有する導電性砥石64をワークの球面61aに沿って揺動可能に支持し、ワークに向けて定荷重を負荷し、かつ凹球面64aの中心を通る鉛直軸を中心に回転駆動してワークを研削する。電解ドレッシングステップ(B)では、導電性砥石64をその凹球面64aの中心を通る鉛直軸を中心に回転駆動しながら、その凹球面64aとの間に一定の隙間を設けて陰極67を位置決めし、凹球面64aを電解ドレッシングするものである。
そのため、この装置は、図3に示すように、球面を有するレンズ等ワークWを研削・研磨する総型の砥石71は、垂直に保持されて回転する上軸である工具軸72の下端に取り付けられ、エアシリンダ73によってワークWに押圧される。ワークWは、スペーサ74を介して下軸であるワーク軸75に保持され、傾斜したワーク軸75の揺動と回転する砥石71による連れ回りによって、ワークWと砥石71の摺り合わせが行われるものである。
そのため、この超精密加工装置は、図4に示すように、回転させている被研削加工物88の被加工面に対し、工具砥石87を回転させながら相対的に移動させて軸対称非球面の研削を行う。ここで、工具砥石87には、先端の断面形状が円弧形状を呈している円筒形状のものを用いるようにし、被研削加工物88の回転軸と工具砥石87の回転軸である該円筒形状における中心の軸とからなる角度を、被研削加工物88の加工点における直径方向の曲率半径に基づいて制御しながら、被研削加工物88と工具砥石87とを相対的に移動させて研削を行うものである。
また、この装置では、砥石71の研削面を研削加工中に電解ドレッシングすることは困難であり、砥石71の目詰まりが発生しやすく、加工効率(能率)が低い問題点があった。
また、この装置では、工具砥石87の研削面を研削加工中に電解ドレッシングすることは困難であり、工具砥石87の目詰まりが発生しやすく、加工効率(能率)が低い問題点があった。
該球形工具の中心より下方部分を遊動可能に保持する工具保持具と、
前記球形工具をその表面に沿ってランダムに駆動するランダム駆動装置と、
前記球形工具の中心より上方部分と接触する半球状の上凹穴を有するワークを保持するワーク保持具と、
ワーク保持具又は工具保持具を移動し球形工具とワークの相対位置を調整する相対位置調整装置と、
前記球形工具の表面を電解ドレッシングするELID装置と、を備え、
前記工具保持具は、前記球形工具の中心より下方部分を近接して囲む下凹穴を有し、
該下凹穴の表面に導電性液を供給する導電性液供給装置を備える、ことを特徴とする凹球面研削加工装置が提供される。
前記ランダム駆動装置は、前記凹部に対し異なる向きに配置された2以上の液噴射ノズルと、該2以上の液噴射ノズルを介して所定の液をランダムに噴射するランダム噴射装置とを有する。
前記ランダム駆動装置は、前記強磁性体に対し異なる向きに磁場を付加する2以上の磁場発生コイルと、該2以上の磁場発生コイルに電力をランダムに供給するランダム電源装置とを有する。
前記ランダム駆動装置は、前記永久磁石に対し異なる向きに回転力を付加する2以上の磁界発生コイルと、該2以上の磁界発生コイルに電力をランダムに供給するランダム電源装置とを有する。
前記球形工具の中心より下方部分を近接して囲む前記工具保持具の下凹穴の表面に導電性液を供給し、
前記球形工具をその表面に沿ってランダムに駆動し、
前記球形工具の中心より上方部分と接触する半球状の上凹穴を有するワークを保持し、
前記球形工具とワークの相対位置を調整し、かつ前記球形工具の表面を電解ドレッシングしながら、球形工具でワークの上凹穴を研削加工する、ことを特徴とする凹球面研削加工方法が提供される。
この図において、本発明の凹球面研削加工装置は、球形工具12、工具保持具14、ワーク保持具18、相対位置調整装置20、ELID装置22及びランダム駆動装置30を備える。
球形工具12は、図1に例示したソケットの凹球面に嵌合する球面を有している。
導電性砥石13は、メタルボンド砥石であり、ボンド材には金属(例えば鋳鉄、銅)とレジンを混合した複合ボンド材を使用する。また砥粒には、好ましくはダイヤモンド砥粒又はCBNを用いる。砥粒の粒径は、研削完了時のワークの面粗さに応じて、例えば、#4000、#8000、#40000、#120000(それぞれ平均粒径4.1、1.8、0.3、0.13μm)を使用するのがよい。
なお、球形工具12は、完全な球状に限定されず、非球面形状であってもよい。
また、工具保持具14は、球形工具12の中心より下方部分を近接して囲む下凹穴14aを有する。下凹穴14aの内面は球形工具12より僅かに大きい球面であり、その隙間を電解研削用の導電性液が流れ、かつ球形工具12を液圧で浮遊させて、球形工具12がほとんど無抵抗で、自由に遊動するようになっている。
磁石16は、球形工具12を工具保持具14に磁力で吸着させ、ワーク10に要求される上凹穴10aの真円度の誤差よりも十分小さく、球形工具12の中心位置を前記誤差以内に常に保持する。
磁石16の磁力強度は、球形工具12がほとんど無抵抗で、自由に遊動できる限りで、任意である。例えば、ランダム噴射装置32(後述する)で噴射する液量が多い場合、或いは工具保持具14を下向きにするような場合には、磁石16の磁力強度を高めるのがよい。
なお、本発明において、磁石16は必須ではなく、球形工具12の中心位置を前記誤差以内に常に保持できる限りで、省略することができる。
また、相対位置調整装置20は、一定の圧力で加圧できる機構も有する。
この例では、工具保持具14は一定位置に固定され、ワーク保持具18が相対位置調整装置20により上下(xyz軸のz軸方向)に移動するようになっている。
なお、本発明はこれに限定されず、ワーク保持具18を一定位置に固定し、工具保持具14を移動してもよい。またワーク保持具18又は工具保持具14の移動は上下動に限定されず、2次元的又は3次元的に移動してもよい。
ELID陰極22aはこの例ではワーク10とワーク保持具18の間に間隔を隔てて位置する円弧状のリング部材であり、その内面が球形工具12の外面と常に一定の隙間を維持するように設置されている。この隙間はその間に導電性液を流しながら、球形工具12の表面を電解ドレッシングできる範囲で設定する。
なお、ELID陰極22aの設置位置はこの例に限定されず、例えば、ワーク保持具18の内部に設置してもよい。
また陽極ブラシ22bと球形工具12との接触は、陽極ブラシ22bを介して球形工具12をプラスに印加できるかぎりで、接触抵抗をできるだけ小さくし、球形工具12がほとんど無抵抗で自由に遊動できるようになっている。例えば、陽極ブラシ22bの一部に導電性繊維からなる触毛を設け、この触毛を介して導電性のボンド材に通電することができる。
なお、陽極ブラシ22bの設置位置はこの例に限定されず、例えば、ワーク保持具18の内部に設置してもよい。
(A)ワーク保持具18を用いて、表面が導電性砥石13からなり所定の直径と真円度を有する球形工具12の中心より下方部分を遊動可能に保持し、
(B)ランダム駆動装置30により、球形工具12をその表面に沿ってランダムに駆動し、
(C)ワーク保持具18により、球形工具12の中心より上方部分と接触する半球状の上凹穴10aを有するワーク10を保持し、
(D)相対位置調整装置20により、球形工具12とワーク10の相対位置を調整し、かつELID装置22により球形工具12の表面を電解ドレッシングしながら、球形工具12でワーク10の上凹穴10aを研削加工する。
この例において、球形工具12は、その表面に分散して配置された凹部12aを有する。
また、ランダム駆動装置30は、球形工具12の凹部12aに対し異なる向きに配置された2以上の液噴射ノズル31と、2以上の液噴射ノズル31を介して所定の液をランダムに噴射するランダム噴射装置32とを有する。
また、凹部12aの形成は必須ではなく、球形工具12を表面に沿って駆動できる限りで、砥粒とボンド材からなる導電性砥石13の表面に通常存在する凹部であってもよい。
その他の構成は、図5と同様である。
この例において、球形工具12は、中心からオフセットした位置に強磁性体12b(例えば鉄球)を有する。
またランダム駆動装置30は、球形工具12の強磁性体12bに対し異なる向きに磁場を付加する2以上の磁場発生コイル33と、2以上の磁場発生コイル33に電力をランダムに供給するランダム電源装置34とを有する。
なお、その他の構成は、図5と同様である。
この例において、球形工具12は、内部にN−S極を有する永久磁石12cを有する。永久磁石12cは単数に限られず複数でもよい。また、中心位置に限定されず、中心からオフセットしてもよい。
また、ランダム駆動装置30は、永久磁石12cに対し異なる向きに回転力を付加する2以上の磁界発生コイル35と、2以上の磁界発生コイルに電力をランダムに供給するランダム電源装置34とを有する。
その他の構成は、図5と同様である。
この例において、ランダム駆動装置30は、球形工具12の表面に接しこれを異なる向きに回転駆動する2以上の回転駆動ローラ36と、2以上の回転駆動ローラ36に電力をランダムに供給するランダム電源装置34とを有する。
また、この例の場合、上述した磁石16(図示せず)を設けて球形工具12を回転駆動ローラ36に押付け、その間のスリップを低減するのがよい。
その他の構成は、図5と同様である。
この例において、ランダム駆動装置30は、球形工具12を工具保持具14に磁力で吸着させる磁石16と、工具保持具14を鉛直軸を中心に回転駆動する回転駆動装置37と、回転駆動装置37に供給する電力をランダムに変化させるランダム電源装置34とを有する。
また、この例の場合、磁石16は、球形工具12と工具保持具14の間の摩擦力を高め、工具保持具14の回転により球形工具12を回転できるように設定するのがよい。
その他の構成は、図5と同様である。
12 球形工具、12a 凹部、12b 強磁性体、
12c 永久磁石、13 導電性砥石、
14 工具保持具、14a 下凹穴、
16 磁石、18 ワーク保持具、
20 相対位置調整装置、22 ELID装置、
22a ELID陰極、22b 陽極ブラシ、
22c ELID電源装置、
24 導電性液供給装置、24a 液流路、
30 ランダム駆動装置、31 液噴射ノズル、
32 ランダム噴射装置、33 磁場発生コイル、
34 ランダム電源装置、36 回転駆動ローラ、
37 回転駆動装置
Claims (8)
- 表面が導電性砥石からなり所定の直径と真円度を有する球形工具と、
該球形工具の中心より下方部分を遊動可能に保持する工具保持具と、
前記球形工具をその表面に沿ってランダムに駆動するランダム駆動装置と、
前記球形工具の中心より上方部分と接触する半球状の上凹穴を有するワークを保持するワーク保持具と、
ワーク保持具又は工具保持具を移動し球形工具とワークの相対位置を調整する相対位置調整装置と、
前記球形工具の表面を電解ドレッシングするELID装置と、を備え、
前記工具保持具は、前記球形工具の中心より下方部分を近接して囲む下凹穴を有し、
該下凹穴の表面に導電性液を供給する導電性液供給装置を備える、ことを特徴とする凹球面研削加工装置。 - 前記球形工具は、その表面に分散して配置された凹部を有しており、
前記ランダム駆動装置は、前記凹部に対し異なる向きに配置された2以上の液噴射ノズルと、該2以上の液噴射ノズルを介して所定の液をランダムに噴射するランダム噴射装置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の凹球面研削加工装置。 - 前記球形工具は、中心からオフセットした位置に強磁性体を有しており、
前記ランダム駆動装置は、前記強磁性体に対し異なる向きに磁場を付加する2以上の磁場発生コイルと、該2以上の磁場発生コイルに電力をランダムに供給するランダム電源装置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の凹球面研削加工装置。 - 前記球形工具は、内部にN−S極を有する永久磁石を有しており、
前記ランダム駆動装置は、前記永久磁石に対し異なる向きに回転力を付加する2以上の磁界発生コイルと、該2以上の磁界発生コイルに電力をランダムに供給するランダム電源装置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の凹球面研削加工装置。 - 前記ランダム駆動装置は、前記球形工具の表面に接しこれを異なる向きに回転駆動する2以上の回転駆動ローラと、該2以上の回転駆動ローラに電力をランダムに供給するランダム電源装置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の凹球面研削加工装置。
- 前記ランダム駆動装置は、前記球形工具を工具保持具に磁力で吸着させる磁石と、前記工具保持具を鉛直軸を中心に回転駆動する回転駆動装置と、該回転駆動装置に供給する電力をランダムに変化させるランダム電源装置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の凹球面研削加工装置。
- 前記ELID装置は、球形工具の一部に一定の隙間を隔てて対向するELID陰極と、球形工具の別部分に接触する陽極ブラシと、前記陽極ブラシを介して球形工具をプラスに印加し、かつ前記ELID陰極をマイナスに印加するELID電源装置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の凹球面研削加工装置。
- 表面が導電性砥石からなり所定の直径と真円度を有する球形工具の中心より下方部分を工具保持具で遊動可能に保持し、
前記球形工具の中心より下方部分を近接して囲む前記工具保持具の下凹穴の表面に導電性液を供給し、
前記球形工具をその表面に沿ってランダムに駆動し、
前記球形工具の中心より上方部分と接触する半球状の上凹穴を有するワークを保持し、
前記球形工具とワークの相対位置を調整し、かつ前記球形工具の表面を電解ドレッシングしながら、球形工具でワークの上凹穴を研削加工する、ことを特徴とする凹球面研削加工方法。
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