JP5291334B2 - 落下防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、隣り合う一方の構造体と他方の構造体とをケーブルで連結することにより一方の構造体または他方の構造体が落下することを防止する落下防止装置に関する。
従来から、隣り合う一方の構造体と他方の構造体とをケーブルで連結して、一方の構造体または他方の構造体が落下するのを防止する落下防止装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の落下防止装置は、落橋を防止するための落橋防止装置であり、図9に示すように、隣り合う橋桁50,51の各壁面に、一対の定着部材52,53を複数のアンカーボルト55により固設し、ケーブル57の両端部58,59のそれぞれを各定着部材52,53に定着させることにより、隣り合う橋桁50,51を連結して橋桁50,51の落下を防止している。各定着部材52,53は、図10に示すように、橋桁50,51の壁面にアンカーボルト55で固設されるベース板61と、ベース板61に立設されたフランジ板63とを含み、ケーブル57の各端部58,59は、フランジ板63に形成された貫通孔65に通されてフランジ板63に定着されている。
このような落橋防止装置では、アンカーボルト55を用いて定着部材52,53を橋桁50,51に固設する工法を採用していることから、十分なアンカーボルト55の定着長を確保するために橋桁50,51を深く穿孔すると、橋桁50,51に損傷を与えることになる。また、橋梁のタイプ(例えば、中空床版橋、ホロー桁橋)によっては、橋桁のコンクリート厚が薄いため、十分なアンカーボルトの定着長を確保しようとすると、アンカーボルトが橋桁の鉄筋やPC鋼材と干渉し易く、アンカーボルトの配置の自由度が低い。このため、近年では、アンカーボルト55の定着長を最小限度に抑えることが要求されている。
特開平10−152810号公報
しかしながら、特許文献1の落橋防止装置では、ケーブル57を、複数のPC鋼より線を稠密に束ねて構成しているため、ケーブル径が大きくならざるを得ない。そのため、ケーブル中心軸pと橋桁50間の距離dが大きくなってしまい、前記距離dとケーブル57の引張力t1とによって決まる定着部材の曲げモーメントmが大きくなってしまう。これに伴い、アンカーボルト55に作用する引張力t2も大きくなる。このため、定着部材52の脱落を防止するためには、十分なアンカーボルトの定着長を確保せざるを得ず、その結果、アンカーボルト55の定着長の最小限化の要求に応えることができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、アンカーボルトの定着長の最小限化の要求に応えることが可能な落下防止装置を提供することを目的とする。また、本発明は、ケーブルが定着される定着部材に作用する引張力および曲げモーメントを低減することにより、定着部材の脱落、ひいては定着部材が固定される隣り合う構造体の落下を防止することが可能な落下防止装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の第1態様に係る落下防止装置は、鉄筋コンクリート製の第1構造体と鉄筋コンクリート製の第2構造体とを互いに連結して前記第1構造体または前記第2構造体の落下を防止する落下防止装置であり、第1固定部材によって前記第1構造体に固定される第1定着部材と、第2固定部材によって前記第2構造体に固定される第2定着部材と、一端部が前記第1定着部材に定着されると共に、他端部が前記第2定着部材に定着される複数のケーブルとを備えている。前記複数のケーブルは、前記第1定着部材が固定された前記第1構造体の表面および前記第2定着部材が固定された前記第2構造体の表面に対して平行な方向に配列されるとともに前記第1構造体の表面および前記第2構造体の表面から等距離に配列されている。前記第1定着部材及び前記第2定着部材は、前記ケーブルに沿う方向の長さがその直交方向よりも長い形状に形成されている。前記第1固定部材は、前記第1構造体の1列目の鉄筋を超えるように前記第1構造体内に固定されるとともに前記第1構造体の表面に突設され、前記第1定着部材の長手方向に複数設けられた第1アンカーボルトによって構成される。前記第1定着部材は、前記第1アンカーボルトによって前記第1構造体に固定される第1固定部と、前記ケーブルの一端部が前記第1構造体の表面に対して平行な方向に並ぶような配列関係で前記一端部が定着される第1定着部とを有する。前記第2固定部材は、前記第2構造体の1列目の鉄筋を超えるように前記第2構造体内に固定されるとともに前記第2構造体の表面に突設され、前記第2定着部材の長手方向に複数設けられた第2アンカーボルトによって構成される。前記第2定着部材は、前記第2アンカーボルトによって前記第2構造体に固定される第2固定部と、前記ケーブルの他端部が前記第2構造体の表面に対して平行な方向に並ぶような配列関係で前記他端部が定着される第2定着部とを有する。前記第1固定部および前記第2固定部のそれぞれは、前記第1定着部または前記第2定着部から前記ケーブルが引っ張られる方向に沿って延びるように立設された補強板を有する。前記第1定着部および前記第2定着部は、前記ケーブルが引っ張られる方向に向かって前記第1固定部および前記第2固定部に力を作用させる。
この構成によれば、複数本のケーブルは、第1構造体および第2構造体の表面に対して平行な方向に配列されているので、複数本のケーブルを稠密に束ねた従来の構成と比較して、各ケーブルの中心軸を、第1構造体の表面および第2構造体の表面により近接させて配列できる。つまり、各ケーブルの中心軸と、第1構造体の表面および第2構造体の表面との間の距離を従来の構成と比較して小さくできる。したがって、例えば、第2構造体が第1構造体に対して変位して、第1構造体に固定された第1定着部材に、ケーブルを介して引張力、ひいては引張力に起因する曲げモーメントが作用する状況において、各ケーブルの中心軸と第1構造体の表面との間の距離が小さくなった分だけ、第1定着部材に作用する前記曲げモーメントを低減できる。その結果、第1構造体に固定された第1定着部材が第1構造体から脱落するのを防止できる。
しかも、前記複数のケーブルは、前記第1構造体の表面および前記第2構造体の表面から等距離に配列されているので、当該ケーブルより第1構造体の表面および第2構造体の表面から離れた位置に配列されるケーブルが存在しない。その結果、第1定着部材または第2定着部材に作用する曲げモーメントが大きくなるのを防止できる。
前記第1定着部材及び前記第2定着部材は、前記ケーブルに沿う方向の長さがその直交方向よりも長い形状に形成されている。前記第1固定部材は、前記第1構造体の2列目の鉄筋には届かない長さで前記第1構造体内に固定されるとともに前記第1構造体の表面に突設され、前記第1定着部材の長手方向に複数設けられた第1アンカーボルトによって構成されている。前記第1定着部材は、前記第1アンカーボルトによって前記第1構造体に固定される第1固定部と、前記ケーブルの一端部が前記第1構造体の表面に対して平行な方向に並ぶような配列関係で前記一端部が定着される第1定着部とを有している。前記第2固定部材は、前記第2構造体の2列目の鉄筋には届かない長さで前記第2構造体内に固定されるとともに前記第2構造体の表面に突設され、前記第2定着部材の長手方向に複数設けられた第2アンカーボルトによって構成されている。前記第2定着部材は、前記第2アンカーボルトによって前記第2構造体に固定される第2固定部と、前記ケーブルの他端部が前記第2構造体の表面に対して平行な方向に並ぶような配列関係で前記他端部が定着される第2定着部とを有している。前記第1定着部および前記第2定着部は、前記ケーブルが引っ張られる方向に向かって前記第1固定部および前記第2固定部に力を作用させている。
このように、ケーブルによる引張力を、第1定着部および第2定着部を介して第1固定部および第2固定部に作用させているため、第1固定部および第2固定部には、引張力に起因する曲げモーメントが作用する。しかしながら、本発明では、複数本のケーブルを第1構造体および第2構造体の表面に対して近接しかつ平行な方向に配列したことによって、第1定着部材の第1固定部または第2定着部材の第2固定部に作用する曲げモーメントを低減でき、しかも第1定着部材及び第2定着部材が、ケーブルに沿う方向の長さがその直交方向よりも長い形状に形成されているで、前記曲げモーメントに起因して第1アンカーボルトまたは第2アンカーボルトに作用する引張力を低減できる。これにより、第1アンカーボルトの第1構造体に対する定着長および第2アンカーボルトの第2構造体に対する定着長を最小限化できる。その結果、第1構造体および第2構造体に、第1アンカーボルトおよび第2アンカーボルト用の深い穿孔を施す必要がなくなるので、第1構造体および第2構造体に損傷を与えることを回避できる。
また本発明では、前記第1固定部および前記第2固定部のそれぞれは、前記第1定着部または前記第2定着部から前記ケーブルが引っ張られる方向に沿って延びるように立設された補強板を有しているので、補強板により、曲げモーメントが作用する第1固定部および第2固定部の強度を向上させることが可能である。
本発明の落下防止装置によれば、アンカーボルトの定着長の最小限化の要求に応えることが可能である。また、本発明の落下防止装置によれば、ケーブルが定着される定着部材に作用する引張力および曲げモーメントを小さくできるので、定着部材の脱落、ひいては定着部材が固定される隣り合う構造体の落下を防止することが可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る落下防止装置1Aを示す概略平面図である。落下防止装置1Aは、隣り合う橋桁をケーブルで連結して橋桁の落下を防止する落橋防止装置であり、例えば鉄筋コンクリート製の隣り合う橋桁50,51のそれぞれに固定される一対の第1定着部材2および第2定着部材3と、一端部6が第1定着部材2に定着されると共に、他端部7が第2定着部材3に定着される複数の、例えば2本のケーブル5とを含む。第1定着部材2および第2定着部材3は、同一の形状および構成を有している。
図2および図3のそれぞれは、代表として、第1定着部材2を示す拡大平面図および拡大側面図である。第1定着部材2は、複数のアンカーボルト9によって橋桁50の壁面50aに固定される矩形のベース板11と、ベース板11の長手方向X−Xにおいて一端部14から他端部15にわたって延び、長手方向X−Xと直交する幅方向Y−Yにおいて所定の間隔をあけてベース板11と一体に立設された一対の第1フランジ(補強板)12および第2フランジ(補強板)13と、第1フランジ12および第2フランジ13のそれぞれに、長手方向X−Xに所定の間隔をあけて立設された複数の、例えば4枚の補強リブ16とを有するブラケット(固定部)8を含む。ブラケット8は、SS400、SM400A等の鋼材からなる。橋桁50の内部には、各列が壁面50aに沿って配列された複数の鉄筋42からなる複数列の鉄筋42が埋め込まれており、鉄筋42は、橋桁50のコンクリート層43を補強している。図3では、1列目の鉄筋42のみを示している。第1定着部材2を橋桁50に固定するアンカーボルト9は、1列目の鉄筋42を越えて、かつ鉄筋42と接触しないように橋桁50の壁面50aに突設されている。なお、アンカーボルト9は、2列目の鉄筋には届かない長さとなっており、また、図3では、鉄筋42は、紙面に対して垂直方向に延びている。
第1定着部材2は、さらに、ブラケット8の一端部14側で第1フランジ12および第2フランジ13間に配置された偏向具(定着部)18と、ブラケット8の他端部15側に配置された緩衝体(定着部)19とを含み、偏向具18および緩衝体19によって後述するケーブル5を第1フランジ12と第2フランジ13の間で支持している。
図4は、ブラケット8の一端部14側から見た正面図である。同図に示すように、第1フランジ12および第2フランジ13間に配置された偏向具18は、例えばポリエチレンからなる断面矩形状の部材であり、ベース板11の幅方向Y−Yに並列に形成され、長手方向X−Xに延びる2つの貫通孔20,20を有している。これらの貫通孔20,20に後述するケーブル5が通される。偏向具18は、地震等によりケーブル5が引っ張られた場合において、ケーブル5の全方向の曲げに対して有効に作用すると共に、ケーブル5に発生する局部的な曲げ応力を緩和させる。なお、偏向具18の第1フランジ12および第2フランジ13に接触する各面には、連結孔(図示せず)が形成されており、偏向具18は、第1フランジ12および第2フランジ13に形成された貫通孔(図示せず)に連結ピン等の連結部材(図示せず)を通した後、偏向具の前記連結孔にねじ込むことにより、第1フランジ12および第2フランジ13の間に固定される。
緩衝体19は、図2および図3に示すように、一対の支圧板25の間に緩衝材24が配置された構成である。図5に示すように、緩衝材24は、幅方向Y−Yに並列に形成され、長手方向X−Xに延びる2つの貫通孔27,27を有する断面矩形状の部材であり、支圧板25のそれぞれは、緩衝材24の各貫通孔27と一点鎖線で示す同一の線L1上に延びる2つの貫通孔28,28を有する断面矩形状の部材である。また、緩衝材24の各貫通孔27の幅方向Y−Yにおける外方には、一対の連結孔30,30が形成されており、支圧板25の各貫通孔28の幅方向Y−Yにおける外方には、緩衝材24の一対の連結孔30,30と二点鎖線で示す同一の線L2上に延びる一対の連結孔31,31が形成されている。緩衝体19は、矢印で示すように、緩衝材24を一対の支圧板25で挟み込み、連結ピン等の連結具32(図2)を支圧板25の連結孔31および緩衝材24の連結孔30に通して連結することにより一体に組み立てられる。緩衝材24の一対の貫通孔27,27および各支圧板25の一対の貫通孔28,28に、後述するケーブル5が通される。緩衝体19は、図2および図3では、ブラケット8の他端部15に単に接触させた状態で配置されているが、ブラケット8に溶接等で固定してもよい。
緩衝材24は、例えば硬度50〜60のCRゴムからなり、地震等によりケーブル5が引っ張られて、ケーブル5の末端部6aを収容する後述するケーシング(図2)33がブラケット8に衝突する際の衝撃を緩和させるものである。支圧板25は、例えばSS400の鋼材からなり、緩衝材24がケーシング33と直接衝突するのを防止するものである。
一方、2本のケーブル5のそれぞれは、1本のPC鋼より線からなる。各PC鋼より線は、防錆性に優れた防錆材と高密度ポリエチレンで被覆されている。各ケーブル5の末端部6aは、図2に示すように、鋼製スリーブ35に通され、圧着加工により鋼製スリーブ35に圧着されている。鋼製スリーブ35に圧着されたケーブル末端部6aは、ケーシング33内に収容される。ケーシング33は、ケース本体36と、ケース本体36の開口部を閉塞する蓋部材37とを含む。ケース本体36は、その底部に、幅方向Y−Yに並ぶ2つの貫通孔39,39が形成されている。これらの貫通孔39,39は、偏向具18の一対の貫通孔20,20、緩衝材24の一対の貫通孔27,27および支圧板25の一対の貫通孔28,28と同一線上に位置している。言い換えれば、ケーシング33の貫通孔39,39、偏向具の貫通孔20,20、緩衝材24の貫通孔27,27および支圧板の貫通孔28,28は、橋桁50の表面50aから等距離の位置に存在している。ケース本体36の貫通孔39に各ケーブル5の末端部6aを通し、図示しない固定ピン等の固定部材を用いて蓋部材37をケース本体36に固定することにより、各ケーブル5のケーブル末端部6aは、ケーシング33内に固定状態に収容される。なお、鋼製スリーブ35は貫通孔39よりも大径とされているので、貫通孔39から抜け出ることはない。
2本のケーブル5、つまり2本のPC鋼より線は、上述のように、偏向具18の一対の貫通孔20,20、緩衝材24の一対の貫通孔27,27、および各支圧板25の一対の貫通孔28,28に通されることにより、ブラケット8の第1フランジ12と第2フランジ13の間で偏向具18および緩衝体19によって支持されて、ベース板11の表面11aに平行に延び、つまり橋桁50の壁面50aに平行に延びている。しかも、2本のケーブル(2本のPC鋼より線)5の全てが、互いに所定の間隔をあけながら橋桁50の表面50aから等距離に配列されていると共に、互いに平行に配列されている。
ところで、上記の構成の落橋防止装置1Aでは、橋桁51(図1)が地震等により所定の設置位置から大きく変位すると、図6に示すように、橋桁50側の第1定着部材2に定着されたケーブル5が矢印Sの方向に引っ張られ、ケーブル末端部6aを収容するケーシング33が破線で示すように緩衝体19に衝突して、第1定着部材2のブラケット8に引張力T1が作用する。ケーブル5の中心軸Pと橋桁50の表面50aとの間の距離をDとすると、ブラケット8のベース板11には、引張力T1によって、曲げモーメントM=T1×Dが作用する。この曲げモーメントMは、ブラケット8を橋桁50から脱落させるモーメントとして作用する。このため、曲げモーメントMが大きくなるにしたがい、アンカーボルト9に作用する引張力T2は大きくなる。引張力T2が許容値を超えると、アンカーボルト9は橋桁50から抜けて第1定着部材2が橋桁50から脱落し、その結果、橋桁51は落下する。なお、図6では、説明の容易化のために、アンカーボルト9を1本とすると共に、ケーブル5を1本としている。また、ブラケット8の第1フランジ12および第1フランジ12に立設されている補強リブ16を省略している。
しかしながら、第1実施形態では、2本のケーブル5を橋桁50の壁面50aに対して平行に配列しているので、図8および図9に示す、複数のPC鋼より線を稠密に束ねてケーブル57を構成した従来の落橋防止装置と比較して、つまり、ケーブル57のケーブル径が大きくならざるを得ない従来の落橋防止装置と比較して、ケーブル5の中心軸Pと橋桁50の壁面50aとの間の距離Dを小さくできる。したがって、第1実施形態の落橋防止装置1Aでは、距離Dを要素とする曲げモーメントMを、ひいてはアンカーボルト9に作用する引張力T2を、従来の落橋防止装置と比較して低減することが可能である。これにより、アンカーボルト9の橋桁50に対する定着長Qを最小限化できる。その結果、橋桁50に、アンカーボルト9用の深い穿孔を施す必要がなくなるので、つまり、アンカーボルト9を短尺化できるので、橋桁50に損傷を与えることを回避できる。また、アンカーボルト9を橋桁50に突設する際には、1列目の鉄筋42の位置を確認するのみでよいので、アンカーボルト9の穿孔作業が容易となって施工性が向上する。また、橋桁50のコンクリート層43が薄くても、アンカーボルト9が橋桁50内部の鉄筋42やPC鋼材と干渉することを容易に回避できるので、アンカーボルト9の配置の自由度が向上する。さらに、アンカーボルト9に作用する引張力T2を、アンカーボルト9間のコンクリート層43を補強する1列目の鉄筋42に分散させることができるので、アンカーボルト9の短尺化を一層図ることができる。
なお、第1実施形態では、2本のケーブル5を橋桁50の壁面50aに対して平行な方向に配列した場合につき説明したが、ケーブル本数は2本に限定されるものではなく、3本以上用いてもよい。また、橋桁50の壁面50aに、一対の第1定着部材2および第2定着部材3を固定した場合につき説明したが、2対以上用いてもよい。
図7は、参考例に係る落下防止装置1Bを示す概略側面図である。落下防止装置1Bでは、アンカーボルト9に加え、繊維シート40を用いて第1定着部材2を橋桁50の壁面50aに固定している。つまり、固定部材として、アンカーボルト9と繊維シート40とが用いられている。
具体的には、第1定着部材2のベース板11の底面11bと、橋桁50の壁面50aとの間に繊維シート40を配設するとともに、この繊維シート40を、接着剤、例えばエポキシ接着剤で底面11bおよび壁面50aに貼り付けて、第1定着部材2を橋桁50に固定している。繊維シート40は、アラミド繊維シート、炭素繊維シート等の高強度繊維シートであり、ベース板11の底面11bよりも大きい範囲にわたって貼り付けられている。アンカーボルト9は、繊維シート40を貫通して橋桁50に固定されている。その他の構成は、第1実施形態の落下防止装置1Aと同一の構成を有しているので、それらの説明は省略する。なお、参考例の構成は、第2定着部材3にも適用可能であることは言うまでもない。
この参考例の落下防止装置1Bによれば、アンカーボルト9に加え、繊維シート40によっても第1定着部材2のベース板11を橋桁50の壁面50aに固定しているので、曲げモーメントM(図6)によって第1定着部材2を橋桁50から引き剥がすように作用する力を、アンカーボルト9と繊維シート40に分散させることができる。したがって、アンカーボルト9に作用する引張力T2が、該アンカーボルト9のみに集中しないので、第1定着部材2の脱落防止を一層図ることができると共に、第1実施形態と比較してアンカーボルト9をさらに短尺化することができる。また、繊維シート40は、橋桁50自体の補強も兼ねている。
図8は、参考例に係る落下防止装置1Cを示す概略側面図である。この参考例では、図7に示す参考例と異なり、アンカーボルト9を用いずに繊維シートのみで第1定着部材2を橋桁50に固定している。具体的には、落下防止装置1Cでは、第1定着部材2のベース板11の底面11bと、橋桁50の壁面50aとの間に繊維シート40をエポキシ接着剤等の接着剤で貼り付けて、第1定着部材2を橋桁50に固定している。この参考例においても、繊維シート40は、アラミド繊維シート、炭素繊維シート等の高強度繊維シートであり、ベース板11の底面11bよりも大きい範囲にわたって貼り付けられている。落下防止装置1Cは、第1定着部材2を橋桁50に固定するためにアンカーボルト9を用いていない点を除き、図7に示す参考例の落下防止装置1Bと同一の構成を有しているので、それらの説明は省略する。なお、この参考例の構成は、第2定着部材3にも適用可能であることは言うまでもない。
この参考例の落下防止装置によれば、繊維シート40によって第1定着部材2を第1構造体50の壁面50aに固定しているので、第1構造体50に深い穿孔を施す必要のあるアンカーボルト9を用いる構成とは異なり、第1構造体50に損傷を与えることを回避できる。
本発明の第1実施形態に係る落下防止装置を示す概略平面図である。 落下防止装置の第1定着部材を示す拡大平面図である。 図2の第1定着部材の拡大側面図である。 第1定着部材の一端部側から見た正面図であり、偏向具を示している。 落下防止装置の緩衝体の構成を示す斜視図である。 落下防止装置の第1定着部材に作用する曲げモーメントを説明する説明図である。 参考例に係る落下防止装置を示す概略側面図である。 参考例に係る落下防止装置を示す概略側面図である。 従来の落橋防止装置を示す概略平面図である。 図9の落橋防止装置の定着部材を示す概略側面図であり、この定着部材に作用する曲げモーメントについて説明している。
符号の説明
1A,1B,1C 落下防止装置
2 第1定着部材
3 第2定着部材
5 ケーブル
8 ブラケット
9 アンカーボルト
11 ベース板
12 第1フランジ
13 第2フランジ
16 補強リブ
18 偏向具
19 緩衝体
33 ケーシング
36 ケース本体
37 蓋部材

Claims (1)

  1. 鉄筋コンクリート製の第1構造体と鉄筋コンクリート製の第2構造体とを互いに連結して前記第1構造体または前記第2構造体の落下を防止する落下防止装置であって、
    第1固定部材によって前記第1構造体に固定される第1定着部材と、
    第2固定部材によって前記第2構造体に固定される第2定着部材と、
    一端部が前記第1定着部材に定着されると共に、他端部が前記第2定着部材に定着される複数のケーブルと、
    を備え、
    前記複数のケーブルは、前記第1定着部材が固定された前記第1構造体の表面および前記第2定着部材が固定された前記第2構造体の表面に対して平行な方向に配列されるとともに前記第1構造体の表面および前記第2構造体の表面から等距離に配列され、
    前記第1定着部材及び前記第2定着部材は、前記ケーブルに沿う方向の長さがその直交方向よりも長い形状に形成されており、
    前記第1固定部材は、前記第1構造体の2列目の鉄筋には届かない長さで前記第1構造体内に固定されるとともに前記第1構造体の表面に突設され、前記第1定着部材の長手方向に複数設けられた第1アンカーボルトによって構成され、
    前記第1定着部材は、前記第1アンカーボルトによって前記第1構造体に固定される第1固定部と、前記ケーブルの一端部が前記第1構造体の表面に対して平行な方向に並ぶような配列関係で前記一端部が定着される第1定着部とを有し、
    前記第2固定部材は、前記第2構造体の2列目の鉄筋には届かない長さで前記第2構造体内に固定されるとともに前記第2構造体の表面に突設され、前記第2定着部材の長手方向に複数設けられた第2アンカーボルトによって構成され、
    前記第2定着部材は、前記第2アンカーボルトによって前記第2構造体に固定される第2固定部と、前記ケーブルの他端部が前記第2構造体の表面に対して平行な方向に並ぶような配列関係で前記他端部が定着される第2定着部とを有し、
    前記第1固定部および前記第2固定部のそれぞれは、前記第1定着部または前記第2定着部から前記ケーブルが引っ張られる方向に沿って延びるように立設された補強板を有し、
    前記第1定着部および前記第2定着部は、前記ケーブルが引っ張られる方向に向かって前記第1固定部および前記第2固定部に力を作用させる落下防止装置。
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