以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明が適用されるパチンコ遊技機の第1実施形態を示している。当該パチンコ遊技機は、パチンコホール(図示しない)内の島(図示しない)に立設されるもので、このパチンコ遊技機は、機枠Fと、この機枠Fに対し前後方向に開閉可能に支持される遊技機本体B及び前扉Dとにより構成されている。
なお、図1において、図示斜め左下方向及び斜め右上方向が、それぞれ、当該パチンコ遊技機の左方向及び右方向に対応し、図示斜め左上方向及び斜め右下方向が、それぞれ、当該パチンコ遊技機の後方向及び前方向に対応し、また、図示上下方向が、当該パチンコ遊技機の上下方向に対応する。
前扉Dは、図1にて示すごとく、前枠10と、窓ガラス20と、球受け皿30とを備えており、前枠10は、その左縁部にて、遊技機本体Bの左縁部を介し、機枠Fの左縁部に前後方向に回動可能に支持されている。
球受け皿30は、前枠10の下部から前方へ突出するように形成されており、この球受け皿30には、凹状貯留部31が、上方に向けて開口するように設けられている。
しかして、この球受け皿30は、遊技機本体Bの本体枠40(後述する)の上部内に設けた球タンク(図示しない)から、遊技球を、本体枠40内の球通路(図示しない)を通して順次供給されて、凹状貯留部31内に貯留する。
また、当該球受け皿30は、図1にて示すごとく、球整列部32を有しており、この球整列部32は、球受け皿30の凹状貯留部31の下流部位である底壁右側部位に左右方向に長手凹状に形成されている。ここで、当該球整列部32は、図20にて示すごとく、その右側壁部に形成した開口部にて、連通路33を介し、後述するコ字状凹所60(図5或いは図6参照)の底壁61(図8或いは図20参照)の球導入口部61a(後述する)を介し、後述する球導入路73(図4或いは図9参照)内に開口している。
これにより、球受け皿30内に供給される各遊技球は、球整列部32にて整列した上で、連通路33を通り球導入路73内に球導入口部61aから順次導入される。
遊技機本体Bは、図1にて示すごとく、本体枠40と、遊技盤50とを備えており、本体枠40は、その左縁部にて、機枠Fの左縁部に前後方向に回動可能に支持されている。
遊技盤50は、本体枠40に嵌装されており、この遊技盤50には、ガイドレール51その他の各種の盤面部品が設けられている。
ここで、ガイドレール51は、内側レール部51a及び外側レール部51bを有しており、これら内側レール部51a及び外側レール部51bは、遊技盤50の盤面52の外周部に沿い組み付けられている。なお、内側レール部51aは、外側レール部51bの内周側に位置している。
当該パチンコ遊技機は、図1或いは図2にて示すごとく、操作ハンドルH、球送り装置G及び球発射装置Jを備えている。操作ハンドルHは、図1にて示すごとく、遊技機本体Bの本体枠40の右下側隅角部にその前面側から回動操作可能に支持されている。
球送り装置Gは、前枠10の下部にその後面側から組み付けられている(図2参照)。当該球送り装置Gは、図2〜図8にいずれかにて示すごとく、長手状基板Gaと、送り装置本体Gbとにより構成されており、長手状基板Gaは、前枠10の下部にその後面側から左右方向に延在するように組み付けられている。なお、当該長手状基板Gaは、その上縁部にて、球受け皿30の上縁部に対応するように、前枠10の下部に組み付けられている。
送り装置本体Gbは、図5〜図7のいずれかにて示すごとく、長手状基板Gaのコ字状凹所60(図5或いは図8参照)内に組み付けられており、当該送り装置本体Gbは、ケーシング部材70と、傾動機構80(球受け機構80)とを備えている。なお、コ字状凹所60は、長手状基板Gaの右側下部にその裏面側から凹状に形成されている。
ケーシング部材70は、図5〜図9のいずれかにて示すごとく、L字状後壁71と、コ字状壁72とを備えており、コ字状壁72は、後壁71の上縁部及び左右両縁部から前方へコ字状に延出されている。当該コ字状壁72は、その延出端部でもって、コ字状凹所60内にてその底壁61(コ字状凹所60の前側壁に相当)に当接している。なお、ケーシング部材70のうちコ字状壁72の下方部位は、左右両側及び下側へ開放されている。
また、ケーシング部材70は、図4或いは図7から分かるように、球導入路73を有しており、この球導入路73は、後壁71の前面(内面)に沿いその左上側隅角部から左右方向下側中央部に向けて延在するように形成されている(図9参照)。
また、ケーシング部材70は、図9にて示すごとく、各突出壁部73a、73b、73c、73dを有しており、当該各突出壁部73a、73b、73c、73dのうち、両突出壁部73a、73bは、上下に位置して、後壁71の左上側隅角部からその前方に向けて共に平行に突出されている。本第1実施形態では、これら両突出壁部73a、73bは、それぞれ、その左端部から右端部にかけて下方に向け緩やかに傾斜している。
突出壁部73cは、突出壁部73aよりも右上側に位置して、後壁71から前方に向けて突出されており、この突出壁部73cは、その左端部から右端部にかけて下方に向け緩やかに傾斜している(図11参照)。また、突出壁部73dは、各突出壁部73a、73b、73cの下側に位置して、突出壁部73cに平行となるように、後壁71から前方に向けて突出されている。
これにより、球導入路73は、両突出壁部73a、73bの各突出端部、コ字状壁72の左壁部及び球導入口部61aの間の空間部から両突出壁部73c、73d、コ字状凹所60の底壁61のうち両突出壁部73c、73dの間の部位及びケーシング部材70の後壁71のうち両突出壁部73c、73dの間の部位の間の空間部にかけて筒状に形成されている。なお、突出壁部73dは、球導入路73の底壁部としての役割を果たす。
ここで、球導入口部61aは、コ字状凹所60の底壁61の左上側隅角部に形成されて、球導入路73の左側上端開口部を球受け皿30の球整列部32に球導入口部61a及び連通路33を介し連通させている。これにより、球受け皿30内の遊技球は、球整列部32、連通路33及び球導入口部61aを通り球導入路73内にその左側上端開口部から導入可能となっている。
しかして、球導入路73は、球受け皿30の球整列部32から球導入口部61aを通り導入する遊技球を、底壁部である下側突出壁部73dに沿い右下方に向けて案内する役割を果たす。本第1実施形態では、球導入路73の遊技球の導入方向長さは、遊技球を当該突出壁部73c上にてその左右方向に沿い2個一列に整列させるに要する長さ(遊技球の外径の2倍の長さ)に設定されている。
ここで、コ字状凹所60の底壁61のうち球導入口部61aの下側に位置する壁部(下側壁部)の高さは、底壁61のうち球導入口部61aの右側壁部の高さよりも低く、例えば、当該右側壁部の半分の高さになっている。
このため、2個の遊技球が球導入路73内にてその底壁上に一列に並んだとき、当該2個の遊技球のうちの球導入口部61a側に位置する遊技球は、その上部にて、当該球導入口部61a内に対向する。従って、球導入路73の受け皿30側の壁であるコ字状凹所60の底壁61は、球導入口部61aの下側壁部及び球導入口部61aの右側壁部の双方でもって構成されることなるが、当該底壁61は、コ字状ケーシング部材70の後壁71とともに、球導入路73の前後両壁を構成することに変わりはない。
本第1実施形態では、底壁61が、コ字状凹所60の構成部材であり、一方、後壁71は、コ字状凹所60とは別体であるコ字状ケーシング部材70の構成部材であるが、これに限ることなく、底壁61を、コ字状凹所60の構成部材ではなく、コ字状ケーシング部材70の構成部材として形成してもよい。なお、突出壁部73cは、球導入路73の壁部を構成していなくてもよい。
傾動機構80は、図8にて示すごとく、傾動部材80aと、錘80bとを備えている。傾動部材80aは、図8或いは図9にて例示するごとく、傾動片81と、S字状湾曲片82とを有しており、傾動片81は、図8(a)にて示すごとく、筒部81aにて、ピン83により、ケーシング部材70の後壁71の右下隅角部71aとコ字状凹所60の底壁61のうち右下隅角部71aに対する対向部位との間に回動自在に支持されている。
ここで、筒部81aは、傾動片81の傾動中心部から前方へ筒状に延出されている。ピン83は、筒部81aに挿通されており、当該ピン83は、その後端部にて、右下隅角部71aに形成した支持孔部71b(図8(a)参照)に支持されている。また、当該ピン83の前端部は、底壁61のうち右下隅角部71aに対する対向部位に抜け止め用ストップリング83aを介し支持されている。
これにより、傾動片81は、図8(a)にて示すごとく、筒部81aを中心として、ピン83の軸周りに図示時計方向(遊技盤50の前側から見て反時計方向)或いは図示反時計方向(遊技盤50の前側から見て時計方向)に傾動可能となっている。本第1実施形態では、後壁71において、その右下隅角部71aは、次のように形成されている。後壁71は、下側部位と、この下側部位の上部から右方へ延出する上側部位とでもって、図8(a)にて示すごとく、L字状に形成されていることから、右下隅角部71aは、後壁71の下側部位の右端部でもって形成されている。
S字状湾曲片82は、図8(a)にて示すごとく、傾動片81のS字状上側外縁部81bから前方へ折れ曲がって延出されており、当該湾曲片82は、上側湾曲部82aと、下側湾曲部82b(球受け部82b)とにより、縦断面S字状となるように一体的に形成されている。
ここで、S字状上側外縁部81bは、傾動片81の筒部81aの後端開口部を中心とし斜め左側上方に向けて凸な湾曲形状を有する上側外縁部位と、この上側外縁部位の左端部位から斜め右側下方に向けて凸な湾曲形状を有する下側外縁部位とにより、縦断面S字状となるように一体的に形成されている。
しかして、S字状湾曲片82において、上側湾曲部82aは、傾動片81の上記上側外縁部位からこれと同様の湾曲形状にて前方に向けて延出され、下側湾曲部82bは、傾動片81の上記下側外縁部位からこれと同様の湾曲形状にて前方に向けて延出されている。
従って、上側湾曲部82aは、傾動片81の筒部81aの後端開口部を中心とし斜め左側上方に向けて凸な湾曲形状に形成され、一方、下側湾曲部82bは、斜め右側下方に向けて凸な湾曲形状に形成されている。なお、下側湾曲部82bの上面(受承面)は、下に向けて凹な湾曲面であってその前縁部から後方に向けて緩やかに下方へ傾斜する湾曲面として形成されて、後述のように受承する遊技球を球送り口部71c内に円滑に送り込む役割を果たす。
本第1実施形態では、下側湾曲部82bは、その受承面にて、球導入路73からの遊技球を受承して、この受承遊技球を、後述のごとく、ケーシング部材70の後壁71に形成した球送り口部71c(図8(a)参照)を通して球発射装置Jに送る役割を果たす。
ここで、球送り口部71cは、球導入路73の下端開口部の近傍にて、後壁71の左右方向下側中間部位に開口形成されている。このことは、球送り口部71cが、コ字状凹所60における底壁61の球導入口部61aよりも右側斜め下方に位置ずれして位置することを意味する。換言すれば、球送り口部71cが、その左側内縁部にて、球導入口部61aの右側内縁部よりも右側斜め下方に位置することで、球導入口部61aの右側内縁部と球送り口部71cの左側内縁部とを結ぶ直線と、当該球送り口部71cの左側内縁部からの球発射方向(後壁71の面に沿う右側から左斜め上側への方向)とでなす角度は鋭角となっている。なお、上側湾曲部82aは、上述のように湾曲せず、例えば、平板部であってもよい。
錘80bは、図8(a)或いは図9にて示すごとく、円柱台状の金属(例えば、黄銅)により形成されており、この錘80bは、ピン84により、傾動片81の右側支持腕部81cの先端部と、コ字状凹所60の底壁61のうち右側支持腕部81cの先端部に対する対向部位との間に回動自在に支持されている。
ここで、右側支持腕部81cは、傾動片81の筒部81aの後端開口部から後壁71の上側部位のうち下側部位からの延出部の下側へ延出している。また、ピン84は、その後端部にて、傾動片81の右側支持腕部81cの先端部に支持されており、当該ピン84の前端部は、底壁61のうち右側支持腕部81cの先端部に対する対向部位に抜け止め用ストップリング84aを介し支持されている。
しかして、このように構成した錘80bはその自重により下動端に位置するとき、当該錘80bは、傾動片81を、筒部81aを中心とした図8(a)にて図示反時計方向傾動端位置(遊技盤50の前側から見て時計方向傾動端位置)に維持する。
このとき、傾動片81の右側支持腕部81cは、錘80bにより図8(a)にて図示反時計方向傾動端位置(遊技盤50の前側から見て時計方向傾動端位置)に維持されており、傾動片81のS字状湾曲片82は、その下側湾曲部82bにて、球導入路73の下端開口部(突出壁部73dの右端部に対応する)の上下方向中間部位に対向して位置し、球導入路73内の遊技球を当該球導入路73の下端開口部内に滞留させる役割を果たす。
また、錘80bがその自重に抗して後述のごとく上方へ押し上げられると、傾動片81は、筒部81aを中心として、図8(a)にて図示時計方向(遊技盤50の前側から見て反時計方向)に傾動する。これに伴い、傾動片81の右側支持腕部81cは、ピン82を介し、錘80bにより、図8(a)にて図示時計方向に押し上げられるとともに、傾動片81のS字状湾曲片82は、筒部81aを中心として、図8(a)にて図示時計方向に傾動して、その下側湾曲部82bを、球導入路73の下端開口部の上記上下方向中間部位から下方へ移動させる。
これに伴い、下側湾曲部82bは、その左端部にて、球導入路73の下端開口部の下縁部位に対向して、球導入路73内の遊技球を下方から受承する球受け部としての役割を果たす。このとき、2個の遊技球が球導入路73内にて突出壁部73d上に一列に整列して存在することから、下側湾曲部82bにより受承された遊技球と共に3個の遊技球がその各自重のもとに球導入路73から下側湾曲部82bにかけて一列に左上側から右下側に向け傾斜状に整列して位置する。
然る後、再び、錘80bがその自重により後述のごとく下動すると、傾動片81は、筒部81aを中心として、図8(a)にて図示反時計方向(遊技盤50の前側から見て時計方向)へ傾動する。これに伴い、傾動片81の右側支持腕部81cは、錘80bにより図8(a)にて図示反時計方向傾動端位置(遊技盤50の前側から見て時計方向傾動端位置)に向けて傾動され、傾動片81のS字状湾曲片82は、その下側湾曲部82bにて、球導入路73の下端開口部の上下方向中間部位に向けて上方へ移動しながら、受承遊技球を、ケーシング部材70の球送り口部71cを通して球発射装置Jに送る。
これに伴い、傾動片81の右側支持腕部81cは、図8(a)にて図示反時計方向傾動端位置に達し、S字状湾曲片82は、その下側湾曲部82bにて、球導入路73の下端開口部の上下方向中間部位に達して、球導入路73内の遊技球を当該球導入路73の下端開口部内に滞留させる。なお、錘80bは、傾動片81の右側支持腕部81cに代えて、傾動片81のうち上側湾曲部82a側の部位に、回動自在に支持するようにして、右側支持腕部81cを廃止してもよい。
球発射装置Jは、遊技盤50のうち長手状基板Gaの右側部の直下に対する対応部位に形成した嵌装穴部(図示しない)内に、その前面側から組み付けられており、当該球発射装置Jは、図7にて示すごとく、発射機構Jaと、駆動機構Jbとにより構成されている。
発射機構Jaは、図2〜図6のいずれかにて示すごとく、遊技盤50のうち長手状基板Gaの右側部の直下に対する対応部位に位置しており、この発射機構Jaは、機構本体90aと、発射レール90b(図20参照)とを備えている。
機構本体90aは、支持基板部材91を有している。この支持基板部材91は、基板91aと、環状壁91bと、L字状左側壁91cと、右側壁91dとを有しており、環状壁91bは、基板91aの外周部からその前側へ突出している。L字状左側壁91cは、基板91aの左縁部及び左側上縁部から後方へL字状に突出している。また、右側壁91dは、基板91aの右縁下方部から後方へ略平板状に突出している。
しかして、支持基板部材91は、その環状壁91b及び基板91aを遊技盤50の盤面52から前方へ突出させるようにして、L字状左側壁91c及び右側壁91dにて遊技盤50の上記嵌装穴部にその前側から支持されている。
また、機構本体90aは、図7にて例示するごとく、T字状回動板92と、槌部材93と、コイルスプリング94と、回動アーム95(図8(a)参照)とを備えており、T字状回動板92は、長手状頭部92aと、長手状頭部92aの長手方向中央部から延出する胴部92bとでもって、T字状に構成されている。しかして、このT字状回動板92は、長手状頭部92aの長手方向一側端部にて、基板91aの左右方向下側中間部位に支持軸92cにより回動可能に支持されている。
本第1実施形態では、支持軸92cは、図8(a)にて示すごとく、大径部と、この大径部から同軸的に延出する小径部とにより構成されており、当該支持軸92cは、その大径部にて、基板91aの上記左右方向下側中間部位から後方へ延出されて、上記小径部にて、T字状回動板92を回動可能に支持している。
槌部材93は、長手状基部93aと、この基部93aの長手方向一端部からL字状に延出する腕部93bと、この腕部93bの延出端部から長手状基部93aに対向するように延出する槌部93cとでもって、コ字状に構成されており、当該槌部材93は、長手状基部93aと腕部93bとの境界部位にて、支持軸92cの小径部に支持されている。これにより、槌部材93は、基部93a及び槌部93cを、支持基板部材91の基板91aに沿い、腕部93bの両端部から左側へ延出させるように、支持軸92cに支持されている。
ここで、槌部材93の上記境界部位は、T字状回動板92の頭部92aよりも前側にて支持軸92cの小径部に支持されている。なお、槌部材93の上記境界部位及びT字状回動板92の頭部92aの上記長手方向一側端部は、支持軸92cの小径部にその先端側からナット92dを締着することで、支持軸92cの大径部とナット92dとの間に挟持されて、相対回動不能となっている。
これにより、槌部材93は、T字状回動板92と一体となって、支持軸92cの軸周りに沿い、打撃回動位置から後退回動位置に向けて図7にて図示反時計方向(遊技盤50の前側から見て時計方向)に回動し或いは後退回動位置から打撃回動位置に向けて図7にて図示時計方向(遊技盤50の前側から見て反時計方向)に回動する。なお、打撃回動位置は、後述のごとく遊技球を打つ位置に相当し、また、後退回動位置は、打撃回動位置から右側へ槌部材93を後退させた位置に相当する。
コイルスプリング94は、その一端部94aにて、ローラ92e(図8(a)参照)を介し、T字状回動板92の胴部92bの長手方向中間部位から後方へ突出するピン92fに係止しており、当該コイルスプリング94の他端部94bは、突起94c(後述する)の先端部に係止している。ここで、突起94cは、T字状回動板92の胴部92bの左側にて、支持基板部材91の基板91aの左側上下方向中間部位から後方へ延出されている(図7参照)。
このように係止したコイルスプリング94によれば、回動板92は、その胴部92bにてコイルスプリング94によりその弾力でもって左方へ引っ張られて図7にて図示時計方向(遊技盤50の前側から見て反時計方向)に回動し槌部材92を図7にて図示時計方向回動端(遊技盤50の前側から見て反時計方向回動端)に維持する。
これにより、槌部材93は、長手状基部93aの下面にて、後述する突起93d(図7或いは図8(a)参照)にその右上側から係止するとともに、腕部93bの上部にて、基板91aの左右方向上縁中間部位から後方へ突出する突起91e(図8(a)参照)にその右側から係止することで、コイルスプリング94の引っ張り力のもとに、上記図示時計方向回動端(遊技盤50の前側から見て反時計方向回動端)に維持される。
本第1実施形態では、槌部材92の図7にて図示時計方向回動端が、発射レール90bの基端部(後述する)上で遊技球を打つ球打撃回動位置に相当する。なお、突起93dは、コイルスプリング94の長手方向中間部位の下側にて、基板91aから後方に突出されている(図7参照)。
回動アーム95は、図8(a)にて示すごとく、筒状基部95aと、押動片部95bと、J字状湾曲部95cとにより構成されており、当該回動アーム95は、筒状基部95aにて、ピン96を介し、前後両側突出支持部91f(後述する)に回動自在に支持されている。
ここで、前後両側突出支持部91fは、支持基板部材91の突起91e及び環状壁91bのうち突起91eに対応する左右方向上縁中間部位からそれぞれ上方へ突出するように形成されている。また、ピン96は、その前後両端部にて、前後両側突出支持部91fの各貫通孔部に挿通されており、回動アーム95は、筒状基部95aにて、前後両側突出支持部91fの間にてピン96にその軸周りに回動自在に嵌装されている。
また、回動アーム95において、押動片部95bは、図8(a)にて示すごとく、筒状基部95aの外周部からその径方向に延出してなるもので、当該押動片部95bは、傾動機構80の錘80bの直下に位置している。
当該押動片部95bは、平面状基部aと、平面状傾斜部bとを有しており、平面状基部aは、筒状基部95aの外周部から当該筒状基部95aの軸を含む面内にてその径方向に延出している。平面状傾斜部bは、平面状基部aの延出端部の前側部位から右側下方に向け傾斜状に延出している。
また、J字状湾曲部95cは、右方へ凸なJ字湾曲形状にて、平面状基部aの延出端部の後側部位から右方乃至下方に向けて延出されており、当該J字状湾曲部95cは、筒状基部95aを基準に、支持基板部材91の基板91aの後面に沿い図8(a)にて図示時計方向(遊技盤50の前側から見て反時計方向)或いは反時計方向(遊技盤50の前側から見て時計方向)に回動するようになっている。
ここで、J字状湾曲部95cは、その自重のもとに、図8(a)にて図示反時計方向へ回動したとき、当該J字状湾曲部95cは、その先端部にて、ローラ92iにその右側斜め上方から係止するようになっている。なお、当該ローラ92iは、回動板92の頭部92aの先端部からその後方へ突出するピンに回動可能にかつ同軸的に支持されている。
しかして、このように構成した回動アーム95は、回動板92及び槌部材93の図8(a)にて図示反時計方向(遊技盤50の前側から見て時計方向)への回動に伴い、J字状湾曲部95cの先端部にて、ローラ92iにより右斜め上方に向けて押し上げられて図8(a)にて図示時計方向(遊技盤50の前側から見て反時計方向)に回動しつつ、押動片部95bによりその平面状基部a或いは平面状傾斜部bでもって錘80bを押し上げる。
また、回動アーム95は、回動板92及び槌部材93の図8(a)にて図示時計方向への回動に伴うローラ92iの左斜め下方への移動に応じて、その自重のもと、図8(a)にて反時計方向に回動して押動片部95bを下方へ移動させて、錘80bを、その自重のもとに、押動片部95bに追随して下方へ移動させる。
発射レール90bは、その長手方向基端部にて、球打撃回動位置にある槌部材93の槌部93cの左側に位置しており、当該発射レール90bは、その長手方向基端部から遊技盤50の盤面52に沿い内側レール部51a及び外側レール部51bの各下端部位の間に向けて傾斜状に延出するように、遊技盤50の盤面52に支持されている(図20参照)。なお、当該発射レール90bは、遊技盤50の盤面52から前方へ板状に延出している。
しかして、当該発射レール90bは、その基端部上に送り出される遊技球を、後退回動位置から球打撃回動位置への槌部材93によりその槌部93cにて打撃されて、内側レール部51a及び外側レール部51bの各下端部位の間に向けて発射する。
駆動機構Jbは、図8或いは図10にて示すごとく、モータ支持壁部材100と、ステップモータ110と、一方向回転部材120とを備えている。モータ支持壁部材100は、支持壁101と、環状フランジ102とを有している。環状フランジ102は、支持壁101の外周部から前方へ延出されており、当該環状フランジ102は、支持基板部材91のL字状左側壁91cの上縁部の右端部位及び右側壁91dにその後方から複数のネジの締着により組み付けられて、支持壁101を、基板91aに並行に維持している。
ステップモータ110は、出力軸111を、支持壁101の中央穴部を通して前方へ回動自在に突出させるようにして、支持壁101に支持されている。なお、縦断面U字状のカバー(図示しない)が、その開口部にて、支持壁101の外周部に組み付けられてステップモータ110を収容している。
一方向回転部材120は、鋸歯円板121と、湾曲板状カム122と、腕状係止片123とを備えている。鋸歯円板121は、その中央穴部にて、支持壁101の前側からステップモータ110の出力軸111に同軸的に支持されており、当該鋸歯円板121の外周部には、一連の鋸歯部121aが形成されている。ここで、一連の鋸歯部121aは、共に、鋸歯円板121の外周部からステップモータ110の一回転方向に楔状に突出するように形成されている。
これにより、鋸歯円板121は、腕状係止片123との後述する協働に基づきステップモータ110の上記一回転方向にのみ回転可能となっている。
湾曲板状カム122は、その回動中心穴部122aにて、鋸歯円板121にその前側から接合するように、当該鋸歯円板121と共に、ステップモータ110の出力軸111に同軸的に支持されている。
当該湾曲板状カム122は、湾曲状カム面122b及び湾曲状案内面122cを有しており、湾曲状カム面122bは、T字状回動板92の頭部92aの軸92gに回転可能に支持してなるローラ92hと摺接可能な湾曲形状に形成されている(図8、図11、図13〜図16等参照)。
具体的には、軸92gは、回動板92の頭部92aの他端部から後方へ延出されており、この軸92gの延出端部には、ローラ92hが回動可能にかつ同軸的に支持されている。
これにより、板状カム122は、湾曲状カム面122bにて、ローラ92hとの摺接のもとに、T字状回動板92及び支持軸92cを介し、ステップモータ110の上記一方向回転に伴い、槌部材93をその球打撃回動位置からコイルスプリング94に抗して後退回動位置まで回動させるように構成されている。
換言すれば、湾曲状カム面122bは、ステップモータ110の上記一方向回転に伴い、槌部材93をその球打撃回動位置からコイルスプリング94に抗して後退回動位置まで回動させるように、板状カム122の回動中心部122aから鋸歯円板121の外周部に向けて、その半径方向に向け外方に凸な湾曲形状となるように延出形成されている。
ここで、ローラ92hが湾曲状カム面122bのうち湾曲板状カム122の回動中心部122a側の部位に摺接するとき、槌部材93は、その球打撃回動位置に位置する。また、ローラ92hが湾曲状カム面122bのうち鋸歯円板121の外周部側の部位(湾曲状カム面122bの延出端部)に摺接するとき、槌部材93は、その後退回動位置に位置する。
また、板状カム122は、湾曲状案内面122cにて、湾曲状カム面122bの延出端部のローラ92hからの解離後、ステップモータ110の上記一方向回転に伴い、槌部材93をその後退回動位置からコイルスプリング94の引っ張り力のもとに球打撃回動位置まで瞬時に回動させるように、T字状回動板92のローラ92hを湾曲状カム面122bの延出端部から板状カム122の回動中心部122aまで瞬時に案内するように構成されている。
換言すれば、湾曲状案内面122cは、ステップモータ110の上記一方向回転に伴い、槌部材93をその後退回動位置からコイルスプリング94の引っ張り力のもとに球打撃回動位置まで瞬時に回動させるように、湾曲状カム面122b側へ凸な湾曲形状に延出形成されている。
腕状係止片123は、その傾動中心部123aにて、支持壁101の右上隅角部にその前側から傾動可能に支持されており、当該腕状係止片123は、その傾動中心部123aから鋸歯円板121の右上側に向け傾斜状に延出している。
当該腕状係止片123は、係止爪部123bを有しており、この係止爪部123bは、腕状係止片123の延出端部から鋸歯円板121の外周部に向け突出するように形成されている。
また、腕状係止片123のうち傾動中心部123aから係止爪部123b側への延出部位は、腕状係止片123のうち傾動中心部123aを基準として係止爪部123bとは反対側部位よりも重くなっている。
従って、当該腕状係止片123は、その自重により、傾動中心部123aを中心として、鋸歯円板121の外周部に向けその右上側から傾動して、係止爪部123bにより、ステップモータ110の上記一回転方向に向け、鋸歯円板121の一連の鋸歯部121aのうち右上側鋸歯部に係止して鋸歯円板121の上記一回転方向とは逆方向への回転を禁止する。
以上のように構成した本第1実施形態において、現段階では、遊技球は、図11にて示すごとく、球送り装置Gの送り装置本体Gb内には導入されていないものとする。このとき、回動板92は、コイルスプリング94による引っ張り力のもとに、槌部材93をその球打撃回動位置に維持してなる回動位置にある(図7参照)。
これに伴い、回動アーム95は、その自重により、J字状湾曲部95cにて、図11にて図示時計方向回動端(遊技盤50の前側から見て時計方向回動端)に位置し、球送り装置Gの傾動機構80が、その錘80bにて、その自重のもとに、回動アーム95の押動片部95bの直上の下動端に位置し、S字状湾曲片82が、その下側湾曲部82bにて、球導入路73の下端開口部の上下方向中間部位に対向している。
また、腕状係止片123は、その係止爪部123bにて、鋸歯円板121の一連の鋸歯部121aのうち右上側鋸歯部に係止して鋸歯円板121の上記一回転方向とは逆方向への回転を禁止し、湾曲板状カム122が、回動中心部122aにて回動板92のローラ92hにより当接されている。
このような段階において球受け皿30内に払い出された遊技球が、図12にて模式的に示すごとく、順次、球受け皿30の球整列部32から連通路33及び球導入口部61aを通り球導入路73にその上端開口部から整列状に導入されると、これら各遊技球は、図13にて示すごとく、突出壁部73dの上面に沿い球導入路73の下端開口部に向けて整列状に案内される。
ここで、上述のごとく、S字状湾曲片82が、その下側湾曲部82bにて、球導入路73の下端開口部の上下方向中間部位に対向しているため、球導入路73の下端開口部に最初に達した遊技球M1が、S字状湾曲片82の下側湾曲部82bの左端部に当接して球導入路73の下端開口部内に維持される。
このため、球導入路73内においては、遊技球M1に後続する遊技球M2が、遊技球M1にその後方から当接するとともに、遊技球M2に後続する遊技球M3が遊技球M2にその後方から当接する。これにより、球導入路73内においては、各遊技球M1〜M3のうち少なくとも各遊技球M1、M2が、図13にて示すごとく、突出壁部73dの上面に沿い一列に整列して維持される。
然る後、ステップモータ110が上記一回転方向へ回転すると、鋸歯円板121及び湾曲板状カム122が、上記一回転方向へ回転し、回動板92が、コイルスプリング94の引っ張り力に抗して上記一回転方向とは反対方向に回動し、槌部材93が、その後退回動位置に向けて回動板92と同一方向に回転し、槌部93cを上記球打撃回動位置から後退させる(図14〜図16参照)。
これに伴い、回動アーム95が、J字状湾曲部95cの先端部にて、回動板92のローラ92iにより押動されて、当該回動板92の回動方向とは反対方向(上記一回転方向)に回動する。このため、錘80bが、その自重に抗して、回動アーム95の押動片部95bにより押し上げられていく(図14〜図16参照)。このとき、錘80bは、押動片部95bによりその平面状基部aから平面状傾斜部bにかけて押し上げられていく。
このような過程において、S字状湾曲片82が、錘80bの押し上げに伴い、傾動して、下側湾曲部82bを、球導入路73の下端開口部の上下方向中間部位から下方へ移動させる(図14〜図16参照)。
これに伴い、下側湾曲部82bが、その左端部にて、球導入路73の下端開口部の下縁部位に対向したとき、球導入路73内の遊技球M1が、下側湾曲部82bの上面に移動する(図16及び図17参照)。このことは、S字状湾曲片82が、下側湾曲部82bにて遊技球M1を下方から受承することを意味する。
このような状態にて、回動板92のローラ92hが、湾曲板状カム122の延出端部から解離すると、回動板92が、コイルスプリング94の引っ張り力のもとに、図16にて図示反時計方向(遊技盤50の前側から見て反時計方向)に瞬時に回動して、ローラ92iを回動アーム95のJ字状湾曲部95cの先端部から解離させる方向に移動させるとともに、槌部材93が、回動板92と同様に瞬時に回動して、その槌部93cにて、球打撃回動位置に復帰する。
また、このような過程においては、回動アーム95が、その自重のもとに、図16にて図示時計方向(遊技盤50の前側から見て時計方向)に回動して、押動片部95bを下動させる。これに追随して、錘80bが、その自重のもとに下動し、S字状湾曲片82が、下側湾曲部82bを上動させる(図18及び図19参照)。これにより、下側湾曲部82b上の遊技球M1が、ケーシング部材70の球送り口部71cを通り球発射装置Jの発射レール90bの基端部上に送り出される(図20参照)。なお、S字状湾曲片82は、その下側湾曲部82bの上動に伴い、各遊技球M2、M3を球誘導路73内に維持することとなる。
しかして、上述のように、槌部材93が球打撃回動位置に復帰するとともに、遊技球M1が、発射レール90bの基端部上に送り出されると、当該遊技球M1は、槌部材93によりその槌部93cにて打たれて発射レール90bに沿いガイドレール51の内側レール部51a及び外側レール部51bの間に向けて発射される(図20にて図示矢印参照)。
ところで、遊技球M1が、糸付き遊技球として、球受け皿30の凹状貯留部31内に貯留された遊技球であれば、当該糸付き遊技球(以下、糸付き遊技球M1ともいう)は、糸t(図21参照)を付随させながら、図20で図示矢印にて示すような階段状に折れ曲がる方向に沿い、球受け皿30の球整列部32から連通路33及び球導入口部61aを通り球導入路73にその上端開口部から導入される。なお、糸付き遊技球は、遊技球の外周面に糸tの一端部を固着して構成されている。また、糸tは、その他端部にて、遊技者の手により受け皿30内にて把持されているものとする。
このため、糸付き遊技球M1が上述のように球導入路73にその上端開口部から導入される過程においては、上述のような当該遊技球M1の階段状に折れ曲がる方向への移動に伴い、糸tも、同様に階段状に折れ曲がる方向に遊技球M1に付随しながら、突出壁部73dの上面に沿い球導入路73の下端開口部に向けて導入される。
しかして、上述したように、S字状湾曲片82が、下側湾曲部82bにて当該糸付き遊技球M1を受承した後この糸付き遊技球M1をケーシング部材70の球送り口部71cを通り球発射装置Jの発射レール90bの基端部上に送り出すと、糸tは、その他端部にて、球受け皿30内で把持された状態にて、糸付き遊技球M1に付随して、球送り口部71cを通り発射レール90bの基端部上に引っ張り出される。
即ち、糸tは、以上のようにして、糸付き遊技球M1により、図20にて矢印にて示すごとく、受け皿30から上記階段状に折れ曲がるような経路を経てケーシング70の球送り口部71cを通り発射レール90bの基端部上に引っ張り出される。
ここで、糸付き遊技球M1が、S字状湾曲片82の下側湾曲部82bにより受承された状態では、当該糸付き遊技球M1は、球導入路73内にて突出壁部73d上に整列する各遊技球M3、M2により下側湾曲部82b上に押し付けられている。
このため、上述のように糸付き遊技球M1が発射レール90bの基端部上に送り出されたとき、当該糸付き遊技球M1の糸tは、球導入口部61aから下側湾曲部82b上へ遊技球の発射方向とは逆方向へ遊技球M1により確実に引っ張られた上で、球送り口部71cを通り発射レール90bの基端部上に引っ張り出される。
このような状態において、糸付き遊技球M1が上述のように槌部材93により打たれて発射レール90bに沿い発射されると、当該糸付き遊技球M1は、糸tを付随させながら、当該糸tと共に、ケーシング70の後壁71に沿い内側レール部51a及び外側レール部51bの間に向けて瞬時に移動することとなる。
ここで、球導入口部61aは、上述したごとく、コ字状凹所60の底壁61の左上側隅角部に形成されている。一方、球送り口部71cが、上述したごとく、球導入路73の下端開口部の近傍にて、底壁61にその後側にて対向する後壁71の左右方向下側中間部位に開口形成されている。従って、球送り口部71cが、球導入口部61aの右側斜め下後方に位置ずれして位置するようにケーシング70の後壁71に形成されていることになる。換言すれば、球送り口部71cが、球導入口部61aに対し、糸付き遊技球M1の発射方向とは逆方向にかつ斜め後側下方に位置ずれして位置する。このことは、球導入口部61aの右側内縁部が、球送り口部71cの左側内縁部よりも斜め左上前側に位置ずれして位置することを意味する。
さらに、糸付き遊技球M1の発射方向は、ケーシング70の後壁71の後面に沿う方向であることから、糸付き遊技球M1の発射方向と球導入口部61aの右側内縁部及び球送り口部71cの左側内縁部を結ぶ直線との間に張る角度は、小さな鋭角となる。
このため、糸tが、上述のように、糸付き遊技球M1と共に発射レール90bに沿い瞬時に移動する過程においては、当該糸tは、球導入口部61aと球送り口部71cとの間にて球導入口部61aの右側内縁部から球送り口部71cの左側内縁部に向け後側斜め下方向に引っ張られた状態にて、上記小さな鋭角でもって、ケーシング70の後壁71の後面に沿い発射レール90bにおける糸付き遊技球M1の発射方向へ瞬時に移動することなる。
ここで、上述のように球導入口部61aの右側内縁部が、球送り口部71cの左側内縁部よりも斜め左上前側に位置ずれして位置するとともに、糸付き遊技球M1の発射方向と球導入口部61aの右側内縁部及び球送り口部71cの左側内縁部を結ぶ直線との間に張る角度が小さな鋭角であることから、糸tは、球導入口部61aの右側内縁部から球送り口部71cの左側内縁部にかけて斜め右下後側へ引っ張られ、球送り口部71cの左側内縁部を介し上記小さな鋭角のもとに、糸付き遊技球M1の発射レール90aに沿う瞬時の移動速度に応じた引っ張り力でもって引っ張られる。
このため、糸tは、上記小さな鋭角のもとに、上記引っ張り力に応じて球導入口部61aの右側内縁部と球送り口部71cのうちの左側内縁部の内縁部e(図21参照)との間に生ずる各接触摩擦力の作用を受けて、球導入口部61aの右側内縁部及び球送り口部71cの内縁部eと摩擦接触しながら移動することを余儀なくされる。
従って、糸tは、球送り口部71cから糸付き遊技球M1の発射方向には円滑には引っ張り出され得ず、遊技球M1が、遊技盤50の遊技領域内に転動していくことがない。
その結果、遊技球M1が上述のように糸付き遊技球であっても、当該糸付き遊技球を用いた遊技盤の盤面上における遊技者による不正行為が未然に防止され得る。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明すると、この第2実施形態においては、ケーシング70の球送り口部71cの内周縁部のうち遊技球の発射方向側内縁部eには、切り込み溝部e1(切り込み部e1)が、図22にて示すごとく形成されている。
ここで、切り込み溝部e1は、図22にて示すごとく、球送り口部71cの発射方向側内縁部eの一部に、球送り口部71cの内部から図示右方(遊技盤50の前側から見て左方)へU字状に切り込むことで形成されている。なお、切り込み溝部e1の内幅は、糸tの外径よりも幾分大きい程度である。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、糸付き遊技球M1がケーシング70の球送り口部71cから送り出されて槌部材93により打たれると、当該糸付き遊技球M1は、上記第1実施形態と同様に発射レール90bに沿い瞬時に移動しようとする。
このとき、糸tが、球送り口部71cから瞬時に引っ張り出される過程にて、ケーシング70の球送り口部71cの切り込み溝部e1内に嵌り込むことで、当該切り込み溝部e1の内面と強固に摩擦接触することとなる。
このため、糸tは、球送り口部71cから円滑には引っ張り出され得ず、糸付き遊技球M1が、遊技盤50の遊技領域内に転動していくことがない。
また、糸tが、切り込み溝部e1の内面との摩擦接触により切断されれば、糸付き遊技球M1は、糸tのうち少なくともその他端側部位とは分離されることとなる。従って、当該遊技球が遊技領域内に転動しても、遊技者は、当該遊技球を利用して遊技盤50の盤面における不正行為を行うことはできない。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、球送り口部71cの発射方向側内縁部eは、その厚さ方向にテーパ状に形成されていてもよい。例えば、発射方向側内縁部eは、発射レール90bの基端部側から球送り口部71cの導入路73の下端開口部側にかけて遊技球の発射方向側へテーパ状となるように、形成されていてもよい。
(2)本発明の実施にあたり、球送り口部71cの発射方向側内縁部eに形成した切り込み溝部e1は、U字状に限ることなく、例えば、V字状であってもよい。また、切り込み溝部e1は、複数であってもよい。