JP5318912B2 - 光モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、光モジュール全般、特に高周波特性に優れた光半導体素子用モジュールに関するものである。
近年、光アクセス回線の普及に伴い、光信号源としてレーザダイオード(LD)を搭載した光モジュール(LDモジュール)の低コスト化が求められている。また、光アクセス回線網における映像コンテンツなどの流通増によるトラヒック増に対応するために、伝送速度が10Gbit/s級に対応可能なLDモジュールが求められている。
LDモジュールの低コスト化のためには、DVD用LDパッケージや低速(1Gbit/s以下)光通信用LDパッケージなどの安価なキャンパッケージ(例えば特許文献1、2参照)の使用が有利であるが、DVD用及び低速光通信用LDパッケージは、10Mbit/s〜1Gbit/s級と低い伝送速度での使用が前提となっているため、ステム上面に突出したリードが1mm程度と長く、これに起因するインダクタンスの影響で高周波特性を確保することが困難であり、10Gbit/s級で駆動することはLDモジュールが出力する光信号波形に大きな歪みをもたらすため、このようなLDパッケージを10Gbit/s級にそのまま適用するのは現実的でない。
一方、リードの短尺化や、リードとLD素子とを電気的に接続するためのワイヤを配線基板で置換する技術を導入することにより上記問題を回避できるが、DVD用LDパッケージとは全く異なった実装形態となるため、量産効果による低コスト化の恩恵を享受できないという問題があった。
図8を用いて従来技術の詳細を説明する。
図8(a),(b)には、それぞれ従来のキャン型LDパッケージの側面図と上面図が記載されている。また、図示はしないが通常、LDパッケージは、LD出射光の取り出し用窓またはレンズを具備するキャップにより封止される。つまり、ステム1のステム上面1a及びステム上面1a側に配置されている各部材(LD素子5やモニタPD7やステムマウント1cやリード端子2a,2b,2cのうちステム上面1aから突出した部分など)が、キャップにより封止される。
図8(a),(b)に示すように、導電材(金属材)からなるステム1は、貫通孔3a,3b,3cを備え、各貫通孔3a,3b,3cはリード端子2a,2b,2cを備えている。ここで、リード端子2a,2b,2cは、貫通孔3a,3b,3cに具備されるガラス材等の絶縁体(誘電体)3dを介して固定されステム1を貫通しているため、リード端子2a,2b,2cとステム1とは電気的に絶縁されている。なお、リード端子2a,2bは、それぞれ、ステム1の一部であるステムマウント1cに搭載されるLD素子5のカソード、アノードに駆動電気信号を供給するために設けられている。一方、リード端子2dはステム1を貫通せず、ステム下面1bとろう付け等により接続されているため、ステム1と電気的に接続されており、グランドピンの役割を果たす。したがって、リード端子2dがグランドに接続されることにより、ステム1及びその一部であるステムマウント1cがグランドに接続されることになる。
なお、LD素子5は、熱伝導率が高くかつ熱膨張係数がLD素子5の材料と近い値を有する誘電体(例えばInP系材料からなるLD素子の場合はAlNなど)をヒートシンク(誘電体基板)6aとして用いている。ヒートシンク6aは、ステムマウント1cとハンダ等で固定され、ヒートシンク6aの上面にはワイヤ配線用の配線パタン6bを備えている。また、LD素子5下面に設けられたカソード(図示せず)は配線パタン6bとハンダ等で固定される。
LD素子5から出射するLD信号のほとんどはステム上面方向とは逆方向(+z軸方向)に出射される。一方、僅かに出射されるステム上面方向(−z方向)の信号光をモニタPD7で受光することにより、LD素子5の光出力強度をモニタすることが可能である。このようなモニタPD7は、一般にモニタPD7の受光電流が一定になるようにLD素子5の駆動電流値を制御することで一定の光出力強度を得ることができるAPC(Auto Power Control)機能を実現するために導入される。なお、モニタPD7は、ステム凹部1dに配置されたPDキャリア8に搭載される。モニタPD7のカソードはリード端子2cのステム上面側の一端にワイヤ9aを介して電気的に接続される。また、アノードはステム上面1aにワイヤ9bを介して電気的に接続されるため、ステム1と同位のグランドになる。
次に、LD駆動電気信号の伝送線路、即ち、LD素子5への給電系統の詳細を説明する。カソード側においては、LDパッケージ外部からの高速駆動電気信号は、リード端子2aのステム下面側の一端から、ステム上面側の一端に至り、ワイヤ4a、ヒートシンク6aの配線パタン6bを経由してLD素子5の下面(図示せず)に設けたカソードに給電される。また、アノード側においては、LDパッケージ外部からの高速駆動電気信号は、リード端子2bのステム下面側の一端から、ステム上面側の一端に至り、ワイヤ4bを経由してLD素子5の上面のアノードに給電される。
ここで、カソード側の電気信号線路を、伝送線路101a,102a,103aに分割しておく。伝送線路101aはリード端子2aのステム下面側の一端からステム下面1bまで、伝送線路102aはリード端子2aのステム1を貫通する部分を、伝送線路103aはステム上面1aからリード端子2aのステム上面側の一端までを指す。なお、アノード側も同様に、伝送線路101bはリード端子2bのステム下面側の一端からステム下面1bまで、伝送線路102bはリード端子2bのステム1を貫通する部分を、伝送線路103bはステム上面1aからリード端子2bのステム上面側の一端までを指す。
次に、伝送線路102a(102b),103a(103b)の10GHz付近における特性インピーダンスを見積もる。伝送線路102a(102b)の長さを1.2mm、貫通孔3a,3bの直径を約1mm、貫通孔3a,3bに具備されるガラス材(誘電体である絶縁材3d)の誘電率を4〜7とすると、伝送線路102a(102b)の10GHz付近における特性インピーダンスは、15〜30Ω程度となる。一方、伝送線路103a(103b)は、伝送線路102a(102b)とは異なり、リード端子2a(2b)の周囲にガラス等の誘電体はなく、しかも長さが1mm程度と長くインダクタンス成分が大きいため、伝送線路103a(103b)の10GHz付近における特性インピーダンスは前記伝送線路102a(102b)の値(15〜30Ω)よりも大きくなる。よって、伝送線路101a(101b)から入力された電気信号は、伝送線路102a(102b)を経由した後、伝送線路102a(102b)と伝送線路103a(103b)の界面で反射を受け、伝送線路102a〜103a(102b〜103b)のS11特性10GHzにおいて−3dB程度と非常に高周波特性が悪くなってしまう(図2、図4に従来例の高周波特性を示す)。
特開2008-170636号公報 特開2004-363242号公報
上述したように従来技術では、入力された高周波電気信号は、伝送線路102a(102b)を経由した後、伝送線路102a(102b)と伝送線路103a(103b)の界面で反射を受けるため、伝送線路102a〜103a(102b〜103b)の高周波特性が悪くなってしまうという問題があった。
本発明は、上記従来技術に鑑み、従来の安価なキャン型パッケージを用いても、10Gbit/s級の高速信号で駆動できる、高周波特性に優れた光モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の構成は、
導電材からなると共にグランドに接続されるステムと、
前記ステムを貫通して前記ステムに取り付けられると共に、前記ステムを貫通する部分に絶縁材が介在することにより前記ステムとは電気的に絶縁された第1のリード端子と、
前記ステムを貫通して前記ステムに取り付けられると共に、前記ステムを貫通する部分に絶縁材が介在することにより前記ステムとは電気的に絶縁された第2のリード端子と、
前記ステムの一部であるステムマウントに備えられた誘電体基板と、
前記誘電体基板に搭載された光素子を備えた光モジュールにおいて、
前記誘電体基板は、その裏面が前記ステムマウントに接続されており、その表面が前記第1のリード端子と前記第2のリード端子に対向しており、
前記誘電体基板の表面には、前記第1のリード端子及び前記光素子と電気的に接続される第1の配線パタンと、前記第2のリード端子及び前記光素子と電気的に接続される第2の配線パタンが形成され、
前記誘電体基板の表面に、前記リード端子毎に該リード端子と対向する位置にそれぞれ配線パタンが形成され、
前記第1のリード端子と当該リード端子と対向する位置に形成された前記配線パタンとが電気的に接続されると共に、前記第2のリード端子と当該リード端子と対向する位置に形成された前記配線パタンとが電気的に接続され、
前記第1のリード端子前記第1の配線パタンが電気的に接続される接続点は、前記第1のリード端子のうち前記誘電体基板に対向している部分であり、前記第1のリード端子において、前記第1の配線パタンとの接続点が、当該リード端子の先端から予め決めた距離を有し、
前記第2のリード端子に前記第2の配線パタンが電気的に接続される接続点は、前記第2のリード端子のうち前記誘電体基板に対向している部分であり、前記第2のリード端子において、前記第2の配線パタンとの接続点が、当該リード端子の先端から予め決めた距離を有し、
前記誘電体基板は、前記ステムマウントに対向する箇所と、前記リードに対向する箇所とで、厚みが異なることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記誘電体基板の裏面は、全面にメタライズが施されて前記ステムマウントに電気的に接続されていることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記第1のリード端子と前記第1の配線基板とは、ワイヤにより接続され、
前記第2のリード端子と前記第2の配線基板とは、別のワイヤにより接続されていることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記光素子がレーザダイオードであることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記誘電体基板は、前記ステムマウントに対向する箇所と、前記リードに対向する箇所との間に、溝状のスリットを具備することを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記光素子、前記ステムマウント、前記誘電体基板、前記リード端子のうち前記光素子が配置されている側に突出している部分、前記ステムの面のうち前記ステムマウントが形成されている側の面が、キャップにより封止されていることを特徴とする。
本発明によれば、10Gbit/s級の高速信号伝送が可能な高周波特性が良好で、かつ既存のパッケージにより構成される安価な光モジュールを提供することができる。
本発明の第1参考例の光モジュールを示す側面図である。 本発明の第1参考例の光モジュールを示す上面図である。 本発明の第1参考例の要部を示す拡大図である。 第1参考例の光モジュールの特性を従来特性と共に示す特性図である。 本発明の実施形態の光モジュールを示す側面図である。 本発明の実施形態の光モジュールを示す上面図である。 本発明の実施形態の要部を示す拡大図である。 本発明の実施形態のスリットを示す拡大図である。 本発明の実施形態のスリットを示す拡大図である。 実施形態の光モジュールの特性を従来特性と共に示す特性図である。 本発明の第2参考例の光モジュールの要部を示す拡大図である。 本発明の第3参考例の光モジュールの要部を示す拡大図である。 本発明の第4参考例の光モジュールの要部を示す拡大図である。 従来の光モジュールを示す構成図であって、(a)は上面図、(b)は側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき詳細に説明する。
第1参考例
(リードピンスタブを用いた光モジュール)
以下、図1に基づいて本発明の第1参考例である光モジュールについて詳細に説明する。図1(a),図1(b),図1(c)はそれぞれ、第1参考例の光モジュールの側面図、上面図、ステムマウント1c付近の拡大図である。なお、ステムマウント1cとは、レーザダイオード等の光素子を搭載するためのステム上面1a側に設置された台座を指し、一般にステム1と同一の材料からプレスまたは切削加工により形成される。
図1において、ヒートシンク(誘電体基板)6a及びヒートシンク6aの表面に形成された配線パタン6b,6c,6d,6eを導入した以外は、図8に示した従来の光モジュールと同様の構成となっている(図8及び図1において同一の部材には、図8と図1で共通の番号を振っている)。そのため、配線パタン6b,6c,6d,6eを有するヒートシンク6aの追加を行っただけであり、用いているパッケージは従来からの安価なキャン型LDパッケージと同一である。
この第1参考例では、絶縁体(誘電体)であるヒートシンク6aの裏面は、全面にメタライズが施され(図示せず)、裏面の一部はステムマウント1cに半田または銀ペースト等の導電性接着剤により電気的に接続されているため、ヒートシンク6aの裏面はグランドと同位で接地している。
また、ヒートシンク6aの外形寸法(面積)をステムマウント1cの外形寸法(面積)よりも大きく(広く)している。そしてヒートシンク6aのx軸方向の幅が、リード端子2aとリード端子2bの間隔よりも大きくなっており、配線パタン6d,6eは、リード端子2a,2bの直下に位置している(リード端子2a,2bと対向する位置に配置されている)。
さらに、図1(c)に示したようにヒートシンク6aの表面には、配線パタン6b,6c,6d,6eが形成されており、配線パタン6b,6cの一端はそれぞれリード端子2a,2bとそれぞれワイヤ4a,4bを介して電気的に接続されている。ここで、リード端子2a,2bにおけるワイヤ4a,4bとの接続箇所をそれぞれ接続点11a,11bとする。
配線パタン6bの他端は、LD素子5のカソードと半田または銀ペースト等の導電性接着剤により電気的に接続される。また、配線パタン6cの他端は、LD素子5のアノードとワイヤ4cを介して電気的に接続される。
さらに、リード端子2aにおいて、配線パタン6dと対向する領域は、半田または銀ペースト等の導電性接着剤により配線パタン6dと電気的に接続されている。このため、ヒートシンク6aの裏面をグランドとしたマイクロストリップ線路のように動作する。
ここで、リード端子2aの接続点11aから配線パタン6bにワイヤ4aが接続されるようにすることで、リード端子2aの起点10c(接続点11a)から終点10dの範囲においてオープンスタブ10aを形成することになる。つまり、リード端子2aにはオープンスタブ10aのスタブ長、配線パタン6dの面積、ヒートシンク6aの厚さ及び誘電率により定まる容量が付加される。なお、オープンスタブ起点10cは、接続点11aと同一の箇所を指す。
同様に、リード端子2bにおいて、配線パタン6eと対向する領域は、半田または銀ペースト等の導電性接着剤により配線パタン6eと電気的に接続されている。このため、ヒートシンク6aの裏面をグランドとしたマイクロストリップ線路のように動作する。
ここで、リード端子2bの接続点11bから配線パタン6cにワイヤ4bが接続されるようにすることで、リード端子2bの起点10e(接続点11b)から終点10fの範囲においてオープンスタブ10bを形成することになる。つまり、リード端子2bにはオープンスタブ10bのスタブ長、配線パタン6eの面積、ヒートシンク6aの厚さ及び誘電率により定まる容量が付加される。なお、オープンスタブ起点10eは、接続点11bと同一の箇所を指す。
第1参考例は、従来例においては広帯域化を阻害していた非常に長いリード端子を、非常に簡易な構成でオープンスタブとして逆利用し、帯域を拡大できるようにすることを最大の特徴とする。
図1に示す光モジュールは、10Gbit/s級の高速光信号を送信するための光通信システム用モジュールであり、光半導体素子としてLD素子5が搭載されている。LD素子5としては、温度特性に優れるInGaAlAsを含む多重量子井戸(MQW)構造を活性層に有する分布帰還型LD(DFB-LD)が好適である。
図1に示す第1参考例の光モジュールにおいて、ステム外部からの10Gbit/s級の差動駆動電気信号(N信号、P信号)のうち、N信号は、伝送線路101a,102a,103aを経由し、ワイヤ4aを介し、ヒートシンク6aの上面に形成された配線パタン6bを経てLD素子5の下面(図示せず)に形成されたカソード側に供給される。P信号も同様に、伝送線路101b,102b,103bを経由し、ワイヤ4bを介し、ヒートシンク6aの上面に形成された配線パタン6cとワイヤ4cを経てLD素子5のアノード側に供給される。
ここで、N信号に着目すると、オープンスタブ10aの導入により、伝送線路103aの特性インピーダンスが下がり、その結果伝送線路102a―103a間の特性インピーダンス差が小さくなったため、伝送線路102a―103a間のN信号の反射を抑制することが可能となる。同様に、P信号においては、オープンスタブ10bの導入により、伝送線路103bの特性インピーダンスが下がり、その結果伝送線路102b―103b間の特性インピーダンス差が小さくなったため、伝送線路102b―103b間のP信号の反射を抑制することが可能となる。
このように駆動電気信号(N信号、P信号)の反射を抑制することができるため、高周波特性を向上することができる。
図2に、実際にオープンスタブ10a,10b導入したキャン型LDパッケージの高周波特性を示す。なお、ヒートシンク6aの材質には熱伝導性に優れた窒化アルミ(AlN、比誘電率8.5)を用い、ヒートシンク6aの厚さは100μmである。測定は、N信号側について行った。図2に示すように、オープンスタブ10a,10bを導入しない従来の方式では周波数10GHzにおいて、S21(透過特性)=−2dB、S11(反射特性)=−5dBと非常に劣化した。一方、オープンスタブ10a,10bを導入した場合、S21=−1dB、S11=−12dBと大幅に改善した。
よって、高周波特性の悪い安価なキャン型パッケージを用いても、ヒートシンクの配線パタンを変更するだけの非常に安価で簡便な第1参考例により、10Gbit/s級の高速信号で駆動しても良好な高周波特性が得られる。第1参考例の特徴は、従来のLD用パッケージにおいても用いられていたヒートシンクに、新たな配線パタンを追加するだけで、高周波特性を改善できることにある。そのため、コスト増となる新規の部材追加を行う必要がない。
さらに、オープンスタブ10a,10bによる付加容量は、それぞれ接続点11a,11bの箇所をz軸方向に沿って配線パタン6d,6eと対向する範囲において変更するだけで、容易に調整することが可能であることも特徴とする。すなわち、本光モジュールに搭載するLD素子、ドライバIC、フレキシブル配線基板の高周波特性に適合するように、ワイヤ接続点の位置を変更するだけで最適な付加容量を調整できる。また、伝送線路103a,103bにそれぞれ異なる容量を付加することも可能となる。
なお、ヒートシンク6aの厚さは、光学実装を考慮すると数百μm以下であることが望ましい。そのため、ヒートシンク6aの材質としては窒化アルミ(AlN、比誘電率8〜9)やアルミナ(Al2O3、 比誘電率9〜10)など比誘電率が高い材質が望ましい。
これまで述べてきたように、図1に示した本発明の第1参考例においては、ヒートシンク6aに具備される配線パタン6d,6eは、それぞれリード端子2a,2bに半田または銀ペースト等の導電性接着剤を介して電気的に接続されていることで、リード端子2a,2bにオープンスタブによる容量成分を付加していることを特徴としている。
しかしながら、配線パタン6d,6eにそれぞれリード端子2a,2bを接続しなくとも同様の効果が得られる。この場合は、リード端子2a,2bとヒートシンク6aの裏面グランド間には、ヒートシンク6a(図1の第1参考例の場合は、比誘電率8.5)だけでなく大気(比誘電率1.0、なお、キャン型LDパッケージを、キャップと不活性ガス等により気密封止する場合は、該不活性ガス等の比誘電率を考慮する)も含まれるため、図1に示した第1参考例において付加したオープンスタブの容量より小さいものの、特性インピーダンス差を低減できる容量が付加されることになる。
また、同様の理由により、表面に配線パタン6d,6eを具備せず裏面に全面メタライズ部のみを具備するヒートシンク6aを、リード端子2a,2bとステムマウント1cの間隙に設置し、ヒートシンク6aの裏面の一部をステムマウント1cに電気的にグランドに接続するだけでも同様の効果が得られる。この場合、図1に示した本発明の第1参考例よりも多少効果は少なくなるが、実装工程が簡易になる利点がある。
(リードピンスタブ(厚み調整)を用いた光モジュール)
以下、図3に基づいて本発明の実施形態である光モジュールについて詳細に説明する。図3(a),図3(b),図3(c)はそれぞれ、実施形態の光モジュールの側面図、上面図、ステムマウント1c付近の拡大図であり、図3(d),(e)は、それぞれ、スリット6j,6iの拡大図である。なお、ステムマウント1cとは、レーザダイオード等の光素子を搭載するためのステム上面1a側に接地された台座を指し、一般にステム1と同一の材料からプレスまたは切削加工により形成される。
図3において、ステムマウント1c搭載面に面する部分と、リード端子2a,2bと対向する部分とで異なった厚みを有するヒートシンク6a及びヒートシンク6aの表面に形成された配線パタン6b,6c,6d,6e及びステム1のステム上面1aから垂直方向に配置される溝状のスリット6j,6iを導入した以外は、図8に示した従来の光モジュールと同様の構成となっている(図8及び図3において同一の部材には、図8と図3で共通の番号を振っている)。そのため、配線パタン6b,6c,6d,6eを有し、かつ異なった厚みを有するヒートシンク6aの追加及びヒートシンク6aの一部にスリット6j,6iの追加を行っただけであり、用いているパッケージは従来からの安価なキャン型LDパッケージと同一である。
この実施形態では、絶縁体(誘電体)であるヒートシンク6aの裏面は、全面にメタライズが施され(図示せず)、裏面の一部はステムマウント1cに半田または銀ペースト等の導電性接着剤により電気的に接続されているため、ヒートシンク6aの裏面はグランドと同位で接地している。
また、ヒートシンク6aの外形寸法(面積)をステムマウント1cの外形寸法(面積)よりも大きく(広く)している。そしてヒートシンク6aのx軸方向の幅が、リード端子2aとリード端子2bの間隔よりも大きくなっており、配線パタン6d,6eは、リード端子2a,2bの直下に位置している(リード端子2a,2bと対向する位置に配置されている)。
さらに、図3(c)に示したようにヒートシンク6aの表面には、配線パタン6b,6c,6d,6eが形成されており、配線パタン6b,6cの一端はそれぞれリード端子2a,2bとそれぞれワイヤ4a,4bを介して電気的に接続されている。ここで、リード端子2a,2bにおけるワイヤ4a,4bとの接続箇所をそれぞれ接続点11a,11bとする。
配線パタン6bの他端は、LD素子5のカソードと半田または銀ペースト等の導電性接着剤により電気的に接続される。また、配線パタン6cの他端は、LD素子5のアノードとワイヤ4cを介して電気的に接続される。
さらに、リード端子2aにおいて、配線パタン6dと対向する領域は、半田または銀ペースト等の導電性接着剤により配線パタン6dと電気的に接続されている。このため、ヒートシンク6aの裏面をグランドとしたマイクロストリップ線路のように動作する。
ここで、リード端子2aの接続点11aから配線パタン6bにワイヤ4aが接続されるようにすることで、リード端子2aの起点10c(接続点11a)から終点10dの範囲においてオープンスタブ10aを形成することになる。つまり、リード端子2aにはオープンスタブ10aのスタブ長、配線パタン6dの面積、ヒートシンク6aの厚み調整部6fの厚さ及び誘電率により定まる容量が付加される。なお、オープンスタブ起点10cは、接続点11aと同一の箇所を指す。
同様に、リード端子2bにおいて、配線パタン6eと対向する領域は、半田または銀ペースト等の導電性接着剤により配線パタン6eと電気的に接続されている。このため、ヒートシンク6aの裏面をグランドとしたマイクロストリップ線路のように動作する。
ここで、リード端子2bの接続点11bから配線パタン6cにワイヤ4bが接続されるようにすることで、リード端子2bの起点10e(接続点11b)から終点10fの範囲においてオープンスタブ10bを形成することになる。つまり、リード端子2bにはオープンスタブ10bのスタブ長、配線パタン6eの面積、ヒートシンク6aの厚み調整部6gの厚さ及び誘電率により定まる容量が付加される。なお、オープンスタブ起点10eは、接続点11bと同一の箇所を指す。
本実施の形態は、従来例においては広帯域化を阻害していた非常に長いリード端子を、非常に簡易な構成でオープンスタブとして逆利用し、帯域を拡大できるようにすることを最大の特徴とする。
本実施形態におけるさらなる特徴は、ヒートシンク6aが一様の厚みを有するのではなく、異なった厚みを有することにある。ヒートシンク6aの厚みは、ヒートシンク6aをリード端子2a,2bとステムマウント1cの間隙に設置するため、前記間隙よりは厚みを大きくすることができない。一方、オープンスタブ10a,10bにより付加する容量は、先に述べたようにヒートシンク6aの誘電率、ヒートシンク6aの厚み調整部6f,6gの厚さ及び配線パタン6d,6eの面積によって定まる。よって、基板厚を調整して容量を調整したい場合は、一様の厚みを有するヒートシンクでは前記間隙(100〜150μm)以上の厚みとすることができない。また、付加容量値を増大させるため、基板厚を一様に薄くした場合、リード端子との隙間が拡がるため、結果として付加容量値を増大できないケースがでてくる。ヒートシンク6aに、基準厚み部6hとは異なる厚みを有する厚み調整部6f,6gを設けることにより、容量の設計自由度を高くすることが可能となる。以下では、図3に示したように、リード端子と対向する箇所の厚みを厚くしたケースについて詳細に説明する。
本実施形態における光モジュールのもう一つの特徴は、ヒートシンク6aの厚みが変化する箇所に応力緩和用のスリット6i,6jを具備することである。基板厚が変化する箇所(基準厚み部6hと厚み調整部6fの間及び基準厚み部6hと厚み調整部6gの間)には、異なった厚みによる応力に加え、基準厚み部6hのみがステムマウント1cに固定されることによる応力が加わるため、ヒートシンク6aが反ることにより、最悪の場合ヒートシンク6aが破損することが懸念される。そのため、図3(b)に示すように前記基板厚が変化する箇所にスリット6i,6jを設けたことを特徴とする。なお、スリット6i,6jの詳細をそれぞれ図3(d),(e)に示す。
図3に示す光モジュールは、10Gbit/s級の高速光信号を送信するための光通信システム用モジュールであり、光半導体素子としてLD素子5が搭載されている。LD素子5としては、温度特性に優れるInGaAlAsを含む多重量子井戸(MQW)構造を活性層に有する分布帰還型LD(DFB-LD)が好適である。
図3に示す実施形態の光モジュールにおいて、ステム外部からの10Gbit/s級の差動駆動気信号(N信号、P信号)のうち、N信号は、伝送線路101a,102a,103aを経由し、ワイヤ4aを介し、ヒートシンク6aの上面に形成された配線パタン6bを経てLD素子5の下面(図示せず)に形成されたカソード側に供給される。P信号も同様に、伝送線路101b,102b,103bを経由し、ワイヤ4bを介し、ヒートシンク6aの上面に形成された配線パタン6cとワイヤ4cを経てLD素子5のアノード側に供給される。
ここで、N信号に着目すると、オープンスタブ10aの導入により、伝送線路103aの特性インピーダンスが下がり、その結果伝送線路102a―103a間の特性インピーダンス差が小さくなったため、伝送線路102a―103a間のN信号の反射を抑制することが可能となる。同様に、P信号においては、オープンスタブ10bの導入により、伝送線路103bの特性インピーダンスが下がり、その結果伝送線路102b―103b間の特性インピーダンス差が小さくなったため、伝送線路102b―103b間のP信号の反射を抑制することが可能となる。
このように駆動電気信号(N信号、P信号)の反射を抑制することができるため、高周波特性を向上することができる。
図4に、実際にオープンスタブ10a,10bを導入したキャン型LDパッケージの高周波特性を示す。なお、ヒートシンク6aの材質には熱伝導性に優れた窒化アルミ(AlN、比誘電率8.5)を用い、ヒートシンク6aの厚さは100μmである。測定は、N信号側について行った。図4に示すように、オープンスタブ10a,10bを導入しない従来の方式では周波数10GHzにおいて、S21(透過特性)=−2dB、S11(反射特性)=−5dBと非常に劣化した。一方、オープンスタブ10a,10bを導入した場合、S21=−1dB、S11=−10dBと大幅に改善した。
よって、高周波特性の悪い安価なキャン型パッケージを用いても、ヒートシンクの配線パタンを変更するだけの非常に安価で簡便な本実施形態により、10Gbit/s級の高速信号で駆動しても良好な高周波特性が得られる。本実施例の特徴は、従来のLD用パッケージにおいても用いられていたヒートシンクに、新たな配線パタンを追加するだけで、高周波特性を改善できることにある。そのため、コスト増となる新規の部材追加を行う必要がない。
さらに、オープンスタブ10a,10bによる付加容量は、それぞれ接続点11a,11bの箇所をz軸方向に沿って配線パタン6d,6eと対向する範囲において変更するだけで、容易に調整することが可能であることも特徴とする。すなわち、本光モジュールに搭載するLD素子、ドライバIC、フレキシブル配線基板の高周波特性に適合するように、ワイヤ接続点の位置を変更するだけで最適な付加容量を調整できる。また、伝送線路103a,103bにそれぞれ異なる容量を付加することも可能となる。
なお、ヒートシンク6aの材質としては窒化アルミ(AlN、比誘電率8〜9)やアルミナ(Al2O3、比誘電率9〜10)など比誘電率が高い材質が望ましい。
これまで述べてきたように、図3に示した本発明の実施形態においては、ヒートシンク6aに具備される配線パタン6d,6eは、それぞれリード端子2a,2bに半田または銀ペースト等の導電性接着剤を介して電気的に接続されていることで、リード端子部2a,2bにオープンスタブによる容量成分を付加していることを特徴としている。
しかしながら、配線パタン6d,6eにそれぞれリード端子2a,2bを接続しなくとも同様の効果が得られる。この場合は、リード端子部2a,2bとヒートシンク6aの裏面グランド間には、ヒートシンク6a(図3の実施例の場合は、比誘電率8.5)だけでなく大気(比誘電率1.0、なお、キャン型LDパッケージを、キャップと不活性ガス等により気密封止する場合は、該不活性ガス等の比誘電率を考慮する)も含まれるため、図3に示した実施例において付加したオープンスタブの容量より小さいものの、特性インピーダンス差を低減できる容量が付加されることになる。
また、同様の理由により、表面に配線パタン6d,6eを具備せず裏面に全面メタライズ部のみを具備するヒートシンク6aを、リード端子2a,2bとステムマウント1cの間隙に設置し、ヒートシンク6aの裏面の一部をステムマウント1cに電気的にグランドに接続するだけでも同様の効果が得られる。この場合、図3に示した本発明の実施形態よりも多少効果は少なくなるが、実装工程が簡易になる利点がある。
なお、厚み調整部6g,6fの厚さは、基準厚み部6hより厚い形態のみに限定されることなく、薄い形態であっても構わない。この場合、付加容量値を効果的に増大できる効果がある。
第2参考例
図5は本発明の第2参考例である光モジュールを示す。前述した第1参考例及び実施形態では、配線パタン6bとリード端子2aをワイヤ4aで接続し、配線パタン6cとリード端子2bをワイヤ4bで接続しているが、この第2参考例ではワイヤ4a,ワイヤ4bを使用せずに、ヒートシンク6aの表面に形成した配線パタン61により配線パタン6bと配線パタン6dを接続し、ヒートシンク6aの表面に形成した配線パタン62により配線パタン6cと配線パタン6eを接続している。
図5に示す第2参考例では、ワイヤ4a,4bを使用しないのでワイヤ4a,4bによる誘導成分を除去でき、伝送線路102a(102b)―103a(103b)間の信号の反射を更に低減して、良好な高周波特性を得ることが可能となる。
第3参考例
図6は本発明の第3参考例である光モジュールを示す。第3参考例では、ヒートシンク6aの広さはステムマウント1cの広さよりも狭く、ヒートシンク6aのx軸方向の幅が、リード端子2aとリード端子2bの間隔よりも小さくなっており、ヒートシンク6aは、リード端子2a,2bの直下に位置していない(リード端子2a,2bと対向する位置に配置されていない)。また配線パタン6d,6eは形成していない。
ステムマウント1cのうちリード端子2a側には、一列に並んだ3個のチップコンデンサC1,C2,C3が配置されており、チップコンデンサC1,C2,C3の一端面はステムマウント1cに電気的に接続されている。チップコンデンサC1,C2,C3の他端面は、それぞれ、ワイヤ41,42,43によりリード端子2aに接続されている。
ステムマウント1cのうちリード端子2b側には、一列に並んだ3個のチップコンデンサC4,C5,C6が配置されており、チップコンデンサC4,C5,C6の一端面はステムマウント1cに電気的に接続されている。チップコンデンサC4,C5,C6の他端面は、それぞれ、ワイヤ44,45,46によりリード端子2bに接続されている。
チップコンデンサC1,C2,C3,C4,C5,C6は、それぞれ0.1pF〜1pF程度の範囲で等しい容量値を有することが望ましく、0.1〜0.5pFの範囲が最も効果的である。また、チップコンデンサC1,C2,C3,C4,C5,C6と、リード端子2a,2bとの各接続点は等間隔に配置し、リード端子2a,2bと接続するワイヤ41〜46の長さも等しくするように接続することで、高周波伝送に好適なリード端子2a(2b)と3個のチップコンデンサC1,C2,C3(C4,C5,C6)で構成されたLC3段構成の擬似分布定数線路として機能するメリットがある。
このような構成にしたため、リード端子2a,2bをオープンスタブとして利用することができる。なお、3個(複数)のチップコンデンサC1,C2,C3を1つのチップコンデンサに置き換えてもよく、3個(複数)のチップコンデンサC4,C5,C6を1つのチップコンデンサに置き換えてもよい。
ここで、N信号に着目すると、チップコンデンサC1,C2,C3の導入により、伝送線路103aの特性インピーダンスを高周波領域までほぼ一様に低下させ、その結果伝送線路102a-103a間の特性インピーダンス差が小さくできるため、伝送線路102a-103a間のN信号の反射を大幅に抑制することが可能となる。同様に、P信号においては、チップコンデンサC4,C5,C6の導入により、伝送線路103bの特性インピーダンスを高周波領域までほぼ一様に低下させ、その結果伝送線路102b-103b間の特性インピーダンス差が小さくできるため、伝送線路102b-103b間のP信号の反射を大幅に抑制することが可能となる。
このように駆動電気信号(N信号、P信号)の反射を抑制することができるため、高周波特性を向上することができる。
前述した第1参考例及び実施形態では、リード端子2a,2bとステムマウント1cの間隙に幅広のヒートシンク6aを挿入し、リード端子2a,2bと配線パタン6d,6eとを接続しなければならなかったが、第3参考例ではこのような工程が不要となるので、簡便な実装工程により第1参考例及び実施形態と同様な効果を得ることができる。
第4参考例
図7は本発明の第4参考例である光モジュールを示す。第4参考例では、ヒートシンク6aの広さはステムマウント1cの広さよりも狭く、ヒートシンク6aのx軸方向の幅が、リード端子2aとリード端子2bの間隔よりも小さくなっており、ヒートシンク6aは、リード端子2a,2bの直下に位置していない(リード端子2a,2bと対向する位置に配置されていない)。また配線パタン6d,6eは形成していない。
ヒートシンク6aのうちリード端子2a側には、一列に並んだ3個のMIM(金属―絶縁体―金属)キャパシタM1,M2,M3が形成されており、MIMキャパシタM1,M2,M3の一端面はヒートシンク6aに電気的に接続されている。MIMキャパシタM1,M2,M3の他端面は、それぞれ、ワイヤ41,42,43によりリード端子2aに接続されている。
ヒートシンク6aのうちリード端子2b側には、一列に並んだ3個のMIMキャパシタM4,M5,M6が形成されており、MIMキャパシタM4,M5,M6の一端面はヒートシンク6aに電気的に接続されている。MIMキャパシタM4,M5,M6の他端面は、それぞれ、ワイヤ44,45,46によりリード端子2bに接続されている。
MIMキャパシタM1,M2,M3,M4,M5,M6は、それぞれ0.1pF〜1pF程度の範囲で等しい容量値を有することが望ましく、0.1〜0.5pFの範囲が最も効果的である。また、MIMキャパシタM1,M2,M3,M4,M5,M6と、リード端子2a,2bとの各接続点は等間隔に配置し、リード端子2a,2bと接続するワイヤ41〜46の長さも等しくするように接続することで、高周波伝送に好適なリード端子2a(2b)と3個のMIMキャパシタM1,M2,M3(M4,M5,M6)で構成されたLC3段構成の擬似分布定数線路として機能するメリットがある。
このような構成にしたため、リード端子2a,2bをオープンスタブとして利用することができる。なお、3個(複数)のMIMキャパシタM1,M2,M3を1つのMIMキャパシタに置き換えてもよく、3個(複数)のMIMキャパシタM4,M5,M6を1つのMIMキャパシタに置き換えてもよい。
ここで、N信号に着目すると、MIMキャパシタM1,M2,M3の導入により、伝送線路103aの特性インピーダンスを高周波領域までほぼ一様に低下させ、その結果伝送線路102a-103a間の特性インピーダンス差が小さくできるため、伝送線路102a-103a間のN信号の反射を大幅に抑制することが可能となる。同様に、P信号においては、MIMキャパシタM4,M5,M6の導入により、伝送線路103bの特性インピーダンスを高周波領域までほぼ一様に低下させ、その結果伝送線路102b-103b間の特性インピーダンス差が小さくできるため、伝送線路102b-103b間のP信号の反射を大幅に抑制することが可能となる。
このように駆動電気信号(N信号、P信号)の反射を抑制することができるため、高周波特性を向上することができる。
前述した第1参考例及び実施形態では、リード端子2a,2bとステムマウント1cの間隙に幅広のヒートシンク6aを挿入し、リード端子2a,2bと配線パタン6d,6eとを接続しなければならなかったが、第4参考例ではこのような工程が不要となるので、簡便な実装工程により第1参考例及び実施形態と同様な効果を得ることができる。
また図6に示す第3参考例のチップコンデンサを用いる場合に比較すると、MIMキャパシタがヒートシンク6a上に形成されているため、チップコンデンサをステムマウント1c上に配置する工程がなくなり、更に実装工程が簡略化される。さらに、MIMキャパシタM1,M2,M3,M4,M5,M6が誘電体基板(ヒートシンク6a)上に形成されているため、第3参考例と比較し、配線パタン6b,6cを、それぞれリード端子2a,2b側に延伸することができる。そのため、配線パタン6bとリード端子2aとを接続するワイヤ4aの長さ及び配線パタン6cとリード端子2bとを接続するワイヤ4bの長さを、第3参考例に比べて短尺化できるため、前記ワイヤ4a、4bにおける寄生インダクタンス成分を低減することができ、高周波特性の向上が期待できる点で有利である。
1 ステム
1a ステム上面
1b ステム下面
1c ステムマウント
1d ステム凹部
2a〜2d リード端子
3a〜3c 貫通孔
3d 絶縁体
4a,4b,4c、41,42,43,44,45,46 ワイヤ
5 LD素子
6a ヒートシンク
6b,6c,6d,6e,61,62 配線パタン
7 モニタPD
8 PDキャリア
9a,9b ワイヤ
10a,10b オープンスタブ
11a,11b 接続点
101a〜103a,101b〜103b 伝送線路
C1,C2,C3,C4,C5,C6 チップコンデンサ
M1,M2,M3,M4,M5,M6 MIMキャパシタ

Claims (6)

  1. 導電材からなると共にグランドに接続されるステムと、
    前記ステムを貫通して前記ステムに取り付けられると共に、前記ステムを貫通する部分に絶縁材が介在することにより前記ステムとは電気的に絶縁された第1のリード端子と、
    前記ステムを貫通して前記ステムに取り付けられると共に、前記ステムを貫通する部分に絶縁材が介在することにより前記ステムとは電気的に絶縁された第2のリード端子と、
    前記ステムの一部であるステムマウントに備えられた誘電体基板と、
    前記誘電体基板に搭載された光素子を備えた光モジュールにおいて、
    前記誘電体基板は、その裏面が前記ステムマウントに接続されており、その表面が前記第1のリード端子と前記第2のリード端子に対向しており、
    前記誘電体基板の表面には、前記第1のリード端子及び前記光素子と電気的に接続される第1の配線パタンと、前記第2のリード端子及び前記光素子と電気的に接続される第2の配線パタンが形成され、
    前記誘電体基板の表面に、前記リード端子毎に該リード端子と対向する位置にそれぞれ配線パタンが形成され、
    前記第1のリード端子と当該リード端子と対向する位置に形成された前記配線パタンとが電気的に接続されると共に、前記第2のリード端子と当該リード端子と対向する位置に形成された前記配線パタンとが電気的に接続され、
    前記第1のリード端子前記第1の配線パタンが電気的に接続される接続点は、前記第1のリード端子のうち前記誘電体基板に対向している部分であり、前記第1のリード端子において、前記第1の配線パタンとの接続点が、当該リード端子の先端から予め決めた距離を有し、
    前記第2のリード端子に前記第2の配線パタンが電気的に接続される接続点は、前記第2のリード端子のうち前記誘電体基板に対向している部分であり、前記第2のリード端子において、前記第2の配線パタンとの接続点が、当該リード端子の先端から予め決めた距離を有し、
    前記誘電体基板は、前記ステムマウントに対向する箇所と、前記リードに対向する箇所とで、厚みが異なることを特徴とする光モジュール。
  2. 請求項1に記載の光モジュールにおいて、
    前記誘電体基板の裏面は、全面にメタライズが施されて前記ステムマウントに電気的に接続されていることを特徴とする光モジュール。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光モジュールにおいて、
    前記第1のリード端子と前記第1の配線基板とは、ワイヤにより接続され、
    前記第2のリード端子と前記第2の配線基板とは、別のワイヤにより接続されていることを特徴とする光モジュール。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の光モジュールにおいて、
    前記光素子がレーザダイオードであることを特徴とする光モジュール。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光モジュールにおいて、
    前記誘電体基板は、前記ステムマウントに対向する箇所と、前記リードに対向する箇所との間に、溝状のスリットを具備することを特徴とする光モジュール。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の光モジュールにおいて、
    前記光素子、前記ステムマウント、前記誘電体基板、前記リード端子のうち前記光素子が配置されている側に突出している部分、前記ステムの面のうち前記ステムマウントが形成されている側の面が、キャップにより封止されていることを特徴とする光モジュール。
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