JP5362378B2 - 用途分解装置および用途分解プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、住宅などの建物においてガスや電気などのエネルギーを消費した場合に、その用途を妥当性の高い推定によって分解する用途分解装置および用途分解プログラムに関する。
従来から、地球資源の保全および経済性の両面から省エネルギーが求められている。そのため設備や装置自体の消費エネルギーの低減を図ると共に、運用面においても省エネルギーとすることが求められている。工場などにおいてエネルギーを多量に消費する業務用の設備では、設備ごとにエネルギー消費量を監視し、合理的な運用をする工夫が種々行われている。
一方、家庭や小規模事業所(以下、「家庭等」という。)に用いられる設備機器には、通常そのようなエネルギー消費量を監視する機能は備えられていない。家庭等における省エネルギー活動は、専らこまめに消灯したり、暖房温度の設定値を低くしたりするなどの定性的(抽象的)な行為によって実施されているが、省エネルギー活動が結果として表れる指標がないため、その効果を実感しにくい。そのような状況では省エネルギー活動を行う動機に不足し、教育や習慣、義務感や生活観念などの複数の動機付けに頼っているのが実情であり、定量的な省エネルギー対策はまださほど進んでいない。
これに対し出願人は、特許文献1によって、エネルギー種別ごとの消費量を入力して集積し、過去のデータや他人のデータとの対比によって表現することにより、自己の行動の傾向を評価する生活改善支援システムを提案している。これにより各人が自己の行動を顧みて、省エネルギー活動の改善に利用することが可能である。
しかし、エネルギー種別ごとの消費性向のみではなく、さらにどの目的に使ったかということを知ることにより、省エネルギー活動も図りやすくなると考えられる。
これに対し特許文献2には、コンピュータを用いて家庭単位若しくは事業所単位にてエネルギーの消費性向を具体的に表示可能な負荷種類分析装置が開示されている。特許文献2によれば、当該負荷種類分析装置により、消費エネルギーを例えば給湯や照明等の消費用途ごと分けて表示することができ、当該表示からエネルギー消費性向を診断することができるとしている。
特開2004−086864号公報 特開2000−162253号公報
一般的な家庭においては、いわゆるオール電化住宅などといった単一のエネルギーを利用している家庭から、ガスや電気等の複数種のエネルギーを利用している家庭まで、各家庭においてエネルギー供給体系(消費体系)は様々存在している。そして、各エネルギーが他のエネルギーの代替となる場合があり、エネルギーの用途が重複しているということができる。例えば、エネルギーの例としてのガス、電気、灯油は、いずれも暖房の用途に用いられる可能性がある。したがって例えば、冬期のガス使用量が減ったとしても、代わりに電気の使用量が激増している可能性もある。すなわち、その住宅等で使用されるエネルギーを総合的に観察しなければ、消費性向を把握できたということはできない。
しかしながら、上記特許文献1に開示の負荷種類分析装置は、電気やガス等の単一のエネルギーの消費性向を示すことが可能であるに過ぎない。したがって複数のエネルギーを利用する家庭において総合的なエネルギー消費性向を一度に概観することはできず、結果としてその家庭においてどのような用途に多くのエネルギーを消費しているかがわかりにくいという問題があった。
そこで本発明は、複数のエネルギーを利用する家庭や事業所、居住空間等において複数のエネルギーの用途ごとの消費状況を包括的に把握することができる用途分解装置および用途分解プログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る用途分解装置の代表的な構成は、少なくとも1年間に亘って単位期間ごとに住宅における1または複数のエネルギーの消費量を記憶する消費量記憶部と、上記期間における各エネルギーと該エネルギーを消費する用途との組み合わせである消費パターンを予め特定するパターン特定部であって、住宅の機器構成を選択していくことによって一の消費パターンを特定するパターン特定部と、特定された消費パターンに基づいて各単位期間に使用されるエネルギーの消費量を用途ごとに分解する用途分解部と、該用途ごとに各エネルギーの消費量を積算する積算部と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、各単位期間について用途ごとに分解(算出)して、さらに複数のエネルギーに重複する用途ごとに各エネルギーの消費量を積算することにより、複数のエネルギーをあわせた用途ごとの消費状況を提示することができ、包括的に把握することができる。
なお、エネルギーの消費量は、住宅や事務所などの建物や、マンションやアパートであれば建物内の居室など、エネルギー消費単位(エネルギー消費単体)ごとに取得および記憶することができる。単位期間とはエネルギーの計測に対して適切であれば良く、例えば1ヶ月や2ヶ月など月単位とすることができる。エネルギーとは、電気、ガス、灯油など、単位期間ごとに消費量を計測可能なものであれば良い。消費パターンとは、上記エネルギーと用途の組み合わせである。用途とは、給湯や厨房(コンロ)、冷暖房、照明および家電など、エネルギーを消費する目的である。
さらにエネルギーは、電気、ガス及び灯油を含み、用途は、給湯及び厨房を含み、複数の消費パターンを記憶したパターンテーブルをさらに備え、パターンテーブルは、複数の消費パターンとして、ガスを給湯に利用するAパターンと、電気を給湯に利用し、ガスをエネルギーとして利用しないBパターンと、電気を給湯に利用し、ガスを給湯に利用せずに厨房に利用するCパターンと、電気を給湯に利用せず、ガスをエネルギーとして利用せず、灯油を給湯に利用するDパターンと、電気を給湯に利用せず、ガスを給湯に利用せずに厨房に利用し、灯油を給湯に利用するEパターンと、を記憶し、パターン特定部はパターンテーブルに記憶された消費パターンを特定するものであって、まずガス給湯器を使用しているか否かを判断し、ガス給湯器を使用している場合は、Aパターンと特定し、ガス給湯器を使用していない場合は、続いて電気給湯器を使用しているか否かを判断し、電気給湯器を使用していて他のガス器具を使用していない場合は、Bパターンと特定し、電気給湯器及び他のガス器具を使用している場合は、Cパターンと特定し、ガス給湯器及び電気給湯機を使用していない場合は、続いて灯油給湯器を使用しているか否かを判断し、灯油給湯機を使用していない場合は、いずれのパターンにも属しないと判断し、灯油給湯器を使用していて他のガス器具を使用していない場合は、Dパターンと特定し、灯油給湯器及び他のガス器具を使用している場合は、Eパターンと特定し、用途分解部は、特定された消費パターンに定義された用途に基づいて、各単位期間に使用されるエネルギーの消費量を用途ごとに分解しても良い。
このように、あらかじめ消費パターンを準備しておき、エネルギー消費パターンを特定することにより、容易にその住宅等で利用されるエネルギーの種類を特定することができる。そして、エネルギーの種類に応じて用途を定義してあることにより、結果的にエネルギー消費パターンを特定すればエネルギーの種類とその用途が一義的に定まり、消費量を分解する演算を容易にすることができる。
エネルギーによる加熱または冷却前の給水または空気の温度を取得する温度取得部と、温度に基づいて単位期間ごとのエネルギー消費量を算出する消費量算出部とを備えていても良い。
このようにエネルギー消費量を用途ごとに分解する際に、給水温度または空気の温度(気温)を考慮することにより、これらの温度の影響を受ける用途の比率を修正することができる。例えば給湯については、給湯の湯量が同じであったとしても給水温度が低くなればより多くのガスを使用するため、ガスの消費量を分解する際の給湯の比率を高くする。これにより、より適正にエネルギー消費量を用途分解することができる。
本発明に係る用途分解プログラムの代表的な構成は、コンピュータを、少なくとも1年間に亘って単位期間ごとに住宅における1または複数のエネルギーの消費量を記憶する消費量記憶部と、上記期間における各エネルギーと該エネルギーを消費する用途との組み合わせである消費パターンを予め記憶したパターンテーブルと、パターンテーブルに記憶された消費パターンを特定するパターン特定部であって、住宅の機器構成を選択していくことによって一の消費パターンを特定するパターン特定部と、特定された消費パターンに基づいて各単位期間に使用されるエネルギーの消費量を用途ごとに分解する用途分解部と、該用途ごとに各エネルギーの消費量を積算する積算部として機能させることを特徴とする。
上記構成によれば、コンピュータを用いて複数のエネルギーを利用する家庭や事業所、居住空間等における複数のエネルギーの用途ごとの消費状況を算出し、包括的に把握することができる。なお算出した用途ごとのエネルギー消費量の出力としては、ウェブページに表示させたり、コンピュータのモニタに画面表示したり、プリンタから印刷したりすることができる。
本発明によれば、複数のエネルギーを利用する家庭や事業所、居住空間等において複数のエネルギーの用途ごとの消費状況を包括的に把握することが可能な用途分解装置および用途分解プログラムを提供することができる。
第1実施形態に係る用途分解装置の概略構成を説明する図である。 消費パターンの例を説明する図である。 用途分解装置の概略動作を説明するフローチャートである。 パターン特定部の動作の例を説明するフローチャートである。 操作画面の例を示す図である。 結果出力の画面表示の例を示す図である。 ガス用途分解部の構成を説明する図である。 ガス用途分解部の各テーブルの構成例を説明する図である。 Aタイプの場合のガス用途分解部の動作を説明するフローチャートである。 電気用途分解部の構成を説明する図である。 Aタイプの場合の電気用途分解部の動作を説明するフローチャートである。 灯油用途分解部の構成を説明する図である。 Aタイプの場合の灯油用途分解部の動作を説明するフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
[第1実施形態]
本実施形態に係る用途分解装置の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る用途分解装置の概略構成を説明する図である。
図1に示す用途分解装置100は、コンピュータ110と、入力部120と、出力手段の例としての表示部130とを備えている。用途分解装置100はコンピュータ110に以下に説明する用途分解プログラムを実行させることによって具現化している。
入力部120は、キーボードや、マウスなどのポインティングデバイスを用いて、本装置の利用者に情報およびコマンドを入力させる。またインターネットなどのネットワーク102を介して遠隔地のクライアントコンピュータ104から情報およびコマンドを入力しても良く、その場合はネットワークインターフェースが入力部120に相当する。
表示部130は各種の操作画面や情報を表示する出力手段であって、このコンピュータ110に直接接続されたモニタのほか、情報の表示に限ればプリンタであっても良い。またネットワークを介して遠隔地より用途分解装置100にアクセスする場合には、ウェブページを用いて操作画面や情報を表示することができる。
コンピュータ110は一般的な構成であって、各種の処理や演算を行うCPU、プログラムやデータを記憶するハードディスクなどの記憶媒体、プログラムを実行させる領域であるRAMなどを備えている。以下の説明において記憶部というとき、記憶媒体の中に確保された記憶領域(ファイル)を意味している。
次に、用途分解装置100の機能的な構成について説明する。これは同時に用途分解プログラム200の構成にほぼ等しい。
図1に示すように、用途分解プログラム200は、消費量記憶部210と、パターンテーブル212と、パターン特定部214と、用途分解部216と、積算部218と、出力部220と、温度取得部222とを備えている。
消費量記憶部210は、少なくとも1年間に亘って単位期間ごとに1または複数のエネルギーの消費量を記憶する。消費量記憶部210に記憶するのは、実際のエネルギーの消費量であって、エネルギーごとの用途別に分解されていない全体量である。単位期間とはエネルギーの計測に対して適切な期間であれば良く、例えば1ヶ月や2ヶ月など月単位とすることができ、またさらに詳細に1日や1週間を単位期間としても良い。エネルギーとは、電気、ガス、灯油など、単位期間ごとに消費量を計測可能なものであれば良い。ガスには、都市ガス、LPG、プロパンガスなど一般に燃料用として提供されているガスであれば含ませることができる。用途とは、給湯や厨房(コンロ)、冷暖房、照明および家電など、エネルギーを消費する目的である。
エネルギーの消費量は、住宅や事務所などの建物や、マンションやアパートであれば建物内の居室など、エネルギー消費単位ごとに取得および記憶することができる。消費量は、利用者が単位期間ごとに入力して蓄積しても良いし、オペレータが消費量を入力したり、システムがネットワークを介して収集した消費量を自動的に入力したりしても良い。消費量の単位はその分量を規定できれば良く、例えばガスの消費量であれば体積(m)でも良く、熱量(MJ)でも良い。電気の消費量であればkWh(キロワット時)であっても良い。また、これらの公共料金を消費量として入力することにより、他の単位に換算しても良い。
パターンテーブル212は、使用するエネルギーと用途の組み合わせである消費パターンを記憶する。消費パターンには、いわゆるオール電化の場合のように、エネルギーが1種類の場合を含む。用途とは、給湯や厨房(ガスコンロ)、冷暖房、照明および家電など、エネルギーを消費する目的である。
図2は消費パターンの例を説明する図である。図2にはAタイプからEタイプまでの消費パターンが例示されている。各消費パターンは、使用するエネルギーと用途の組み合わせから構成される。簡単に説明すると、Aタイプはガスを給湯および厨房(ガスコンロ)に利用するパターンである。Bタイプはガスをエネルギーとして利用せず(いわゆるオール電化)、灯油を暖房に併用するパターンである。Cタイプは電気を給湯に利用し(ヒートポンプ等)、ガスを厨房に利用するパターンである。Dタイプはガスをエネルギーとして利用せず、灯油を暖房および給湯(灯油給湯器)に使用するパターンである。Eタイプはガスを厨房に利用し、灯油を給湯に利用するパターンである。
このように、消費パターンには、使用するエネルギーと用途の組み合わせが定義されている。したがって、エネルギー消費パターンを特定することにより、容易にその住宅等で利用されるエネルギーの種類を特定することができる。そして、エネルギーの種類に応じて用途を定義してあることにより、結果的にエネルギー消費パターンを特定すればエネルギーの種類とその用途が一義的に定まり、消費量を分解する演算を容易にすることができる。
なお、エネルギーと用途の全ての組み合わせを考えれば、上述のA〜Eタイプより多くの数の消費パターンのバリエーションが考えられる。消費パターンの数は上記のように5つのタイプに限定する必要はないが、すべてのバリエーションを網羅するよりも、実情に即してタイプ分けすることにより、消費量を分解する演算を容易にして、計算負荷を軽減することができる。
パターン特定部214は、パターンテーブル212に記憶された消費パターンを特定する。パターン特定部214は、例えば利用者やオペレータが操作して消費パターンを特定するように構成することができる。具体的には、消費パターンの一覧から選択可能としても良いし、住宅等の機器構成を選択していくことによって1の消費パターンを特定するように誘導しても良い。また住宅等のIDに消費パターンを関連づけて記憶しておき、住宅等を特定すれば消費パターンが特定されるように構成しても良い。
用途分解部216は、特定された消費パターンに定義されたエネルギーの種類と用途に基づいて、各単位期間に使用されるエネルギーの消費量を用途ごとに分解する。用途分解部216はエネルギーの種類に応じて複数の分解部を備えており、本実施形態ではガス用途分解部230、電気用途分解部232、灯油用途分解部234を備えている。用途分解部216の構成と動作については後述する。
積算部218は、用途分解部216が各エネルギーについて用途ごとに分解した消費量を、複数のエネルギーに重複する用途ごとに積算する。図2のAタイプを例にすると、各エネルギーの用途に暖房が重複しているから、暖房に用いるエネルギーの消費量はEh+Gh+Kh(電気による暖房+ガスによる暖房+灯油による暖房)である。なお、積算するためには消費量の単位をそろえる必要があるが、用途分解部216が単位を揃えて積算部218に出力しても良いし、積算部218が単位を変換(換算)してから積算しても良い。
出力部220は、積算部218が積算した結果を表示部130や不図示のプリンタ、ウェブページなどに出力する。また、あわせて記録媒体に出力して、積算した結果を記録蓄積しても良い。
温度取得部222については後述するが、いずれかのエネルギーによる加熱または冷却前の給水または空気の温度を取得する。これらの温度は、センサー等を現地に設置して実際に測定しても良いし、気象庁の発表するデータから当該地域の温度を取得しても良い。また温度取得部222は、空気の温度(気温)から換算して給水温度を求めても良い。気温と水温との間には高い相関が認められるため、極めて妥当に給水温度を求めることができる。これにより、空気の温度を取得するだけで、給水温度と気温の両方を求めることができる。
図3は用途分解装置100の概略動作を説明するフローチャート、図4はパターン特定部の動作の例を説明するフローチャート、図5は操作画面の例を示す図である。
利用者またはオペレータが入力部120を操作してコンピュータ110で実行されるアプリケーション(用途分解プログラム200)にアクセスする(S100)。そしてパターン特定部214によって、消費パターンを判断するための情報の入力を促す(S102:図5(a)参照)。
図4に示すフローチャートと図2に示した各消費パターンの例に沿って説明する。まずガス給湯器を使用しているか否かを問い合わせると(S202)、ガス給湯器を使用するのはAタイプのみであるから、使用していればその時点でAタイプであると特定することができる(S204)。ガス給湯器を使用していない場合は、電気給湯器を使用しているか否かを問い合わせる(S206)。電気給湯器を使用していて他のガス器具を使用していない場合(S208)には、オール電化のBタイプと特定することができる(S210)。電気給湯器と他のガス器具を使用している場合には(S208)、厨房にガスを使用するCタイプと特定することができる(S212)。さらに灯油給湯器も使用していない場合(S213)には、ガス、電気、灯油のいずれも給湯に使用していないことになるため、本システムの処理対象外であるとしてパターン選択を終了する。灯油給湯器を使用している場合であって(S213)、電気給湯器を使用しておらず他のガス器具を使用していない場合(S214)には、ガスを全く使用していないDタイプと特定することができる(S216)。灯油給湯器と他のガス器具を使用している場合には(S214)、そのガスは暖房用途と厨房用途であるとしてEタイプと特定することができる(S218)。このように、利用者にわずかな選択肢を選択させるだけで、消費パターンを判断するための情報を取得することができる。
パターン特定部214は、入力された情報を基にパターンテーブル212を参照して、消費パターンを特定する(S104)。特定した消費パターンは、図5(b)に示すように利用者等に通知する。
次に現在より前の一年間分の各エネルギーの消費量を入力し(S106:図5(c))、消費量記憶部210に蓄積する。また、現在の単位期間(演算を行う当月)のエネルギー消費量は別途入力するように構成しても良い(図5(d))。そして用途分解部216が各エネルギーについて演算してそれぞれの消費量を用途ごとに分解し(S110)、積算部218が用途ごとに積算して(S112)、出力部220が表示部130等に結果を表示させる(S114)。
図6は結果出力の画面表示の例を示す図であって、表示部130に出力して利用者に提示する。図6(a)に示すのは、単位期間(ここでは月単位)ごと、用途別に積み上げた棒グラフである。ここで暖房や給湯には、ガスと電気といったように複数のエネルギーが含まれている。図6(b)に示すのは、各用途のエネルギーを通年で積算し、1年間の用途別のエネルギー消費量を積み上げた棒グラフである。また図6(c)に示すように、前年のデータと今年のデータを同時に表示し、対比して表示することにより、利用者に対して省エネルギー活動の動機を与える効果を期待することができる。さらに図6(d)に示すように、他人との対比において順位などをつけることにより、利用者の消費性向を評価することでも、利用者に対して省エネルギー活動の動機を与える効果を期待することができる。
なお、積算部218が積算した結果とあわせて、またはこれに代えて、エネルギーごとの用途別の消費量(積算する前の値)を出力部220から出力しても良い。図6(c)ではエネルギーの種類を選択可能になっており、エネルギーごとの用途別の消費量を表示させることができる。包括的に把握することも重要であるが、さらに詳細な消費性向を知ることも生活の改善を図る上で意義があるからである。
上記説明した如く、各単位期間について用途ごとに分解して、さらに複数のエネルギーに重複する用途ごとに各エネルギーの消費量を積算することにより、複数のエネルギーを利用する家庭や事業所、居住空間等における複数のエネルギーの用途ごとの消費状況を算出し、包括的に提示することができる。これにより、利用者は自己の消費性向を包括的に把握することができ、省エネルギー活動のはげみとすることができる。
[用途分解部216]
次に、用途分解部216について説明する。上記したように、用途分解部216はガス用途分解部230、電気用途分解部232、灯油用途分解部234を備えている。上記A〜Eタイプのうち、Aタイプについて、フローチャートに沿って各部の構成と動作をあわせて説明する。
(ガス用途分解部230)
図7はガス用途分解部230の構成を説明する図、図8はガス用途分解部230の各テーブルの構成例を説明する図、図9はAタイプの場合のガス用途分解部230の動作を説明するフローチャートである。図7において、矢印はデータの流れを示している。
まずガス用途分解部230においては、統計から給湯と厨房の代表的な使用比(給湯厨房比)を準備し、給湯厨房比テーブル302に格納しておく。図8(a)に給湯厨房比テーブル302の例を示す。給湯と厨房の代表的な使用比は、ガスに限らず包括的な給湯と厨房のエネルギーの比である。具体的には、例えば住環境計画研究所「家庭用エネルギー統計年報」の「家庭用用途別エネルギー種別消費マトリックス」や、資源エネルギー庁の「資源・エネルギー統計」から、都市ガスとLPG分を厨房と見なし、電気給湯消費量も機器効率をかけてガス給湯消費量に変換して、積算することにより求めることができる。なお、厨房と給湯の比は、公的に公開されている統計に限らず、複数の邸をモニタリング(サンプリング)して取得しても良い。
同様に、統計より求めた1日の平均的な給湯用ガス量304を準備する。具体的には、財団法人建築環境・省エネルギー機構「省エネルギーハンドブック」の給湯負荷Lモードを好適に用いることができる。省エネルギーハンドブックの統計は1日の中の時間帯別の給湯負荷であるから、これを積算することによって1日の給湯用ガス量304を求めることができる。
上記の給湯と厨房の使用比および1日の平均的な給湯用ガス量304は、あらかじめ準備しておく情報である。これより以下は逐次に行う処理であり、図9に示すフローチャートは図3の用途分解処理(S110)の詳細である。
給湯用統計ガス量算出部306は、給湯用ガス量304に基づいて単位期間ごとの給湯用のガス量である給湯用統計ガス量を算出する。例えば、1日の給湯用ガス量304を元に、各月の給湯用ガス量を算出する。単純には単位期間(月)の日数をかけることが考えられるが、本実施形態ではさらに水温と機器効率を考慮する。
具体的には、まず給湯用統計ガス量算出部306は温度取得部222(図1参照)を参照して、その単位期間の水温を取得する(S302)。なお上述したように、温度取得部222は気象庁の発表する気温から水温を導くことができる。そして給湯用統計ガス量算出部306は、統計による1日の必要湯量をWt、単位期間を構成する日数をD、給湯温度をTh、給水温度をTw、機器効率をCoとすると、給湯用統計ガス量Gs(STD)を次式を用いて算出する(S304)。即ち、エネルギーによる加熱または冷却前の給水または空気の温度を温度取得部222により取得し、該温度取得部222により取得した温度に基づいて消費量算出部となる給湯用統計ガス量算出部306が単位期間ごとのエネルギー消費量を算出する。
[数1]
給湯用統計ガス量Gs(STD)=(Th−Tw)×Wt×D/Co
すなわち、給湯の湯量が同じであったとしても給水温度が低くなればより多くのガスを使用するため、ガスの消費量を分解する際の給湯の比率を高くする。また、機器効率Coが高い場合には、比率を低くする。
このように、統計値に基づいて単位期間ごとの給湯用統計ガス量を算出する際に水温を考慮することにより、仮に単位期間の日数が同じであっても、寒い季節の熱量(算出量)は多くなり、寒くない季節の熱量は少なくなる。したがって、統計に基づく1日の必要湯量から、実情に即した給湯用統計ガス量を極めて高い妥当性をもって算出することができる。また住宅等に設置されたガス設備の機器効率を加味して算出することにより、より適正な結果を得ることができる。
給湯用統計ガス量算出部306は、算出した結果を給湯用統計ガス量テーブル308に記憶させる(S306)。図8(b)に給湯用統計ガス量テーブル308の例を示す。給湯用統計ガス量テーブル308には、少なくとも1年間に亘って単位期間ごとの給湯用統計ガス量を格納する。
次に、厨房用合計ガス量算出部310により、統計に基づく厨房用合計ガス量を算出する(S308)。具体的には、厨房用合計ガス量算出部310は、単位期間ごと(各月)の給湯用統計ガス量Gs(STD)を合計して厨房用合計ガス量を算出する。そして厨房用統計平均ガス量算出部312は、厨房用合計ガス量に給湯と厨房の代表的な使用比GskRをかけてから年間の単位期間の数N(月単位であれば12)で割って厨房用統計平均ガス量Gk(STD)を求める(S310)。
[数2]
厨房用統計平均ガス量Gk(STD)=ΣGs(STD)×GskR/N
厨房用統計平均ガス量は、厨房用統計平均ガス量テーブル314に記憶させる(S312)。図8(c)に厨房用統計平均ガス量テーブル314の例を示す。なお、厨房用合計ガス量は後で使用しないため、必ずしも記憶しておく必要はない。
期間別給湯厨房比算出部316は、給湯用統計ガス量と厨房用統計平均ガス量とから、単位期間ごとの期間別給湯厨房比(給湯割合Ryと厨房割合Rk)を算出する(S314)。期間別給湯厨房比は、単位期間ごとの給湯用ガス量と厨房用ガス量の比であり、給湯厨房比テーブル302に記憶されている「給湯と厨房の代表的な使用比」よりも各単位期間が属する季節にあわせたものになっている。期間別給湯厨房比算出部316は、算出した期間別給湯厨房比を少なくとも1年間に亘って期間別給湯厨房比テーブル318に記憶させる(S316)。図8(d)に期間別給湯厨房比テーブル318の例を示す。なお図8(d)において給湯用統計ガス量Gs(STD)および厨房用統計平均ガス量Gk(STD)は理解の容易のために記載しており、必ずしも期間別給湯厨房比テーブル318に含める必要はない。
また給湯と厨房の使用比の他に、給湯同士の間で使用比を求める。期間別給湯比算出部320は、まず暖房を使用しない非暖房期に属する1つの単位期間を基準期間として特定する(S318)。
非暖房期とは暖房を使用しない期間である。端的に表現すれば、非暖房期は初夏、夏、初秋から構成することができる。非暖房期は地域によって適宜設定することができ、システムに予め設定しておくことができる。例えば関東であれば、6月〜9月を非暖房期として設定することができる。
基準期間は、暖房を使用しない非暖房期のうち、夏期と冬期の間の期間である中間期であることが好ましい。非暖房期であればガスによる暖房の影響を排除できるが、夏期には電気による冷房の夏期の影響が含まれる可能性がある。通年で給湯用のガス消費量を考慮する場合には冷暖房の両方の影響を排除することが好ましいため、中間期に属する単位期間を基準期間とすることが好ましい。中間期は、非暖房期と同様に、地域の気候を考慮して予め適宜定めることができる。また晩秋(関東であれば10月頃)には暖房が入ってくる可能性が高いため、春や初夏(関東であれば6月頃)を基準期間とすることが好ましい。
また基準期間は、暖房を使用しない非暖房期(例えば6月〜9月。以下ではM6〜M9と示す。)のうちで最もガス使用量が多い期間と設定することができる。仮に基準期間を非暖房期または年間のうちガス使用量が最低の期間とすると、長期不在あるいは浴槽の湯張りをやめるなどの一時的な給湯利用に関するライフスタイル変化の影響を受け、極端にガス最低使用量が低くなってしまうために、給湯用推定ガス量が年間を通して低く見積もられてしまうおそれがある。しかし上記構成によれば、長期不在の影響を確実に排除し、適切に給湯用推定ガス量を取得することができる。
次に期間別給湯比算出部320は、基準期間の給湯用統計ガス量を1とする場合に、他の単位期間ごとの給湯用統計ガス量の比を、期間別給湯比tとして算出する(S320)。算出した期間別給湯比tは、期間別給湯比テーブル322に記憶する(S322)。図8(e)に期間別給湯比テーブル322の例を示す。なお図8(e)において給湯用統計ガス量Gs(STD)は理解の容易のために記載しており、必ずしも期間別給湯比テーブル322に含める必要はない。
夏期平均給湯厨房比算出部324は、単位期間ごとの期間別給湯厨房比のうち、夏期の比を平均して、夏期平均給湯厨房比を求める(S324)。夏期平均給湯厨房比は、暖房を使用しない場合の給湯と厨房の使用比であり、給湯厨房比テーブル302に記憶されている「給湯と厨房の代表的な使用比(給湯厨房比)」の代替ともいうべき値である。そして、給湯と厨房の代表的な使用比よりも、給湯用ガス量が加味されていることから、より実情に即したものになっている。
夏期平均ガス量算出部326は、消費量記憶部210を参照し、実際に消費したガス量のうち夏期に消費したガス量の平均である夏期平均ガス量を算出する(S326)。
ガス分解演算部328は、上記諸々の比と、消費量記憶部210に記憶されている実際に消費したガス量とから、ガスについての用途を分解する演算を行う。ガス分解演算部328は、厨房用ガス量推定部330と、給湯用ガス量推定部332と、暖房用ガス量推定部334を備えている。
厨房用ガス量推定部330は、夏期平均ガス量G(Savg)(実績値のうち夏期の平均)と、夏期平均給湯厨房比Rk(Savg)(図8(d)参照)とから、通年の各単位期間(例えば月単位であれば1月〜12月。以下ではM1〜M12と示す。)の厨房用推定ガス量Gk(M1〜M12)を算出する(S328)。
[数3]
厨房用推定ガス量Gk(M1〜M12)=G(Savg)×Rk(Savg)
厨房用推定ガス量は、通年に亘って一定の値となる。これは厨房(ガスコンロ)における使用量は季節によらないものと考えられ、また水温と調理温度の差が大きいことから、給水温度の影響も無視できると考えられるためである。
給湯用ガス量推定部332は、非暖房期に属する単位期間(M6〜M9)については、実際に消費したガス量G(M6〜M9)から厨房用推定ガス量Gk(M6〜M9)を引いて給湯用推定ガス量Gs(M6〜M9)を算出する(S330)。
[数4]
給湯用推定ガス量Gs(M6〜M9)=G(M6〜M9)−Gk(M6〜M9)
非暖房期以外の単位期間(例えば10月〜5月。以下ではM10〜M5と示す。)については、まず基準期間(例えば6月。以下ではM6と示す。)に実際に消費したガス量G(M6)から厨房用推定ガス量Gk(M6)を引いて給湯用推定基準ガス量Gs(M6)を求める(S332)。そして給湯用推定基準ガス量Gs(M6)に先に求めた期間別給湯比tをかけて、各単位期間の給湯用推定ガス量Gs(M10〜M5)を算出する(S334)。
[数5]
給湯用推定ガス量Gs(M10〜M5)=Gs(M6)×t(M10〜M5)
このように、あらかじめ求めた期間別給湯比tを用いることにより、各単位期間の給湯用のガス量を求めることができる。
なお、給湯用ガス量推定部332は、非暖房期以外の単位期間について、厨房用推定ガス量に期間別給湯厨房比をかけて各単位期間の給湯用推定ガス量を求めても良い。これにより、あらかじめ期間別給湯比tを求めることなく各単位期間の給湯用推定ガス量を求めることができ、計算を簡略化することができる。またこの場合において、期間別給湯比算出部320および期間別給湯比テーブル322は不要となる。
上記により厨房用推定ガス量と給湯用厨房ガス量が求められ、実績値の算定値に対する残余が暖房用に使用されたと考えることができる。しかし、算定値と実績値とを比較すると、まれに実績値が下回る(少ない)場合がある。
そこで給湯用ガス量推定部332は、非暖房期以外の単位期間について、厨房用推定ガス量と給湯用推定ガス量の和(算定値)が実際に消費したガス量(実績値)とを比較する(S336)。そして、算定値の方が多い場合には、厨房用推定ガス量と給湯用推定ガス量とを再計算して補正を行う(S338)。具体的には、消費量記憶部210に記憶されている実際に採用したガス量を、期間別給湯厨房比テーブル318に記憶されている期間別給湯厨房比(給湯割合Ryと厨房割合Rk)に従って分配する。これにより、暖房用のガス量をゼロとし、かつ厨房用推定ガス量と給湯用推定ガス量を適切な比率に分解することができる。したがって、算出した結果が実態を離れてしまうことを防止し、より妥当な結果を得ることができる。
暖房用ガス量推定部334は、非暖房期以外の単位期間について、実際に消費したガス量G(M10〜M5)から厨房用推定ガス量Gk(M10〜M5)および給湯用推定ガス量Gs(M10〜M5)を引いて、暖房用推定ガス量Gh(M10〜M5)を算出する(S340)。
[数6]
暖房用推定ガス量Gh(M10〜M5)=G(M10〜M5)−Gk(M10〜M5)−Gs(M10〜M5)
そしてガス用途分解部230は、算出した用途別のガス使用量を積算部218に出力する。
上記構成によれば、通年のガスの消費量から、厨房用と、給湯用と、暖房用に用途を分解することができる。そして、夏期平均ガス量と夏期平均給湯厨房比とから厨房用推定ガス量を算出することにより、通常とは異なるエネルギー消費期間が存在しても、実態に即したエネルギー消費量の用途を分析することができる。仮に暖房期の中の単位期間(例えば1月)に長期不在等してエネルギー消費量が著しく低かったとしても、また仮に夏期の中の単位期間に長期不在したとしても、夏期の平均のデータを取ることから、その影響を極めて小さくすることができる。そして、このようにして求めた厨房用推定ガス量に基づいて給湯用推定ガス量および暖房用推定ガス量を求めることにより、通常とは異なるエネルギー消費期間が存在しても、実態に即した妥当性の高い消費量に分解することができる。
また上記構成によれば、統計として必要なデータは、給湯と厨房の代表的な使用比と、単位期間ごとの給湯用のガス量のみとなる。単位期間ごとの給湯用のガス量は、1日に使用するガス量から求めることができる。これらの値は公表された統計値から得ることができるため、当該用途分解装置に好適に適用し、通年の単位期間ごとの期間別給湯厨房比を高い妥当性をもって求めることができる。
(電気用途分解部232)
図10は電気用途分解部232の構成を説明する図、図11はAタイプの場合の電気用途分解部の動作を説明するフローチャートである。図10において、矢印はデータの流れを示している。
電気用途分解部232においては、中間期最低電気量取得部402、電気分解演算部404を備えている。電気分解演算部404はさらに、厨房用電気量推定部410、給湯用電気量推定部412、照明・家電用電気量推定部414、冷房用電気量推定部416、暖房用電気量推定部418を備えている。
厨房用電気量推定部410は、厨房に用いる電気量を算定する。厨房に用いる電気量は、例えば複数の邸をモニタリングして推定値を算出することができる。給湯用電気量推定部412は、例えば統計に基づいて照明・家電用と給湯用の電気量比を求め、実績値から厨房用推定電気量を引いた値を分配することができる。
ただしAタイプの場合、電気は照明・家電と冷暖房に用いており、厨房と給湯には利用しない。そのため、Aタイプの演算においては厨房用電気量推定部410と給湯用電気量推定部412は使用しない。
中間期最低電気量取得部402は、まず中間期を特定する(S402)。中間期とは上記のように夏期と冬期の間の期間であって、地域の気候を考慮して予め適宜定めることができる。そして中間期最低電気量取得部402は消費量記憶部210を参照し、中間期に属する単位期間のうちで最低の電気量(中間期最低電気量E(Mmin))を取得する(S404)。
照明・家電用電気量推定部414は、中間期最低電気量取得部402が取得した中間期最低電気量E(Mmin)を、そのまま各単位期間の照明・家電用の電気量Ea(照明・家電用推定電気量)であると推定する(S406)。
[数7]
照明・家電用の電気量Ea=中間期最低電気量E(Mmin)
これは、照明や家電用の電気量は、年間を通じて一定であると想定できるからである。
ここで、最低電気量を中間期の範囲内としたのは、夏期および冬期を除外することにより、冷暖房に消費される電気量を除外するためである。一方、年間の最低電気量としなかったのは、1年のうちのどこかで長期不在した場合に極端に最低電気量が低くなってしまうために、照明・家電用推定電気量が年間を通して低く見積もられてしまうおそれがあるためである。
次に冷房用電気量推定部416は、通年の各単位期間の電気量E(実績値)と、上記で算定した中間期最低電気量E(Mmin)とを比較する(S408)。そして、算定値の方が多い場合には、照明・家電用推定電気量Eaを実績値の電気量Eに置き換える補正を行う(S410)。
[数8]
照明・家電用の電気量Ea=実績値の電気量E
すなわち、極端に電気使用量が少ない月があった場合には、冷暖房に対する電気使用はないものとし、すべての電気は照明・家電等に使用されたものとする。また、照明・家電用の電気量Eaを実績値にあわせて少なくなるように補正する。これにより、算出した結果が実測値を超えてしまうことを防止し、より妥当な結果を得ることができる。
冷房用電気量推定部416は、非暖房期(例えば6月〜9月)に属する単位期間について実績値E(M6〜M9)から照明・家電用推定電気量Ea(M6〜M9)を引くことにより、単位期間ごとの冷房用推定電気量Ec(M6〜M9)を算出する(S412)。
[数9]
冷房用推定電気量Ec(M6〜M9)=E(M6〜M9)−Ea(M6〜M9)
非暖房期は、上記したように暖房を使用しない期間であって、例えば関東であれば6月〜9月に設定することができる。
暖房用電気量推定部418は、非暖房期以外の単位期間(M10〜M5)について、実績値E(M10〜M5)から照明・家電用推定電気量Ea(M10〜M5)を引くことにより、単位期間ごとの暖房用推定電気量Eh(M10〜M5)を算出する(S414)。
[数10]
暖房用推定電気量Eh(M10〜M5)=E(M10〜M5)−Ea(M10〜M5)
電気用途分解部232は、算出した用途別の電気量を積算部218に出力する。
(灯油用途分解部234)
図12は灯油用途分解部234の構成を説明する図、図13はAタイプの場合の灯油用途分解部の動作を説明するフローチャートである。図12において、矢印はデータの流れを示している。
灯油用途分解部234においては、中間期最低給湯量取得部502、灯油分解演算部504を備えている。灯油分解演算部504はさらに、給湯用灯油量推定部510、暖房用灯油量推定部512を備えている。
灯油は、本システムでは給湯か暖房にしか利用されない前提である。給湯は年間を通じておおむね同程度の量が使用されると考えられることから、暖房を利用しない季節の使用量を参照すれば給湯量を算定することができる。
そこで中間期最低給湯量取得部502は、中間期を特定し、中間期に属する単位期間のうちで最低の灯油使用量(中間期最低灯油量)を取得する。そして給湯用灯油量推定部510は、中間期最低灯油量を通年の給湯用灯油量であると推定することができる。
ただしAタイプの場合、灯油は暖房のみに用いており、給湯には利用しない。そのため、Aタイプの演算においては中間期最低給湯量取得部502と給湯用灯油量推定部510は使用しない。
したがって本実施形態においては、暖房のみに用いていることから、灯油の実際の使用量Kがそのまま暖房用灯油量Khと推定できる。そこで暖房用灯油量推定部512は、消費量記憶部210を参照して、灯油使用量K(実績値)をそのまま暖房用推定灯油量Khと推定する(S502)。
[数11]
暖房用灯油量Kh=灯油使用量K
なお、この場合において、非暖房期や中間期を考慮する必要はない。灯油用途分解部234は、算出した用途別の灯油量を積算部218に出力する。
そして積算部218は、図1に示すガス用途分解部230、電気用途分解部232、灯油用途分解部234の出力を用途別に積算する(図3のS112)。そして出力部220から、表示部130などに出力して利用者に提示する(図3のS114)。
以上、Aタイプの場合について用途分解部216の説明を行ったが、B〜Eタイプの場合についても、上記と同様の処理でエネルギー消費の用途を分解することができる。
上記説明した如く、エネルギーと用途の組み合わせを実情に即してタイプ分けすることにより、消費量を分解する演算を容易にして、計算負荷を軽減することができる。
また、長期不在などの理由により通常とは異なるエネルギー消費期間が存在しても、実態に即したエネルギー消費の用途を分析することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、住宅などの建物においてガスや電気などのエネルギーを消費した場合に、その用途を妥当性の高い推定によって分解する用途分解装置および用途分解プログラムとして利用することができる。
100 …用途分解装置
102 …ネットワーク
104 …クライアントコンピュータ
110 …コンピュータ
120 …入力部
130 …表示部
200 …用途分解プログラム
210 …消費量記憶部
212 …パターンテーブル
214 …パターン特定部
216 …用途分解部
218 …積算部
220 …出力部
222 …温度取得部
230 …ガス用途分解部
232 …電気用途分解部
234 …灯油用途分解部
302 …給湯厨房比テーブル
304 …給湯用ガス量
306 …給湯用統計ガス量算出部
308 …給湯用統計ガス量テーブル
310 …厨房用合計ガス量算出部
312 …厨房用統計平均ガス量算出部
314 …厨房用統計平均ガス量テーブル
316 …期間別給湯厨房比算出部
318 …期間別給湯厨房比テーブル
320 …期間別給湯比算出部
322 …期間別給湯比テーブル
324 …夏期平均給湯厨房比算出部
326 …夏期平均ガス量算出部
328 …ガス分解演算部
330 …厨房用ガス量推定部
332 …給湯用ガス量推定部
334 …暖房用ガス量推定部
402 …中間期最低電気量取得部
404 …電気分解演算部
410 …厨房用電気量推定部
412 …給湯用電気量推定部
414 …照明家電用電気量推定部
416 …冷房用電気量推定部
418 …暖房用電気量推定部
502 …中間期最低給湯量取得部
504 …灯油分解演算部
510 …給湯用灯油量推定部
512 …暖房用灯油量推定部

Claims (4)

  1. 少なくとも1年間に亘って単位期間ごとに住宅における1または複数のエネルギーの消費量を記憶する消費量記憶部と、
    上記期間における各エネルギーと該エネルギーを消費する用途との組み合わせである消費パターンを予め特定するパターン特定部であって、住宅の機器構成を選択していくことによって一の消費パターンを特定するパターン特定部と、
    特定された前記消費パターンに基づいて各単位期間に使用されるエネルギーの消費量を用途ごとに分解する用途分解部と、
    該用途ごとに各エネルギーの消費量を積算する積算部と、
    を備えたことを特徴とする用途分解装置。
  2. エネルギーは、電気、ガス及び灯油を含み、
    用途は、給湯及び厨房を含み、
    複数の消費パターンを記憶したパターンテーブルをさらに備え、
    前記パターンテーブルは、前記複数の消費パターンとして、
    ガスを給湯に利用するAパターンと、
    電気を給湯に利用し、ガスをエネルギーとして利用しないBパターンと、
    電気を給湯に利用し、ガスを給湯に利用せずに厨房に利用するCパターンと、
    電気を給湯に利用せず、ガスをエネルギーとして利用せず、灯油を給湯に利用するDパターンと、
    電気を給湯に利用せず、ガスを給湯に利用せずに厨房に利用し、灯油を給湯に利用するEパターンと、
    を記憶し、
    前記パターン特定部は前記パターンテーブルに記憶された前記消費パターンを特定するものであって、
    まずガス給湯器を使用しているか否かを判断し、
    ガス給湯器を使用している場合は、Aパターンと特定し、
    ガス給湯器を使用していない場合は、続いて電気給湯器を使用しているか否かを判断し、
    電気給湯器を使用していて他のガス器具を使用していない場合は、Bパターンと特定し、
    電気給湯器及び他のガス器具を使用している場合は、Cパターンと特定し、
    ガス給湯器及び電気給湯機を使用していない場合は、続いて灯油給湯器を使用しているか否かを判断し、
    灯油給湯機を使用していない場合は、いずれのパターンにも属しないと判断し、
    灯油給湯器を使用していて他のガス器具を使用していない場合は、Dパターンと特定し、
    灯油給湯器及び他のガス器具を使用している場合は、Eパターンと特定し、
    前記用途分解部は、前記特定された消費パターンに定義された用途に基づいて、各単位期間に使用されるエネルギーの消費量を用途ごとに分解することを特徴とする請求項1に記載の用途分解装置。
  3. 前記エネルギーによる加熱または冷却前の給水または空気の温度を取得する温度取得部と、
    前記温度に基づいて単位期間ごとのエネルギー消費量を算出する消費量算出部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の用途分解装置。
  4. コンピュータを、
    少なくとも1年間に亘って単位期間ごとに住宅における1または複数のエネルギーの消費量を記憶する消費量記憶部と、
    上記期間における各エネルギーと該エネルギーを消費する用途との組み合わせである消費パターンを予め記憶したパターンテーブルと、
    前記パターンテーブルに記憶された前記消費パターンを特定するパターン特定部であって、住宅の機器構成を選択していくことによって一の消費パターンを特定するパターン特定部と、
    特定された前記消費パターンに基づいて各単位期間に使用されるエネルギーの消費量を用途ごとに分解する用途分解部と、
    該用途ごとに各エネルギーの消費量を積算する積算部として機能させることを特徴とする用途分解プログラム。
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