JP5293324B2 - 修飾電極及び電気化学表示素子 - Google Patents
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2.前記メタロセンポリマー化合物の分子量が1000以上であることを特徴とする前記1に記載の修飾電極。
電気化学表示素子においては、対向電極上での金属または金属塩の溶解析出を防止するために、対向電極上を被覆する必要があり、分子量が1000以上のポリマーが好ましい。またポリマー化合物は膜厚を制御して形成できるので、容易に所望の電気量を設定できる。
修飾電極の電極材料としては、導電性の物質であればよく、Cu、Al、Pt、Ag、Pd、Au等の金属、ITO、SnO2、TiO2、ZnO等の酸化物半導体、または炭素のいずれであってもよい。
化学結合を介して電極に結合固定される本発明のメタロセンポリマー化合物は、これらの官能基を介する修飾によって反応結合させてもよいし、あるいは、これらの官能基を有するスペーサー分子を介する反応によって結合させてもよい。
(R1O)3Si−R2−NH
(式中、R1及びR2は各々炭化水素基を表す。)
で表わされるアミノアルキルトリアルコキシシランを電極の表面水酸基と反応させて、
A−O−Si(OR1)2−R2−NH2(Aは、電極を表す。)結合を形成し、次いで、R3−CO−OH
(式中、R3はメタロセンポリマー化合物を表す。)
で表わされるカルボキシ化合物を反応させて、アミド結合を有する、
A−O−Si(OR1)2−R2−NH−CO−R3の反応修飾を行うことが可能である。もちろん、この例示のような反応修飾に限定されることなく各種のものが考慮されてよい。
本発明の表示素子においては、一対の対向する電極が設けられている。表示部に近い一対の対向する電極の1つである電極1にはITO電極等の透明電極、他方の電極2には導電性電極が設けられている。電極1と電極2との間に、有機溶媒、金属塩化合物と一般式(1)で表される本発明のメタロセンポリマー化合物等を含有した電解質層を有し、一対の対向する電極間に正負両極性の電圧を印加することにより、白表示と黒表示を可逆的に切り替えることができる。
(有機溶媒)
本発明に係る電解質には、有機溶媒を併用してもよい。有機溶媒としては沸点が120〜300℃の範囲にあることが好ましく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等を挙げることができる。
本発明に係る金属塩化合物とは、一対の対向する電極上の少なくとも1方の電極上で、該一対の対向する電極の駆動操作で、溶解・析出を行うことができる金属種を含む塩であれば、如何なる化合物であってもよい。好ましい金属種は、銀、ビスマス、銅、ニッケル、鉄、クロム、亜鉛等であり、特に好ましいのは銀、ビスマスである。
本発明に係る銀塩化合物とは、銀または銀を化学構造中に含む化合物、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
本発明の表示素子においては、電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Metal](モル/kg)とした時、下式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい。
本発明でいうハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のことをいう。[X]/[Metal]が0.1よりも大きい場合は、金属の酸化還元反応時に、X−→X2が生じ、X2は析出した金属と容易にクロス酸化して析出した金属を溶解させ、メモリー性を低下させる要因の1つになるので、ハロゲン原子のモル濃度は金属銀のモル濃度に対してできるだけ低い方が好ましい。本発明においては、0≦[X]/[Metal]≦0.001がより好ましい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観点から、各ハロゲン種モル濃度総和が[I]<[Br]<[Cl]<[F]であることが好ましい。
本発明においては、金属塩(特に銀塩)の溶解析出を促進するために、銀塩溶剤を用いることができる。銀塩溶剤としては、電解質中で銀を可溶化できる化合物であればいかなる化合物であってもよい。例えば、銀と配位結合を生じさせたり、銀と弱い供給結合を生じさせたりするような、銀と相互作用を示す化学構造種を含む化合物等と共存させて、銀または銀を含む化合物を可溶化物に変換する手段を用いるのが一般的である。前記化学種として、ハロゲン原子、メルカプト基、カルボキシル基、イミノ基等が知られているが、本発明においては、チオエーテル基を含有する化合物及びメルカプトアゾール類は、銀溶剤として有用に作用しかつ、共存化合物への影響が少なく溶媒への溶解度が高い特徴があるので好ましい。
一般式(G1) Rg11−S−Rg12
(式中、Rg11、Rg12は各々置換または無置換の炭化水素基を表す。また、これらの炭化水素基では、1個以上の窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含んでもよく、Rg11とRg12が互いに連結し、環状構造を形成してもよい。)
前記一般式(G1)において、Rg11、Rg12は各々置換または無置換の炭化水素基を表し、これらには芳香族の直鎖基または分岐基が含まれる。また、これらの炭化水素基では、1個以上の窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子を含んでもよく、Rg11とRg12は互いに連結し、環状構造を形成してもよい。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。
G1−2:HOCH2CH2SCH2CH2OH
G1−3:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
G1−4:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
G1−5:HOCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2OH
G1−6:HOCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OH
G1−7:H3CSCH2CH2COOH
G1−8:HOOCCH2SCH2COOH
G1−9:HOOCCH2CH2SCH2CH2COOH
G1−10:HOOCCH2SCH2CH2SCH2COOH
G1−11:HOOCCH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2COOH
G1−12:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
G1−13:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
G1−14:H3CSCH2CH2CH2NH2
G1−15:H2NCH2CH2SCH2CH2NH2
G1−16:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
G1−17:H3CSCH2CH2CH(NH2)COOH
G1−18:H2NCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2NH2
G1−19:H2NCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2NH2
G1−20:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
G1−21:HOOC(NH2)CHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH(NH2)COOH
G1−22:HOOC(NH2)CHCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH(NH2)COOH
G1−23:HOOC(NH2)CHCH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH(NH2)COOH
G1−24:H2N(O=)CCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2C(=O)NH2
G1−25:H2N(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(O=)NH2
G1−26:H2NHN(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(=O)NHNH2
G1−27:H3C(O=)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(O=)CH3
G1−28:H2NO2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SO2NH2
G1−29:NaO3SCH2CH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH2SO3Na
G1−30:H3CSO2NHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHO2SCH3
G1−31:H2N(NH)CSCH2CH2SC(NH)NH2・2HBr
G1−32:H2N(NH)CSCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SC(NH)NH2・2HCl
G1−33:H2N(NH)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(NH)NH2・2HBr
G1−34:〔(CH3)3NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2N(CH3)3〕2+・2Cl−
本発明に係る電解質組成物において用いることができる支持電解質としては、電気化学の分野または電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類が使用できる。
さらには、
本発明においては、表示コントラスト及び白表示反射率をより高める観点から、白色散乱物を含有することが好ましく、多孔質白色散乱層を形成させて存在させてもよい。
本発明に係る電解質は、溶媒やイオン性液体から成る溶液状の電解質以外にも、実質的に溶媒を含まない固体電解質や高分子化合物を含有した高粘度な電解質やゲル状の電解質(以下、ゲル電解質)を用いることができる。
本発明の電気化学表示素子においては、電解質に増粘剤を使用することができ、増粘剤としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
本発明で用いることのできる基板としては、透明基板であることが好ましく、このような透明基板としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、シリコン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体、ポリオレフィン等の高分子のフィルムや板状基板、ガラス基板等が好ましく用いられる。本発明に用いられる透明な基板とは、可視光に対する透過率が少なくとも50%以上の基板をいう。
(表示側透明電極)
一対の対向する電極のうち、表示側には位置する電極としては、透明電極であることが好ましい。
透明電極の一つの態様として、上記透明電極上にナノ多孔質化構造を有するナノ多孔質電極を設けることができる。このナノ多孔質電極は、表示素子を形成した際に実質的に透明で、エレクトロクロミック色素等の電気活性物質を担持することができる。
本発明においては、多孔質カーボン電極を用いることもできる。吸着担持可能な多孔質炭素電極としては、黒鉛質、難黒鉛化炭素質、易黒鉛化炭素質、複合炭素体や、ホウ素、窒素、りん等を炭素にドープして焼成した炭素化合物等が挙げられる。炭素粒子の形状としては、メソフェーズ小球体、繊維状黒鉛が挙げられる。メソフェーズ小球体はコールタールピッチ等を350〜500℃で焼成することで得られ、これら小球体をさらに分級して高温焼成で黒鉛化すると良好な多孔質炭素電極が得られる。また、ピッチ系、PAN系、及び気相成長繊維から、繊維状黒鉛を得ることができる。
本発明に係る一対の対向する電極のうち少なくとも一方の電極に、補助電極を付帯させることができる。
透明電極、金属補助電極を形成するには、公知の方法を用いることができる。例えば、基板上にスパッタリング法等でマスク蒸着する方法や、全面形成した後に、フォトリソグラフィ法でパターニングする方法等が挙げられる。
本発明の電気化学表示素子においては、複合電極の透明電極及び金属補助電極の少なくとも1方が、帯電した液体を吐出する内部直径が30μm以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて形成されることが好ましい態様の1つである。さらにノズル内の溶液がノズル先端部から凸状に盛り上がった状態を形成する凸状メニスカス形成手段を設けた吐出装置を用いて形成されることが好ましい。
本発明の電気化学表示素子においては、電気絶縁層を設けることができる。
本発明の電気化学表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
本発明の電気化学表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことをいう。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、階調やメモリー機能等のメリットがあり、例えば、特開2004−29327号公報の図5に記載されている回路を用いることができる。
本発明の電気化学表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェイカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
《電気化学表示素子の作製》
〔電解液の調製〕
(電解液1の調製)
γ−ブチロラクトン2.5g中に、p−トルエンスルホン酸銀0.1g、化合物(G1−4)0.2g、テトラフルオロホウ酸スピロ−(1,1′)−ビピロリジニウム0.025gを溶解して、電解液1を得た。
γ−ブチロラクトン2.5g中に、トリフルオロメタンスルホン酸銀0.1g、化合物(G1−4)0.2g、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)0.025gを溶解して、電解液2を得た。
(電極1の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)膜を公知の方法に従って形成して、透明電極(電極1)を得た。
電極1上に、ITOインク X−490CN27(住友金属鉱山社製、平均粒子径:20nm)に酸化亜鉛粒子(和光純薬社製、平均粒子径:20nm)をITO粒子に対し15質量%になるように混合、撹拌し、混合液をスピンコート法により塗布した。180℃で焼成を行い、乾燥後、希硝酸(比重1.38の硝酸を10倍に希釈したもの)中に浸漬した後、洗浄、乾燥し、厚み0.4μmの電極2を得た。
電極2を用いて、特開2008−111941号公報、段落[0053]に記載の手法で電極3を得た。
乾燥トルエン中に電極2とフェロセンポリマー(P−4)を加え、24時間室温で攪拌した。その後基板を乾燥し、メタノールで洗浄して電極4を得た。
ITOインク X−490CN27(住友金属鉱山社製、平均粒子径:20nm)にジョンクリルエマルジョンPDX7696(BASF社製、平均粒子径:80nm)をITO粒子に対し15質量%になるように混合、撹拌し、混合液1L(総固形分量 20質量%)を調製した。混合液中にフェロセンポリマー(P−4)/THF液100mlを添加し、80℃で混合攪拌を24hr行った後、混合液をスピンコート法により基板ガラス上のITO膜に塗布した。180℃で焼成を行い、乾燥後、1mol/lの水酸化ナトリウム液に浸漬し、エマルジョンを洗い流した後、洗浄、乾燥し、厚み0.4μmの電極5を得た。
電極4の作製において、P−4をP−11に変更した以外は同様にして電極6を得た。
電極5の作製において、P−4をP−11に変更した以外は同様にして電極7を得た。
電極4の作製において、P−4をP−23に変更した以外は同様にして電極8を得た。
電極5の作製において、P−4をP−23に変更した以外は同様にして電極9を得た。
電極4の作製において、P−4をH−1に変更した以外は同様にして電極10を得た。
電極5の作製において、P−4をH−1に変更した以外は同様にして電極11を得た。
電極3の作製において、特開2008−111941号公報、段落[0053]に記載のフェロセンポリマーをH−2に変更した以外は同様にして電極12を得た。
(電気化学表示素子1の作製)
周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極2の上に、ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)2質量%を含むイソプロパノール溶液中に、石原産業社製二酸化チタンCR−90を20質量%添加し、超音波分散機で分散させた混和液を乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、その後15℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、45℃の雰囲気中で1時間乾燥させた。得られた二酸化チタン層上に平均粒径が20μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを散布した後に、電極2と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液1を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子1を作製した。
電気化学表示素子1の作製において、電解液と電極を表1に示す組み合わせに変更した以外は同様にして電気化学表示素子2〜20を作製した。
作製した電気化学表示素子1〜20について、下記評価を行った。
定電圧電源の両端子に作製した表示素子の両電極を接続し、+1.5Vの電圧を1.5秒間印加した後に−1.5Vの電圧を1秒間印加してグレーを表示させた時の波長550nmでの反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定した。同様な駆動条件で合計10回駆動し、得られた反射率の平均値をRave1とした。さらに2万回繰返し駆動した後に同様な方法で反射率の平均値Rave2を求めた。ΔRBK1=|Rave1−Rave2|とし、ΔRBK1を繰返し駆動した時の反射率の安定性の指標とした。ここでは、ΔRBK1の値が小さいほど、繰返し駆動した時の反射率の安定性に優れることになる。
定電圧電源の両端子に作製した表示素子の両電極を接続し、電流値の上限を1平方cm当たり10mAに制御して、表示側の電極に−1.5Vの定電圧を1秒間印加してグレー表示させた時の波長550nmの反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定し、得られた値をRBK2とした。ここでは、RBK2の値が小さいほど、黒表示の書換速度が速いことになる。
Claims (6)
- 基板上に電極材料を有し、該電極材料上に化学結合を介して固定化されている下記一般式(1)で表されるメタロセンポリマー化合物を備えている修飾電極であって、前記メタロセンポリマー化合物は、メタロセン部分と重合を引き起こしうる反応性基との間に8Å以上の長さを持つスペーサーを有していることを特徴とする修飾電極。
- 前記メタロセンポリマー化合物の分子量が1000以上であることを特徴とする請求項1に記載の修飾電極。
- 前記メタロセンポリマー化合物が、−COOH、−P=O(OH)2、−OP=O(OH)2、−NCOまたは−SiR1n(OR2)3−n(R1、R2はアルキル基を表し、nは1から3の整数を表す。)基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の修飾電極。
- 前記メタロセンポリマー化合物がフェロセン誘導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の修飾電極。
- 対向する一対の電極のうち、少なくとも一方に請求項1〜4のいずれか1項に記載の修飾電極を用いたことを特徴とする電気化学表示素子。
- 銀塩の電気化学的還元析出による発色、及び電気化学的酸化溶解による消色を利用して白及び黒を表示することを特徴とする請求項5に記載の電気化学表示素子。
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