JP5359180B2 - マスキング部材及びマスキング部材を用いた被膜形成方法 - Google Patents
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Description
この場合、マスキング部材を被膜形成部材上に配置したときに、そのマスキング部材の被膜形成領域に臨む被膜形成領域側端面が垂直に立上がっているとすると、被膜がその被膜形成領域側端面に付着することになり、被膜形成後のマスキング部材の取り外しの際、その被膜が引張られて剥離するおそれがある。このため、マスキング部材の被膜形成領域側端面は、被膜形成部材上に配置したときに、アンダーカット形状、すなわち、被膜形成部材から外側に離れるほど被膜形成領域側に向けて突出する傾斜形状とされている。これにより、マスキング部材の被膜形成領域側端面に対する被膜の付着が抑制され、マスキング部材の取り外しに際して、被膜の剥離が抑制される。
第2の技術的課題は、上記マスキング部材を用いて、マスキング部材の取り外しに伴う被膜の剥離を簡単に抑制できるマスキング部材を用いた被膜形成方法を提供することにある。
被膜形成部材上に設置して該被膜形成部材上に被膜形成領域を区画するマスキング部材であって、
前記被膜形成部材上に設置される第1マスキング部材と、
前記第1マスキング部材上に交換可能に設置され、前記被膜形成領域に臨む被膜形成領域側端面が該第1マスキング部材の被膜形成領域側端面よりも突出した状態とされている第2マスキング部材と、
を備え、
前記第2マスキング部材が、複数層の積層構造として形成され、
前記第2マスキング部材の各層が、上側から順次、取り外し可能とされている、
構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2に記載の通りとなる。
請求項1〜2のいずれか1項に係るマスキング部材を被膜形成部材上に設置して、該マスキング部材により該被膜形成部材上に区画される被膜形成領域に被膜を形成するマスキング部材を用いた被膜形成方法であって、
前記マスキング部材を前記被膜形成部材上に設置するに際して、該マスキング部材の第2マスキング部材の被膜形成領域側端面により前記被膜形成領域を区画し、
前記マスキング部材を、新たな被膜形成部材に対して順次、使い回し、
前記第2マスキング部材として、複数層の積層構造からなるものを用いているときであって、該第2マスキング部材の最上層が使用限界に達したとき、該第2マスキング部材の最上層を取り除く、
構成としてある。
また、マスキング部材が、第1マスキング部材上に第2マスキング部材が交換可能に設けられていることから、第2マスキング部材を最後(使用限度)まで有効に活用できるだけでなく、被膜処理に伴い、マスキング部材の表面が使用限度に達したときには、そのマスキング部材全体(第1,第2マスキング部材の両方)を交換しなくても、第2マスキング部材だけを新たなものに交換することができる。このため、マスキング部材の廃棄量(交換量)を、全体交換する場合に比べて減らすことができる。
先ず、マスキング部材について、ロータリエンジンのサイドハウジングに被膜(溶射被膜)を形成する場合に用いるものを例にとり説明する。サイドハウジングにおいては、耐摩耗性を向上させるべく、その側面における凹所面に対して溶射による被膜形成が行われる。このため、本実施形態に係るマスキング部材1は、溶射による被膜形成に際して、図1,図2に示すように、必要部位以外への被膜の形成を防止すべく、サイドハウジングWの側面Ws上に配置(セット)される。
ワークであるサイドハウジングWに対して被膜である溶射層を形成するに際しては、図4に示すように、脱脂洗浄(アルカリ洗浄)、乾燥(エアブロー)、ショットブラスト用マスキング部材1のセット、ショットブラスト、マスキングの取外し、エアブロー、溶射用マスキング部材のセット、溶射(HVOF溶射)、溶射用マスキング部材の取外し、乾燥(エアブロー)、検査の各工程を経ることになる。前述の本実施形態に係るマスキング部材1は、溶射工程の直前工程として行われるマスキング工程において用いられ、溶射層の付着を高めるために、ワークとしてのサイドハウジングWの必要部位表面(溶射を行う領域面)を粗くするショットブラスト工程の前工程として行われるマスキング工程においては用いられない。
このとき、図示を略す治具等により、サイドハウジングWとマスキング部材1とが所定の位置決め状態に位置決め固定され、マスキング部材1は、第2マスキング部材3が第1マスキング部材2の上側となるように配置されると共に、第2マスキング部材3の孔6がサイドハウジングWの凹所Wh開口に対して上下に合致するようにされる。
これにより、サイドハウジングWの凹所Wh内全体が溶射層8により覆われ、その一部は、図3に示すように、サイドハウジングWの凹所Wh周縁部にまで至る。しかし、第1,第2マスキング部材2,3の孔5,6内周部は、実質上のアンダーカット形状を形成しており、このとき、第1,第2マスキング部材2,3の孔内周面5a,6a(端面)、特に第1マスキング部材2の孔内周面5aに溶射層8は付着しない。
さらに、第2マスキング部材3の最上段の薄板9を廃棄するに際しては、その最上段の薄板9をその下側段の薄板9に対してずらして、その最上段の薄板9の各大径部13内が長ボルト10が入るようにすれば、各ナット11による上側移動規制が解除され、最上段の薄板9を容易に取り除くことができることになる。このため、最上段の薄板9の交換を円滑且つ迅速に行うことができる。
これにより、溶射材料(粒子)の噴射圧力により第2マスキング部材3上面が荒らされることが抑えられ、溶射材料(粒子)が第2マスキング材料上面に堆積されることが抑制される。この結果、第2マスキング部材3の寿命を高めることができる。
これにより、溶射粒子を、その各突条部17の形成面18,19に基づき、第2マスキング部材3が平坦面である場合よりも付着しにくくすることができ、第2マスキング部材3の表面への溶射材料の堆積を抑制できる(第2マスキング部材3の寿命向上)。
これにより、溶射粒子は、図10に示すように、他方の形成面19により、孔6(サイドハウジングWの凹所Wh)とは反対側にはじき飛ばされることになり、溶射粒子がサイドハウジングWの溶射層8に飛散することを抑えて溶射被膜面の性状が悪化することを抑制できる。この場合、一方の形成面18は、本実施形態においては、孔内周面6aと平行な状態となっているが、一方の形成面18を、さらに他方の形成面に近づけるように傾けて、その一方の形成面18が他方の形成面19の下方領域内により収まるようにしてもよい。
(1)各実施形態の内容を適宜、組み合わせること。
(2)被膜形成としては、溶射の他に、メッキ等が含まれること。
(3)溶射被膜形成部材は、耐摩耗性の向上を図りたいものであれば、サイドハウジングWに限らず、どのようなものでもよいこと。
2 第1マスキング部材
3 第2マスキング部材
3A 第2マスキング部材の本体(基材層)
5a 第1マスキング部材の孔内周面(被膜形成領域側端面)
6a 第2マスキング部材の孔内周面(被膜形成領域側端面)
9 薄板(層)
17 突条部
18 一方の形成面
19 他方の形成面
W サイドハウジング(被膜形成部材)
Claims (3)
- 被膜形成部材上に設置して該被膜形成部材上に被膜形成領域を区画するマスキング部材であって、
前記被膜形成部材上に設置される第1マスキング部材と、
前記第1マスキング部材上に交換可能に設置され、前記被膜形成領域に臨む被膜形成領域側端面が該第1マスキング部材の被膜形成領域側端面よりも突出した状態とされている第2マスキング部材と、
を備え、
前記第2マスキング部材が、複数層の積層構造として形成され、
前記第2マスキング部材の各層が、上側から順次、取り外し可能とされている、
ことを特徴とするマスキング部材。 - 請求項1において、
前記第2マスキング部材が、基材層と、該基材層上に設けられて該基材層よりも高硬度とされた表面層とにより形成されている、ことを特徴とするマスキング部材。 - 請求項1〜2のいずれか1項に係るマスキング部材を被膜形成部材上に設置して、該マスキング部材により該被膜形成部材上に区画される被膜形成領域に被膜を形成するマスキング部材を用いた被膜形成方法であって、
前記マスキング部材を前記被膜形成部材上に設置するに際して、該マスキング部材の第2マスキング部材の被膜形成領域側端面により前記被膜形成領域を区画し、
前記マスキング部材を、新たな被膜形成部材に対して順次、使い回し、
前記第2マスキング部材として、複数層の積層構造からなるものを用いているときであって、該第2マスキング部材の最上層が使用限界に達したとき、該第2マスキング部材の最上層を取り除く、
ことを特徴とするマスキング部材を用いた被膜形成方法。
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