JP5314999B2 - 導電性粘着剤の製造方法、導電性粘着シートの製造方法、剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、導電剤として界面活性剤やイオン導電剤を含む導電性粘着剤を用いることが開示されている。また、特許文献2には、イオン導電剤の他に導電性ポリオルガノシロキサンを粘着剤に含有させることが開示されている。
また、特許文献2に記載の導電性ポリオルガノシロキサンは特殊なものであり、実用的とはいえなかった。
それらの問題に対し、導電剤として、π共役によって導電性を発現する高分子で、帯電防止性離型フィルム等の分野で使用されているポリピロールを用いることを検討した。ところが、ポリピロールを従来のアクリル系粘着剤に含有させると、ポリピロールが凝集し、導電性が発揮されないという問題を生じた。
本発明は、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる導電性粘着剤およびその製造方法を提供することを目的とする。また、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる粘着剤層を有する導電性粘着シートおよびその製造方法、剥離シート付き導電性粘着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
[2][1]に記載の導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、基材の少なくとも片面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する工程を有することを特徴とする導電性粘着シートの製造方法。
[3][2]に記載の導電性粘着シートの製造方法により導電性粘着シートを得た後に、粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートを貼り合せる工程を有することを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法。
[4][1]に記載の導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、剥離シートに塗布し、乾燥して、粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層の剥離シートと反対側の面に基材を貼り合せる工程とを有することを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法。
本発明の導電性粘着剤の製造方法によれば、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる粘着剤を得ることができる。
本発明の導電性粘着シートおよび剥離シート付き導電性粘着シートは、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる粘着剤層を有する。
本発明の導電性粘着シートおよび剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法によれば、ポリピロールの分散性に優れ、充分な導電性を発揮できる粘着剤層を形成できる。
本発明の導電性粘着剤は、アクリル系粘着剤とポリピロール粒子とを含有する。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤は、アクリル重合体がイソシアネート架橋剤によって架橋されたものである。ここで、アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位とを含有し、カチオン性単量体単位を含有しない重合体である。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシメチルシクロへキシル等が挙げられる。
他の単量体としては、芳香族ビニル単量体、シアノ基含有単量体、脂環式炭化水素基含有単量体、オレフィン単量体、ビニルエステル単量体、ビニルエーテル単量体等が挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
シアノ基含有単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
脂環式炭化水素基含有単量体として、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オレフィン単量体としては、例えば、エチレン、ブタジエン、オクタジエン等が挙げられる。
ビニルエステル単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル単量体としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等が挙げられる。
カチオン性単量体としては、アミド基含有単量体、アミノ基含有単量体が挙げられる。アミド基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基含有単量体としては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
アクリル重合体の質量平均分子量が30万以上であれば、凝集力の低下およびそれに起因する剥離時の糊残りを防止でき、120万以下であれば、粘度が低くなり、取り扱い性が良好になる。
また、イソシアネート架橋剤としては、上記イソシアネート化合物を、N,N’−ジフェニルホルムアミジン化合物等のブロック化剤に反応させて得たブロックイソシアネートを用いることもできる。
ポリピロール粒子は、ピロールおよび/またはピロールの誘導体の重合体粒子である。
ここで、ピロール誘導体としては、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール、3−フェニルナフチルアミノピロール等が挙げられる。これらのなかでも、コストの点からは、ピロールが好ましい。
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌してO/W型の乳化液を調製する工程
(b)(a)工程で得た乳化液中にピロールおよび/またはピロール誘導体のモノマーを分散させる工程
(c)モノマーを酸化重合してポリピロールを含む反応液を得る工程
(d)反応液を後処理して、ポリピロールの粒子が有機溶媒に分散する分散液を得る工程
この製造方法により得たポリピロール粒子は、アニオン系界面活性剤によって分散化されたものであり、アクリル系粘着剤中に高い分散性で分散させることができる。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤のなかでも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好ましい。
アニオン系界面活性剤の量は、ピロールおよび/又はピロール誘導体のモノマー1molに対して0.8mol未満であることが好ましく、0.05〜0.6molであることがより好ましい。アニオン系界面活性剤の量が0.8mol未満であれば、得られる導電性粘着剤の導電性に湿度依存性が生じることを防止でき、0.05mol以上であれば、ポリピロール粒子の収率や分散安定性を向上させることができる。
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以下であることが好ましい。水相が75体積%以下ではピロールモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が低下する傾向にある。
なお、塩化第二鉄等のルイス酸でもポリピロールを重合できるが、生成した粒子が凝集し、ポリピロール粒子を微分散できない場合がある。
酸化剤の使用量は、ピロールおよび/又はピロール誘導体のモノマー1molに対して0.1〜0.8molであることが好ましく、0.2〜0.6molであることがより好ましい。酸化剤の使用量が0.1mol以上であれば、重合度を高めることができ、ポリピロール粒子の回収性が向上し、0.8mol以下であれば、ポリピロールが凝集する傾向にある。
(c)工程における重合温度は0〜25℃が好ましく、0〜20℃が好ましい。重合温度が25℃以下であれば、副反応を抑制し、0℃以上であれば、容易に温度制御できる。
また、特開2008−214401号公報に記載されている方法によりポリピロール粒子を得ることもできる。
また、上記製造方法によれば、平均粒径の±5nmの範囲内に全微粒子の90%以上が含まれるという極めて単分散に近い狭い粒径分布にできる。
上記のような粒子性状を有するポリピロール粒子は、有機溶媒中での分散安定性に優れる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
しかも、本発明では、導電性を持たせるための導電剤として、π共役によって導電性を発揮するポリピロールを用いているため、導電性の湿度依存性が小さい。さらに、ポリピロールは分子量が大きいから、ブリードアウトが抑制されており、被着体への付着を防止できる。
また、ポリピロール粒子の製造は容易であるから、本発明の導電性粘着剤は実用的である。
また、導電性粘着剤に含まれるアクリル系粘着剤はアクリル重合体がイソシアネート架橋剤によって架橋されているため、凝集力が高く、再剥離性を発揮する。なお、架橋剤としてイソシアネート架橋剤以外の架橋剤(例えば、エポキシ架橋剤等)を用いた場合には、ポリピロールと架橋官能基との相互作用により反応が促進され、ポットライフが極端に短くなり、実用上問題が生じる。また、アクリル重合体の代わりにウレタン重合体を用いた場合には、ポリピロール粒子の分散性が低下して、導電性が損なわれる場合がある。
導電性粘着剤は、アクリル重合体にイソシアネート架橋剤を添加し、架橋処理して、アクリル系粘着剤を得る工程と、該アクリル系粘着剤の固形分100質量部に、ポリピロール粒子1〜15質量部を添加する工程とを有する製造方法によって得られる。
架橋処理では、均一に架橋させるために、充分に攪拌することが好ましい。また、架橋処理では溶媒を適宜添加して粘度調整をしてもよい。
ポリピロール粒子を上記(a)〜(d)工程を経て得た場合には、簡便であることから、ポリピロール粒子を分散液の状態のまま、アクリル系粘着剤に添加することが好ましい。
また、アクリル系粘着剤についても、ポリピロール粒子をより高い分散性で分散できることから、溶媒に溶解または分散させておくことが好ましい。
なお、上記製造方法とは異なり、アクリル重合体にポリピロール粒子を添加した後に、イソシアネート架橋剤を添加した場合には、ポリピロール粒子が凝集しやすいため、導電性粘着剤は得られにくい。
本発明の導電性粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも片面に設けられ、上記導電性粘着剤を含む粘着剤層とを有する。
基材としては樹脂製のシートを用いることができる。基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載する。)、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。これらのなかでも、耐熱性に優れることから、PETが好ましい。
粘着剤層は表面電気抵抗値が1011Ω以下であることが好ましく、107〜109Ωがより好ましい。粘着剤層の表面電気抵抗値が1011Ω以下であれば、剥離帯電を充分に抑制できる。ただし、107Ω未満の表面電気抵抗値は必ずしも必要ではない。
導電性粘着剤の塗布量は1〜40g/m2であることが好ましい。導電性粘着剤の塗布量が1g/m2以上であれば、充分な粘着力を確保できる。また、剥離帯電機能が必要な用途においては再剥離性が必要になることが多い。導電性粘着剤の塗布量が40g/m2以下であれば、導電性粘着シートを再剥離する際に、剥離抵抗が重くなりすぎることを防止できる。
導電性粘着剤の塗布方法としては、例えば、メイヤーバーコータ、ロールコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、リップコータ、カーテンコータ、ダイコータ等を用いた塗布方法が挙げられる。
乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥、真空乾燥、赤外線照射乾燥などを適用することができる。加熱する場合の乾燥温度は60〜150℃にすることが好ましい。乾燥温度が60℃以上であれば、短時間に乾燥でき、150℃以下であれば、導電性粘着剤を塗布する基材の変質を防止できる。
本発明の剥離シート付き導電性粘着シートは、導電性粘着シートと剥離シートとを有し、導電性粘着シートの粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートが貼り合わされている。
剥離シートとしては、例えば、各種プラスチックフィルムにシリコーン等の剥離剤を塗布して剥離剤層を形成したもの、ポリプロピレンフィルム単体などが挙げられる。
第1の製造方法:上記導電性粘着シートの製造方法により導電性粘着シートを得た後に、粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートを貼り合せる方法。
第2の製造方法:剥離シートに前記導電性粘着剤を塗布し、乾燥して、粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層の剥離シートと反対側の面に基材を貼り合せる工程とを有する方法。
第2の製造方法において、導電性粘着剤の塗布方法および乾燥方法は、導電性粘着シートの製造方法における導電性粘着剤の塗布方法および乾燥方法と同様である。
第1の製造方法での粘着剤層への剥離シートの貼り合せ、第2の製造方法での粘着剤層への基材の貼り合わせでは、一対のロールで挟んで圧着することが好ましい。
<ポリピロール分散液の調製>
界面活性剤(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム;花王(株)製ペレックスOT−P)2.0mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー28mmolを加え、次いで、0.12M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(6mmol相当)を少量ずつ滴下し、24時間反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄した。これにより、トルエン中に、黒色のポリピロール(以下、PPyと表記)粒子(平均粒径50nm)がアニオン系界面活性剤によって分散されたPPy分散液(PPy微粒子濃度:2.0質量%)を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、溶媒である酢酸エチルおよびアセトンを添加した。次いで、反応装置内に、単量体成分としてアクリル酸ブチル95.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部とを、モノマー濃度が50質量%となるように溶媒中に添加した。その後、攪拌しながら窒素ガス気流中、80℃で8時間攪拌して重合した。反応終了後、トルエンを投入し、固形分濃度30質量%のアクリル重合体溶液を得た。得られたアクリル重合体の質量平均分子量Mwは50万であった。
上記アクリル重合体の固形分100質量部に対し、最終調製濃度(PPy分散液添加後の粘着剤溶液の濃度)が5.0質量%となるように予め必要量のトルエンで希釈し、イソシアネート架橋剤〔旭化成(株)製:デュラネート24A−100〕6質量部を加え、均一になるまで充分に攪拌した。これにより得られた溶液に、上記調製したPPy分散液をアクリル重合体の固形分100質量部に対してPPy固形分が4質量部となるように添加し、均一になるまで攪拌して、5.0質量%の導電性粘着剤溶液を得た。
上記導電性粘着剤溶液をグラビアコータによって厚さ50μmのPETフィルム〔東レ(株)製:ルミラーS−10〕の片面に塗布し、100℃で2分間乾燥して厚さ5μmの粘着剤層を形成した。次いで、粘着剤層に厚さ38μmの剥離シート〔王子特殊紙(株)製:38RL−07(2)〕を貼り合わせて、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
PPy分散液を、アクリル重合体の固形分100質量部に対してPPy固形分が10質量部となるように添加したこと以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル90.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル90.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例2と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
PPy分散液を、アクリル重合体の固形分100質量部に対してPPy固形分が0.5質量部となるように添加したこと以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル90.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例5と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル94.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、メタクリル酸アミノエチル1.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル89.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部、メタクリル酸アミノエチル1.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル94.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、N−メチロールアクリルアミド1.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、剥離シート付き導電性粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル89.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部、N−メチロールアクリルアミド1.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た以外は製造例1と同様にして、導電性粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル90.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、アクリル酸5.0質量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を用いてアクリル重合体を得た。このアクリル重合体の固形分100質量部に対し、エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)製:TETRAD−C〕2質量部を加えて架橋させた以外は製造例1と同様にして、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を攪拌しながらPPy分散液を滴下すると、直ぐに凝集物が発生し、30分後にゲル状となった。
イソシアネート架橋剤とPPy分散液の添加順序を入れ替えた以外は製造例1と同様にして、導電性粘着シートを得た。
製造例1〜12の導電性粘着シートについて、PPy粒子の分散性、表面電気抵抗値の測定を以下の方法により行った。測定結果を表1に示す。
製造した直後の導電性粘着剤溶液および製造から8時間経過した後の導電性粘着剤溶液を用いて導電性粘着シートを作製し、粘着剤層の表面状態を目視およびデジタルマイクロスコープ〔(株)キーエンス製:VH−6300〕観察にて評価した。評価基準は以下の通りである。
○:PPy粒子の凝集物が全く見られなかった。
△:PPy粒子の凝集物が若干見られた。
×:PPy粒子の大きな凝集物が見られた。
××:塗布前にPPy粒子が凝集し、導電性粘着剤溶液がゲル化した。
なお、製造直後の導電性粘着剤溶液で導電性粘着シートを作製した際にPPy粒子の大きな凝集物が見られた場合には、8時間経過後の導電性粘着剤溶液を用いて導電性粘着シートを作製しなかった。
また、塗布前にPPy粒子が凝集し、粘着剤溶液がゲル化したものについては、製造直後においても導電性粘着シートの作製は行わなかった。
製造例1〜12で作製した各導電性粘着シートを100mm×100mmの大きさに切り出した。
切り出した各導電性粘着シートの剥離フィルムを剥がし、粘着剤層表面の表面電気抵抗値を印加電圧100V、印加時間60秒の条件で表面電気抵抗値測定装置〔東亞電波工業(株)製:デジタル絶縁計DSM−8103〕を用いて測定した。
表面電気抵抗値は導電性の指標であり、この値が小さい程、導電性に優れる。
これに対して、ポリピロール含有量が1質量部未満であった製造例5,6では、表面電気抵抗値が大きかった。
アクリル系粘着剤を構成するアクリル重合体がカチオン性単量体を含む製造例7〜10では、凝集物の発生が認められ、表面電気抵抗値も大きかった。
アクリル重合体をエポキシ架橋剤で架橋させた製造例11では、すぐに凝集物が発生し、粘着剤がゲル化したため、粘着シートが得られなかった。
イソシアネート架橋剤よりもポリピロール粒子を先に添加した製造例12では、すぐに凝集物が発生し、表面電気抵抗値が大きかった。
Claims (4)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル単位と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位とからなるアクリル重合体に、イソシアネート架橋剤を添加して、アクリル系粘着剤を得る工程と、
該アクリル系粘着剤の固形分100質量部に、ポリピロール粒子1〜15質量部を添加して、導電性粘着剤を得る工程とを有することを特徴とする導電性粘着剤の製造方法。 - 請求項1に記載の導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、基材の少なくとも片面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する工程を有することを特徴とする導電性粘着シートの製造方法。
- 請求項2に記載の導電性粘着シートの製造方法により導電性粘着シートを得た後に、粘着剤層の基材と反対側の面に剥離シートを貼り合せる工程を有することを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法。
- 請求項1に記載の導電性粘着剤の製造方法により得た導電性粘着剤を、剥離シートに塗布し、乾燥して、粘着剤層を形成する工程と、
該粘着剤層の剥離シートと反対側の面に基材を貼り合せる工程とを有することを特徴とする剥離シート付き導電性粘着シートの製造方法。
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