JP5352750B1 - 導電性及び曲げたわみ係数に優れる銅合金板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 0.01〜0.5質量%のFeを含有し、さらにFeの質量%濃度に対し1/6倍〜1倍の質量%のPを含有し、残部が銅およびその不可避的不純物からなり、350MPa以上の引張強さを有し、次式で与えられるA値が0.5以上であることを特徴とする銅合金板。
A=2X(111)+X(220)−X(200)
X(hkl)=I(hkl)/I0(hkl)
(ただし、I(hkl)およびI0(hkl)はそれぞれX線回折法を用い圧延面および銅粉に対し求めた(hkl)面の回折積分強度である。)
【選択図】なし
Description
また、曲げたわみ係数が高いと曲げ加工の際のスプリングバックが小さくなり、プレス成型加工が容易になる。厚肉材が使用される大電流コネクタ等では、特にこのメリットは大きい。
A=2X(111)+X(220)−X(200)
X(hkl)=I(hkl)/I0(hkl)
ただし、I(hkl)およびI0(hkl)はそれぞれX線回折法を用い圧延面および銅粉に対し求めた(hkl)面の回折積分強度である。
(目標特性)
本発明の実施の形態に係るCu−Fe−P系合金板は、65%IACS以上の導電率を有し、且つ350MPa以上の引張強さを有する。導電率が65%IACS以上であれば、通電時の発熱量が純銅と同等といえる。また、引張強さが350MPa以上であれば、大電流を通電する部品の素材又は大熱量を放散する部品の素材として必要な強度を有しているといえる。
Fe濃度は0.01〜0.5質量%とし、より好ましくは0.05〜0.4質量%とする。Feが0.5質量%を超えると、65%IACS以上の導電率を得ることが難しくなる。Feが0.01質量%未満になると、350MPa以上の引張強さを得ることが難しくなる。
次式で与えられる結晶方位指数A(以下、単にA値と記す)を0.5以上、より好ましくは1.0以上に調整する。ここで、I(hkl)およびI0(hkl)はそれぞれX線回折法を用い圧延面および銅粉に対し求めた(hkl)面の回折積分強度である。
A=2X(111)+X(220)−X(200)
X(hkl)=I(hkl)/I0(hkl)
A値を0.5以上に調整すると、曲げたわみ係数が115GPa以上になり、同時に応力緩和特性も向上する。A値の上限値については、曲げたわみ係数および応力緩和特性改善の点からは制限されないものの、A値は典型的には10.0以下の値をとる。
銅合金板に熱を加えると、極微小な寸法変化が生じる。本発明ではこの寸法変化の割合を「熱伸縮率」と称する。本発明者は、A値を制御したCu−Fe−P系銅合金板につき、熱伸縮率を調整することにより、応力緩和率を著しく改善できることを見出した。本発明では、熱伸縮率として、200℃で30分加熱した時の圧延方向の寸法変化率を用いる。この熱伸縮率の絶対値(以下、単に熱伸縮率と記す)を80ppm以下に調整することが好ましく、50ppm以下に調整することがさらに好ましい。熱伸縮率の下限値については、銅合金板の特性の点からは制限されないが、熱伸縮率が1ppm以下になることは少ない。A値を0.5以上に調整することに加え、熱伸縮率を80ppm以下に調整することにより、応力緩和率が50%以下となる。
製品の厚みは0.1〜2.0mmであることが好ましい。厚みが薄すぎると、通電部断面積が小さくなり通電時の発熱が増加するため大電流を流すコネクタ等の素材として不適であり、また、わずかな外力で変形するようになるため放熱板等の素材としても不適である。一方で、厚みが厚すぎると、曲げ加工が困難になる。このような観点から、より好ましい厚みは0.2〜1.5mmである。厚みが上記範囲となることにより、通電時の発熱を抑えつつ、曲げ加工性を良好なものとすることができる。
本発明の実施の形態に係る銅合金板は、電機・電子機器、自動車等で用いられる端子、コネクタ、リレー、スイッチ、ソケット、バスバー、リードフレーム、放熱板等の電子部品の用途に好適に使用することができ、特に、電気自動車、ハイブリッド自動車等で用いられる大電流用コネクタや端子等の大電流用電子部品の用途、又はスマートフォンやタブレットPCで用いられる液晶フレーム等の放熱用電子部品の用途に有用である。
純銅原料として電気銅等を溶解し、Fe、Pおよび必要に応じ他の合金元素を添加し、厚み30〜300mm程度のインゴットに鋳造する。このインゴットを熱間圧延により厚み3〜30mm程度の板とした後、冷間圧延と再結晶焼鈍とを繰り返し、最終の冷間圧延で所定の製品厚みに仕上げ、最後に歪取り焼鈍を施す。A値を0.5以上に調整する方法は特定の方法に限定されないが、例えば熱間圧延条件の制御により可能となる。
(成分)
歪取焼鈍後の材料の合金元素濃度をICP−質量分析法で分析した。
圧延方向と直交する断面を機械研磨により鏡面に仕上げた後、エッチングにより結晶粒界を現出させた。この金属組織上において、JIS H 0501(1999年)の切断法に従い測定し、平均結晶粒径を求めた。
歪取焼鈍後の材料の圧延面に対し、厚み方向に(hkl)面のX線回折積分強度(I(hkl))を測定した。また、銅粉末銅粉末(関東化学株式会社製、銅(粉末),2N5、>99.5%、325mesh)に対しても、(hkl)面のX線回折積分強度(I0(hkl))を測定した。X線回折装置には(株)リガク製RINT2500を使用し、Cu管球にて、管電圧25kV、管電流20mAで測定を行った。測定面(hkl)は(111)、(220)および(100)の三面とし、次式によりA値を算出した。
A=2X(111)+X(220)−X(200)
X(hkl)=I(hkl)/I0(hkl)
最終冷間圧延後および歪取焼鈍後の材料につき、JIS Z2241に規定する13B号試験片を引張方向が圧延方向と平行になるように採取し、JIS Z2241に準拠して圧延方向と平行に引張試験を行い、引張強さ求めた。
歪取焼鈍後の材料から、幅20mm、長さ210mmの短冊形状の試験片を、試験片の長手方向が圧延方向と平行になるように採取し、図1のようにL0(=200mm)の間隔を空け二点の打痕を刻印した。その後、200℃で30分加熱し、加熱後の打痕間隔(L)を測定した。そして、熱伸縮率(ppm)として、(L−L0)/L0×106の式で算出される値の絶対値を求めた。
歪取焼鈍後の材料から、試験片の長手方向が圧延方向と平行になるように試験片を採取し、JIS H0505に準拠し四端子法により20℃での導電率を測定した。
TDの曲げたわみ係数を日本伸銅協会(JACBA)技術標準「銅及び銅合金板条の片持ち梁による曲げたわみ係数測定方法」に準じて測定した。
板厚t、幅w(=10mm)の短冊形状の試験片を、試験片の長手方向が圧延方向と直交するように採取した。この試料の片端を固定し、固定端からL(=100t)の位置にP(=0.15N)の荷重を加え、このときのたわみdから、次式を用い曲げたわみ係数Bを求めた。
B=4・P・(L/t)3/(w・d)
歪取焼鈍後の材料から、幅10mm、長さ100mmの短冊形状の試験片を、試験片の長手方向が圧延方向と直交するように採取した。図2のように、l=50mmの位置を作用点として、試験片にy0のたわみを与え、TDの0.2%耐力(JIS Z2241に準拠して測定)の80%に相当する応力(s)を負荷した。y0は次式により求めた。
y0=(2/3)・l2・s / (E・t)
ここで、EはTDの曲げたわみ係数であり、tは試料の厚みである。150℃にて1000時間加熱後に除荷し、図3のように永久変形量(高さ)yを測定し、応力緩和率{[y(mm)/y0(mm)]×100(%)}を算出した。
TDと成す角度が20度以内である原子面を有する領域の面積率を測定したところ、50
%を超えていた。比較例11の曲げたわみ係数は115GPa以上となったが、引張強さ
を10〜100MPa低下させる条件で歪取焼鈍を行ない、熱伸縮率を80ppm以下に
調整したにもかかわらず、応力緩和率が50%を超えた。
Claims (9)
- 0.01〜0.5質量%のFeを含有し、さらにFeの質量%濃度に対し1/6倍〜1倍の質量%のPを含有し、残部が銅およびその不可避的不純物からなり、350MPa以上の引張強さを有し、次式で与えられるA値が0.5以上であることを特徴とする銅合金板。
A=2X(111)+X(220)−X(200)
X(hkl)=I(hkl)/I0(hkl)
(ただし、I(hkl)およびI0(hkl)はそれぞれX線回折法を用い圧延面および銅粉に対し求めた(hkl)面の回折積分強度である。) - 1質量%以下のZnを含有することを特徴とする請求項1に記載の銅合金板。
- 0.5質量%以下のSnを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の銅合金板。
- Ag、Co、Ni、Cr、Mn、Mg、SiおよびBのうちの一種以上を2質量%以下含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金板。
- 200℃で30分加熱した時の圧延方向の熱伸縮率が80ppm以下に調整されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅合金板。
- 導電率が65%IACS以上であり、板幅方向の曲げたわみ係数が115GPa以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅合金板。
- 導電率が65%IACS以上、板幅方向の曲げたわみ係数が115GPa以上、150℃で1000時間保持後の板幅方向の応力緩和率が50%以下であることを特徴とする、請求項5に記載の銅合金板。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の銅合金板を用いた大電流用電子部品。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の銅合金板を用いた放熱用電子部品。
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