JP5298789B2 - 電子装置およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、導電性接着剤を介して基板と電子部品とを接続したものをモールド樹脂で封止してなる電子装置、および、そのような電子装置の製造方法に関し、特に、モールド樹脂との密着性を確保するために樹脂封止前に基板に塗布される密着寄与剤に関する。
従来より、この種の電子装置としては、基板の一面上に導電性接着剤を介して電子部品を搭載し、導電性接着剤を介して、電子部品と基板とを電気的に接続した後、密着寄与剤を基板および基板上の電子部品に塗布し、これをモールド樹脂で封止したものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。そして、このような電子装置においては、密着寄与剤は、基板の一面、電子部品および導電性接着剤とモールド樹脂との間に介在し、モールド樹脂の密着性を確保している。
特開平9−189997号公報
ところで、密着寄与剤は基板とモールド樹脂との密着性向上、および、内部応力緩和のため用いられる。通常、密着寄与剤は溶剤によって希釈して用いるが、膜厚をかせぐために希釈度合は極力上げず、厚く塗布し、その後、これを硬化する。
本発明者の検討によれば、この密着寄与剤を塗布・硬化させる工程において、電子部品の接続部である導電性接着剤にも密着寄与剤が塗布されることにより、導電性接着剤の電気的な接続抵抗値が上昇する不具合が発生した。
さらに、本発明者が検討を進めた結果、上記した接続抵抗値の上昇の原因は、下記の2つの要因(a)および(b)によって、導電性接着剤と基板との界面が剥離するためであるとわかった。
(a)密着寄与剤の硬化により電子部品の周囲に発生する密着寄与剤内のボイドが、当該硬化の熱によって膨張し、このボイドの膨張によって電子部品を押し上げる応力が発生すること。(b)密着寄与剤の硬化温度において、導電性接着剤がガラス転移点(Tg)以上の温度となり、当該導電性接着剤の接続強度が低下すること(後述の図7〜図9参照)。
ここで、密着寄与剤の硬化温度によって導電性接着剤の接続強度が低下することは、避けがたいことである。そこで、本発明者は、密着寄与剤の硬化温度によって導電性接着剤がガラス転移点以上になったとしても、上記した密着寄与剤による電子部品への押し上げ応力を低減することが重要であるという、新たな知見に到達した。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、導電性接着剤を介して基板と電子部品とを接続したものを、密着寄与剤を介してモールド樹脂で封止してなる電子装置において、導電性接着剤がガラス転移点以上になったとしても、導電性接着剤を介した電子部品と基板との電気的な接続抵抗値の上昇を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、上記密着寄与剤による電子部品への押し上げ応力を低減する要因として、密着寄与剤内に発生する上記ボイドの大きさと、密着寄与剤の膜厚との2点に着眼し、これら2点について実験検討を行った。請求項1〜3に記載の発明は、このような実験検討の結果、得られたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明では、電子部品(20)の周囲に位置する密着寄与剤(50)の内部には、ボイドが存在しており、このボイドの断面積が100000μm以下であることを特徴とする。
本発明のように、電子部品(20)の周囲に位置する密着寄与剤(50)の内部に存在するボイドの断面積が100000μm以下であれば(後述の図11参照)、密着寄与剤(50)の硬化温度にて導電性接着剤(30)がガラス転移点以上になったとしても、導電性接着剤(30)を介した電子部品(20)と基板(10)との電気的な接続抵抗値の上昇を抑制することができる。
また、電子部品(20)の周囲に位置する密着寄与剤(50)の膜厚が20μm以下であれば(後述の図12参照)、密着寄与剤(50)の硬化温度にて導電性接着剤(30)がガラス転移点以上になったとしても、導電性接着剤(30)を介した電子部品(20)と基板(10)との電気的な接続抵抗値の上昇を抑制することができる。
請求項に記載の発明は、製造方法に係るものであり、モールド樹脂(40)による封止前に、塗布される密着寄与剤(50)の希釈率を、原液1に対して希釈剤2の重量比以上とするものであり、さらに、当該原液は、ポリエーテルアミドイミドをジグライムに溶解させたものであって、これらポリエーテルアミドイミドとジグライムとの重量比が10:90〜20:80の溶液であり、当該希釈剤はジグライムであることを特徴とする。
本発明のように、塗布される密着寄与剤(50)を、このような原液と希釈剤よりなるものとし、その希釈率を、原液1に対して希釈剤2の重量比以上とすれば、電子部品(20)の周囲に位置する密着寄与剤(50)の内部に存在するボイドの断面積を100000μm以下とすること、および、当該密着寄与剤(50)の膜厚を20μm以下とすることを、適切に実現できるから、密着寄与剤(50)の硬化温度にて導電性接着剤(30)がガラス転移点以上になったとしても、導電性接着剤(30)を介した電子部品(20)と基板(10)との電気的な接続抵抗値の上昇を抑制することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
図1は、本発明の実施形態に係る電子装置の概略断面構成を示す図である。本実施形態の電子装置は、たとえば自動車のECUなどに用いられるもので、大きくは、基板10と、基10に搭載された電子部品20と、電子部品20と基板10とを電気的に接続する導電性接着剤30と、これら部材10〜30を封止するモールド樹脂40と、当該部材10〜30とモールド樹脂40との密着性を確保する密着寄与剤50とを備えて構成されている。
基板10としては、特に限定されるものではないが、セラミック基板や、プリント基板などの各種の回路基板、配線基板が挙げられる。電子部品20は、この基板10の一面(図1中の上面)に導電性接着剤30によって表面実装されるものであれば、何でもよいが、たとえば、電子部品20としては、ICチップ、ダイオード、コンデンサ、抵抗などが挙げられる。
導電性接着剤30は、この種の一般的なものであり、具体的には、エポキシなどのバインダ樹脂とAgなどの導電性フィラーとからなる組成物である。モールド樹脂40は、一般的なエポキシ樹脂などのモールド材料であり、トランスファーモールド法などにより、成型されたものである。
また、密着寄与剤50はモールド樹脂40のプライマとして用いられる。この密着寄与剤50の機能は、基板10とモールド樹脂40との密着性の向上、および、内部応力の緩和である。
たとえば、密着寄与剤50としては、ポリエーテルアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)などの熱硬化性樹脂があり、一般に高分子樹脂が用いられる。この密着寄与剤50は、液状のものをポッティングや印刷などにより、塗布し、これを硬化させることで配置される。
ここで、塗布される密着寄与剤50については、上記したPAIなどの高分子樹脂をジグライムやNMPなどの溶剤に溶解させた溶液が、原液として用いられるが、ここでは、ジグライムやNMPなどを希釈剤とし、この原液を更に当該希釈剤で希釈した液を塗布するようにする。
かかる電子装置は、基板10の一面に、導電性接着剤30を介して電子部品20を搭載し、導電性接着剤30による接着を行った後、その上から密着寄与剤50を塗布・硬化して配置し、その後、モールド樹脂40による封止を行うことにより製造される。
そして、本実施形態では、この完成後の電子装置において、電子部品20の周囲に位置する密着寄与剤50において、その内部に存在するボイドの断面積が100000μm以下とされている。
密着寄与剤50は、上述のように、液状のものを塗布・硬化させて形成されるため、その内部には、希釈剤が気化したボイドが存在する。このボイドは、当該希釈剤が気化して発生するものであり、当然ながら球状をなすため、ボイドの断面積とは、ボイドの直径方向に沿った断面積のことである。
また、本実施形態では、完成後の電子装置において、電子部品20の周囲に位置する密着寄与剤50の膜厚が20μm以下とされている。ここで、本実施形態では、この膜厚20μm以下の構成と、上述したボイド断面積100000μm以下の構成とは、両立していてもよいが、どちらか一方の構成のみが実現されていてもよい。これら構成は、本発明者が行った実験を根拠とするものであり、この検討について、次に述べる。
図2は、本発明者が行った実験に用いたサンプルを示す概略平面図であり、図3は、同サンプルの部分概略断面図である。ここでは、基板10としてセラミック基板10を用いた。
まず、図2、図3に示されるように、セラミック基板10と電子部品20とを導電性接着剤30で接続した。セラミック基板10は、サイズが1インチ□で厚さ1mm、材質はアルミナであり、電子部品20が搭載される一面にAuメッキ11が施されている。電子部品20は積層セラミックコンデンサであり、サイズは3.2×1.6×1.25mmで、電極材質はAg/Pdである。
<接着剤硬化>:印刷パターンを開口した図示しないメタルマスクを用いて、基板10に導電性接着剤30を印刷し、電子部品20を無荷重で搭載した後、恒温槽にて導電性接着剤30を硬化させる。導電性接着剤30の印刷膜厚は60umであり、硬化条件は150℃×30分硬化である。
<接続抵抗測定1回目>:この導電性接着剤30の硬化後に、接続抵抗測定の1回目を行う。図4は、導電性接着剤30を介した電子部品20と基板10との電気的な接続抵抗値、つまり接続抵抗の測定方法を示す概略断面図である。
図4に示されるように、定電流源K1とデジタルマルチメータK2を用い、4端子法で測定する。電流は10mAを流して電圧を測定し、R=V/Iの関係から抵抗値を求める。これを導電性接着剤30の接続抵抗とする。この方法で、作製したサンプルについて、1回目の接続抵抗すなわち初期接続抵抗を測定する。
この測定が終わったサンプルには、図5に示されるように、耐熱テープMを貼り付け、マスキングをする。図5は、耐熱テープMの貼り付け状態を示す概略平面図である。基板10の一面の金メッキ11のうち上記4端子法における端子を当てる部位には、接続抵抗を測定するために、耐熱テープMを貼り付けて被覆し、密着寄与剤50が塗布されないようにする。
<密着寄与剤塗布>:次に、基板10の一面、電子部品20および導電性接着剤30の表面に密着寄与剤50として、PAIを塗布する。ここで、塗布されるPAIは、ジグライム溶解させた原液を、さらに希釈剤であるジグライムで希釈したものであり、具体的には、原液として、日立化成製のHL1210−ND5(商品名、重量比PAI:ジグライム=10:90〜20:80)を用いた。
そして、原液と希釈剤(ジグライム)との重量比である希釈率としては、原液:希釈剤として、原液(希釈なし)、1:1、1:2、1:3の4種類を用いた。このような希釈率を有する密着寄与剤50を、ディスペンスにより、上記図2に示される基板10の中央に少量ずつ塗布し、図6に示されるように、電子部品20の周囲に回り込ませる。
<放置>:こうして密着寄与剤50の塗布が終了した後、ワークを1時間、大気中にて放置する。
<1次硬化(乾燥)>:そして、上記放置後、密着寄与剤50を乾燥させることを目的として、1次硬化を行う。条件は、熱板上で80℃×30分である。
<接続抵抗測定2回目>:この1次硬化後、耐熱テープMを剥し、基板10の金メッキ11のうち密着寄与剤50の付いていないところにプローブを当て、上記4端子法によって、2回目の接続抵抗を測定する。
<2次硬化(本硬化)>:次に、密着寄与剤50を本硬化させることを目的として、2次硬化を行う。条件は、恒温槽で150℃×3時間である。
<接続抵抗測定3回目>:この2次硬化後、基板10の金メッキ11のうち密着寄与剤50の付いていないところにプローブを当て、上記4端子法によって、3回目の接続抵抗を測定する。
図7は、密着寄与剤50の希釈率毎に、上記接着剤硬化後の接続抵抗(初期接続抵抗)、1次硬化後の接続抵抗(2回目の接続抵抗)、2次硬化後の接続抵抗(3回目の接続抵抗)の測定結果を示す図である。
図7に示されるように、密着寄与剤50として原液を塗布した場合では、2次硬化後に接続抵抗値が大きく上昇した。また、希釈率が大きくなるに従って、接続抵抗値の上昇はなくなった。
<密着寄与剤の硬化挙動観察>:また、密着寄与剤50の硬化挙動を調べるため、電子部品20を導電性接着剤30で接続しない状態でセラミック基板10の一面上に置き、そこに上記同様のPAIよりなる密着寄与剤50を塗布し、上記同様に1次硬化(80℃×30分)、2次硬化(150℃×3時間)を続けて行い、この工程における硬化挙動を目視で観察した。
その結果、1次硬化にて、電子部品20の周囲に位置する密着寄与剤50中にボイドが発生し、2次硬化にて、当該ボイドが膨張することがわかった。さらに、1次硬化のボイド発生により電子部品20に位置ずれが起こり、2次硬化のボイド膨張によって応力が発生し、電子部品20が持ち上げられていることが確認された。
<高温せん断強度試験>:上記図7および硬化挙動観察に示されるように、接続抵抗の上昇が2次硬化後に発生していることから、2次硬化の際に何らかの現象が起きていると考えられる。そこで、密着寄与剤の未塗布サンプルについて高温せん断試験を行った。この未塗布サンプルは、導電性接着剤硬化後のサンプルに対して密着寄与剤の塗布を行わないもの、すなわち上記図3に示したものである。
は、この未塗布サンプルについて、初期接続抵抗、130℃での接続抵抗、150℃での接続抵抗、170℃での接続抵抗をそれぞれ、上記4端子法によって測定した結果を示す図である。温度上昇にともない、導電性接着剤30のせん断強度が低下していることがわかる。
また、上記した未塗布サンプルに対して、さらに、ジグライムに浸漬したもの、PAI原液を塗布したもの、PAIを1:2で希釈し塗布したもの、という3種類のサンプルについても、常温でのせん断強度試験を行った。その結果を図に示す。図では、いずれのサンプルについても、初期とは接続抵抗が実質的に変化していない。
これら図8、図9に示される結果から、導電性接着剤30のせん断強度の低下はジグライムに浸漬、PAIを塗布したことによる導電性接着剤30の物性変動ではなく、150℃の高温にすることで、導電性接着剤30がそのガラス転移点温度(Tg)を超えたため導電性接着剤30の接着力が低下したことによると推定される。
<断面精査>:また、接続抵抗値上昇の原因を調査するため、顕微鏡観察による断面精査を行った。密着寄与剤50として原液を塗布し、接続抵抗値が上昇したサンプルと、希釈率が高く、接続抵抗値が上昇しなかったサンプルと、上記した未塗布サンプルとについて、断面精査を行った。
図10は、断面精査の結果を模式的に示す断面図である。原液を塗布し、接続抵抗値が上昇したサンプルについては、導電性接着剤30と基板10との界面に剥離Hが発生し、また、電子部品20の周囲に位置する密着寄与剤50の内部に巨大なボイドBが存在することが確認された。
以上のような本発明者の実験から、接続抵抗上昇の原因は、1次硬化にて、密着寄与剤50の表面にPAI膜が形成され、2次硬化にて、温度が導電性接着剤30のTg以上になることにより導電性接着剤30による接続強度が低下し、1次硬化にて形成されたPAI膜のため揮発しきれない希釈剤などの溶剤成分がボイドとなり、これが電子部品20の周囲に発生し、電子部品20を押上げる応力を発生させたことによると推定される。
そこで、密着寄与剤50の硬化温度によって、導電性接着剤30の密着力が低下することは避けられないから、密着寄与剤50による応力を低減することに着目した。そして、その要因として、上記ボイドBの大きさと、密着寄与剤50の膜厚との2点に着眼し、これらについて調査した。
上記実験と同様のサンプルを用いて、接続抵抗値が上昇しない密着寄与剤50の塗布・硬化条件を見極めるため、密着寄与剤50の希釈率を変えて塗布・硬化を行い、電子部品20の周囲に発生するボイドBの大きさおよび密着寄与剤50の膜厚と、接続抵抗値との関係を調査した。
図11は、ボイドの大きさと接続抵抗値との関係を示す図であり、図12は、密着寄与剤50の膜厚と接続抵抗値との関係を示す図である。
図11および図12ともに、希釈率についてはプロットの種類を変えて示してあり、丸プロット(希釈なしの原液)、三角プロット(原液:希釈剤=1:1)、ひし形プロット(原液:希釈剤=1:2)、正方形プロット(原液:希釈剤=1:3)としてある。また、各希釈率について、n数は30であるが、すべての結果を記すと見にくくなるので、図11、図12ではプロット数を減らして典型的な値についてプロットしてある。
図11に示されるように、電子部品20の周囲に位置する密着寄与剤50において、その内部に存在するボイドの断面積が100000μm以下ならば、接続抵抗値はほとんど上昇しないことがわかった。
また、図12に示されるように、2次硬化後の密着寄与剤50の膜厚が20μm以下であれば、接続抵抗値はほとんど上昇しないことがわかった。以上が本発明者の行った検討であり、これらの実験結果に基づいて、本実施形態の電子装置では、上述のようにボイド径や密着寄与剤50の膜厚を規定している。
また、図11、図12に示されるように、塗布される密着寄与剤50の希釈率が、原液1に対して希釈剤2の重量比以上であれば、上記ボイド断面積100000μm以下の構成、上記膜厚20μm以下の構成が、ほぼ確実に実現されている。
このことから、本実施形態の製造方法としては、塗布される密着寄与剤50として、ポリエーテルアミドイミドをジグライムに溶解させたものであって当該ポリエーテルアミドイミドとジグライムとの重量比が10:90〜20:80の溶液である原液を、希釈剤であるジグライムによってさらに希釈してなるものとし、その希釈率は、当該原液1に対して希釈剤2以上の重量比とすることがよい。
なお、上記した例では、硬化条件は1次硬化80℃×30分、2次硬化150℃×3時間としているが、ボイドの発生をさらに抑えるためには、1次硬化の時間を長くするとよい。例えば30分を3時間にする。1次硬化において低温で加熱時間を長くすることで、残留溶剤を少なくすることができる。また、その場合、2次硬化の時間は短くてもよい。例えば3時間は30分にする。
本発明の実施形態に係る電子装置の概略断面図である。 本発明者が行った実験に用いたサンプルを示す概略平面図である。 図2に示されるサンプルの部分概略断面図である。 接続抵抗の測定方法を示す概略断面図である。 耐熱テープの貼り付け状態を示す概略平面図である。 密着寄与剤塗布後のサンプルの状態を示す概略断面図である。 密着寄与剤の希釈率を変えた時の接着剤硬化後、1次硬化後、2次硬化後の各接続抵抗の測定結果を示す図である。 常温せん断強度試験の結果を示す図である。 未塗布サンプルについて、初期、130℃、150℃、170℃の各接続抵 抗を測定した結果を示す図である。 断面精査の結果を示す概略断面図である。 ボイドの大きさと接続抵抗値との関係を示す図である。 密着寄与剤の膜厚と接続抵抗値との関係を示す図である。
符号の説明
10 基板
20 電子部品
30 導電性接着剤
40 モールド樹脂
50 密着寄与剤

Claims (2)

  1. 基板(10)と、
    前記基板(10)の一面に搭載された電子部品(20)と、
    前記電子部品(20)と前記基板(10)の一面との間に介在し、これら両部材(10、20)を電気的に接続する導電性接着剤(30)と、
    前記基板(10)の一面、前記電子部品(20)および前記導電性接着剤(30)を封止するモールド樹脂(40)と、
    前記基板(10)の一面、前記電子部品(20)および前記導電性接着剤(30)と前記モールド樹脂(40)との間に介在し、前記モールド樹脂(40)の密着性を確保する密着寄与剤(50)とを備える電子装置において、
    前記電子部品(20)の周囲に位置する前記密着寄与剤(50)の内部には、ボイドが存在しており、このボイドの断面積が100000μm以下であることを特徴とする電子装置。
  2. 基板(10)の一面に導電性接着剤(30)を介して電子部品(20)を電気的に接続した後、前記基板(10)の一面、前記電子部品(20)および前記導電性接着剤(30)の表面にモールド樹脂(40)の密着性を確保する密着寄与剤(50)を塗布してこれを硬化し、続いて、前記基板(10)の一面、前記電子部品(20)および前記導電性接着剤(30)を前記モールド樹脂(40)で封止するようにした電子装置の製造方法において、
    前記塗布される密着寄与剤(50)の希釈率を、原液1に対して希釈剤2の重量比以上とするものであり、
    さらに、前記原液は、ポリエーテルアミドイミドをジグライムに溶解させたものであって、これらポリエーテルアミドイミドとジグライムとの重量比が10:90〜20:80の溶液であり、前記希釈剤はジグライムであることを特徴とする電子装置の製造方法。
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