JP5295608B2 - 接合方法及び接合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通電により発熱するヒータチップを使用してワークを接合する接合方法及びその接合方法を用いた接合装置に関する。
導電部材同士を接合する方法として、通電によって発熱するヒータチップを用いた接合方法が一般に知られている。例えば、巻線チップインダクタの被膜細線(導線)を該巻線チップインダクタの電極に接合する際にこの方法が用いられている。
前記巻線チップインダクタは、電子機器等の小型化に伴って小型化の要求が強く、例えば被膜細線には、その直径が40μm程度のポリウレタン銅線等が使用されている。このような被膜細線をハンダメッキされた電極にロウ付けする場合、加熱不足では接合不良になり、逆に加熱過大では被膜が剥がれ過ぎて巻線のレアショートを惹起する可能性がある。
一方、ヒータチップへの通電時間は、例えば100ms以下、条件によっては10ms以下と短くする必要があるため、当該ヒータチップの温度を検出して温度を一定に保つ温度制御は難しい。
そこで、本出願人は、ヒータチップへの通電電流をインバータにより制御すると共に、ヒータチップのコテ先部付近の温度を検出することにより、ヒータチップの温度制御を改善し、信頼性の高い接合を可能とする方法を提案している(特許文献1参照)。
特開2001−179434号公報
ところで、このようなヒータチップを用いた接合においては、例えば接合毎のヒータチップのピーク温度を監視することによって当該接合品質を管理することが考えられる。しかしながら、例えば同じピーク温度であっても、そのピーク温度に達するまでの時間の長短やピーク温度からの温度低下傾向の違いによって接合状態が変化する可能性があり、このような時間差はヒータチップの消耗状態等によって変化することになる。
本発明は、上記従来技術に関連してなされたものであり、通電により発熱するヒータチップを用いてワークを接合する場合において、その接合状態を一層正確に管理することができ、接合品質を一層向上させることができる接合方法及び接合装置を提供することを目的とする。
本発明に係る接合方法は、通電により発熱するヒータチップをワークに押し当てて、該ヒータチップに所定時間通電することで前記ワークに接合部材を接合する接合方法であって、通電開始時から前記ヒータチップの温度がピーク値である第1温度になるまでの第1経過時間、及び前記ヒータチップの温度が前記第1温度を経過した後、該第1温度に対して所定比率となる第2温度になるまでの通電開始時からの第2経過時間を監視する第1のステップと、前記第1経過時間、及び前記第2経過時間に基づき、接合の良否を判定する第2のステップとを有することを特徴とする。
また、本発明に係る接合装置は、通電により発熱するヒータチップをワークに押し当てて、該ヒータチップに所定時間通電することで前記ワークに接合部材を接合する接合装置であって、前記ヒータチップへの通電を行う接合用電源と、前記接合用電源による通電開始時から前記ヒータチップの温度がピーク値である第1温度になるまでの第1経過時間、及び前記ヒータチップの温度が前記第1温度を経過した後、該第1温度に対して所定比率となる第2温度になるまでの通電開始時からの第2経過時間を監視する時間監視手段と、前記時間監視手段で得られた前記第1経過時間、及び前記第2経過時間に基づき、接合の良否を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
このような方法及び装置によれば、通電により発熱するヒータチップを用いてワークに接合部材を接合する場合に、ピーク温度に達するまでの前記第1経過時間、及び該ピーク温度に対して所定比率となる第2温度に達するまでの前記第2経過時間とを監視して接合の良否を判定できる。
この場合、前記判定は、前記第1経過時間及び前記第2経過時間が所定の許容時間範囲内であるとき接合良状態と判定し、前記第1経過時間及び前記第2経過時間が前記許容時間範囲外であるとき接合不良と判定することが好ましい。
これにより、例えば、ヒータチップが複数回の使用により消耗・昇華した場合や、酸化した表面層をメンテナンスにより除去した場合等において当該ヒータチップの容積、つまり熱容量が変化して、ピーク温度に達するまでの時間等が変化した場合であっても、安定した接合を継続しながら接合状態を一層正確に管理することができ、接合品質を一層向上させることが可能となる。
また、前記ヒータチップへの通電を所定間隔で連続して行うことで複数個の前記ワークと前記接合部材との接合を連続して行い、前記第1のステップ及び前記第2のステップは、個々の前記ワークと前記接合部材との接合毎に実行され、前記第2のステップで判定された接合の良否に基づき、その次の回のワークと接合部材との接合条件を判断する第3のステップをさらに有すると、次の回やその後の回に接合されるワークに対しても連続的に良好な接合を施すことができる。
さらに、前記第3のステップでは、前記第1温度が所定の許容温度範囲の上限より高いときに前記ヒータチップへ通電する電流値を下げ、前記第1温度が前記許容温度範囲の下限より低いときに前記ヒータチップへ通電する電流値を上げることにより、連続的にワークの接合を行う際にも常時適正な電流値による良好な接合を行うことができる。
この場合、前記第3のステップでは、前記ヒータチップへ通電する電流値が所定の許容電流範囲を外れた場合に接合動作を停止することで、過剰な電流値や電流値不足による接合不良を有効に回避することができる。
また、当該接合装置では、前記判定手段の判定結果に基づき、前記ヒータチップへ通電する電流値又は当該接合装置の接合動作を制御する制御手段をさらに有すると、特に連続的にワークの接合を行う場合の各接合を一層良好に行うことができる。
本発明によれば、通電により発熱するヒータチップを用いてワークを接合する場合に、ピーク温度に達するまでの前記第1経過時間、及び該ピーク温度に対して所定比率となる第2温度に達するまでの前記第2経過時間とを監視して接合の良否を判定できる。
従って、例えば、ヒータチップが複数回の使用により消耗・昇華した場合や、酸化した表面層をメンテナンスにより除去した場合等において当該ヒータチップの容積、つまり熱容量が変化して、ピーク温度に達するまでの時間等が変化した場合であっても、安定した接合を継続しながら接合状態を一層正確に管理することができ、接合品質を一層向上させることが可能となる。
以下、本発明に係る接合方法について、この方法を実施する接合装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る接合装置10の構成を示すブロック図である。この接合装置10は、ヒータチップ12をワークWの接合部に押し当てて通電することにより、ワークWの被接合部に接合部材をリフロー方式でロウ付けすることができる装置である。
図1に示すように、接合装置10は、ヒータチップ12と、該ヒータチップ12に発熱(加熱)用の電力を供給する接合用電源14と、該接合用電源14による通電電流の制御や装置全体の動作制御を行う制御部16と、接合用電源14及び制御部16の間に設けられ、ヒータチップ12の温度を検出・監視すると共に、接合用電源14の制御等を行う時間・温度監視制御部(時間監視手段、判定手段)18とを備える。接合用電源14には、抵抗溶接用のインバータ式の溶接電源を用いることができる。この接合用電源14には、例えば、商用交流100Vの電源20が接続される。
図2に示すように、接合用電源14は、充電トランス22と、充電回路24と、コンデンサ26とを備え、電源20より入力される交流電圧が充電トランス22及び充電回路24を介して所定の直流電圧に変換され、コンデンサ26に通電用電荷として充電される。コンデンサ26に充電された電荷は、電流センサ28での検出値が制御回路30を介してフィードバック制御されつつ、電流制御用のトランジスタ32によって定電流制御されて出力端子34a、34bへと供給され、ヒータチップ12へと通電される。制御回路30は、インターフェース回路36を介して入力される指令電流Cを目標電流として、前記フィードバック制御を実施する。図2中の参照符号38は、フリーホイールダイオードである。
図1及び図3に示すように、ヒータチップ12は、加圧部40に保持されたチップ支持部材であるホルダ42に着脱可能に取り付けられる。加圧部40は、エアシリンダ等の図示しない加圧駆動部を内蔵しており、加圧指令Pを受けてヒータチップ12の先端部分であるコテ先部12aをワークWの接合部に押し当てて加圧することができる。
ヒータチップ12は、発熱性の高い金属抵抗体、例えばモリブデンで構成されており、両端子44a、44b間に電流が流されると抵抗発熱によってコテ先部12aが発熱する。該ヒータチップ12の先端でワークWに当接されるコテ先部(当接部)12aの近傍(例えば、僅かに後方に離間した側面)には、温度センサとして熱電対46が固着されている。これにより、ヒータチップ12の温度として、コテ先部12a付近の温度に係る電気信号であるチップ温度信号Stが熱電対46より出力され、該チップ温度信号Stは時間・温度監視制御部18へと入力される。
ホルダ42の下端側は、導電性の部材(例えば、銅)で構成されると共に、ヒータチップ12の両端子44a、44bと結合され、接合用電源14の二次導体45(図2参照)の一部を兼ねている。該二次導体45として機能するホルダ42の両極側の導電性部材42a、42bは、絶縁体47によって互いに電気的に絶縁されている。また、ホルダ42には、温度センサとして熱電対49が固着されており、これによりホルダ42の温度を示す電気信号であるホルダ温度信号Shが熱電対49より出力される。ホルダ温度信号Shは時間・温度監視制御部18へと入力されることによりCPU62で処理され、ホルダ42の温度が過熱状態にあると判断された場合には、CPU62はホルダ42の近傍に設置された冷却ファン43に対して冷却信号Fを送信し、該冷却ファン43を駆動してホルダ42を冷却する。
図3に示すように、本実施形態では接合対象の一例として、巻線チップインダクタ(コイル)を挙げ、巻線チップインダクタの端子と巻線とを接合するものとする。巻線チップインダクタは、例えばフェライトからなる円筒状又は円柱状の絶縁体コア48に絶縁被膜が被覆された被覆細線である導線50を螺旋状に巻回すると共に、絶縁体コア48の端部に固着されたブロック状の電極52の一側面に導線50の端部50aを金属接合して構成されるものであり、全体サイズが数mm以内の超小型に構成することもできる。本実施形態に係る接合装置10は、導線50の端部50aと電極52との接合を行うものであり、つまり導線50の端部50aが接合部材であり、電極52がワークWである。
なお、ワークWと接合部材の接合を行う前に、導線50の端部50aと電極52との間の接合面には予め図示しないハンダ(例えば、クリームハンダ)が塗られる。また、接合に際し、ワークWは図示しない支持台上の所定の加工位置にて所定の治具等により固定保持される。
一方、図1に示すように、制御部16は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)54と共に、図示しないメモリ(ROM、RAM)やインターフェース回路等を備え、接合用電源14の通電制御や加圧部40への加圧制御等を行う機能を有し、さらには、時間・温度監視制御部18へのウオームアップ開始信号の出力や各種条件の設定値に関連する設定入力、登録管理等を行う機能を有しており、時間・温度監視制御部18及び接合用電源14と通信可能に接続される。
時間・温度監視制御部18は、制御部16及び接合用電源14に接続され、制御部16及び接合用電源14との接続部となるI/Oインターフェース60と、各種演算処理を行うCPU62と、熱電対46、49からのアナログ信号であるチップ温度信号St及びホルダ温度信号Shを増幅する信号増幅器64と、該信号増幅器64で増幅された信号をデジタル信号に変換するA/D変換器66とを有する。
さらに、時間・温度監視制御部18には、各種情報を表示するモニタである表示装置68と、キーボード又はマウス等の入力手段である入力装置70とが、外付け又は一体的に備えられる。入力装置70は、各種接合条件等の設定入力に用いることができる。
次に、基本的には以上のように構成される接合装置10の動作及び作用について、図3に示す巻線チップインダクタの導線50(端部50a)と電極52とを接合する場合を例示して、図4に示すフローチャートに基づき説明する。図4は、本実施形態に係る接合装置10によるワークWの接合手順を示すフローチャートである。
図4に示す接合工程の作業開始時、例えば、一日の作業開始時や段取り換え時等には、ヒータチップ12を含む装置のウオームアップ運転を行って、当該ヒータチップ12を所定温度まで予備加熱する。
先ず、図4のステップS1において、時間・温度監視制御部18の入力装置70又は制御部16の図示しない入力部を操作して接合装置10の電源をONした後、ウオームアップを開始する。ここで、制御部16では、前記の電源ONを受けて、ウオームアップ運転用の設定で装置全体を制御すると共に、ウオームアップ開始信号を時間・温度監視制御部18に送信する。このウオームアップ運転は、ヒータチップ12をワークW及び接合部材から離間させた状態で行い、当該ヒータチップ12が所定温度となるまで通電する。
ステップS2において、ウオームアップ条件として、接合用電源14によるヒータチップ12への通電電流値I0、通電時間t0、通電間隔c0及び許容温度範囲T0等を入力装置70等によって設定する。前記許容温度範囲T0とは、ウオームアップでのヒータチップ12の目標温度範囲である。
接合用電源14では、前記設定されたウオームアップ条件に基づき、時間・温度監視制御部18からの通電ON信号(通電開始信号)を受けてヒータチップ12への通電を開始する。なお、このようなウオームアップ条件は、各設定値を個別に設定してもよく、又は、所定の設定条件を複数条件(例えば、63条件)準備しておき、その条件番号を設定するようにしてもよい。
すなわち、接合用電源14には、上記設定された通電電流値I0に基づく指令電流Cが入力されるため、該指令電流Cを目標電流として上記のフィードバック制御を実施して、ヒータチップ12への通電時間t0、通電間隔c0での断続的な通電(パルス通電)を行う(図5参照)。そうすると、図5に示すように、各通電の度、熱電対46で検出されるヒータチップ12の温度T(チップ温度T)が上昇(発熱)及び下降(放熱)を繰り返しながら全体として次第に上昇し、次第に一定温度で安定する。
そこで、ステップS3において、CPU62は、図5に示されるチップ温度Tのうち、通電毎の最高温度であるピーク温度を繋いだ上ピーク温度PHをサンプリングし、上ピーク温度PHが上記ステップS2で設定された許容温度範囲T0の範囲内となったか否かを判定する。
例えば、所定時間一定値として検出された上ピーク温度PHが、許容温度範囲T0の範囲外であると判断された場合には、再びステップS2に戻り、ウオームアップ条件の再設定を行う。一方、上ピーク温度PHが、許容温度範囲T0の範囲内であると判断された場合には、ヒータチップ12が所望の温度まで加熱され、ウオームアップが完了したと判断して、時間・温度監視制御部18から制御部16にウオームアップ完了信号が送信され、次にステップS4が実行される。
ステップS4では、時間・温度監視制御部18から制御部16に接合開始信号が送信され、制御部16では、接合運転用の設定で装置全体を制御する。
そこで、ステップS5において、ワークWと接合部材の接合条件として、接合用電源14によるヒータチップ12への通電電流値Iw、許容電流範囲Ia、通電時間tw、通電間隔cw、許容温度範囲Tw及び許容時間範囲tm等を入力装置70等により設定する。前記許容電流範囲Iaとは、ヒータチップ12へと通電される電流の許容範囲である。前記許容温度範囲Twとは、接合時におけるヒータチップ12のピーク温度の目標温度範囲である。前記許容時間範囲tmとは、接合時においてヒータチップ12が通電開始からピーク温度等に達するまでの目標時間範囲である。
次いで、ステップS6において、加圧部40では制御部16からの加圧信号Pを受けてヒータチップ12のワークWへの当接を行うと共に、接合用電源14では、設定された接合条件(通電条件)に基づき、時間・温度監視制御部18からの通電ON信号(通電開始信号)を受けてヒータチップ12への通電を開始し、同時に、各通電に対応する通電タイミング信号を時間・温度監視制御部18に出力する。なお、このような接合条件は、上記のウオームアップ条件と同条件としてもよく、又は、ヒータチップ12のワークWへの接触による放熱(冷却)等を考慮して条件を変更してもよい。また、接合条件についても、ウオームアップ条件と同様に、各設定値を個別に設定してもよく、又は、所定の設定条件を複数条件(例えば、63条件)準備しておき、その条件番号を設定するようにしてもよい。
ステップS7では、上記の通電開始に伴い、時間・温度監視制御部18による時間・温度監視制御が実行される。ここで、図6に示すフローチャート及び図7に示すタイミングチャートを参照しながら、この時間・温度監視制御に係る方法について説明する。
先ず、当該ステップS7における時間・温度監視制御においては、図7の時刻t1での通電開始信号に基づき、時刻t2にて接合用電源14による通電が開始されると共に、該接合用電源14から通電タイミング信号が出力される。
そこで、図6のステップS7aにおいて、前記通電タイミング信号に基づき、CPU62において、熱電対46で得られるチップ温度Tのピーク温度(第1温度)T1と、該ピーク温度T1の半分(1/2)となる1/2ピーク(第2温度)温度T2と、ピーク温度T1に達するまでの時間(第1経過時間)tpと、1/2ピーク温度T2に達するまでの時間(第2経過時間)thとが演算される。すなわち、図7の時刻t2でチップ温度Tの測定が開始される。その後、ピーク温度T1が測定される時刻がt4であり、1/2ピーク温度T2が測定される時刻がt5である。温度T1、T2がそれぞれ測定された後、時刻t5から時刻t6の間に前記の演算が実行される。
この際、温度測定は時刻t2から開始されているのであるが、CPU62によるチップ温度T(T1、T2)のモニタリングは、ヒータチップ12への通電ノイズの影響による誤測定を回避するため、通電中は行わず、通電終了後の時刻t3から開始することが好ましい。
なお、ピーク温度T1及び時間tpと共に計測される1/2ピーク温度T2及び時間thは、必ずしもピーク温度T1の半分の温度である必要はなく、つまりピーク温度T1の所定比率となる温度であればよく、例えば、温度T2をピーク温度T1を経過した後、該温度T1の30%となる温度に設定してもよく、時間thもその際の通電開始からの経過時間とすればよい。さらに、前記ピーク温度T1とは、厳密な意味ではなく、実際のピーク値の前後所定範囲内をも含むものであり、1/2ピーク温度T2についても同様である。
また、本実施形態の場合、図8に示すように、接合用電源14によるヒータチップ12への通電時間tw、通電間隔cwによる断続的な通電(パルス通電)毎に1つのワークWと接合部材の接合工程が完了するものとし、CPU62によって1工程毎のヒータチップ12のピーク温度T1と、1/2ピーク温度T2とが測定・演算され、このときの時間tpと時間thが演算される。
次いで、ステップS7bにおいて、CPU62は、ピーク温度T1に達するまでの時間tpと、1/2ピーク温度T2に達するまでの時間thとが、それぞれ設定された許容時間範囲tm内であるか否か、具体的には、時間tpが許容時間範囲tmに設定された当該時間tpの上下限値内であるか否か、及び、時間thが許容時間範囲tmに設定された当該時間thの上下限値内であるか否かを判定するGO/NG判定を実行する。
そこで、ステップS7cにおいて、CPU62は、上記ステップS7bでのGO/NG判定の結果をGO/NG判定信号として、制御部16及び表示装置68へと出力する(図1参照)。
この際、制御部16では、前記GO/NG判定の判定結果について、時間tp、thが許容時間範囲tm内であるGO信号を受信した場合には、時間・温度監視制御部18を介して又は直接的に接合用電源14を制御し、これにより、次のワークWと接合部材の接合工程が実行される。一方、時間tp、thが許容時間範囲tm外であるNG信号を受信した場合には、時間・温度監視制御部18を介して又は直接的に接合用電源14を制御し、図示しない排出手段により当該接合されたワークWを接合不良品であると判断して外部に排出させる。同時に、表示装置68では、前記GO/NG判定の結果を表示し、NG判定の場合には警告画面を表示する。当然、GO判定の場合にも表示装置68にその旨を表示させてもよい。
上記ステップS7(ステップS7a〜S7c)の時間・温度監視制御部18による時間・温度監視制御が完了すると、次に、CPU62は、図4のステップS8において、前記測定されたピーク温度T1が設定範囲内、具体的には、設定された許容温度範囲Tw(上限温度T1H、下限温度T1L)内にあるか否かを判定する(図8参照)。
ステップS8において、前記測定されたピーク温度T1が許容温度範囲Tw内にあると判定された場合には、次にステップS14が実行され、今回の接合は良好に行われたものと判断し、今回の接合工程と同条件にて次のワークWと接合部材の接合工程がステップS6に戻って実行される。
一方、ステップS8において、前記測定されたピーク温度T1が許容温度範囲Tw内にないと判定された場合には、次にステップS9が実行される。
ステップS9では、前記ピーク温度T1が上限温度T1Hよりも高いか否かを判定する。ピーク温度T1が上限温度T1Hより高いと判定された場合には、通電電流値Iwが高すぎると判断し、次にステップS10を実行して通電電流値Iwを所定値だけ下げる。一方、ピーク温度T1が上限温度T1Hより低いと判定された場合には、当該ピーク温度T1が許容温度範囲Tw内にないことも考慮して、下限温度T1Lより低いと判断し、次にステップS11を実行して通電電流値Iwを所定値だけ上げる。なお、上記したように通電電流値Iwを含む接合条件が複数の条件番号として設定されている場合には、ステップS10、S11では、通電電流値Iwを上下させる条件番号が選択される。これにより、連続的にワークWと接合部材との接合を行う際にも常時適正な電流値による良好な接合を行うことができる。
ステップS10又はS11によって通電電流値Iwが設定変更されると、次に、ステップS12が実行される。
ステップS12では、ステップS10又はS11で設定変更された通電電流値Iwが許容電流範囲Ia内であるか否かを判定する。通電電流値Iwが許容電流範囲Ia内であると判定された場合には、今回の設定変更された接合条件によって次の回のワークWと接合部材との接合工程をステップS6に戻って実行し、以後同様にして複数個のワークWと接合部材との接合工程が連続的に実施される。一方、通電電流値Iwが許容電流範囲Ia内にないと判定された場合には、ステップS13において表示装置68や図示しない警報装置に対して異常信号を出力し、操作者に異常を通知すると共に、接合工程を停止する。これにより、過剰な電流値や電流値不足によって接合不良を生じることを有効に回避することができる。
以上のように、本実施形態によれば、通電により発熱するヒータチップ12を用いて、接合部材とワークW、例えば巻線チップインダクタの導線50(端部50a)と電極52とを接合する場合に、ヒータチップ12の時間・温度監視制御として、通電開始から当該ヒータチップ12のピーク温度T1への到達時間tpを監視すると共に、1/2ピーク温度T2への到達時間thを監視し、これら時間tp、thに基づき接合用接合状態の良否を判定することができ、この判定結果に基づき次の回のワークWと接合部材の接合条件を保持又は変更し、以降の接合工程でも同様とする。これにより、例えば、ヒータチップ12が複数回の使用により消耗・昇華した場合や、酸化した表面層をメンテナンスにより除去した場合等において当該ヒータチップ12の容積、つまり熱容量が変化して、ピーク温度T1に達するまでの時間やピーク温度T1から冷却される時間等が変化した場合であっても、安定した接合を継続しながら接合状態を一層正確に管理することができ、ワークWと接合部材との接合を連続的に行う場合であっても接合品質を一層向上させることが可能となる。
換言すれば、接合工程において前記の時間tp、thを監視することにより、例えば、ヒータチップ12の状態を管理することができるため、該時間tp、thに基づき、ヒータチップ12とワークWとの接触面の接触状態、該ヒータチップ12のコテ先部12aの状態やヒータチップ12の摩耗・酸化状態、ヒータチップ12へのワークWからの絶縁被膜(糊膜)の付着状況等を判断することができる。
なお、上記実施形態では時間tp、thを両方とも用いる方法を例示したが、例えば、時間tpのみ又は時間thのみを利用して、一層簡易的に接合状態の良否を判定することも可能である。
また、上記のようにワークWとして、巻線チップインダクタの導線50(端部50a)と電極52とを接合する場合には、通電時間を100ms〜10ms程度の極めて短時間にする必要があり、ヒータチップ12の発熱が通電に対して遅れて生じることから温度制御が難しく、例えば電流制御だけでは安定した接合が難しいことになる。これに対して、本実施形態のように、接合用電源14と共に時間・温度監視制御部18を用いて前記時間tp、thをモニタリングすることにより、接合温度を一層安定させて、一層高品質な接合を行うことが可能となる。
本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
例えば、上記の実施形態では、図4のステップS3において、CPU62(図1参照)が図5に示されるチップ温度Tのうち、通電毎の最高温度であるピーク温度を繋いだ上ピーク温度PHを用いて許容温度範囲T0の範囲内となったか否かを判定している。これに代えて、通電毎の最低温度であるピーク温度を繋いだ下ピーク温度PLを判定に用いることもできる。こうすれば、上ピーク温度PHに比べて通電時のばらつきが小さくなり、より安定した温度制御が可能である。
本発明の一実施形態に係る接合装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す接合装置に備えられる溶接電源の一例を示すブロック図である。 図1に示す接合装置に備えられるヒータチップ及びその周辺とワークとを拡大した説明図である。 本発明の一実施形態に係る接合装置によるワークの接合手順を示すフローチャートである。 ウオームアップ運転時のチップ温度変化及び通電電流を示す図である。 図1に示す時間・温度監視制御部による時間・温度監視制御の手順を示すフローチャートである。 図6に示す時間・温度監視制御を実施している際のタイミングチャートである。 図6に時間・温度監視制御を実施している際のチップ温度変化及び通電電流を示す図である。
符号の説明
10…接合装置 12…ヒータチップ
12a…コテ先部 14…接合用電源
16…制御部 18…時間・温度監視制御部
42…ホルダ 46、49…熱電対
50…導線 50a…端部
52…電極 62…CPU

Claims (7)

  1. 通電により発熱するヒータチップをワークに押し当てて、該ヒータチップに所定時間通電することで前記ワークに接合部材を接合する接合方法であって、
    通電開始時から前記ヒータチップの温度がピーク値である第1温度になるまでの第1経過時間、及び前記ヒータチップの温度が前記第1温度を経過した後、該第1温度に対して所定比率となる第2温度になるまでの通電開始時からの第2経過時間を監視する第1のステップと、
    前記第1経過時間、及び前記第2経過時間に基づき、接合の良否を判定する第2のステップと、
    を有することを特徴とする接合方法。
  2. 請求項1記載の接合方法において、
    前記第2のステップでは、
    前記第1経過時間及び前記第2経過時間が所定の許容時間範囲内であるとき接合良状態と判定し、
    前記第1経過時間及び前記第2経過時間が前記許容時間範囲外であるとき接合不良と判定する
    ことを特徴とする接合方法。
  3. 請求項1又は2記載の接合方法において、
    前記ヒータチップへの通電を所定間隔で連続して行うことで複数個の前記ワークと前記接合部材との接合を連続して行い、
    前記第1のステップ及び前記第2のステップは、個々の前記ワークと前記接合部材との接合毎に実行され、
    前記第2のステップで判定された接合の良否に基づき、その次の回のワークと接合部材との接合条件を判断する第3のステップをさらに有する
    ことを特徴とする接合方法。
  4. 請求項3記載の接合方法において、
    前記第3のステップでは、
    前記第1温度が所定の許容温度範囲の上限より高いときに前記ヒータチップへ通電する電流値を下げ、
    前記第1温度が前記許容温度範囲の下限より低いときに前記ヒータチップへ通電する電流値を上げる
    ことを特徴とする接合方法。
  5. 請求項3又は4記載の接合方法において、
    前記第3のステップでは、
    前記ヒータチップへ通電する電流値が所定の許容電流範囲を外れた場合に接合動作を停止する
    ことを特徴とする接合方法。
  6. 通電により発熱するヒータチップをワークに押し当てて、該ヒータチップに所定時間通電することで前記ワークに接合部材を接合する接合装置であって、
    前記ヒータチップへの通電を行う接合用電源と、
    前記接合用電源による通電開始時から前記ヒータチップの温度がピーク値である第1温度になるまでの第1経過時間、及び前記ヒータチップの温度が前記第1温度を経過した後、該第1温度に対して所定比率となる第2温度になるまでの通電開始時からの第2経過時間を監視する時間監視手段と、
    前記時間監視手段で得られた前記第1経過時間、及び前記第2経過時間に基づき、接合の良否を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする接合装置。
  7. 請求項6記載の接合装置において、
    前記判定手段の判定結果に基づき、前記ヒータチップへ通電する電流値又は当該接合装置の接合動作を制御する制御手段をさらに有する
    ことを特徴とする接合装置。
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